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映画が公開中なので読んでみました。 映画はまだ観ていませんけれど…… でも、新田浩介の役は、キムタクにピッタリだと思いました。 山岸尚美を長澤まさみが演じるのは……まぁアリかな。 お話の舞台は、都内で起きた3件の連続殺人現場に残された暗号を解読した結果、 次の犯行が予想されるホテル・コルシア。 その女性フロントクラークが山岸尚美で、 そこに潜入捜査にやって来たのが刑事・新田浩介。事件に関係のありそうな、怪しげな人物が次々にホテルにやって来ます。そして、そのそれぞれが「なんだ、関係なかったのか」と思っていたら……ラスト30ページ程になってからのスリリングな展開は絶品!!さすが東野さんです。さて、お話の面白さはもちろんですが、それ以上に、私がこの作品で深く印象に残ったのは、次の言葉。 「そのお気持ちだけで十分です。 私共は従業員全員でお客様へのサービス提供に努めております。 いわばチームプレイなんです。 ですから、お客様に喜んでいただけたとしても、 誰か一人の功績というわけではありません。 逆にいいますと、もしけしからん従業員がいて、 お客様にご迷惑をおかけするようなことがあった場合も、 その者一人ではなく、ホテル全体の責任だと考えております」(p.71)山岸尚美は、かつて大学受験のためにホテル・コルシアに宿泊しました。ところが、受験当日、母から渡された合格祈願のお守りを、ホテルの客室に忘れてしまったのです。にもかかわらず、そのお守りが、なんと試験開始前に会場に届いたのです。尚美は、試験が終わってからホテルに戻り、礼を言おうとしますが、誰に言えばいいのかわからず、1階でぼんやりと立っていました。そこに近づいてきた男・副総支配人の藤木が、尚美にかけたのが上の言葉です。藤木は、やがて総支配人となり、尚美はその下で働くようになったのでした。そこら辺のビジネス書より、ガツンと来ました。
2019.01.27
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帯には、CONTENTS 第1章◆電通とは何か、鬼十則とは何か、 第2章◆日本企業の特徴と働き方の現実、第3章◆ドイツに学ぶ生き方と働き方、 第4章◆働き方改革の落とし穴、第5章◆これでいいのか!マスメディアの実態、 第6章◆デジタル時代の若者の生態と第4次産業時代の到来、と記されています。 私にとって、とても興味深い内容ばかり。 価格は1,980円+税なので、たっぷりと堪能できることでしょう。 早速ネットで発注、大いに期待しながら家に届くのを待っていました。 けれど、発注の前に、本著のページ数を確認するのを忘れてた……届いたのは、166ページの超コンパクトな一冊。ここに、CONTENTSで示された内容が、全てギュッと凝縮されている!?読み進めてみたものの……そりゃぁ、この紙幅の中に、これだけの内容を、読者の期待を裏切らないレベルで詰め込むのは至難の業、ですよね……。電通について、鬼十則について、新入社員の自死事件については、また改めて、他の書籍を当たってみます。それでも、本著により、電通が「広告代理店」ではなく「広告会社」であること、「インターネット広告」でつまずいたことは分かりました。
2019.01.27
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帯には「話題沸騰 名作復活 トランプ大統領を預言!? 『日本沈没』の次は”アメリカ孤立”!」とある。 私も、昨年「何を言っても委員会NP」で紹介されているのを見て、 購入はしたものの、今頃になってやっと読了したという次第。 本著は「アメリカの壁」の他、全部で6つの作品が掲載された短編集。 表題作の「アメリカの壁」は、文字通りアメリカが白い霧の壁に覆われ、 外部との折衝が一切できなくなってしまうというお話。 豊田は、この状況に政府の何らかの思惑が働いているとの疑念を抱く。そして、友人ハリーの手引きによって豊田は「最後の有人戦略爆撃機B-1」に乗り込み「壁」の突破を試みる。が、壁に突っ込む直前、マイクロカセット・コーダーからハリーの声が。その内容は、壁の真実を告げるものだった。他の5編も、それぞれに趣が異なるお話だが、1977~1978年にかけての作品ということもあって、今となっては、やや古めかしく感じてしまうのはやむを得まい。そんな中、「幽霊屋敷」と「おれの死体を探せ」は、結構楽しめた。
2019.01.20
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『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? 』以来、 久しぶりに西村氏の著作を読みました。 対人関係において、自らの立ち位置をどのように設定しているかや、 西村氏の人となりが、本著を読み進めていくと分かってきます。 さて、本著には西村氏の「論破のテクニック」が、多数紹介されています。 人は怒りの感情にかられると、 通常の行動パターンと違う行動パターンを取るようになります。(中略) 多くの場合、冷静さを欠いた発言というのは、 論理性を欠くので説得力が低下します。(p.32)これは、感情的になってはいけないということ。逆に、相手を感情的にさせて、こちらが優位に立つ方法も指南してくれています。 要は、主観には答えがないので本質的には説得が不可能ということ。 なので、主観が交じる議論というのは「やるだけ無駄」度が高いわけです。(p.84)これも納得ですね。西村氏は、そういう議論には出来るだけ加わらないようにしていると述べています。 実生活でも論破力は諸刃の剣だということをまず知っておいてほしいと思います。 夫婦ゲンカで相手を論破しても、いいことなんてまったくないでしょう。 たとえば営業マンだったら、相手にモノを買ってもらうことが目的ですよね。 大事なのは「いや、いらないよ」と言われないようにすること。 つまり論破しようなんて考えるよりも、 酒でも飲みに行ってお客さんと仲よくなるほうが、効率がいいわけです。(中略) その場で相手を言い負かしても、「もうおまえからは絶対買わねぇ」となったら、 まったく意味がないでしょう。(p.19)これが、本著の中で私が最も印象に残ったところ。 相手を言い負かすことが「勝利」とは限らない。ところで、本著の至る所で「おいら」とか「~のですよ」とかいう表現が見られますが、これって、実際に著者自身が記した表現なのでしょうか?
2019.01.14
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序章「前史-日本右翼の源流」から始まって 第1章「消えゆく戦前右翼」へ。 そして、第2章「反米から『親米・反共』へ」、 第3章「政治・暴力組織との融合」へと続いていく。 さらに、第4章「新右翼の誕生」から 第5章「宗教右派の台頭と日本会議の躍進」、 最後は、第6章「ネット右翼の跋扈」へと、 「右翼」の変遷が綴られていく。 右翼とはいっても、すべてが同じ色に染まっているわけではなかった。(p.116) 本著を読んで、一番感じたのはこのこと。そして、そこに登場する人物や企業、政党、省庁の名前に、 改めて気付かされることが、とても多かった。 戦後史の理解を深めるために、読むべき一冊。
2019.01.14
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シリーズ第5弾、今回も絶好調! 山猫、勝村、里佳子、細田、黒崎みのりといったお馴染みの面々に、 警察官である霧島さくら、関本、犬井らも登場。 みのりや犬井については、前巻のエピソードを知っていた方が楽しめます。 *** 「まったく……猿が何しに来やがった」(p.19)これは、山猫が<STRAY CAT>にやって来た男に言った言葉。この男こそが、今回のお話のカギを握る人物。 「三猿?」 「そう。世の中にあるもの全てをコピーできるとまでいわれた贋作師の。 天才的な頭脳を持ち、企画立案を担っていた<言わ猿>。 見てくれには問題はあるが、才能を持った若きハッカーであり、 情報屋の<聞か猿>の三人で構成された窃盗団。それが三猿ってわけだ」(p.114)これは、山猫と勝村の会話。海外マフィアに付け狙われていた三猿は、十年程前に全員死んだはずでしたが、先日の火災現場で見つかった銃殺死体の掌には、三猿の入れ墨があったのです。そして、猿の娘を名乗る少女が、<猿猴の月>を探し出すため山猫の前に現れて…… 「猿は三匹います。あなたが、会いたがっている猿は、どの猿ですか?」 「訊くまでもなく、分かってるだろ」 「そうでしたね。あなたの大事な肉親でしたね……」(p.107)これは、犬井とかつてコンビを組んでいた元警察官・牧野大師との会話。場所は、東京拘置所の面会室で、二人は遮蔽版を隔てて向き合っていました。1ヶ月前に、犯罪コーディネーターとなった牧野を犬井が逮捕したのですが、未だに外の世界と通じ、様々な情報を握っていたからです。 「聞か猿だけは、他の連中とは違ってたな……」(中略) 「どう違うんです?」 「頭が切れて、クールで、スタイリッシュ。おまけにイケメンなんだ。 みのりちゃんも、きっと惚れると思うよ」(p.174)これは、細田とみのりとの会話。みのりが三猿について細田に訊ねた時の、この細田の返答ですが、実は、スゴ~く意味深長で、それが解明されるのは、p.340です。頑張って、読み進めましょう! ***今回のお話で一際目立っていたのは、犬井と勝村。犬井は、お話の核心となる部分に絡んでいることもあり、当然といえば当然ですが、勝村は、これまでのお話にもまして、かなりカッコいいです。その著者の愛溢れる書きっぷりの理由は、「あとがき」で明らかにされています。次巻が、待ち遠しい!!
2019.01.14
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今巻のイラストMVPは、ひたきゆうさんの天津風。 しずまさんの天津風も、とっても好きなんですが、 こちらも、カワイイ!! 隣に座ってる島風もイイですね。 さて、お話の方は全体として一定レベルをキープしつつ、 斬新な作品も見られました。 なぎみそさんの「ハジメテノガッコウ!」は、 北方棲姫をメインに据えるという、これまでになかった設定で楽しめました。また、キ村由宇さんの作品の春日丸、じじおさんの作品のヴェールヌイとガングートも目新しいもの。その他では、ヒロさんの作品の千歳・千代田姉妹や森永ミキさんの作品の羽黒がかわいかったですね。そして、今巻の作品の中で一番のお気に入りは、ゴウタさんの作品の「シスターズ・スランプ」。秋雲と不知火が活躍するお話です。それにしても、今巻は長門メインのお話が多かった! ***さて、我が艦隊は、昨日冬イベ2019を無事完走。と言っても、手っ取り早く終わらすため、今回はE3は丙作戦。それでも、イベ中に初めてお迎えした艦娘は、報酬艦の峯雲、日進以外に、浜波、神風、Johnston、沖波、照月、清霜の面々。特に、Johnstonは、初Zマス到達S勝利でいきなりドロップしてビックリ!そして、ゲージ破壊中に照月もドロップしてくれたので、Zマスとはサヨウナラ。現在は、新春限定任務2019と並行して、Sマスで掘ってます。涼月、なかなか来てくれません……
2019.01.06
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読み始めてから気付いたのですが、 著者は、ベストセラーになった『応仁の乱』の呉座さん。 『応仁の乱』未読の私には、著者名を見てピンとこなかっただけの話ですが。 しかし、かなり上から目線の書きっぷりが、至る所で見られるので少々驚きました。 本著は、日本中世の様々な陰謀・政変について紹介しながら、 巷に溢れる多くの陰謀論について論じたものです。 いつの時代にも、激しく政権を争う人たちがおり、 それを手に入れるため、手段を選ばない攻防が繰り広げられたことが分かります。本著を読み進めるのには、随分時間を要しました。保元の乱や平治の乱のあたりについては、私が教科書レベルの知識程度しか持ち合わせていないため、人名を始め、色々なワードがスッと頭に入って来ず、苦労しました。それが、鎌倉時代のエピソードになると、やや緩和され、室町時代に入ると、読み進める速度が少しずつ上がっていきました。そして、「応仁の乱」になると、やはり筆者の得意とするところだからでしょうか、俄然面白くなってきて、そのまま本能寺の変、関ヶ原と楽しく読み進めていきました。 前著でも指摘したが、中世人は親の仇を討つことを決して忘れない。 親兄弟を殺した仇敵と手を結ぶことに不満を持つ者は、 細川家にも畠山家にも少なくなかっただろう。 細川高国や畠山尚順は、それぞれの家臣たちを説得する必要があった。 足利義稙・細川高国・畠山尚順の三者は、恩讐を乗り越えるために <ウソの歴史>を必要とした。 そこで細川京兆家は『応仁記』において、 足利義視(義稙の父)- 細川勝元(高国の養父である政元の父)- 畠山政長(尚順の父)が協力関係だったという”神話”を創造し、 足利義稙-細川高国-畠山尚順の提携を<あるべき姿への回帰>と正当化した。 この神話創造を担ったのは、安富宗綱であろう。(p.197) 歴史的事実を明らかにする記録が残っているとは限らない。また、残っていたとしても、そこに記されていることが事実とは限らない。さらに、記されていることをどう解釈するかは、読み手によって違うこともある。事実を知ることは、とても難しいことだと再認識させられました。
2019.01.06
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『コーヒーが冷めないうちに 』の続編。 第一話『親友』は、一人娘を残し、妻と共に交通事故でこの世を去った親友に、 残された娘を自分の娘として育てあげた男が、娘の結婚式目前に会いに行くお話。 第二話『親子』は、母親の葬儀に出ることが出来なかったことを悔やみ、 過去に戻って再会を果たそうとする、京都で陶芸家を目指す男のお話。第三話『恋人』は、恋人が幸せになっているかどうかを確かめるため、自身の死を前に未来に行こうとする、急性骨髄性白血病に侵された男のお話。第四話『夫婦』は、事件発生で妻との待ち合わせ場所に行けなかった刑事が、渡すはずだったプレゼントを持って、過去に行くお話。 ***未来のある時点から、誰かが自分に会うためにやって来たということは、その未来のある時点では、自分が生きていないことを知らされることになってしまいます。例えば第一話だと、娘が結婚式を迎える時点で、自分が生きていないという事実を、親友はいきなり突きつけられてしまったわけです。これは、なかなか厳しいですね。こんなこと、していいんでしょうか?もちろん、それと気付かれないように振る舞おうとするのでしょうが……まぁ、現実には起こりえないことなので、深くは考えないことにしましょう。 ***今回のお話は、すべて時田数に繋がっていきます。あの白いワンピースを着た女が、数の母・要であり、フニクリフニクラで、数と同じ役割を担っていたことが判明します。でも、なぜ幽霊になってしまったのか不明のまま、姿を消してしまいました。要に代わって、例の席に座っていた初老の紳士は何者?
2019.01.06
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「女子の言い分、男子の事情」は、幸とヤスが温泉一泊旅行に出かけたお話と、 佳乃が福田の遺言の証人を引き受けたことを、坂下課長に報告するお話と、 風太が高校受験を前に、多田君と同じ塾に通いを始めたことと、 その合間をぬって稲村ケ崎公園ですずと会い、直接告白するというお話。 「幸福」は、風邪を引いたヤスの家を幸が訪ねるお話と、 福田さんが「山猫亭」を寄付するに至った経緯のお話と、 エベレスト登山中の浜田が、悪天候に見舞われ連絡が取れなくなったお話と、 いとこの直人が卒業制作のモデルをチカとスズに頼むというお話。「夜半の梅」は、連絡が取れなくなった浜田を心配して、四姉妹の家に、チカの部下や風太、福田らが集まって来るお話。心配していることを表に出さないチカを福田が慰め(その後、浜田は無事帰還)、スズと風太が、すっぱい梅干し入りのおにぎりを食べながら、庭の梅の木を眺める。「行ってくる」は、その梅の木に花が咲いたお話。去年、風太が枝打ちに来てくれたことを語り合う四姉妹。そして、チカは引っ越していき無事出産、風太は高校合格、福田はヒマラヤへ。すずは、極楽寺駅で風太に見送られ掛川へ。「番外編 通り雨のあとに」は、すずが両親の墓を鎌倉に移すため、十三回忌に、あづまや旅館にやって来るというお話。すっかり大人になったすずは結婚間近で、もうサッカーはしていないらしい。このお話のメインを務める和樹は……全く記憶にないので、ここでの登場には違和感。 ***終わってしまいましたね。もう少し続けてほしかったですが、四姉妹のお話としては、ここで終わるのがやっぱり良いのかも。番外編は、ちょっと残念でした。
2019.01.06
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