レベルアップ太極拳

カレンダー

カテゴリ

24収勢

(3)

プロフィール

pi-taijiquan

フォローする

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2021年09月28日

（勁力のお話のつづき：3回目）
講師が私の体に触って飛んだという話しをしました。
くどいようですが、発勁のような瞬発的な力や物理的な力によって講師が飛んだわけではありません。
飛ぶ側が、あなたの勁力が届いたよと相手に伝えるための反射的自主的反応です。

もし、この勁力がほんとに相手を飛ばすようなレベルのパワーだとすると、そのパワーが腕力か勁力かに関係なく、突き飛ばされて転んで後頭部を打つ危険があります。
そうならないように、安全な受け身のために飛ぶという意味もあります。

…と、私は理解しています

。

さて、こんどは反対に、講師が私に向かって勁力で対応します。
私が飛ぶ側です。
私が掤勁でほんの少しの勁力を講師の腕に送ります。
それを受けた講師は、私の力を利用しながら吸収するように講師自身の足の裏まで降ろして安定して、その足裏床下からの反作用でこちらに勁力を送り返します。
それを感じた私は、飛ぶというわけです。
そんなイメージです。

うまくいくと相手とつながる実感があります。
慣れてくると分かったことが嬉しくて飛び跳ねたい気分にもなります

。

とはいえ、とても微妙な感覚ですから、講師の発する勁力が分からない場合もあります。
分からないときには「ん～？来たかな～（飛ぼうかな）」と判断して飛びます。
↑
おいおいそんなのアリかよ。
この反応はインチキですが、場の空気を読んで、私は忖度するわけです。

こういうところが人と対しての練習の面倒くさいところです

。

しかし、私の配慮に気づいて「それは違う」と指摘した講師は今まで一人もいません。
それがまた私の疑問材料になってしまいます。
何だかなあ

。

もしかすると、私は勁力を感じているから的確な配慮ができたのかも。
そうなら、私の配慮は、勁力より分析的で、理解のよりどころになりそうです。

…てな感じですが、私はこの手の講習会は、半日もたたないうちに飽きてしまいます。
感覚ばかりの世界で、そこに客観性や論理性の追求が見えないからです。

参加者の中には、講師が相手になると、講師が触っただけで、まるで講師を崇拝しているかのように見事に飛び跳ねる人がいます

。
感覚が鋭いといえばそれまでですが、そんな光景を見るたびに私は、「いくら配慮してもそこまでは飛べないなあ」と、しら～っとした気持ちになってしまいます。

講習会も午後になり配慮も面倒になってくると、私は密かに実験を始めます。

ちょっと違う方法を試したりわざと飛ばなかったり、受ける約束なのに受け返したりと…。
悪意はないのですが、よりどころを見つけて分析的に把握したいからです。

あるとき私を飛ばした（私のバランスを崩した）講師に、
「先生、今の最初は勁力だと感じましたが、ここからあとは力を入れたんじゃありませんか」
と率直に話しました。
正直な感想です。
何が何でも飛びまくっていた周囲の崇拝者たち

は、一瞬シーンとなりました。

その講師は「ん～ちょっと力を入れちゃったかもしれない」と素直に答えました。
なるほど、そうなると、私が感じた違いの前半部分を勁力と考えているわけかとちょっと比較対象が見えてくるわけです。

確かに勁力とただの力とはちょっと違います。
↑
まだ続きそうな終わり方だなあ