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『Volume I』K.T実はこの春からmixiに参加しているDJロマネスクだが、そこでお友達になってくれる“マイミクシィ”(いわゆる相互リンク)はミュージシャン率が高い。 で、先日嬉しいことにこの方も“マイミクシィ”になっていただいた。日本のプログレッシヴ・ロック・シーンに大きな足跡をのこしたアウターリミッツのヴァイオリニスト川口貴さんである。 日本のプログレッシヴ・ロックに興味を持っている方はほとんどがご存知だと思うが、アウターリミッツはそのシーンでは当時爆発的な人気を得ていた大御所バンドである。 その中でも本物のオーケストラでも弾いていらっしゃる川口氏のヴァイオリン・サウンドは異彩を放っていた。 その素晴らしさはこの文中のリンク(2005年7月31日のレビュー)でも興奮気味に書いているが、本当に鬼気迫る…その反面穏やかな包み込むような優しい音色を聴かせてくれていた。さて、前置きが長くなってしまったが今回入手したのはその川口氏が個人的にマルチトラックレコーディングした初のミニ・アルバム『K.T Volume I』である。 7-8分台の曲が3曲しか収録されていないが侮ってはいけない。 このミニ・アルバムは彼の内に秘めた想いを感じ取るには十分なプログレッシヴな力作であるからだ。さすがに本物のクラシック畑の方らしくそれぞれのタイトルも「op.31」「op.41」「op.29」と付けられている。 そしてその内容もそれに負けないドラマチックな展開を持つ組曲風インスト・ナンバーとなっている。 荘厳なキーボードで幕が開ける「op.31」は美しく清らかなメロディに支配されている。 全体的にポップで明るい曲調のテーマを中心にストーリーが展開されていく。 彼のロマンティストぶりが窺われるナンバーだ。うって変わって2曲目の「op.41」はハードなナンバー。 プログレッシヴ・ロック・ファンには一番受け入られやすいだろう。 静と動が絶妙に絡み合い、彼の4弦エレクトリック・ヴァイオリン(barcus-berry社のVIOLECTRA)は凄まじい狂気を演出する。 そのテクニックたるや畏怖の念さえも感じられるほどである。 途中ベースが妖しく地を這い、ヴァイオリンが宙を舞う場面はまるでA級サスペンス映画の緊張感が漂う。 7分過ぎあたりのブレイクから突然ヴァイオリンが切り裂くように入る場面は全音楽ファン必聴! 鳥肌が立つほど緊張感と清爽感を体験できる。「op.29」はドラマチックなピアノ曲。 イントロから静かなピアノとシンセによるクワイアーが幽玄の地へと誘う。 途中ハードな展開も見せるがベースは3拍子の静かなピアノ曲である。 ブ厚いコルグの01/WとローランドのXP-60によるストリングスが美しい。 ただし自主制作ゆえのこじんまり感が拭えないのはちょっと残念である。 できればドラムスやベースなどもバンドとしての音で聴きたい曲ばかりなのだ。 事実川口さんも「バンドがやりたい」とおっしゃっているし、歌もののROCKにも魅力を感じていらっしゃるようだ。 アウターリミッツは現在ニューアルバムをレコーディング中だというが、このソロ・アルバムはそれとは違う“川口貴のサウンド”を是非聴きたいと思わせる無限の可能性を持った1枚である。こちらで簡単にこのアルバムが購入できます。興味を持った方は是非コンタクトしてみてください♪
2006年05月10日
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『HOLY UMBRELLA』THE SURGERY(1994年)数ある【RUSHクローン】と呼ばれたロックバンドの致命的な弱点はあまりにRUSHを神格化しプログレッシヴなサウンドのみを強調しすぎている点だと思う。 中期における文学的な要素に加えハイレベルなテクニックとキーボードによる大胆なアレンジこそプログレッシヴ的ではあったものの、本来RUSHの根底にあるのはROCKスピリットであり卓越したメロディ・ラインだということを忘れがちである。 我が日本にも多くの“RUSHタイプ”のバンドが排出されたがいまいちグルーヴ感に欠けていたのはその点にある。さて、そんな中ボクが偶然目にしたバンドがこのザ・サージェリーという3ピースのハード・ロック・バンドだった。 時は1986年夏、いきなり名古屋のE.L.L.に登場したのだ。 いつも通りE.L.L.のスケジュール・シートを眺めていると、なにやらプログレ・ヲタだったボクを鷲掴みにするようなひと言メモが書かれたバンドを見つけたのだ。 確か“テクニカルなプログレ・ハード・トリオ”みたいなことが書かれてあったと記憶する。 さっそく忘れもしない翌8月13日、なんの予備知識もなしにE.L.L.へ足を運んだ。ステージ右手にはキーボード群がそびえ立っていた。 それはまるでゲディ? 壮大なバロック調クラシック音楽をSEに3人がステージに現れた。 隣にいたバカップルwが「プログレじゃな~い?」と笑っていた。 こういうヤツが一番腹立つ(苦笑)1曲目から凄まじいインスト攻撃だ。 やられた!! 深くディレイをかけた堀沢俊樹氏のテクニカルなギターがいかに彼らが本物であるかを証明してくれた。 しかも彼はキーボードも弾きながら歌も歌う! 八面六臂の活躍ぶりだ(それはまるでゲディ? again)。ベースの小嶺恒夫氏はあのBLACK PAGEでベースを弾いていた超テクニシャン。 細かいパッセージとサムピング(チョッパー)を多用したフレーズは通好みで圧巻。 彼独特のリズム感が意外にもTHE SURGERYのハードロックに合うのが不思議。 さて、このアルバム『HOLY UMBRELLA』は彼らの2ndにあたる。 実はこれが日本のロックシーンにおいて、DJロマネスクが選ぶ≪隠れ名盤BEST10≫に該当するほどすべてにおいて突出した素晴らしい作品であると断言する。 1曲目「SLIGHT PAIN」から怒涛のテクニカル・ハードロック(インスト&場面展開多し)炸裂でプログレファンも70年代ロックファンも納得のオープニングだ。 途中には小嶺の壮絶ベースソロもフィーチャーし、バンドとしてのサウンドがカッチリまとまっている。続く「HOLY UMBRELLA」は流れるようなメロディアスでセクシーなイントロ後、レスポール特有のへヴィなギターリフがめちゃカッコイイ!! 堀沢のボーカルも色っぽい。 途中まで英語詞だが本当に日本語詞が出てくるまで何の違和感もない発音で驚く。 しかも上手い。 それは3曲目「WHISPER」にも言えることで、彼のボーカルの強さも他の日本のロックバンドが到達出来得なかったステージ(壁)まで登ることが出来た要因のひとつだろう。「ALL I DO」はライブでもお馴染みの曲で、非常にメロディの美しいロックナンバーに仕上がっている。 疾走する森分のドラムス、ツボを押さえた小嶺のベースライン、そして本来のギターの音色を生かしたクリーンで芯のあるギターはところどころにスイープをさり気なく入れたりと全く目が離せないテクニシャンぶりを披露する。 これぞTHE SURGERYの真骨頂である。しかしこの堀沢俊樹というギタリストは奥が深い。 深すぎる。 「TENROKU BOOGIE」でのやんちゃッぷり、「THE GATE OF YOUR CASTEL」での艶やかなギターソロ………全く隙がない。 完璧なギタリストと言えよう。そして「RUN FOR YOUR LOVE」におけるバンドとしてのアンサンブル。 これで転がらない輩はロック好きとは認めたくないくらいだ。 印象的なアコギを使ったイントロ、ユニゾンするベース、切ないメロディと激しいリズム隊。 どれをとってもハードロックの美味しいトコ取りなのだ。 最後はややプログレシッヴな「THE OTHER SIDE OF THE WORLD」で幕を閉じる。 歌い上げるコーラスと壮麗なシンセによるフレーズ、ギターとベースの必殺ユニゾン攻撃の緊張感は往年のプログレッシヴ・ロックを彷彿とさせる。 彼らは2002年5月に復活ライブを行なっているが、是非とももう一度彼らのライブを体験してみたい。 そして皆さんにもこんなにも素晴らしいバンドが存在したことを覚えていてほしい。文中のリンクを辿るとこのアルバムから数曲試聴できるようになっているので是非聴いてみてください。そういえばボクは以前スティーヴ・モーズ来日の際、彼のギタークリニックに同行したことがある。 その時スティーヴは有名雑誌社数社のインタビューを受けたのだが、某雑誌Pの取材スタッフになんと堀沢氏も同行していたのだ!! (彼はコラムを書いていた)夢の共演♪ 3ショットで撮ればよかった…(悔)
2006年05月09日
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『Starless and Bible Black Sabbath』ACID MOTHERS TEMPLE AND THE COSMIC INFERNO(2006年)昨日紹介したSUBVERT BLAZEの超絶ドラマー岡野太が参加したACID MOTHERS TEMPLEの最新作。 彼らのことは今までそんなに注目していなかったので詳しく知らないのだが、ACID MOTHERS TEMPLEという冠バンドを基本形として“AND”以下の特別ユニットがいくつか存在している模様。 今回その岡野太が参加したということで聴いてみたのだが…これが目ン玉飛び出るくらい凄かった!!まずはこのジャケットとタイトルだ。これは正にプログレ・ファンがリスペクトする写真家KEEFの代表作でもあるBLACK SABBATHの1stアルバムそのものではないか! 雰囲気、色彩、ロゴ…すべてが酷似している。しかも、そのタイトルに驚く。 『Starless and Bible Black Sabbath』クリムゾンがサバスとコラボでもするのか!?(苦笑)ただね、このサウンドを聴けば少しだけその真意が理解できるかもしれない。 確かにある一定の非常に重いリフ(フレーズ)をベースにギターがこれでもか!とフリースタイルのソロ(インプロヴィゼイション)を延々と繰り返すのだ。 その時間なんと32分!! とにかくそのパワーに圧倒される。 約8分毎にベースとなるフレーズが変化するが、ギターだけはとにかく、とにかく弾きまくり続ける。 死ぬ。かと言って彼らのサウンドがクリムゾン風だとかサバス風だとかでは決してないのが摩訶不思議。 彼らのサウンドは言うなれば“サイケデリックの奥義を極めたサウンド”とでも言おうか。 へヴィなリフ、複雑なダブルドラムスに乗せて奏でられるギターは自由奔放でちゃんとした形がない。 更に宙を舞うスペイシーなシンセ音。 この音がもっと軽ければ往年のジャーマン・プログレっぽくもなるだろうが、このへヴィさゆえそれとは程遠いサウンドが繰り広げられる。 まぁ、聴きようによってはサイケ時代のホークウインドやゴング辺りとの共通点も見出せるかも。とにかくこれだけの音は聴いたことがなかった。 本当に目が点になり口は開きっぱなし。 ビックリした。 でもビックリするのはまだ早いよ。 だってこんなアルバムも出してるんだから♪『Electric Heavyland』ACID MOTHERS TEMPLE & The Melting Paraiso U.F.O.(2002年)こちらは冠以外は別メンバー。 もっともっとサイケで常人には絶対聴けない作品。ある意味トランス状態が続くサウンドなので、間違っても精神的に不安定な方や入り込んでしまうような方は聴かない方が賢明だと思われる。 ただただ凄いとしか言いようがない。
2006年05月04日
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『Subvert Art』SUBVERT BLAZE(1990年)最近DJロマネスクが一番衝撃を受けたFREE LOVEを初めて聴いた時に連想したのがこのSUBVERT BLAZEだった。 彼らは1990年前後のほんのわずかな期間しか活動をしていなかったが評判が評判を生み“大阪の奇跡”とも言われるほどの伝説を作ったバンドである。 メンバーは藤原弘明(ベース&ヴァイオリン)、柿木義博(ギター&ボーカル)、岡野太(ドラムス)の3人。この『Subvert Art』は彼らが残した2枚のアルバムの内の1枚でデビュー作にあたる。 数多くの独特なアーティストを擁するAlchemy Recordsからのリリースであるが、その帯のキャッチコピーも素晴らしい。サイケデリックの常識をくつがえす奇跡の炎サバート・ブレイズ衝撃のデビュー!彼らのサウンドは1960年代後期から70年代初期のまだ明確なジャンル分けもされていない混沌としたROCKそのもので、サイケデリック(もしくはアート・ロック)な匂いをプンプンとさせている。 このアルバムでもカバーしているがBLACK SABBATHの1stアルバムのサウンドを基軸としつつ、ヴァイオリンを絡めたある種プログレッシヴな雰囲気やJazzのリズムを取り入れた箇所もあったりとそのサウンドは一筋縄ではいかない多様さが隠されている。なによりも彼らを伝説のバンドとした最大の要因はその高度なテクニックであろう。 特にドラムスの岡野太の手数の多さとダイナミックなリズムパターンは目を見張るものがある。 4曲目「Crisis」における彼のテクニックはその最たるもので、5拍子と三連を絶妙に組み合わせた変拍子に乗せて鬼のようなドラムスを聴くことが出来る。 さらに存在感のある野太いベースと妖しいヴァイオリン・ソロがサウンドを形作る。 これほど男らしいテクニカル・へヴィ・ロックは聴いたことがない!! ここに来てくださるプログレッシヴ・ロック好きな方には大枚叩いてでも是非聴いていただきたい名演奏である。 ただし現在彼らのオリジナルアルバムは廃盤なので、根気よく探し回るかこちら(↓)のオムニバスで我慢してくださいな。Alchemyを代表するアーティストらによるオムニバスアルバム。SUBVERT BLAZEは1stからの代表曲「Butterfly」が収録されている。
2006年05月03日
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