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2021年08月25日

昔、ある講習会を受けたときの話です。
だいぶ昔のことですが、東京で講習会を受けたときのことです。
講師は女性でしたが、最初からけっこう強烈な人で、参加者に怒り出す人が出なきゃいいけどなあと思うくらいの印象の人でした。
今じゃあきっとアウトです。

私は、その講師に体の軸か何かについて質問をしました。
そうしたら、その講師は私が質問した姿勢を自ら作り、
「あなた、後ろから私の背中を押してみなさい」と言いました。
質問などできない雰囲気を漂わせている講師へ質問したので、参加者は注目しました。

押しても安定して動かない、これが軸、ということを示そうとしているんだと感じた私は、講師の背中をソーッとだんだん強めに押しました。
まさかこれでぐらつかせちゃあ申し訳ないなと思ったからです。

やってみせるだけあって確かに安定感は感じましたが、これ以上押したら明らかにバランスを崩してしまうだろうと感じ、それ以上強く押すのをやめ、さらに急に力を抜けばそれでもバランスを崩しそうだと

感じ、少しずつ力を抜きました。
配慮したわけです

。

そのあと、その講師は私に「あなた男でしょ」と言いました。
男ならもっと強く押せというわけです。

そこで私は「分かりました。もう一度その姿勢になってください」
…とは、もちろん言いませんでしたが配慮し過ぎたようでした。
もしかしたら、私が強く押してバランスを崩したあと「あなた男でしょ。女性に配慮しなさい」くらいの言葉を用意していたのかもしれません。

…また、別の時には、一日中、勁力の練習をする講習会へ参加したこともありました。
勁力（けいりょく）が相手からやってきたときに飛び跳ねる、あれです。
もちろん発勁ではないので力で飛ばされるわけではありません。
勁力が届いたよと相手に伝える反射的自主的な反応です（と、私は理解しています）。
仮に、発勁のような強い力を受けたときに、後ろへ倒れて後頭部を打たないようにする受け身の方法だとも理解しています。
そのときは男性の講師でしたが、私の勁力を確認しようと、指先や背中に触ってちょっと押します。
私は押されたことで自分の安定感を感じ、足裏から登ってきたものを感じて体の膨張感のようなものを感じ、それを押されたところに届けます。
その瞬間、その講師が飛び跳ねます。
私の勁力が講師に伝わった、それでよい、それが勁力だというわけです。

講師にうながされて、参加者がよってたかって私の体に触り押したり引っ張ったりします。
「こんなに大勢の女性に触られたことないでしょ」とどこかのおばさん（参加者）が言います。
「はいはい、もっと触って～」と立っていると、みな講師と同じように反応します。
飛び跳ねるわけです。私は安定しているし、何だか特別の力が備わったようで嬉しくなります。

…でもねえ、と、私は思うわけです。

ほんとかいな？。
参加した皆さんは、講師が飛んだから、信じて同じように飛んだんじゃないの？
ほんとに私の勁力を感じたの？と疑います。

皆が「はいはい」と手を挙げると、それにつられて「はいはい」と手を挙げるダチョウ倶楽部を思い出してしまいます。

…ということで、前の話の「あなた男でしょ講師」へのよりよい反応は、私が飛び跳ねることだったということになります。
あのとき以来、その講師には会っていませんが、当時、私がその講師の背中を押したときに飛び跳ねたらなんて言ったかなあ