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これぞ、サンドラ・ブラウン!という作品でした。勧善懲悪なハッピーエンドで良かったです。
2024年05月31日
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エラゴンとサフィアの絆が深まってゆき、新たな旅へ。面白すぎて、ページを捲る手が止まりませんでした。
2024年05月31日
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このシリーズは、人間の業をよく描いていますね。
2024年05月31日
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ミレニアムシリーズの新作。相変わらず面白かったです。今回は、スウェーデンと難民問題、先住民族の問題について色々と取り上げられていました。
2024年05月29日
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甘くて美味しかったです。
2024年05月29日
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スペイン産の、カカオ100%チョコ。甘くなく、苦味が強かったのですが、食べごたえがありました。
2024年05月29日
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野村萬斎のドラマは観ていませんが、原作がクリスティーという事なので早速読んでみました。被害者の老婦人が、本当に嫌な女で、同情できないというか、彼女の家族に同情してしまいました。アガサ・クリスティー作品は、本当に推理劇もいいですが、人間の心理描写を巧みに描いており面白くてつい時間を忘れてしまうほど読みふけってしまいますね。
2024年05月28日
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「あの」フォレスト・ガンプのその後。ガンプは自分を支えてくれた大切な人達との別れを経て、息子と歩んでいく。オランウータンのスーと、ダンが死ぬシーンは読んでいて悲しかったし、ガンプと一緒に泣きそうになりました。色々と反発していたガンプの息子が、父親と和解するシーンで胸が温まるような気がしました。
2024年05月27日
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映画も観ましたが、原作小説の方が面白かったです。
2024年05月27日
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ヒロイン・フィービーが交渉人という設定が斬新でした。ラストの事件シーンと、その後のロマンスシーンまで読みごたえがあってよかったです。
2024年05月27日
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X(twitter)のフォロワーさんに勧められて買いました。150円と高いですが、袋を開けた途端のりの濃厚な匂いが!味も、濃くて美味しかったです。
2024年05月27日
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このシリーズは、空中戦の描写が見事で好きです。
2024年05月27日
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戦闘シーンと、人間ドラマが良かったです。
2024年05月26日
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架川が罠にはめられ、これからどうなるのかと思ったら、蓮見の父親の冤罪事件が解決して良かったです。
2024年05月26日
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二転三転する展開が続き、面白かったです。
2024年05月26日
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分厚い本でしたが、先が読めない展開が続き、一気に読み終わりました。これからの展開が楽しみです。
2024年05月26日
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・お色気作戦w・セバスチャンの悪人顔がえろいw・緑寮の寮長がエルヴィンみがあるw ・なんだか緑寮が調査兵団にみえたw・アーサー王のような必殺技w・校長すごいなあw・シエルのゲス顔必殺技がいい!・シエルのペカッ顔が可愛い!・碧寮の寮長がますます黒〇のバスケみあるw必殺技がすごい!・厨二病くさい必殺技の作画がすごい!・シエルー!・碧寮優勝おめでとう!
2024年05月26日
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厚切りで美味しかったです。袋を開けたら美味しそうなチーズのにおいがしました。
2024年05月24日
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「闇の魔法学校」シリーズ最終巻。怒涛の展開が続いて、あー、こういうラストかあ!と読み終わった後驚きました!面白かったです。
2024年05月24日
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最後まで二転三転する展開が続いて、面白かったです。
2024年05月23日
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高校生の頃に流行った作品。内容が衝撃的でしたが、今流行りの「デスゲーム系」漫画や小説の元祖なんだろうなと思いました。残酷描写が多かったのですが、抵抗なく読めました。
2024年05月23日
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ある殺人事件に巻き込まれたレイシー。メアリー・H・・クラークの作品を久しぶりに読みましたが、先の展開が読めなくて面白かったです。
2024年05月23日
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「汝、星のごとく」の続編。読み終わったあと、癒されました。
2024年05月23日
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劇団四季のミュージカルは観ていませんが、わたしが知っている「オズの魔法使い」とは違いました。緑の肌をしていることでまわりから迫害されて生きてきたエルファバ。本当の「悪」とは何なのかー本を閉じたあとそう思いました。
2024年05月22日
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主人公の80年の生涯を淡々と描いた作品。本を閉じた後、美しい山々の風景が浮かんだような気がしました。
2024年05月22日
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1ページ目から引き込まれ、最後までページを捲る手が止まりませんでした。ネタバレしたいけれど、それは未読の方には失礼なのでやめておきます。とにかく、書店で購入して読んでみてください。
2024年05月20日
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最後までどうなるのかと、ページを捲る手が止まりませんでした。作品の舞台がニューオーリンズなので、カフェデュモンドが出て来て懐かしく思いました。昔は全国展開していたのに、今は完全に日本から撤退してしまったので残念です。
2024年05月20日
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「薄桜鬼」の二次創作小説です。制作会社様とは関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。 謎の女にとって歳三と千鶴が連れて行かれたのは、都内某所にあるホテルの一室だった。「おい、ここに俺達を連れて来て、一体何をする気だ?」「お館様、二人を連れて参りました。」「うむ、大儀であった。」 部屋の奥から姿を現したのは、一人の老人だった。「お初にお目にかかります、九尾の狐様。」 老人はそう言うと、歳三の前に跪いた。「あんた、誰だ?」「自己紹介が遅れました、わたくしはこういう者です。」 老人は、歳三に一枚の名刺を手渡した。 そこには、“陰陽師・光田武”と印刷されていた。「陰陽師、ねぇ・・」 明治維新の折、陰陽寮が廃止され、それに伴い陰陽師が居なくなった事を歳三は知っていたので、老人が詐欺師ではないかと疑っていた。「安心して下さい、わたしは本物です。」「そうかい。で、俺達をここへ呼んだ理由は何だ?」「実は・・」 光田老人は、歳三達にある事を相談した。 それは、ここ最近、光田老人達が住む地域で出没している変質者の事だった。「下着泥棒か何かか?」「いえ、そんな可愛いものではありません、うちの近所にあるコンビニの店員に付きまとうストーカーです。そいつは何を勘違いしたのか、その子を食事に何度か誘ったり、その子の勤務日をしつこく聞いたりしてね・・」「で、そいつを懲らしめて欲しいと?」「はい。」「あなた、たとえ仕事だとしても、浮気は許しませんよ。」「わ、わかってるよ・・」 そう言った歳三の声は、少し裏返っていた。(噂は、本当のようですね・・) ホテルから出た歳三達は、光田老人が経営するコンビニがある月島へと向かった。「あんた、ここの地主か?」「いいえ。わたしはただの陰陽師の端くれですよ。」 そう言ってニッコリと笑う光田老人は、コンビニの中へと入っていった。「オーナー、おはようございます!」「大野さんは?」「今日は、体調を崩してしまって休みたいと・・」「まぁ、そうなのですか。」 光田老人はコンビニの店員達に歳三達を紹介した後、バックヤードへと入っていった。「大したおもてなしが出来なくて、すいません。」「いや、構わねぇよ。」「これが、ストーカーに遭っている大野さんです。」光田老人にスマホで見せられたのは、何処か小動物を思わせるかのような顔立ちをした少年の顔写真だった。「ほぉ、可愛い顔をしているじゃねぇか。」「あなた・・」「別に、そんなんじゃないからなっ!」 歳三はそう言った後、光田老人の方へと向き直った。「大野さんは、どちらに住んでいらっしゃるのですか?」「あの子は、ここから少し離れた所に住んでいまして・・一人暮らしなのですが、最近連絡が来なくて心配しているんです。」「ストーカーに、アパートは知られていませんか?」「はい。」 歳三達がバックヤードでそんな話をしていると、店員が何処か恐怖で強張ったような顔をして入って来た。「オーナー、大変です!」「どうした?」「変な人が、店に・・警察を呼んだのですが・・」 歳三がバックヤードから出て、店内へと向かうと、一人の男がレジの前で意味不明な言葉を喚き散らしていた。「ポポポ~!」 涎を垂らしながら、男は歳三に向かって走って来た。 その手には、ナイフが握られていた。「うるせぇ!」 歳三は男に強烈な裏拳を喰らわせた。「ポウッ!」 男はまるでマイケル=ジャクソンのような叫び声を上げ、床に倒れた。「人騒がせな奴でしたね。」「あぁ、全くだ。」 男が警察に連行されてゆくのを見ながら、歳三と光田老人がそんな事を話していると、歳三は背後から強い殺気を感じた。 不意に彼が振り向くと、そこには病的な程蒼褪めた顔をした女が立っていた。(何だ?) 女は口端を歪めると、唇だけを動かして、こう言った。 “み つ け た”「どうか、されましたか?」「いいえ・・」「ここ、色々とありましたからねぇ・・大きな声では言えませんが、事故物件が多くてねぇ・・」「事故物件?」にほんブログ村二次小説ランキング
2024年05月19日
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・ヴィンパパ、美しい!・ディードリヒさん、激変したのは何故?・ヴィンパパ、ドS…・リジーのドレス可愛い。・「黒〇のバスケ」な必殺技ばっかり出ているw・原作のシーンを思い出して笑い転げそうw・シエルのゲス顔!ハーコートぉぉ!・ドルイット子爵、正常運転!・田中さん…・緑寮の寮長、エルヴィンみが強いw・シエル可愛い!可愛い!可愛い!・次回葬儀屋くる!?
2024年05月19日
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ドラマを観たので、原作を再読してみたくなり、先程読み終わりました。いやあ、宮部みゆきは時代物も現代物も読みごたえがありますが、この作品は面白くて一気に読了してしまいました。原作が面白いから、ドラマには少し物足りなさを感じてしまいます。
2024年05月17日
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最初から最後までスリリングな展開が続きましたが、ラストシーンが不穏な形で終わってしまって残念でした。
2024年05月17日
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表紙素材は、このはな様からお借りしました。「黒執事」の二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。シエルが両性具有です、苦手な方はご注意ください。 セバスチャンとユリウスは、日本人の母と、英国人の父との間に産まれた。 母は、かつて隆盛を極めた士族の出で、家計を助ける為芸者となり、お座敷で父に見初められ、二人を授かった。 しかし、父には英国に婚約者を残していた。 英国貴族である父にとって、母は星の数ほど居る愛人の一人だった。 混血の上に私生児を産んだ母は、置屋から追い出さされた。 路頭に迷い、行き倒れ寸前となっている彼らを救ったのが、今の義父だった。 義父は華族で、訳有りの母を正妻として迎えた。 彼は母方の祖母を呼び寄せ、共に暮らすようになった。 母方の祖母・文乃は、優秀なセバスチャンだけを溺愛し、ユリウスを事あるごとに蔑ろにし、時折彼を折檻するようになった。 同じ顔をしているのに、何でも出来るセバスチャンと、病弱で役立たずな自分。 いつしかユリウスは、自分に劣等感を抱くようになっていった。 そんな中、遠縁の伯父が亡くなり、彼の診療所をセバスチャンが継ぐ事になった。 セバスチャンは時折ユリウスに手紙を送ってくれたが、ユリウスは一度も返事を寄越さなかった。 だが、セバスチャンから出征するという連絡が来た。『わたしが帰って来るまで、シエルをお願いします。』 セバスチャンの手紙の中にある『シエル』が何処の誰なのかわからず、ユリウスは混乱した。 取り敢えず、ユリウスは手紙に書かれていた住所を頼りに、セバスチャンの診療所を訪ねる事にした。 すると、そこには一人の少女の姿があった。 彼女が、セバスチャンが言っていた“シエル”だと勘で解った。「失礼、貴殿がシエル=ファントムハイヴ殿か?」 ユリウスがそう少女に尋ねると、彼女は訝し気な視線を自分に送った後、静かに頷いた。 シエルはユリウスがセバスチャンの双子の弟だと名乗ると、彼女は証拠を見せろと迫って来たので、彼女に戸籍謄本を見せると、彼女の頑なだった態度はすぐさま軟化した。 そして、少女―兄の恋人・シエルを深川へと連れて来た。 自分の妻とする為に。 シエルは、美しい少女だった。 雪のように白い肌、そして左右違う色の瞳。 その瞳には兄しか映っていないが、それでもいいと、ユリウスは思っていた。「シエル様、何をなさっているのです?」「米を炊こうと思って・・」「まぁ、ユリウス様の奥様となられる方に、そのような事はさせられません。」「今、何と言った?」「申し訳ありません、今の事は忘れて下さいませ!」 菊はそう言ってシエルに頭を下げると、台所から出て行った。 ユリウスが帰って来たら色々と問い詰めようとしたシエルだったが、彼は中々帰って来なかった。「向こうのお宅で何かあったのでしょうか?」「向こうのお宅?」「ユリウス様のご実家は、銀座にあるのですよ。まぁ、色々と複雑な事情がおありなのかも・・」「そうか・・」 シエルは米を研ぎながら、戦地に居るセバスチャンに想いを馳せていた。 同じ頃、セバスチャンは満州に居た。(シエルは、元気にしているのでしょうか?) セバスチャンはそんな事を思いながら、シエルへ手紙を書いていた。「何だ、これ?」「手紙ですよ、見てわからないのですか?」「フン、相変わらず愛想のない・・」 セバスチャンの手紙を見ていた男は、そう言うと何処かへと行ってしまった。 彼は、セバスチャンとは同じ部隊で、何かとセバスチャンに突っかかって来る。「またあいつかい。気にするな。」「はい。」「その手紙、里に居る恋人宛かい?」「ええ。」 セバスチャンは、そう言うと部隊長にシエルの写真を見せた。「ほぉ、中々の別嬪さんじゃないか。いくつだい?」「今年で13になります。結婚は、シエルが成人するまで待とうと思っています。」「健気だねぇ。」 舞い散る雪の中で、セバスチャンは凍える手を時折擦りながら、何とかシエル宛の手紙を書き終えた。『シエル、元気にしていますか。ちゃんとご飯は食べていますか?こんなつまらない事を書くな、と、あなたはこの手紙をご覧になった後、お怒りになるでしょうね。ですが、このような月並みの言葉しか書けないわたしを許して下さい。どうかお元気で、あなたのセバスチャンより。』 その手紙は、シエルの元に届く事はなかった。 1945(昭和20)年元日。 新年だというのに、食糧難の所為でお節料理を作れず、元日の食卓には芋ばかり並んでいた。 育ち盛りのシエルにとって、それは満足な物ではなかったが、野菜の屑を浮かべただけの汁物や、大根の切れ端しかない漬物ばかり食べていなかったので、我が儘は言えなかった。「ごちそう様でした。」「あなたが、ユリウスのお嫁さんとなる方?おいくつなの?」 そう言った文乃は、シエルが床に入るまでシエルを質問攻めにした。「いい加減にして下さい。シエルさんが怖がっているじゃありませんか。」「でも・・」「シエルさん、この人は放っておいていいので、先に部屋で休んでいて下さい。」「はい・・」 セバスチャンとユリウスの継父・尚哉はそう言うと、シエルに微笑んだ。「ありがとうございます、お義父様。」 その日の夜、シエルが自室で寝ていると、誰かが寝室に入って来る気配がした。「セバスチャン・・?」 シエルが目を開けると、そこには文乃の姿があった。「あの、何かご用ですか?」「死ね!」 文乃はそう叫ぶと、老人とは思えないような力で、シエルの首を絞めた。「お止め下さい、お祖母様!」「この子が、この子が居るから、あの子は・・」「大奥様、いけません!」 文乃を、女中達が数人がかりでシエルから引き離した。「シエルさん、大丈夫ですか?」「はい・・」「お祖母様の事は、お気になさらないでください。」(あの人は、何かを隠している・・) シエルは深川の家に戻り、家事をしながら昨夜の事を思い出していた。“この子が居るから、あの子は・・” 錯乱した文乃が言った、“あの子”とは、一体誰の事なのだろうか?にほんブログ村二次小説ランキング
2024年05月17日
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爽やかな味で美味しかったです。
2024年05月16日
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摩訶不思議な作品でした。
2024年05月16日
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父が、冤罪だった!?父の死の真相を探るため、故郷へ戻ったセーラを待っていたものは。最初から最後まで一気読みするほど面白かったです。
2024年05月15日
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インディアンに対する差別や偏見を真正面から描いた作品。ヒロインのメアリーの芯の強さに共感しました。面白くて一気に読み終わりました。
2024年05月15日
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表紙素材は、このはな様からお借りしました。「黒執事」の二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。シエルが両性具有です、苦手な方はご注意ください。「す、済まない、僕は怪しい者じゃないんだ。」 そう言った男は、シエルに一枚の名刺を差し出した。 そこには、“私立探偵・アバーライン”と印刷されていた。「私立探偵が、この僕に何の用だ?」「君が、ファントムハイヴ君だね?セバスチャン=ミカエリスさんから伝言を預かりました。」 アバーラインは、そう言うと自分を睨みつけているシエルを見た。「ここは人目があるから、中に入れ。」「あ、ありがとう・・」 アバーラインを診療所の中へと招き入れたシエルは、彼に水が入った湯呑みを出した。「茶を出したいが、茶が無いから水で我慢してくれ。」「ありがとう、朝から歩き通しだったから、丁度喉が渇いていたところなんだ。」 アバーラインはそう言った後、一気に湯呑みの中の水を飲み干した。「はぁ~、生き返るっ!」「それで、伝言というのは何だ?」「実は・・」 アバーラインは、数日前セバスチャンと会った事をシエルに話した。「もうすぐ、わたしは出征する事になるでしょう。わたしが出征する時、この書類をシエルに渡して下さい。」「必ず、この書類をあなたに渡してくれるようにと、セバスチャンさんから・・」 アバーラインから書類を受け取ったシエルは、それに目を通した。 そこには、セバスチャンの親族の住所が書かれていた。「わざわざ書類を届けに来てくれて、ありがとう。」「じゃぁ、僕はこれで失礼するよ。」「あぁ・・」 アバーラインを玄関先で見送った後、シエルは下腹の鈍痛に襲われ、その場に蹲った。(セバスチャン、助けて・・)“シエル”―坊ちゃん、またこんな所で寝てしまっては、風邪をひきますよ。 また、誰かの声がした。 シエルが目を開けると、そこはいつもの自分の部屋だった。「僕は、どうして・・」「君が玄関先で倒れているのを見て、部屋まで運んだんだよ。」「すいません、ご迷惑をおかけしてしまって・・」「いいんだ。」 シエルは月の障りが来ると、下腹の鈍痛とそれに伴う貧血の所為で五日も寝込んでしまう事があった。「シエル君は、ここの生まれじゃなかったよね?」「はい。家族と数年前まで東京で暮らしていました。」「そうか。それにしても、ここにはセバスチャンさんと二人で暮らしていたの?」「はい。」「僕は向こうの部屋に居るから、何かあったら呼んでくれ。」「わかりました・・」 アバーラインが自室から出て行ったのを確認した後、シエルは机の引き出しから通帳と印鑑が入っている袋を取り出し、それをリュックの中に入れた。 いつ出掛けられてもいいように、着替えや通帳、現金を入れたリュックを、シエルは枕元に置き、再び布団の中へと戻って寝た。 月の障りが終わり、シエルが診療所の前で掃き掃除をしていると、シエルの前に一人の男が現れた。「失礼、貴殿がファントムハイヴ殿か?」「はい、そうですが・・あなたは?」「失礼、わたしはセバスチャン=ミカエリスの双子の弟の、ユリウスと申します。貴殿をお迎えに上がりました。」「え・・」 突然、セバスチャンの双子の弟と名乗る男に腕を掴まれそうになったシエルは、慌てて男の手を乱暴に振り払った。「僕に気安く触れるな!」「そんなに怒らなくてもいいでしょう。出征した兄の代わりに、あなたを守りに来たのですよ。」「お前の言葉は信用出来ない。お前がセバスチャンの弟だという証拠を見せろ!」「そう来ると思いましたよ。」 男はそう言って深い溜息を吐くと、持っていた鞄の中から戸籍謄本の写しを取り出してそれをシエルに見せた。「これで、納得頂けましたか?」「あぁ。支度をしてくるから、待っていてくれ。」「わかりました。」 シエルは診療所の中へと入ると、素早く自室に置いていたリュックと旅行鞄を持って診療所から外へと出て行った。「では、行きましょうか。」「何処へ?」「東京へ、わたし達の新しい“家”へ。」「わかった。」 ユリウスに連れられ、シエルがユリウスの自宅がある東京・深川に着いたのは、その日の夜だった。「お帰りなさいませ。」「今すぐ風呂と寝床の用意を。」「はい。」 玄関先でユリウスとシエルを出迎えたのは、彼の家政婦・菊だった。「そちらの方が・・」「わたしの花嫁となる方ですよ。」「まぁ、それは嬉しゅうございます。」 二人の会話を、熟睡していたシエルは聞いていなかった。「おはようございます、シエル様。」 シエルが目を開けると、そこは全く知らない部屋の中だった。「ここは?」「ここは、ユリウス様のお宅ですよ。わたくしは、こちらで家政婦として働いております、菊と申します。」「ユリウスは・・あいつは何処だ?」「坊ちゃま・・ユリウス様なら、お仕事へ出掛けられていますよ。」「お仕事?」 シエルが深川の家で戸惑っている頃、ユリウスは銀座にある実家に居た。「ご無沙汰しております、義父上、お祖母様。」「ユリウス、ここに来るなんて珍しいわね。」 そう言ったのは、セバスチャンとユリウスの祖母・文乃だった。「お祖母様、お元気そうで何よりです。」「全く、久し振りにこちらへあなたが顔を見せる時は、何か厄介事を持ち込むと決まっているのよ。今回はどんな厄介事を持ち込んだの?」「厄介事とは、わたしの未来の花嫁に向かって失礼ですよ、お祖母様。」「未来の花嫁ですって?」 文乃の眦が、ユリウスの言葉を聞いて吊り上がった。「はい。いずれこちらへ彼女と挨拶に伺うつもりです。」「セバスチャンならともかく、あなたにそんな相手が出来たなんてねぇ。」 文乃はジロリとユリウスを睨んでそう言った後、溜息を吐いた。 そんな彼女の反応を見ても、ユリウスは眉ひとつ動かさなかった。 彼女は昔から、兄のセバスチャンばかりを可愛がっていた。にほんブログ村二次小説ランキング
2024年05月15日
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・デリック達が紫寮にいない…うん、そうだよね。・セバスチャン、水の運びかたw・ソーマ、カッコいい!・クリケット大会は、校長と会えるチャンス!・基準が難しいなあ…・セバスチャンナイスアシスト!・二人とも悪いかおw・前夜祭のシーン、原作読んだとき良かったけど、アニメも良かった!・緑寮長がエルヴィンにしか見えないw・ドルイット子爵w・ミッドフォード家の中の人豪華!・ヴィンセントパパー!
2024年05月12日
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アメリカ大統領がルーズベルトではなく、反ユダヤ主義のリンドバーグだったら・・という歴史IF小説。ユダヤ人排斥の動きが加速化する中、主人公・フィリップ一家を取り巻く社会を一変させる様が描かれており、読んでいて怖かったです。
2024年05月11日
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表紙素材は、このはな様からお借りしました。「黒執事」の二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。シエルが両性具有です、苦手な方はご注意ください。「助けて・・」少女は、苦しそうに呻きながら、シエルに向かって手を伸ばしたが、その手も酷く焼け爛れていた。「シエル、諦めなさい。」「でも・・」「わたし達には、どうする事も出来ません。」 少女は、夜明け前に死んだ。「シエル、いい加減泣き止みなさい。」「でも・・」「どんなに泣いても、死んだ人は戻って来ませんよ。」 セバスチャンはそう言うと、診療所の中へと戻っていってしまった。 あの少女は、生きていた。 それなのに、理不尽に命を奪われてしまった。(これが、戦争なのか・・) 全ての人を、救う事は出来ない。 ならば、自分に出来る事をしよう。 シエルは涙を手の甲で乱暴に拭うと、診療所の中へと戻った。「シエル、もう大丈夫なのですか?」「あぁ。」「もう皆さん落ち着いたようですし、わたし達も休みましょう。」「お休み。」 シエルは泥のように眠った。「おはようございます、シエル。」「ん・・」「朝ごはんが出来ましたよ。」 そう言ってセバスチャンに連れられて台所へと向かったシエルが見たものは、白米の小さな塩むすびだった。「これは?」「朝早くにお米の配給があったので、作ってみました。」「頂きます・・」 その塩むすびは、美味しかった。 その日を境に、シエルは滅多な事では泣かなくなった。 死と常に隣り合わせの日々の中で、涙を流す時間すら惜しいと思ったからだ。 実際、空襲は連日あり、配給があった米は徐々にその量が減り、それに比例するかのように書籍や文房具類、医薬品などが不足していった。「これが、一日分の食事です。」 ある日、そう言ってセバスチャンがシエルに渡したのは、十粒の大豆だった。「そうか。」「シエル、今日は大事な話があるので、早く帰って来てくださいね。」「わかった。行って来ます。」「行ってらっしゃい。」 セバスチャンは玄関先でシエルを笑顔で見送った後、診療所の中へと戻って行った。 事務机の上に置かれた手紙を見たセバスチャンは、それに目を通すと、火鉢の上に置いた。 それはたちまち灰となった。(シエルには・・坊ちゃんには決してこの事は知られてはならない・・) 昼休み、シエルは朝セバスチャンから貰った十粒の大豆をハンカチの中から出し、一粒口に放り込んで良く噛んだ後、水を飲んで空腹を満たした。「あ~、毎日空襲ばかりで嫌になる。」「毎日寝不足になるわ。」 シエルが少し離れた所で女学生達が話しているのを聞いていると、郵便配達人が彼女達の元へとやって来た。「佐伯静子さんですね?」「あ、はい・・」「お手紙が届いています。」 女学生達の一人が郵便配達人から一通の手紙を受け取った後、彼女は突然泣き崩れた。「どうしたの?」「彼が・・」 その手紙は、彼女の恋人の死を知らせるものだった。「ただいま。」「お帰りなさい、シエル。今日はご馳走ですよ。」「ご馳走?」 シエルがセバスチャンと共に居間に入ると、そこには赤飯と野菜の味噌汁、そして鯛の塩焼きが食卓の上に並べられていた。「どうしたんだ、これ?」「知り合いの方が、調達して下さったのですよ。さぁ、冷めない内に頂きましょう。」「あぁ・・」 シエルは、セバスチャンの様子が少しおかしい事に気づいた。「頂きます。」 夕食の後、シエルはセバスチャンに呼ばれて彼の自室へと向かうと、彼は床に正座してシエルを待っていた。「どうした、そんなにかしこまって?」「シエル、わたしに赤紙が来ました。」「赤紙・・」「これを。」 セバスチャンがそう言ってシエルに手渡したのは、金の懐中時計だった。「父の形見です。これをわたしだと思って、大切に・・」「嫌だ!」「坊ちゃん?」「そんな言葉、お前はこれから死に行くと言っているようなものじゃないか!お前が、こんな物の代わりになるもんか!」 シエルはそう叫ぶと、セバスチャンに抱きついた。「必ず生きて僕の元に帰って来い!僕を独りにするなんて、許さないからな!」「あなたという方は、“昔から”わがままで、放っておけない方でしたが、それは“今でも”変わりませんね。」 セバスチャンはそう言うと、シエルの唇を塞いだ。「必ず、生きてあなたの元へ帰ります。約束します。」「あぁ。」 シエルとセバスチャンは、セバスチャンが出征する数日後まで、共に過ごした。「シエル、もしわたしが死んだら、どうしますか?」「お前の後を追って死んだりなんてしないぞ。」「・・あなたなら、そう言うと思っていましたよ。」 セバスチャンの出征前夜、セバスチャンはそう言うとシエルを抱いた。 そして、セバスチャンが出征する日が来た。 彼を見送る為、地域の婦人会の女性達が千人針をセバスチャンに贈り、駅で立派な幟を振って盛大に彼を見送った。「万歳!」「万歳!」 セバスチャンは汽車に乗り込んだ後、シエルの姿を捜したが、シエルは何処にも居なかった。 シエルは、敢えて元気よく振る舞って、別れの涙を自分の前で流したくないから、ここに来ないのだろう―セバスチャンがそう思っていると、盛大に見送りする人々から少し離れたところで、自分を見つめるシエルとセバスチャンは目が合った。『帰って来い。』 唇だけでそう自分に告げたシエルに、セバスチャンは微笑んだ。(必ず、あなたの元に帰ります。だから、その日まで・・わたしが帰って来るまで、あなたもどうか死なないでください、シエル。) 汽車の汽笛が高らかに鳴り、汽車が静かにホームから離れ、やがてそれはトンネルの中へと消えていった。(セバスチャン・・) シエルは、そっとハンカチに包んだ懐中時計を握り締め、駅から去った。 診療所へと戻ろうとしたシエルは、その前に一人の男が立っている事に気づいた。「おい、そこで何をしている?」にほんブログ村二次小説ランキング
2024年05月10日
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表紙素材は、このはな様からお借りしました。「黒執事」の二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。シエルが両性具有です、苦手な方はご注意ください。 シエルの右足の骨折は、一月経った頃には完治した。「ごめん下さい。」「女将さん、わざわざこちらにいらしてくれて、ありがとうございます。」「いいえ。こちらこそ、うちのシエルがお世話になりました。今日は、この子の荷物を持って来ただけですよ。」 山田旅館の女将・静子は、そう言うとシエルの私物が入った風呂敷包みをセバスチャンに手渡した。「伯母様、僕は・・」「セバスチャンの言う事をちゃんと聞くんだよ、いいね?」「はい・・」 静子は、シエルに背を向け、診療所から出て行った。 こうして、シエルはセバスチャンと共に暮らす事になった。「坊ちゃん、おはようございます。」「おはよう、セバスチャン。」 シエルは診療所の奥にある台所へ向かうと、すいとんを作った。「坊ちゃんが料理を作るなんて、珍しいですね。」「あの家に居たら、碌に食事もとれなかったからな。すいとんが作れるだけマシだ。」「そうですね。それよりも今日、お米の配給がありますから、行って来ますね。」「わかった。」 セバスチャンが配給に行った後、シエルは縫製工場へと向かった。「シエル~!」 昼休み、シエルが工場の隅で休憩を取っていると、そこへ白衣の裾を翻しながら自転車でこちらに向かって来るセバスチャンの姿に気づいた。「セバスチャン、どうして・・」「お弁当作ったので、どうぞ。」「あ、ありがとう・・」 セバスチャンから渡された弁当箱に入っていたのは、白米の上に梅干しが乗っているだけのものだった。 だが、毎日稗や粟ばかり食べていたシエルにとって、それはご馳走そのものだった。「シエルさん、ちょっと。」 昼食の後、シエルが持ち場に戻ろうとした時、シエルは数人の女学生達に工場の裏へと連れて行かれた。「さっきの方、あなたとどのような関係の方なの?」「セバスチャンとは、ただの同居人で・・」「嘘よ、ただの同居人に対して、あんなに優しい笑顔を浮かべる訳がないわ!」「そうよ、年端もいかない癖に男を誘惑するなんて、ふしだらね!」 恋愛に疎いシエルは、最初彼女達が話している内容が良く解らなかった。 だが彼女達の顔を見ると、セバスチャンと一緒に暮らしている自分に彼女達が嫉妬している事に気づいた。(下らない・・)「ちょっと、何笑っているのよ!?」「いえ、話はそれだけですか?話がもう終わったのなら帰ります。」 工場を出たシエルが診療所へと帰ると、セバスチャンが何処か疲れたような顔をして診察室の椅子に座っていた。「ただいま。」「シエル、お帰りなさい。」「疲れているようだが、何かあったのか?」「えぇ、実は・・」 セバスチャンは、シエルに昼間起きた事を話した。「先生、助けて下さい!」「どうなさったのです?」「胸が・・苦しくて・・」 シエルに弁当を届け、診療所へと戻ると、その前には一人の女性が蹲っていた。「そうですか、では中へ・・」「胸をさすってくださるだけでもいいのです。」 女性の言葉を聞いたセバスチャンは、彼女の様子に違和感を抱いた。 ふと周りを見渡すと、近くの木に女性の連れと思しき男が立っていた。「申し訳ありませんが、わたしではあなたのお力になれません。」 セバスチャンがそう言って女性を見ると、彼女は舌打ちして何処かへと行ってしまった。「美人局に引っかかりそうになるとは、お前少し弱くなったな?」「おや、そうでしょうか?」 セバスチャンはシエルを自分の方へと抱き寄せると、シエルの唇を塞いだ。「やめろ・・」「そう言っても、まんざらではないでしょう?」 セバスチャンはシエルの唇を塞ぎながら、シエルの下半身を触り始めた。「んっ、やぁっ・・」 シエルは身を捩って暴れたが、セバスチャンの逞しい身体はビクともしなかった。「今すぐ、楽にしてさしあげますね。」 シエルはセバスチャンの愛撫によって絶頂に達した。「坊ちゃん、起きて下さい。」「ん・・」 シエルが起きると、そこは布団の中だった。 いつの間にかブラウスとモンペから、浴衣に着替えさせられていた。「今、何時だ?」「午後八時ですね。」「はぁっ!?」「最近お疲れのようですし、ゆっくり休めて良かったじゃないですか。」「お前なぁ・・」 シエルがそう言って溜息を吐いた時、外から誰かが診察所の扉を激しく叩く音がした。「先生、助けて下さい!うちの子が熱を出して・・」「娘さんを診察台に寝かせて下さい。」 セバスチャンは少女の父親に指示を出すと、無駄のない動きで少女を診察した。「ただの風邪ですね。風邪薬を出しておきますから、安心して下さい。」「ありがとうございました、先生!」 その様子を奥の部屋から見ていたシエルは、翌日セバスチャンにある事を話した。「診療所の手伝いをしたい?」「僕には何も出来ないが、ここに置いて貰っている限り、何かお前の力になりたいんだ。」「わかりました。では、今日からわたしがあなたを厳しく指導致しますので、覚悟していて下さい。」 セバスチャンはそう言うと、シエルに微笑んだ。 脅しかと思ったが、セバスチャンはその日からシエルに厳しく指導した。「包帯の巻き方が遅いですよ!こんな状態では手当てに半日もかかってしまいますよ!」「うるさい、わかっている・・」「ならば、口答えするより手を動かしなさい!」 日が暮れた頃には、シエルはクタクタになっていた。「この程度で疲れるとは、情けないですね。」「うるさい・・」「あなたが言い出したんですよ?」 シエルとセバスチャンがそんな事を言い合っていると、空襲警報が鳴り響いた。「早く、防空壕へ!」「わかった!」 診療所は焼けなかったが、空襲で負傷した人々が次々と診療所に運ばれて来た。「シエル、向こうを頼みます。」「わかった!」 シエルが怪我人の手当てをしていると、微かに自分を呼ぶ声が聞こえて来たので振り向くと、そこに昨夜セバスチャンが診察した少女の姿がある事に気づいた。 彼女の上半身は、酷く焼けただれていた。にほんブログ村二次小説ランキング
2024年05月10日
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表紙素材は、このはな様からお借りしました。「黒執事」の二次小説です。作者様・出版社様とは一切関係ありません。シエルが両性具有です、苦手な方はご注意ください。―坊ちゃん、お目覚めの時間ですよ。誰かが、自分の耳元で優しく囁く声。目を開けると、そこには何の変哲もない自分の部屋。「いつまで寝ているんだい!」「すいません・・」「まったく、義姉さんは何だってこんな穀潰しを・・」ブツブツと小声で自分の陰口を叩く遠縁の伯母の声を背に受けながら、シエルは家から出て行った。―ほら、あれ・・―山田さんのところの・・学校へと向かう道すがら、通行人達が好奇の視線をシエルに送った。三年前、両親と双子の兄を交通事故で亡くし、シエルは、遠縁の親族の元に引き取られた。華族の令嬢として何不自由なく生きていたシエルは、今の家では使用人同然の生活を送っている。唯一の救いは、伯母の“お情け”で学校に通わせて貰っている事だった。学校といっても、シエルが入学した時に戦争が始まり、授業らしい授業は何もなかった。「鬼っ子!」「早くこの町から出て行け!」家でも学校でも、シエルは独りだった。少し青みがかったダークシルバーの髪、雪のように白い肌、紫と蒼い瞳を持ったシエルは、周囲から浮いていた。病弱な上に良く熱を出して寝込んでいたシエルは、勤労奉仕も満足に出来ない所為で同級生達から疎まれていた。(僕は、独りだ。)―坊ちゃん。風に乗って、懐かしい声が聞こえて来た。あれは、一体誰の声なのだろう。何処かで、聞いたことがあるような声。「おいそこ、手が止まっているぞ!」「す、すいません・・」「全く、この穀潰しが・・」縫製工場での勤務を終えたシエルは、額の汗を拭いながら、工場から家へと向かった。すると、上空で轟音が響き、空襲警報のサイレンが鳴り響いた。「敵機襲来、待避~!」人々の悲鳴や怒号、そして機銃掃射の銃声が響いた。防空壕に逃げ込もうとしたシエルだったが、そこは既に人がひしめいていて入れなかった。逃げ場をなくしたシエルは、近くの木の下に隠れた。その直後、バリバリという音と共に、銃弾の雨が容赦なく降り注いだ。シエルが両手で耳を塞ぎ、身体を丸めていると、誰かが自分を抱き寄せる感覚がした。―坊ちゃん。「あぁ、やっと見つけましたよ、坊っちゃん。」俯いていた顔をシエルが上げると、そこには一人の青年の姿があった。射干玉のような艶やかな黒髪、美しい紅茶色の瞳をした青年は、シエルを見て優しく微笑んだ。「セバスチャン・・」シエルは、そう言うと気を失った。「傷は浅いですね。銃弾が後数センチずれていたら、死んでいましたね。」シエルが目を開けると、そこは診療所と思しきベッドの上だった。「ん・・」「目が覚めましたか?」「ここは?」「遠縁の伯父が経営している診療所ですよ。あなたは怪我をしていたので、こちらに運びました。」「ありがとうございます。」シエルが青年に礼を言ってベッドから起き上がろうとすると、右足に鋭い痛みが走った。「まだ動いてはいけませんよ。あなたはあの時、右足を骨折していたのですよ。ここで暫く休んでいなさい。」青年はそう言うと、シエルに微笑んだ。―坊ちゃん。「あなた、お名前は?」「シエル・・シエル=ファントムハイヴ・・」「確か、山田旅館に引き取られた子ですね?わたしは、セバスチャン=ミカエリス。」その名を聞いた時、シエルの目から自然と涙が流れていた。(あぁ、やっと会えた・・)シエルが溢れ出る涙を必死に手の甲で拭おうとした時、青年がそっとレースのハンカチでシエルの涙を拭ってくれた。「泣かないで、坊っちゃん。こうしてまた、会えたのですから。」「あぁ、そうだな・・」シエルとセバスチャンは、暫く抱き合っていた。「セバスチャンは、どうしてこの町に?」「伯父が亡くなりましてね。遺言状にこの診療所をわたしに譲るとあったので、東京の病院を辞めてこの町に来たのですよ。」「そうか・・」「坊ちゃん・・もし良ければ、一緒に暮らしませんか?」「え・・」「今すぐ、という訳にはいきませんがね。今は、足の怪我を治して下さいね。」「わかった。」こうして、シエルとセバスチャンの、奇妙な同居生活が始まった。「へぇ、あの子がねぇ・・」「どうしますか、女将さん?」「別にいいんじゃないの、あの子が向こうで暮らしたいって言えば、勝手に暮らせばいいのよ。」にほんブログ村二次小説ランキング
2024年05月10日
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みのるという少年と正義との関係とは?オクタヴィア、何か企んでそうで怖いですね。
2024年05月10日
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リチャードとリチャードの母・カトリーヌの関係が明らかに。う~ん、親子というのは複雑なものですね。
2024年05月10日
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今回は、優雅な船旅・・とはいかなかったようですが、リチャードに因縁の相手がいるとは・・さて、どうなるのか。
2024年05月10日
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今回は正義の過去についてのお話。リチャードが、最後に正義に向けた言葉に萌えました。
2024年05月10日
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今回も正義とリチャードのコンビが良かったです。
2024年05月10日
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リチャードの家族に纏わる秘密。貴族というものは、ややこしいものなのですね。
2024年05月10日
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戦闘シーンが臨場感に溢れていて、なおかつ日常生活の面も上手く描かれていて面白かったです。
2024年05月10日
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香ばしくて美味しかったです。
2024年05月10日
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