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「プロローグ」では、ハチ公像前で澪人と待ち合わせをしていた小春が、 中学時代のクラスメート3人に出会い、余裕の対応を見せてくれます。 第1章「初秋の水羊羹とかぐや姫の想い。」では、 故・東堂周平の娘・竹美が、祇園の和雑貨店『さくら庵』を訪れます。 父母の離婚の真実を知ったことで思い悩む竹美の心を、吉乃が癒すのでした。 その後、『さくら庵』に泥棒が侵入しますが、若宮が追い払い、澪人が下宿を再開します。第2章「京の鯖寿司と白狐の依頼。」では、伏見の地を護る眷属神の白狐・シロの依頼で、今度伏見にやって来る『やんごとなきお方』を喜ばせるため、OGMが協力することに。そして、中秋の名月の黄昏時、イベントで賑わう商店街に現れたのは、何と宗次朗と杏奈。二人は結婚し、伏見稲荷参道商店街で和菓子屋を始めることにしたのでした。第3章「ご挨拶の三笠と玉露の時間。」では、朔也が西の本部長から陰陽師に指名されて大喜び。掌編「真夜中のホットミルク。」では、嵐の夜に、小春と澪人が甘い一時を過ごします。「エピローグ」では、伏見の和菓子屋『さくら庵』の開店当日の様子が描かれます。そして「あとがき」では、著者が前巻を振り返りつつ、お話の継続を宣言。 ***番外編「拝み屋さんと鑑定士」は、『京都寺町三条のホームズ(18)』に掲載された「拝み屋さんと鑑定士[彼の胸の内]」のもととなったお話です。『京都寺町三条のホームズ(18)』を読んだ時点では、よく分からなかった部分も、今ではすっかり理解できるようになりました。
2023.03.26
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ロシアによるウクライナ軍事侵攻を受けての 橋下徹さんの夥しい数に上るツイッター上でのツイートを紹介しながら、 その主張や論理、狙いを読み解くことから始まり、 地上波テレビでの発言やストローマン論法についても言及していきます。 さらに、「敗北主義思想」や「戦争観」にも触れながら、 著者・百田さんと橋下さんとの関係が、「靖国論争」を機に変化したことや、 「沖縄問題」や「橋下市政と上海電力参入」から見えてくる、 橋下さんの中国に対する姿勢や思惑について述べていきます。最後には、「元教諭の証言」や「ある女性の告白」等にも触れ、橋下さんの人となりについても言及しています。帯には「橋下さん、訴えないでください!」の文字が躍っていますが、今のところ、橋下さんはそれらしいアクションを起こしてはいないようです。
2023.03.26
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「プロローグ」では、捕らわれの身となった小春に、千歳が語りかけます。 一方、浅草神社にいた澪人の前には、赤い前掛けをした三毛猫・コマが現れます。 第1章「少年の記憶。」では、千歳の哀しい過去や川瀬との出会いが明らかに。 小春は、自分の代わりに東京の結界詣りをしてほしいとコウメに頼むのでした。 第2章「おかげ狐と狛猫。」では、コウメとコマが結界詣りを開始。 一方、京都のOGMのメンバーは、二手に分かれ綾戸國中神社と奈良の高鴨神社に向かいます。第3章「それぞれの祈禱。」では、川瀬が陰陽師組織を解体しようとしていたことが判明。そのために、宮家と安倍家の血を引く藤原保親の子孫・千歳を引き込んだのでした。しかし、小春に禍津日神の穢れのエネルギーを活性化させるのを阻止され、藤原保親による禍津日神封印の真相まで暴かれた千歳は、日比谷神社へと向かいます。第4章「日比谷神社へ。」では、さらなる川瀬の過去が明らかに。一方、小春は東の陰陽師たちに救出され、そこが宮内庁庁舎だったと気付くのでした。第5章「解放の時。」では、千歳が過ちを犯さぬよう、澪人と小春が説得を続けますが、川瀬がまじないを唱え、解放の五芒星を描き、禍津日神を開放してしまいます。しかし、澪人、小春、千歳の3人が祝詞で東京の神様と黒龍を呼び寄せると、西日本各地で呼び覚まされた大直日神のエネルギーが日比谷神社に降りてきたのでした。その後、若宮の姿になった黒龍は、千歳や千春に前世について語るのでした。「エピローグ」では、若宮が澪人に前世について語ります。驪龍は、あの時左近衛大将に伝えられなかったことを、澪人に伝えることが出来たのでした。 *** 長い階段を梶原秋人という俳優が、ひーひー、言いながら上っている。 『この金刀比羅宮では、江戸時代、飼い犬が飼い主に代わって こんぴらさん詣りをしたという逸話があるそうなんだけど……、 僕も代わりに犬に上ってもらいてぇ!』(p.35)このテレビ番組を見ていた小春が、自分の代わりに、コウメに東京の結界詣りをしもらうことを思いついたわけですが、『京都寺町三条のホームズ』のファンにとっては、嬉しいシーンですね。シリーズ19巻が、先月発売されたので、近々読もうと思っています。
2023.03.19
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『優莉凜香 高校事変 劃篇』に続く『高校事変』のスピンオフ第2弾。 『高校事変』で言うと、『Ⅹ』の後、『Ⅺ』の前の時期設定で、 ホンジュラスの死闘後、結衣がどのようにして日本に帰還したかが明らかに。 北朝鮮の黄州選民高校を舞台に、想像を絶する激しい闘いが繰り広げられます。 ***貨物船に潜み北朝鮮への上陸を果たした結衣は、船中で死んだチェ・ユンスルになりすまし、日本向け工作員の育成を行う黄州選民学校で、日本へ脱出する機会をうかがっていた。そして、体育の授業で行われた対戦式のコンバット訓練で、チームを率い勝利した結衣は、特務局日本語職員候補の最優秀生徒として、日本潜入計画に加わることになる。しかし、特務局が用意した教科書に掲載されていた結衣の顔写真はユンスルのものだった。体育館で行われた朝礼で、結衣は自らの正体を皆に明かし、次のように語る。 「学校ぐるみで優莉結衣を匿ったか、あるいは授業を受けさせ機密をバラしたか、 日本の悪しき資本主義搾取文化に影響を受けたか、疑惑を追及するより、 疑わしきは抹殺ってのがこの国でしょ。みんな死ぬ。」(p.189)やがて、朝鮮人民軍の特殊作戦軍地域掃討部隊による攻撃が始まった。激闘が続く中、結衣と距離を置いていた者たちも、次第に行動を共にするようになり…… ***今巻最大の見所は、結衣が火星20号の弾頭有人カプセルに乗り込み日本へと向かうシーン。横浜ランドマークタワーからのダイビングも驚きでしたが、今回もスゴかった。もはや、岬美由紀レベルですね。そして、『高校事変 13』は、3月25日発売予定とのこと。
2023.03.19
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引っ越しを終えたばかりの李奈に、嫌がらせが頻発。 アマゾンのレビュー評価が、急に星4個から1個になっていたり、 ウィキペディアに新居の住所が掲載されていたり、 新潮社に身に覚えのない官能小説の原稿が送られていたり等々…… それらは、エルネスト代表取締役・鴇巣(ときのす)が、 李奈に丸善版『新約聖書』を探させるため行ったことだった。 やむを得ず調査を開始した李奈だったが、わずかな手掛かりも次々に行き詰ってしまう。 しかし、李奈はエルネストの子会社所在地が、いずれも徳川慶喜縁の場所だと気付く。その後、編集者の中に紛れ込んでいた内通者を突き止めると、その人物が所属する調査会社に優佳と共に乗り込み、重要書類の発見に成功。そして、鴇巣が欲しているのは、徳川埋蔵金の在処を示す暗号文のコードブックだと気付く。さらに調査を勧めた李奈は、遂に丸善版『新約聖書』を入手するが、その中身は別物だった。倒産の危機に瀕した鴇巣は、優佳を誘拐して李奈に丸善版『新約聖書』を探せと脅迫。絶体絶命の状況の中、李奈は自力で暗号文の解読に挑むのだった。 *** 「ねぇ、李奈。 それミステリの謎解きにしちゃ唐突すぎるって。 探偵の頭がよすぎて、活字になったとしても目が滑る。 しかもちょっとなにいってるかわかんない」(p.230)これは、丸善版聖書の所有者を探して読書クラブを訪ねた際、優佳が李奈に言った言葉。おそらく、これはp.268から始まる李奈の暗号文解読シーンへの伏線でもあると思います。10ページ程にも及ぶ李奈の説明を、一読で理解できる読者はほとんどいないでしょう。私はざっと読み進めただけで理解することを放棄し、再度読み直すことはしませんでした。
2023.03.12
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「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズの第5弾。 第1話「毒消し山荘の奇妙な事件」では、 爽太が花織とその同僚薬剤師・刑部夢乃と一緒に伊豆山中へ出かけ、 デジタル・デトックスとリラクゼーション体験が売りの <毒消し山荘>と呼ばれるエコロジカルな宿で過ごします。 最終日の朝食時、夫と共に宿を経営する蕪木忍から、3人は<幸運の種子>を渡されます。 百目鬼(どうめき)社長と関りがあると思われる男からの封筒を手にした花織は、 東京へと向かう電車の中で、その封筒に入っていた暗号文の解読に成功しますが、 <幸運の種子>が何なのかには気付いたものの、忍の思惑は分からないままでした。 第2話「うつの双つの顔」は、304号室に3週間ほど宿泊し続けている黛美晴を巡るお話。常にハイテンションで自己主張が強く、次々に要望を繰り出すため、担当の馬場は疲労困憊。過去の諸事情を爽太に打ち明けた馬場は休養、美晴の担当は爽太が引き継ぐことになります。爽太は、美晴が服用している薬について花織に相談し、問題解決の糸口を見つけるのでした。第3話「カンナビス・クライシス」は、新しい薬剤師・早瀬朱音を巡るお話。旅行会社が運営する予約サイトに、爽太に対する悪意ある口コミが投稿されたり、薬局の金庫からなくなっていた麻薬が、花織のロッカーの中に置かれていたりする事件が続発。早瀬を不審に思った爽太は彼女を尾行、そこへ<毒消し山荘>のスタッフ・咲良が現れます。何と二人は姉妹で、咲良は<幸運の種子>を返して欲しいと爽太に言うのでした。爽太が既に手元にないと言うと、咲良はハイキングコースのチェックポイントへの案内を要求。しかし、3人が現地に向かおうとしたところへやって来たのは、麻薬取締官たち。その後、百目鬼社長が関係者たちを集め、事の顛末について語るのでした。 ***今回は、「麻薬」と「うつ病」をテーマにした一冊でした。この二つから、真っ先に私が思い浮かんだのが中島らもさん。『牢屋でやせるダイエット』の記述には、読んだ当時とても驚かされましたが、本著文中には、次のような記述がありました。 外国ではカンナビスが未知の薬を創り出す宝の山だと考える節もあるようで、 その研究は日進月歩で進んでいるそうだ。 医療用や嗜好用の大麻を解禁した国はすでにあるし、 そういった国ではカンナビスの研究も解禁となっている。 イギリスでは製薬会社が新薬の創成に携わっているし、 アメリカでは複数の企業が大麻の栽培、研究に取り組んでいる。(p.294)「現在は、こういう状況なんだな」ということがよく分かり、とても勉強になりました。
2023.03.12
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7カ月程での新刊発行は、前巻に比べると随分早いもの。 帯ある『TVアニメ 2023年放送決定!』が関係しているのでしょうか? *** 西都から戻った猫猫たちの、久々に都を舞台とするお話がスタート。 羅漢の執務室で首吊り死体が発見されると、羅半は医局に変死体の検死を依頼します。 劉医官、天祐と共にやって来た猫猫は、野次馬のが3人の女性が怪しいと気付きます。 それは、武官・王芳に三股をかけられていた3人の官女が共謀しての犯行でした。一方、高順の娘・麻美は、主上への帰朝報告を終えた壬氏に呼ばれ、彼が西都に赴いていたこの1年の都の様子を伝えます。さらに、母・桃美や、弟の馬良と馬閃、馬良の妻・雀に1年半ぶりに再会し、馬閃と『卯の一族』の令嬢・里樹の今後について、どうしたものかと思案するのでした。他方、姚が羅半に好意を寄せ、羅漢の屋敷に滞在し続けていることを心配する燕燕は、羅漢の屋敷で働く三番から新居を紹介されますが、三番も羅半に好意を寄せていたのでした。羅半をめぐり、冷たい火花を散らす姚と三番。そんな羅漢の屋敷に、西都に置き去りにされた羅半兄が遂に帰ってきたのでした。娼館『緑青館』の三姫の一人・女華は、母の形見である翡翠の玉牌を所有していました。約1年ぶりに『緑青館』を訪れた猫猫が、羅漢の執務室の首吊り死体について話をすると、女華は、それは玉牌を譲って欲しいと言ってきた自分の客だった男ではないかと言います。猫猫は何かに気付いたようでしたが、それを口にはしませんでした。猫猫が雀と共に阿多の宮を訪れると、阿多から「雀は私に仕えている」と聞かされます。さらに、「月は私の実の息子だからな」「本物の皇弟と私の息子を入れ替えた」とも。それは、猫猫にとって、気付いていても直接知りたくなかったことでした。そして、「宮に行く意味はわかっているか?」と尋ねられ、自らの覚悟を語るのでした。その後、猫猫は壬氏が待つ部屋へ。花街育ちの猫猫がしてきた諸々の準備を聞かされ、自らの立場を再認識させられた壬氏は、猫猫をそのまま帰らせます。猫猫は宿舎の部屋で、持ち帰った夕餉をぺろりと平らげ、酒をちびちび舐めるのでした。 ***巻末には、皇族と羅の一族の家系図が掲載されています。壬氏と現帝の長男については、世間の認識のままが掲載されており、今巻、阿多が語った内容は反映されていません。まぁ、読者は既に知っていたことですが、確かに色々とややこしい状況です。
2023.03.05
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6つの絵画を巡るお話を集めた短篇集。 巻末には、それぞれの絵画を所蔵する美術館の学芸員さんによる「解説」が。 とても興味深い試みで、「さすがマハさん!」と唸らされます。 (ただし、最後の1話だけ、なぜか「解説」が掲載されてません) 登場する絵画は、どれも有名なものばかりで、 「ハッピー・バースデー」には、ゴッホの〈ドービニーの庭〉(ひろしま美術館蔵)が、 「窓辺の小鳥たち」には、ピカソの〈鳥籠〉(大原美術館蔵)が、 「檸檬」には、セザンヌの〈砂糖壺、梨とテーブルクロス〉(ポーラ美術館蔵)が、 「豊饒」には、クリムトの〈オイゲニア・プリマフェージの肖像〉(豊田市美術館蔵)が、 「聖夜」には、東山魁夷の〈白馬の森〉(長野県立美術館・東山魁夷館蔵)が、 「さざなみ」には、モネの〈水連〉シリーズ5点(地中美術館蔵)が登場し、 それぞれの話の中で、重要な意味合いを持ち、大きな役割を果たしています。 *** これが、私の仕事。 たぶん、世界でいちばん最低な仕事。 「さくらレビュワー」。 つまり、1件でいくらでお金をもらって、 見たことも聞いたことも試したこともないモノをレビューする。 正々堂々、「さくら」である。 レビューを見た人が試したくなるように、買いたくなるように。 予約/購入ボタンをポチっとクリックさせるために。(p.102)私は、複数の書籍を同時並行で読んでいることが多いのですが、この作品を読んでいる時は、『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』を一緒に読み進めていました。そして、その「第7章 フェイクレビューは止まらない」を読み終えた直後に、本著「豊饒」の上記部分を目にしたのです。シンクロ、半端ない!!
2023.03.05
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