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昨日の日本三百名山の一座である金北山に引き続き、佐渡2日目の今日2023年9月23日は、新日本百名山第62座目となる尻立山(ドンデン山)に登頂しました。ドンデンとは、頂の丸い山を「鈍嶺(どんでん)」と呼ばれるそうです。 【尻立山(ドンデン山)】佐渡市内のホテルからこれでもかとヘアピンカーブの続くドンデン線林道を進むこと約1時間、登山口であるドンデン高原ロッジに午前7時50分到着。まだ営業前で誰一人おらず静まり返っていました。 【TABINO ホテル】 【ドンデン高原入口】 【ドンデン高原】 【ヘアピン終わってホッと】 【ドンデン高原ヒュッテ①】 【ドンデン高原ヒュッテ②】 【ドンデン高原ヒュッテからの眺望①】 【ドンデン高原ヒュッテからの眺望②】 【ドンデン高原ヒュッテからの眺望③】 【トンデンの由来】早速、出発準備をして午前8時12分クライムオン。10分ほど樹林帯を歩くと、目の前がパッと開け、草原が広がっていました。目の先には、目指す尻立山の頂上と眼下には日本海が広がり、地平線が丸みを帯びているのが目視できました。少し降って銀色のススキ野を過ぎると、緩やかなな樹林帯の登りとなります。樹林帯を抜けると頂上標が目に飛び込んで来ました。 【尻立山登山口】 【尻立山登山道】 【樹林帯を抜けると①】 【樹林帯を抜けると②】 【尻立山頂上方面の眺望①】 【尻立山頂上方面の眺望②】 【銀色のススキが美しい】 【昨日登った金北山】午前8時28分尻立山(標高940m)に到着です。頂上は、遮るんものは何もなく、昨日登った金北山はもちろん、360度の絶景を楽しむことができました。 【尻立山頂上標①】 【尻立山頂上標②】 【尻立山頂上(標高930m)】 【避難小屋とトンデン池を見下ろす】 【避難小屋】 【トンデン池】 【頂上からの眺望①】 【頂上からの眺望②】ずっとココに居たい気持ちを抑えて下山開始。午前9時28分ドンデン高原ロッジに下山です。【出会った花たち】 その後、観光を兼ねて佐渡弥彦米山国定公園内の最北端、大野亀、二ツ亀を見学。その後、両津港から午後4時5分発の佐渡カーフェリーで、新潟港に帰港しました。素晴らしい佐渡の自然に触れて、また訪問したい島の一つとなりました。 【カーブの数が記載されているミラー】 【大野亀】 【大野亀の説明】 【大野亀全景】 【大野亀にある唯一の食堂で海鮮丼】 【フェリー乗り場のモニュメント】【コースタイム】ドンデン高原ロッジ ー 尻立山(ピストン) ・登り:16分 ・下り:18分【歩行距離】1.8km【累積標高差】 ・登り:78m ・下り:103m
2023.09.23
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8月に日本百名山を完登してからの空虚な気持ちに終止符を打とうと、先週末の2023年9月22日は、日本三百名山120座目として佐渡最高峰の金北山(1171.9m)と翌日の23日は、新日本百名山62座目、日本二百名山62座目として尻立山(トンデン山)(940m)に登頂して来ました。 【金北山全景】秋雨前線に危ぶまれる天気の中、新潟港から午前6時の佐渡汽船フェリーに乗船、午前8時30分、両津港に到着。ラッキーな事に雲間から日も射して来ました。佐渡汽船が経営するレンタカーを船着場一階で借り、金北山の登山口である白雲台を目指します。 【防衛省管轄道路の注意書き】 【白雲台交流センター】 【朱鷺の彫り物】 【白雲台からの眺望①】 【白雲台の眺望②】 【金北山登山口】金北山は、自衛隊の基地内に頂上を有する為、事前に白雲台交流センターに入山許可となる登山届けを佐渡トレッキング協会へ提出、午前9時、金網のゲートを潜らせてもらいクライムオン。 【自衛隊管理道路ゲート】 【入山注意標】しばらく舗装路を歩くと妙見山(標高1042m)の山頂にある巨大なレーダーサイトが目に飛び込んで来ました。このレーダーは、全国28のレーダーでつくる警戒監視網のうち、4カ所しか無いFPS5と呼ばれる全高42メートルの最も大きいレーダーの一つ。カメの甲羅のような形状から「ガメラレーダー」とも呼ばれるらしい。しばし緩い坂道を登りきると、妙見山への分岐点に到着。 【FPS5レーダサイト】 【登山道というより砂利の車道が続く】 【勇ましい精神を表す雄魂碑】 【自衛隊の施設が見えてくる】 【FPS5レーダサイト】 【ススキが美しい】 【施設が近づいてきた】 【妙見山全景とFPS5レーダサイト】 【妙見山との分岐点】 【日本海(大陸側)眺望】ここからは自衛隊駐屯地の傍を巻く形で一旦、緩い下り坂となります。あいにくガスって頂上を目視する事はできませんでした。鞍部から再度、最後の頂上への登り返しとなりますが、ラッキーな事に、ガスが晴れて来て頂上の自衛隊基地(現在は移設され閉鎖)が目視できました。 【佐渡市街地を望む①】 【佐渡市街地を望む②】 【金北山頂上を望む】 【金北山頂上が晴れてきた】 【登ってきた登山道を振り返る】 【妙見山を振り返る】 【頂上の自衛隊施設①(廃止)】 【頂上直下からの眺望①】 【金北山頂上を望む】 【頂上の自衛隊施設②(廃止)】 【頂上直下からの眺望②】午前11時26分 頂上直下の金北山神社の鳥居を通過、午前11時30分に無事に、日本三百名山第121座目として金北山(1172m)に登頂しました。頂上には誰もいませんでした。頂上神社は立派なお社がありますが、頂上には2010年に移設され無人で荒れた自衛隊の基地の建物が囲むように残されており、なんとも奇妙な情景でした。お社の横にはユーモラスな七福神も祀られていました。 【頂上直下の鳥居(倒壊)】 【頂上直下のトイレ】 【トレッキングマップ】 【金北山頂上(1171.9m)】 【金北山神社(奥社)①】 【金北山神社(奥社)②】 【金北山神社(奥社)③】 【金北山神社(奥社)④】 【チト寂しい金北山頂上標】頂上で恒例のカップヌードルとおにぎりで腹ごしらえ、またもやガスって来たので、長居は無用、下山開始です。 午後1時43分白雲台の駐車場に、無事に下山しました。 【佐渡分屯基地①】 【佐渡分屯基地②】■出会った花たち(トリカブト、マツムシソウ、リンドウ他) 登山と言うより、ハイキングでしたが、島特有の海を眺めながらのトレッキングは、素晴らしいものでした。下山後は、トキの森公園と佐渡金山に立ち寄りました。途中の田んぼにも現在570羽ほど生息しているという野生下のトキを真近で見る事が出来ました。■トキの森公園へ ■佐渡金山へ 【コースタイム】白雲台 ー 金北山頂上(ピストン)(休憩含む)・登り:1時間38分・下り:1時間24分【歩行距離】8.9km【累積標高差】 ・登り:498m ・下り:497m
2023.09.22
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2023年8月4日、日本百名山、最後の一座である北海道幌尻岳(2052m)に無事に登頂できた。雨男に似つかわしい悪天候で、20ケ所を超える渡渉、そして幌尻山荘からの急登に喘ぎ、爆風のガスガス、眺望ゼロの頂上だったが、同行の仲間とのチームワークで頂を踏む事が出来ました。 今回、幌尻岳が日本百名山最難関だと、なぜ言われてるのか、私なりの振り返り、その心境を綴り、今後、幌尻岳登頂を計画されてる方の参考になればと思います。 今回の登山計画は、北海道遠征期間:2023年8月3日(木)〜6日(日)とし、1日目に東京から新千歳空港からとよぬか山荘までレンタカーで移動、とよぬか山荘泊、2日目とよぬか山荘から幌尻山荘前泊3日目登頂、もしくは、コンデションが良ければそのまま登頂、下山後、幌尻山荘後泊の2つのプランを立てていた。週間天気予報は、前線が北海道北部に停滞、ところによっては大雨、と今週は連日不安定な天気と伝えていた。8月3日、新千歳空港に降り立つと小雨が降っていた。今回のパーティを構成する千葉、静岡、岩手の5名の仲間と合流、レンタカーをピックし、これ以上天気が崩れないようにと願いながら約2時間のドライブでとよぬか山荘へ向かった。連日の悪天候でとよぬか山荘は、キャンセル続出だった。シーンと静まりかえった山荘の宿泊者は、北陸からお越しで幌尻岳に登頂され、後泊の百名山達成された方、お一人のみで、ほぼ貸切状態。 「明日は天候シャトルバスが出るかわからないので、切符は明日出発前に購入してください。」とスタッフから説明を受けて、明日の天気が大丈夫か一抹の不安に。なぜならシャトルバスが出る=沢の渡渉は可能のバロメータだから。 【幌尻岳バッチ】 【レンタカー】 【豊糠小中学校閉校後とよぬか山荘と 【豊糠小中学校閉校記念碑】夕刻は、明日からの幌尻岳登頂成功を願いビールで乾杯。夕食は、山荘名物ジンギスカンで舌鼓。デザートは、私の8月誕生日サパライズで、仲間がケーキを用意してくれた。午後9時、明日、天気が好転してくれる事を信じて消灯。 【ジンギスカン鍋】 【誕生日サパライズケーキ】 【貸切の12人部屋】8月4日午前2時半起床、午前4時予定通りシャトルバスが来てくれた。ヤッター、これで幌尻岳が近づいたとハイテンションに♬ ほとよよぬか山荘から21.6km、午前5時前の第二ゲート到着。時折り日もさして来て、天気は好転の予感。 【第一便シャトルバス】 【第一ゲートを開錠】 【第二ゲート 登山口 とよぬか山荘から21.6km地点】午前5時5分クライムオン。第二ゲートから北電取水口までの8kmの林道歩きでは、午前6時18分、早くもヒグマのウンチ発見。ウンチが転がってるところは、熊鈴だけでは、物足りないとホイッスルを吹きながら進む。突然、遭遇しないか、以前のトムラウシのトラウマが頭をよぎる。怖!! 【林道8kmを歩く】 【日高山脈国定公園】 【5km地点通過】 【ヒグマの糞が至るとこに】 【7km地点】 【北電取水口】午前7時16分、8kmの林道を歩き切り、午前いよいよ渡渉区間に入る。手前の削り部分は、クサリが設置されているが、古いクサリでアンカーがところどころ抜けており、20kg近い装備で自重をかけるのは危険と、濡れた足場を滑らないように三点支持で進む。昨年7月の西吾妻での沢への転落してアキレス腱完全断裂したトラウマが頭をよぎる。しばらく歩くと、古いものではあるが、木の幹にヒグマの爪後が深く刻まれているものを発見。こんなのに、襲われたらひとたまりも無いなぁとビビる。 【額平川に沿って歩く】 【登山道は最初は平坦】 【ヒグマの爪跡】 【額平川の淵を滑らないように歩く】 【だんだん狭くなる登山道】 【削りの部分は、転落注意!!】渡渉開始点に到着。立札に、「ここの渡渉で怖いと感じたら勇気をもって引き返しましょう。命あっての登山です。」とある。この最初の渡渉点が増水していて手こずるようであれば、とてもこの先の約2km、20数ケ所の渡渉はできない事を意味している。 【渡渉の注意書き】 【ここで渡渉を手こずるようであればアウト】 【連日の雨にも関わらず増水は見られず】 【渡渉注意看板】連日雨は降っていたものの最初の渡渉は、くるぶし上ぐらいで問題無し。モンベルのサワーシューズ(沢履)は滑らず、かつサワーソックスは、浸水しても自らの体温で温かく感じ快適であったた。途中で空き缶を下ろす幌尻山荘のスタッフの方と出会い挨拶。天気が崩れそうなので、今日中に登頂をする旨を伝え小屋への下山が遅くなる旨伝える。その後も、渡渉は、深い所で膝上20cmぐらい。水圧はあるものの危険を感じる箇所は1カ所もなく、無事に渡渉最終地点まで辿りついた。渡渉点を終えると、幌尻山荘が見えて来た。ホッとする瞬間だった。 【渡渉に唯一かかる橋】 【滑って転落しないように渡る】 【渡渉も慣れてきた】 【皆、順調に渡渉を重ねた】 【安全確保の為、メットを着用】 【幌尻山荘 最後の渡渉地点】午前10時10分幌尻山荘着。スタッフが出迎えてくれてチェクイン。まず氏名、住所と行動予定を記入して、携帯トイレを1000円で購入。幌尻山荘では、色々なルール事がある。まずザックの山荘内の持ち込みは禁止。小雨振り始める中、屋外で仕分けと沢で濡れた衣服の着替え、沢履を脱いで屋外の下駄箱へ収納。食料、着替え、シュラフは、2階へ運び、指定された場所に借りたマットを敷き、場所を確保。 【幌尻山荘の全景】 【幌尻山荘2階の寝室①】 【幌尻山荘2階の寝室②】今回はアタックザックを新調していたので、ある程度は、事前に分別整理していたものの、想定以上に時間がかかる。スタッフからは、「明日は天気が悪くなる可能性が高いので、今日頂上アタックした方が良いでしょう。でも往復で最低7時間かかります。今からだとギリギリだと思います。午後6時ぐらいには薄暗くなって来るので午後6時半までに戻って来てください。夕食も屋外でシート張ったところで取っていただかねばなりませんし、消灯時間も午後7時半なので、遅くなると他の宿泊予定グループに迷惑がかかりますから。下山時間は、今からだとギリギリです。」とも言われ、その言葉に焦りながら出発準備ととよぬか山荘で作ってもらったおにぎりを口に押し込む。ザックは、床下の収納倉庫に納めたが、その時、どこに置いたかスマホが無いことに気がついた。2階もザックもアタックザックも探すが、見つからない。もうこのまま時間がかかれば、スタッフから、「時間切れ。もう登るな!!」と言われかねないので、スマホ無しで登頂する事に。とりあえず私のアップルウォッチウルトラで、位置情報や高度、脈拍、血中酸素濃度は拾えるので、行動自体は問題ないが、時間がなく水筒に沢水をエキノコックス感染しないように浄水して補充する事もできなかった。その時の水の残量は、約1リットル。約2時間登ると「命の泉」と呼ばれる水場があるので、足らなければ、そこで給水することとした。小雨降る幌尻山荘(標高950m)から午前11時15分登頂開始。樹林帯なので、雨はさほどではないが、小屋からは、見上げるように立ち上がる急登に加えて、レインウェアが蒸せるように暑く、体力がどんどん奪われていく。最初、標高差100mずつ刻み小休止を、仲間に伝えて先頭をとらせてもらうが、「スマホどこにいってしまったんだろう? 個人情報が詰まっている。見つからないとどうしよう。」と考えるだけで登ることに集中できない。そのうち300m程度ほど登ったところで、足が思うように上がらずペースも落ちてる自分に気がつく。どうやら渡渉で足を冷やしたのが、昨年、沢から転落して断裂したアキレス腱に影響が出ているかとも思った。「うーん、あと標高差1000m近く、果たして登り切れるか? 仮に登る事が出来てもリミットの午後6時半までに下山できるか?」と自問自答の中、不安が不安を呼び、ますますテンションダウン。そのうちに当初の標高100m登るごとの小休止どころか50mぐらい登るだけで、今度は太ももが攣り初めて来た。僕だけここで引き返して、他の5人だけで登ってもらおうかとも思った。「やっぱ今日は戻ろうかな?当初の予定通り明日の登頂にしようかな?」と思わず弱気の発言が口に出る。仲間からは、「4年も待って、やっとここまで来たんだよ。あと2時間頑張れば頂上だよ。休憩しながらでも登ろう。午後6時半の下山を今は気にしなくても良いから」と。気を取り直して、登る。また足が攣る。ただ足が攣った時の筋肉マッサージの仕方は、アキレス腱断裂の時のリハビリで整体師の先生に手解きをいただき心得ているので、その方法で、攣ってはマッサージ、登る、攣る、マッサージを繰り返し、午後1時13分、なんとか「命の泉」標高1550mまで到達。 【標高1550mの水場 命の泉】 【森林限界を越えるとガスガス】仲間の飲料に余裕があるとの事、少し下がらないといけない水場をパスして、先を進む。樹林帯を抜けるとハイマツ帯となり視界が開けて来た。少しきぶんも良くなりペースをあげる事が出来るようになって来た。ガスガスで時折、強風が吹き抜けてゆく。周囲はお花畑に変わって来ていた。熊のウンチもところどころに転がっているので、そんな場所では、ホイッスルを吹きまくって先を進む。しかし爆風で獣臭も辺りの物音もかき消されて、もはやヒグマなどを意識する事も難しい。 そんな中、先に登頂アタックしていた単独行の登山者が下山して来た。「頂上は爆風でしたぁ」と。そこで「小屋のスタッフに、下山は午後7時ぐらいになる事を伝えてもらえますか」と仲間から伝えてもらい、先を急ぐ。相変わらず登りがキツくなると足の攣りが出て来るので、何度かマッサージの小休止をしながら、午後3時16分、ようやく新冠コース(新冠ポロジリ山荘方面)との分岐点(標高2013m)に到着。 【ハイマツの稜線部を歩く】 【ヒグマがいないか確認しながら進む】 【霧雨が雨に、風も強くなって来た】 【新冠コースとの分岐点】頂上まで、あと10分、標高差は40m程度。そして夢の幌尻岳頂上(2052.4m)に午後3時30分登頂。そこはガスガス、爆風、眺望ゼロ、超雨男の僕には似つかわしい13年2ケ月の月日をかけた日本百名山完登の瞬間だった。思わず泣けた。今回の6名のパーティは、最高のチームだった。体調不良の僕のフォロー、叱咤、チームワークで乗り切ることができた。 【幌尻岳(2052m)頂上】 【ありがとう日本百名山完登!!】 【暴風で記念撮影も容易ではなかった頂上】 【昭和50年7月に遭難された佐川さんの慰霊碑】爆風と雨で記念撮影もそこそこに午後3時45分、下山開始。下山3時間とすると午後7時には、なんとか下山できそうだと思った。しかも下リは、攣る事もないし、通常コースタイムの200%程度で下山出来る余裕を感じていたからだ。加えて今回の登頂の為に新調したスカルパ エクイリビウム ST GTXのグリップ力は、素晴らしく、ぬかるんだ下リの登山道で、その効力を発揮してくれた。途中で松ぼっくりを齧るナキウサギも可愛い姿を見せてくれた。樹林帯の手前では、いよいよ雨が激しくなりレインを着用、「命の泉」のあたりは、樹林帯になるので、そこまでペースをあげて下山した。命の泉を超えたところで、仲間の一人が転倒、靭帯を損傷したようだと。幸い看護師の山トモの応急処置で痛みを堪えながらも、なんとか下山は出来そうだと。6人が一緒では、午後7時までに下山出来ないと判断して、3人ずつ2組にパーティーを分けて、私を含めて3人が先に下山開始、午後6時45分、幌尻山荘に到着。スタッフにすぐに状況を報告。スタッフは「救助に行きましょうか?」と心良く、ちょうど小屋に詰めておられた平取町山岳会の方と共に申し出てくれた。ただゆっくりながら二人がフォローして歩けてるので、大丈夫だと思うと伝えた。すぐに翌日の下山方法をスタッフと相談、麓のとよぬか山荘とも無線連絡を取って頂いたところ、自力で北電取水口まで下山できない場合は、道警か防災ヘリでとよぬか山荘へ、そこから病院へ救急車で搬送することになるとの事。でも来週後半まで天候が悪くヘリポートが上空から確認出来ない可能性が高く、1週間小屋に滞在してもらうことになると。そんなやりとりをしている中、予想より早く午後7時15分ぐらいに、仲間3人が下山して来た。痛みが酷く辛そうであったが、なんとか明日、自力下山できそうとのげんに、まずは一安心。 幌尻山荘は、この日、私たちのパーティ以外に約10名。翌朝午前2時半起きで、頂上を目指すと言われていて、既に、皆さんは2階で眠りについていた。皆さんを起こさないように、細心の注意をして、食材を分別していたスタックバックから取り出して屋外へ。幸い雨は止んでいて、無事下山できたことに、ささやかに350ml800円の缶ビールで乾杯。レトルトハワイアンシュリンプカレーを温めて、ワカメアルファ米ご飯に投入、めちゃくちゃな組み合わせであったが、それでも十分に美味かった。皆で明日の下山方法を再確認。天気がこのまま悪くならず沢の増水がなければ、午前4時出発、途中まで靭帯を痛めた仲間をフォローしながら渡渉、一方で幌尻山荘のスタッフ、山岳会のメンバーが林道終点の北電取水口から渡渉中間点まで迎えに来てもらえることを確認した。 気になっていたスマホを改めて探すが見つからない。時間は午後9時半を過ぎており、諦めてシュラフに潜り込んだ。着替えもできていないため、汗と雨で湿った衣服が気持ち悪い上、周囲のイビキで、疲れ果てているのに全く寝られず、そのまま午前2時半を迎えた。ゴソゴソ周囲が起き始め準備をしている。耳をすますと雨が屋根を叩いてるようだった。これ沢が増水してるんじゃないか?と一抹の不安が。気になって、外に出てみると小雨が降りしきっていた。小屋のスタッフは、双眼鏡で水位の定点観察をしているようであった。仲間の足の具合は、痛みはあるものの、なんとか下山できそうとのこと、あとは、小屋のスタッフから渡渉オッケーの判断を待った。午前4時、幸いにも雨も小康状態になり、沢の増水も見られないと下山オッケーの許可を得た。気になっていた紛失スマホは、なんと出発準備をしていたらザックのサイドポケットに入っていたのを発見!!昨日から気にし続けたスマホ、何よりもホッとした瞬間だった。沢履に履き替えようと下駄箱に行くと、なんと沢履がネズミに齧られている。沢履なんて美味いのか? 新品なのにショック。まぁ、思い出にネズミくん許してやろう。沢履まで齧られるので、ザックの中に食べ物を入れたまま、倉庫にザックを収納してはいけない。間違いなく喰われる。スタッフは、熊を誘き寄せるから食料は2階にあげるようにと指示されたが、熊どころかネズミ対策でもあることを、これから登る人たちには知っていて欲しい。 【午前4時15分 一睡もできず下山開始】 【下山も慎重に下る】午前4時15分幌尻山荘を出発。靭帯を痛めた仲間も予想外に早いペースで渡渉を重ねることができた。午前5時5分、下から救助に来てもらった平取町山岳会の方々、幌尻山荘のスタッフ4名と無事に合流。皆さんフレンドリーで嫌な顔一つせず、始終笑顔で、流れの早い深いところでは、棍棒を川底に突き刺し渡渉をフォローしてくれた。 【平取町山岳会の方々と合流】 【山岳会、幌尻山荘の方のフォローで下山開始】 【削り部分は慎重に①】 【削り部分は慎重に②】 【北電取水口まであとわずか①】 【北電取水口まであとわずか②】無事に午前6時45分、約2.8kmの渡渉を終えて北電取水口に到着した。ここで靭帯を痛めた仲間と看護師でもある山トモは、ランクルで登山口の第二ゲートへ。第二ゲートからは救急車で平取町の病院へ搬送いただいた。幌尻山荘のスタッフ、平取山岳会、消防署、病院の皆さんの連携により、大事に至ることなく全員が無事に下山が出来たことに、この場を借りて、深く御礼申し上げます。 【平取町国民健康保険病院】 【搬送中の仲間】残る私たち4人は、午前9時30分発の第一便のシャトルバスに乗車する為、8kmの林道を急いだ。午前9時無事に第二ゲートに到着、既にシャトルバスは到着していた。終わったという達成感に満ちた自分がいた。バスの車内販売のコーラを購入、がぶ飲み。めちゃくちゃ美味かった。午前10時半前にとよぬか山荘に到着、記念のTシャツなどお土産を購入、その後、靭帯を痛めた仲間の治療を終えたとの連絡を受け、迎えに平取町の病院へ。幸い骨にも異常はなく捻挫という診断でヤレヤレ。2日間の汗を流す為、道の駅に隣接する温泉へ。1日早い下山に、急遽、小樽で打ち上げをしようと、小樽のホテルを予約した。その晩は、近くの居酒屋で、改めて登頂できた喜び、そして無事に全員が下山出来た感謝を仲間と噛み締めた。【幌尻岳で出会った花たち】 こうして登り続けた13年2ケ月の日本百名山もフィナーレを迎え、次の目標は、新日本百名山へバトンを繋ぎたいと思います。 【コースタイム】 1日目:第二ゲートー幌尻山荘ー幌尻岳頂上ー幌尻山荘(泊) 登り:8時間25分(14.6km ) 下り:3時間(3.8km)2日目:幌尻山荘ー第二ゲート 下り:4時間45分(10.8km ) 合計:29.2km 【累積標高差】・Up 1790m ・Down 227m
2023.08.04
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2022年2月23日の天皇誕生日は、新日本百名山名山第59座目として、千葉県南房総の烏場山(カラスバヤマ)標高266.6mにアタック。ご来光(午前6時19分)に合わせて、午前3時半過ぎに、花嫁街道と花婿コースの合流点である駐車場に到着、天を仰ぐと月夜に星が輝いていた。 午前4時5分、花嫁街道から烏場山頂上を目指した。この登山道の平均斜度は、約6%。超ゆるゆるの登山道で、街道と呼ばれるのも納得だ。2019年9月の台風15号で一部、登山道の崩落や倒木があった。 第一展望台に、午前4時29分到着。展望台と言っても樹林帯の中で、ほとんど眺望はなかった。 第二展望台(標高202m)に、午前4時42分に到着。ここからは、僅かな夜景と月夜に照らされた太平洋が眺められた。 経文石に午前4時56分到着。午前5時33分、五十蔵口登山口への分岐点に到着。五十蔵登山口へは、登山道が土砂で崩落していて通行止めであった。数分で駒返しに到着。一般的に駒返しと言えば、急登のイメージであるが、さほど急では無かった。 しばらく歩くと、山頂直下のバイオトイレがあるが、のぞいてみて使うのはためらってしまった。 午前5時50分見晴台に到着。白々と夜が明けて来て、太平洋も少し望むことが出来る。午前5時56分、第三展望台に到着、西側しか眺望が開けておらず、太平洋は見えない。 午前6時4分、縁結びのおふくさんが出迎えてくれる頂上(標高266.6m)に無事に登頂。おふくさんの横の札に「男女年令を問わず縁結び受け承ります。おふく」とある(笑)午前6時16分の日の出目的での登頂であったが、周囲は樹林帯で眺望がほとんどきかず、いつの間にか曇が湧き出て、ご来光を拝むことは出来なかった。 風もあり寒いので、休憩もそこそこに、花婿コースで下山を開始。花嫁街道に比べて急峻で登山道も狭い。午前6時42分旧烏場山展望台(標高236m)に到着、ここからは、烏場山頂を望む事が出来た。 午前7時14分、見晴台(標高171m)に到着、カップヌードルとおにぎりで朝ごはん。気温が低くカップヌードルもすぐに冷めてしまった。風も相変わらず強く寒いので下山を急ぐ。途中、スミレが春を感じさせてくれた。金比羅山121mの標識が立て掛けてあったが、実際の標高は96m。どうやら頂上標が移動されているようであった。 午前8時14分、千葉では珍しいという落差9mの一本滝、黒滝に到着。滝壺が茶色く濁っていたのが残念であったが、素晴らしい空間であった。 川沿いにしばらく歩くと「はなその広場」に出た。ピンク色の梅と養蜂場には菜の花、ちょっぴり春を感じられた。午前8時46分、誰一人会うことも無く周回、駐車場に下山した。 わずか標高は266mと低山ではあるが、軽いトレーニングにちょうど良い山であった。【コースタイム(休憩・食事含む)】(駐車場ー(花嫁街道)ー烏場山頂上ー(花婿コース)ー駐車場)・登り: 2時間・下り: 2時間15分【累積標高差】560m【歩行距離】7.6km
2022.02.27
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今日2021年9月24日は、日本百名山第99座目として、南アルプス赤石岳(3120m)に登頂しました。3年前に悪沢岳から赤石岳に縦走の予定でしたが、悪天候で悪沢岳で引き返した為、事実上のリベンジ登山となります。入山は、静岡県側の畑薙第一ダムの先にある沼平ゲート。本来は、椹島ロッジの宿泊者には東海フォレストの送迎バスが 畑薙第一ダムの左岸突堤駐車場まで迎えに来てもらえますが、コロナ禍で今年度の送迎はありません。従い、沼平ゲートから約17kmを歩かねばなりません。万一、沼平駐車場が満車の場合、徒歩25分下流の畑薙第一ダムの左岸突堤駐車場、そこが満車の場合は、さらに徒歩90分下流の白樺荘(現在休業中)の駐車場に停めることになります。9月22日午後7時に自宅を出発、23日午前2時前、鹿が出迎えてくれて沼平駐車場に到着、駐車場は2割程度で問題なく停めることが出来ました。23日は、椹島ロッジ泊で、チェクインは午後1時のため、逆算して午前7時に出発すれば十分と午前6時まで仮眠、軽く朝食をすませ午前7時前に出発です。 沼平のゲート前の南アルプス登山指導センターでは、入念に登山届けのチェックを受けました。前回、東海フォレストの送迎バスでダートの林道を1時間も揺られて行ったところを徒歩で歩き通せるか?という一抹の不安を抱えてゲート(標高約950m)をくぐり椹島ロッジ(標高1120m)まで徒歩17km(標高差170m)がスタートです。 多くの登山者は、駐車場からチャリで椹島まで行く人が多く、どんどん抜かれて行きます。林道の傍には、100m毎に距離が書かれているので、ペース配分には役立ちます。午前7時17分、茶臼山登山口となる畑薙大吊橋に到着です。試しに、その吊橋を途中まで渡ってみましたが、その高さと揺れにゾワゾワ感ハンパありません。さらに歩くこと30分で笊ヶ岳にのびる登山口を通過です。午前8時、約5km地点の赤い畑薙橋で対岸へ渡ります。 ここからは緩いアップダウンを繰り返しながら先を進みます。途中では各所で道路の舗装工事が進められていてダートはかなり解消でれていました。約3時間ほどで赤石ダムに到着です。コバルトブルーの湖面の先に目線を上げると二百名山の上河内岳(2903m)が望めます。赤石トンネルをくぐり、午前10時36分、聖岳への登山口である聖沢登山口を通過です。午前11時28分、牛首峠に到着です。赤石沢越しに明日登る赤石岳が優美な姿を見せてくれていました。 午前11時32分明日の赤石岳登山口を通過、午前11時35分、椹島ロッジに到着です。早すぎたので、昼食がてら明日の登頂の成功を願ってビールで乾杯です。 午後1時にチェックインですが、今日の宿泊者は、工事関係者15名と我々2名だけ。チャリで走って行った登山者は、今季、無償開放されている避難小屋利用ばかりのようでした。4時に入浴、午後6時に夕食、明日は午前1時出発の為、午後7時過ぎには床につきました。 午前0時に起床、出発準備をして、午前0時57分、井川山神社で無事登頂を祈念し、東尾根(大倉尾根)の登山道に取り付きます。いきなり登山口から鉄製の梯子を登ると赤石小屋まで0/5の標識があります。その後、標高差300mを九十重折りの登山道を登ります。30分ほど登ると尾根に出ました。ココが第一のウェイポイント(WP)となる中電基準点(中部電力の基準点)1,405mで、椹島から285m登ってきたことになります。さらに登ること約90分、山と高原地図には「林道に出る」と書かれたWP。ナイトの為、先が見通せないですがが、ほとんど直登に近い感じで、なかなかペースが上がりません。この場所に、椹島から赤石小屋まで2/5地点を示す標識ありました。ふと天を仰ぐと満天の星空です。その先、傾斜の緩やかで歩き易いですが、それも最初だけでした。15分ほど歩き「樺段」という小広場を通過すると、そこからまた急登が始まります。あまりにキツいので、高度計で100m登る毎に小休止をしながら高度を上げて行きます。次のWPは、標高2027mの小広場。いつもなら2000m越えると元気が出て来ますが、まだ1000m以上も登らないといけないと思うとテンションが上がりません。午前5時5分、椹島から赤石小屋まで4/5地点を通過です。 赤石小屋まで、残り1/5ですが、赤石小屋への最後の関門「歩荷返し」が待ち構えていました。名前のごとく、けっこうな岩岩の急登で汗が噴き出してきます。ようやくご来光が拝めて気分も晴れやかになって来ました。午前6時「歩荷返し終わり」の標識がありヤレヤレ。赤石小屋まで30分の看板がありますが、その先も登りが続きます。午前6時32分標高2564mの赤石小屋に到着です。コロナ禍で休業しており、冬季小屋だけが開放されていますが、登山者は、テンパク一張りだけ、ひっそりと静まりかえっていました。見上げると赤石岳の頂上にポッカリとお月様が浮いていました。 ここで軽く軽食を取り、再び、先を進みます。目を左に向けると富士山が素晴らしい山姿を見せてくれていました。次のWPの富士見平(2701m)に、午前7時48分に到着です。森林限界を超えてハイマツ帯なり、ようやく眺望が開けました。富士見台からは360度の展望で富士山が背後にドーン。それ以外には、赤石岳はもちろん、3年前に登った悪沢岳、聖岳、上河内岳など、周辺の山々の展望が楽しめました。また富士見台には「旧陸軍軍用機 遭難者慰霊碑」と書かれた慰霊碑が立っています。戦前である昭和19年4月25日に、赤石岳と小赤石岳を結ぶ稜線の南東斜面に軍用機が墜落したそうで、その時、犠牲になられた方々の慰霊碑でした。 次のWPは、水場のある砲台型休憩所ですが、そこまでは、ほとんど平行移動で標高が稼げないトラバース道ですが、左側が切れ落ちている箇所や桟道も数カ所あり、注意して歩きます。沢音が聞こえてくると砲台型休憩所も近くなります。この休憩所の下の沢へ水を汲みに行きました。今回は、急登であり飲料水の消費量も多く、この水場はありがたいものでした。その沢水は、正に「南アルプスの天然水」、雑味なく冷たくて、余りの旨さに、ガブ飲みしてしまいました。 この砲台型休憩所から、赤石岳の稜線に出るまでの約1時間は、最後で最大の難所の北沢カールと呼ばれるガレ場。見上げる稜線部まで、その雄大さは圧巻ですが、足元はズリズリと崩れて、登り辛く、なかなか標高が稼げません。唯一救いだったのは、振り返ると、高度感のある素晴らしい風景が広がり、その先には富士山が背中を押してくれます。途中で3000m超えを高度計で確認、もう一息です。 午前10時46分、ようやく小赤石岳と赤石岳の分岐点に到着です。赤石岳の頂上は、まだまだ先ですが、コースタイムでは、20分、最後の気力を振り絞って高度を上げて行きます。 午前11時10分、日本百名山99座目となる赤石岳(3120m)に登頂成功です。360度の素晴らしい眺望が出迎えてくれ、これまで登って来た98座が走馬灯のよう。ただただ感動で涙が出て来ました。 本来なら頂上直下にある赤石避難小屋でマッタリしたいところですが、時間も押していて、周囲の眺望をカメラに収めて、直ぐに下山開始です。分岐点で昼食のカップラーメンで腹ごしらえ、長い下山に備えます。 再度、砲台休憩所の横の沢で給水し、富士見平まで下山、時刻は、午後2時30分。このままのペースでは、椹島ロッジに午後7時30分までに下山できない可能性があり、念の為、椹島ロッジに電話を入れておきました。午後3時11分赤石小屋に到着です。9月も後半になると日の入りも早くなり、またナイトになる事は間違いありませんが、急ぐとロクなことにならないので小休憩。ここで、再度、アルファ米のガーリックピラフで腹ごしらえをして、ホット一息です。歩荷返しは、急下りの岩場でもあるので、慎重に足を運び日のあるうちに標高2300m付近まで下山出来ました。2000mを切る頃にはすっかり日も落ちて、ヘッデンを点けての下山となりました。ナイトは、登りは比較的簡単ですが、下りは尾根道を外さないように細心の注意する必要があります。幸いにも東尾根は、登山道が明瞭で道迷いはゼロで高度を下げることが出来ました。午後7時9分ほぼ当初の計画のコースタイムで下山することが出来ました。 井川山神社で無事下山のお礼参りをして椹島ロッジに到着です。椹島ロッジのスタッフさんからも、99座目登頂おめでとうございます!!と祝福をうけ感無量でした。汗だくの体をお風呂で洗い流し、無事登頂の打ち上げ。疲れとビールの酔いで、瞬殺で寝落ちしたことは言うまでもありません。翌日は、午前5時半に起床、午前6時に朝食です。また約17kmのウォーキングが否応でも待っています。しっかりと食べて長距離に備えます。午前7時過ぎに駐車場に向けて出発です。昨日の疲れを押してのでウォーキングなので、1km毎に休息を取りながら下山、沼平の南アルプス登山指導センターに午前11時30分に到着しました。 【コースタイム】休憩、食事を含む・登り:9時間53分・下り:6時間51分【累積標高差】・登り:2363m・下り:2364m【歩行距離】・9月23日 沼平 〜 椹島ロッジ 17km・9月24日 椹島ロッジ 〜 赤石岳 〜 椹島ロッジ16km(日帰りピストン)・9月25日 椹島ロッジ 〜 沼平 17km
2021.09.24
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今日2021年8月29日は、昨日の羅臼岳に続いて日本百名山第98座目として、斜里岳(1547m)に登頂です。昨日の羅臼岳の疲れを引きずって午前4時起床、登山口である清岳荘に午前4時半到着です。この斜里岳は、以前2019年10月4日に登頂を試み、悪天候で沢が増水、途中、ニ股の手前で断念した山で、リベンジ登山となります。 午前5時57分にヤマ友3人とクライムオン。素晴らしいお天気のもと、しばらくは、単調な林道歩きになります。午前6時16分、林道終点に到着。ここからが本格的な登山道となります。 次のウェイポイント(WP)は、旧道と新道が分かれるニ股の分岐点です。途中、仙人堂に午前6時58分に到着です。ここで昨日、羅臼岳で出会った方が追いつき合流、幾度かの渉河をして、午前7時11分、二股に到着です。 新道か旧道か迷うところでしたが、沢登りを必要とする旧道は、リスク回避の為、距離は長いですが安全な新道を選びました。羅臼岳出会った方と別れ、新道に取り付きますが、いきなりの急登に息が上がります。加えて、ジリジリとした日差しが容赦なく照りつけ、次のWPである熊見峠までの約2時間は、この行程でもっとキツいものでした。唯一吹き上がって来る風が涼しく、眼下に広がるオホーツク海が疲れを癒してくれました。午前8時53分、ようやく熊見峠に到着です。熊見峠と銘々されていますが、熊の気配すらありませんでした。目の先には、目指す利尻岳山頂が目視できました。 次のWPは、上ニ股です。熊見峠から先は気持ちの良いハイマツ帯の稜線歩きとなります。途中で1時間後発のヤマ友から旧道で上二股に着いたとの連絡があり、新道の長さがわかります。午前10時11分、ようやく上二股に到着しました。 しばし休息を入れて、次のWPである馬の背まで、胸突き八丁と呼ばれる急登に取り付きます。この名称が精神的にはキツかったです。最後ガレ場を登り上がり、午前10時51分馬の背に到着です。 ここで後発だったヤマ友4名と合流しました。この馬の背から登って来た熊見峠が見渡せますが、その距離感によく歩いて来たものだと思いました。見上げると、いよいよ斜里岳の頂上がはっきり目視できます。コースタイム35分とありますが、とても35分では届かないように見える距離感です。しばし休憩の後、頂上にのびる登山道を一歩一歩慎重に取り付きます。途中、斜里岳のお社でお参りし、最後のガレ場に取り付きます。 午前11時34分、無事に斜里岳(1547m)に、日本百名山第98座目として登頂成功です。遠くは択捉島、国後島まで眺められる360度の素晴らしい絶景が、眼下に広がっていました。この絶景と開放感に、ずっとここに居たいと言う気持ちになりますが、また長い下山が待っています。皆で集合写真を撮って下山開始です。 途中ガレ場で先週転倒して脳挫傷された方がいたとの事で、慎重に下ります。午後12時20分再び馬の背に戻ってランチタイム。恒例のカップヌードルとおにぎりで腹ごしらえ、再び下山開始です。 ジリジリと容赦なく照りつける太陽に、体力が奪われ疲れが増してゆく感じです。上二股から新道を再び使い午後2時27分に熊見峠に到着です。ココからニ股までの急下り、疲れもあるのでスリップや転倒をしないように慎重に下り、午後3時31分二股に到着。やれやれです。沢で顔を洗って気分一新、下山を急ぎます。 午後4時41分無事に清滝荘に下山しました。今日の宿は約100kmほど離れた阿寒湖湖畔のホテル御前水。夕食のタイムリミット午後7時30分を目指し、なんとか間に合う事ができました。羅臼岳も一年に余りないほどの好転との事、素晴らしい心に残るトレッキングとなりました。【コースタイム】休憩・食事含む登り:5時間37分下り:4時間45分【累積標高差】・1163m【歩行距離】・10.5km
2021.08.29
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2021年8月28日 日本百名山第97座目として、羅臼岳(1661m)に登頂しました。午前2時に宿泊していた清里町の緑清荘を出発、羅臼岳の登山口である木下小屋登山者駐車場まで60kmを移動、午前3時半に到着です。あいにく小雨が降り始め、またもや雨男全開の予感。テンションが下がります。軽く朝食をとり出発準備をして午前4時、岩尾別登山口で登山届けを記載してクライムオン。いつもの山行スタイルならナイトで出発しますが、ヒグマの巣窟地帯、夜が白々明けて見通しが確保出来る時間に、熊鈴とラジオを鳴らして出発です。 最初のウェイポイント(WP)は、オホーツク展望ですが、地図上は、いきなり急登となる為、ペースを確認しながらゆっくり登ります。午前4時58分オホーツク展望に到着です。樹林帯の隙間からオホーツクの海が望めました。道標には、頂上まで5.9kmとの記載があります。 次のWPは、標高650m岩峰です。途中笹原でザワザワと笹をかき分ける音に「熊か!!」と驚くもエゾ鹿でした。更に進むとリスが木から木へ器用に飛び移っていく姿を見る事が出来ました。 午前5時50分650m岩峰に到着です。道標には頂上まで5kmと記されています。ここから先は、熊が蟻を食べに来る為、熊出没危険地帯との事、次のWPである弥三吉水の水場まで、ラジオを流しながら進みます。眼下にはオホーツクの海が広がっています。樹林帯の狭間から朝日を拝む事ができました。天気も急速に好転して来ました。 午前6時17分、弥三吉水に到着です。湧き出る沢水の冷たさに火照った顔を冷やすには最高の清涼剤でした。北海道の沢水は、キツネの排泄物からエキノコックスが含まれている可能性があり、生水の飲用は危険です。しばし小休憩して次のWPである極楽平を目指します。 この極楽平までは、登りが続きます。午前6時40分極楽平に到着です。頂上まで4km地点です。ここからしばらく文字通り「平」で極楽です。この辺りから羅臼岳山頂を樹林帯の間から眺められるようになります。次のWPは、仙人坂となります。 仙人坂に午前7時26分到着です。ここから次のWPである銀冷水まで、高度がグッと上がる登りとなり、結構辛いものがありますが、樹林帯の隙間から海岸線や港を望む事ができ、疲れを癒やしてくれました。 銀冷水に午前7時50分に到着、頂上まであと2.5kmです。銀冷水も水場ですが、極めて水量が少なくチョロチョロ流れてる程度でした。ここには立派なトイレブースが設置されていました。次のWPは、大沢入口となります。 大沢入口までは樹林帯の中、緩い登りとなります。大沢入口には午前8時30分に到着です。ここから一挙に視界が広がりますが、結構、岩岩の急登で汗が吹き出してきます。時折、吹き上がって来る冷風が、なんて心地良い事でしょう。まさに天然のクーラーです。眼下にはオホーツクの海の水平線が見渡せます。 次のWPである羅臼平に午前9時31分到着です。羅臼平から眺める羅臼岳山頂の素晴らしさに我を忘れます。この羅臼平は、露営指定地になっており、熊害を防ぐために頑丈なフードロッカーも設置されていました。その傍らに、昭和2年に北大山岳部に入部、知床をこよなく愛し、この登山道を作られた「木下弥三吉」の碑がありました。この方のおかげで、こんなに素晴らしい景色を楽しめた事に感謝、そっと手を合わせました。 熊の出没地帯ですが、見渡す限り熊を目視する事は出来ませんでした。しばらくハイマツ帯を緩く登り、午前10時13分岩清水分岐に到着です。 ここから頂上までの標高差は約200m、標準コースタイムは35分ですが、見上げる頂上は、まだ先の先という感じで、ホントに35分で着くの?という感じです。途中で後発の仲間4人が追いついて来て合流です。 ガレ場の急登を登り上がって、午前11時20分ようやく羅臼岳山頂(1661m)に日本百名山第97座目として登頂成功です。風が強く寒いものの天気は良く360度の眺望を楽しむ事が出来ました♬ 仲間との記念写真を撮影後、下山開始です。岩清水分岐で、お決まりのカップヌードルで腹ごしらえ、長い下山に備えます。羅臼平から大沢入口までの下りは、こんなに長かったの?と言うほどに長く、指先に痛みが出てきて辛いものでした。仙人坂を下っていると一本の電話がかかって来ました。レンタカーの事務所から、木下小屋から宿泊者専用駐車場に車を停めていると苦情が入ってるとの事でした。小屋のオーナーに電話を入れると、直ぐに移動して欲しいとの事、まだ2時間以上かかる事を告げ、知らなかった事とは言え、平謝り。ここで仲間と分かれて単独で先に山を下山する事に。熊の出没地帯をソロで下山する恐怖心よりも、早く車を移動させ無ければと言う気持ちで駆け降りましたが、熱中症で倒れるんじゃというぐらいの暑さでした。午後4時3分、標準コースタイムの半分で無事に木下小屋に下山しました。オーナーに謝罪すると、「良いよ。良いよ。それより早く車移動してね。」と許して頂きました。皆さんも地図上にある木下小屋の前の5台スペースは、宿泊者専用なので停めないように気をつけてください。羅臼岳は、熊の巣窟と聞いていて恐る恐る登りましたが、シカとリス、カエルしか会うことは無く、心に残る山行が出来ました。帰りの宿までの道中、オホーツクの地平線に沈む夕日のなんと美しいかった事でしょう。素晴らしい羅臼岳トレッキングの一日でした。【出会った花たち】 【コースタイム】休憩・食事含む・登り:7時間20分・下り:4時間50分【歩行距離】・12.7km【累積標高差】・1457m
2021.08.28
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今日2021年7月9日は、日本百名山第96座目として利尻山(1721m)に登頂しました。利尻山への登山計画は2018年から3度、いずれも台風などの悪天候、そしてコロナが追い討ちをかけて、3年越しの決行となりました。今回は、時間優先で、7月8日札幌丘珠空港からJL2885便にて利尻空港へ空路入りしました。宿泊は、鴛泊フェリー埠頭目の前の利尻富士観光ホテル。ホテルからの迎えに来ていただき午後4時前にチェックイン。すぐに、徒歩10分ほどのコンビニ、セイコーマートでガスカートリッジや行動食等を買い出しに。島のコンビニなので期待をしていませんでしたが、品揃えも鮮度も良く、何ら不自由の無い買い物が出来、大満足でした。 一旦、ホテルに戻った後、明日の登山口の下見に出かけます。今回は、海抜ゼロメートルからのアタックの為、3合目の水場である甘露水までショートカットをする旧登山道を使うか、利尻北麓野営場まで車道を歩くかを検討する為です。旧登山道の入口まで歩くこと約30分かかりました。その入口に、甘露水まで55分とあり、車道での利尻北麓野営場経由より15分も長い為、迷わず車道を歩く事にしました。直ぐにホテルに戻り、温泉にゆっくり浸かってコンビニご飯、夕食、明日に備えて早めに就寝しました。7月9日午前1時起床天気は曇り、無風、午前2時4分ホテルを出発、海抜ゼロメートル標高差1721mの利尻山アタックの始まりです。 午前2時38分旧登山道入口(1合目)に到着です。昨日の下見に従い利尻北麓野営場まで、まだ時間も早く静まり返った緩やかな登りの車道を歩きます。 午前3時10分、利尻北麓野営場(標高210m)に到着です。この野営場も静まり返って人気はありません。 トイレを済ませて、次のウェイポイントである日本最北端の日本百名水に選定されている甘露水に午前3時26分に到着です。透き通る湧き水は、かなりの水量です。冷たくてとても旨い湧水でした。此処が最後の水場となる為、往復約20kmでかつ夏場である事を考えて、持参した2リットル2本に加えて、この甘露水を600ml入れて、合計4.6リットルを担ぎます。 約50mほど歩くと旧道との分岐点の3合目(標高270m)に午前3時36分に到着です。流石に日本最北端は、日の出が早くあたりが明るくなってきました。因みに日の出時刻は、午前3時56分です。 国立公園特別保護地区のエリアに午前4時18分に入ります。このエリアは、国立公園の中でも、特に優れた自然景観・原始の状態を維持している地区で、自然を守るために最も厳しいルールが求められています。 午前4時20分野鳥の森(4合目)標高390mに到着です。もう4合目?という感じですが、標高はたった390m、高尾山にも及ばない標高です。野鳥の森と命名されているだけあり、ホトトギスをはじめ、鳥たちのさえずりがピーン澄んだ空気の中に響き渡っていました。しばらくダケカンバ樹林帯の中、緩やかに登りが続きます。午前5時6分、5合目「雷鳥の道標」標高610mに到着です。「雷鳥」と名がついていますが、この利尻島には雷鳥はいないそうです。5合目と言えばもう半分登った様に思えますが、まだ頂上までの標高差は1000m超え、ようやく1/3です。 気を引き締めて次の目標である第一見晴台を目指します。この辺りから樹木が低木となり、遠く鴛泊港も見渡せる様になってきます。よくここまで歩いてきたものだと思いました。午前5時44分6合目第一展望台(標高760m)に到着です。まだ頂上は、この位置からは望むことはできませんが、ハイマツ帯となり一挙に眺望が開けました。 この第一展望台から10分ぐらい登るとトイレブースが設置されています。利尻山では、予め購入した携帯トイレ(450円)を購入して、トイレブースで取り付けて使用するシステムになっています。 午前6時25分7合目胸突き八丁(標高895m)に到着です。名前からしてこの先がシンドイ予感です。結構、岩がゴロゴロで歩き辛くなってきます。しばらく登ると標高940m、頂上まで2590mの道標があります。標高1000mを超える辺りから霧雨から小雨になり風が冷たくなりウィンドブレーカーを羽織り、先を進みます。午前7時16分ようやく第二見晴台(標高1120m)に到着しました。第二見晴台からの眺望は、ガスっていて殆ど眺望はありませんでした。休憩されていた埼玉在住の方としばし談笑、山頂まで130分の道標を横目に、次の目標である8合目の長官山を目指します。 長官山の手前に心臓破りと呼ばれる急登もありますが、先を見ずに一歩一歩を重ねて、午前7時51分長官山(標高1218m)に到着です。ここから次のウェイポイントである避難小屋までは、傾斜は緩くなり快適な稜線歩きが楽しめます。高山植物の花々も増えてくる中、ふとガレ場に目をやるとチョコチョコとすばしっこく動く物体が。なんと利尻リス(りっぷくん)でした。体調は15cmほど、残念ながらあまりに動きが早く写真に納めることが出来ませんでしたが、シマシマ模様がとても可愛らしかったです。午前8時10分、避難小屋に到着です。一般の宿泊は禁止されていますが、万一の時は頼れるがっしりした作りの小屋でした。中に入ってみると土間と二段の寝室スペースになっていました。核心部に備えてしばし休息を取りながら、行動食でエネルギー補給です。 しばらく緩い下り坂、周囲は、笹原と高山植物のミックス、快適に距離を稼ぐことが出来ました。しばらくするとガレ場になり歩きにくくなってきます。ふと頂上方向に目を向けると黄色い花が咲いています。固有種であるリシリヒナゲシでした。その小さくて透けるような花びらの可憐さ、そしてまん丸い蕾は可愛らしく、ガスガスの周囲の景観に際立っていました。この花は、登山バッジにも刻まれています。 午前9時16分9合目(標高1410m)に到着です。相変わらずガスって先はうっすらとしか確認出来ません。道標には、「ここからが正念場」と書かれています。「もう十分正念場だった。文字読むだけで疲れるぅ」と思いながら、急登に取り付きました。瓦礫が小粒になって来るので、ズリズリスリップしないように慎重に登ります。途中から登山道はしっかりした木段が整備されていて、比較的登り易すかったです。 周囲はお花畑、色とりどりの花たちが、ガンバレとエールを送ってくれています。途中で先に登頂されて下山して来たヤマ友さんとも会うことが出来、記念写真。午前10時10分、ようやく沓形登山道との合流点に到着です。沓形登山道はこの時期もアイゼン必須で、かつ、崩落も酷いとのことですが、いつかは、このルートからも登ってみたいなと思いました。 小休憩をして、最後のひと登りにとりつくのですが、ここからは、更に、崩落箇所があり細かい瓦礫が堆積していて、登り辛くなってきます。ただし、崩落箇所の工事が進められていて、そのおかげで難なく通過することが出来ました。年々、崩落が進んでいるとのことで、将来、利尻山頂は登山禁止になるかもしれないとの話もあり心配です。更に登ると一面がお花畑、素晴らしい眺望が広がってきました。そして何より嬉しかったのが、ガスっていた頂上付近がクリアになって来て、頂上も見渡せる様になって来ました。 午前10時40分、無事に利尻山(北峰1719m)に日本百名山96座目として登頂成功です。海抜ゼロメートルの岸辺のホテルを出発して8時間36分もかかりましたが、これまで海抜ゼロから登った日本百名山は一座もなく、その達成感はひとしおでした。 ガスが晴れると目の前には、崩落で登頂禁止の利尻山南峰(1721m)と、巨大なロウソク岩が圧巻でした。遠くは択捉島も眺めることが出来ました。頂上まで途中、一緒に抜きつ抜かれつした人たちと談笑、記念撮影をして交流を深めることも出来ました。恒例のカップヌードルをすすりながら、しばし絶景を楽しみました。 午前11時53分、頂上神社で無事登頂のお礼と無事下山をお願いして下山開始です。周囲は、みるみる間にガスって来て、あの絶景が嘘の様に、辺りは真っ白になりました。下りのザレ場は、スリップの危険が高いので、慎重に足を運びます。午後1時2分、ガレ場も無事に通過して9合目に到着です。9合目からのハイマツ帯を抜けて、午後2時に避難小屋まで下山しましたに到着です。実に、出発してから12時間が経過しており、疲れも出て来ているので、しばし小屋で小休止して行動食を補給します。8合目の長官山(1218m)に午後2時16分着、うわ!まだ500mほどしか下山していないと、先が思いやられます。 午後2時34分、ようやく第二見晴台(1120m)に到着ですが、周囲は相変わらずガスっていてほとんど眺望はありません。ここから第一見晴台までは、結構の急坂で標高差は360mある為、疲労感と共に、グリップ力が無くなってくるので、慎重に下山します。午後3時43分ようやく第一見晴台(760m)に到着しました。 5合目を過ぎるとようやく下界が見えて来ますが、まだまだウンザリの遠さです。もう露営場からタクシーを呼ぼうかと、心が折れかけてきます。気を取り直して午後5時11分、4合目(標高390m)の野鳥の森に到着です。ここから先は、傾斜も緩やかになりますが、標高270mの道標までがとてつもなく長く感じられました。 午後6時5分、3合目(標高270m)に到着、1分ほど下った甘露水で、水を汲み、顔を洗ってヤレヤレ。タクシーというへタレな選択肢は、心から消えて、海抜ゼロまで歩こうという気力が出て来ました。ここから3合目に少し登り返して、旧道に入ります。「唸り坂」というなんともおどろおどろしい名前の坂を降りると、登山道は、あまり踏まれていないようで、一部、藪漕ぎ状態に。これは登りで使わなくて正解だったと思いました。 午後6時32分に2合目(標高150m)を通過、午後6時45分旧道との分岐点まで無事に下山、ここからは行きと同様に車道歩きです。午後7時19分、利尻山神社に到着、無事下山のお礼参りをして、途中、セイコーマートで夕食を調達、午後7時56分、ホテルに無事に帰還しました。 【利尻山で出会った花たち】 【コースタイム】休憩、食事含む・登り:8時間36分・下り:6時間3分・総合計:15時間47分【累積標高差】・登り:1810m・下り:1811m【歩行距離】19.4km
2021.07.09
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今日10月5日、日本百名山第95座目として、雌阿寒岳(1499m)にアタックです。今回は台風18号崩れの低気圧が発達、早朝、ホテルの窓越しに阿寒湖を眺めると風邪も強く雨が降り続いています。午前9時頃には雨が上がると判断、午前7時35分に小雨降り続く雌阿寒温泉登山口(標高710m)よりアタック開始です。 活火山で7合目から上はヘルメット着用が推奨されています。一合目より頂上まで道標が刻まれているので、ペース配分がしやすい登山道です。ヒグマの生息地ですが、比較的少ないとの情報に、昨日、悪天候で途中で断念した斜里岳のような緊張感はありません。一合目までは、樹林帯の緩やかな登りです。 午前7時52分一合目に到着です。一合目から先が、エゾアカマツの樹林帯の中、根っこの階段を登って行く感じですが、それほどの急登ではありません。二合目に午前8時11分、三合目に午前8時24分到着です。 三合目を超えると樹林帯が低くなって来ます。ただ天気はなかなか回復しません。しばらく登山道を歩くと火口から1km圏内に入ったとの注意喚起の立て札がありました。今は火山活動は落ち着いているとは言え、木曽御嶽山のように、急に噴火する可能性もあり、ヘルメットを被り直して先を進みます。午前8時48分、ガスガスの四合目に到着です。 午前9時4分、五合目に到着です。五合目を超えるとハイマツ帯のトンネルを潜って行く感じです。周囲はガスガスで全く眺望ありません。六合目に午前9時23分に到着です。この六合目からは、徐々にがれ場の急登になりますが、加えて、高度を上げるに従い風も強まってきました。霧雨の中、薄ら太陽が見えるのが、唯一の救いでした。 七合目に午前9時44分に到着です。七合目からは吹き上げて来る風は、強さを増して来ました。自分の経験の中では、まだ未だ未だ撤退するほどのには風速ではありませんが、汗冷えもあり体温がどうしても下がって来るので、こまめに着重ねと行動食を摂り体温を下げない様に心がけ、午前9時56分に八合目に到着です。 午前10時15分九合目の外輪に到着です。ガスガスで火口の眺望は全くありませんが、風切り音に混ざって、ゴーゴーとジェット機音のような噴気孔音が聞こえるのみです。時折、硫黄臭もします。 外輪部は、もはや遮るものが無いため風速はいっそう強まりますが、幸い歩くには支障はなく、無事に午前10時28分、日本百名山第95座目として誰一人いない雌阿寒岳(1499m)の頂きを踏む事が出来ました。 上では、ガスガスで真っ白、全く眺望がきかない為、長居は無用と、記念撮影だけして、即刻下山です。途中、火山性ガス探知機を見学しながら下山を急ぎます。霧雨は雨に変わり天候が再び悪化、途中、数名の方々が登って来られるましたが、福島からソロで登られた方を除いて、皆さん八合目あたりで撤退されたようでした。 ハイマツ帯を抜けてエゾアカマツの樹林帯となる3合目でカップラーメンで、冷えた体を暖めて、ホッと一息。午後1時5分、無事に雌阿寒温泉登山口に下山しました。 今回は、スタート時間が早かったのが、功を奏したと思います。北海道の山は、低山と言えど舐めたらアカンと、後方羊蹄山での暴風雪でのリベンジ経験が大いに役立つ装備での山行となりました。下山後は、一路、千歳空港にレンタカーを飛ばし、大好きな白樺山荘の味噌ラーメンを食し、空路羽田に帰京しました。 【コースタイム】雌阿寒温泉登山口 〜 雌阿寒岳頂上(ピストン) (休憩、食事含む) ・登り:2時間53分 ・下り:2時間30分【累積標高差】875m【歩行距離】7.6km
2019.10.10
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2019年7月26日は、日本百名山第94座目として、北海道トムラウシ(2141m)に短縮コース登山口から日帰りピストンで登頂しました。ナイトは、ヒグマが怖いので夜明けを待って午前3時47分のスタートです。 午前4時12分温泉コース分岐点に到着です。しばらく緩やかな笹原の登山道となります。下山時に恐怖を味合うとは知らずカムイ天上まで順調に登り、午前4時57分に到着です。 カムイ天上は、想像とは異なり周囲は樹林帯に囲まれて全く眺望はありませんでした。しばらく木道とぐちゃぐちゃのぬかるみ登山道を歩くとようやく視界が開けて、遠く目的地のトムラウシ山を望むことが出来ました。 約1時間半ほど笹原を緩やかに高度を稼ぎましたが、そこからコマドリ沢分岐点までは、これでもかとぬかるみの下りが続きます。滑ってすってんころりんしない様に慎重に下り午前6時35分にコマドリ沢分岐点に到着です。見上げると青空も望めて頂上での絶景も期待できます。 コマドリ沢からは、雪渓歩きとなりますが、程よい雪質でアイゼンを装着することなく通過登ることができました。 午前7時過ぎ、これまでとは全く異なる岩岩の山姿に変わって、その眺望は、他の百名山にはない素晴らしいものでした。この岩岩を登り詰めて、午前7時41分前トム平に到着です。この先、夏山の山岳遭難事故としては近年まれにみる数の死者を出したトムラウシ山遭難事故の惨事となったエリアとなります。 トムラウシ山遭難事故は、2009年7月16日早朝から夕方にかけてトムラウシ山が悪天候に見舞われ、18名のパーティのうちツアーガイドを含む登山者8名の方が低体温症で死亡した事故です。亡くなられた方々にそっと手を合わせ、先を進みます。ロックガーデンでは、北海道にしか生息していない氷河期から生き続けているというナキウサギが時折、ひょこっと可愛らしい顔を出し、キィキィと鳴き声が。すばしっこいのでカメラにその愛らしい姿を収めることが出来なかったことが心残りでした。 しばらく登るとトムラウシ山頂方面が開け、眼下には、トムラウシ公園が広がっていました。トムラウシ公園までは、岩場の下りとなります。時折、ガスって眺望が効かなくなることもあり、その天候の急変が、あの遭難事故をふと思い起こさせました。 午前8時31分高山植物が咲き乱れるトムラウシ公園に到着です。午前9時35分、十勝岳オプタテシケ山縦走コース分岐点に到着しました。天候は増す増す崩れて来て、風も強く体感気温は氷点下の寒さです。 分岐点からはガレ場の登山道を登り、午前10時9分、無事に日本百名山第94座目としてトムラウシ山(2141m)に登頂成功です。 ガスガスで眺望はゼロ、凍える寒さに長居は無用と、記念撮影だけして即下山開始です。時折、小雨も降り始めて最悪のコンデションの中、午後1時13分コマドリ沢分岐点まで下り、遅い昼食としてぶっこみ飯とハコダテコーヒーで腹ごしらえです。この沢水は、見た目にはとても綺麗で美味しそうですが、エキノコックスが怖いので持参したミネラルウォーターを使いました。 お腹を満たしたところで、再び下山開始です。先を急ぎたいところですが、登山道のぬかるみが酷く速度を上げられません。ようやく短縮登山道駐車場の手前約600m、傾斜も緩やかになった背丈ほどの笹原で突如、ドサドサと音がしてヒグマに15mほどの距離で遭遇、背筋が凍る思いでした。ストックに着けていたクマ鈴とストックをカンカン打ち鳴らしたら、笹原の奥へドサドサと逃げてくれたので助かりました。百名山94座目にして熊に初めて遭遇、改めて襲われなくて良かった、気をつけないとと思いました。(※このヒグマ遭遇以降は、ホイッスルも加えて安全確保をする様になりました。)午後4時9分無事に短縮登山道駐車場に下山しました。下山後は、国民宿舎トムラウシ温泉東大雪荘の温泉で汗を流しました。翌日は、蝦夷駒ヶ岳の5合目まで立ち寄り、函館北斗駅から北海道新幹線で帰京しました。【出会った花たち】 【コースタイム】(休憩、食事含む)短縮コース登山口(04:00)・・・短縮コース分岐(04:12)[休憩 5分]・・・カムイ天上(04:57)[休憩 10分]・・・前トム平(07:41)[休憩 15分]・・・トムラウシ山(10:10)[休憩 15分]・・・前トム平(12:17)[休憩 10分]・・・カムイ天上(15:03)[休憩 15分]・・・短縮コース分岐(15:55)・・・短縮コース登山口(16:09)【歩行距離】16.7km【行動時間】12時間9分
2019.07.31
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2019年7月5日 日本百名山第92座目として十勝岳(標高2077m)に登頂しました。7月4日午後8時30分JAL531便で羽田より新千歳へ飛ぶ為、羽田P1駐車場の満車が心配で午後3時過ぎに到着、幸い5分待ちで入庫ができました。駐車場で仮眠、登頂の成功を願ってカツカレーで腹ごしらえ。予定の5分遅れの22時10分、小雨の千歳空港へ無事着陸。 トヨタレンタカーを借りていたが、この繁忙期にも関わらず大型送迎バスは私だけ。トヨタビィッツの新車を借りて一路、十勝岳の登山口である望岳台に午前1時半ごろに到着。広い駐車場には、仮眠している10台ほどのみ。 ともかく登山口を探しておこうと、ヒグマ出ててこないかとビクビクしながら真っ暗な駐車場わきのガレ場を歩いて5分ぐらいで、写真でよくみかける「望岳台」のモニュメント発見。ヤレヤレと車に戻り午前3時まで仮眠・起床。午前3時30分には日の出の為、あたりはもううっすらと白けて来ています。軽く朝食をとって午前3時50分、アタック開始。幸いにも山頂方面はガスってはいるものの無風で雨は降っておらず、コンデション的には悪くありません。 吹上温泉の分岐点までは、ゆるやかなガレた登りが続きます。振り返るとビジターセンターがだんだん小さくなって行きます。午前4時42分吹上温泉の分岐点に到着です。たえす硫黄臭がありますが、それほどキツイものではありませんでした。次の目標である雲ノ平分岐までは、ガスも晴れて来て、ダイナミックな火口からの噴煙も楽しめます。目を東に向けるとトムラウシも望めます。更に登る事40分、午前5時23分に十勝岳避難小屋に到着です。 行動食を頬張りながら小休止、ここから稜線部までのガレ場が本番です。赤ちゃんの頭ほどの火山礫がゴロゴロ、登山道は分かり易いですが、けっこうキツイ九十九折が続きます。たまにガスって視界が不明瞭になりますが、先が見えない方が楽かもと一歩一歩踏みしめて登る事、***時間。午前***時稜線部に到着です。 昭和火口や前十勝岳の中腹からは噴煙が勢いよく上がって、活動している躍動感を感じられます。十勝岳の頂上は、まだまだ先ですが、稜線部は、ほとんどフラットであり、雄大な景色を眺めながら気持ちよく距離を稼ぐことができました。最後の頂上までは、結構な高低差のある急登で息が切れます。先行している登山者が豆粒のようで、あんなところまで登らないといけないのか?と心が折れそうになります。でも、あとわずかで頂上だと自分を言い聞かせ、午前8時2分無事に十勝岳頂上(2077m)に登頂成功です。 時折、ガスってしまい360度の眺望というわけにはいきませんでしたが、本州ではちょっと味わう事の出来ない雄大で猿の惑星にも出てきそうな殺伐とした大地が印象的でした。ずっと留まっていたい衝動を押させて、午前8時30分下山開始です。 天気が徐々に悪くなって来て、霧雨も降ってきましたがレインを着るほどでは無く、そのまま下山を続けます。あの十勝岳避難小屋の手前の九十九折では、突然、ドカーンと雷鳴が鳴り響きました。ちょうど10名ぐらいの登山パーティが登ってこられましたが、「もう中止した方が良いでしょうか?」と不安げに。「先に身を隠す場所はないので、残念でしょうけど中止された方が良いのではないでしょうか」とアドバイス。そのパーティの方々も諦めて下山を開始。その後もドーン、ドーンと空砲のような雷鳴の中を下山を急ぎます。雲ノ平分岐を過ぎても真っ直ぐな登山道はビジターセンターまでの距離がなかなか縮まりません。ようやく午前11時45分無事にビジターセンターに下山です。 もう頂上は、完全にガスって目視する事は叶いませんでした。望岳台でのんびりしているわけにはいかず、翌日の大雪山登頂の為、大雪山旭岳ロープウェイの麓の宿を目指します。途中、美瑛の「青い池」に立ち寄りました。雨模様であまり青みが感じられず残念でした。 天気は増々悪くなり雷と共に、バケツをひっくり返すほどの大雨。宿に到着したところ、すでにロープウェイは運休との事、明日は、運行するかはわからないとの事、不安の中で早々と就寝となりました。日本百名山第93座目大雪山へ続く。。。【出会った花々】 【コースタイム】(休憩・食事含む) ・登り:5時間12分 ・下り:3時間15分【累積標高差】1143m【歩行距離】10.2km
2019.07.13
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パソコンが不調で半年も前の山行投稿です。先週末6月29日、30日は、台風3号をやり過ごして、南アルプス悪沢岳(3141m)に、日本百名山第91座目として登頂しました。南アルプス最深部というアクセスの悪さに、行ってみたいと言う気持ちとは裏腹に、ずっと躊躇していた山域です。当初の登山計画は、百枚小屋に1泊、赤石岳避難小屋に1泊する計画でしたが、椹島ロッジに電話で確認したところ小屋開け前なので、椹島ロッジに一泊は必須ですとの事、計画を大幅に変更し、荒川椹島ロッジ6月29日午前2時に出発、悪沢岳を経て荒川冬季小屋泊、30日に赤石岳に登頂して下山の半時計周りの縦走登山計画を立てました。さいたまの自宅から友人を都内でピックし、新東名を経由して新静岡インターでおり、大井川添いを畑薙第1ダムまで、もうハンドルを回すのが嫌になるほどの山奥まで70km、約2時間のドライブ。ダムの突堤を渡り突き当たりを右折した静鉄のバス停横が駐車場と東海フォレストの方に教えて頂いていたので、正午過ぎに到着したものの駐車してる車はゼロ。なんの表示も無いので駐車して良いのか、ここに果たして東海フォレストのバスが午後3時に迎えに来てくれるのか間違ってたらどうしよう??と心配になります。 【中部電力畑薙第1ダム 駐車場は右手】 【高度感のある放水口】 【畑薙第1ダム横のバス停(この季節は運休中)】 【南アルプス国立公園入口の標】そんな心配をしながら車中でコンビニ弁当を食べ仮眠、午後2時50分ごろバスではなくデリカバンが一台。「お迎えに上がりました!」の一言にホッとひと安心、「今日の椹島ロッジの登山宿泊者は、貴方がた2名だけです。あとリニア新幹線の工事関係者が15名ほどです。」と。洗濯板のようなガタガタ林道を18km、約1時間、途中、いくつかの吊り橋や南アルプス各方面の登山口を紹介頂きながら、その奥深さと、これから登る悪沢岳や赤石岳にワクワクして来ました。椹島ロッジに到着前に、「悪沢岳の登山口はどこですか?」とドライバーさんに尋ねると、「先に立ち寄ってあげます!」と、わざわざ登山口までも車で下見させていただきました。 【ここから先は東海フォレスト関係者のみ通行可】 【茶臼岳登山口の吊り橋】 【畑薙大吊橋】 【東海フォレストの私有地である看板】 【中ノ宿吊り橋】 【天気が良ければ明石岳が望めるという】 【千枚岳→悪沢岳方面登山口1】 【千枚岳→悪沢岳方面登山口2】 【東海フォレストのドライバーさんと友人】 【創業者 大倉 喜八郎氏】椹島ロッジに着くと、今日は個室をご利用くださいとテレビも最新のエアコンもついた部屋に案内頂き、「お風呂も直ぐ入れますからどうぞ」と。至れり尽くせり。山小屋と思っていたので、そのギャップにビックリでした。風呂上がりは、もちろん生ビールで登頂成功を願って友人と乾杯!! 午後6時からの夕食も豪華で美味しく頂きました。 【椹島ロッジの室内】 【椹島ロッジの夕食 美味しかった!】出発の午前1時50分満天の星空に、「雨男返上だ!」とアタック開始です。昨日、崩落で新しく架けられた吊り橋先の登山口までフォレストの方に案内頂いていたので、不安はありません。取っ付きからいきなりの急登の九十九折、先が見通せないので、ともかく一歩一歩重ねて行きます。 【恒例のナイトでスタート椹島ロッジの室内】 【ロッジ入口の近道】 【この鉄橋の先に登山口】 【崩落して新しい登山道が作られていた】 【奥深い南アルプス】 【まだ元気いっぱい】 【千枚小屋岳と二軒小屋の分岐】 【小石下】登山道は、中部電力の作業道でもあり高圧鉄塔を2塔抜けると岩頭見晴という岩尾根を抜け、交差する林道を超えて小石下(標高1586m)に到着です。しばらく登っているとブーンとエンジン音。なんと並走している林道を東海フォレストのバンが登っていくのが見えます。「乗せってぇ〜」と叫びたくなります。あとから聞くと、迎えに来てくれていたドライバーさんで、二軒小屋ロッジへの送迎だったようです。標高を重ねるに従いガスって来るなか、ようやく清水平(1870m)に到着です。ここは明治時代、林業に従事しておられた作業員さんの水場であり、今も変わらず清水が引かれています。冷たい清水をがぶ飲みしてひと息を入れました。更に標高2000mを過ぎると霧雨も。シラビソの樹林は、天然の雨傘となり、しっとりとした登山道を高度上げて行きます。 【林道を横切り鉄階段を登って登山道へ戻る】 【千枚小屋まで、まだ4時間】 【林道と並行して登山道が続く・・・】 【清水平 標高1900m地点】 【木洩れ陽が美しい】 【蕨段 シラビソが美しい 】 【ようやく千枚小屋まで半分】 【標高2100m地点】見晴台は、唯一の展望台があり荒川三山と赤石岳が望める場所ですが、あいにくガスっていて、荒川三山が辛うじて望めただけでした。見晴を超えると真っ直ぐな登山道が続きます。これは明治時代木馬道に続く木材の切り出しの為に広い作業道を作る必要があったのでしょう。昔の林業に携わっておられた方々の苦労が伝わって来ます。小屋泊なのでテン泊ほどでは無いものの、この真っ直ぐで先が見通せる登山道に、久々のフルアイゼンにピッケルの雪山重装備、ジワジワと体が重くなって来ます。千枚小屋まであと15分、ガンバの看板に力付けられますが、結構の急登で心折れます。 【見晴台 唯一の展望台 天気悪く眺望無し】 【可愛らしい千枚小屋道標】 【ようやく眺望が・・・】 【木馬道跡】 【よく整備されたまっすぐな登山道】 【静かな駒鳥池】 【千枚小屋まであと1時間】 【千枚小屋まであと15分】 【残雪が少し出てきた】 【標高2500m地点】それでも当初のコースタイムより早く午前10時30分に千枚小屋に到着です。千枚小屋の小屋開きは来週の為、ひっそり静まり返っています。早速冬季小屋の入口を探しますが、その二階部が鍵がかかっていて開きません。一瞬、「えっ、泊まれないんじゃ」と不安になります。あたりを見回すと百枚小屋の道票があり、冬季避難小屋は、この50mほど奥の百枚小屋でした。先客は誰もおらず貸し切り状態。お昼ご飯のぶっ込みメシを食べてると突然、バタバタと屋根を打ちつける雨が降って来ました。計画では荒川三山を超えて荒川小屋まで歩かねばなりませんが、悪天候を悪沢岳を超えて7時間の行程は厳しいと判断しました。そこで悪沢岳頂上アタックのみに計画を急遽切り替えました。 【千枚小屋が見えて来た!】 【着いたぁ〜千枚小屋】 【百枚小屋】 【百枚小屋で昼食】ザックから頂上アタックに必要な装備以外をデポして午後0時10分に出発です。森林限界を超えて千枚岳の稜線に出ると風速も強まります。午後0時45分に千枚岳(2880.9m)に到着です。千枚岳の次のピークが丸山になりますが、稜線部はだだっ広く遮るものが無い為、時折、突風で足が止まります。丸山のピーク3032mに午後1時47分に到着です。風雨も強くなって写真を一枚撮るのがやっとでした。丸山から悪沢岳まで直線で約600mですが、岩場でハシゴ、雪渓もあり、ルートを外さないよう慎重に先を進みます。 【千枚岳へ取り付きの標】 【いよいよ稜線部へ 風が強くなってきた】 【時折凄まじい突風が チコちゃんに怒られる】 【写真では風雲凄まじさ伝わらず】 【千枚岳(標高2880m)登頂】 【ガスって眺望効かず】 【ハイマツ帯 ルート外さない様黄ペンキ注意】 【唯一のハシゴ場】 【丸山(標高3032m)到着 遮るものない】 【雪渓が出てきた】 【雪渓はアイゼン装着するほどでなく通過】 【岩場を通過】午後2時33分、無事に悪沢岳(3141m)に登頂成功です。雨風が強まって来ているので、長居は無用、眺望ゼロ、周囲真っ白な山頂で写真撮影して、即刻下山開始です。 【悪沢岳(標高3141m)登頂】 【千枚小屋が見えホット一息】午後4時29分無事百枚小屋に下山。誰もいない小屋は人気も無く結構寒かったですが、テン泊に比べれば、ずっと快適な空間でした。冷えた体をホットウィスキーで暖めながらおツマミでミニミ二宴会。夕食のラーメンを取り午後7時半に早々就寝。時折、屋根に打ち付ける雨音がうるさく、耳栓もあまり役に立たずウトウトでした。 【千枚小屋に無事に下山】 【友人と悪沢登頂の祝杯!!】【火の気が無くメチャ寒い上、雨音酷い室内】翌日は、午後2時に椹島ロッジの送迎車に乗る為に、午前5時17分に小屋を出発、下山開始です。登山道は、昨日からの雨で所々で川状態。滑って転ばないよう慎重に高度を下げて行きます。時折、激しく降る雨に、林道が通行止めになるんじゃないか?と不安がよぎります。もし通行止めになったら18kmの林道歩きが待っています。下山して18kmの林道歩きと言えば、上高地の横尾までですら11kmで萎えるのに、その倍近く。これだけは勘弁して欲しいと祈る思いで高度を下げて行きます。午前10時15分、雨風強まる中、無事に椹島ロッジに下山です。 【登山口の橋まで無事に下山】 【鳥居で無事下山のお礼参り】すぐスタッフに林道通行止めになっていませんか?と聞くと今は大丈夫だけど予定の午後2時の送迎車では、天候の悪化で林道が通れなくなるかもと。ご好意で、午前10時30分に、デリカバンで畑薙第一ダムまで送って頂きました。途中、いたるところで林道は川状態、横を流れている井川は、濁流と化しており、一部は林道も水没を始めている状況でした。ドライバーさん曰く、「今日の午後には、通れなくなるかもしれないなぁ。もし椹島に帰れなければ温泉に浸かって一晩過ごすから大丈夫です。」とノー天気なお返事。でもホント、危機一髪の脱出でしたが、下山出来て良かったです。今回の山行では、終始誰一人登山者に会うことはありませんでしたが、南アルプスの奥深さと東海フォレストの皆さんの日頃のご苦労、そして、たった二人だけの私たち登山者への心使いがとても嬉しかったです。また、このルートで登れなかった赤石岳にリベンジしたいと思い畑薙第一ダムを後に帰宅しました。 【悪沢岳の山バッジ】 【帰ってきたらマメができていた(>_<)】 【出会った花たち】 【コースタイム】(休憩、食事を含む) 登り:12時間43分(椹島ロッジ→悪沢岳) 下り 1時間54分(悪沢岳→百枚小屋) 4時間58分(百枚小屋→椹島ロッジ)【累積標高差】2397m【歩行距離】22.8km(往復)
2019.07.07
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2019年7月6日 前日の十勝岳に続き、日本百名山第93座目として、北海道最高峰である大雪山(旭岳)(標高2291m)に登頂しました。昨晩の凄まじい雷雨にどうなるかと思いながら午前4時に起床、ホテルの窓越しに眺めると、昨日の悪天候が嘘のように晴れ渡っているではありませんか。このハイシーズンは、大雪山旭岳ロープウェイの始発は午前6時30分、このロープウェイを逃すまいと出発準備、宿から徒歩3分のロープウェイ乗り場に午前5時40分ぐらいに着くと、ロープウェイ待ちの方は3名でした。 ちょうど旭岳の中心からご来光が上がって来るところで、まさしくダイヤモンド十勝岳。幸先の良いスタートに心が弾みます。 予定通り午前6時30分のロープウェイに搭乗、約10分ほどで姿見駅に到着。中腹から何本もの噴煙が上がり、その先に旭岳がそびえている様子は、素晴らしいの一言。 午前6時56分アタック開始です。しばらくは散策路が続きお花畑になっています。旭岳石室を通過して展望台を超えると、いよいよ本格的なガレ場の登山道となります。 中腹の噴煙は、ゴウゴウと音を立てて昨日の十勝岳以上に迫力がありました。途中、6合目付近からガスって来て、先がまったく見えなくなりますが、地味にガレ場の登りの為、先が見えないのが幸いして辛さは軽減されます。午前8時44分8合目に到着です。周囲は相変わらずガスっていて、眺望はありません。 8合目から9合目も急登のガレ場が続きます。9合目から先も見えなかったですが、少し天気が回復して雲間から頂上を目視する事ができるようになりました。最後のひと頑張り、幸運にも頭上には青空も出て来ました。 午前9時21分無事に旭岳頂上(標高2291m)に立つ事ができました。幸いガスも晴れて、雄大な周囲の山々も楽しむことができました。恒例のカップラーメンと、今回お初の勝手にお湯入れたらできるアルファ米おにぎりで腹ごしらえです。 今日は、夜の便で帰京しなくてなりませんので、マッタリしている暇は無く午前9時54分下山を開始です。またもやガスって、眺望の無い登山道をひたすら下山、途中、高山植物に癒されながら姿見駅に午前11時40分に到着です。午後12時15分のロープウェイに乗車、午後12時半に山麓駅に到着です。 ホテルベアモンテの日帰り温泉でまったりと汗を流し、一路、新千歳空港を目指します。予定通り午後5時前にレンタカーを返却、空港のレストランで、滞在中、まともな食事を食べていなかったので、ちょっと贅沢に海鮮定食に舌鼓、午後8時15分、JAL526便にて雨の羽田に無事に帰京しました。今回は、時間に追われる山行でしたが、雨男を返上、素晴らしい北海道の山々を楽しむことができました。【出会った花たち】 【コースタイム】(休憩・食事含む)・登り:2時間25分・下り:1時間46分【累積標高差】709m【歩行距離】5.7km
2019.07.06
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パソコンが不調で半年ぶりのかめさんの百名山日記のアップデートです。平成最後の山登りは、2019年4月27日、約8年前の2011年10月2日に、日本百名山として12座目として登った両神山(1723m)。今回で4回目の登頂してようやく登山バッジ買い忘れリベンジ登山となりました。さいたまから登山口の両神山荘登山口まで、途中、ところどころ土砂降り状態です。またもや雨男全開です。午前零時過ぎに日向大谷の両神山荘駐車場に到着です。先行車で埋まっていましたが数台の空きがありました。仮眠の後、午前4時30分に駐車料金500円を両神山荘のポストに投函してクライムオン。 登山事故が多いので注意!!の看板のある登山口で、登山届けを記入して登山開始です。鳥居をくぐりお堂で一礼、安全祈願です。以前は、両神山荘のポチが、この辺りまで案内してくれた事を思い出しました。この先は、だらだらと緩いアップダウンが続きます。午前5時18分、七滝沢コースと清滝小屋経由のコースの分岐点に到着です。迷わず清滝小屋コースを進みます。しばらくすると沢沿いの登山道となり、沢を何度かまたいで高度を上げて行きます。地味にキツイ登山道、雨は小雨にはなったものの、降り続いています。午前7時12分清滝小屋に到着です。りっぱなログハウス風の小屋ですが、この小屋は休業中で人気も無くひっそりと朝霧の中にたたずんでいました。30分ほどで産体尾根に到着です。ここから頂上までは1.4kmです。小雨がなごり雪に変わりました。午前8時33分、両神山本社に到着です。ここから頂上までは30分ほどですが、途中に鎖場が3,4ケ所あります。記憶とはいい加減なもので8年前に、ここをどう登ったのか、全く思い出せません。午前9時11分に無事、両神山山頂に登頂しました。 晴れていれば360度の眺望ですが、今回もまったく視界は利かず、休憩もそこそこに下山開始です。清滝小屋の東屋で、カップラーメンとおにぎりで腹ごしらえです。ようやく何組かのパーティが登って来られました。また地味に長い登山道の高度を下げてゆきます。山桜が咲き乱れる登山口に午後1時15分に無事に下山しました。 いつもなら両神山荘の愛犬ポチとポンが駆けてくるのに、山荘はひっそり。どうした事かと山荘の親父さんに尋ねるとポンは山荘の中にいると。ごろっと寝そべっていて、あまり元気がありません。愛犬ポチは、すでに死んでしまって、残ったポンは、山で鹿追いをしていて、二頭の鹿の逆襲を受けて怪我をして、その後は、登山者を道案内する事も無くなってしまったとの事でした。可哀想な話ですが、以前道案内をしてくれた話を親父さんに話をすると、とっても喜んで頂きました。そんな親父さんから、ようやく念願の登山バッジを購入出来ました。ポンが長生きしてくれる事を願って帰路に着きました。【出会った花たち】 【コースタイム(休憩・食事含む)】・登り:日向大谷口(標高630m) ⇒ 剣が峰(標高1723m)4時間41分・下り:剣が峰(標高1723m)⇒ 日向大谷口(標高630m)4時間4分 【累積標高差】1995m 【歩行距離】15.3km
2019.05.12
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パソコンが不調で半年ほどブログのアップが出来ませんでした。ようやくパソコンを新調、半年も前の山行投稿です。2019年5月12日、約8年ぶりに大菩薩嶺(2057m)に、登山バッジ買い忘れリベンジ登山です。私のブログによれば2011年10月8日に日本百名山第14座目としてバスで登山口となる上日川峠の向かったとあります。もうあれから8年もの歳月が流れた事になります。今回は、車で登山口に向かい午前4時34分のご来光目当てでのナイト登山。コースタイムが短いので午前2時57分上日川峠登山口からクライムオン。 午前3時30分に福ちゃん荘着、小休止後、唐松尾根から雷岩を目指します。途中、夜景も楽しむことが出来ました。前回登った時は、もっと急登のような気がしましたが、難なく雷岩に到着。大菩薩嶺の頂上は眺望が無いので、雷岩の上でご来光を待ちました。卵の黄身のような太陽がぽっかり、背後には素晴らしい富士山も楽しむ事が出来ました。 午前5時大菩薩嶺に無事登頂。変わらず樹林帯に囲まれて眺望はありませんが、頂上の標柱が二本になっていました。(笑) 下山は、大菩薩峠経由、介山荘で朝食のカップヌードルとコーヒーで腹ごしらえ、念願のバッジを購入し、表登山道で午前8時25分下山しました。 今回は、天気も良く、富士山も堪能、まったりしたバッジ買い忘れリベンジ登山を楽しむ事が出来ました。下山後は、貸切状態の大菩薩の湯でまったり。日頃の疲れを洗い流す事が出来ました。 【コースタイム(休憩・食事含む)】登り:上日川峠 → 唐松尾根 → 雷岩 → 大菩薩嶺 2時間11分下り: 大菩薩嶺 → 雷岩 → 大菩薩峠 → 上日川峠 3時間17分【累積標高差】596m【添面歩行距離】11.6km【歩数】18516歩
2019.05.11
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今日2018年9月28日は、日本百名山第90座目、北アルプスの日本百名山では最後となる奥穂高岳(3160m)に登頂しました。今回は台風21号の接近もあり登頂ルートを迷いに迷いました。ルートは、次の3ルート。第一案:新穂高温泉駐車場から右俣林道を歩き、白出沢登山口より、重太郎橋、新穂高山荘(泊)を経由して奥穂高岳ピストン第二案:上高地から前穂高登山道、重太郎新道を使い紀美子平、吊尾根を登り奥穂高岳登頂後、新穂高山荘(泊)、ザイデングラードを下り、涸沢から横尾、上高地へ下山第三案:上高地から横尾、涸沢、ザイデングラード、新穂高山荘(泊)し、奥穂高岳登頂ピストンバスやタクシーなど公共の交通機関を使いたくないので、第一候補は第一案ですが、どうも2日目の天気が怪しく、もし大雨になって白出沢重太郎橋が渡河できないと上高地に下山し、沢渡までバスで移動、そこからはタクシーで新穂高温泉駐車場に戻らねばなりません。タクシーはおおよそ1万2千円ぐらいかかるようです。これは極めてリスキーなプランです。結局、登頂ルートは、第二案である沢渡駐車場からバスで上高地に行き、北アルプス三大急登と言われる岳沢ルートで奥穂高岳登頂、穂高岳山荘に小屋泊、翌日、ザイテングラードを下り、涸沢から横尾を抜けて上高地に下山しました。9月27日午後10時過ぎに沢渡第3駐車場に到着、この駐車場は、上高地へのシャトルバス乗り場に一番近い駐車場となります。ハイシーズンですが、ウィークなので8割ほど。一番良い場所に駐車する事が出来ました。バスの始発は、午前5時40分なので車中泊で午前4時に起床、軽く朝食を取り出発準備、午前5時にバスキップ売り場に向かいます。キップ売り場には、すでに8名ほどが並んでいました。キップ売り場は5時20分にオープン、往復2050円を支払い、バスに乗車、予定より5分早く午前5時35分に沢渡バスセンターを出発しました。 釜トンネルを抜けると、ガスっていて小雨状態、また雨男炸裂かとテンションが下がります。午前6時5分、上高地バスセンターに到着です。この上高地を訪れるのは、約50年前に亡くなった父に車で連れて来てもらった以来です。幸いにもガスも晴れて来て河童橋からは、穂高連峰が美しい姿を見せてくれました。 午前6時20分、河童橋からスタート、梓川から朝靄の穂高連峰は目を見張る美しさです。10分ほどで前穂高岳登山道の登山口に到着です。 第一の目標は岳沢小屋ですが、途中15分程度の間隔で、10→1と標高と小屋までナンバリングがあるので、ペース配分に役立ちます。 午前8時27分、岳沢小屋に到着です。気温はかなり低く、ベンチには霜が下り、周辺の土手には、霜柱が立っていて、もう初冬の雰囲気です。ここからいよいよ重太郎新道に取り付きます。この重太郎新道は、三大急登と呼ばれる合戦尾根よりも遥かにキツイと言われていて、何を基準に?と首を傾げたくなります。 途中、クサリ、ハシゴを使いながら高度を上げて行きます。眼下には岳沢小屋の赤い屋根が小さく見え、少し目線を上げると焼岳がくっきり。カモシカの立場の午前9時40分に到着。ここから見上げると、天狗岩や間ノ岳、西穂高岳方面の岩稜が青空の中を堂々とした山体をさらしています。午前11時13分、岳沢のパノラマに到着、眼下には、ひと筋の桂川と大正池、そして大正池を作った焼岳が飛び込んできます。雷鳥広場に午前11時20分到着、岩稜帯を登るとほどなく午前11時47分、前穂高岳と奥穂高岳への分岐点である紀美子平に到着です。 前穂高岳へは、往復で50分ですが、今回は、奥穂高岳に登頂する事が目的な為、前穂高岳はパス、そのまま奥穂高岳を目指します。南稜の頭手前では、焼岳から噴煙が上がっているのが目視できました。またこの吊る尾根の東側に広がる紅葉の涸沢カールと涸沢ヒュッテとテン場が米粒のように小さく見えました。その先もクサリが続く岩稜を登ると目指す頂上付近がガスって来ました。アカンせっかくの頂上から楽しみにしていた絶景が見られないのでは?と、テンションが急激に下がってきます。 午後1時50分南稜の頭に到着。完全にガスってしまいました。登る事約10分、あの映画「岳」で見た頂上がガスの中にうっすらと見えて来ました。午後2時、河童橋から登る事、7時間40分。ようやく奥穂高岳の山頂(標高3190m)に日本百名山第90座目として立つ事が出来ました。正面には北穂高岳、さらにその先に槍が雲間から瞬間的に見る事が出来ました。NHKの撮影クルーも11月4日の放映番組で槍の撮影に来ていました。 目を西に向けるとジャンダルム(標高3163m)が黒々とした岩稜を次々と渡っていく雲が川のように見え、美しさと人を寄せ付けない雰囲気が恐ろしささえも感じました。次回は、あのジャンダルム、そして西穂高岳へ縦走してみたいと思いました。 ずっと頂上にとどまりたい気持ちを抑えて、今日の宿泊泊地である穂高岳山荘を目指します。けっこうな下りで、穂高山荘の赤い屋根とその前にそびえる涸沢岳(3103m)の高低差が、素晴らしいコントラストになっていました。 午後3時5分、無事に穂高岳山荘に到着です。ふだんはテン泊ばかりで小屋泊はほとんどしない僕ですが、今回ばかりは日帰りするわけにもいかず、一泊夕食のみを付けて8800円を支払いチェククイン、部屋は立山の18番。今日は空いているので、布団一枚分のスペースをあてがわれましたが、混雑時は、布団1枚に二人との事、ソロの僕には耐えられないかもです。(笑)早速着替えをして800円のビールとバッジを購入、小屋の前のベンチで徐々に暮れてゆく穂高連峰や眼下の涸沢を眺めて至極のひと時を過ごしました。 夕食は、鮭にコロッケを主にした食事でしたが、けっこうボリュームもあり美味しかったです。部屋に戻ると、ちょうど夕日が沈むところで、これまた、静寂の中、心に残るとても美しい日の入りでした。 寝前に明日の天気を確認すると午前中は天気がもちそうとの事、午前5時出発を想定して、早々、布団に潜り込みました。ところが消灯が午後8時過ぎで部屋が明るい上に、先に寝てる人たちのイビキが気になり寝付くことができません。ようやく消灯になって暗闇になっても、イビキの大合唱は、僕を一睡もさせてくれず、辛くて長い夜を過ごしました。ようやくウツラウツラとした午前4時過ぎ、屋根を叩く雨音と風音に起こされました。天気予報に反し、天気の崩れが早まってしまったのです。朝は午前5時15分なので、皆が食事が終わって下山を開始して混雑する前に出発する事が、ザイテングラードのガレ場で時間をロスしない事だと、手早く出発準備をして午前5時過ぎに、穂高岳山荘を出発です。みぞれ混じりの冷たい雨の降る中をザイデングラードのザレ場を慎重に下ります。ところによっては、みぞれが岩に積もっている場所もあります。午前5時40分過ぎにザイデングラード取り付きまで下山。やれやれですが、まだ涸沢ヒュッテは眼下に見えるものの、なかなか距離が縮まりません。 けと共に、周囲の穂高岳連峰の屏風を飾るナンテンなどの紅葉が鮮やかに見えて来ました。午前6時30分、小雨の中、涸沢小屋に到着です。涸沢のテン場は、天気も悪い事もあり、まばらであり、あのギッシリと所狭しと張られているポスターのような涸沢ではありませんでした。また驚いたのは、インバウンドの観光登山者が多い事でした。 涸沢から横尾への登山道は、マナーの悪いツアー客も多く大渋滞、抜くに抜けずコースタイムをかなりロスしました。午前8時、大谷橋に到着、行動食を摂り小休止、横尾に午前8時50分に到着しました。 まで下山してヤレヤレと思ったのもつかの間、道標に河童橋まで11kmとあるではないですか!! えぇ、まだ11kmのあるの?? テンションが下がりまくりです。そんな事を言っていても距離が縮まるわけもなく、「遠い、飽きた」とブツブツ独り言を言いながら、午前11時20分、横尾から2時間20分で河童橋に到着、午前11時28分発のシャトルバスに乗車、お昼前に無事に沢渡駐車場に下山する事が出来ました。 回、初めての穂高と名の付く山域に踏み込んだわけですが、穂高のすばらしさを理解する事ができました。今度は、まったりと日にちをかけて縦走したいものだと思いました。【コースタイム】 登り:7時間40分(上高地 ~ 奥穂高岳) 下り:6時間20分(穂高岳山荘 ~ 上高地)【歩行距離】25.2km【累積標高差】2,272m
2018.09.28
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2018年8月31日~9月2日、日本百名山第89座目として、北アルプス薬師岳(2926m)にテン泊で登頂しました。富山県側の折立登山口は、岐阜県側からのアプローチの場合、飛越トンネルを抜けて有峰林道(1900円)を使う事になるが、午後8時~午前6時は通行止めです。ナイト派の僕には、夜中に登山口に着けない使い勝手の悪い最悪の林道です。飛越トンネルの手前、昨年日帰りピストンした黒部五郎岳の登山口でもある飛越新道登山口駐車場で午前6時まで仮眠。あいにくの天気で、時折激しく降る雨の中を折立登山口まで約20kmを向かいました。途中、通行する車はゼロでした。 午前8時過ぎに折立登山口に到着。駐車場も10数台の車が停まっているだけでガラガラです。今回は3日間あるので、天候を見計らいながら登山計画は3通りを設定。最悪は3日目まで登山口で車中泊で居座って、ナイトで日帰りピストンでも良いとお気楽モードです。ただauは、この折立駐車場では電波が拾えず天気予報や雨雲レーダをネットで確認することができません。電波を拾うには、約2kmぐらい下がった有峰ダムの近くまで車を下す必要があります。 駐車場で朝食をとっていると天気がなんとか味方してくれて雨も止み、予定通りの計画より、約1時間遅れで午前9時15分クライムオン。ところが登り初めて1時間ぐらいすると雨が激しくなり登山道は沢状態です。レインウェアは暑いし、ザックは重いし、ガスガスで視界は悪いし、三重苦を背負って標高を稼ぎます。この時間になりと前日、太郎小屋で宿泊していた人たちが下山して来ますが、皆、雲ノ平に縦走しようと思ったけど悪天候で諦めて下山して来たと。テンションがドンドン下がって来ますが、翌日以降の天候回復を願い更に標高を稼ぎます。午前11時55分、この日の通過ポイントである三角点(標高1869.9m)に到着です。さらに進むと、ライチョウたちがかわいらしい姿を見せてくれました。 その後もガスガスの中、整備中の歩きにくく緩やかに登る登山道をひたすら登る事、折立駐車場から約5時間45分。太郎平小屋(標高約2300m)に午後3時に到着です。風雨も強くなって、遠く雷鳴も聞こえます。周囲は湿原と草原地帯で広々、ここにテン場があればと思いますが、テン場までは、小屋から20分かかります。なんでテン場、こんなに遠いんだ?と思いながら、テン場のチェツクインをしようと小屋の受付に行くと、テン場で現地チェツクインもビールも販売してますとの事、とりあえず明日以降天気の状況をスタッフに確認しました。結果、午前中に寒冷前線が通過予定なので、おそらく未明に激しく雨降るかも、その後、回復に向かうでしょうとの事、その言葉に少し安堵してテン場に向かいます。 途中で、更に雷鳴が近づき、雨風も酷くなって、ザックの重さなど、もはや気にしている余裕はなく、先を急ぎます。午後3時30分 薬師峠(標高2294m)のテン場に到着です。テン場は100張のキャパに対し、先着は2張のみ。テン場の受付の小屋で1泊1000円とモルツロング缶800円を購入、設営をしようかと外を眺めますが、あまりに激しい風雨と雷鳴に設営する気になりません。しばらく雨宿りさせてもらいながらスタッフと談笑。スタッフによれば、今日は小屋は70名ぐらいの予約が入っているがキャンセルが多くなるでしょうとの事。もう小屋泊に変更しようかと心が揺らぎます。スタッフの兄さん曰く、このテン場は、谷筋なので落雷事故は、これまで一度もありませんの一言に、テン泊を決行。少し少降雨になったのを見計らって設営してやれやれ。 早速ロング缶のモルツをプッシュと。ビールが体に染み渡たりました。夜は、北海道産長沼ジンギスカンをツマミに、北アルプスの天然水割の黒霧で大満足です。小屋のスタッフの説明通り、夜半には寒冷前線通過で土砂降り状態でしたが爆睡していて、ほとんど気が付かないまま朝を迎えました。 翌日、午前8時、前線も通過して、曇りベース。これなら頂上アタックできる!!と急いで準備。午前10時15分、アタックザックに最低限の行動食と飲料を詰め込んでクライムオン。昨晩からの雨で、沢筋の登山道は川状態。登山道か沢筋かわからない不明瞭なポイントはGPSで慎重に確認をして高度を稼ぎます。午前11時37分 標高2701mガスガスの薬師岳山荘に到着です。 先行している10名ほどの登山パーティを薬師岳山荘の先で抜いて、ガスガスの登山道を進むと、雷鳥たちが出迎えてくれました。人なつっこく1mぐらいまで近寄っても逃げません。翼の内側は白い羽に生え変わっていて、山の早い冬の到来を感じます。 午後0時10分、石作りの避難小屋を通過。避難小屋と言いながらも畳一畳もありません。しかも屋根は吹き飛ばされて粉々になっていました。風雨が強く小屋に入ってみたが何の役にも立たちません。ここで54年前の1月に愛知大学の学生13名が遭難した場所で、ケルンを模した慰霊碑が建てられています。当時の装備で、さぞかし辛かった事だろうと、そっと手を合わせました。そして午後0時35分、誰もいない山頂(標高2926m)に無事登頂。残念ながら360度眺望ゼロでした。ジッとしているとシンシンと寒さが押し寄せて来ます。百名山第89座目の登頂の喜びを噛みしめる余裕もなく下山を開始です。 午後2時30分にテン場に無事に下山。ようやく雨も上がり回復の兆し。早速、昨晩と同様に黒霧で登頂に乾杯です。夕食は、マーボー春雨にトマトピューレを入れて、持参した塩ニンニクキャベツの漬物を投入したイタリアン風マーボー春雨。ミスマッチのようだが、これは、なかなか旨いんです。これで山ごはんのレパートリーが1品広がりました。午後7時ごろ西の空を眺めるとオレンジ色の幻想的な夕焼けが見られ明日の好天が期待できます。翌朝は、早出が一番と午前3時起床、早めの朝食を済ませ午前5時15分下山開始です。あいにく期待ほど天気回復せず、期待していた山々の眺望は殆どなくがっかりです。 午前8時27分、無事に折立登山口に下山しました。帰りは、お気に入りの新穂高温泉の「ひがくの湯」で3日間の汗をを流しました。この日帰り温泉、無料のアメニティが充実していているのが嬉しい館内食べ放題の「うまい棒」を昼食代わりに食べまくり帰途に着きました。ちなみにうまい棒は4本までお土産オッケーです。 今回は、またもや雨男全開でしたが、比較的登り易い山なので、次回は是非とも好天にリベンジしたいものと思いました。【出会った花たち】 【コースタイム】(休憩・食事含む)・1日目:折立駐車場 ~ 三角点 ~ 太郎平小屋 ~ 薬師峠(テン泊)6時間15分・2日目:薬師峠 ~ 薬師岳山荘 ~ 避難小屋 ~ 薬師岳頂上 ~ 避難小屋 ~ 薬師岳山荘 ~ 薬師峠(テン泊)4時間15分・3日目:薬師峠 ~ 太郎平小屋 ~ 三角点 ~ 折立駐車場 3時間12分 【歩行距離】・20.6km(沿面距離)【累計高度】・累計高度(+):1877m・累計高度(-):1871m
2018.09.09
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今日7月1日 日本百名山第88座目として、後方羊蹄山(しりべしやま)1898mにリベンジ登頂しました。今年の北海道は蝦夷梅雨、北海道には梅雨が無いと言われていたのは過去の話になりつつあるようです。これも地球温暖化の影響が大きいのでしょう。数日前から天気図とにらめっこ。大雪山と後方羊蹄山のどちらにしようか迷ったあげく、梅雨前線に少しでも遠い羊蹄山を選びました。この山は、昨年2017年11月にアタックしたももの7合目から先、暴風雪で撤退した山です。大宮から午後1時前の北海道新幹線はやぶさに乗車、さらに新函館北斗駅から札幌行のスーパー北斗に乗り継ぎ、午後8時過ぎに札幌駅に到着、札幌駅南口の日産レンタカーを借りて、羊蹄山の4コースある登山口の一つである半月湖野営場駐車場に午後11時半ごろに到着。11月には、駐車している車はゼロしたが、流石にサマーシーズン、キャンプサイトを利用している方々の車が10台ぐらいありました。軽くビールとツマミで、明日の登頂を祈念し、すぐに仮眠。 時折ボディを叩く雨音に、何度も起こされながらも午前3時30分に起床。北海道は日の出が早く、すでに辺りは明るくなっていました。朝食を軽く済ませ、小雨降る中を今回こそはと午前4時30分に、クライムオン。 久々のナイトじゃない山登り、1合目からの登り、ぬかるみで滑る滑る。そして何よりナイトでない為、先が見えテンションが上がりません。一合目から5分ぐらいの風穴で穴からのわずかに吹き抜ける風を肌に感じ小休止。 3合目を超えると霞んだニセコアンヌプリが目視できました。4合目を超えると風が強く東京の暑さが信じられない寒さです。 5合目を過ぎた時点で、後方から賑やかな声が聞こえてきます。20〜25名ぐらいのツアー登山者が背後にいる事に、ペースが乱され、なんだか気分が悪くなって来ました。前回の悪天候で撤退した7合目を是が非でも一歩でも先に進まないとと言う思いに、焦りは禁物と6合目で、ツアー登山者に先に行って頂き、全身雨と汗でびしょ濡れで衣服を着替えて、冷え切った体を暖めてホット一息。 7合目を超える事でちょっと余裕が出てきて、森林限界を超える8合目半からは、ほぼいつものペースを維持できました。途中9合目でツアー登山者は、避難小屋経由で頂上を目指している事を知り、お釜を逆周りで頂上を目指す事にしました。 お釜の縁は、結構な岩場でコースタイムが稼げません。幸い雨も小降りになり、恐れていた風も弱く、午前10時30分に無事に後方羊蹄山(1898m)に登頂成功です。幸い雨はやんでましたが周囲は、ガスって眺望ゼロ。御釜の絶景もニセコの街並みも見る事も出来ませんでした。 しばし休息し、更に時計回りで避難小屋側には下山せず、岩場のお鉢をぐるり一周、途中、わずかな雪渓がありましたがアイゼンは不要でした。旧小屋跡を横目に歩くこと15分、もとの登山道の分岐に戻りました。ちょうど登ってくる女性が一人、5人で登って来たもののペースがあわずバラバラになったとの事、連絡も取れず、これからどうしようか迷っているとの事でした。先行の3名は頂上でたまたまお会いし、避難小屋経由で下山をしている事を知っていたので、その事を伝えました。時間的な制約もあり、結局、その女性の判断で下山をするとの事、9合目でチェルトでビバークしている女性のところまでアテンドし、やれやれ。 雨でぐちゃぐちゃになった滑り易い登山道を慎重に降りる事2時間半、無事に午後3時15分下山しました。(あとでFBで知ったんですが、約2時間後に、私の山トモ2名が登っている事を知りビックリ。知っていたら、楽しかっただろうに。。。いつもソロは寂しい??)途中、体調不良や時間切れで登頂を諦められた登山者には10名ぐらいお会いしました。北海道の山は、2000mに満たない低山にも関わらず、アルプスに登れても、北海道の山々を舐めてはいけないという理屈は、どうやら緯度が高いのが理由のようですが、確かにキツイ山であった事は間違いありません。次は、大雪山かな?【出会った花たち】 【コースタイム】(休憩・食事含む) 登り:ひらふ登山口 - 9合目分岐 - 北山 - 後方羊蹄山(6時間) 下り:後方羊蹄山 - 旧小屋跡 - 9合目分岐 - ひらふ登山口(4時間)【歩行距離】 12.1km【累積標高】 登り:1631m 下り:1641m【歩 数】 17285歩
2018.07.22
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今日2018年6月3日 百名山第87座目として、南アルプス聖岳(3016m)に登頂しました。先月、同じ山域にある光岳に、19時間の日帰りナイトピストンをしたキツイ思い出に、今回は、聖平小屋(2260m)のテン泊でマッタリ登山を思い立ったのです。 国道152号の上島トンネルの北側から林道に入ります。そこから民家の点在する下栗の里の細い道を走っていきます。目的地の芝沢ゲートまで14kmですが、10kmほど走ると道路状況は悪化し、落石、倒木が非常に多くなります。暗いので慎重に落石や倒木を避けて車を進めます。 さらに北又渡発電所を過ぎてからの残り1kmは、道幅も狭く、未舗装のダートです。鹿が道案内をしてくれました。午後11時30分、無事に芝沢ゲートの駐車場(標高710m)に到着です。駐車場スペースは約50台、すでに半分ほどが埋まっていました。因みに、芝沢ゲートには入山届けBOXが設置されていませんので、事前に長野県警に直接ネット申請しておきました。今回はテンパクなので、時間は十分にありますから、いつものように深夜のナイトで出発する必要が無いので仮眠を取り、午前4時15分、あたりが白み始めての出発です。 ここから便ケ島までの約7.5kmは林道歩きとなりますが、テンパク装備なので、ほとんど高低差の無い林道と言え、昨年11月の北アルプス水晶岳以来のテンパク装備、肩と腰にズッシリと圧し掛かる重みに、先が思いやられます。午前5時15分 易老岳登山口に到着。 テンパク装備にしてはマズマズのペース。気を良くして便ケ島の聖光小屋の広場に午前5時50分に到着です。ベーベーキューサイトの横の水洗トイレは、ほとんど使われていないのか、とても綺麗でした。 ここから登山口の西沢渡までは遊歩道と立て札がありますが、あちこち崩落していて、ところによっては、ロープも設置されていました。崩落個所は、落石には気を付けて通過する必要があります。 午前6時40分、ようやく西沢渡(標高1098m)に到着です。ここには、人力のロープウェイ(最大積載量150KG)が設置されています。おそらく天気が悪い時には、併設されている丸太橋は沢の濁流に呑み込まれるでしょうから、このロープウェイは有効でしょう。丸太橋を渡り、朝食のおにぎりで腹ごしらえ、これから始まる登山道に備えます。 登山道は、いきなり急登でテンパク装備の重みが堪え、10分もせずに、汗が全身から噴き出して来ます。急激にペースは落ちるし、しばらくすると吐き気も加わり、20歩歩いて、10秒休むというインターバルの繰り返し。標高1700mを超えると、今度は、眠気が襲ってきて標高1800mのところに、大木の根っこが、ちょうどよい背もたれになり、そこでしばし仮眠。 わずか10分ほどの仮眠でしたが、気分もだいぶ良くなりました。ここから先は、苔むした倒木帯となります。倒木が数ケ所で登山道をふさいでおり、その下を四つん這いになってくぐったり、トラバースしたりと、テンパク装備には、辛い区間でしたが、登山道はフカフカで足の負担を和らげてくれました。1900m、2000mと100mごとの道標は、ペース配分を知るには助かります。午前10時50分、ようやく標高2000mに到達。あと聖岳と聖平小屋までの分岐点まで標高差は300m。コースタイムは、登り60分、下り35分と倍ほども違うので、いかに急登であるかがわかります。 午後1時、ようやく分岐点に到達です。ここから小屋までは20分とありますが、分岐点から小屋は見えません。その分岐点から小屋まで、これがまたこれでもかと下りが続き、疲れ果てた体には、想像以上に長く感じられました。午後1時30分無事に聖平小屋に到着です。 冬季小屋の使用者は、4組ほど居ましたが、テン場は誰も先着はおらず、独り占めでした。小屋下の特等に陣取って設営、早速、担いで来た第三のビールで独り乾杯。 体に染み渡るビールは、旨いのなんのって、どんな高級ビールよりも旨いと思いました。心地よい酔いに眠くなり2時間ほど昼寝、気が付くと午後5時過ぎ。まだまだ日が高いですが、早い夕食の準備です。担ぎ上げたワンカップ黒霧焼酎のアテは、山トモが屋久島で買ってきてくれたサバスモーク。主食は、チキンラーメンぶっこみ飯、ちょいと寂しいレシピだが、この頃ハマッテいる一品。午後7時すぎ、周囲はガスって来て幻想的な雰囲気に。明日の天気がちょっぴり心配だが、前倒しで準備しようと午後8時過ぎに就寝。 翌日は、午前2時に起床、昨晩のガスはすっかり晴れて、満天の星空。今日の聖岳の登頂は期待できます。テントを撤収して分起点でのデポも考えましたが、テントも夜露でベタベタ、撤収は聖岳下山後と決め、午前3時15分にテン場を出発です。 しばらくは樹林帯の中を登りますが、途中で残雪が出て若干のツボ足で踏み抜ききますが、まったく問題ないレベルで難なくクリア。樹林帯を抜ける頃には白み始め、目の前には兎岳、そして東には遠く富士山も目視できます。 午前4時23分小聖岳(2662m)に到達。正面にはドデカイ山体の聖岳が望めます。光岳とは対照的に素晴らしい眺望です。 ここから先は、痩せ尾根沿いに最後の標高差約300mに取り付きます。ガレ場の九十九折となり、なかなか距離を稼げません。30歩登っては、一休みを繰り返し、午前5時30分、誰一人いない聖岳の頂上(標高3016m)に無事登頂成功です。聖岳より南には3000m峰はありませんから日本最南端の3000m峰に登頂した事になります。360度の素晴らしい眺望に涙ものの感激です。 しばらくすると後からテンパクされていた女性が登ってこられ、しばし談笑。今日は、長い下山が待ってますから、のんびりしている時間はありません。最後の目標である奥聖岳をめざします。 途中、雪渓や岩礁の尾根を抜けて、午前5時58分、標高2978mの奥聖岳に登頂成功です。奥聖岳からの眺望も、聖岳と同様に素晴らしいものでした。 ずっとここに居たいという衝動を抑えて、下山開始です。この時間になり登ってこられる方々もけっこう増えてきました。何度も振り返りながら心に聖岳の雄姿を刻み、午前8時16分に、聖平小屋に戻ってきました。もう聖平小屋には誰もおらず静まり返っています。急いでテントを撤収し、下山準備です。 水場は、小屋横の沢水を2リットルを汲みましたが、ろ過出来ていない為、そのまま飲料に適するかわからない為、煮沸してからラーメンやコーヒー用としました。下山もほとんど荷重は変わらず、膝を傷めないように慎重に下山、午後1時15分に西沢渡に到着、昼食は、テン場で汲んできた正真正銘の南アルプスの天然水でカップラーメンとコーヒー。市販の南アルプスの天然水より旨く感じたのは気のせいではないと思いました。ここから、また10kmを歩くかと思うとテンションが下がりますが、自分の足で来た以上、自分の足で帰るしかありません。易老渡の登山口に午後3時に到着、行きは駐車場から45分だったのですが、前回の光岳もなぜが歩けど歩けど着かなかった記憶があり、今回はどうかと時間を測りながら進めます。結果、やはり1時間5分もかかってしまいました。午後4時7分、無事に芝沢ゲートに到着です。添面歩行距離は、実に31.3km。累計高度2816mとキツイものでした。経験上、累計高度が2000m超える山はキツイんですが、それよりも800m近くも累計高度が高く、テンパク装備でよく登れたものだと自分の足と体力に感謝です。苦しい山行ではありましたが、素晴らしい山で惚れました。今度は、小屋泊で、真のマッタリで登りたいなと思いました。【コースタイム】(休憩・食事含む)・1日目 9時間15分:芝沢ゲート駐車場 - 易老岳登山口 - 便ケ島(聖光小屋)- 西沢渡 - 分岐 - 聖平小屋(テン泊)・2日目 11時間45分 :聖平小屋 - 分岐 - 小聖岳 - 聖岳 - 奥聖岳 - 聖岳 - 小聖岳 - 分岐 - 西沢渡 - 便ケ島(聖光小屋)- 易老岳登山口 - 芝沢ゲート駐車場【沿面距離】31.3km【標 高】最低高度712m 最高高度3023m【累計高度】2816m(+) 2824m(-)
2018.06.27
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今日2018年5月1日は、日本百名山第86座目として、高山の山トモご夫婦と南アルプス光岳(2592m)に日帰りナイトピストン。一泊でもキツイと言われる光岳、しかも数年前に崩落した登山口までの林道の復旧状況の情報も少なく、もちろんヤマレコに投稿されている情報も古いものばかりで、残雪期に果たして日帰りが出来るのか?との一抹の不安も。これまでナイト経験も積んで、今回の光岳が百名山88座目の健脚の夫妻との3人パーティ、加えて、いつでも引き返す勇気も備えてるから、ダメなら引返すだけと決行を決めた。 【南アルプス最南端 光岳(2591.5m)】4月30日夕刻、愛知から中央道で飯田山本インターをおりて、国道152号を経由して下栗の里より林道を走り芝沢ゲートの臨時駐車場を目指す。林道の道幅は狭くはないが、至る所に落石がありタイヤを鋭角な石に乗り上げてパンクさせないように注意して運転。一度は目の前にこぶし大の石が落下してきて危機一髪!! 午後7時過ぎに150台程の駐車場スペースがある芝沢ゲート臨時駐車場に無事に到着。GWと言うのに、停まっている車は4台とバイク1台。月明かりで周囲の山々がハッキリ目視出来るほどで、明日の好天期待できる。コンビニで仕入れた夜食とビールで腹ごしらえ。後から合流予定のご夫婦到着までしばし仮眠。 午前2時前にご夫婦到着。急いで準備して午前2時20分クライムオン。ここからは林道の崩壊で徒歩で約4㎞先の易老渡登山口まで歩かねばならない。よほど酷い状況かと身構えての林道歩きであったが、崩落区間は、既に綺麗に修復されていた。しゃべりながらの4㎞、あまり長いとも感じず午前3時25分易老渡登山口に到着。易老渡登山口(標高880m)から遠山川を渡ると本格的な登山道となる。 面平まで10番までナンバリングした道標が掲示されている。ブサイクな熊注意の看板を横目に落葉で不明瞭な九十九折の急登な登山道を登る事、約2時間。ようやく面平(標高1480m)に到着。辺りも薄っすらと白み始めて来た。この面平は、檜の大木が生えているが、のっぺりと広いので、下山時、ルートを誤る可能性があるので、何度も振り返りながら地形を確認した。 この先も、今度は、易老渡登山口から易老岳まで30番までナンバリングした道標に変わった。10/30になっている。えぇ!まだ20もあるのかと気持ちが折れる。ほぼ直登の急登がこれでもかと続く感じ。途中馬の背を超えて標高2000mを越えると残雪が現れた。 2254mのピークにある唯一の岩場をトラバース。2300mを超えると完璧な雪山になったが、幸い北斜面で腐っていないので12本爪のアイゼンも効き、ほぼ予定のコースタイムで午前9時過ぎに易老岳(2354m)を通過。 ピークを超えたところで光岳でテンパクして来たと言う登山者に出会った。易老岳から光岳まで2時間40分の看板があるが、その男性は「4時間以上かかった。キツイ」と。確かに途中、シラビソの樹林帯や倒木が行く手を阻み、ピンクテープは皆無である。まさに藪漕ぎ状態。薄いトレースも迷ってる感じで当てにはならず、GPSを併用しながら尾根を外さないように三吉平までのルートファインディング。加えて日が上がるに従い、雪が腐っていて踏み抜き地獄で時間をロスした。 三平平から静高平までも急登の雪面が続く。振り返ると、あの深田久弥さんが崇高で清浄な山と評した、聖岳が美しい姿を見せてくれた。ようやく静高平まで登りつめると、左手に標高2540mのイザルケ岳が望めた。 途中の光岳小屋に着いたのは、午後1時過ぎ。芝沢駐車場を出発して実に11時間近くも経ってる。とりあえずチキンラーメンぶっ込み飯で腹ごしらえして、光岳に向かうが、これまたトレースも無く残雪とハイマツミックスをかきわめて直登。 ハイマツの植生は、日本最南端、これより南にはハイマツは無いと言う事に、そんなハイマツを自分の目で見られた事に感激。午後2時過ぎに、念願の光岳(標高2591.5m)に登頂成功。聖岳方向のみ視界が開けているだけのガッカリの眺望ではあったが、誰一人いない頂上、この残雪期に自分たちの力で、ここまで来れた事に感慨無量で涙出てきた。いつもはソロナイトであるが、3人での協力、励まし、そして個々の経験を総動員しての成功と言えよう。(僕らのパーティ以外に5月1日に光岳を目指した人はゼロであった。) 頂上でマッタリしたいところだが、日没までに最低でも易老岳までは戻らないと、遭難の危険もあるので記念撮影をして、直ぐに下山開始。易老岳に午後5時40分に登り返した。 午後7時前にはドップリと日が暮れて、再び、ナイトでの下山。特に、面平からの九十九折、こんなに登って来たのかと思うほど、疲れもありザレで転倒しないように、そして落葉で登山道を外さないように慎重に下山。午後8時43分に易老渡登山口に無事に下山。芝沢ゲートまでの4㎞は、行きに比べて、果てしなく長く感じられた。駐車場に午後9時58分着。添面距離で約23.9km。標高差2014m、行動時間約19時間半。距離が短い割には、コースタイムが長いのは、急登が多い事と登山ルートが極めて不明瞭な為だった。ナイト日帰りピストンの中では、三指に入るキツさだった。でも、そんな辛さも途中で諦めず、頂上を踏めたのも、ご夫婦のお蔭。ありがとうございました。さて次は。。。脳裏に聖岳が見えている。(笑)最後に。。。この時期に光岳を日帰りで登ろうと考えておられる方、やめておいた方が無難です。【コースタイム】(休憩・食事含む)(日帰りピストン)芝沢ゲート駐車場 ~ 易老渡登山口 ~ 易老岳 ~ 三吉平 ~ 静高平 ~ 光岳小屋 ~ 光岳・登り:11時間30分・下り: 8時間【歩行距離】・23.9km(沿面距離)
2018.05.13
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今日2017年11月6日、北海道の日本百名山に今年中には一歩でも踏み込みたいと、第86座目として、後方羊蹄山(しりべしやま)に意を決してアタックしました。お金もないので大宮から昼過ぎの北海道新幹線で新函館北斗駅へ、新函館北斗駅から特急スーパー北斗で札幌駅まで8時間。途中で、かにめし弁当を舌堤みで久々の電車旅を楽しみました。 札幌駅でレンタカーを借りて、羊蹄山の登山口である半月湖畔駐車場まで約2時間。途中、冬季難所である中山峠には周囲にはすでに積雪があり、月明かりに雪化粧した山々が白く輝いています。誰もいない比羅夫登山口駐車場には午前0時前に到着。 今回は、初めての北海道の山であり、かつわずか1898mの低山なのに荒れたら近づいたらアカン山と聞いてましたから、慎重を期して午前5時スタートとし仮眠。5合目から上は積雪の情報、単独峰ゆえに9合目から上は、遮るもの無く、時に、風速20m以上との情報にビビりながら午前4時50分クライムオン。駐車場では、無風。月も出ていてコンデションは悪くなく登頂に期待♬ この羊蹄山は単独峰で周囲をぐるりと国道が取り巻いており、かつ、沢が無いのでクマさんはいないとの事、でも万一に備えてクマ鈴を鳴らしながら真っ暗な登山道を登ります。眼下にはニセコの街並みの夜景が見えていました。 途中、二合目の手前の「風穴」を通過するあたりから、チラチラと積雪が出て来て、ネット情報よりも低い標高からの積雪に、ちょっとマズそうな予感です。 2合目を超えると夜が明け始め対面の300名山であるニセコアンヌプリが見渡せます。その後、標高100mを刻む毎にだんだんと風が出て来て、標高1000m超えるあたりからガスで真っ白な上に、頭上のシラビソはゴゴーと不気味な風切り音。 ハイマツのトンネルにさしかかると夕暮れのように暗くなって来ました。積雪は40cmを超え、水分を含んで重く、足取りもスローダウン。風音は耳を塞ぐほど。登る毎に風速は100m毎に1m/hずつ増えて行くと肌で感じました。 はるばる北海道まで来たから、是が非でもという思いと、先に登ってもガスって頂上での眺望も期待できないでしょうし、ここで無理して突っ込んで暴風に吹っ飛ばされて滑落でもしたらという思いに挟まれ、7合目まで登ったものの午前9時に早々に撤退を決めました。 早すぎる引き返す勇気に、自分が嫌になりましたが、またの機会を楽しみに下山を開始です。下山途中、暗くて周囲が見えなかった樹林帯、けっこう倒木が多いのに驚きました。後で調べてみると今年の台風18号で根こそぎ倒れてしまったようで一時は通行止めになっていたらしいです。無残な姿で痛々しい思いがしました。 午前11時40分無事に登山口へ下山。そこへ丁度、ゴールデンレッドリバーを連れて散歩にこられた外国人女性にばったり。Excuse me. Can you speak English?と声をかけていただき談笑。聞くところによればフィンランドからニセコに移住され、ニセコでPAROMCAMPSというネーチャーガイトの会社を運営されているCEOでした。ふだんは、羊蹄山などでバックカントリースキーツアーや登山ガイドをされているとの事でした。ヨーロッパアルプスも是非登ってみてね!!と。俄然、ヨーロッパアルプスにも登ってみたくなりました。別れ際には、次回、羊蹄山に登るときは、私の家に立ち寄ってくださいとご招待も受けました。羊蹄山こそ頂上は踏めませんでしたが、こんな心温まる出合いに感謝です。 結局、頂上の雲は夕方まで取れる事はありませんでしたが、この雲の中には魔物が潜んでいると言う形容は、正しいと思います。雲が頂にかかっている時は、頂上付近は暴風だと思われます。低山と言え北海道の冬山は、アルプス以上の注意を払う必要があると思いました。次回は、晴天、無風にリベンジしたいものです。 帰りは、ニセコ駅前の奇麗乃湯に立ち寄るも、改装中で入浴できずガッカリ。早々に札幌に戻ってホテルにチェックイン、好物のサッポロ味噌ラーメン「白樺山荘」と「札幌みその」を縦走してました。 帰りも札幌からスーパー北斗、北海道新幹線と乗り継ぎ、約8時間をかけてさいたまに帰宅しました。次回は、いつリベンジしようか、今から楽しみです。 【コースタイム】比羅夫コース(ピストン) 比羅夫登山口 ~ 羊蹄山七合目(撤退) ・登り:4時間10分 ・下り:2時間45分【歩行沿面距離】7.4km
2017.11.12
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今日、9月29日は、先月末、北アルプス鷲羽岳から水晶岳(黒岳)への縦走が、新穂高温泉への国道のがけ崩れで夜間通行止めで断念した水晶岳に、日本百名山第85座目としてリベンジして来ました。 【水晶小屋方面から稜線伝いに水晶岳を望む】午前3時15分新穂高登山指導センターで登山届を投函、出発です。前回は雨模様でしたが、今回は、頭上には星が輝き、素晴らしい山行の予感です。 左俣新道を歩く事、約1時間、午前4時15分、笠新道登山口に到着、私のお気に入り水場で給水です。ワサビ小屋に午前4時30分に到着、トイレと軽く朝食を済ませ、先を急ぎます。辺りが白じゃけて来た午前5時17分、小池新道登山口に到着です。ここから本格的な登山道になりますが、河原のガレ場であり歩きにくい登りが続きます。 ひと月前に登っている為、ペース配分はわかっているので、順調に高度を上げてゆく事が出来ました。秩父沢、チボ岩、イタドリケ原、シシウドケ原を経由でして、鏡平に午前8時17分に到着。 あいにく槍の頭は、ガスっていて、鏡平池の逆さ槍も楽しむ事は出来ませんでした。今日は、好天を期待していたのですが、裏腹に天気はどんどん崩れていく感じでした。鏡平小屋を過ぎ、弓折乗越に午前9時46分に到着。今にも泣きだしそうな空に、やっぱり雨男は健在だったとガックリ。 双六小屋への稜線部では、ガスと雨でレインを着込むほどに。テンパク装備でのレインウェアでの行動は、動きにくいし暑いし、重いしでテンションは下がりまくりです。もう脳裏は、「双六山荘でテンパクしてビールが早く飲みたい!!」この気持ちで一杯です。双六山荘が目視できる地点を超える頃からは風も強まり、テン場には、わずか2,3張りのテントが設営されているのみ。地形的に、この双六山荘のテン場は、風が強い事も有名です。テントは、時折の突風にバタついていました。ここに今日設営しても、明朝、テントを撤収して、三俣山荘で、再度、テントを設営、その後、水晶岳にアタックするのは、とても面倒な気分になってきました。午前11時30分に双六山荘に到着、トイレを借りて小休止、再度、今日、明日のスケジュールを確認、やはり三俣山荘まで登ろうと決心、但し、三俣蓮華岳は、先月、登っているので、迷わず巻き道を選択です。 巻き道に午前11時55分に到着、幸いにも、天気は急速に回復、周囲の紅葉や三俣蓮華岳、鷲羽岳なども望めるようになりました。巻き道は、先月、下りで使った時は、楽な気がしましたが、登りで使うと、けっこうダラダラと登りが続き、ツライものがあります。午後2時過ぎに、ようやく三俣蓮華ルートと巻き道ルートの分岐点に出ました。 あたりはすっかり青空になり、また、素晴らしい鷲羽岳、そして、今回の主目的である水晶岳を望む事ができました。午後3時前、無事に三俣山荘に到着です。前回は、テン場には、たくさんのテントが張られていましたが、今回はまばらです。それもそのハズで、気温が低い上に、相変わらず風が強く、山荘のスタッフによれば、昨晩もあまりの低温に、テンパクを諦めて小屋泊にした人たちもいたとか。こんなに寒いとは思っていなかったので、テンパクも冬装備では来ていませんでした。小屋泊は、8年前の日本百名山2座目の富士山で、台風直撃の為、ビバークで宿泊した小屋で、100kgを超える思われる巨体でイビキのうるさい人が隣で一睡もできず、それがトラウマとなって、それ以来、テンパクを押し通して来ましたが、今日は、明日の水晶岳の頂を踏む為にも、体調を万全にしようと小屋泊を決意しました。宿泊料は、素泊まりで5500円。テンパクなら1000円で4500円も高いんです。ただ宿泊者が少なく、ふとんベット2人分に一人のスペースで使う事が出来、あの富士山のトラウマを払しょくする事が出来ました。とりあえず明日の水晶アタックの為のザックを準備してやれやれ。ビールを買いに行くと、「今ヘリで上げたばかりで、常温で冷えてないですがいいですか?」「・・・・」もう冷えていなくてもビールはビール、「ロング缶1本ください」と。900円の冷えてないビールでしたが、冷えた体には、ちょうど良い温度で、疲れた体に染み入りました。 談話室での会話に交じると、流石に観光の山ではないだけあって会話のレベルの高さに、たじたじ。北アルプスを歩き尽くしているような人もいて、まだ踏み込んでいない山域へのコース取りも教えてもらう事が出来、とても有意義な夕刻を過ごす事が出来ました。午後5時前に、早めの夕食を調理場で作り腹ごしらえ。小屋はストーブが焚かれていますが、シンシンと寒くなってきます。この寒さではテンパクは、さぞかしキツかったと小屋泊正解だったと自分に言い聞かせ、午後7時前には早々とふとんに潜り込みました。昨日から36時間ぐらいまともに寝ていない事もあり、いつの間にか就寝していました。 翌日は、午前3時に起床、手早く朝食を済ませて、午前4時10分、真っ暗な中、黒部源流点経由で水晶岳を目指します。頭上は満天の星、気温は氷点下5℃以下、幸い風はおさまっていて、体感気温もそれほど低くは感じません。黒部源流点までは、沢沿いの登山道を下ってゆく事になりますが、沢のしぶきがところどころ凍っていて、気を抜くと転倒の可能性もあり慎重に先を進みます。午前4時57分墓石のような黒部源流点の標に到着です。 ここから、次の目標の岩苔乗越をめざします。夜明けと共に、周囲の山々が目視できますが、どれも山体がデカイ為、目標が見えていても、なかなか到達する事が出来ず、想像以上に疲れます。 午前6時49分、岩苔乗越に到着です。登ること約10分、ワリモの分岐点に到着です。ここからは、稜線沿いに水晶岳が目視できますが、まだまだ距離を感じます。稜線部は、ゆるやかなアップダウンを繰り返し、野口五郎や烏帽子岳など裏銀座と呼ばれる山域の山々、そして、眼下には、雲ノ平が広がり、すばらしい眺望を楽しむ事ができました。 途中、水晶小屋に午前7時45分に到着、すでに営業は終了しており無人化してひっそり。 水晶岳の頂上直下の登山道周辺には、キラキラと輝く水晶が顔を出していました。鉱物(水晶)を採取する事を禁じるとの立札がありました。 さらに登ること5分、午前8時25分念願の水晶岳(黒岳)北峰(2986m)にリベンジ登頂成功です。三角点は、10分ほどの南峰(2977.9m)にある為、こちらにも足を延ばして、水晶岳を完全制覇、涙ものの感激でした。 しばし360度の絶景を楽しみ、次の目標である鷲羽岳へ向かいます。鷲羽岳へは、一旦、ワリモ岳に登り返し、再度、下って、鷲羽岳へ登り返すというルートですが、鷲羽も山体がデカイ為、見える頂上になかなか着かず、けっこうツライ登りでした。 午前10時55分、無事に鷲羽岳(2924m)頂上に登頂成功です。まさかひと月で、この山に2度登れるとは思ってもみなかったので感無量でした。前回に比べて、雲が多かったものの槍をはじめとする周囲の北アルプスの山々はもちろんの事、遠くは富士山の山影も確認する事が出来ました。景を楽しみながら昼食は最高でした。 ガレ場の登山道を下る事、約1時間半、無事に、午後1時過ぎに三俣山荘に戻ってくる事が出来ました。まだ時間が早いので、明日の事を考えると、このまま双六小屋まで下山してしまうのも一案ですが、天気も良く、双六小屋が、ほぼ満室との情報もあり、比較的空いている双六小屋に居座る事を選択、連泊を決め込みました。連泊の場合は、1泊500円引きの5000円との事、その分をビールに充てた事は言うまでもありません。時間は持て余すほどたっぷり、ストーブのある暖かい談話室に入り浸って、諸先輩方の山談義に耳を傾けていました。小屋は昨日に比べて混んではいたものの昨日と同様に、ふとんベット2人分に一人のスペースで使う事が出来、しかもイビキの静かな人たちばかりで快眠をとる事が出来ました。翌日は、午前2時起床、午前3時に出発、巻き道を使わずに三俣蓮華岳経由の稜線コースを選択しました。真っ暗な三俣蓮華岳への登りは、急登のガレ場ですが、先が見えない為に、それほど苦痛も無く2度目の頂上に午前4時11分に立つ事が出来ました。ただ氷点下の中、じっとしていると、すぐに強烈な寒さが襲ってきます。 休憩もそこそこに、稜線部を双六小屋に向けて下山を続けます。白じゃけて来た空の下には、槍のシルエットがクッキリ。素晴らしい日の出を迎える事が出来ました。 午前6時14分、双六小屋まで無事下山、双六小屋のスタッフによれば、昨晩は満室では無かったものの、やはりかなり混んでていたとの事、三俣山荘泊で正解でした。次の目標は、約3km先の鏡平小屋です。途中、10cmほどの霜柱の絨毯が、朝日に輝き、キラキラとても美しいものでした。 午前8時14分、鏡平池に到着。今日は、念願の逆さ槍もクッキリと見る事が出来ました。 ここから先は、ひたすらわさび平小屋まで下るのみですが、これでもかと続く階段状の岩岩にうんざり。もう飽きた、早く下山したいという思いだけで、疲れ切った足、痛みの走る指先、その辛さを受け流して先を進みます。正午、無事に、新穂高温泉に下山、下山届を提出して、ひがくの湯温泉に。 丸3日の疲れと汚れを洗い流してさっぱり。この温泉は入浴料700円、泉質も良く、浴槽も広い上に、登山者の湯には、リンゴが丸ごとプカプカ、リンゴの甘い香りも楽しむ事が出来ました。加えて登山者には嬉しい歯ブラシや髭そりなどのアメニティも充実。加えて、なんと食べ放題のうまか棒、昼食替りになってしまいました。因みに、持ち帰りは5本までです。これからも、この温泉を愛用しようと思いました。今回の山行は、テンパク予定が、山小屋泊と想定外のものになってしまいましたが、山小屋の良さも体験する事が出来、今後は、テンパクと山小屋ミックスで、更に深い山に踏み込んでみたいものだと思いました。【コースタイム】1日目:新穂高温泉 - わさび平小屋 - 鏡平山荘 - 双六小屋 - 三俣山荘2日目:三俣山荘 - 黒部源流点 - 岩苔乗越 - ワリモ北分岐 - 水晶小屋 - 水晶岳 -水晶小屋 - ワリモ北分岐 - ワリモ岳 - 鷲羽岳 - 三俣山荘3日目:三俣山荘 - 三俣蓮華岳 - 双六小屋 - 鏡平山荘 - わさび平小屋 - 新穂高温泉【歩行距離】・歩行添面距離:45.2km・累積標高差:登り:3,441m 下り:3,471mそれにしてもやっぱり遠いし、累積標高差は半端無かったです。
2017.10.15
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今日8月26日27日、日本百名山第84座目として北アルプス鷲羽岳(2924m)と日本二百名山第??座目の三俣蓮華岳(2841m)にソロテンパクでアタックしてきました。 【鷲羽岳】今回は新穂高温泉からのアプローチを選びましたが、新穂高温泉に通ずる国道471号線は、先日の豪雨で土砂崩れと落石の危険があると夜間午後8時30分~午前5時まで夜間通行止めとの高山の山トモの事前情報があり、8月25日午後6時過ぎに通行止め区間を無事通過、小雨模様の中、午後7時前に、いつもの深山荘横の登山者専用駐車場に到着です。駐車場はここ1週間天気が不安定だった為か、ハイシーズンにもかかわらず、駐車率は70%程度でした。 【夜間通行止め区間】 【新穂高温泉 登山者専用無料駐車場】とりあえず夕食のカツ丼とビールで、明日からの登頂の成功を祈って腹ごしらえ、早々に仮眠に入ったものの車のボディを叩く雨音でうつらうつら。午前0時過ぎに起床、まだ小雨が降り続いており、またもや雨男炸裂とテンションは超低く、のたのたと出発準備です。小雨模様の中、午前1時過ぎに駐車場を出発、新穂高登山指導センターで登山届を投函、左俣林道から最初の目標である笠新道登山口をめざします。幸運な事に雨も止み、予定通りのコースタイムで到着。この登山口にある水場で給水です。 【左俣林道 ゲート】ここから先は未知の世界。次の目標はわさび小屋です。約10分ほどで静まり返った小屋に午前2時47分に到着、パンを頬張り小休止です。 【わさび平小屋】午前3時14分、いよいよ本格的な登山道となる小池新道分岐点に到着です。この登山道に入った途端に雨風が強まりガレ場の登山道は、登山道か沢なのか、まったく区別がつかないような状況。 【小池新道入口】秩父沢出合、チボ岩、シシウドケ原まで、夏場はいくつかの沢に木製の橋が架けられていますが、水位はその橋を洗うぐらいで、凄まじい水流と轟音に、流されたたら命無いなぁと、あの2年前の11月の常念岳の一ノ沢で流されたトラウマで、ついつい慎重になります。標高が2000m超えたシシウドケ原では、寒冷前線が通過した為か、気温も急速に低下し、汗冷えと風雨で体が冷やされて、身震いする寒さに、低体温症になるとヤバイなぁと思いながら、ともかく鏡平小屋まで頑張ろうと先を急ぎますが、かなりの急登が標高差300m続き、なかなか到着しません。 【秩父沢】 【沢が濁流に】 【チボ岩】 【ガレ場が続く】 【普段は枯渇している沢が激流に】 【イタドリケ原】 【標高2000m超えて雪渓が見えてきた】 【シシウドケ原】 【鏡平まで500m地点】 【鏡平小屋まで、あと5分】ようやく標高2300mの鏡平池に午前6時50分に到着です。ガスってはいるものの雨も上がり槍ヶ岳や周囲の山々も望めるようになりました。鏡平池から5分ほどの鏡平小屋でずぶ濡れの衣類を着替え用と小屋で、少し着替えをさせて欲しいと頼んだところ、「今日、宿泊されますか?そうでなければ小屋をご利用頂くことはできません。」と冷たい返事。仕方がなく小屋の前のベンチで、他の宿泊ツアー登山者が出発準備している中、あまりの寒さに、恥ずかしいなんて言ってられず一目をかまわず着替え。ようやくホット一息。 【鏡平池】 【鏡平山荘】 【樅沢岳方面を望む】 【槍ヶ岳を望む】天気も急速に回復しつつあり、見上げると槍ケ岳や穂高連峰、弓折岳、樅沢岳、左俣岳などぐるりと見渡せます。竹弓折乗越に到着した午前8時30分には、時折、日が射しはじめました。 【槍ヶ岳】 【弓折乗超から槍を望む】 【大好きな槍とツーショット】 【弓折岳分岐点】双六小屋までは稜線歩きとなり、以前に登った槍ヶ岳とその頂へ連なる尾根を追いながら思い返していました。双六小屋までは、目視はできるので近いようですが、なかなか着きません。午前9時45分に双六小屋に到着。天気が悪かった為か、テント場で露営している人はゼロ。後から聞くところによれば、このテン場は、天気が崩れると凄まじい風が吹」」き抜けるとの事で、テン泊するなら二俣山荘が良いとの事でした。 【笠ヶ岳を望む】 【花見平】 【双六への稜線部】 【双六小屋と鷲羽岳を望む】 【鷲羽岳と奥に水晶岳を望む】 【双六小屋とテン場】 【双六小屋】双六小屋で、トイレと給水を済ませて、三俣蓮華岳を目指します。今回、テン泊装備なので、双六岳はパスして、中道を選択しました。 【稜線・中道・巻道分岐点】 【中道分岐から鷲羽岳を望む】 【中道登山道】 【中道から稜線部を望む】 【双六小屋取水地1】 【双六小屋取水地2】三俣蓮華岳への稜線部は幾度か上り返しがありますが、その稜線部の風の強い事と言ったら、重装備の体ですら振られる程です。でも先日登った黒部五郎などの周囲の山々をぐるりと見渡せる素晴らしい眺望です。 【鷲羽岳が近くなって来た】 【振り返ると登って来た稜線の向こうに槍♪】 【広々した稜線部は草原】 【中道・稜線ルート分岐点】 【三俣蓮華岳を望む】 【三俣蓮華岳を望む1】 【三俣蓮華岳とツーショット】 【稜線部からの眺望1】 【稜線部からの眺望2】 【稜線部からの眺望3】 【野口五郎岳を望む】 【稜線部から鷲羽岳を望む】 【稜線部から巻道を望む(下山で利用)】 【稜線部から槍ケ岳を望む】富山県、岐阜県、長野県の県境で日本ニ百名山の三俣蓮華岳の頂上(2841m)に12時45分に登頂です。この頂上から鷲羽岳の鷲の羽ばたきを思わせる山姿が素晴らしく身震いするぐらいの感動です。視線を落とすとテン泊予定の三俣山荘が豆粒のように見えます。 【三俣蓮華頂上直下】 【三俣蓮華頂上(2841m)】 【鷲羽岳と三俣山荘】 【三俣蓮華三角点】 【鷲羽岳を望む】 【三俣山荘を望む】 【三俣峠】 【三俣山荘とテン場】新穂高温泉を出発して実に13時間、三俣山荘に午後2時前に到着。休憩もそこそこに、鷲羽岳が一望できるテン場を確保、30分ほどで設営完了です。ビールでも飲んで、ゆっくりしたいところですが、時間も押している為、そのままアタックザックを担ぎ、鷲羽岳に取り付きます。 【鷲羽岳稜線部】 【鷲羽岳稜線部から槍ケ岳を望む】 ガレ場を九十九折りに登りますが、もう山体がデカ過ぎて、なかなか頂上が近づきません。午後4時過ぎに誰一人いない鷲羽岳頂上(2924m)に登頂成功です。西側には槍の穂先が天を突き、眼下には鷲羽池が周囲の山々を映し出しています。東側には、次の目標の百名山である黒々した水晶岳が望めます。この素晴らしい眺望に、このロングを登って来れた自分に、思わず涙が出てくる感動を覚えました。 【鷲羽岳頂上(2924m)】 【鷲羽岳頂上より槍ヶ岳を望む】 【鷲羽岳頂上から黒部五郎岳を望む】 【踏めなかった水晶岳(2978m)】 【鷲羽岳三角点】 【鷲羽岳頂上標と槍ヶ岳を望む】 【鷲羽池1】 【鷲羽池2】 【降りてみたかった鷲羽池】もう日が暮れかかっている中、日本百名山第85座目となる水晶岳にアタックするか迷いました。このまま疲れた体で、約2時間をかけて突っ込むのは危険と判断、止む無く山荘に戻る事を決断しました。 【鷲羽岳のガレ場から三俣山荘を望む】 【黒部川源流点】午後5時30分に山荘に下山、すかさずビール850円で購入、サラミをツマミに至極の一杯。日が暮れると寒いのなんのって、山はもう冬の装いです。トイレは山荘の中にありますが、ストーブが焚かれていて、その暖かささに、小屋泊の登山者の皆さんが羨ましく感じられました。寒さに震えながらテントに戻り、夕飯は、ちゃんぽん麵鍋で体を温めました。 【待ちに待った至極の一杯】 【ちゃんぽん鍋とサラミ】 明日のアプローチを夕飯を食べながら検討です。明朝、午前2時に出発し黒部源流点経由で水晶の頂を踏み、テン場を午前9時に撤収すれば、なんとか午後8時までに新穂高駐車場に下山できるかと考えました。しかし、もし午後8時までに間に合わないと、現在県道が夜間落石通行止め(午後8時30分〜午前5時)に足止めされ月曜日に会社に出社できない危険があります。かと言って慌てて下山して、途中で怪我でもしてはいけないと、泣く泣く水晶岳アタックは諦めて、まったりと下山する事にしました。翌朝は午前4時に起床、鷲羽岳のシルエットを見ながら朝食にビーフシチューとパン、コーヒで夜明けを待ちました。テント撤収後、午前5時過ぎに長い下山の一日の始まりです。 【ビーフシチュー朝食】 【テン場撤収完了】 【テン場から鷲羽岳を望む】 【夜明けの槍ヶ岳】 【鷲羽岳とご来光】日が昇るにつれて、優しい日差しは、灼熱化、ジリジリした暑さに変わってきました。帰りは三俣蓮華山頂を経由しない巻き道を利用してショートカット。双六小屋に午前7時30分過ぎに到着し、給水と行動食を頬張り、トイレを借りて更に下山を続けます。 【三俣蓮華岳1】 【三俣蓮華岳2】 【三俣蓮華岳3】 【三俣蓮華稜線ルートを望む1】 【三俣蓮華稜線ルートを望む2】 【巻道ルートから鷲羽岳方面を望む】 【眼下に双六小屋を望む】 【双六小屋】 【双六小屋テン場】 【笠ヶ岳方面稜線部】 【眼下に鏡平山荘】 【樅沢岳方面の稜線部】午前10時過ぎに、鏡平池に到着です。池に映る逆さ槍が素晴らしく天気に感謝です。逆さ槍が写せる絶景ポイントを居合わせた登山者の方に教えてもらい、ベストショットが撮影できました。 【鏡平池と槍ヶ岳】 【槍ヶ岳と逆さ槍ヶ岳】いつまでの眺めていたい衝動を抑えて、下山を続けます。膝への負担も大きく痛みを押しながら、ようやくわさび平小屋に、午後1時過ぎに到着、ツアー登山者でごった返しており、トイレ休憩のみでスルー、笠新道登山口で遅い昼食のカップラーメンを食べて一息。最後の林道歩きは、自分でも信じられない快調さで40分で新穂高温泉登山指導センタ-に無事下山、下山届けを提出して、午後3時10分、無事に新穂高温泉駐車場に下山しました。 【小池新道入口に下山】 【左俣林道ゲート】 【無事に新穂高温泉に下山】2日間の歩行沿面距離は38km。累計高度は3000m超えでした。1泊のテンパク距離、累計高度差としては最長となりましたが、一方でテンパク装備での自己の行動限界を見た気がしました。今回、諦めた水晶岳、近いうちに登ってやる!!と決意を新たに、埼玉への帰路につきました。因みに、国道の夜間通行止めは、すでに解除されているとの事です。 【国道の片側通行深夜通行止め箇所】【出会った花たち】 【コースタイム】【1日目】新穂高温泉(01:15)・・・笠新道登山口(02:21)[休憩 5分]・・・わさび平小屋(02:48)[休憩 10分]・・・小池新道登山口(03:20)[休憩 5分]・・・秩父沢出合(04:42)[休憩 5分]・・・シシウドが原(06:09)[休憩 5分]・・・鏡平山荘(07:20)[休憩 15分]・・・弓折乗越(08:41)[休憩 15分]・・・双六小屋(10:02)[休憩 10分]・・・三俣蓮華岳(12:35)[休憩 15分]・・・三俣山荘(13:34)[休憩 60分]・・・鷲羽岳(16:02)[休憩 20分]・・・三俣山荘(17:17)【2日目】三俣山荘(05:00)・・・双六小屋(07:28)[休憩 20分]・・・弓折乗越(08:59)[休憩 5分]・・・鏡平山荘(09:48)[休憩 15分]・・・シシウドが原(10:47)[休憩 5分]・・・秩父沢出合(11:47)[休憩 5分]・・・小池新道登山口(12:36)[休憩 5分]・・・わさび平小屋(13:03)[休憩 10分]・・・笠新道登山口(13:29)[休憩 30分]・・・新穂高温泉(14:48)【歩行データ】(休憩含む)・沿面距離 38km・累計高度(+)3012m・累計高度(-)3001m・平均速度 1.0km・最高速度 5.9km
2017.09.10
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2017年7月15日、日本百名山第83座目として黒部五郎岳(2840m)を選び、日帰りピストンして来ました。百名山の中で、日帰りピストン難易度4位らしく、山トモも、これまで山は200座登ったけど一番キツかったの言葉も併せて、一抹の不安が(;´Д`A登山口は、飛越トンネル登山口を選びました。登山ルートとしてメジャーなのは、折立登山口となりますが、折立登山口は有料林道を通らねばならず、かつ午後8時から午前6時まで通行止めなので、私の行動パターンから除外です。午後11時過ぎに飛越トンネル登山口に到着、駐車場には先行車は1台のみ。このハイシーズにもかかわらずひっそりです。 いつもならナイトで午前零時ぐらいに出発するところを、体力の温存を考え、少し仮眠して、夜が明けきらない午前4時7分、登山口である飛越トンネル登山口から飛越新道でクライムオン。 最初の目標は寺地山(1996m) です。湿潤でグチャグチャの登山道、何度か足がズボッ(>_<) 登山道脇には、ニッコウキスゲを始め、高山植物は豊富で、目を楽しませてくれました。ここから、ようやく目指す黒部五郎の頭が、手前の北ノ俣岳(2961m)の後にちょこんと見えてます。「うわっ、遠!!」 次の目標は、北ノ俣避難小屋となります。小屋の手前までは樹林帯となりますが、その樹林帯を抜けると北ノ俣岳まで一挙に視界が開け、草原が続いています。北ノ俣避難小屋との分岐点に、午前7時37分に到着です。 その北ノ俣避難小屋との分岐から階段状の木道になりますが、整備されていないのでガタガタのシーソー状態。気を付けないとバランスを崩して転倒する可能もあります。その先もガレ場がこれでもかと続き、夏の日差しが肌を突き刺し、クラクラしてくる感覚に水分補給をこまめに取りながら高度を稼ぎます。 遠く眼下には有峰湖が見えています。因みに、この有峰湖の北端に折立の登山口があります。登山口から約6時間、ようやく薬師岳と北ノ俣岳(2661m)の縦走路の分岐に到着です。黒部五郎岳はもちろん、薬師や赤牛、水晶、その奥に、大好きな槍がそびえています。どれも山体がデカイ!! 約10分ほどで、誰もいない北ノ俣岳(2661m)に午前9時52分に到着です。ここから黒部五郎岳までは、赤木岳(2622m)に一旦、登り返して、中俣乗越に下って、また黒部五郎の本丸に登り返さねばなりません。 ピークとコルの連続です。この残りのコースタイムは、2時間50分。ガスっていて、またもや雨男炸裂か?とテンション下がります。ともかく先を急ぎます。ところどころ雪渓がありますが細って来ているのでアイゼンは不要でした。 途中で不覚にも雪渓渡りで道迷い、地図上のコースタイムよりも約10分遅れの午後1時25分、無事に黒部五郎岳に登頂。実に出発して9時間20分の時間を要しました。登られてる方は、数組のパーティのみでしたが、1組を除いて、皆さん黒部五郎小舎泊まりとの事でした。黒部五郎小舎は、頂上から、五郎のカールの先の谷底に米粒のように見えます。小屋までのコースタイムは、1時間40分のようですが、時間があれば、まったり宿泊してみたいと思いました。 頂上での絶景をしばし楽しみ、午後2時に下山開始です。北ノ俣岳(2961m)へ下山を開始してしばらく、急速に天候が崩れ、ガスってルートも不明瞭になるぐらいでした。途中で出会ったソロの方は、薬師からの縦走中との事、「今日は、諦めてココでビバークします!!」と。。。途中、遠くに雷鳴も聞こえ焦りますが、やや天気も持ち直したので、ともかくは腹ごしらえと、北ノ俣岳頂上を越して、薬師岳と北ノ俣岳の縦走路の分岐点でカップヌードルで一服。 午後5時に再び下山を開始します。夏場なので、日没するまでには約3時間ありますので、飛越新道との分岐であり標高1842mまで、真っ暗になる前に下山を目指します。相変わらず雷鳴と怪しい雲が湧き出していますが、焦りは禁物と慎重に下山、最悪は北ノ俣避難小屋で一泊でもと思いながらも、幸い雷も収まりました。 午後9時20分に無事に下山しました。後で山トモに聞くところによれば飛越新道は熊が多いとの事、鉢合わせして喰われなくて良かったと。。。下山後、ビール「頂」で一人乾杯。至極の一杯であった事は言うまでもありません。そのまま登山口駐車場で、いつのまにか爆睡していました。 今回の山行は天気が良くて、酷い日焼け土産を持ち帰る事になりましたが、北アルプス最深部の一部を歩き通せた事で、残す北アルプスの最深部の水晶、鷲羽、薬師へのアプローチへの自信につながりました。 翌日は、宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館で汗を流し、ひだ娘蕎麦で腹ごしらえ、その後、宇津江四十八滝を散歩、夕刻、高山の山トモご夫妻と談笑し、埼玉に全線下道で帰宅しました。 【出会った高山植物】 【コースタイム】(休憩、食事含む)飛越トンネル登山口 ー 寺地山 ー 北ノ俣避難小屋 ー 北ノ俣岳 ー 赤木岳 ー 中俣乗越 ー 黒部五郎岳(日帰りピストン)17時間13分【歩行距離】27.9km(沿面距離)【累計高度】2539m
2017.07.23
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今日2017年6月30日は、日本百名山第82座目となる越後駒ヶ岳(2003m)にクライムオン。あいにくの天候、でも何度でも登ってみたい。そんな衝動にかられる素晴らしい山でした。雨が降ったり止んだりの国道17号を埼玉から南魚沼市を経由、6月にようやく冬季閉鎖解除された国道352号線(別名樹海ライン)を走り登山口となる枝折(しおり)峠、標高1065mに午前1時30分に到着。30台ほど駐車できる駐車場は、先行で小屋泊されていた方の1台のみ。今回は、天気が悪くご来光も望めないので、ナイトでの出発は諦め、寝酒にワインを一杯飲んで仮眠。時折、雨が車のボディを叩き付けて起こされ、うつらうつら。午前4時45分に起床、相変わらず弱い雨が降り周囲はガスっています。手早く朝食と着替え、午前5時30分に登山ポストに登山届けを投函して出発です。 最初からレインウェアを着て登る事に、気分は超ローテンション。最初の目標地点は、明神峠。コースタイムは40分。途中、いきなり残雪に木道が塞がれ、えっ、もう残雪かぁ?先が思いやられるとブチブチ独り言を言いながら残雪を乗り越えます。 5分ほどで銀の道との分岐点ともなっている枝折大明神さまの祠に午前6時3分に到着。安全登山を祈願して、次の目標である道行山(1298m)に向かいます。 標高差は、約100mぐらいの登りです。汗ばんで来てレインウェアがうっとおしくなって来ました。樹林帯で眺望もありません。午前6時8分明神峠に到着。降っていた雨も止み、目を東に向けると遥か先に目指す越後駒ヶ岳がドーン、左手には日本ニ百名山の中ノ岳(2085m)がどっしりとした姿を見せてくれています。話に聞いていたもののナイトで無いので、目標の越後駒ヶ岳が目視できる事で、その遠さも然る事、頂上部がガスっていて、荒れている予感。やはりテンションが上がりません。 次の目標は、小倉山(1378m)です。ここも標高差100mぐらいですが、大小のコル、ピークの繰り返し。時折、残雪が登山道を消し去り、このところの雨の為かトレースも無く、ザラメと氷結した残雪を慎重に通過します。そんな雪解けの水が登山道をぬかるみ状態にして歩きにくいのです。途中の残雪に埋もれた湿原の木に目をやるとツララが!? この季節にツララか?と思って近くによるとゼリー状のカエルの卵である事がわかりました。これも豪雪地帯である湿原で生き抜く為の知恵なのでしょうか、ポタリポタリと、このゼリーごと下の湿地に落ちて孵化、オタマジャクシになるのでしょう。今年初めて蝉のヒグラシも姿を見せてくれました。冬、春、そして夏が同居している不思議な自然を楽しむ事が出来ました。 登山道は、イワウチワやコケモモなど次々に違う高山植物が癒してくれます。特に、エンレイソウは、これまでに見た事がなく、ようやく出会う事が出来ました。別名ユウレイタケと呼ばれていますが、そっと触ってみると想像しているより硬い、しっかりした花でした。 途中で昨晩駒ノ小屋に宿泊され下山されて来られた登山者の方に出会いました。「天気も悪いから今から登るんじゃ大変だ~」の言葉に、「ともかく頂上を踏めれば良いですから」と挨拶。先を急ぎます。 午前8時53分に小倉山に到着。ここまで来れば、次の目標は、前駒(1763m)を経て駒ノ小屋です。標高差は約300mですが、ガスガスで眺望はありません。時折、雨風が強くなり、加えて周囲の残雪がどんどん増えてきて、果たして登り切れるか?との一抹の不安が。前駒を超えると夏道は残雪の飲み込まれていて、行く手を完全に塞がれました。よく周囲を観察すると、うっすらと赤ペンキで別ルートが確認できました。かなりの急登の岩場をよじ登ります。以前は、鎖が設置されていたようですが、今は錆びついたアンカーだけが残っています。このアンカーを手掛かり最後は小笹をかき分け駒ノ小屋に午前10時13分に到着です。 幸いにも雨も上がり風も無風。時折、日差しも出て来て、天が味方をしてくれてる感じです。人気の無い静まり返った小屋で10分ほど休憩しました。さて頂上アタックです。標高差は100m程度です。途中は夏道で、このまま頂上を目指せるのかと思っていたのですが、頂上直下で、雪渓にまたもやゆく手を阻まれました。ガスが時折晴れると、マーカの竹が一本だけ雪面に突き刺さっていて、方向だけは定める事が出来ました。稜線まで這い上がれば、そこを右に進めば頂上まで100mほどである事は地図上で確認していましたので、ともかく稜線まで直登です。最後の20m程が急峻で軽アイゼン出すか迷いましたが、キックステップで足場を3点確保でなんとか稜線部に登りヤレヤレです。稜線部にも一本のマーカの竹が突き刺さっていました。稜線部は、ガスに加えて風がけっこう強く吹いていて、ガスが晴れたと思うとあっと言う間に真っ白けを繰り返しています。予定通りコースを右に取り5分ほど、ガスが晴れると、何やら笹藪の向こうに道標らしきものを発見。頂上の標である事を確認するも笹薮が行く手を塞いでいますが、そのまま藪漕ぎして頂上を目指します。途中で足元に目をやると、なんとマムシが這っているではありませんか!スパッツの上にレインも着込んでいる為、噛まれる不安も無いので、そのまま刺激しないようにやり過ごし、午前11時に無事に登頂です。 誰もいない頂上には、猿田彦大神像が祀られていました。あのマムシは猿田彦大神様の化身かもしれません。頂上は、時折、ガスが晴れると、正面には、残雪のコントラストが素晴らしい八海山がドーンと望めます。360度の眺望は、息を飲む美しさがあり、82座の百名山の中で、大好きな頂上の1つに数える事が出来ると思いました。ずっと頂上に居たいと言う思いも、いつ天気が崩れるかわからないので、記念撮影して下山開始です。あの稜線からの雪渓は、シリセードで下ります。約15分で駒ノ小屋まで下山。時間に余裕があるので、無人の小屋に入ってみると、清潔かつ綺麗に整備意されており、小屋泊嫌いの僕でも、次回は宿泊させてもらおうかと思いました。カップラーメンを作り、腹ごしらえ。 午前11時45分に再び、下山を開始です。幸運にも雨は上がり、時折、薄日も射し、ようやくレインウェアも脱ぐ事が出来ました。登る時には目視出来なかった周囲の山々も、残雪とのコントラストが素晴らしいものでした。30分ほど下山したところで、ご夫婦の方が小屋泊で登って来られたので、少々談笑。天気も悪いので、今日、頂上アタックした方が良いのでは?とアドバイスして下山を急ぎます。小倉山までは、残雪が下りの方が危険なので、より気を付けて下山しますが、やっぱり、すってんころりん、右の大腿部を強打、痛みを堪えて下山を続けます。小倉山から道行山までは、こんなにアップダウンあったけ?というぐらい登りよりも下りが長く感じます。止んでいた雨もまた降り始めましたが、明神峠まで下山。枝折大明神さまに無事下山をお礼をして、駐車場まで最後のひと頑張りです。 午後3時30分無事に、雨降りしきる枝折峠駐車場に下山しました。車は、下山時にお会いしたご夫妻の車のみ。おそらく週末も天気が悪そうなので、このタイミングで登って良かったと感無量です。今日の温泉は、この国道352号線樹海ラインをさらに60km走った桧枝岐村の「燧の湯」と決めていました。対向して来る車はほとんどありませんが、ヘアピンの連続で、走りやすい道とは言えません。途中、昨年登ったケ岳の駐車場にも駐車している車はゼロでした。午後5時30分に「燧の湯」に到着、硫黄泉にまったり浸かって疲れを取る事が出来ました。南会津の「番屋」の道の駅で車中泊、82座目無事登頂の余韻に浸りながら一人お祝いのビールとワインで乾杯、また登りたい山の一つと心に刻み、あっと言う間に爆睡していました。 【出会った花たち】 【コースタイム】(※コースタイムは休憩含む)枝折峠 ⇒ 明神峠 ⇒ 道行山 ⇒ 小倉山 ⇒ 前駒 ⇒ 駒ノ小屋 ⇒ 越後駒ケ岳 (ピストン)・登り:5時間30分・下り:4時間15分【歩行沿面距離】14.4km【平均速度】1.4km/h【最高速度】4.6km/h
2017.07.02
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日本百名山81座目の宮之浦岳(屋久島)山行の4日目最終日。素晴らしい夢のような屋久島から現実に戻らねばならい日がやって来ました。ホテルでの朝食は午前8時にお願いしていましたが、午前6時には目が覚めてしまいましたので、屋久島グリーンホテルから海岸へ散歩。 【屋久島グリーンホテルと明星岳を海岸から望む】南国特有の花々を楽しみながら海岸まで20分ほどかけて降りてゆきます。キラキラと輝く海の向こうには、種子島のシルエットも目視する事が出来ました。振り返るとホテルの後ろに、明星岳(651m)と矢本岳(506m)が見えています。海辺は、岩が隆起していて砂浜はほとんどありませんでしたが、貝がらも打ち上げられていたので土産に拾ってホテルに戻りました。 【種子島を望む】 【海岸1】 【海岸2】 【海岸3】 【明星岳と矢本岳】 【海岸4】 【種子島と高速船】 【種子島を望む】 【貝殻拾い】 【散策マップ】ホテルの朝食は、日本食の魚メインで、久々にちゃんとした食事を美味しく頂きました。(笑) 【朝食】午前10時にホテルをチェツクアウト、事前に予約しておいたタクシーで空港に送ってもらいます。運転手さん曰く、「こんなに晴天が続くゴールデンウイークは近年無いよ。運がいいねぇ。」と、一方で、「早朝から晩まで、この時期は観光客が押し寄せて忙しくてしょうがないんだ。早くゴールデンウイーク終わって欲しい。」とも。【出会った花たち】 【がじゃまる】 【バナナ】飛行機の搭乗まで3時間半もあるので、行きに立ち寄った観光案内所で、素晴らしい宮之浦岳山行だったと下山報告。「お疲れさまでした。良かったですね~」と労いの言葉を頂きました。ガスカートリッジは、飛行機の為に持ち帰られないので、どうしたら良いですか?と聞くと、ウチで処分しても良いですよ。との事、まだ殆どフルで入っている事を告げると、たまに学生さんが「ガスないですか?」と聞かれる事があるとの事で、「そんな学生さんにあげてください。」と寄付して来ました。空港で早々にザックをチェックインして、空港の食堂でビール片手に天婦羅蕎麦を頂きました。 定刻午後2時30分の鹿児島行のJAC3748便に乗り込み、4日間の夢のような屋久島に「機会があればまた来たいなぁ~」と小さくなる屋久島を見送りながら思いました。鹿児島からは、午後4時発のJAL650便で羽田に17時50分に無事に到着、その後、新東名高速道路を飛ばして愛知の自宅に帰宅しました。 【鹿児島行JAC3748便】 【離陸~帰りたくなぁ~い】 【屋久島さようなら~】 【大島(手前)と遠く富士山】【コースタイム】休憩・食事・バス乗車・待ち時間含む1日目:屋久島グリーンホテル ~ 屋久杉自然館 ~ 登山バス ~ 荒川登山口 ~ 楠川分れ ~ 大株歩道入口 ~ ウィルソン株 ~ 縄文杉 ~ 高塚小屋 ~ 新高塚小屋(テンパク): 9時間20分 2日目:新高塚小屋 ~ 第一展望台 ~ 第二展望台 ~ 平石岩屋 ~ 焼野三又路 ~ 宮之浦岳頂上 ~ 焼野三又路 ~ 平石岩屋 ~ 第二展望台 ~ 第一展望台 ~ 新高塚小屋 ~ 高塚小屋 ~ 縄文杉 ~ ウィルソン株 ~ 大株歩道入口 ~ 楠川分れ ~ 荒川登山口 ~ 登山バス ~ 屋久杉自然館 ~ 路線バス ~ 屋久島グリーンホテル : 14時間00分 【沿面歩行距離】29.5km + 屋久島グリーンホテル ~ 屋久杉自然館 歩行分 8km(道迷い含む)総合計:37.5km【歩 数】55000歩
2017.05.22
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2017年5月1日 屋久島3日目、いよいよ念願だった日本百名山81座目の宮之浦岳アタックの日です。太平洋上から昇るご来光をこの目で見る為には、午前5時30分までに頂上に立つ必要があります。 <宮之浦岳1953m登頂成功>逆算すると新高塚小屋を午前3時には出発しないといけません。午前1時30分に起床、テントから空を仰ぐと満天の星空です。パンとコーヒーで朝食を済ませ、余裕をもって午前2時40分、寝静まっているテン場で重装備はデポして出発です。どうやらご来光をめざして登る人はいないようです。 しばらく階段と緩い稜線のミックスした登山道を登ってゆきます。標高1600mを超えて第一、標高1641mに第二展望台がありますが、真っ暗で展望台の場所すらはっきりわかりません。ところどころにロープ場も出てきます。 <新高塚小屋出発2:40am> <第一展望台2:55am> <第二展望台3:20am> <ロープ場>午前4時3分 標高1707mの平石岩屋に到着です。岩屋というように巨石の下に10帖ぐらいの空間があり、万一の時は、十分避難場所になります。 <夜ひときわ綺麗> <平石岩屋> <平石岩屋(下山時撮影)> <平石4:25am> 平石を超えて焼野三又路に午前4時42分に到着。ここから頂上までは30分。ようやく辺りがしらじゃけて来て、宮之浦岳のシルエットも確認できるようになりました。 <焼野三又路> <明けの明星と南の空がうっすらオレンジに> 最後の岩場の急登とハイマツ帯を掻き分けて、念願の頂上に午前5時 4分に登頂成功です。風は強いものの快晴、刻々と太平洋上の地平線が刻々とオレンジ色に染まって来る様子は、まさに息を飲む美しさです。 <刻々とオレンジに> <三角点>周囲の山々は、海上のアルプスと名付けられらたのも頷ける荒々しい稜線が圧巻です。 午前5時31分、卵の黄身のような太陽が生まれて来ました。The Bigining of the new day!! まさに新しい感動の1日の始まりでした。 ずっとここに留まりたい気分になりますが、長い下山が待っていますから長居はできません。脳裏にこの素晴らしい360度の絶景を焼き付け下山開始です。焼野三又路でテンパクされていたIさんに、また出会う事が出来ました。下山したらFBでお友達になりましょうと挨拶してお別れ、下山を急ぎます。 標高1600mぐらいまで下山した時、藪からガサゴソと音がしてノソッと出てきたのは、なんと「ヤクシカ」のツガイ。声を出ずにじっとしていると、人なれしているのか近づいてカメラポーズしてくれました。白いお尻もめちゃ可愛い。さらに標高1400mでは、「ヤクサル」の家族に会う事ができました。 <ヤクシカ1> <ヤクシカ2> <宮之浦岳から2.6km下ったところでヤクサルと遭遇> サルたちも、近くによっても警戒感もなく毛つくろいしています。こんな「ヤクシカ」や「ヤクサル」に会えたのはラッキーでした。 午前8時20分、新高塚小屋に到着すると、もうテン場は、私のテントだけ。皆、撤収して誰もいませんでした。小屋の小トイレを借りたところ、便器にトイレットペーパーも一緒に捨ててくださいと張り紙があります。普通の山小屋では、トイレットペーパーを便器に捨てる事は厳禁です。後からわかったのですが、ポリタンクでし尿をすべて人力で麓に担ぎ降ろしているとの事。だからトイレの周辺にポリタンクが転がっているハズです。因みに平成23年度で、この新高塚小屋だけで2320リットル。1リットル1kgとしても2トン超え。このロングの山道を下すご苦労は半端ないなぁと思い、改めて環境保全の大変さ、大切さ感じると共に、携帯トイレの活用を求めている理由が良くわかりました。手早くテントを撤収、また長い登山道を午前9時過ぎに下山開始です。目標の荒川登山口への下山時間は午後3時30分、これで荒川登山口からバスに乗って屋久島自然館からの16時45分か17時10分の2本しかない路線バスに乗車しないと、また6kmをホテルまで歩く事になりますからのんびりしていられないのです。ところが縄文杉を過ぎると、ひっきりなしに登ってくるガイドツアー客とのすれ違いができません。マナー上、登り優先なので、頻繁に待つことに。マナーの良いガイドは、必ず、礼を言って、すれ違って行きますが、中には、下りが待つのが当たり前だろうと言わんばかりに無言で通りすぎてゆくガイドも居て、焦りと疲れからだんだん切れ気味に。最悪は、10人ぐらいのツアー客を引き連れて、私を無視して通り過ぎ立ち止まって、花の説明を始めたガイド。「こんなところで立ち止まらないでください!!」と思わず怒鳴ってしまいました。ツアー客の皆さんが悪いわけじゃないですが、皆さんが口々に「すみません」と。。。なんか素晴らしい屋久島歩きが気分的に台無しになってしまい、怒鳴るんじゃなかったと反省。ウィルソン株を通過する午前11時頃には、登って来るツアー客も無くなり、午前11時40分に、あのトロッコ道である大株歩道入口まで無事に下山。 ここで昼食のカップヌードルをすすり小休止。残す6kmのトロッコ道を歩きます。ともかく、これでもかと続く長いトロッコ道に、「もう飽きたぁ~」と叫ぶも、誰も助けてくれるわけでもなく、トロッコ走らせてくれたら良いのにとか、余分な事ばかり考えます。 午後1時32分 小杉谷集落を通過、あと約50分です。最後の踏ん張りで荒川登山口に午後2時30分に到着。真夏なのような日差しが暑いバス停には長蛇の列。係員が、「この分だとギリギリの次のバスには乗れないかも、その場合は、午後3時30分になります。」と。こんな灼熱地獄に45分も待つのかぁと思った矢先、「臨時便を出してあげます!!」と。結局、午後2時45分のバスに乗車でき、屋久杉自然館に午後3時20分に到着。ラッキーにも15時43分の淀川登山口発の路線バスに乗車できました。またもや淀川登山口から乗車されたIさんにお会いしてビックリ。このバスは、屋久島グリーンホテルのある「中央」まではいかず「合舎前」停留所止まり。約10分ほど歩いて、汗だくで屋久島グリーンホテルに戻って来ました。チェックイン後、ホテルの浴場に直行、2日間の汗を流して疲れを取り極楽気分。湯上り後、夕食とビールをホテルの前のスーパー「たなかや」で購入。浴びるようにビールを飲み干していました。キツかったけど1月に35日雨が降ると言われる屋久島で、最高の天候に恵まれて宮之浦岳に登頂で来た、心地よい余韻に浸りながら就寝しました。(屋久島4日目に続く)
2017.05.16
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屋久島2日目。いよいよ世界自然遺産登録地域で日本百名山81座目となる宮之浦岳へ踏み込む念願の日が来ました。 <ここから世界自然遺産地域である事を示す看板(標高約1300m付近)>午前1時30分起床。手短に出発準備をしてホテルを午前2時30分にチェックアウト。屋久杉自然館までの約6kmを県道77号線と592号線と歩く事になります。ホテルの玄関で天を仰ぐと満天の星空です。あの昨日の日中の暑さはなく、涼しい浜風が心地よく重いテンパク装備のザックもそれ程苦になりません。ホテルから安房まで約2kmは緩い下り坂で順調に距離を稼ぎます。 <午前2時30分ホテル出発> <静まり返った県道77号線> <安房バス停通過> <安房川> <安房橋を渡る(海抜5m)> このままで行けば午前4時前には到着できるので、タクシーの営業開始時間である午前4時前に屋久杉自然館の登山バス停に到着できる予定でした。ところが、安房から592号線に入るところを間違えて77号線を直進、なんだかおかしいと気がついたのが20分ぐらい歩いてから。グーグルナビで自分の場所を確認して青くなりました。到着予想時間は午前4時20分と表示されています。これでは目論見の午前4時40分の始発のバスに乗れるかどうかわかりません。走り出したいような気分を抑えて最短ルートを探しますが、島内にそんなに多くの道があるわけではありません。ようやく592号線に戻るも午前4時少し前。やがて何台ものレンタカーやタクシーにブンブン追い抜かれ、自分のオバカさ加減と共に、もう気が気でありません。午前4時20分過ぎに屋久杉自然館の登山バス停に到着。結局6kmのところ9km近くも歩くハメに。もうこの時点で汗だくでかなり疲れています。登る前から、この疲労感に先が思いやられます。 <間違えて直進> <海抜50mの標識>屋久杉自然館のバス停には、10数人が先に並んでいましたが、バスの定員は55名。なんとか予定通りの始発に乗り込む事が出来ました。周りの人たちを見渡すと、私のようなテンパクの重装備の人はおらず、しかも若いカップルやグループばかりで、単独行の人なんかいない様子。何かとっても異端的な存在に思えて来ました。午前4時40分予定通り出発、いきなりヘアピンカーブが続きザックを支えるのが大変。約35分、午前5時15分に荒川登山口に到着です。 <10人目ぐらいに並べた!><荒川登山口と登山バス> <荒川登山口休憩所>トイレと出発準備を済ませ、いよいよ登山開始です。ここから約6kmは、トロッコ道(安房森林鉄道)を歩く事になります。とても緩やかな登りですが、枕木のインターバルが適当で、歩幅が合わせられず、とても歩きずらいのです。最初は、ところどころでガイドの説明に聞き耳を立てながら登っていましたが、軽装のガイド付きグループがほとんど、どんどん追い抜かされて行きます。30分も歩くと、グループは皆ばらけて、静かなトロッコ道歩きとなりました。 <荒川登山口案内> <トロッコ道の起点> 午前6時15分、小杉谷小中学校跡に到着。1923年にトロッコ軌道が敷設され国有林経営の前線基地として、小杉谷集落が出来、最盛期は108人の小中学生が通学していたとの記載と写真があります。こんな山中とは言い、子供たちの服装もおしゃれで、当時の林業の繁栄ぶりがうかがえます。 <小杉谷小中学校跡> 軽く朝食を済ませて、トロッコ道をさらに歩きます。幾度かの沢超えの橋は、高度感もありスマホを落とさないように記念撮影。さらに歩くこと40分ほどで楠川分かれを通過、水場もある小杉谷山荘跡も先に抜かれたグループが大勢いたのでパス。先を急ぎます。ここからも杉林が続き、三代杉とか仁王杉と呼ばれるポイントの屋久杉も出てきます。この地点で、ソロのテンパク装備の方に追いつき、軽く挨拶を交わして先を急ぎます。 <周囲の新緑が素晴らしい> <宮之浦方面との分岐点> <三代杉> <三代杉説明> <高妻小屋まであと半分> <仁王杉>午前7時55分 登山口から約2時間半、ようやくトロッコ道の終点で本格的な登山道となる大株歩道入口に到着です。次の目標は、あのハート型で有名なウィルソン株です。いきなり急な木階段となりテンパク装備のザックの重みが足腰に容赦なくのしかかって来ます。途中、標高約1000mで2010年に倒壊してしまった翁杉を見学。に推定樹齢2000年、幹周りは12.6mもあり、縄文杉に次ぐ太さで、登山者の安全を見守る信仰の木として生き続けていたようです。 <大株歩道入口> <入山注意の立て札> <ウィルソン株まで600m> <登山道が急登に> <屋久島らしい雰囲気に> <倒壊した翁杉>午前8時35分、ウィルソン株に到着。人気のスポットなので混み込みかと思いましたが、数人の登山客しかおらず、すぐに切り株の中に入る事が出来ました。ウィルソン株は、1586年に豊臣秀吉の命により大阪城や京都の方広寺建立の為に切られてしまったが、幹回りは13.8mもある巨木で、結局、運び出せずに終わったと言う悲しい杉の木。縄文杉発見の52年前にアメリカのハーバード大学の植物学者であるアーネスト・ヘンリー・ウィルソン博士の名にちなんで、ウィルソン株と名付けられたそうです。祠もある切り株の中はひんやりと涼しく清水が流れていて、その音が切り株内で反響して、なんとも癒される不思議な空間です。ここで上を見上げるとハートに見えるポイントを探して、念願のハートをゲット。少しでも位置がずれると、ただの切り株の空間です。(笑) <ウィルソン株入口> <切り株内の祠> <有名なハート> <撮影ポイントずれるとこんな感じ> 休憩もそこそこに次の目標である縄文杉を目指します。途中、大王杉、女王杉、夫婦杉を経て、午前10時15分に縄文杉に到着です。登山口から休憩を入れて縄文杉まで4時間45分です。 <大王杉1> <大王杉2> <女王杉1> <女王杉2> <夫婦杉1> <夫婦杉2>ゴールデンウィーク中は、一方通行になっていて、第一、第二展望台をどうしても通らなくてはならず、その階段の傾斜が結構きつくツライものがあります。ようやく縄文杉の展望台に到着、幹周りは16.1mで樹高は30m。樹齢は推定3000年以上との事。縄文杉保護の為、近寄って触る事が出来ないのが残念ですが、その生命力にパワーをもらえた気分になります。因みにドローンの飛行は禁止です。 <縄文杉1> <ドローン禁止看板!!(笑)> <縄文杉2> <縄文杉3>多くのツアー登山者は、ここまでで引き返す為、この先にある高塚小屋への登山道は、ぐっと人が減って静かになります。約10分ほどで高塚小屋に到着。まだ建直されたばかりで綺麗な避難小屋です。この避難小屋の前にもテン場はありますが、少しでも宮之浦岳に近づきたいので、ここからコースタイム80分ほどの新高塚小屋(標高差は約300m)を目指します。 <高塚小屋1> <高塚小屋2> <新高塚小屋まで1.7km> <森林限界が近く眺望が良くなって来た> 途中でトロッコ道でお会いしたソロの登山者Iさんと休憩がてら談笑。聞くところによれば、日本全国を自転車で走られ、富士山も頂上まで自転車を担ぎ上げて登られたという凄い経験の持ち主。たまたま親戚の和歌山の家の近くにお住まいである事もあり、とっても親近感を覚えました。その後は、二人で新高塚小屋を目指します。ここまで来れば稜線歩きとなり景観も良くなりますし、縄文杉までとは違う植生を楽しめるようになり、疲労感はMAXですが気分は爽快です。 正午に無事に新高塚小屋に到着です。この小屋も高塚小屋と同様に避難小屋です。テン場はゴールデンウイークで張る場所もないのでは?と心配しましたが、先行者はウッドデッキ上に4張しかありませんでした。私は、せっかくなのでマイナスイオン降り注ぐ苔生す森林の中に設営しました。 <新高塚避難小屋1> <新高塚避難小屋2> <今日の寝床> <周囲の苔が良い感じ> 設営後、沢水を汲んでインスタントラーメンを作りました。このラーメンの旨い事と言ったらありません。Iさんは、明日は午後2時過ぎの最終バスに間に合うように淀川登山口に下山したいとの事で、時間を稼ぐ為に宮之浦岳頂上直下の焼野三又路でテンパクされるとの事、ここでお別れです。 <森林が素晴らしい> <リフィルカップヌードル>まだまだ日が高いですが、朝からの10時間近くもの山行、疲れもあり昼寝。周囲の騒がしさに目を覚ますと、どんどん登山道のウッドデッキのテン場が埋まって行きます。 <杉の落葉でフカフカ> <奥のテントはウッドデッキ上に設営されている>午後5時に、持ち込んだツマミをアテにバーボンウィスキーの沢水割りを呑みながら、早めの夕食作りをはじめます。と言っても、今回はカット野菜や肉等は調達出来ませんでしたので、すべてレトロトです。主食は、仙台の出張で購入した牛タンハンバーグをアルファー米の完熟トマトリゾット上に乗せていただきました。 <酔いで天地が回って来たぁ> <〆の牛タンリゾット>疲れに酔いもまわり、周囲の宴会モードの騒がしさの中、いつの間にか爆睡です。キツかったけど素晴らしい屋久島歩きの2日目はこうして更けてゆきました。(屋久島3日目に続く)
2017.05.16
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今日2017年5月1日、日本百名山第81座目として鹿児島県屋久島の宮之浦岳(1936m)にソロテンパクで登頂成功しました。宮之浦岳は、洋上のアルプスとも呼ばれ、かねてから登りたいと思っていました。しかしながら鹿児島からも直線距離で約120km、飛行機か高速艇で屋久島へ行くしかない地の利の悪さ、九州の百名山としても、最後の一座として残っていました。屋久島は、1993年に世界遺産にも登録されている人気の島、しかもゴールデンウイーク、飛行機の予約やホテルの予約は4ケ月前に済ませ、羽田空港の駐車場も予約可能な1ケ月前の午前0時に予約するという周到な準備で、今回のこの日を迎えました。 <宮之浦岳を平石(標高1700m付近)から望む>4月29日午前5時、さいたまを出発、首都高速も空いていて午前6時前に羽田空港第二駐車場、予約専用である4階フロアに駐車。予約料金1000円に24時間の駐車料金が1500円ですが、テンパク装備の重いザックを担いでさいたまから空港に向かう事を考えれば許せる金額です。 <羽田第二駐車場> <予約車専用ゲート> 午前6時にJALのチェクインカウンターへ行くと、もう長蛇の待ち行列。出発は午前10時05分ですが、余裕をもって正解です。朝食は、空港ビル地下1階の朝マックで済ませ、しばし車で仮眠。東京発鹿児島行きJAL645便は、ほぼ定刻に飛び立ちました。天気も良く眼下には残雪の富士山も美しく、今回の屋久島も雨男返上の予感。鹿児島には定刻の10分遅れの午後0時5分着。 <羽田9番ゲート> <鹿児島行JAL645便> <富士山の眺望が素晴らしい>午後0時20分発の屋久島行のJAC3745便は2発のプロペラ機、ゲートから徒歩で飛行機に乗り込みます。やっと念願の屋久島に行けるんだ!!と言う高揚感を味わう瞬間でした。フライト時間は、わずか35分。 <鹿児島11番ゲート> <歩いて飛行機へ> <佐多岬の先端部分> <コバルトブルーの屋久島海岸>途中、佐多岬や種子島を目視できましたが、開聞岳は座席が反対の為、残念ながら見ることは出来ませんでした。定刻より15分遅れの午後1時10分にコバルトブルーの海に浮かぶ屋久島の空港に無事到着。タラップを降りて歩くと、夏ような日差しと熱風に「暑~!!」 東京から長袖とパーカーを着てきた事を後悔しました。 <屋久島空港も徒歩でターミナルへ> <屋久島空港ターミナル>預けたザックは、ターンテーブルから出てくるのではなく、人海戦術での手渡し(笑)。今日はホテルに宿泊するだけなので、時間もある為、まずは屋久島空港内の食堂でランチ。何にしようかと目に留まったのが、飛び魚唐揚げ定食。飛び魚は、屋久島をこの時期、回遊してくる旬の魚で、屋久島名物でもあるとの事、飛行機を見ながら、カラッと揚がった飛び魚を頂きました。アジの唐揚げに似てますが、ヒレ(羽?)もパリパリ美味しかったです。 <飛び魚定食1400円> <羽がパリパリで旨い>腹ごしらえの後、しないといけないのは、屋久島自然館から荒川登山口までのバスのキップを手に入れ登山届を提出する事とガスカートリッジを購入する事です。飛行場の脇にある屋久島観光案内所で、「屋久島自然館から荒川登山口までの往復ください!!」と伝えると係の方が、怪訝そうな顔で「1泊で往復する人は殆どいないから往復バスのキップあったかしら。。。?」とがさごそ探してくれて、ようやくキップを見つけてくれました。キップは、往復「1680円」+日帰りの人は協力金1000円、山中泊は2000円の合計3680円を支払います。「記念のカンバッジをお渡ししますが、これはお土産ですが、協力金を支払った証なので胸に着けていてください。途中で係員チェックする事もあります。」との事でした。 <荒川登山バスキップと協力金証明バッジ>ガスカートリッジは、空港内の売店で購入できる事を教えてもらって、売店でガスカートリッジを購入。なんと250gの大きいタイプしか無く、しかも市販の約倍の800円もします。「重いなぁ。高いなぁ。」と思いながらも背に腹は代えられません。さて、これで移動手段の確保も出来たし、今日の宿泊ホテルである安房にある屋久島グリーンホテルへ行こうとタクシー乗り場に行きました。1台タクシーが停まっていてラッキーと思ったら、運転手さん曰く、「これ予約車で乗せてあげられないし、島にタクシーが少ないから、この時期、予約なしにタクシーを拾のは無理だよ。」って。ホテルまで距離は10km以上あり、この炎天下をザックを担いで歩くのは流石に耐えられません。バス乗り場で時刻表を見ると1時間に1本ほどバスが出ている事がわかり、約30分ほど待って乗り込みヤレヤレ。 <屋久島空港前のバス停と屋久島案内> ところが降車場所がどこか調べておらず、気がついたらホテルの前を通り過ぎてゆくではありませんか!「うわっ乗り過ごした!!」後でわかったのですが「中央」という停留所で降りないといけなかったのです。結局、「合舎前」停留所で降りて、ゆるい坂道をホテルまで戻ります。日差しが強く、額からは汗が噴き出してきます。ようやく屋久島グリーンホテルに到着。この屋久島グリーンホテルは、皇太子夫妻が宿泊された事もある由緒あるホテルで、庭からの眺めは素晴らしいです。 <屋久島グリーンホテル入口> <ホテルの外観> <ホテルからのシーサイドビュー>観光地でありながらシングルルームは素泊まりで6800円とリーズナブル。汗だくの私をおしぼりで出迎えて頂き、記帳しながら29日と1日を各1泊する事、30日は新高塚小屋でテント泊であるとスケジュールを伝えます。明日のチェックアウトは午前2時30分でも大丈夫でしょうか?と伝えると「守衛の者が夜間はいるので大丈夫です。でも屋久島自然館まで歩くんですか!?」と。どうやらナイトで出発する変わり者は、そうそうはいない様子。タクシーも予約で満車みたいだし、レンタカーで先に屋久島自然館行っている人たちがいるとの事で、午前4時40分の始発の登山バスには、絶対に乗りたい事を告げて理解してもらいました。客室に案内頂き、窓越しに外に向けると山々が目に飛び込んで来ます。正面に見えるのは明星岳(651m)、なんとロマンチックな命名でしょう。しかも夕暮れで宵の明星が輝いています。ここからは目視できませんが、その奥には、皇太子夫妻の愛子様の名付けのきっかけになった愛子岳(1235m)があります。 <ホテルの窓からの眺め 宵の明星が明星岳の左上に輝く>一服して、夕食とテンパクの行動食の調達をしないといけません。幸いホテルの前に小さなスーパー「たなかや」がありました。ここで必要な食材やビール等を買い込み、早速、部屋呑み。明日は午前2時30分出発。早々午後8時には就寝。こうして1日目の屋久島は過ぎて行きました。(屋久島2日目に続く)
2017.05.14
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今日2016年12月27日、山納め。1月の常念岳に始まり、悪天候に苛まれ、雨男を払しょくできない1年でした。この1年の〆に相応しいと鈴鹿センブンマウンテンの第6座目として、雨乞岳(1237m)を選び、午前2時過ぎに朝明キャンプ場の駐車場に到着しました。広い駐車場に先着者はゼロ。雪が降り始めていますが、積雪はありません。とりあえず午前5時出発として、午前4時半まで仮眠しようとシュラフに潜り込みました。ワサワサという音で目を覚ますと、午前4時。 なんとあたり一面が雪化粧。もともと雪も覚悟していたので、まっ久々の雪山も良いもんだとお気楽モードで着替えをはじめました。ふと気がつくとスポーツタイツを埼玉に忘れて来たのに気が付きました。タイツ無しでの長時間の雪山トレッキングは、低体温症になる危険があるので諦めるしかありません。せっかく長距離を夜中に走って来たのに残念でなりません。もう1度、冷静にどうするか考えました。そうだ!もう1座残っている入道ケ岳であれば、標高も905.6mと低いので、雪の影響も少ないからタイツ無でも頂が踏めるかも。。。すぐに移動を開始。 約15cmぐらいの積雪の路面、昨年購入したグッドイヤーの全天候タイヤで問題なく山道を下り、入道ケ岳の登山口の一つである宮妻峡キャンプ場をめざします。メジャーなのは椿大神社らしいのすが、この宮妻峡は、鎌ケ岳の登山口となっており、土地勘もあるので迷わずこちらを選びました。午前7時40分宮妻峡キャンプ場に到着。 積雪はあるものの朝明キャンプ場に比べると明らかに少なく、朝日も射して来ました。急いで出発の準備をして、午前8時40分、クライムオン!! キャンプ場の裏手にある沢を渡りますが、足がかりとなる飛び石の上には積雪がありツルツル。またもや常念岳の一ノ沢でのドボーンがトラウマになっていて、積極的に足が出ません。結局、途中でドボーンしましたが、膝までぐらいなので、問題なく先を進みます。 新雪でトレースも無く登山道が極めて不明瞭ですが、ところどころにピンクテープがあるので、不安感はありません。けっこう急登でぐんぐん高度を上げる事ができます。1時間ほど登ると鈴鹿の街並みや伊勢湾も見渡せるようになりました。また、右手奥には鎌ケ岳が積雪して白く輝いています。 午前10時45分 椿大社につながる北尾根との合流点である北の頭に到着です。水沢岳、鎌ケ岳、雲母峰などの周囲の山々が見渡せます。さらに5分ほど歩くと入道岳の頂上三角点のある椿大社奥の宮の鳥居に午前10時50分に無事登頂です。 誰もいない頂上は、周囲360度の眺望ですが、風がめちゃ強いので長居は無用です。記念撮影をしてただ山トモによるとホントの頂上はここでは無いと聞いていたので、周囲を探索しましたが、結局判らず仕舞いでした。またの機会にと、後ろ髪を引かれる気持ちで下山を開始です。アイゼンを装着するほどでも無かったので、慎重に歩き、午後12時30分に無事下山しました。今年は悪天候に苛まれた1年だったけど、こうして無事に山行が出来、百名山80座も達成、充実した1年でした。 帰り際の木曽川堤防から御嶽山と伊吹山を横目に、来年はどんな山行が待っているかなぁとぼんやり考えながら帰宅しました。【コースタイム】(休憩含む)宮妻峡 ~ 入道ケ岳(ピストン)・登り:2時間10分・下り:1時間30分【歩行距離】4.09km【歩 数】6303歩
2017.01.15
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今日2016年12月4日、2011年6月5日に登って以来の5年半ぶり2度目となる日本百名山雲取山(2017m)に山トモとテンパク登山です。雲取山は標高2017.1mと、2017年には、最も人気の山との事、一足先の登頂を目指しました。実は、5年半前に雲取に登った時は、まだ車を持っておらず公共交通機関を使って山梨県側の鴨沢登山口から登頂しました。登山経験も未熟で、なんとか雲取山の頂を踏んだものの、帰りの最終バスが気になり、頂上での眺望をゆっくり楽しむことも出来ずに下山しました。下山後、調べてみると雲取には、なんと東京都側にもう1つ頂上があるではありませんか!! すなわち正式に雲取の山頂を踏んでいなかった事になります。これがずっと心に引っかかっていて、雲取山を再度登ろうとかねてから思っていました。今回は、同じルートを歩くのは楽しくないので、埼玉県側の三峰神社から登る三峰ルートを選びました。午後11時に山トモに迎えに来てもらい午前2時過ぎに三峰神社の駐車場に到着です。流石に12月という事もあり先着の登山者はいません。軽く寝酒で乾杯、車で仮眠をして午前6時30分、クライムオン。 奥ノ宮の鳥居を超えて杉林の中、登山道は緩い傾斜がしばらく続きます。この登山道を歩きながら、ふと夜の食材の事を考えていて、とんでも忘れ物をした事に気が付きました。それは、明星チャンポン麺。「なんだぁ。単に〆のラーメンじゃん!!」と思われるでしょうが、実は、このラーメンのスープは、鍋用のスープを兼用しているので、それが無いとただの水焚鍋になってしまうのです。すぐに山トモに相談、幸いにも山トモがモツ煮と鍋キューブを1個持っているとの事、私もキムチも持っている事も思い出し、なんとか味付けはなるとの判断で登山継続です。炭焼平を超えて午前8時17分、標高約1500mの地蔵峠に到着しました。 ここから次に目指すのは、白岩小屋です。ツガ、シラビソの原生林の中、一部、狭い尾根歩きもありますが、それほどの急登もなく順調に距離を稼ぐ事ができます。ただ樹林帯の中で眺望がまったくと言って良いほど無く、二人で話をしながら登っているのであまり気にはならないものの、いささか面白みには欠けるルートです。途中、秩父宮レリーフでようやく少し眺望を得ることができました。午前10時39分、白岩小屋に到着です。白岩小屋は、現在休業中との事ですが、窓ガラスも割れていて小屋の内部も荒れていて薄気味悪い感じでした。 しばし休息し、芋ノ木ドッケから大ダワに到着です。この間は、階段やロープ場、鎖場がところどころにある上、アップダウンがあり、テンパク装備には、少々キツイ区間でした。大ダワから登山道は、女坂と男坂の2つに分かれます。どっちに行くか?と迷いますが、山と高原地図によれば、女坂の方が歩きやすいとのアドバイス。即決で女坂を選択、東側の女坂を登ります。今日のテン場である雲取山荘まで30分、最後の頑張りで、午後0時45分、無事に残雪が残る雲取山荘に無事到着。テン場の使用料500円を支払い、すぐにテントの設営を完了、遅い昼食のカップラーメンで腹ごしらえです。 昼寝でもしたいところですが、まずは、東京都の頂を踏みに行って、5年半のもやもやを吹っ切ろうと装備をデポして頂上を目指します。登山道には残雪がありますが、アイゼンを装着する事も無く、約30分で東京都の最高峰である雲取山山頂(2017.1m)に登頂成功です。ようやく開けた眺望に 目を西に向けると富士山が雲海に浮かんでいました。立派すぎる?頂上の標で記念写真、流石、東京都はお金があるんだと変に納得です。 しばし眺望を楽しみ、前回に踏んだ山梨県側の頂に向かいます。わずか数分の距離であった事がわかり、5年半のもやもや感もようやく払しょくする事が出来ました。その頂標も真新しく建て替えられていました。眼下の小雲取山方面は、あの5年半前に登った時と、今回登った時の眺望はもちろん同じなんでしょうが、なんだか雄大さが前回の方があったような気がしました。きっとアルプス系のデカい山経験がそんな風に感じさせたのかもしれません。 しばし眺望を楽しみ、テン場に戻り、二人宴会の準備です。氷点下の中、雲取山荘のベンチなので、じっとしているとしんしんと寒さが体に伝わってきます。山トモに背負ってもらった1.8リットルの白ワインでまずは乾杯!! ところが、そのまま飲むと、体の内側からも寒くて酔うよりも先に凍えてしまいます。「寒い!!」ホットワインは、普通は、赤ワインでしょうが、そんな事は言っておられず、ワインを沸かしてみます。半分ぐらい注ぎ、その上に常温ワインを注ぎ足して飲む。これでようやく体を温める事が出来ました。鍋は、私のミスで忘れた明星チャンポン麺のスープの代わりに、山トモのもつ鍋スープと鍋キューブを使い、キムチ鍋にする事で、美味しく鍋をつつく事が出来ました。雲取山は、周辺の都市部の灯りの為か日が落ちても夜空が白じゃけていて、あいにく満天の星空を楽しむ事はできませんでした。寒さもあり午後8時過ぎには、テントに戻り就寝しました。 明朝、午前5時起床、朝食のパンとコーヒでまったり、テントの通気口から見える朝日が眩しい。 朝食を済ませテントを撤収。午前7時に下山開始。朽ち果てた雲取ヒュッテを横目に、鹿が登山道を先導してくれます。 また眺望も無く、ただただ長いルートに「飽きたぁ~」と叫びながら午前11時30分に無事下山しました。三峰神社にお礼参りをして、途中、両神温泉薬師の湯でまったり食事をして午後6時に帰宅しました。 今回、雲取山荘でのテンパクなので、鴨沢ルートよりアクセスの面では有利ですが、眺望を楽しむという観点では、明らかに鴨沢ルートが良いです。おそらく2度と三峰コースは使わないだろうなぁと思いました。【コースタイム】三峰神社 - 地蔵峠 - 白岩山 - 大ダワ - 雲取山荘 - 雲取山 【歩行距離】平面距離17.3km 沿面距離17.6km【累計高度】(+)1403m (-)1391m【歩数】24714歩
2017.01.09
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今日2016年10月30日は、日本百名山第80座目として立山三山(雄山(3003m)、大汝山(3015m)、富士ノ折立(2999m))にアタックです。実は、10月29日にソロナイトで、富山県側の称名滝から、トローリーバスやロープウェイ、ケーブルカー等の文明の利器を一切に使わずに登ろうと計画、埼玉から約400kmを下道を走って登山口に10月28日の午後に到着しました。またもや雨男全開、雨風が強く吹き荒れています。この称名滝までの道路は、管理道路で午前7時~午後5時30分までしか通る事が出来ないのは知っていました。駐車場に到着した時は、数台の車が停まっていましたが、観光客でしょうか、午後4時過ぎには、林道管理の車1台のみ。コンビニのお弁当をつつきながら、周囲の様子がなんかおかしいと思ったら、この駐車場は、なんと「夜間駐車禁止!!」 すなわち日中わずか10時間30分で立山ピストンをしないといけない事になります。自分の登山計画では、コースタイムは19時間、とても10時間30分でピストン出来る距離ではありません。長距離のドライブで疲れているのに加えて、この事態にテンションも最低、風雨も増々強くなって来ます。もう放心状態。でも80座目という記念すべき山行、なんとか頂を踏みたいという気持ちがふつふつと沸いて来ます。もう1度気を取り直して地図とにらめっこ。「そうだ妥協して文明の利器を使ってでも登ろう!!」でも、帰りの事を考えると立山駅からでは辛い、正反対の長野県側の扇沢駅からトローリーバスやロープウェイ、ケーブルカー等利用して、室堂平まで行く事を考えました。称名滝から扇沢駅までは、立山連峰の巨大な山体をぐるりと日本海まわり迂回して約70km、約3時間です。思いついたら直ぐに実行、称名滝を遠くから眺め、途中、悪城ノ壁を見学して、サルに見送られて、一路、長野県大町を目指します。扇沢駅近くの市営無料駐車場には午後8時ぐらいに到着しました。 相変わらず雨は降り続き、駐車している車もまばらです。コンビニで買った弁当やビールで腹ごしらえ、やる事も無いので、明日の天気回復を祈りながら直ぐに就寝。29日午前5時頃に起床するも、雨は小降りになったものの、相変わらずガスッていて、周囲の山々の眺望はありません。午前7時30分始発のトロリーバスが走り始める1時間ぐらい前から、ポツポツと登山者が扇沢駅に向かい始めています。午後は回復の見込みの天気予報ですが、折角、一万円近くもかけて室堂を往復するのであれば、やはりこの天気は、出発する気がしません。今日は止めて明日に期待しようと、もう1日、この駐車場で留まる事を決めました。 ただやる事も無いので、FBで山トモと情報交換したりして暇潰しするも、時間を持て余してしまいます。山トモから、温泉に行ってみては?との提案をもらって、それは妙案と一旦、扇沢から大町に下山する事にし、以前、鹿島槍ヶ岳に登った帰りに立ち寄った日帰りの湯「薬師の湯」700円でまったり。この頃、信濃大町界隈は、しょっちゅう来ているので、遠くに旅している感覚はゼロです。 また扇沢に戻りますが、ようやく天気も回復して周囲の山々も望めるようになりました。明日の好天が期待できます。10月末になると山の夕暮れも早く、午後5時過ぎには薄暗くなって来ます。早々と夕飯の定番のちゃんぽん麺のスープでカット野菜とソーセージを煮込んで、それをツマミにビールで一杯、〆に麺を投入して腹ごしらえ。午後7時には就寝。30日午前4時半に起床、朝食と出発の準備です。2日も待ったので、ここは午前7時30分の始発に一番乗りを目指し午前6時15分駐車場を出発、券売所に向かいます。 午前6時50分に開く券売所は、雨上がりで気温は7℃ほどと結構寒いですが、すでに3人の登山者が並んでいました。午前6時50分、室堂までの通し往復キップをJAFの割引で9050円でゲット。いやぁ、それにしても高い!!まずは午前7時30分発のトロリーバスで黒部ダムへ向かいます。ブルーの照明でライトアップされた50m区間は、破砕帯と呼ばれる毎分63トンもの湧き水での最難関工事区間。話には聞いていたものの当時の技術で、このトンネルを掘削した工事関係者の根性が凄いと思いました。約16分で黒部ダムに到着。 ここから次のケーブルカーに乗る為、黒部ダムのアーチを15分ほど歩きます。巨大な構造物と、ダム底まで186mと国内一位の目の眩むような高さ、そして見上げるとダムを囲む周囲の霧氷で白く輝く山々、素晴らしい美しさです。次のケーブルカーの発車時間まで間が無いので、のんびりはしていられせません。先を急ぎます。 午前8時10分発のケーブルカーに乗車、最高斜度41度、ほとんど垂直じゃんというような急斜面、このケーブルカーもよく敷設できたものだとビックリ。わずか5分で黒部平に到着です。 黒部平は、霧氷で真っ白の世界。ここからは、ロープウェイに乗り換えて、だいかんぽうに向かいます。1本も支柱が無いロープウェイ、これも凄い建設技術だと思います。ロープウェイの中間地点を越えて、雲海がぱっ~と晴れると、周囲には立山連峰や北アルプスの山々が青空の中にそびえ立ち、息を飲む美しさです。高額な運賃を支払っても価値があるなぁなんて思いました。 だいかんぽうからは、最後のトロリーバスに乗車、このトンネルの頭上には、立山の雄山が天を突いてそびえているとのアナウンスがあります。早くその雄姿を見てみたいと気が逸ります。 約10分の乗車で、室堂平に到着です。ここで登山届を提出して、午前9時、クライムオンです。目標の立山三山が、ハッキリと目視できます。最初の目標は、一ノ越山荘です。 緩やかな登山道は、極めて整備されていて、登山道と言うよりは、ハイキングコースです。午前9時53分、一ノ越山荘に到着。天気は極めて良いのですが、風が強くて寒いので、ウィンドブレーカー代りにレインウェアを着こんで、最初の頂である雄山をめざします。ここからは、けっこう急登のガレ場に表情が変わります。急登でキツイですが、眺望もどんどん良くなって来ます。午前10時51分、雄山(標高3003m)に無事に登頂です。 突風で体がもってかれるぐらいで、氷点下以下の風で体感気温がどんどん下がって来ます。けっこう薄着の登山者が多く、口々に「寒~」と。次に目指すは、立山連峰の最高峰の大汝山(標高3015m)です。多くの登山者が雄山までで引き返している為、稜線部には、人影はありません。途中、稜線部から下を見下ろすと、黒部湖のブルーの湖面が周囲の山々を映し込んでいます。午前11時30分、大汝山(標高3015m)に登頂成功です。 この山頂からは広大な室堂平とミクリガ池一帯が見下ろせます。少し右に目を移すと2012年に日本初の氷河と認定された御前沢の残雪が目視できました。氷点下で風が強い為、長居は無用と最後の頂の富士ノ折立を目指します。映画「春を背負って」の舞台となった大汝山休憩所は既に冬季閉鎖されておりヒッソリ。流石に映画になるだけある素晴らしい眺望です。 さらに五竜、唐松、白馬を望みながら稜線部を15分ほどで富士ノ折立(標高2999m)に午前11時40分、登頂成功です。これで念願の日本百名山80座を6年4ケ月でクリアです。この富士ノ折立から北方向、剱岳方面の稜線は極めて美しく広大なもので、次回は、剱岳へ縦走をしてみたいなぁと思いました。南には槍ヶ岳の穂先も目視できました。 今日は、称名滝を紹介してくれた山トモが室堂まで午後2時過ぎに来てくれるとの事で、室堂に急いで下山開始です。 雄山から一ノ越までの下りは、高度感があり登りとは異なる目線で、見下ろす一ノ越山荘方面の眺望が素晴らしいものでした。 後2時予定通り室堂で山トモと合流、ミクリガ池、ミクリガ池温泉方面を散策、雲ひとつ無い立山三山、そして池の鏡面に映り込む立山三山の息を飲む美しさ。日本百名山80座の中で、3指に入る眺望と言えるでしょう。 クリガ池温泉の反対側の谷は、ゴウゴウと蒸気が上がり、活火山である事を誇示していました。のんびりとミクリガ池温泉にも浸かりたいところですが、さいたままでの帰路を考えると、ゆっくりしている時間はありません。山トモとは、またの再会を約束して、ミクリガ池温泉で別れ、一人下山を開始です。 トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカー、トローリーバスと乗り継いで、無事、午後16時20分、扇沢駅に到着、さいたまに午後9時25分に無事帰宅しました。全走行距離は、863km、あの称名滝の悪天候からの長い3日間でしたが、この日を待った甲斐がありました。 【コースタイム】(ピストン・休憩含む)室堂 ~ 一ノ越 ~ 雄山 ~ 大汝山 ~ 富士ノ折立・登り:2時間40分・下り:2時間【歩行距離】計測せず【歩 数】計測せず
2016.11.20
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今日10月10日は、日本百名山第79座目となる北アルプス笠ケ岳(標高2898m)にアタックです。笠ケ岳は、槍ケ岳や穂高連峰の西側に位置していて、どちらかとマイナーなイメージがありますが、昨年、槍ケ岳登頂時に、いつもどっしりとした山姿を見せてくれていた笠ケ岳に、興味を抱いていました。今回は、3連休だったので土曜日夕刻に埼玉から全線下道で、新穂高温泉の深山荘横にある登山者用無料駐車場に到着しました。ただ現地は、雨が降り続いていて、またもや雨男全開です。この笠ケ岳のピストンは、コースタイムが長いので、午後10時過ぎにナイトで出発しようと計画していたのですが、この雨の中をレインウェアを着こんで出発する事に躊躇を感じました。「てんきとくらす」の山天気予報を確認すると明後日は天気も回復するとの予報。「今晩から登るの止~めた!!」と即決。持ち込んだビールとワインとツマミで、まったりと過ごして就寝。 朝は、まだ雨が降っていますが、やがて霧が出てきて小康状態に。朝食を済ませてしばらくすると雨も止みました。暇~、まだ午前9時過ぎ。「そうだ!朝風呂に深山荘の混浴露天風呂に行ってみよ!!」と徒歩5分ぐらいの深山荘に川沿いに向かいます。深山荘の帳場で500円を支払い、足早に露天風呂に向かいます。手前に女風呂の内湯があり、奥が男露天風呂で、階層構造になっていて、上段、中段の岩風呂です。そして下段は、混浴露天風呂になっています。川沿いで、解放感満点です。密かな期待をしていましたが、残念ながら貸し切り状態でした(笑)お湯は、硫黄泉ですが、それ程、硫黄臭はキツクも無く、丁度良い湯加減でした。お酒も持ち込み可との事、今度はぜひ気の合う山トモとまったりと楽しみたいと思いました。 駐車場に戻り、ビールで一人乾杯。朝から飲めるなんて、なんて至福なんでしょう。お昼からは昼寝、そして早い夕食を作って就寝、深夜のナイトアタックに備えます。 午後10時25分、ガスッてはいるものの、すっかり天気も回復、新穂高登山指導センターで登山届けを提出、クライムオン!!まず、めざすは、笠ケ岳新道登山口です。ゲートをくぐり、登山口までは、林道歩きとなります。 依然としてガスッていて、見通しは利きませんが、トラックも行き来するような林道で、ルートは超明朗で問題はありません。午後11時28分、笠新道に到着です。笠新道は、北アルプスの三大急登とも評されていて、直ぐに急登がはじまり、杓子平を経て、次の目標の稜線部の標高2800mまで6時間20分と長丁場です。ただ真っ暗で先が見通す事が出来ませんから、ただただ一歩一歩を重ねて行くだけです。 午前1時12分、杓子平との中間地点(標高1920m)の道標に到着です。更に、高度を稼ぎ標高2100mに午前2時8分に到着です。この道標には、「槍、穂高が一望できます」とありますが、シルエットすら、まったく目視できず。唯一、麓のポツポツと僅かな夜景が見えるだけでした。午前2時30分に標高2200mの道標を通過です。 登山道は、除々にガレ場に表情を変えて来ました。杓子平に午前3時39分に到着。気温もおそらく氷点下、小休止で、じっとしていると汗冷えで、急速に寒さが襲ってきます。直ぐに、再出発して、稜線までのガレ場に取り付きます。うっすらと稜線部のシルエットが見えるのですが、まだ距離感は良くわかりません。 午前5時過ぎ、振り返ると槍、穂高連峰などが雲海から突き出しているのが目視できます。無風で、誰もいない静寂の中、素晴らしい眺望です。ここまで登って来た疲れなども吹っ飛び、夢中でシャッターを切っている自分がいました。午前5時53分、稜線部の笠ケ岳と双六岳の分岐点に、ほぼコースタイム通りの到着です。 次の目標は、標高2737mの抜戸岩です。軽いアップダウンのある稜線歩きとなり、正面には目指す笠ケ岳のモルゲンロート、左手には、槍や穂高連峰が朝日を背にして、荒々しい山肌をさらしています。登山道は、氷点下以下で、昨日の雨の水溜まりがバリバリに凍っており、霜柱も10cmぐらいに伸びていて、気温の低さを物語っています。 午前6時46分に標高2737mの抜戸岩に到着です。「抜戸で体が抜けなぁ~い」とオバカ写真を撮影後、先を急ぎます。 笠ケ岳は、極めて均整のとれた三角形で、まさに笠という命名がピッタリの山です。山体がデカイので、見えていても、なかなか着かないというのが実感です。 笠ケ岳山荘の手前の登りは、これでもかと言う感じ、岩に「ガンバ」とか、「山荘スグソコ」のメッセージに、励まされて、午前7時30分に笠ケ岳山荘に到着です。ともかく頂を踏もうと、そのまま頂上アタックです。午前7時51分、無事に笠ケ岳(標高2898m)に到着です。360度の素晴らしい眺望に涙ものの感激。この笠ケ岳をマイナーと思っていた私の認識が、200%間違いだったと気が付きました。次回は、笠ケ岳小屋で一泊して、まったりと過ごしたいなぁと思いました。 そして、今回の山行きには、もう一つの目的がありました。それは、FBで知り合った高山市在住のヤマ友のKさんとの出会い。リアルにお会いした事が無く、たまたま今回、同じ笠ケ岳を目指しておられる事をFBで知りました。Kさんは、私の3時間ぐらい後を、同じルートで登って来られていて、私が笠ケ岳頂上から下山後、笠ケ岳山荘直下のテン場でラーメンを作っている所に、ご夫婦で登ってこられました。とっても明るくて爽快なお二人に、リアルにお会いする事が出来て、山トモっていいなぁ♪と感じた瞬間でした。コースタイムは、明らかに私に比べて早く、お二人の健客ぶりに脱帽です。しばし談笑して、再会を約束、私は明日の仕事もあり、先に下山を開始です。岩に書かれた「サヨナラ」の文字に、また来るよ!と言い残して、先を急ぎます。 登りとは異なる稜線部の美しさに、何度も笠ケ岳方向を振り返り、その情景を心に刻みます。眼下には、豆粒ほど小さく左俣谷の川と建物が目視できます。あそこまで下りないといけないと思うと、テンションが下がります。午前10時25分、稜線部の笠ケ岳と双六岳の分岐点に到着です。この時間になると、どんどん登山者が登って来られます。すれ違いざまに、「もう下山ですか?早いですね!!」と、「いやぁ、ナイトピストンなので」と返事をすると、「えぇ!!凄いですね!?」と口々に。早目に、お昼ご飯を稜線部で食べようと、アルファ米の五目ご飯で腹ごしらえ。 午前11時39分に、杓子平まで下山。その先、待ち構えている笠新道のこれでもかと続く急下り、「飽きたぁ~」と一人叫びながら笠新道を午後2時15分に無事、登山口まで下山しました。ここで双六岳に登ろうとして時間切れで断念して帰って来た方からも、「笠新道って急登なんでしょ?笠ケ岳山荘で一泊されたんですよね?」との質問。「いや、昨晩午後10時30分出発で、今、ピストンで下山しました。」とお返事したら「ありえません。考えるのも嫌ですと(笑)」確かに急登ですが、先にも記したようにナイトだと先が見通せないから、精神的に暗闇の閉塞感を克服さえ出来れば、意外と辛くないのです。しばらく小休止をして、水場で汗だくの体に、頭から水をかぶってリフレッシュ。 残りの林道を歩き通して、午後3時過ぎに無事に下山しました。長丁場でしたが、またもや山をやってて良かったと大満足のソロナイトでした。次の記念すべき第80座目は、10月30日に立山に登りました。また後日アップしたいと思います。【コースタイム】(休憩含む)新穂高登山指導センター ~ 笠新道登山口 ~ 杓子平 ~ 稜線分岐 ~ 抜戸岩 ~ 笠ケ岳山荘 ~ 笠ケ岳頂上(ピストン)・登り:9時間15分・下り:6時間45分・総行動時間:16時間47分【最高高度】2898m【最低高度】1085m【累計高度(+)】2252m【累計高度(-)】2233m【歩行距離】20.6km(沿面距離)【歩 数】29428歩【平均速度】1.2km【最高速度】5.7km
2016.11.06
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今回10月1日、2日は、日本百名山第78座目として、白馬岳(標高2933m)を選びました。本来なら王道の猿倉から大雪渓を登り、頂上アタックとしたいところですが、今年は、残雪が少なく、クレバス崩落の危険があり9月初旬より登山道が通行止め。仕方がなく北に北上して新潟県の蓮華温泉から白馬大池経由での頂上アタックを計画しました。 今回は、白馬岳頂上宿舎でのテンパクの為、恒例のナイトでは無く、うっすらと夜が明け始めた午前5時39分にクライムオン。天気が悪く今回も雨男全開です。レインウェアにテンパクの重装備、蒸暑いし、まとわりつくような小雨は、うっとおしいし、テンションは下がりまくりです。 白馬蓮華温泉ロッジの裏手の登山道から、まずは、最初の目標である白馬大池をめざします。 登る事、約15分、南方向を振り返ると、もうもうと湯気を上げている黄金湯、薬師の湯、仙気ノ湯と名付けられた露天風呂を持つ源泉帯が目視できます。 「連華の森」と呼ばれるブナ林の登山道をしばらく登り、午前6時31分、白馬大池まで120分の道標(1)に到着です。ペース配分を確認するには、この道標が役立ちます。 途中で、体調10cmはあろうかと思われる山ナメクジに出会いました。山ナメクジは、山ヒルのように悪さをしないので、なんとも愛着がわきます。 眺望のまったく無い樹林帯を登り、ようやく標高が2000mを越えると、植生が突然変わり低木林が増えて来ます。午前7時52分、天狗の庭(標高2093m)に到着です。天気が良ければ朝日岳などの眺望が良いらしいのですが、ガスガスで眺望ゼロ。 ここで、朝ごはんのソーセージパンを頬張り、小休止。目標の白馬大池までは、コースタイム1時間20分。あとひと踏ん張りとダケカンバの樹林帯の登山道を先に急ぎます。徐々に岩がゴロゴロと多くなり重装備には、じわじわと脚に負担がかかって来ます。やがて、草原地帯に飛び出すと、ガスガスの中に、白馬大池山荘が見えて来ました。人気が全く無い山荘に、午前9時48分に到着です。 天気が良ければ、目の前に白馬大池が広がっているハズですが、真っ白で、まったく見えず。気温も低く、じっとしていると汗冷えで、体が急速に冷えて寒さが襲ってきます。休憩もそこそこに次の目標である小連華山(標高2766m)を目指します。雷鳥坂と呼ばれるハイマツ帯のガレ場を登ります。ここには大小のケルンが積んでありますが、この場所で遭難死されたグループがいらっしゃったと後に知りました。 午前11時10分に船越ノ頭に到着です。この先、稜線部の登山道は明瞭な上、勾配もキツク無いので、順調に距離を稼ぐ事が出来ました。 そして幸運にも上空には青空も広がりて、時折ガスが晴れると、周囲の紅葉の山々や白馬大池も望む事が出来ました。そして、雷鳥も至近で迎えてくれて、天気の回復に期待が持てて来ました。まさか、あんな酷い悪天候が、待ち受けているとも知らずに。。。午後0時38分に小連華山(標高2766m)に到着です。小連華山は、再びガスガスで風も出て来ています。殺伐とした頂上に鉄剣が突き刺さっている様子は、なんとも信仰の山という感じと不気味さすら感じました。 この先の白馬岳方面の眺望は、またガスが巻き始めて来て、一末の不安が襲ってきました。幾度かの下りと登り返しを経て、日本ニ百名山の雪倉岳との分岐点である三国堺に午後1時26分に到着です。 ここから馬ノ背を越えて、白馬岳頂上まで、もうひと頑張りです。時折、風も強くガスは酷くなるばかりですが、ガスが切れると雪倉岳方面には、長池も目視できました。 午後2時36分、白馬岳(標高2932.2m)に登頂成功です。写真を撮影していると、やはりソロで登って来られた山岳小説家のIさんに出会いました。 Iさんも、同様に頂上宿舎のテン場でのテンパクとの事、一緒にテン場まで下ります。本来、この季節であれば、ハイシーズンで、たくさんの登山者が登っているハズですが、大雪渓が通行止めに加えて、この悪天候。白馬山荘にも人影はゼロ。まるで廃墟のような寂しさです。 約15分ぐらいで白馬頂上宿舎のテン場に午後3時15分到着して1000円支払いチェクイン。このテン場は、100張のキャパがありますが、先着は1張のみです。雨は止んでいるもの、時折の突風が凄まじく、テントを張るにも、油断をするとテントが吹っ飛ばされる程です。後から聞くと、このテン場は、ふだんでも風が強い事が有名で、過去にも、テントを吹っ飛ばされた方が何人もいるようです。やっとの思いでテントを張り、お楽しみのビールを買いに行くと、スタッフからは、「今日は風が強いので、もし小屋泊に切り替えるなら午後6時までに申し出てください。」との事。と言っても、財布には、ビールを買う小銭と千円札2枚しか持ち合わせておらず、選択枝は、テンパクしかありません。ビールと自参したワインで、まずは、78座目登頂記念の一人乾杯。鍋は、お決まりのちゃんぽんのスープで、まず切り落としベーコンとカット野菜を煮込んでツマミに。〆にちゃんぽん麺を投入して、お腹は満足。 午後7時過ぎには、シュラフにもぐり込んだものの、風は、増々強く、加えて夜半からは雨も加わり、まさにテントの性能試験をしている状況に。バタバタバタ~とフライがバタつく音と雨音が凄まじく、とても寝られるものではありません。耳栓を持ってこれば良かったと、耳に人差し指を差し込んで寝てみようと試みるも、指が気になって寝られるものではありません。何度かウトウトはしたものの、結局、長い夜をじっと朝が明けるのを待つ事になりました。こんな時に考えるのは、このまま天候が更に悪化したら、再度、白馬岳まで登り返して、無事に下山できるか?とか、万一、下山できない場合、会社にどう連絡しようか?とか更に悪い事ばかりが脳裏をかすめてゆきます。一方で、いつものナイトピストンではありませんから、最悪はテントでビバーク出来るとも考えて心を落ち着かせます。ともかく早く出発する事が賢明と午前3時30分に起床、朝ごはん済ませ撤収準備です。幸運にも相変わらず風は強いものの雨は小康状態、午前5時50分にテン場を出発。ここでIさんは不帰のキレット経由で唐松、八方尾根へ行かれるとの事、またお会いしましょうと再会を約束して、一人、白馬岳頂上へ登り返します。 幸い稜線部の風は、それほど酷くは無く、無事に頂上へ登り返し、小連華山もクリア。雷鳥も姿を見せてくれました。 ここまで来たところで、急速に天気も回復、稜線部も素晴らしく、遠く白馬大池も望めるようになりました。 午前9時分には、白馬大池山荘に到着、もうピーカン状態で、あの悪天候は何だった?というほどの素晴らしい天気になりました。早めのお昼とアルファ米のわかめご飯とコーヒーとクッキーで、わずかな時間ですが、至極のまったりした時間を過ごしました。 午前10時15分、白馬大池を出発、じりじりとした日差しの中を汗だくで下山、無事に午後0時50分、駐車場に戻りました。節約の為にテンパクばかりを考えていましたが、こんな悪天候は小屋泊もありだと考え直す山行となりました。次のブログは、10月中旬に登った北アルプス笠ヶ岳ナイトピストンをアップ予定です。【コースタイム(休憩・食事含む)】白馬蓮華温泉 - 天狗ノ庭 - 白馬大池 - 小連華山 - 白馬岳 - 白馬頂上宿舎・登り:9時間36分・下り:7時間【歩行距離】22km【歩 数】31428歩
2016.11.05
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今日は、日本百名山第77座目となる北アルプス 鹿島槍ヶ岳(南峰(2889m)、北峰(2842m))へ北アルプス三大急登のひとつと言われる赤岩尾根経由でアタックです。大谷原から鹿島槍ヶ岳までの標高差は1,700m越です。経験上、標高差2000mを越えない限りは楽勝とお気楽モードで、このルートを選択しました。前日の夕方、さいたまから全線下道(約260km)で、登山口となる大谷原に到着(標高約1100m)。登山口周辺には約20台駐車可能なスペースがありますが、もう夏も終わりかけ、3台ほどの車が駐車しているだけで、ひっそり。天気は曇りベースで、今回は雨男を返上できるかもしれないと内心期待して仮眠。午前0時起床、午前1時クライムオン。 最初の目標は、高千穂平(標高2049m)です。出発時の天気は、霧雨無風、約2時間は、林道歩きになりますが、作業用の大型トラックや重機も入れるような広い林道で、ゆるやかな登り。まったく不安も無く距離を稼げます。 午前2時20分、標高1330mの西俣出合の大冷沢下のトンネルをくぐります。このトンネルは、真っ暗で湿っぽく、なんとも不気味(笑)ゴウゴウと凄まじい勢いで頭上に沢水が流れているのが想像できます。 ここから本格的な登山道、急登となります。一般的に最初に急登の登山コースは、体力があるうちに標高を稼げますし、稜線にさえ出れば楽になるので、個人的には好きなコースです。ナイトの急登の為、先が見通せないので、ただただ一歩一歩重ねてゆくだけです。レインウェアが蒸し暑く、すぐに汗だくになりますが、相変わらず霧雨の為、脱がずにそのまま標高を稼ぎます。赤岩尾根ルートは、樹林帯の中に設置された鉄製・木製の階段やロープが幾度となく現れる急坂ですが、明瞭であり危険区間はまったくありません。針葉樹林帯を抜け高千穂平(標高2049m)に、午前5時40分に到着です。 もう標高差で言えば半分を登った事になります。夜明けでうっすら周囲の山影が目視できるようになりますが、相変わらず曇りベースで、時折、ガスがかかり眺望は良くありません。ここで朝食のパンを頬張り、小休止です。 天気が良ければ、正面に開ける光景は、北俣本谷から突き上げる鹿島槍ヶ岳東尾根と鎌尾根の懸崖が見えるらしいです。 高千穂平から赤岩尾根に入り、やせ尾根を登ります。別名「長ザク尾根」呼ばれた赤茶けた山腹に切られた登山道は、ところどころザレているのでスリップ注意です。ただ登山道は明瞭で、かつ、やせ尾根と言うほどでもなく、危険もありません。この尾根で、前夜からテンパクや小屋泊をしていた人たちとすれ違いました。天気は少しずつ回復し、薄日も射してきました。 午前7時10分、御後立山連峰の主稜線上にある冷乗越(つべたのっこし)の標高(2488m)の赤岩尾根分岐の稜線に飛び出しました。天気が良ければ富山県側の展望が開け、真正面に立山三山や剱岳が姿を現すらしいのですが、ガスッていて眺望は良くありません。ここから北進すれば鹿島槍ヶ岳、南進すれば爺ヶ岳です。 ここで進路を北に取り、冷水小屋を目指します。せっかく登ったのに一旦下り、またしばらく登ると赤い屋根の冷水小屋(標高2420m)に午前7時45分到着です。 また霧雨が降り始めたので、ここでは休憩せずに先を急ぎます。約10分程度で、この冷水小屋のテン場に到着です。テン場には、一張りだけ。フラットなテン場で良いのですが、小屋とテン場が離れ過ぎていて、トイレやビール等の調達が大変そう。ここでのテンパクは、パスかなと思いました。 冷池山荘から布引山(標高2683m)を越えると、鹿島槍ヶ岳南峰までは概ねなだらかな登山道です。驚いたのは、サルが多い事で、高山植物が茂る中を群れを成して縦横無尽に走り回っています。 頂上直下で、先行の数十名のツアー登山の方々と出合いましたが、彼らは、鹿島槍ヶ岳(南峰のみで、北峰までは足を延ばしていないようでした。午前10時45分、鹿島槍ヶ岳(南峰(2889m)に無事登頂成功です。周囲は、相変わらずガスっていて十分な眺望を楽しむ事はできませんでした。 やはり鹿島槍ヶ岳はツインズなので、北峰(標高2842m)を踏まずとは帰れません。ここから、さらに、八峰キレット、五竜岳方面へのルートを取ります。吊し尾根と言われていて、一旦、下って登り返す事になります。南峰とは異なり、荒々しい岩肌がむき出しになり、眼下には雪渓も残っています。登山者はいないので心配は無いですが、ガレ場では、落石を誘発しないように慎重に進む事が必要です。コースタイムは25分とありますが、ここは慎重を期して、40分ぐらいをかけて午前11時45分、北峰(標高2842m)に無事登頂成功です。ここでも時折、薄日は射しているものの眺望はほとんどなく、雨男を払拭する事はできませんでした。休憩もそこそこに下山開始です。 途中のガレ場では、雷鳥がたくさん生息していて、まだ白い産毛のある幼鳥は至近距離でも逃げる事もなく、近づくと、ひょこひょこと登山道を案内してくれるように先を歩いてくれます。これほど間近にたくさんの雷鳥を見た事はありませんでした。天気が悪いほど出て来ると言われる雷鳥、雨男であった事が、逆にラッキーでした。気がかりは、サルがこうした高所に生息域を広げているのは、雷鳥を捕食している為との事、なんらかの保護が必要では?と感じました。 午後1時40分、霧雨の降る中、冷水小屋に到着、遅い昼食のカップラーメンとコーヒで、長い下山に備えて腹ごしらえです。毎回、ナイトでの登りで、よくわからない登山道、こんなところを登って来たのかと新鮮な気持ちと、これでもかと言うほどの下りに飽きてきます。早く温泉に浸かりたぁ~いと思いながら午後5時40分に林道に無事下山。ここからの林道も見通しが利くと恐ろしく長い。途中で、雨が強くなって来てうっとおしい限り。そこへ山小屋の関係者の方が車で通りかかり「乗せて行ってあげようか?」と、車内を濡らしてしまうのでと、丁重にお断りして歩き続け、大谷原に午後6時40分無事に到着しました。 鹿島槍ヶ岳は、確かに急登でロングではありましたが、他に経験したアルプス系の山々に比べれば、登山道も明瞭で整備されていて、楽チンなコースと思いました。今度は、縦走で八峰キレット沿いに五竜岳に再度登ってもいいかなと思いました。【出会った花たち】 【コースタイム】大谷原 ~ 冷乗越 ~ 鹿島槍(南峰)~ 鹿島槍(北峰)ピストン・登 り:10時間45分(休憩・食事含む)・下 り:6時間55分(休憩・食事含む)【歩行距離】18.1km【歩 数】27717歩
2016.09.22
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今日2016年7月17日 日本百名山76座目、東北地区では最後の百名山となる飯豊連峰の飯豊本山にソロナイトアタックです。この飯豊連峰は名のごとく単独峰ではなく疣岩山(標高1,654m)、三国岳(標高1,644m)、飯豊山(標高2,105m)のピークの他に大小のピーク、コルがあり、累計標高差約2,100m、歩行距離約28kmというロングである事が、最後まで後回しになってしまった理由です。経験上、累積標高差が2000mを越える山はキツイんです。 〔飯豊連峰を望む う~ん遠い!!〕 さいたまから下道を約280km、埼玉県、茨城県、栃木県、福島県と越境、会津坂下では磐梯山も顔を覗かせていて、思ったほど天気が悪くないのに一安心です。 午後4時過ぎ弥平四郎の林道入口に到着、ここからはややダート気味の林道を4kmをゆっくり走ります。 弥平四郎登山口駐車場に午後5時前に到着、さすがに3連休という事もあり駐車場は、ほぼ満車状態でした。 まずはナイトでいつも迷う登山口の入口からの取っ付き、下見を兼ねて探索です。長坂ルートは、ヤマレコに取っ付きの川を渡った先がわかり辛いとの事で、そこまで足を延ばしてみました。登山道入口の時代を感じる看板に、テロ・ゲリラ根絶と書かれています。こんな奥深い山でなんで?と思ってしまいます。 この弥平四郎登山道には、疣岩山手前の分岐まで、新長坂ルートと中ノ越経由の新ルートの2つのルートがあります。当初、新長坂ルートを使う予定でしたが、山と高原地図のコースタイムによれば、新コースの方が20分短い事がわかりました。ロングトレイルの為、たかだか20分、されど20分と迷わず登山届を書き換え、新ルートを使う事にしました。これが下山時、コースタイムを狂わせることになるとは予想もしていませんでした。。。 夕食は、コンビニの惣菜をツマミに、プリン体ゼロ缶チュウハイで明日の登頂成功を祈って乾杯!!3連休なので、今日は余裕で仮眠を取る時間があります。午後8時過ぎには眠りにつきました。 午前0時30分に起床です。天気が心配でしたが、雨は降っていない様子、とりあえず簡単な夜食を済ませて出発準備、午前1時30分にクライムオン。飯豊連峰は熊が多いと聞いていて、万一の鉢合わせが怖いので、熊鈴を鳴らして新ルートに取り付きます。まずは上ノ越の稜線部まで標高差約600mの急登ですが、一挙に高度を上げる事が出来るので、黙々と一歩一歩を重ねて行きます。幸い森は静まりかえり獣臭もありませんでした。上ノ越に午前3時18分に到着です。途中休憩した事もありコースタイムを約20分ぐらいオーバー。いつもの事で登りはじめはテンションが低くペースが上がらないんですぅ。 ここから先は稜線歩きになります。次に目指すのが疣岩山(1653.4m)ですが、この前に巻岩山(1578m)のピークが一つ、すなわち、この巻岩山の頂上から一旦、下って、登り返す事になります。ぼんやり白み始めた稜線部の登山道は、眺望の無い樹林帯、ほとんど眺望はありません。午前4時38分、長坂ルートとの分岐点に到着です。どう見ても新コースが20分コースタイムが早いなどと信じられないアップダウンのある登山道でした。すっかり夜も明けましたが、天気がイマイチ。時折、雨も降り始めました。加えて、羽虫が大量発生していて、口や耳に入り込んで来て、うっとおしい事この上ありません。防虫剤入りのクールミストを全身にスプレーするも、やたら体は冷え冷えするも、まったく効かず。あとで解ったんですが、防虫剤入りと思って購入したクールスプレー。なんと防虫剤入りじゃ無かったんです。(><)(写真の黒い物体は羽虫です。) 途中、遥か先にめざす飯豊本山も、ちらっと望む事が出来ましたが、その後、まずます雨が強まり、新調したゴアのレインウエアを着て先を進みます。このレインウェアは高価ですが、軽くて蒸れも気にならず快適でした。しばらくすると草刈り機のエンジン音が聞こえてきました。三国避難小屋のスタッフの方々でしょうか、登山道の笹などの刈り取り作業をされていました。エンジン動力の草刈り、さぞかし大変なご苦労だと思いました。「早いね~」と口々に声をかけて頂き、「草刈のおかげで快適に歩く事が出来ましたよ!!」と返礼。三国岳小屋に午前6時10分に到着。途中でレイン着たり、朝食休憩したりで、すでにコースタイムは40分オーバーです。遠くには磐梯山が雲海の先に望む事が出来ました。反対側には、これから登る飯豊連峰の残雪を抱いた山並みが見渡せますが、ともかくまだまだ遠い、飯豊本山は雲の中でした。 次の目標は切合小屋(標高1750m)です。途中2段のハシゴがありますが、難なくクリア。種蒔山(標高1791m)を越えて切合小屋に到着です。小屋には水場がありますが、今回は3リットルの飲料水を担いでいるので、そのままスルーしました。 その後も雨風が時折強く吹きぬけてゆく感じが続きました。しばらく歩くとガスガスの中に雪渓が現れました。ただ距離的にも200mぐらいでしょうか、傾斜も緩く軽アイゼンも不要でした。ここで10数名のパーティと今日始めて行き交いました。更に先を進むと草覆塚(標高1908m)に午前9時14分に到着です。このあたりは砂礫ののっぺりした平原になりますが、逆に登山道が不明瞭な箇所もあるので、注意して先を進みます。周辺はお花畑、ヒメサユリやハクサンシャジャン他、様々な高山植物が咲き乱れていました。天気が良ければ最高だろうなと思いました。 小ピークから少し下った鞍部には、少し怖いお顔の「姥権現」さまが鎮座しています。 いいでの伝説では女人禁制であった飯豊山に登ってみたいと思った女性が、男性の21日間の苦行の倍の42日間の苦行の末に登ったものの、この場所で石になったと云われています。なんと可哀想な山ガールでしょう。生まれた小松の人が通ると涙雨を降らせるとの事です。そんな涙雨かもしれませんが、雨風は更に強くなって来ました。 ここから御秘所と呼ばれる鎖場である岩尾根、距離は短い鎖場ですが、雨で滑り易い岩場なので慎重に登ります。 この先には御前坂と呼ばれる最後の急登が待ってます。稜線部で更に雨風は強まり、暴風雨という言葉がぴったりの天候に。急登の上、横から風で押されて一歩一歩に難儀します。ようやく午前10時38分 本山小屋(標高2102m)に到着です。 天気の回復が見込めないので、鳥居で一礼、本山小屋では休憩をせず、そのまま飯豊本山を目指します。頂上までのコースタイムは20分です。途中で20名ぐらいの団体のパーティの方々とすれ違いますが、凄まじい風で吹っ飛ばされるかと思ったと口々に皆さん。午前10時45分 無事に飯豊本山(2015m)に登頂成功です。頂上は誰もおらず、またもや独り占めですが、ガスガスの上に暴風雨、まったく眺望はありません。長居は無用と自撮りの記念写真だけして、本山小屋に戻りました。 この76座で、唯一、記念の槍以外、私はバッジは集めていませんが、この山は、東北最後の百名山、その記念として、おとめゆりと言われる「ヒメサユリ」といいでのほしと呼ばれる「イイデリンドウ」をあしらった、2つのバッジを買いました。このバッジには、本山頂上と刻印されていますが、この刻印のあるバッジは、「ここでしか買えないよ!!」との小屋のオヤジさん。本山には登って来たんだよね?と確認まで求められました。登らずには売ってくれないのかな?(笑) 相変わらず天気が悪い為、休憩もそこそこに下山を開始します。切合小屋を過ぎる頃から、青空も見え始めて夏の日差しも降り注ぎ出しました。今度は、暑いのなんのって、加えて、あの羽虫も増えて来ました。午後2時45分、三国小屋に到着。お昼も食べていなかったので、ここでカップヌードル&コーヒータイム。コーヒーは切合小屋で汲んで来た清水を利用。とってもウマイ至極の一杯で生き返った気分♪ 下山して来た方としばし談笑。 焦る下山でも無いので、ゆっくりと下山を開始。あの羽虫に悩んだ登山道には、トンボが大量に飛んでいて、あの羽虫は皆無。どうやら食虫のトンボが全部食べてくれているらしいのです。ずっと私の回りをトンボが飛んでくれたおかげで、羽虫には悩まされる事なく疣岩山まで下山。こんなにアップダウンがあったのかという程、登り下りに、もううんざり。 この先の新長坂ルートと新ルートのどちらで下山をするかを迷いましたが、結局、新ルートを使う事に。これが失敗で、中ノ越からは、午前の雨で粘土状でぐちゃぐちゃになった登山道が待っていて、さらに木の根っこも多く滑り易く、2度ほどすっ転びました。とてもではないですが、山と高原地図のコースタイムをキープなんてできません。これから登られる方へのアドバイスですが、登りは新ルート、下りは、新長坂ルートを選ぶのが良さそうな気がします。新長坂は使っていませんが歩きやすいとの情報もあります。午後6時45分、無事に弥平四郎登山口駐車場に下山できました。 確かに、ロングトレイルでアップダウンの多い連峰でしたが、これまでの経験した平ケ岳や塩見岳、厳冬期の常念岳などに比べれば体力的にラクチンでした。次は、天気の良い日に大日岳にも縦走してみたいと思いました。 【出会った花たち】 〔ヒメサユリ〕 〔イワギキョウ〕 〔ハクサンシャジャン〕 〔ハクサンシャジャン〕 〔ハクサンシャクナゲ〕 〔ハクサンシャクナゲ〕 〔ニッコウキスゲ〕 〔ヤマハハコ 〕 〔調査中〕 〔クルマユリ 〕 〔タテヤマウツボグサ〕 〔タテヤマウツボグサ〕 〔調査中〕 〔ミヤマキンポウゲ〕 〔ミヤマクルマバナ〕 〔ミヤマクルマバナ〕 〔センジュガンピ〕 〔センジュガンピ 〕 〔ヤマブキショウマ?〕 〔センジュガンピ 〕 〔イワハゼ〕 〔カラマツソウ〕 〔ノアザミ〕 〔タカネマツムシソウ 〕 【コースタイム】(休憩含む)弥平四郎登山口駐車場 ~上ノ越 ~ 疣岩分岐 ~ 三国小屋 ~ 切合小屋 ~ 姥権現 ~ 本山小屋 ~ 飯豊本山 (日帰りピストン) ・登り:9時間15分 ・下り:8時間 ・合計:17時間15分 【歩行距離】27.99km【歩数】43064歩
2016.07.23
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今日2016年6月19日は、日本百名山第75座目として、新潟県と群馬県の県境にまたがる平ケ岳(2141m)にソロナイトアタックしました。この平ケ岳は、冬場の積雪期は尾瀬からのアプローチは可能ですが、メインの鷹ノ巣登山口のある国道352号線(樹海ライン)は、桧枝岐村から先豪雪地帯の山間部を通る為、毎年6月初旬までの約7ケ月冬季通行止めとなる為、アプローチ出来る期間が短いのです。さらに、情報によれば、日本百名山の中でも、登山道が10km以上と長く、日帰りがキツイ山と紹介されています。 鷹ノ巣登山口に午後6時過ぎに到着、40台ほど停められる無料駐車場は、半分くらい埋まっていました。綺麗なバイオトイレも完備されており、登山口としてのわかり易さとベースとしては申し分ないでしょう。 夕食は、尿酸値をドクターに指摘された為、好きなビールをあまり好まないハイボールを、コンビニで調達した惣菜をつまみに、簡単に夕食を済ませ、仮眠に入りました。 23時に起床し出発準備、23時40分にクライムオン。登山道は、しばらくは広くなだらかです。十五夜の月夜で登山道はぼんやり明るく、なんの不安も無く歩けます。約20分ほど歩くと、「すぐやせ尾根です」の立て札があり本格的な登山道になります。平ケ岳10.5kmの道標に、「あぁ~遠いなぁ!!」とため息です。 この登山道の登りの一歩で小石を踏んだ瞬間に、カカトに激痛が走りました。尿酸値の上昇による痛みではないか?と頭をよぎりました。足の運びをいろいろ変えてみると、斜面の角度が緩ければ痛みは無い事を認、急斜面は、かかと浮かす事で痛みを受けないように工夫して高度を上げて行きます。やせ尾根は確かに、ところどころ両わきが切れ落ちてはいますが、暗いので高度感はまったく感じません。途中、長短20ケ所ほど、ロープが設置されていましたが、難なく登る事が出来ました。午前2時9分下台倉山(標高1604m)に到着。ここから台倉山(標高1695.3m)までは、やや稜線部を捲いて、数十mのアップダウンを何度か重ねて午前3時7分 台倉山に到着です。古い墓石のような三角点にドキッ!!振り返ると遠くにヘッドライトが揺れて登って来ている登山者を目視できました。この台倉山からは、遥か彼方に燧ケ岳や平ケ岳のシルエットを目視する事ができますが、ともかく、まだまだ遠いんです。テンションがさがりますが、小休止、行動食を頬張り気を取り直して出発です。次の目標は、標高約2000mの池ノ岳、この山の向こうには、広大な湿原が広がっているハズです。その情景を妄想しながら先を急ぎます。 午前3時22分に台倉清水の水場を通過。今回は、夏場、かつ20km以上のロングピストンを強いられる為、距離の1.5倍の30kmを10で割ってリットル換算した3リットルの飲料を担いでいるので、そのままスルー。途中にもう1ケ所水場はありますが、ほとんど枯れていて水たまり程度。とても飲めるような水場ではありませんので、これから登られる方は、飲料水は持参される方が無難と思います。午前3時30分を過ぎる頃、東の空がほんのりとオレンジ色に染まり始めました。ナイトでは、暗闇の圧迫感と眠気で一番キツイ時間帯ですが、もうひと頑張りで夜明けを迎えます。午前4時30分、待ちに待った日の出です。 しばらくは樹林帯の小さなコルとピ-クを越えて行きます。もう辺りは明るくなり、池ノ岳も平ケ岳、そして遥か先には燧ケ岳もクッキリと望む事が出来ます。最後の標高差200mはけっこう急登です。こうした急登は、私は30歩、1クールとして10秒休むを繰り返す事で、息を荒げる事なく高度を上げて行くようにしています。稜線に吹き上げてくる風は、けっこう強く、寒かったです。 午前5時37分、池ノ岳に到着。目の前には、広大な湿原が広がっています。ワタスゲやチングルマがとっても綺麗です。平ケ岳の頂上までは1kmの道標があります。なだらかな丘陵地帯で木道も設置されていますが、頂上まで標高差約150mほどの登りとなります。 午前6時6分、無事に誰もいない平ケ岳(2141m)に登頂成功です。三角点のある頂上部は、周囲を低い樹林帯に囲まれていて眺望はありません。平ケ岳の四周には、数えきれないほどの既知未知の山々が立ち並んで、この山の奥深さを感じました。 しばし周辺を散策して、次の目標である「たまご石」をめざします。途中、若干の残雪を踏んで、約30分ほどで「たまご石」に到着しました。たまご石は、想像していたような白い玉子ではありませんでした。風化が進んでいるので、近寄らない事との注意書きがありました。いずれは、転がり落ちてしまうかもしれません。 この「たまご石」からの眺望も素晴らしく、遠くは、南アルプスの北岳、間ノ岳が、残雪を冠していました。 再度、池ノ岳に登り返して、ウッドデッキに転がって一服です。ただ相変わらず風が強く寒いので、コーヒーもカップヌードルも中腹まで下山してからにしようと、記念撮影のみで下山を開始です。 この時間になると登って来られる方も多くなって来ました。「早いですね~」の言葉に、午前零時頃の出発と伝えると、「やせ尾根怖く無かったですかぁ~」と口々に。下山は、登りではまったく気がつかないヘビやハチが多いのにびっくり。台倉山から先は、痩せ尾根も登りのナイトとは異なり、先が見えるだけにともかく長い。ドライパイナップルを噛みながら、ひたすら下山を続けます。 午後1時11分、無事に鷹ノ巣登山口に下山しました。帰りは、桧枝岐村の燧ノ湯(500円)に直行。単純硫黄泉で、その心地よいぬるぬる感が大好きで、必ず会津駒ケ岳に登った帰りは立ち寄っています。眠くならないうちにと、約250kmを下道で陽のあるうちに帰宅する事が出来ました。 【出会った花チュウ】 【ツマトリソウ】 【ゴゼンタチバナ】 【シャクナゲ】 【ウラジロヨウラク】 【アカモノ(イワハゼ)】 【コツマトリソウ】 【コイワカガミ】 【】 【オオバスミレ】 【ハルリンドウ】 【コイワカガミ】 【カトウハコベ】 【ショウジョウバカマ】 【イワウチワ】 【コイワカガミ】 【チングルマ】 【ワタスゲ】 【コースタイム】(休憩含む)平ヶ岳(鷹ノ巣)登山口→前坂→下台倉山→台倉山→白沢清水→池ノ岳→平ヶ岳→たまご石(ピストン) ・登 り:6時間26分(頂上まで) ・下 り:5時間34分(たまご石より)【歩行距離】22.1km【歩 数】 30857歩
2016.06.25
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今日2016年5月14日は、日本百名山第74座目となる南アルプス塩見岳(3047m)にアタックです。中央道松川ICを午前零時に通過、鳥倉林道を経て越路駐車場を目指します。林道は、落石や落ち枝等はあるもの全線舗装されていて、快適に走る事が出来ました。午前1時過ぎに越路駐車場に到着、約30台停められる駐車場の先行車は、山小屋の関係者と思われる軽トラ1台のみでした。軽く腹ごしらえをして出発準備、午前1時30分に駐車場先のゲート(標高1630m)をくぐってスタート。GWに家事で痛めた腰の痛みが残っていてリハビリを兼ねての登山です。しかしリハビリには長い山行、一末の不安がありますが、もしダメならいつでも引き返そうと気楽です。長野県警に直接、登山届を提出しているので、登山者カードのポストはスルー。しばらくは舗装された立派な林道歩きとなります。午前2時10分、鳥倉登山口(標高1790m)に到着です。 ここから本格的な登山道となりますが、すぐに倒木やらで不明瞭。マーキングは、カラマツの幹に透明のビニールテープが巻きつけてあるので、これを頼りに登りますが、ナイトである上に、あちこちに同様のテープが巻き付けてあり、どれを頼って登れば良いのか解らず、ともかく直登気味に登る事30分、ようやく三伏峠まで10/1の立て札を見つけました。ルートが誤っていない事にホッとするものの、えぇ~。まだ10/1!? ここから先の登山道は明瞭です。約15分毎に立て札が現れる感じで、ペース配分には役立ちます。このルートは水場が少ないので途中「ほとけの清水」で水分補給です。まさに南アルプスの天然水。冷たくて、なんて旨いんでしょう♫ すでに残雪は無く、夏道ですが、途中、沢越えの丸太や階段等は、しぶきで濡れているところもあり、滑らないように注意しながら高度を上げて行きます。途中、塩川ルートとの分岐に午前4時28分に到着。塩川ルートは、崩落の為、通行止めの案内が貼ってあります。また、塩見小屋は、現在営業休止中、7月初旬営業再開の案内もありました。(※テン泊も禁止なので、これから登られる方、注意してください。)地図によれば、三伏峠まであと30分、この時期は夜明けも早く、もうヘッテンも必要ありません。三伏小屋まであと200歩の立て札に苦笑です。 先を急ぎます。午前4時58分、三伏峠(標高2580m)に到着です。三伏峠は、日本で一番高い峠と言われており、深田久弥さんの日本百名山によれば、昔は、伊那から、この峠から大井川上流に下り、デンツク峠を越えて甲州の新倉へ出る伊那街道があり、かなりの往来があったとの事、昔の人たちの健脚ぶりはスゴイと改めて感心しました。この峠の横に、立派な三伏小屋がありますが、ひっそり静まり返っていて、テン場も利用者はゼロ。小屋番の方が1名いらっしゃるのみでした。 ここから次の目標である標高2658mの本谷山を目指します。ここから残雪が登山道にかなり出てきます。まだ朝早いので、ツボ足になる事はありませんが、帰りは気温も上がって踏み抜きも多くなるのではと、気が重くなります。三伏峠から20分ほどの三伏山の頂上からは、周囲の山々の素晴らしい眺望が楽しめました。 午前6時32分、本谷山(標高2658m)に到着です。ハイマツに囲まれていて、あまり眺望は良くはありません。ここから次の目標はゴーロ。緩やかに下りが続くので足への負担は少ないものの、腐れ雪に足を取られやすく、トレースも不明瞭なので注意しながら先を進みます。ようやく目指す塩見岳の姿がハッキリ目視できますが、これがまた遠いし、高くそびえていて、あんなところまでコースタイムキープしながら登れるのかなぁ?と思える距離感です。ゴーロから先の次の目標は、塩見岳の核心部である塩見小屋を目指します。樹林帯のキツイ登りになりますが、ピンクテ-プでマーキングされているので、コースを見失う心配はありませんでした。 午前9時、塩見小屋に到着。小屋のまだ約半分ぐらいが、雪に埋もれています。背後には、目指す塩見岳の西峰、東峰がそびえています。青空の中、素晴らしい眺望です。小屋は7月初旬までは休業中で、立ち入り禁止、テン泊も禁止と張り紙があります。 次の目標はテング岩、バットレス、ここからは、夏道のガレ場となり残雪はありあませんが、かなりモロイのでスリップしないように注意して登ります。天狗岩の下で、更に岩場が続く為、身軽になる為、アイゼン、ピッケル、ストックをデポ。このデポが後でとんでもない失態につながるとは思ってもいませんでした。天狗岩から西峰までは、高度感のある岩場で、もろい岩質の為、ヘルメットを着用、落石にも注意しながら登ります。黄色いペイントでマーキングがあるのですが、かなり薄れていて、ところどころコースを見失い、ボルダリングの要領で、三点支持で急峻な岩場を直登しました。 午前10時45分、誰もいない標高3047mの西峰に登頂成功です。時折、霧が昇って来てガスッてしまいますが、周囲の南アルプスの眺望は素晴らしいものでした。 休憩もそこそこに、約5分ぐらい先の東峰を目指します。東峰は標高3052mと西峰より5m高いのに、なぜ百名山を東峰で無く西に定めているのか、おそらく三角点の設置場所によるものでしょうが、理由は深田さんの日本百名山には記載されていません。 しばらく360度の眺望を楽しみましたが、風もやや強くなって、ガスって来たので、長居は無用と下山開始です。ようやく天狗岩まで下山して、デポしたアイゼン、ピッケル、ストックを回収しようとしたところ、あるハズの場所に無いのです。誰も塩見岳に登っていないので、クマかサルに持ち去られる以外は、あり得ませんが、こんな3000m越えるような場所にそんな動物がいるわけもありません。気を取り直して、同じような場所が他にもあったかもと、下山をしますが、見つける事ができません。結局、見つける事が出来ないまま塩見小屋まで下山してしまいました。だいぶ疲れていて、どうしようか迷いましたが、この先、アイゼン、ピッケルはともかく、ストック無しでは、この長いコースを腰の痛みを抱えて下山する事は出来ません。それにデポしたアイゼン、ピッケル、ストックは、あの積雪期の常念岳を無事に登らせてくれた相棒です。容易く見捨てるわけにはいきません。見上げる天狗岩までの距離、登り返すのに心が折れそうになりますが、奮起してあえぎあえぎ登り返し。デポした場所を見落とさないように慎重に登り、ようやく見覚えのある場所に到達、「あったぁ~!!」と思わず叫んでしまいました。(下の写真の右奥の岩陰にデポしていました。)゚めちゃテンションが下がっていましたが、俄然、元気を取り戻し、塩見小屋まで戻りました。やれやれと遅めの昼食のカップラーメンとお握りを食べようと、コンロに着火、ところが直ぐに消火してしまいます。標高3000m近くで、ガスが気化しないのに気がつき、「しまった高圧ガスカートリッジを持って来るのを忘れた!!」仕方なくラーメンを諦めてお握りだけ頬張ることに。そんな事をしていると、下から登って来るパーティが。塩見小屋を、掘り返す作業に来たと言う小屋のスタッフの皆さんでした。今回の塩見岳登山でお会いしたのは、この方々とゴーロ近くで、この方々の後を追って登って来られた3名のパーティだけでした。ゴーロを過ぎて本谷山までは、行きには、あまり気にしなかったのですが、下山でありながら、これでもかと思う程、ずっと登りが続くのです。急登ではありませんが腐れ雪もまとわりつき、ジワジワとボディブローのように疲れが増して行きます。更に三伏山までも何度かコルとピークを繰り返して、ようやく午後5時20分、三伏小屋まで無事下山しました。どちらにしても夕暮れまでには鳥倉登山口までには下りられないので、慌てずに腹ごしらえして、ベンチでごろりと。なんと心地よい事でしょう。昨日から一睡もしていないので、そのまま寝込みそうになります。10分ほど仮眠して、鳥倉登山道を下山します。 途中、「ほとけの清水」で、頭や体の汗を流してリフレッシュ。もう夕闇が迫っておりヘッデンを点けて下山を急ぎます。10/1の立て札から登山口まではルートが不明瞭であったので、特に慎重に下山、午後7時40分、真っ暗な登山口に到着です。ここからは林道歩きですが、行きはそんなに感じなかったのですが、ともかく、これでもかと言う程、長い。とても綺麗な舗装道路が逆に脚に負担となり、恨めしく思います。午後8時35分、無事に越路駐車場に到着しました。日帰りピストンでは、かなりキツイコースではありましたが、つつましやかな塩見岳は、素晴らしい3000m峰でした。次は、南アルプスの聖岳か光岳にアタックしたいと思います。 【コースタイム】休憩含む越路駐車場 ~ 三伏峠 ~ 三伏山 ~ 本谷山 ~ ゴーロ ~ 塩見小屋 ~ 天狗岩 ~ 塩見岳(西峰) ~ 塩見岳(東峰)(日帰りピストン) ・登り:9時間15分・下り :9時間(デモ装備収集の為の登り返しロス含む)・合計:18時間15分【歩行距離】30.35km(登り返し含む)【歩 数】46704歩
2016.05.30
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今日2016年5月2日は、鈴鹿セブンマウンテンの第4座目となる御在所岳(1211.95m)に明け方からアタックです。山トモのアドバイスもあり、地図にルートが描かれておらず上級者向きで難易度が高いと言われる本谷ルートを選びました。 午前3時過ぎに自宅を出発、午前4時30分に鈴鹿スカイラインの中腹にある中道コースにほど近い無料駐車場に車を停めました。先行車は、GW期間でしたが2台だけでした。因みに下山時は、満車で路肩駐車も已む無しの状態でした。 今日はバリエーションルートとネットに紹介されている事もあり、安全の為、いつものナイトは避け、周囲がほんのりと明るくなるのを待って出発です。一ノ谷山荘の前のポストに登山届を投函、一ノ谷新道と書かれてる道標に従って登りはじめました。ところが、一ノ谷の沢を登るハズが、GPSで確認するとどんどん離れています。最初から取り付きを間違えていると気付き、一旦、下山、再度確認、廃れて薄気味悪い御在所山の家の前を通り、赤ペンキで本谷コースと書かれている岩を発見、ヤレヤレです。ここを少し登ると一ノ谷の沢に出る事が出来ます。 一ノ谷の沢は、最初は平たんですが、すぐに大きな岩岩が現れ、これをひとつひとつクリアして登る事になります。安全の為にメットも着用。中には沢の水しぶきで巨石が苔むしているところもあり、滑ると危険な為、沢の横の斜面に捲いて高度を上げて行きます。 バリエーションルートとネットには紹介されてるものの、途中でいくつか分岐する沢筋も赤、青ペンキで丸がそこそこ打ってあるので、ルートを踏み誤る事もほとんどありませんでした。特にコーモリ沢の分岐は倒木がある方の沢筋が正しいのですが、けっこう間違う登山者が多いらしいので注意です。御在所ロープウェイの中腹の鉄塔の下に午前6時12分に到着。眼下には伊勢湾が見渡せます。 ここからロープウェイの下より若干、左に捲く感じで登りますが、5分ほど登るとロープウェイの点検道とぶつかります。ここは点検道につられる事なく、左のけもの道のような道を藪漕ぎして一旦下るのが正解。また沢筋の急登となります。遮るものが何も無く、日差しがとても暑く感じられました。名物のジョーズ岩もロープが新設されていて、難なくクリア。途中でロープウェイの滑車らしき残骸が落ちていました。どこから転がって来たんでしょうね。ほどなくして一ノ谷新道に合流、山上公園に到着です。小学生の頃にスキーで宿泊した山上ホテル、今はホテルは廃業、レストラン アゼリアになっていますが、当時のままの外観が残ってました。 山上公園から頂上に向かう途中で、12月に登頂した鎌ケ岳1161mもクッキリ見えました。登りに約2時間30分、GWなのに誰一人いない頂上に午前7時25分に無事に登頂成功です。 写真やビデオを撮影してFBアップ、とっとこと中道から下山を開始、ふとスマホを見ると、山トモから、「あなたがアップしてた写真ね、頂上じゃぁないよ〜」とのメッセージ。「じぇじぇじぇ~!!」下山してから、また御在所岳を登る気はしないしぃ (>_<) と、一発奮起して戻る事を決意、登り返して、無事に、ホントの頂上を踏む事が出来ました(^^;; 良かったぁ〜V(^_^)V 山トモに感謝!!ありがとう♫ 下りの中道は、人気のルートのようで、登って来る人たちで、譲り合いが大変。でも見晴らしは最高♪ 途中、名物のキレット、地蔵岩、おばれ岩などを楽しみながら午前10時30分に無事に下山しました。 御在所岳は、小学生の頃は、スキーにロープウェイを使って何度も来ましたが、まさか自分の足でこうして登るとは思ってもみませんでした。低山とは言え、バリエーションも多く、眺望も奇石も沢山あって、とても楽しめる山だと、改めて45年ぶりの御在所岳に感慨無量でした(^o^)/ さて残す3座、次はどこを攻めようかな?【出会った花々】 【コースタイム】一ノ谷山荘 ~ 一ノ谷 ~ 御在所岳頂上 ~ 中道 ~ 中道登山口(休憩含む 登り返し時間は無視))・登り 2時間30分・下り 2時間【歩行距離】測定せず【歩数】測定せず
2016.05.08
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今日、2016年4月8日、日本百名山第73座目の北アルプス常念岳へ、積雪期アタックのソロナイトでのリベンジ5回目です。烏川林道は、4月末まで閉鎖されているので、ほりでーゆ四季の郷の先で閉鎖されているゲートの右側の駐車スペースに、まだ日のあるうちに車を停めてコンビニ弁当で夕食、仮眠、午後11時15分、標高約790mからアタック開始です。 頂上との標高差は約2000m。標高差2000mの日帰りピストンは、かなりキツイ行程です。昨年11月の一ノ沢ルートで悪天候の為、沢に流されてから、ほぼ毎月アタックしたものの、いずれも悪天候に阻まれて、毎回頂上までの距離を縮める事が出来たものの、頂上を踏めませんでした。でも今日の天気は、若干風が強いものの満天の星空。今日こそは、頂上を踏めそうな予感です。 先月は、林道に雪が30cmぐらい積っていましたから林道歩きも大変でしたが、すでに林道の雪は消えアスファルトの路面を歩きます。途中、大水沢の滝、延命水、まゆみ池を経て、大平原に午前0時41分に到着。前回は、この大平原から激急登の南東尾根に取り付きましたが、すでに雪が無く笹が生い茂っており藪こぎは必至です。偵察してすぐに、このルートは諦めました そこで、そのまま林道を歩き、夏道である三股の登山口を目指しました。三股の駐車場から先、がけ崩れや落石も多く林道がそれらに塞がれている箇所もありました。午前1時30分、三股登山口に到着。今回は、万一の事を想定し、長野県警に直接、登山届を提出していましたが、ふだんであれば、この三股登山口のポストに登山届を投かんする事になります。 この三股ルートは初めてのルートで、地図上では、登山口の標高1350mから稜線部の標高2200mまでの標高差850mが、すさまじい九十九折りになっており、稜線部までにのコースタイムは3時間30分となっています。幸い取り付きは夏道が出ていたので迷う事も無く高度を稼ぐ事が出来ました。 ところが標高1500mを越えるあたりから残雪が夏道を隠し、不明瞭な樹林帯となります。しかも25000分の1の地図とは、登山道が付け変わっていて、計画のルートよりも左へ左へ捲いています。残雪もますます多くなり、もはや夏道を探すのも意味も無く、12本爪アイゼンを装着、そのまま稜線部に向けて直登を試みます。急登ではありますが、その方が高度も時間も稼ぐ事が出来ます。夜も明けた午前6時15分、無事に南東尾根との交わる稜線部に出る事が出来ました。まだ早朝で気温は低いものの雪質は緩く、油断をすると股下ぐらいまで踏み抜いてしまいます。前回に比べて歩き辛く距離が稼げません。前回よりもスタートが約2時間早いので、焦る事も無く、途中で長野らしく野沢菜オニギリで朝食、腹ごしらえをして先を進みます。 午前8時42分、ようやく森林限界を超えて標高約2400m、前常念岳のゴツゴツしい岩肌が目の前にドーンと姿を現しました。先月は、ここから急激に風が強まり、時折吹く暴風をピッケルを突き刺して体を固定してやり過ごしましたが、今回は、穏やかで風もほとんど無く、絶好のコンデションです。 この先は、岩場でありますが雪、氷とミックスの為、そのままアイゼンを装着して登りますが、岩場でのアイゼンは、爪がキイキイ、ギリギリと岩をひっかく音がなんとも気持ち悪い上に、爪が邪魔で登りにくいものです。高度を上げるにつれて、周囲の冠雪した山々の眺望も良くなってきます。 前回、あの暴風の中を良く登ったものだと思いながら岩場を格闘する事、約1時間半、前回、急激な悪天候(吹雪)に襲われ撤退を余儀なくされた前常念岳(2661.9m)に午前9時43分に到着です。今日は、前回と打って変わって晴天です。しばし休憩をして、いよいよ常念岳への頂上アタックです。ここから先は未知の世界ですが、常念岳頂上までは、夏道であれば1時間の稜線歩きで、「もう楽勝だ!!」と思ってました。ところがそんなに常念は甘いものではありませんでした。前常念岳から常念頂上へは、痩せ尾根の上に雪が冠雪しており、雪庇が張り出しており、うかつに縁に近づきすぎて踏み抜いて滑落したら間違いなく滑落死。ルートを慎重に選びながらゆっくりと進みます。 標高差は、残すところ300m程度なのに、目指す頂上は、とてつも無く遠い感じです。「とても1時間なんかで登れない、でも焦りは禁物だ!!」と自分に言い聞かせながら一歩一歩を重ねてゆきます。途中では、両側に切れ落ちていて稜線が30cmほどしか無いところでは、最初の1歩を踏み出すのが、なんとも怖いんです。踏み出した以上は、もう途中で止まるなんてあり得ない。無我になって無事に通過しました。常念小屋とのルートとの分岐点からは、ようやく昨年登った槍の穂先を目視する事が出来、感激です。 ここから見上げるような頂上部向けて、まだ遠いなぁと感じましたが、実際に登ってみると雪も締まっていて、約20分ぐらいで念願の頂上に、午前11時21分に立つ事が出来ました。リベンシ5回目にようやく登頂成功、コースタイムは、烏川林道のゲートから約12時間。百名山を始めて約6年、これほど苦労した山は他にはありませんでした。誰一人いない常念岳の頂上から見る360度の眺望、槍ケ岳はもちろん、穂高連峰、乗鞍岳など北、中央アルプスの峰々に感動。思わず涙があふれてきます。この常念岳だけでも、リベンジでの累積標高は、あのエベレストよりも高い10000m越えなわけですから。。。 夏山であれば優しい顔を持つ常念岳ですが、冬場の常念岳は、まったく別の顔を持つ事を思い知らされると共に、登はん技術、精神面、共に鍛えてくれた常念岳に感謝です。 いつまでも頂上に留まりたいところですが、気温も昼を過ぎて上昇、雪質も、刻々と悪くなります。下山を考えると長居は無用です。記念写真を撮りまくって、すぐに下山を開始です。あの前常念岳への稜線部は、雪も腐って来ているので登りよりも下りの方がはるかに怖いので、いっそう慎重に歩みを重ねました。 無事に森林限界まで戻ってきたものの、ここから先の尾根の下山には注意が必要です。前回は間違った尾根から沢に下りるという失態を犯し、危うく遭難するところだったので慎重にルートを選びます。自分のトレースを追えれば良いのですが、すでに不明瞭になってしまっているところも多く、まったく当てにはなりません。ところどころピンクテープもあるのですが、テープの間隔が遠すぎて目視できない為、GPSと地図を駆使して慎重にルートファインディングして、今回は無事に大きくコースを外す事はありませんでした。 ただ雪質が更に悪く、ワカンを装着したものの浮力がまったく足らず、股下までズボズボ状態。踏み抜くとワカンが埋もれ足を容易に引き抜く事も出来ず、ピッケルで掘り出す事を繰り返す事になります。この繰り返しが体力を奪いますし、雪の下に隠れている枝等で向う脛に何度もあたり痛いのなんのって。装備が重い為に沈むので、ところどころ4つん這いの抱腹前進して対処しました。そんな訳で南東尾根と三股の分岐点まで予想以外に時間を要してしまい、三股登山口への九十九折から下山を始めたのが午後3時30分。明らかに日没までには三股登山口には下りるのは無理ですが、また、ここで焦って怪我とか遭難してもいけないので、慎重に高度を下げます。残雪が腐っている為、なかなかすんなりとは下りれず、尻セードとミックスで高度を下げますが、ともかくこんなに歩いたのか?という言う程に長く感じます。午後7時過ぎ、無事に三股登山口到着、あとは林道を歩くだけ。とは言え、疲れ果てた体に、真っ暗な林道歩きは気持ちも折れます。でも、今日は、前回とは異なり、頂上を踏めた喜びに精神的にも足取りも軽く、午後9時15分、無事に烏川林道のゲートに下山する事が出来ました。 これまで5回のリベンシに、登山中に応援やアドバイスをしてくれた山友、ブログを読んでいただいてる皆さんに感謝です。どうもありがとうございました!!これで次の74座目を目指す事が出来ます。 【コースタイム】休憩含む(烏川林道ゲート ~ 三股登山口 ~ 前常念岳 ~ 常念岳) ・登り:12時間10分 ・下り:9時間50分 ・合計:22時間00分 【歩行距離】 23.75km【歩 数】 38087歩
2016.04.16
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今日2月27日(土)は、冬季、常念岳リベンジの4回目だ。11月からこれで3回登頂を失敗している。1回目は昨年11月、一ノ沢が悪天候で増水していて、笹原平先の丸太橋(冬季撤去)の渡河で足をすくわれ流されて、標高2000m越えでアウト。2回目は今年1月、同じく一ノ沢ルートで、1本目の丸太橋を渡河した地点で、急激に天候が崩れ断念。3回目も、再度、一ノ沢ルートで、前週の大雨で雪が腐り、あまりの雪の重さにコースタイムを大幅に超過、加えて、雪崩の危険もあり、2回目よりも少し先で断念。もう雪解けまで常念は止めておこうと思いながらの下山であったが、帰宅して数日、どうにも諦め切れない自分がいた。丁度、会社の代休と併せて3連休。これを使わない手は無いとアタックを決めた。ただ一ノ沢ルートは、前回の登頂で雪崩の危険が大きい為、信頼できるヤマ友に相談。結果、一ノ沢とニノ沢の間にある東尾根、もしくは、さらに南の南東尾根を薦めてもらった。どちらも夏道登山道では無い積雪期のみ許されるバリエーションルートだ。万一の事を考えて、烏川林道に近い南東尾根を選んだ。 【前常念岳】 2月26日(金)さいたまから全線下道で230km。烏川渓谷緑地内にある「ほりでーゆ~四季の郷」の先にある烏川林道のゲートの右に午後9時に無事到着。4月まで冬季はゲートは閉鎖されて入る為、ここから林道歩きとなる。午前0時まで仮眠し、軽く腹ごしらえ、午前1時に出発。空を仰ぐと満天の星、19夜の月が輝き、無風。これは最高のコンデションと、4度目のリベンシ成功の期待が高まる。 南東尾根の登山口までの直線距離で約3.5kmの緩斜面の林道は約30cm程度の積雪だ。先週一旦気温が上がり、また冬型で気温が低くなったので、ツボ足になる事なく歩く事ができる。途中まではトレースがあったが、大水沢ノ滝の展望台から先はパタリとトレースが消えた。どうやら、この滝を目当てに来たハイカーのもののようだ。ここから常念岳方向を望むと、月明りにぼんやりと真っ白な常念岳が見える。いやぁ、まだまだ遠い。気を取り直して、延命水を過ぎ、地図にはない、みゆき池に、午前2時57分到着。ここから先に大平原という平坦な場所が広がり、ニノ沢と三叉の分岐の道標がある。この道標の裏からいよいよ南東尾根に取り付く事になる。 12本アイゼンを装着して、まず、目標は山の名前も無い、標高1596.8mの三角点を目指す事になる。誤って目標を外れないようにDIY GPSでウェイポイントをセット。月明かりでぼんやりと斜面が見えるが、積雪は30cmほどだが背丈ほどの笹と雑木のミックスで先が見通せない。「おいおい、こんなとこ登るんかい??」という感じ。でも躊躇している余裕などない。ともかく取り付いてみると、これがまた激急登。「下山の方が怖いだろうなぁ~」と、時折、振り返りながらどんどん高度を上げてゆく。おそらく氷点下10℃以下であろうが、汗がとめども無く吹き出してくる。ただ雑木林も笹も、ひどい藪こぎをしなくても、なんとかクリアする事が出来た。振り返ると遠くに安曇野市の夜景がキラキラと輝いている。 しばらく尾根を登ると背の高い樹林帯になり傾斜も緩やかになると、第一の目標の1596.8mの三角点に到着。ここで朝ごはんのパンを口に押し込んで、水筒のお湯を飲む。今回の新兵器は水筒。普段は冷たいスポーツドリンクやお茶で済ますが、約1日の極寒登山を想定して、体の冷えを和らげるのに自参した。ただのお湯であるが冷えた体を芯から暖めてくれる心地良さだ。お湯がこんなに旨いなんて!!第二の目標は、標高2024m地点だ。最初の南東尾根の取っつきほどでは無いが、時々、100m程度の急登が現れる。夜も明け始めて東の空がオレンジ色に染まって来た。 標高が上がるに従い、雪質がアイスバーンからパウダー状に、所々、吹き溜まりでは、積雪は2m程度の場所も出て来て、アイゼンが役立たなくなって来た。面倒ではあるが、わかんに履き換えて先を進む。アイゼンよりも、はるかに楽ちんである。午前6時40分、第二の目標の2024m地点に到着。このピークは、平坦であるのに加えて比較的若いシラビソの雑木林で、行く手を阻まれ、方向感覚を失う。ただ、この高さまで登ると前常念が姿を現すので、方向を見誤る事は無い。第3の目標は、2207m地点だ。この地点の手前から夏場のメインルートである三股からのルートと合流する。午前8時36分、無事、この合流地点に到着した。ルートを誤る事なくナイトで厳冬期の南東尾根を踏破出来た事は、大きな自信となり経験値も上がった事が嬉しかった。 ここで2度目の腹ごしらえをして、次の目標はいよいよ森林限界だ。天気は良いが、時折、突風が吹き始めて体感気温が下がり寒い。モンベルの厳冬期用のダウンに着替えて、更に、先を進む。ますます積雪が増えると共に、傾斜もけっこう急登で、ストックからピッケルに持ち替えての雪中行軍だ。 ようやく午前11時、森林限界に飛び出した。そこは岩嶺と白一色の世界。前常念岳がそびえて、その堂々たる山姿に息を飲む。風は更に風力を増し、稜線部の雪を吹き飛ばして、地吹雪状態になっているのがわかる。再度、山頂に向けてのアタックに備えてオニギリを頬張るが、シャーベットのように米も凍っていてジャリジャリだ。気温はマイナス15℃以下になっているのは間違いない。もう自参したペットボトルは、8割程度は凍っている。 風は予想外に強く、その勢いは更に強まるばかりだった。「果たして、この先、登れるのか?」一抹の不安がよぎるが、「ともかく前常念まで頑張ってみよう!」と気を取り直し、アイゼンとピッケルの装備でアタック開始。岩嶺地帯ではあるが、その途中途中の傾斜のある雪原地帯の通過時の突風がともかく怖い。風速は軽く25m越えている感じだ。ピッケルを雪面に深く付き刺し、身をかがめてピッケルにしがみついて、その波のように押し寄せる突風をやり過ごす。やり過ごしては登り、やり過ごしては登りの繰り返しである。前常念まであと300m程度の岩嶺地帯に取り付いく頃には、周囲の山々も雲の中に隠れ雪も降り始めて、天気は急速に崩れて来た事を悟った。 ともかう前常念までは頑張ろう。残す200mも岩陰に身を伏せては突風をやり過ごすの繰り返し、とてつも無く長く感じられた。正午に無事に前常念岳に登頂成功。周囲は、時折ホワイトアウト、眺望はほとんど得られず、凄まじい風音だけ。人を寄せ付けない厳しい世界を見る事が出来た。長居は無用である。とりあえず写真撮影をして、すぐに下山に。 もう来た時のトレースも風で吹き飛ばされて、ほとんど残っておらず、その風の強さを思い知らされた。下りでの滑落が怖いので、逸る気持ちを押えて慎重に樹林帯まで無事に下山してやれやれ。ホッした油断が、とんでもない失態への入口だとは、その時は、思いもしななかった。樹林帯に入り、装備をワカンとストックに切り替えて下山を開始。ところが、樹林帯の中も降雪と風で自分のトレースが無く、ふと尾根道からニノ沢側にルートを外してしまった。GPSでは約50mずれていると知ったが鉄則である登り返す事をせず、その高度を保ったまま南へ歩けば尾根道に戻れると安易に考えた。ところが高度を保つのが予想外に難しく、どうしても沢を下へ下へと引っ張られ、加えて、雪が腐っていて雪崩の跡も至るところに出現。体力的にも一杯一杯で、流されても踏ん張りが利かないと崩落個所を捲くが、GPSでは更に300m下に流されている事を示している。時刻は午後2時30分過ぎ。天候も悪化して粉雪が降りしきって辺りは薄暗く、もう心が折れそうになる。そんな時、1本の電話が入った。「今どこ? 大丈夫??」その声は、今回のルートをアドバイスしてくれたヤマ友だった。まさに天の声だった。たまたま気になって電話をかけてくれたと言う。「心配かけてすみません!!」 「いやいや心配なんかしていないよ! 貴方を信頼をしているから!!」と彼の電話の向こうの明るい励ましの声のお蔭で、折れかけていた心に、「必ず無事に帰る!!」と言う元気が湧いてきた。再度、装備を点検、行動食で逸る気持ちを落ち着かせた。見上げるような急登の斜面だったが、なんとか1歩1歩着実に積み重ねる事で、無事にもとの尾根、標高2100mに登り返す事が出来た。ヤマ友のアドバイスもあり、標高1900mを下った地点で、南東尾根を離脱、そのまま真南へ下山、沢筋ではあったが、これを約標高差で1000m下れば、必ず烏川林道にぶち当たるという安心感があった。ただ沢筋であるだけに、一ノ沢で流された事がトラウマになっていたが、幸いにも水量が少なく、沢のほとんどは雪の下に埋もれていたので、シリセードで滑り下りる事が出来た。 とっぷりと日が暮れた午後6時過ぎ、無事に烏川林道に下り立つ事が出来た。林道は新雪も加わりツボ足状態で歩きにくい。疲れ切った脚に、筋肉が悲鳴を上げるが、もう気分は、達成感で爽快そのもの♫ 午後9時に無事に烏川林道のゲートに下山した。今回も悪天候で、前常念岳までしか登る事が出来なかったが、常念岳までは、標高差にしてあと200m、コースタイムは1時間程度。もう登頂したのと同じような達成感を得る事が出来た。今回は、これまでのソロナイトの山行経験の中では、もっもと過酷なものとなった。ヤマ友に「ピンチを楽しむ」その真の意味を教わった気がした。経験値も格段にアップしたし、また精神力も鍛えられた山行であった。今回、アドバイスをくれたヤマ友、そして応援してくれた皆さんに、改めて感謝したい。ありがとう!!次回こそは、あの頂に(^^)/ 【コースタイム】(休憩含む) ・登 り: 11時間 ・下 り: 8時間 ・合 計: 19時間【歩行距離】21.78km(シリセード除く)【歩 数】33512歩
2016.03.05
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今日2016年1月30日は、日本三百名山の一つ、鈴鹿センブンマウンテンの第3座目となる藤原岳(1144m)にアタックしました。実は、藤原岳は、私の山登りの原点でもあるのです。約40年前に、ボーイスカウトに入団して、最初のテンパク登山訓練の場でした。当時の装備は、キスリングに、帆布のテント、鉄のペグ、そして、飯ごう、綿詰めのシュラフと体重の半分ぐらいの重いものでした。三岐鉄道の西藤原駅から懐中電灯を手に登り初めましたが、ものの30分もしないうちに、バテて登れなくなりました。もう半ベソ状態で、荷物を他のスカウトに持ってもらったりして、真夜中に今の藤原山荘の笹原のキャンプ地にヘロヘロで登った記憶、今も鮮明に覚えています。なんとヘタレだった事でしょう。この40年の時を経て、また、この山に登れる機会と健康に感謝です。午前4時、暗い藤原岳登山口駐車場に到着。無料駐車場はガラガラです。天気も良く、頭上の星がとても綺麗に輝いています。コンビニで仕入れたパンとヨーグルトで朝食を済ませ、午前5時20分、クライムオン!! 神武神社で安全登山を祈願して、登山道を進みます。けっこうの急登でぐんぐん高度を上げる感じで、眼下のいなべ市の夜景が綺麗です。1合目、2合目・・・と立派な道標があります。各道標間15分程度のペース配分で登り続けました。 7合目を過ぎたあたりから残雪が登山道にも表れますが、2日前の雨が、雪面を溶かし、また氷結している為、ツルツルです。アイゼンを装着する程では無いので、そのまま慎重に先を進みます。八合目に午前6時50分に到着。ここで、夏道と冬道とが分岐します。日の出前ですが、周囲はだいぶ明るくなって来ました。 夏道は九十九折りに対して、冬道は直登となりますが、赤い布リボンを頼りに雪の斜面に取り付きます。流石に、この先はアイスバーン状態。12爪アイゼンを装着して、慎重に登ります。15分ほどで稜線部に出ました。朝日が輝き、眼下には、伊勢湾も望めます。 尾根を5分ほど歩くと9合目、夏道と合流、ここからも軽い九十九折りを登ると藤原山荘に到着。40年前にテントパクをした場所ですが、今やとても立派な小屋とトイレも整備されていてビックリです。 休憩もそこそこに展望台となっている藤原岳頂上を目指します。低山と言え、雪山となった周囲の鈴鹿山脈の眺望は素晴らしいものでした。 約20分ほどで藤原岳頂上(1144m)に無事登頂です。誰もいない頂上、見渡す限り人影すらない眺望に、今回もソロナイトでの登頂のご褒美を味わう事ができました。 約半世紀前と変わらない眺望に、感無量、生きていて良かった!!と、今回は、半ベソでは無く、感激の涙でした。(笑)お昼前には自宅に戻る必要があったので、山ごはんもせずに下山へ。9合目あたりから登って来る方々が、けっこう増えて来ました。 流石に人気の山だけあって、その後も数十人の登山者と下山までに出会いましたが、皆さん、口ぐちに「早いですねぇ~。もう下山ですかぁ??」と。午前9時54分 神武神社で下山のお礼参りをして、登山口駐車場に無事に下山しました。無料駐車場は満車状態となっていました。ここに停められないと300mほど離れた有料の観光駐車場に停めなければなりません。ナイトの良さがここにも。。。 さてと次は、どこのセブンマウンテンにアタックしようかな??【コースタイム】 藤原岳登山口 ~ 藤原岳山頂(ピストン)(休憩含む)登り:2時間40分下り:1時間50分【歩行距離】計測せず【歩 数】計測せず
2016.02.07
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今日2015年12月29日は、今年の登り納めです。自宅からもほど近い鈴鹿センブンマウンテンの第2座目となる鎌ケ岳(1161m)にソロアタックしました。 午前2時、暗い宮妻峡キャンプ場の登山口の駐車場に到着。駐車場に先着は無く、チリチラと小雪が降っています。少々、仮眠をして午前4時、小雪が舞う中、クライムオン!! 鎌ケ岳へのルートは、水沢岳を経て、鎌尾根経由とカズラ谷経由の2本のルートがありますが、天気がイマイチの為、とりあえず直登のカズラ谷を選びました。 カズラ谷の分岐までは、登山道は明瞭です。高度を上げるに従い四日市の夜景がとっても綺麗。約2時間、コースタイム通りでカズラ谷分岐に出ました。この分岐を下ると雲母峰(きららみね)を経て、湯の山温泉に下る事ができます。「きららみね」なんと美しい名前でしょう。今度、この峰に行ってみたいものです。この分岐点からは、積雪が多くなり笹道が、やや不明瞭になって来ました。相変わらず雪が降っています。 安全の為、6本爪アイゼンを装着、頂上をめざしますが、ますます天気が悪くなり、ガスッて頂上を目視する事は出来ません。しばらく樹林帯を登るとゴツゴツの岩場に出ました。見上げるとけっこう急峻な岩場で、「なんちってゃ槍」の異名もわかる気がします。積雪がありどこがルートかは良く分からないので、GPSを横目に、コースを大きく外さないように直登しました。 途中ではストックもデポして午前6時57分、無事に鎌ケ岳(1161m)に登頂成功。けっこう頂上は広く、御社もあります。天気が悪く眺望はゼロ。先行者もゼロで頂上をまたも独り占めです。これもナイトの醍醐味。 でも風も強く休憩していると直ぐに汗冷えで体感気温はどんどん下がって来ます。長居は無用と下山を開始します。 下山は鎌尾根ルートで岩場にとりついたものの積雪のある岩場は、すでに氷ついていて6本爪アイゼンでは、なんとも心もと無いのです。 12本爪アイゼンを車に置いて来た事を後悔するも、どうする事も出来ず、安全を第一に考えて引き返して、カズラ谷経由で下山開始。 途中、伊勢湾が朝日の反射で輝いてとても綺麗でした。午前9時4分、無事に下山し、今年の登山は無事に納める事が出来ました。山の女神様と健康に感謝!! 今度は、是非、鎌尾根経由で頂上アタックしようと、心に決めて登山口を後にしました。 【コースタイム】 宮妻峡キャンプ場登山口 ~ カズラ谷分岐 ~ 鎌ケ岳山頂(ピストン 休憩含む) ・登り:2時間57分 ・下り:2時間4分(途中まで鎌尾根、氷結の為、引き返し)【歩行距離】6.56km【歩 数】10100歩
2016.02.06
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午前3時に起床して夜空を眺めると満天の星空です。天気予報では雨だったので、この良い方に外れてくれて、昨日までの低いテンションは吹っ飛びました。午前4時50分、真っ暗な鳳凰小屋から鳳凰三山の最高峰である観音岳(2840m)を目指します。結構な急峻な山道で息があがり上がります。午前6時、ようやくあたりがうっすらと明るくなりかけた頃、稜線部に出ました。 風はやや強いものの上空はほとんど雲も無く、絶好の日の出が期待できます。午前6時27分、無事に鳳凰三山の2座目である観音岳(2840m)に登頂成功です。 若干の雲があるものの富士山をバックに雲海の中から御来光を拝む事が出来ました。周囲を見渡すと、昨日登ったオベリスクはもちろん、これまでに登った甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳、北岳、そして、間ノ岳がぐるりと見渡せ、感慨無量です。 しばし、この360度の絶景を楽しみ、最後の鳳凰三山の1座である薬師岳を目指します。ここからは起腹はあるものの緩い下りの稜線歩き、気持ち良いトレッキングが楽しめます。午前7時25分、薬師岳(2780m)に登頂成功です。特にここからの北岳、間ノ岳の眺めは素晴らしいものでした。 これで、ようやく鳳凰三山をリベンジ達成、テンパクでキツイ山行でしたが、とても爽快な気分に浸る事が出来ました。今日は、また長丁場の下山が待っています。長居は無用と、下山を開始です。遥か下に登ってきたドンドコ沢の下流域が見えます。良くここまで登ったものだと自分の脚に感謝です。午前9時に鳳凰小屋に戻ると、鳳凰小屋の小屋閉め作業をしていた小屋のオヤジさんも手を休めて、「良かったでしょ!天気が良くて!!」と僕らに労いの言葉をかけてくれました。「今日は、宿泊者は数組で、ほとんどがテンパク組だったよと苦笑い。でも、山を愛してくれて楽しんでくれればそれで良いんだ!」と笑顔で話をしてくれました。男心にも惚れる、素晴らしいオヤジさんです。小屋閉めを終えて下山されるオヤジさんとスタッフに「また来ます!!」と見送り、僕らは昼食がてらのニ次会鍋で腹ごしらえです。午前11時、テントを撤収し、下山を開始です。午後3時30分、無事に青木鉱泉に下山しました。青木鉱泉は、今期の営業を終わっている為、残念ながら温泉に浸かる事は出来ませんでした。今回は天気にも恵まれ、素晴らしい鳳凰三山リベンジが出来たのも、心許せる山トモのお蔭です。どうもありがとう。そして、また、新たな挑戦をしましょう!!【コースタイム】(休憩、テント設営、撤収含む)1日目:青木鉱泉 ~ 鳳凰小屋 ~ 地蔵岳 ~ 鳳凰小屋 11時間30分2日目:鳳凰小屋 ~ 観音岳 ~ 薬師岳 ~ 観音岳 ~ 鳳凰小屋 ~ 青木鉱泉 10時間50分【歩行距離】1日目:8.43km2日目:12.10km合計:20.53km 【歩数】1日目:12969歩2日目:18620歩合計:31589歩
2015.12.19
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今日11月22日は、南アルプス、鳳凰三山へリベンジテンパク登山です。前回の日本百名山アタック第65座目は、今年5月でした。鳳凰三山を目指したものの、ドンドコ沢での道迷い、そして、季節外れの降雪という悪天候で、三山のうちラウンドマークであるオベリスクのある地蔵岳のみで撤退を余儀なくされました。百名山のピークハンターとしては、鳳凰三山は3座を縦走してこそ正式に1座としてカウントできるわけで、とても気がかりでした。そんな中、山トモ3人からの誘いもあり、今回のリベンジとなったわけです。天気予報は極めて微妙な状況で、またしても雨男を覚悟して21日午後11時過ぎにさいたまを出発、ドンドコ沢の登山口である青木鉱泉に午前2時半到着です。3連休の中日という事で、かなりの登山者が入山しているようで、5月には駐車場はゼロでしたが、今回は7割ほど埋まっている感じでした。午前4時30分、重いテンパク装備を担いでのクライムオンです。ドンドコ沢は、5月の日帰りピストンですらキツイ思い出があり、テンションは超低いスタートとなりました。 晩秋のナイトの登山道は、5月の時よりも枯れ葉が降り積もり極めて不明瞭です。前回も登り始めて約1時間の地点で道迷いをし、約2時間もロスした苦い思い出が脳裏をかすめます。GPSでも丹念にトレースをしながら登山道を外さないように進みます。 それでも今回も同様に何度か道迷いをしかけましたが、前回の経験が活きて、すぐに修正、大きなロスにならずに、第一の目的地である南精進ケ滝の分岐に午前6時57分、そして鳳凰ノ滝の分岐に午前7時45分に到着です。 次の白糸の滝の途中は崩落地点があり、5月の時よりも更に崩落が進んでおり、エスケープルートも、けっこう急峻で慎重に進みます。 午前10時、白糸の滝に到着、あたりは白く霞んでおり、滝も靄の中を流れ落ちてる感じでした。午前10時50分、最後の滝である五色ノ滝に到着した時には、頭上には青空が広がり、滝のしぶきが火照る体に、とても心地よく、マイナスイオンでリフレッシュ、テン場である鳳凰小屋までの一時間を頑張ります。 ここからは、登山道は徐々に緩やかに、沢を何度か渡河しながら歩く事になります。午後12時30分、鳳凰小屋に到着、鳳凰小屋のオヤジさんが、御苦労さまと優しい笑顔で迎えてくれました。テン場は、中日という事と天気が悪くなる予報に、二張りのみ。どこでも張っていいよとのオヤジさんの許しをもらい、テン場代の800円を支払い、早速、設営です。しばし休憩の後、すべての装備をデポして、今日の最終目的である地蔵岳(オベリスク)へアタックです。天気は曇空でイマイチですが、午後3時、再び地蔵岳(2764m)に登頂成功です。 しばし眺望を楽しみ、午後4時に鳳凰小屋に下山しました。ガラガラだったテン場は、けっこうの賑わいになっていました。休憩の後、待ちに待った宴会です。今回は、おつまみと白ワイン、豚肉800gとカット野菜入りのキムチ鍋とメニューは質素でしたが、ボリュームは十分。結局、食べきれずに、次の日のお昼のニ次会鍋となりました。 午後7時過ぎには、ナイトであった事もあり、早々午後7時30分ぐらいに解散、テントにもぐり込みます。 ところが、周囲の他のテント泊パーティの話声がうるさくて、結局午後10時過ぎまで眠れませんでした。テン場でのマナーは守って欲しいものです。(後編に続く。。。)
2015.12.19
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今日2015年11月15日は、日本百名山第73座目、常念岳(2854m)にアタックです。 14日降りしきる雨の中を下道を約270km、午後10時前に登山口である一ノ沢林道の冷沢小屋手前の登山者駐車場に車を止めます。50台は停められそうな広い駐車場ですが、先行車はゼロ。相変わらず雨が止む気配はありません。まずは、恒例のコンビニで仕入れたツマミと惣菜で、一人宴会でスタート。 天気予報では、午前中には回復との事、これを信じて仮眠に入りますが、車の屋根を叩く雨音が大きく、なかなか眠りにつく事ができません。午前4時に起床、朝食と準備を済ませ、午前5時に駐車場をヘッテン点けて出発です。ヒエ平らの登山口までは、広い林道が続きますが、相変わらず振り続く雨と、まとわり付く撥水性も落ちた古いレインウェアの重みにテンションはチョー低めです。午前5時30分、登山口に到着、登山届を提出してクライムオン。 10分程歩いた山ノ神神社で安全登山を祈願して、さらに先を進みます。古池過ぎるあたりから、ようやく夜が明けて来ますが、相変わらず雨は降り続き、もはや登山道は、沢と変わらないような状態。午前6時20分、ほぼコースタイムで王滝ベンチに到着です。 すっかり夜は明けて視界も開けて来ましたが、天気は回復する兆しもありません。 しばしの小休止の後、一ノ沢沿いに滑りやすい登山道を徐々に高度を上げて行きます。 午前6時50分、烏帽子沢に到着。この沢越えでは水量も増している為、注意して渡河します。 これ以上水かさが増えると下山時が心配だなと思うも、午後には天候回復との天気予報に、さらに先を進みます。 この先にあと2つの一ノ沢を渡河する場所がありますが、地図上には「丸太橋」と記載されており、橋であれば大丈夫と思っていました。ようやく常念の山体が見えてきます。その丸太橋の1つ目に到着、なんと丸太が撤去されているではありませんか! おそらく常念岳の小屋閉めと共に、冬場に丸太橋が流されたりしない為に撤去されているのでしょう。周囲を見渡すと、なんとか岩伝いに渡河出来そうな場所を見つけて無事に渡河成功です。あと1つの丸太橋に不安がよぎります。約10分程で、その最後の丸太橋に到着しましたが、やはり丸太橋は撤去されていました。 一ノ沢は、ゴウゴウと凄まじい勢いで、その音だけでビビリます。今度も同様に、渡れるような岩を探しますが、先程の沢よりも水深が深く、ほとんどの岩が水没状態。意を決して渡河をしますが、見た目以上に水圧が強い上に苔で滑りやすく、中ほどまで渡ったところで足をすくわれ、ドボーン!!ザックの重みもあり自由が利かず、そのまま10m程下流にいっきに流されるハメに。たまたま流木が対岸に引っかかっており、これにつかまる事で難を逃れる事が出来ました。とりあえず全身びしょ濡れになった事と恐怖感とで、しばし呆然と。。。ただ今回は、ファイントラック社のドライレイヤーを着ていたので、まったく上半身、寒さを感じる事もありませんでした。ただ低体温症になってもいけないと、上半身の着替えは防水してザックに入れていたので、すばやく着替え、気を取り直して先を進みます。 脳裏には、下山時、天候が回復せず、あの沢がさらに増水していたら渡ることが困難になるという不安でした。山は逃げない、やはり撤退しようと、常念小屋まで、あと1時間ちょっとのところで断念しました。川と化した下山道の足取りの重いこと、重いこと。 午前9時30分に山ノ神神社で沢での無事のお礼参りをして、午前9時45分に登山口に無事下山しました。 なんだか悔しさと技量の無さに情けなくなる思いで、涙が出て来ました。午前10時過ぎに駐車場に戻るも、やはり1台の車もありませんでした。 車の中で濡れたお札を乾かしながら、帰宅の途につきました。途中では浅間山が青空の中に堂々たる姿を現しており、その急速に回復した天気を恨めしく思いながら270kmの下道を走り帰宅しました。 次回は絶対に成功してやる!「常に念」を入れて。。。(笑)
2015.11.29
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日本百名山第72座目槍ヶ岳後編です。穂先にアタツクしている人影も無く、あの人気の槍ケ岳、ハイシーズンでは、ここから登るだけで待ち時間も含めて3時間も4時間もかかるという頂上を独り占めできるチャンス。まだ登りの一方通行登山道である北斜面は残雪がかなりへばり付いており、安全確保の為、アイゼンは必要と判断して装備を選択、穂先へクライムオン。 取り付きはなんと言う事は無いが、10分ぐらい登ると三点支持が必要な岩場となり、さらに北側にトラバースすると残雪が氷ついている。ここから誤って滑って滑落したら、命は間違い無く無い。緊張感が走る。無事に氷結箇所を通過し、クサリ場とハシゴをクリアするが、高度感は半端無く、槍ケ岳山荘や殺生ヒュッテやヒュッテ大槍の赤い屋根が、眼下に小さく見える。槍ケ岳のすぐ南に位置する大喰岳は、冠雪しており雪山の様相に圧倒される。時間があれば足を延ばして登ってみたい山だ。 最後の長いハシゴを登りきるといよいよ念願の頂上だ。正午、無事に槍ケ岳(3180m)に登頂成功!!思わず涙が溢れて来る感激に包まれた一瞬だ。頂上は、独り占め。遮るものは何も無い360度の絶景が広がり、その達成感に、山をやっていて本当に良かった。生きてるって最高!!と心の中で何度も叫んでいる自分がいた。 しばらく頂上での眺望を満喫し下山を開始。下りも高度感があり、油断はできない。下りルートには残雪はほとんどないが、慎重に槍ケ岳山荘に下山。バンダナとピンバッジを購入、加えて、200円で雨水を確保、飲む飲まないは自己責任みたいだ。飲んでみると、なんとも重油臭もあるが、脱水症状になるわけにもいかないので背に腹は代えられない。これからまた14kmの長い下山が待っていると思うとテンションが下がるが、小屋のスタッフによると午後3時過ぎには、雪か雨が降るとの事、早速、槍平のテン場に向けて午後1時半、下山開始。 1時間ほど下るとテンパク装備で上ってくる青年に出会った。なんと中国から休暇1週間を取って日本アルプスに登りに来たという。水場に差しかかるあたりから、スタッフの予想通りに雨が降り始め遠くに雷鳴も。雨が直径5mmぐらいのひょうに変わり、額に当たると痛い。幸いにもテン場に到着した午後4時過ぎには、天気も回復していた。昼食を取っていないので、遅い昼食をポテトサラダチーズサンドイッチとカップラーメン、スープ、コーヒーで済ませてやれやれ。ゆっくりしたところであるが、夕暮れも迫っており、急いでテントを撤収。午後5時過ぎに下山開始。30分ほどでヘッテンを点けて下山を続けるものの、藤木レリーフまでのごろごろ岩の歩き辛い登山道は、疲れもあり更にペースダウン。滝谷出合では、登りで注意が必要な沢越えと記したが、ここでピンクテープを見失い、木の橋が見つからない。最悪はGPSで行きの登山道をトレースバックする事が出来るが、無駄にバッテリを使いたくない為、目視で周囲を注意深く探索、ようやく一本のピンクテープを発見、無事に登山道に戻る事が出来た。午後11時30分、白出沢の出会いに到着。ここからは、また長い長い林道歩きだ。緩い下りではあるが、左足の親指と右足小指に負担が大きくい痛みが走るが、もう痛くても痛みを受け入れて無心に歩くしかない。午前1時半過ぎに、登山指導センターに無事下山、下山届を投函して深山荘の駐車場に到着。日帰り入浴時間は、午後10時までなので、もちろん入湯する事はできないので、そのまま帰宅の途に着いた。今回テンパク装備という事もあり厳しい道中ではあったが、72座登頂した百名山の中で、3指に入る素晴らしい山行であった。この槍ケ岳への一歩一歩は、一生消える事の無い素晴らしい思い出であり、宝となった。「槍よ、ありがとう。そして、生きてる事に感謝!!」 【コースタイム】:(休憩・食事・寄り道を含む)1日目:新穂高温泉 ~ 穂高平小屋 ~ 白出沢出合 ~ 滝谷避難小屋 ~ 槍平小屋 テント設営(泊)9時間 2日目:槍平小屋 ~ 千丈分岐点 ~ 槍ケ岳山荘 ~ 槍ケ岳頂上 ~ 槍ケ岳山荘 ~ 千丈分岐点 ~ 槍平小屋 ~ 滝谷避難小屋 ~ 白出沢出合 ~ 穂高平小屋 ~ 新穂高温泉 19時間 【歩行距離】24.28km【歩 数】37377歩
2015.11.24
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日本百名山第72座目、槍ヶ岳の中編です。 午前3時に起床、テントの外に顔を出すとキーンと張り詰めた冷気に満天の星が輝き、素晴らしい登頂を予感させてくれる。昨晩の鍋とお芋パン、コーヒーで朝食を済ませて、山頂アタック準備。今回はサブザックを新調した。これは極めて機能的でコンパクト、お気に入りの素晴らしい機能的なバッグだ。メットにアイゼン、ダウン、行動食等など最低限を詰め込み、午前5時過ぎに真っ暗なテン場をヘッテンを点けて出発。このヘッテンも水没しても30分は耐えられる防水性能の高いブラックダイアモンドのストームと言う高輝度LED搭載のものを新調。これで視野も十二分に確保されていて、今後のナイトハイクの良き相棒になる事は間違いない。 次の目標は、標高約2600mの仙丈分岐点、テン場からの標準コースタイムは2時間半だ。途中には水場があるので、そのポイントを外さないように注意しながら標高を上げてゆく。百名山の笠ケ岳が、標高を上げるに従い、どんどん中腹まで見渡せるようになる。その雄大さは圧巻である。 午前8時20分、ようやく仙丈分岐点に到着。ここからは、槍ケ岳山荘がマッチ箱のように見え、その左方向には、小槍の頂上が目視できるが、槍ケ岳の頂上を望む事は出来ない。ここから槍ケ岳山荘までの標準コースタイムは2時間半。もう手が届くように見えるのに、登れど登れど距離が縮まらない。加えて北斜面の為、なかなか陽が射して来ない為、風が吹くと体感温度が下がり寒い。ただ今回は、汗冷えを防ぐファインテックのアンダーがよく機能してくれており体力を温存してくれている。 上から降りて来るソロの登山者に会った。なんと屋久島で登山ガイドをしているという青年だった。1週間の休暇で北アルプスを始めて縦走しているという。とても爽やかなイケメンで、男目線でも惚れた。残っている屋久島の宮之浦岳に登る時には再会したいものだ。ようやく午前10時20分飛騨乗越(約標高3000m)に到達。ここは日本最標高峠だ。やっと念願の槍ケ岳の穂先がドーンと目に飛び込んで来た。その息を飲む存在感、カッコ良さに、疲れが吹っ飛んだ。 さらに約15分、背後の冠雪した大喰岳の存在感も凄い。槍ケ岳のテン場を越えて午前10時45分に槍ケ岳山荘に到着。小屋のスタッフの方以外には、登山者は一人だけ。ひっそりとほとんど貸し切り状態だ。山荘のデッキから眺めると、槍の穂先が青い澄んだ天空に突き刺さっている。 さて、いよいよ核心の頂上アタック。続きは後編で。。。
2015.11.03
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今日は、日本百名山第72座目、槍ケ岳(3180m)アタックだ。埼玉から新穂高温泉の登山者用駐車場である深山荘を目指す。この深山荘は日帰り入浴も可能で下山後の入浴も楽しみだ。午前1時過ぎに深山荘の駐車場に到着、すでに槍ケ岳は初雪もあり夏山シーズンは終了し、駐車場は閑散。天気は快晴で星降る天空が、登頂の成功を予感させてくれる。 通常のコースタイムであれば往復14時間程度で、日帰りピストン出来なくも無いが、今回は、槍を堪能したいので、途中の槍平小屋でのテンパク、翌朝、頂上アタックと決めた。車中で2時間ほど仮眠。久々のテンパク装備に加えて、12本爪アイゼン他、冬山装備の為、ズッシリと肩に重く圧し掛かる。 午前6時20分、標高1090mの登山指導センターで登山届を提出、まずは穂高平小屋を右俣林道で目指す事になる。30分ほど歩くと途中で林道は大きくSの字を描いており、そこをショートカットットする登山道があるが、途中で踏み跡が不明瞭になり、結局、また林道へ降りるという失態を犯して30分ほどのロス。最初から素直に林道を歩けばよかったと反省。途中では、富山・長野・岐阜県境の三俣連華岳が冠雪し美しい姿を見せてくれている。 午前9時、最初の目標である穂高平小屋に到着。すでに小屋閉めされていて人影は無くひっそりだ。小休止の後、この林道の終点である白出沢出会いをめざす。途中は、紅葉と大喰岳や南岳の山容がみごとだ。更に進むと、ジャンダルムや天狗のコルと思われる厳しい山容も目視できるようになって来た。 午前11時20分 標高約1500mの白出沢出会に到着、この出会で槍ケ岳と奥穂高への登山道が分岐する。更に、10分ほど歩くと右俣林道の終点に到着だ。水場があり、脈々と冷たい清水が湧きだしている。初めて下山中の2人の登山者と出会った。槍頂上付近はアイゼンが必要と気が引き締まる思いだ。白出沢は文字通り白く、その沢の置き石をポンポンと渡ってゆくと、ようやく登山道となる。登山道の脇には、すでに槍平小屋は、今期の営業を終了している旨の立て札が立っていた。ここからは3つの沢を渡って今日のテンパク地である槍平小屋に至る。高度を上げるに従い紅葉が目を見張る美しさだ。 次の目標は滝谷出合だ。標準コースタイムは1時間半。ここからの樹林帯は傾斜は緩いので、テンパク装備でも、それほどキツイ感じは無い。そろそろ小腹が空いて来たと思ったところ、ちょうど切り株ベンチを発見、紅葉の美しい樹林帯の中でのタラコと唐揚げお握りを口いっぱいに頬張り、満腹感に幸せ~。滝谷出合の手前で、二人の下山して来た登山者に会い挨拶。私と同様に槍平小屋でテンパクしたが、あまりの寒さで、次の日は、槍ケ岳山荘で山荘泊をしたとの事。頂上の方が暖かかったとの情報にテンションが思わず下がってしまった。午後2時に滝谷出合に到着。滝谷避難小屋はなんとなく不気味だ。沢に木製の橋がかかっているが、沢はかなり広く、ごろごろの岩場だ。ピンクテープがところどころについているが、ナイトハイクでは、道迷いをしそうだ。下山時の事を考えて頭に地形を叩き込んだ。が。。。下山時に失態を・・・後述。 沢を越えて数分で藤木レリーフに到着。藤木九三氏(1887年-1970年)は、日本を代表する登山家で山岳詩人でもあったとの事、ぜひその詩を下山後読んでみたいと思った。この藤木レリーフを通過すると、いよいよ登山道が険しくなって来て、岩がごろごろと歩きにくい。だんだん装備の重みに足取りが重くなる自分を感じる。午後に入って、気温も急激に下がり、少し休憩するだけで汗冷えした体は、シンシンと寒さを感じるようになる。ともかく早くテン場に着いて、暖かい鍋をつつきながらワインを飲みたい。そんな思いだけが脳裏をかすめるが、樹林帯でまったく眺望も利かず、なかなか槍平小屋に到着しない。午後3時40分ようやく標高2100mの槍平小屋に到着。すでに小屋閉めされておりヒッソリ。広々とした平な素晴らしいテン場にも、一張のテントも無く、文字通り貸し切りだ。 一番奥に場所を定めてテントを手早く張り、テントにもぐり込む。汗だくの体、手早く着替えをして寝転がる。この解放感、幸せ~。しばし休憩の後、ワインとツマミで槍に乾杯。早々、夕食準備。今日は、ちょっと張り込んで鹿児島黒豚の薄切りとカット野菜にお豆腐を鍋キューブとんこつ味噌味での鍋。疲れて冷えた体が暖まり、明朝の槍アタックへの活力が湧いてくる感じがしてくる。トイレの為、外に出ると寒さが半端では無く、間違いなく氷点下3℃~5℃くらいになっていると思われる。フライは、霜がつきバリバリ、明日のアタック時の寒さと残雪や凍結が気がかりだ。今回は、マイナス25℃対応の900FPのシュラフを持参しているので、テント内での寒さはまったく気にならない。疲れもあり午後8時過ぎには、いつの間にか爆睡していた。中編に続く・・・
2015.11.03
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さて、日本百名山第71座目、中央アルプス 空木岳後編です。頂上でラーメンとコーヒーでまったりした後、今度は、駒石経由のルートで下山開始です。 眼下は、すでにハイマツ帯の中のナンテンなどの紅葉が始まっており、今年の秋の訪れの早さを感じさせられます。下りは極めて快調に、紅葉や奇石を楽しみながら下る事が出来ました。中でも特筆すべきは途中にある駒石。目測で約10m~15mはあろうかと思われる巨大な四角の白い岩で、よくもこんな石が積み重なったものだと驚きです。時間があれば登りたかったんですが、今回はスルーです。 あとはひたすら下山をしますが、大小の地獄を過ぎ、一か所、軽い沢を渡るところで、登りは乾いていた石が濡れていて滑り易くなっていました。ここは滑り止めに黄色いステップが岩に打ち込まれていますが、2名で登って来られた女性の方一人が滑って滑落、頭部を少し切る程度の怪我をされていました。幸い出血も酷くなく自力で下山できるとの事で安心しました。私も下山時は、どうしても集中力が散漫になるので、他人事では無く細心の注意を払い、午後12時45分に無事下山しました。 今年は、剱岳の早月尾根、甲斐駒ケ岳の黒戸尾根、仙丈ケ岳の地蔵尾根と、立て続けにアルプス屈指のキツイ尾根の山行が多かったので、久々に空木岳は、まったりと楽しむ事が出来ました。空木岳山行に気付きを与えてくれた山友に感謝です。さてと、次は百名山第72座目、目標を定めました! お楽しみはこれからだ!!(笑) 【コースタイム】 ・登り(林道終点 ~ 空木平小屋 ~ 空木頂上):6時間(休憩含む) ・下り(空木頂上 ~ 駒石 ~ 林道終点):3時間(休憩含む)【歩行距離】18.19km【歩 数】27979歩
2015.10.03
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