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「はじめに」に著者の磯田さん自身が書かれているように、 大河ドラマ『どうする家康』を観るのにピッタリの案内書。 家康に大きな影響を与えた織田信長、武田信玄、豊臣秀吉との関りを軸に、 天下統一までの歩みが描かれています。 *** 武田軍と戦うなかで、家康は敵の戦術、戦略を学び取っていきます。 さらに武田家が滅亡すると、その遺臣たちを招き入れ、 自軍の主力部隊にすえて、戦闘力を高めます。 家康と三河の武士団は、サバイバルのために、同盟者・信長の高い要求に応え、 強敵・武田から学ぶなかで、「共進化」を遂げて、 いつの間にか、化け物のように強くなっていったのです。(p.40)まさに、これから大河ドラマで描かれようとしている時期についての記述であり、「井伊の赤備え」や、松平信康や織田信長、明智光秀に深く影響を及ぼした武田の諜報戦が、どのように解釈され、ドラマとして展開していくのか、とても楽しみですね。そしてこの後、著者はさらに次のように続けています。 織田、武田、今川といった強大な勢力に囲まれ、 必死のサバイバルを続けてきた家康は、つねに不安のなかで生きてきました。 本当の安心を得るには、松平家が天下の家となるしかない。 「巻き込まれ人生」の果てに、異常な進化を遂げた家康たち徳川家は、 はからずしも天下を取るしか行く道がなくなってしまったと、私は考えています。(p.41)「なるほど」と、納得させられる一文でした。
2023.05.28
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その圧倒的な既視感。 でも、すぐには思い出せないでいた。 「読み終えたら、探さなくっちゃ」と思いながらページを捲り続けると、 「あとがき」に全てが書かれていました。 ***「本当のわたしが生きて暮らしているのは、高い壁に囲まれたその街の中なの」17歳のぼくと16歳のきみは「高校生エッセイ・コンクール」の表彰式で初めて出会った。2週間に1度ほど手紙のやりとりをしたり、ぼくがきみの住む街に出かけて行ったりした。しかし、長文の手紙を最後に音信が途絶え、ぼくは45歳を迎えて間もなく穴に落下した。壁に囲まれた街の入り口で、私と私の影は門衛によって引き剝がされた。そして、図書館で出会った君は16歳のままなのに、私はもう遥かに年上だった。君はそこに並ぶ古い夢を管理し、私が〈夢読み〉として読む。そして、図書館を閉めた後、私は君を家まで送っていく。寿命が迫った私の影から、もう一度一緒になって壁の外の世界に戻ろうと私は誘われる。南の溜りで影を見送り、自らは街に留まることにした私だったが、気付くと影があった。中年と呼ばれる年齢にさしかかった私は職を辞し、福島のZ**町の図書館長に就任する。元館長・子易さん、司書・添田さん、コーヒーショップの女性店主らと過ごす日々が始まった。頻繁に図書館に姿を見せるイエロー・サブマリンのヨットパーカーを着た少年・M**が、私が語る壁に囲まれた街に興味を示し始め、やがて姿を消してしまう。私は夢の中でM**の抜け殻を見つけるが、右耳たぶをちぎれるほど嚙まれてしまう。そしてある夜、川を上流に向かって歩き続け、17歳になった私は16歳の彼女を見つける。真夜中に目覚めた私は、イエロー・サブマリンのヨットパーカーを着た少年に気付く。彼は、自分には影がなく、抜け殻をあちらの世界に残してきたと言う。そして〈夢読み〉になるため、あなたと一体になりたいと言い、私の左耳たぶを嚙んだ。その後、表面的には平穏な日々を経た後、私は「そろそろ行かなくては」と言って目を閉じた。 ***『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(文庫版は上巻と下巻の二分冊)は、村上さんの作品の中でも大好きな作品ですが、「街と、その不確かな壁」をもとに新に紡がれた作品は、また、大好きな作品のひとつになりました。
2023.05.28
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例によって、芥川賞2作が全文掲載されているので購入。 今回は、よく知っている方の娘さんが受賞されたので、とても楽しみでした。 まずは、いつも通り塩野さんの「日本人へ・234」を読みました。 龍之介に関する一文で、引用文が結構長めでしたが、新たな気付きがありました。 それから、第168回令和4年下半期芥川賞の選考委員による選評を読みました。 いつものことながら、受賞作に対する各選考委員の受け止め方は実に様々。 その中で、各選考委員の『この世の喜びよ』に対する評価は概ね高いものでしたが、 松浦寿輝さんが、本作を含むどの候補作に対しても辛口だったのが印象に残りました。そして、受賞者2名のインタビューを読みました。井戸川さんは現役の高校国語教師、佐藤さんは現役の書店員という、これまでにない異色の組み合わせで、どちらもとても興味深い内容でした。お二人が、今後どのような作家生活を歩んでいかれるのか楽しみです。その後、いよいよ『この世の喜びよ』を読み始めました。二人称による語りには、最初はかなり戸惑いましたが、次第に慣れていきました。お話はショッピングセンターを舞台に、喪服売場で働く主人公・穂賀が、フードコートで出会った15歳の少女やゲームセンターの店員・多田、メダルゲームに熱中するおじいさん、喪服売場の同僚・加納などと過ごす様子や、母として、大学生と社会人の二人の娘たちと過ごす時間が描かれていきます。少女との言い争いのシーン等、私にはもう一つピンとこない箇所もありました。けれど、川上さんの次の書評の一文には、強く同意します。 作品の持つメッセージ性や物語性などよりも、 言葉が組み合わされることによって生まれる何か。 音楽を聴いた時のような喜び。 絵画を見た時のような驚き。 意味ではなく感情や感覚。 それらを味わわせてくれるのが、井戸川射子の小説なのだと思います。(p.274)その後、『荒地の家族』を読み始めましたが、なかなか読み進めることが出来ず、現在は中断したまま。読み終えることが出来たら追記します。
2023.05.27
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2020年に『流浪の月』で第17回本屋大賞を受賞し、 2023年にも『汝、星のごとく』で第20回本屋大賞を受賞した凪良ゆうさん。 私は、まだその作品を一度も手にしたことがなかったのですが、 今回、2020年に第11回山田風太郎賞候補となった本作を読むことに。 ***「わたしの美しい庭Ⅰ」は、小学5年生の百音(10歳)視点のお話。百音が住むマンションの屋上にある『御建神社』の神職で翻訳家の統理が、元妻とその再婚相手との間に生まれた百音を、2人が事故死したため5歳で引き取った経緯や、二人と朝食を共にする屋台バーのマスター・路有との暮らしの一コマが描かれます。「あの稲妻」では、総合病院の医療事務として十数年働いてきた高田桃子(39歳)が、母親から勧められてお見合いに出かけるも、翌月、先に相手から断りの返事が入ります。職場でも、医療事務の指導リーダーとして難しい立ち振る舞いを求められる桃子でしたが、高校生の時に作った浴衣を着て、百音、統理、路有と一緒に屋上で線香花火を楽しみます。そこで交通事故で亡くなった坂口創と過ごした日々を振り返り、新たな見合い話を断るのでした。「ロンダリング」では、別れた元カレ・藤森忠志からのハガキを受け取った路有が、人生ワースト3のとき、いつも手を差し伸べてくれた統理のことを思い出しつつ、忠志の家まで車を走らせると、忠志から一緒に逃げてくれと頼まれます。路有は忠志が『逃げ癖』と書いた形代を統理に渡し、お祓いをしてもらうのでした。「兄の恋人」では、10年務めた準大手ゼネコンをうつで退職した坂口基(33歳)が、2週間に1度通うメンタルクリニックで、先週から勤務し始めた兄の元カノ・桃子に出会います。再就職や交際中の真由との関係に焦る基でしたが、兄の命日に墓参り行くと、そこで出会った桃子から、兄との思い出や結婚観、労働観等について話を聞くのでした。その後、基は真由から別れを告げられ、路有のバーで酔いつぶれてしまいますが、翌日、路有や百音、統理、桃子と過ごす中で、改めて自分自身を見つめ直すのでした。「わたしの美しい庭Ⅱ」では、百音が、道徳の授業で習った「おもいやり」について統理と路有に訊ね、統理に引き取られた日のことを振り返ります。「ぼくの美しい庭」は、統理が朝ご飯を炊くのを忘れたエピソード。祠に向かって手を合わせ、「ぼくに中庸をお与えください」と一心に祈りを捧げるのでした。 ***登場するキャラクターは、それぞれに難しい状況を抱えた人たちばかり。その中で、懸命に生きていく姿に心打たれます。個人的には、「兄の恋人」が最も考えさせられるところが大きかったです。基の気持ちだけでなく、真由の気持ちもよく分かりますが、それでも基は辛いですよね……
2023.05.14
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冒頭の「なんだかよくわからないまえがき」には、 本著について、次のように書かれています。 ブログに書いたものと、いくつかの媒体に発表した時事エッセイを 文藝春秋の山本浩貴君が手際よく一冊にまとめてくれました。(p.3) 本著が単行本として刊行されたのは2020年2月、文庫化されたのが2023年2月、 それぞれの文章が発表されたのは2016年10月~2020年4月。 緊急提言『「人間的成熟」が望めない国の行きつく先は - サル化する日本』は、 『週刊文春』2020年4月9日号掲載のものなので、文庫化に際し加えられたのでしょう。 *** 天皇制の存続につよい懐疑のまなざしを向ける極東委員会の国々 (ソ連は天皇制そのものの廃止を求め、 オーストラリア、ニュージーランド、フィリピンは天皇制による軍国主義の復活を恐れ、 中華民国は天皇が裁判で訴追されないことに不服を申し立てていた) に「天皇制は残す」という決定を呑み込ませるためには、 「極端な戦争放棄条項」、すなわち個別的自衛権すら放棄するという条項を 憲法に書き入れるしか手立てがなかったのである。(p.124)これは、加藤典洋さんの『9条入門』(創元社)の所論の一部を紹介しながら、内田先生が私見を付け加えていった部分です。ここに記されていたマッカーサーの思惑と行動は、私にとって衝撃的なものであり、まだまだ知らないことが多々あるなと痛感させられました。さらに、世界最大の軍事力を誇っているアメリカ合衆国が、憲法に常備軍をもたないことを規定していることや、イタリアとフランスが、どのような状況の中で終戦を迎え、それをどのように受け止めたかについての記述も、目から鱗が落ちるものでした。この他にも、「時間と知性」「AI時代の教育」「人口減少社会」についての記述や、堤未果さんとの対談等、とても興味深い内容がぎっしりと詰め込まれており、読後には、久々に付箋だらけの一冊が出来上がりました。久々に内田先生の著作を読んで、大きな刺激を受けました。
2023.05.14
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昨年9月末に18巻を読んで以来、久々の読書。 本著が刊行されたのは今年2月だったのですが、 18巻読了後に読み始めた『わが家は祇園の拝み屋さん』シリーズを 先に読み切ってしまうことにしたため、読むのが少し遅くなってしまいました。 ***「プロローグ」では、清貴が、最近チラチラと葵が自分の方を見てくると小松と円生に相談。その後、小松探偵事務所に賀茂澪人が現れ、鑑定と調査の仕事を依頼したのでした。第1章「変わらないもの、変わりゆくもの」では、清貴が父・武史に新作について助言。そして、新車で葵と『きぬかけの路』のドライブを楽しみながら京都北部『中川』の遠藤邸へ。清貴は、遠藤達夫の亡父のコレクションを鑑定後、土蔵で怪異の原因・大井戸茶碗を発見。澪人が祝詞を唱え、清貴が茶碗に話しかけることで、想念は静まったのでした。幕間「それぞれの恋慕」では、香織が葵に『陶器と花の展覧会』への参加を促しつつ春彦との恋の経緯を語り、晴彦も清貴に香織との関係について相談していたのでした。第2章「黄昏のホラーハウス」では、清貴、利休、小松、秋人、澪人が、愛宕山の洋館へ。清貴は、依頼主・真里の父母が離別した理由、母親の死の真相、遺体のある場所を次々に解き明かし、後日、澪人と共に、その時のことを葵と武史に語るのでした。「終章」では、『陶器と花の展覧会』会場に、円生が描いたスケッチが3枚飾られていました。そして。晴彦は香織をデートに誘い、葵は清貴に誕生日プレゼントを渡したのでした。 ***澪人が登場したこともあって、『わが家は祇園の拝み屋さん』色が濃いお話でしたが、時期としては、「EX」より随分前のお話ということになるのでしょうか?さて、最後の最後に、円生の前にあの男が現れた感じ。また、大きな波乱が予想され、当然イーリンも絡んできそうですね。
2023.05.07
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先月末に始まったTVドラマも、明日は第3話。 予告では、ミナレが茅代まどかに呼び出されたり、父親が登場したりするよう。 原作では、第2巻でミナレが父親に間違って電話をかけていましたね。 ただ、明日のドラマの軸は、茅代まどか絡みの展開っぽいです。 ***第17話「嫌気生物は畏れない」ミナレは、光雄、殺し屋マットと共に樹海の下で浅間大神の化身に遭遇すると、言い放ちます。「私は過去をやり直したいわけでも、消し去りたいわけでもない。ただ挽回したい」と。第18話「私がせねばなるまい」多くの人たちの協力を得て第2回の放送を終えたミナレは、麻藤から次の放送の企画を促されます。ミナレから相談を受けた中原やマキエも、色々なアイデアを出してくれるのでした。第19話「あなたをぬくめたい」ミナレは、引っ越しの手伝いをしてくれた中原に手料理を振る舞います。そして、偶然出会った階下の部屋に住む沖に、父親から送られてきた新巻き鮭を手渡すのでした。第20話「そんなモノはいない」MRSに届いたFAXの送り主の部屋を訪問収録すべく、ミナレと瑞穂は沖の部屋へと向かいます。そこで、ミナレたちが目にしたのは異様な光景、まさにオカルト。第21話「湯煙は隠さない」沖は、かつて女性と2人で出かけた秘湯で起こった出来事を、ミナレと瑞穂に話します。しかし、ミナレは天井裏を探索して肉塊を発見すると警察に通報、沖は連行されていきます。第22話「私は哭きたい」が、肉塊はミナレが床下収納に入れたマトンで、それが階下の天井裏に落下したものでした。沖への謝罪を込め、ミナレは放送で温泉郷で失踪した女性の情報提供を聴取者に求めたのでした。第23話「あなたを支えたい」騒動で自信喪失のミナレに、瑞穂は久連木との出会いから始まったADへの歩みについて語ります。一方、番組についてプロデューサー・菊川と話す麻藤に、まどかはミナレに会いたいと伝えます。第24話「焼き鳥は外さない」VOYAGER前でミナレを見送った中原とマキエは、店長と一緒に現れたマキエの兄・忠也に遭遇。その頃、円山公園では、まどかがミナレに「焼き鳥を串から外して食べる食べ方、どう思う?」。 ***今巻は、ミナレがまどかに呼び出され、言葉を交わしたところまででした。まどかには、色々と思うところがありそうです。恐らく、明日のTVドラマでは、今巻の内容よりも先までお話が進んでいくのでしょう。もちろん、原作通りにTVドラマが展開していくとは限らないわけですが。
2023.05.04
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先月末に始まったTVドラマも、既に第2話まで放映されました。 前巻に引き続き、それらを思い出しつつ読み進めていきます。 *** 第9話「生かして帰さない」 午前3時32分開始のノースポンサー枠、ミナレの冠番組の第1回放送は、架空実況。 番組実況者は、「自分を裏切って逃げた男を、たった今殺してきた女」という設定に。第10話「お前を飢えさせない」MRSの雇われ放送作家・久連木克三からの台本は、宇宙人登場以降オールアドリブ。それでも、ミナレは放送終了まで何とか喋り切り、話にちゃんとオチまでつけたのでした。第11話「君に会いたい」ミナレの番組の第1回放送はネット上で話題となり、VOYAGERでも客から声を掛けられます。そんなミナレに、元カレ・光雄から「久しぶりに会わない?」とのメールが届きます。第12話「お前を離さない」50万円を奪って行方をくらました光雄に警戒心を高めつつも、彼に会うことにしたミナレ。一方、マキエは、兄により半監禁状態に置かれていることを、中原の姉・芽衣子に告白します。第13話「お前を信じない」光雄は、藻岩山でミナレに25万円を返金、その後食事をしながら別の女性との関係を説明します。そして、「久しぶりにウチ来ない?」と誘うのでした。第14話「君に甘えたい」光雄の部屋で、光雄の耳掘りをするなど、すっかり寛容な態度を示し始めたミナレでしたが、ゴミ箱の中に1か月分の料理レシピが書いてあるフリーペーパーを見つけ、彼の本性を見破ります。第15話「お前に繋がらない」ミナレが光雄に会ったことに動揺する中原を見て、マキエはミナレに「弄ばないであげて」。その後、ミナレは中原に電話をしようとしますが、間違えて父親にかけてしまったのでした。第16話「俺は亡びない」第2回放送は、オーディオドラマ「樹海物語」で、伝説の音効・加工猿と加工豚も参加。久連木の台本による生のラジオドラマが始まりました。 ***やはり原作の方が、各キャラクターの存在感が伝わってきますね。中原、マキエ、瑞穂なんかは、とってもイイです。TVドラマでも、これから活躍の度合いが高まっていくのかも。それにしても、耳堀りのシーンは、原作、ドラマ共に圧巻でした。
2023.05.03
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2016年マンガ大賞6位入賞作。 2020年4月にはテレビアニメの放送が始まりましたが、 その頃、私はこの作品のことを全く知りませんでした。 そして、今年4月21日からテレビドラマが始まり、私はこの作品を知ったのです。 ***第1話「お前を許さない」スープカレー店・VOYAGERで働く鼓田ミナレは、店内のラジオから流れてくる音声が、前夜、バーで偶然居合わせた男に、失恋の愚痴をこぼしていた時のものだと気付きます。その男の名は麻藤兼嗣、地元のラジオ局・MRSのディレクターで、ミナレはMRSに急行。放送を止めようとしたミナレでしたが、麻藤に乗せられ生放送でアドリブトークをすることに。第2話「お前が欲しい」ミナレのラジオ放送の反響は、VOYAGERの顧客の間でも予想以上の大きなものがありました。勤務放棄しMRSに急行したため、店長・宝田嘉樹には夏過ぎに解雇と宣告されてしまいますが、麻藤らと共にVOYAGERに現れたMRSの人気メインパーソナリティ・茅代まどかから、「私達と一緒にラジオのお仕事してみない?」と声をかけられたのでした。第3話「奴らが憎い」VOYAGERを解雇される日のカウントダウンが進む中、麻藤からMRSに呼び出されたミナレは、再びマイクを前にして、表参道夏祭りについて喋り始めます。後日、その放送が流れる中、宝田の師匠の店・ががーりんの味に関するエピソードを、ミナレは、VOYAGERのキッチン担当・中原忠也に語り聞かせるのでした。第4話「あなたに用がある」失職と家計逼迫に悩むミナレに、中原は「ウチ来ます?」と声を掛けますが、ミナレは拒否。一方、酔いつぶれたミナレが、これまで何度も誤って階下の部屋に転がり込んだ際、上階の部屋まで運んでくれていた沖の親切を勘違いし、ミナレは警察に通報して赤っ恥。家を失う寸前のミナレは、麻藤にラジオの仕事を受けるので寝床を用意して欲しいと伝えます。第5話「お前らは緩い」MRSに現れたミナレに、麻藤は独自にスポンサーを募り、冠番組を作ることを提案。そして、ミナレが「シセル光明」という芸人に似ていることも、気に入っている理由だと。MRSのAD・南波瑞穂の家に居候することになったミナレは、瑞穂からラジオ放送の裏側や、ミナレの放送の感想、自身の恋愛観等々について、色々と話を聞かせてもらうのでした。第6話「あなたにまかせます」ラジオで一人喋る大変さを感じ、麻藤から番組制作費やCM制作費・放送料について聞かされて、自身の放送に踏み出し切れないでいるミナレに中原は、ラジオと手を切り、VOYAGERを道内最多の店舗数を誇るスープカレーチェーンに一緒にしようと誘います。そんな時、店長の宝田が交通事故に遭ったため、しばらく中原が店を切り盛りすることに。第7話「あなたが帰らない」フロアバイトの柳川も交通事故に遭ったため、VOYAGERは中原とミナレの2人だけで大忙し。ガンガン迫ってくる中原に、ミナレは30歳になるまで独身でいるから、それまでの4年で自分の店を持てば、そこで必ず働くと約束をします。そこへ、交通事故を起こした兄に代わって城華(たちばな)マキエが謝罪に訪れ、VOYAGERの手伝いをしたいと申し出ます。そして、無事仕事を終え、車で家に送り届けようとする中原に、マキエは「私、今日……帰りたく……ないです」と。第8話「君は笑わない」フロアバイトの柳川の狙いは、信用を得て金庫のカギの置き場所を教えてもらうことでした。一方、マキエはVOYAGERの仕事に馴染み、新メニュー開発やブログ更新まで行うように。しかし、マキエが家に帰っていないことに気付いた中原は「ウチ、来れば?」と。その言葉を盗み聞きし、動揺していたミナレに、麻藤から「準備は全て整った」との電話が。 ***原作を読んで、小芝風花さんがとても上手くミナレにアプローチしていると思いました。北村一輝さんは、流石の一言。片寄涼太さんは、自分らしさを押し出した役作りで、原作の中原とは別物かな。ドラマでは今のところ描かれていない「ががーりん」のエピソードも面白かったです。
2023.05.02
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