inti-solのブログ

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2017.12.17
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テーマ: ニュース(96525)
のぞみ、台車に亀裂 新幹線、揺らぐ安全 破損の原因不明
東海道・山陽新幹線「のぞみ」の重要部である台車に亀裂が入っていた問題は、半世紀以上の「安全神話」に疑念が生じる異常事態だけに、関係者らを震撼させている。国の運輸安全委員会は新幹線初の重大インシデントとして、チェック体制や運転を継続していた経緯を調べており、安全管理の徹底を求める声が上がっている。~
異常は16両編成のうち13号車の台車で見つかった。台車枠の亀裂1カ所、モーター回転を車輪に伝える「継ぎ手」に焦げたような黒っぽい変色、継ぎ手と車輪の間の「歯車箱」付近に油漏れ-の三つだ。とりわけ、強度のある台車枠に亀裂が入ったことは、「めったに起きることではない」と関係者にショックを広げている。
亀裂が生じて広がれば台車が大きくゆがみ、四つある車輪それぞれに均等にかかっていた重量のバランスが崩れ、荷重の軽くなった車輪はレールから外れる恐れが出てくる。新幹線トラブルは以前からあった。ただ、今回の重大インシデントが深刻視されるのは「乗客約1000人を乗せて脱線したかもしれない」という点にある。~
焦げたような臭いや、うなるような音など複数の異常が報告されながら、約3時間も運転を続けた東海道・山陽新幹線。JR西日本は状況把握のため、社内規定に沿って途中から車両保守社員を添乗させたが運転はやめなかった。
亀裂が見つかった今月11日、車両は東京都内で未明に目視検査を受けた。午前中博多行き「のぞみ15号」として東京駅から博多駅へ。折り返して午後1時33分、東京行き「のぞみ34号」として発車した。乗客や乗員から異変の報告はなかった。
しかし、小倉駅を出た同1時50分頃、7、8号車付近で車内販売員と客室乗務員が「焦げたような臭い」に気付く。さらに福山-岡山駅間で、13号車の乗客が「もやがかかっている」と申し出た。
JR西には「異常があった場合は担当者が添乗し状況を把握する」との規定がある。車両保守社員3人は岡山駅で乗り込み、「うなるような音」を確認した。この間、断続的に異臭もあった。しかし、同社は運転を続けた。結局、運行管轄の分岐点となる新大阪駅で交代したJR東海の車掌が異臭を確認。名古屋駅で13号車床下を点検し異常発見につながった。
運転継続の判断について、JR西の広報担当者は「保守担当者3人を添乗させて音や臭いを確認し、運行に支障はないと総合的に判断した。現時点で、それ以上でも以下でもない」と述べるにとどまっている。
ドル箱の新幹線が過密ダイヤの中で誇る「高速・定時運行」を優先させ、緊急点検による遅れなどの混乱を避けた可能性も消えてはいない。(以下略)

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台車に亀裂が入るのが重大な事態であるのは言うまでもないことです。それも最高速度300km/hという高速運転中に破断したり脱線すれば、大惨事に至ることは確実です。
その亀裂の原因(大きく言えば金属疲労に決まっているわけですが)対策、再発防止策などは今後検討されて行くとして、まず問題となるのは、引用記事にもあるように、明らかに異常な状況にもかかわらず、何故3時間も運転を続けたのか、という点です。
私の知る限り、通勤電車だって、異音があれば確認を行うのが普通ではないでしょうか。列車遅延のお知らせで「異音による安全確認」という言葉は、時々目にするように思います(少なくとも首都圏では)。まして、「焦げ臭い」と「もやがかかっている」(要するに煙でしょう)が加われば、鉄道においてもっとも恐ろしい事故である車両火災発生の懸念を抱くべきでしょう。それにも関わらず保守担当者を同乗させたのみで、「運行に支障はない」という誤った判断を下した姿勢は、大いに問題ありでしょう。
結果的に脱線に至る前に運行を打ち切ったものの、状況から考えるといつ脱線していても不思議はなかった-と運輸安全委員会が判断したから、重大インシデントに認定したのでしょう。

ちなみに、問題の車両はN700A系のK5編成とのことです。 Wikipediaによれば 、このK5編成は2007年11月10日にN700系のN5編成として落成し、2013年12月20日にN700A系に改造されK5編成に改番されています。製造から10年、改造からは4年経っていることになります。ちなみに、改造の内容はやはりWikipediaによると、(要約)
・車輪ディスクブレーキのボルト締結方式を変更(ブレーキの強化)
・定速走行装置の搭載・地震ブレーキの搭載で、N700Aの機能の一部を反映
・台車振動検知システムの搭載
とのことなので、台車にも手を入れているようです。もっとも、後述の台車検査の際、台車は別のものに交換される場合があるので、事故車の台車が落成時、あるいは改造時と同じものだったかどうかは分かりません(同じものではなかった可能性のほうが高い)。

新幹線車両は、45日あるいは走行距離6万kmごとに交番検査、18ヶ月または60万kmごとに台車検査、36ヶ月または120万kmごとに全般検査が 行われます 。トラブルのあった車両の台車がいつ検査されたのかは分かりませんが、この基準に当てはめれば、少なくとも10月下旬以降に交番検査が、昨年6月以降に台車検査が行われていたことは確実です。そこで問題はなかったから、大丈夫なはずである-と判断していたとするならば、安全神話にあぐらをかいた態度、と言わざるを得ないでしょう。原発と同様、それでは神話はまったく無根拠の神話に過ぎない、ということになってしまいます。

問題なのは、これが特定の一つの台車だけに固有の問題なのか、他の台車にも遅かれ早かれ起こる可能性がある問題なのか、という点です。現状では後者の前提で考えるしかないでしょう。つまり、類似の事案が再発する可能性はある、と考えておかなければなりません。そのとき、二度と「異常を検知したのに運転打ち切りを先送り」などという事態を再発させないようにしないと、次は本当に大惨事かもしれません。





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最終更新日  2017.12.17 11:36:47
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