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2020.05.30
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テーマ: ニュース(96636)
カテゴリ: 政治
トランプ大統領、WHO脱退を宣言 香港優遇も廃止へ
トランプ米大統領は反政府活動を禁止する「国家安全法」を香港に導入すると決定した中国への対抗措置として、香港を優遇してきた特別措置の廃止手続きを始めると表明した。新型コロナウイルスへの対応を批判してきたWHOについても「中国寄り」の姿勢に改善がないとして、関係を断絶して脱退を宣言した。
トランプ氏は香港への国家安全法の導入決定について「香港の高度な自治が失われた。中国は『一国二制度』を『一国一制度』に変えた」などと断定。米国が1997年の香港返還後も関税やビザ発給などで中国本土より優遇してきた措置を見直す手続きに入ると明らかにした。
さらに「香港の自治侵害に直接、間接に関与した中国と香港の当局者」に制裁を科す方針も表明。米国から中国企業の締め出し強化を示唆し、米大学による研究を守るため「安全保障上の脅威」があると見なした中国人大学院生らの入国を拒否する考えを示した。
新型ウイルスを巡っても「中国による隠蔽」で「感染拡大が引き起こされ、米国で十万人以上が死亡し、世界中で深刻な経済的な損害が生まれている」と非難。WHOは「中国が完全に支配している」と指摘し、WHOへの資金拠出を他の国際公衆衛生活動に振り向けると表明した。

---

世界のどこの国であろうと、政治的自由への干渉と迫害には大反対であり、したがって中国の国家安全法にも私は大反対です。
ただ、それはそれとして、中国にとって、香港の一国二制度という状態は、本音から言えば許容し難いものであろうこともまた、容易に想像できることです。何故なら、本来は紛れもなく中国の領土であった香港をイギリスに奪われた挙句、それを取り戻すためにどうしても取らざるを得なかった苦肉の策だったからです。それこそ、植民地主義の遺物の最たるもの、と言えなくもない。当のイギリスや米国自身が、もし自国の領土の一部に「1国2制度」を要求されて、それを唯々諾々と受け入れるはずがないことは明白です。
とはいえ、一国二制度を解消するのに、非民主的な方に統一するのはやはり大いに問題ありです。民主的な法に統一する形で解消してほしい、と思います。

それはともかく、中国がこれまで香港の高度な自治を受け入れてきたのは、そうしなければイギリスとの返還交渉がまとまるはずもない、という計算ももちろんあったでしょう。しかしそれだけではなかったはずです。香港の特別な地位を保証することによる経済的メリットも大きかったから、それをなくしてしまうことは中国にとっても望ましいことではない、という理由もあったはずです。1997年当時は、中国はまだまだ貧しく、香港との経済的格差は圧倒的でしたから。

しかし、その後中国は急激に経済発展を遂げ、新型コロナ騒動の前は世界を中国人観光客が闊歩する状況となっていたのは周知のことです。今でも香港の一人当たりGDPは中国全体の5倍ですが、1997年当時は35倍もの開きがあったことから考えれば、その差は急激に縮まっています。それに、近年の香港の経済成長は、むしろ中国本土の経済成長に引っ張られてのものと言ってもよさそうです。つまり、香港の経済的な地位は相対的に地盤沈下してきており、中国が高度な自治を保障するメリットもなくなってきている、という現実もあるのでしょう。

で、トランプは中国への「対抗措置」として香港への優遇措置を撤廃するそうなのですが、それって本当に「対抗措置」なんでしょうか?むしろ、私には「香港は見捨てる宣言」にしか見えません。だって、前述のとおり、中国が香港に特別な地位を認めてきたのは、あけすけな言い方をすれば香港に利用価値があったからです。トランプが香港への優遇措置を撤廃すれば、むしろなおさら中国にとっては香港を特別扱いすることのメリットが失われるだけのことになるんじゃないでしょうか。

で、もう一つのWHO脱退という話も、ひどいなと思います。
確かに、WHOにも、あるいは中国の保健衛生政策にも間違いは多々あるでしょうし、改めるべき点も多々あるでしょう。しかし、だからWHOから脱退してしまえ、ひいてはWHOなど潰してしまえ、というやり方が、世界の、あるいは米国の保健衛生環境の向上につながる可能性はどう考えてもありません。
米国がいくら大国でも、自国だけの努力で世界的に流行する感染症の国内への侵入を押さえることなどできないのは、今回の新型コロナ騒動からも明らかです。
トランプはWHOから脱退を言い出しただけで、それに代わって新たに自国主導の国際的保健衛生組織を作るつもりなのかどうかは定かではありません。しかし、作ったとしても、数えるほどの国が参加しただけの国際組織で実際上の能力が発揮できるはずもありません。
しかも、主導するのがトランプです。「新型コロナ対策には漂白剤を注射!」などという見識の持ち主、保健衛生に金をかける気など全然ない大統領が音頭を取って、マトモな国際的保健衛生組織ができるわけがないのは言うまでもありません。

日本が米国に追随してWHOを脱退するなどという愚行を行うことがないように注視していく必要がありそうです。





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最終更新日  2020.05.31 22:49:21
コメント(6) | コメントを書く


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Re:いかれている(05/30)  
Bill McCreary さん
>香港の特別な地位を保証することによる経済的メリットも大きかったから、それをなくしてしまうことは中国にとっても望ましいことではない、理由もあったはずです。1997年当時は、中国はまだまだ貧しく、香港との経済的格差は圧倒的でしたから。

これは、共産政権が香港を武力接収しなかったことと同じですね。共産党政権も、香港を貿易の窓口、あるいは情報機関としての地位などで重視していました。最近読んだ佐藤栄作の、日中国交正常化交渉についての本でも、やはり香港が交渉の舞台だと記されています。

//www.amazon.co.jp/dp/490549785X

>今でも香港の一人当たりGDPは中国全体の5倍ですが、1997年当時は35倍もの開きがあったことから考えれば、その差は急激に縮まっています。それに、近年の香港の経済成長は、むしろ中国本土の経済成長に引っ張られてのものと言ってもよさそうです。つまり、香港の経済的な地位は相対的に地盤沈下してきており、中国が高度な自治を保障するメリットもなくなってきている、という現実もあるのでしょう。

私は1998年にはじめて香港に行き、大陸に初めて行ったのは2008年だったかと思いますが、香港も大陸も発展がすごいですが、香港は明らかに北京語の通用が大きくなっているし、当然大陸の人間も増えています。香港の相対的地盤沈下については、中国研究者の多くが指摘していますね。

>しかし、作ったとしても、数えるほどの国が参加しただけの国際組織で実際上の能力が発揮できるはずもありません。

ですよねえ(苦笑)。非常識にもほどがあります。

>日本が米国に追随してWHOを脱退するなどという愚行を行うことがないように注視していく必要がありそうです。

それはさすがにないと私は思いますが、でもどうなんですかね。米国は、日本に踏み絵を踏ませるのか。

inti-solさんは、中国系の国は本土からシンガポールなどまで行かれたことはないかもですが、香港はいいですよ。LCCで行けば安い。ぜひどうぞ。ただ物価は今ものすごく香港は高いですね。98年は安かったですが、今はとてもそんなことはありません。だいたい1人当たりのGDPは、日本よりマカオや香港のほうがずっと上ですから、それは当然の話ではあります。 (2020.05.31 14:56:00)

Re:いかれている(05/30)  
アンドリュー・バルトフェルド さん
コロナウィルスでも「中国がガー」の声が相変わらずデカくて腹が立って仕方がない日々を過ごしています。

初動の遅れは置いても、感染源で「何を言ってるんだ」というのがまだまだ蔓延っています。

中国に賠償を要求する声もまあデカいのですが、それを認めたらどうなるかについて想像できない頭もどうかですね。
オーウェルが「動物農場」や「1984」で書いた世界そのままということは少なくとも言えます。


>WHO脱退
「WHOも中国に骨抜きにされているんだ」という連中にとっては美味しい餌でしょうが、途上国にとっては支援が遅れて死者が増えていることに関心がありませんからね。

アメリカ主導の新機関(仮)に台湾が加わるとして、WHOが提唱しているよりも最良の対策や医療のガイドラインが策定できるか。
「どこの民間医療だ」と突っこみたくなることばかりほざいているのだから、「医療のレベルを下げるな」という思いがあります。 (2020.05.31 19:52:52)

Re[1]:いかれている(05/30)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>これは、共産政権が香港を武力接収しなかったことと同じですね。

考えてみればそうですね。純軍事的に見れば、第二次大戦で勝ったとはいえ青息吐息のイギリスから香港を奪うことなんか簡単でしたが、それは中国自身にとって得策ではない、と判断していたということでしょう。さらに言えば、台湾だって、中国が本気で武力で攻め込む気だったら、出来なくはなかったと思いますが、あえてそれはしなかったわけです。やはり損得勘定を考えると、それは得策ではない、ということになったのでしょう。
中国は、大躍進政策とか文革みたいな迷走はありましたが、やはりそういう面の長期的計算は長けているなと思います。

>香港の相対的地盤沈下については、中国研究者の多くが指摘していますね。

そうですよね。しかも、記事を書いた後で気が付いたのですが、

「今でも香港の一人当たりGDPは中国全体の5倍ですが~その差は急激に縮まっています。」という記述は、まだまだ甘かったかもしれません。だって、5倍というのは中国全体の平均一人当たりGDPに対してであって、中国の沿岸部に限れば、もう5倍なんて差はないでしょうね。
実はラテンアメリカとオーストラリア以外は海外に行ったことがありません。香港もいいかもですね。そんなに日数がなくても行ける場所ですし。

アンドリュー・バルトフェルド さん

確かにWHOは新型コロナに対する対応は問題があったでしょうけど、WHOは新型コロナへの対応だけを目的とした組織ではもちろんありません。新型コロナへの対応の至らなさを理由に医療保険分野の国際協調体制に背を向けるというのは、本人の主観はどうか知りませんが、結果としてみれば公衆衛生の水準を著しく損ねるものでしょう。
結局、公衆衛生なんて金がかかるだけで利益を生み出さないからどうでもいい、と体よく手抜きをするための都合の良いお題目、というところじゃないかと思えます。 (2020.05.31 20:40:10)

Re:いかれている(05/30)  
maki5417  さん
トランプは中国への「対抗措置」として香港への優遇措置を撤廃する

香港への優遇措置って何でしょうか? (2020.05.31 23:37:38)

Re:いかれている(05/30)  
Bill McCreary さん
英国も、1950年1月の時点で、アトリー労働党政権が新中国を承認していますね。蒋介石はもちろん、米国なども「裏切りやがった」と激怒したのでしょうが、英国からすれば大陸を実効支配する政権といい関係でいるのは当然ですね。共産中国に対してはより慎重な対応をせざるを得ません。余談ですが、共産党政権も周恩来やトウ小平らの海外生活の長い人たちの存在も、実利重視の政策の一因だったのでしょうね。毛沢東のようにほとんど中国から出たことのない人間ばかりだったら、より強硬だったかもです。インドはポルトガルからゴアを接収しましたが、中国はポルトガルが植民地政策を放棄しマカオはすぐ返すと申し出ても、ちょっと待ってくれ(英国との香港返還交渉の前例にしたくない)と我慢したくらいで、そのあたりはまさに

>やはりそういう面の長期的計算は長けているなと思います。

ということですね。

>さらに言えば、台湾だって、中国が本気で武力で攻め込む気だったら、出来なくはなかったと思いますが、あえてそれはしなかったわけです。やはり損得勘定を考えると、それは得策ではない、ということになったのでしょう。

日本の右翼勢力、櫻井よしこや田久保忠衛、あるいは荒木和博などもそうですが、武力行使のコスト、戦争のコストということを徹底的にい無視、軽視しますね(少なくともそのような主張をする)。米国だってもうベトナム戦争レベルの軍事行使はできないし、イスラエルも昔ほど戦争はしません。あるいは戦争をしていた82年のレバノン戦争の時ですら、アラファト議長を暗殺しようと思えばいつでもできたにもかかわらずしなかったわけで、世の中そんなに徹底した軍事介入をしていいものでもないし、またその幅は狭まっていると思います。 (2020.06.01 21:04:59)

Re[1]:いかれている(05/30)  
inti-sol  さん
maki5417さん

報道によると、香港への優遇措置見直しとは、渡航、輸出管理、犯罪人引渡などだそうですが、具体的なところは知りません。

Bill McCreary さん

イギリスは早々に中国と国交を結んでいるんですよね。もっとも、米国だって、冷戦のさなかだったからしぶしぶ蒋介石支援を続けたものの、国共内戦では、結局国民党が腐敗しきって、米国からいくら援助物資を送っても、それがみんな共産党側に流れてしまうような状態だったから、腹の中では蒋介石に愛想をつかしかかっていたかもしれません。

中国側の当時の様々な柔軟な対応の背景には周恩来の存在があったことは、まず間違いないだろうと思います。

>日本の右翼勢力~武力行使のコスト、戦争のコストということを徹底的にい無視、軽視しますね

そうですね。人の命を軽く考えている、ということと、そういうふうに煽っておく方が彼らの利益になるからでしょうね。 (2020.06.01 23:20:29)

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