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「碧空の果てに」シリーズ、になるのかな?あの世界の別の国の話。だけど、ちらちらと彼女の影も。強国アインスに滅ぼされたトール国の王子・ハジュンは、秘かにシーハン公国へと脱出し、過去を捨てて成長していた。ハジュンは先代首長で、今は学院長になった人(ターリだろう)のもとで学び、卒業するまでにシーハンの市民権を得、ナンジャオ村の牧場で働き、各地の探索に当たっていた。村長であり、探索の采配を任せられているハジュンの市長はメイリン。10年ぶりに帰ってきた故郷はアインスに虐げられ、音楽まで禁じられていた。内心穏やかではないハジュンだったが、美しく成長した幼馴染で笛の名手のマーリィと再会。心通わせていく。だが、マーリィのもとに足しげく通ってくる青年・カオリルの存在が気になり、また、トールの民の一部は元臣下が中心となり、ハジュンを立ててトール国を取り戻そうと画策していた。暴動も起こり、ハジュンは否応なく巻き込まれていく。----------------------------カオリルはアインスの第一王子だった。カオリルが想いを寄せたために品定めされたり、王座を狙う王弟らの手のものに攫われたり、ハジュンと心通わせたことでも狙われることになったりするマーリィ。トール再興の気持ちは汲んでも、王になることは拒否したハジュンは理解者を得つつ、アインスの内紛の火種を解消するためにもトールから手を引くよう交渉。シーハン公国の調停者もたて停戦協議に臨み、トールの自治を含め10年の平和協定が結ばれることに。国のため、ハジュンは王となることに。ハジュンはマーリィに国を安定させ、譲位するまで3年待ってほしいと伝える。ハジュンの弱点として狙われる危険性もあることから、マーリィ一家はシーハンに移り、待つことに。
February 28, 2013
なんだか読み続けているシリーズですが、早く終わらないかな・・・。第体話 よつぎドール鏡に映らなくなった阿良々木暦は、臥煙を仲介し、影縫に相談することに。----------------------------問題解決のためとはいえ、忍によって吸血鬼化し過ぎた暦は、人間から変態し、吸血鬼化しつつあった。そんな時に、影縫と同じく不死身の存在を狙う手折正弦に駿河、火憐、月火、が攫われた。斧乃木余接の協力を得て、正弦に対峙することになった暦だったが・・・。正弦はこうなったのは自分を含め、駒のように動かす存在があるとほのめかし、暦を吸血鬼にするための手助けをする駒にされるのはうんざりだとかつて自分も制作に参加し、執着していた余接に自分を殺すよう頼み、余接はそれを実行。正弦は暦に忍野メメを探すよう言われる。裏にいるのは忍野扇のようなのだが、何が目的なのかまだわからず。2月13-14日の物語。
February 27, 2013
引き続き豊後関前藩の騒動。鑓兼一派の裏で糸引く田沼父子の存在。父・正睦を支え、速水の協力も得つつ、藩を守るために磐音奔走。50巻でラストになるのだろうか?まだまだあるが、こちらも早めの完結を希望・・・。----------------------------藩主と仲睦まじかった正室・お代の方は、世継ぎに恵まれず、いままでは話を受けなかったはずの藩主・実高が側室を受け入れたと聞き、乱心。国家老の正睦が側室を推挙したと思い込んだことなどから、江戸家老・鑓兼と結託していたが、すべて鑓兼一派の策略だったと知らされる。鑓兼は磐音の前に斃れ、お代の方は出家することに。正睦の狙いの一つは、性別のまだわからぬ側室の子ではなく、実高の選んだ養子を(跡継ぎと)幕府に認めてもらうことだった。また、笹塚らの協力も得て関前藩の物産事業の内紛の始末をつける。正睦は国家老を退くことを表明。だが、江戸家老がいなくなったため、しばらくは兼任することになりそうだ。
February 26, 2013
ポーランドで行われるショパン・コンクールの会場で、手の指をすべて切られた死体が見つかる。会場に居合わせたコンクール出場者のピアニスト・岬洋介は、取り調べを受けながらも殺害現場を秘かに検証していた。会場周辺ではテロが多発。しかし、コンクールは続行される。世界的テロリスト・通称”ピアニスト”が潜伏しているとの情報も入って・・・。ポーランド人コンテスタント、ヤン・ステファンスが本作の主人公。ポーランドのショパンと向き合い、父からの重圧を受け、テロに遭遇し、盲目のコンテスタント榊場隆平や岬の音に圧倒され、他のコンテスタンツの表現にも揺れ動きながらヤンは成長していく。実際にあったポーランド大統領の乗った旅客機墜落事故も盛り込まれ、コンクールでは辻井伸行氏がモデルだと思われる出場者も登場。ポーランドのショパンへの言及とポーランドの国民性は興味深い。コンテスタンツが弾いたのはどんな曲か、どんな表現の違いがあるのか聴き比べたくなるくらい音の表現が魅力的。榊場氏は辻井氏だとして、ポーランドのショパンの表現と岬の音はどんなだろう。ミステリとしては相変わらず微妙なところはあるのだけれど、岬と音楽の魅力の詰まったこのシリーズは今後も気になるところ。----------------------------ピアニストは審査員の一人でヤンの師でもあるカミンスキ。パキスタン国境の村でポーランド兵士による村民虐殺事件が起き、その時に止めようとした若いポーランド兵士である息子も殺された。アメリカ兵の告発で事が明るみになっても軍と政府は体面を守るために処分をうやむやに。そのことを恨み、復讐のために前大統領の旅客機爆破。コンクールの表彰式に出席する現大統領を狙った。自分の正体に気付いた2人の刑事も殺した。ポーランドのショパンの表現に固執していたヤンだったが、それだけではないことに気付き、本当に自分が望むピアノを模索して決勝で素晴らしい演奏を披露。見事優勝し、自分の、家の栄誉に固執する父と決別。岬は決勝で途中までは他を圧倒する演奏をするも、突発性難聴の発作が起き、演奏ストップ。課題曲の代わりにマリーの聴きたがったショパンのノクターン第二番変ホ長調を彼女への追悼に弾く。入賞は出来なかったが、アフガニスタン領内でパキスタン市民がタリバンの人質になっていたのだが、岬の演奏が流れていた間、砲撃も銃撃も一切やみ、人質が脱出できたとパキスタン大統領は岬に感謝の意を発信。岬のコンテストでの様子を日本で城戸晶や下諏訪美鈴、さよならドビュッシーの彼女が心待ちにしている描写あり。”彼女”はまた、ドビュッシーを弾くと呟く。岬と彼らとの再会はあるのだろうか?
February 22, 2013
トートロジィ・・・ってなんだろうと思い、意味を検索してみたが、トートロジー(Tautology)とは、ある事柄を述べるのに、同義語や類語を反復させる修辞技法のこと、らしいが、イマイチ意味を捉えにくい。「頭痛で頭が痛い」などの例文読んだらああ、と思うけれど。真面目な父に隠し子発覚の知らせを受け驚く僕。ある晩、仕事を終えて帰ってきた僕を待っていたのは、見ず知らずの女の子。中高校生と思われる彼女は、夢にも思わなかった異母妹だと言う。唯一の身内である放任主義すぎる叔母が突然海外留学へ。「実は、父親が生きているからそこでしばらく世話になれ」と言われ、訪ねた先で出会ったのは、腹ちがいのお兄さん。でも彼は、私のことを何も聞いていなかった・・・。上野鷲介の迷走、大塚鴇子の冒険、僕の結論/私の発見、の三部構成。視点を変えても驚くべきどんでん返しは少なく、どちらも軽いというか、うすっぺらく感じてしまった。----------------------------鴇子は実母は叔母・鳴海だと感じている。母は亡くなったという設定で上野家へ。実は鷲介の父の子ではなく、遊び人の祖父の隠し子が鳴海。でも、それも確認したわけではなく、あやふやなまま。鷲介はそれに気づき、父親はそれを了解したうえで引き取ることにしたと知る。鴇子の実の父親は不明。(鴇子はそのことを知らず)めちゃくちゃすぎる設定の割に、何の解決もしないというか、どこまでもあやふやなまま流してしまうので、それでいいのか?と疑問を覚えずにいられない。認知してない祖父の子かもしれない(鳴海)の子(鴇子)を、祖父の子(蔦夫)が、異母妹と思われる(鳴海)の子を自分の子として認知・・・(鳴海)が死んだわけではないのにめちゃくちゃだな。人が良い一家の話とはどうしても思えない。これもトートロジーというのか?違うような。同じことを違う視点で繰り返した構成だから?
February 16, 2013
幻想的な恒川光太郎「夜市」を彷彿とさせるところあり。さまざまな物語、昔話なども思い出す。でも、こちらのほうが各話の先は読めてしまったな・・・。夜宵ヶ淵という名の湖に浮かぶ小島の中で冬の一時期のみ開かれる細蟹の市では何でも売っているらしい。手に入れたいものがあって異形の市に来た私は人攫いにつけられ、助けてくれたと思った女にも襲われそうになったところを翁面を付けた赤腹衆のサザに救われる。何も知らずに市に迷いこむ人間(マドウジ)を保護する役目があるとサザはいう・・・。不吉を告げる双子、心の隙に忍び寄るようなうつろなるもの、機を織る細蟹さま、サザの手下の黒式尉の面の者(案山子)などの登場人物が幻想を作り上げる。----------------------------仮面をつけ、細蟹の市のルールで動く人々だが、れっきとした人間である、らしい。だが、人間でないものも交じっているようなのだけれども・・・。細蟹の市が何たるものか知る者はそれぞれ仮面をつけている。ごく一部の者、双子、うつろなるもの、細蟹周辺の者らは例外。それ以外で仮面をつけてないものはマドウジ(惑う児)がほとんど。市の季節以外は街で暮らす者と残る者がいるようだ。一ノ経 チョコレートスープサザを撒いた女はチョコレートスープを求めてシラ御前の館へ。スープの正体は胎児だった。女は妊娠しており、子のために良いと聞いたスープを求めていたが、それすらも騙されていたと知る。窮地を救ったのはサザだった。こういう話しあったよなー。細蟹さまが織り、限られたものしか身に着けることができない黒胞衣が不思議。一ノ緯 マドウジ気が付いた時には手枷をはめられていた。記憶のない少年は商品ではなかったようで、マドウジとしてサザに保護され、その後も身を寄せることに。血が水のにおいがする少年はカンナと名付けられ、細蟹の世話をしているという少女・まことと出会う。うつろなるものを名乗る少年は、カンナにナキが街で犯罪を犯し、刑務所に入ったため当分、市には戻ってこないと告げる。二ノ経 ヒナちゃんかくれんぼをしていて消えたヒナちゃんを探して細蟹の市に来た僕はサザに保護されるが・・・。ヒナちゃんを攫ったのは死体専門のブリーダー=ヒナちゃんは死んでいた→ヒナちゃんともっといたかった僕が殺してしまった。また、僕が少年ではなく大人だというオチ?には気づくが、真相に気付いたサザに市から追い出され、市の者たちの異常性を話す異常さは素直に怖い。二ノ緯 エフェメラの苗床カンナは稀少な生薬として高値で取引されるエフェメラの苗床だったらしいと判明するが、サザにその事実は他のものに話さぬよう言われる。小島に残るまことと市のたびにサザと戻るカンナはその度、再会。サザの持病は年々悪化しており、サザの仕事を手伝うカンナは赤腹衆になろうとするが、サザに向かないと言われてしまう。カンナにとって7度目の市、ナキが市に戻ってくる。市で仮面をする意味=市にいるうちは人間じゃない。人間のままでは細蟹の市に来てはいけない、商売もできないというルールが明らかに。人間であることを許されるのは魑魅魍魎のために機を織るたった一人の乙女・細蟹さまのみ。細蟹さまが一本足なのは他の有象無象と区別するため。三ノ経 雪客衆市のために働く雪客衆の仕事について。雑用と舞など。夜宵の宰相にあたる藐は営業許可を出し、街との渉外役でもある。三ノ緯 曼珠沙華カンナはナキに絡まれる。大人になりつつあるカンナとまことは、あらためて再会を約束。四ノ経 この世ならぬ色この世ならぬ色を求める男は、女に魅了される。サザの助けが及ばず、市のものが一枚上手だとこうなるという話。だが、求めるものが手に入った男は全てを失っても幸せだという。怖いおとぎ話にある結末、だな。四ノ緯 水のにおいのする復と子商品だったまことは、恩のあるねえさんたちが大事で、彼女らが仕える細蟹さまのお世話にも何の不満もない。だが、カンナにいるところに行きたいとだけは願っていた。サザの病は悪化するばかり。サザの仕事を代ってすることも多くなっても、カンナは赤腹衆にはなれないのだという。まことに会えない異変に気付いたカンナは、混沌のそばに在るうつろの手引きで細蟹さまらのいる禁断の〈奥の林〉へ。そこで見たのは、片足を切られたまことの姿。サザに捕えられたカンナは、代替わりでまことが足を切られ細蟹さまとなったことを知る。カンナは市を潰そうと決意するが、その時、ナキが現れ、サザの唯一の薬となったのはかつて苗床だったカンナの血だけだったこと、そのために罪も犯し、手遅れになった今、市を潰そうと戻ってきたことを告げ、薬になると知りつつもサザに大事にされたカンナを襲い、湖に落とす。サザに命をまたもや救われたカンナだったが、サザは力尽き、すきなところにいきなさいと告げ、息を引き取る。五ノ経 サザ雪客衆・タガネの昔話。今までの復習となる章。そして、四ノ緯の結末。ナキの企みは、仲間と共に市を爆破、市のものを片っ端から殺し、市の連鎖を断ち切るため、市の象徴である細蟹を殺すこと。サザ亡き後、黒胞衣に懐かれ、黒胞衣を纏ったカンナは、細蟹を守るためサザの名を継ぎ、ナキらを一蹴。赤腹衆は本来女のみがなれるものだった。サザは女。だが、黒胞衣に懐かれたことからカンナが異例でサザを継げることに。五ノ緯 サザ黒胞衣をマドウジを守るためにシラ御前に食べられてしまったサザが細蟹さまのもとへ。新たな黒胞衣を授ける細蟹(まこと)とサザ(カンナ)の一瞬の再会。もう市に来てはだめと言いながら、黒胞衣を渡す(まこと)。サザ(カンナ)は細蟹(まこと)を守るためにサザでありつづけ、解放するためにはうつろが死ねば市も亡くなると狙うも、うつろは死なず。章の名が経と緯になっているのは秀逸で、時系列としては一ノ緯~四ノ緯(女サザ)→五ノ経(サザ交代)→一ノ経(サザ/カンナ)~四ノ経→五ノ緯・・・二ノ経~四ノ経は補足、番外編と言った意味合いも持つかな。時系列を頭に入れて読むとまた違った側面が浮かび上がる。
February 15, 2013
Re-born はじまりの一歩に載っていた短編が含めた連作短編集として一冊に。なんとも伊坂氏らしい、と思う物語。夫婦は離婚、娘・沙希は寮に入るため、家族解散する日、父にかかってきた「友達になりませんか」メール。無視しろという沙希に対し、友達が欲しいという父、なぜか乗り気な母。なぜかメールの送り主・岡田と家族はドライブに行くことに・・・。----------------------------第一章・残り全部バケーションRe-born はじまりの一歩毒島から勝手に独立したことをとがめられた溝口は、つい岡田のせいにしてしまう。岡田には追手がかかって・・・?第二章・タキオン作戦父に虐待されている小学生・雄大は、溝口、岡田という大人と出会う。岡田は脅迫していた権藤に協力を頼み、雄大の父・坂本岳夫に権藤が未来から来た岳夫と信じ込ませ、雄大への虐待防止策を決行。(このままだと雄大から将来虐待を受ける。暴力をエスカレートさせた未来も最悪。次は暴力を辞めてみる策しかない。)岡田がまだ溝口と働いていた頃の話。第三章・検問溝口と岡田の後任の使えない相棒・太田に攫われた女。攫って移動に使う盗難車には金が積まれていた。議員が襲われたということで検問が敷かれていて・・・溝口が請け負った(下請け)仕事は、襲われた議員からで、女と不倫していた。女は気付くが、溝口らは知らず。女は議員に恨みを持つたくさんの人らと計画に参加し、凶器を捨てる役目を請け負っていた。金を見逃した警察官に疑問を持った溝口らは、誘拐を中止。金を三等分して逃げることに。溝口のあっけらかんとした適当さ、伊坂氏らしいキャラクターだなぁ。第四章・小さな兵隊実はスパイだという父親に担任の弓子先生に気を付けろと言われた僕。クラスの問題児・岡田君も先生の危機に気付いているようで・・・弓子先生はストーカーに狙われていた。母と違い、自分自身を信じてくれているような気がし、先生を守ろうとしていた小学生時代の岡田。ただ一つ、屋上から双眼鏡で小学校を覗いていたのはストーカーではなく、僕の父。出張中でもスパイでもなく、実は離婚していて、子供を見守っていた。・・・僕はその後映画監督になっており、インタビュー相手は岡田を探す太田。「嫌なことがあったら、バカンス(バケーション)のことを考えることにする。」作中に出てくるゴダールの映画「小さな兵隊」の主人公のセリフらしい。第五章・飛べても8分太田の後、毒島から秘密裏に命じられ、溝口と組んでいる高田。溝口が事故に遭ったきっかけになった相手は、毒島を狙っている人物らしい・・・。自分のせいで毒島にやられてしまった岡田のことを悔い、毒島へ復讐を企てた溝口。太田や、事情は知らないが溝口に親切にしてもらったりした人らもそれぞれ協力。毒島は怖い男だが、溝口のことが気に入っている。岡田のことも実はそれほど怒っておらず、部下への見せしめのために手を下したと思わせていた。条件は二度と姿を見せないで暮らすこと。毒島から教えてもらって溝口がチェックしていたサキの食べ歩き日記=岡田だったらしい。真偽を確かめるためにメールを送る溝口・・・希望のあるラスト。サキを名乗る岡田は沙希らとまだ交流あるのだろうか?どうやら岡田が小学校時代に出会った赤ジャージの男は毒島だったらしい?事情は知らずとも連動して事がなる。知っていて仕事分担。それらしくみせて騙す。とかも伊坂氏らしい。
February 6, 2013
―a story of stories-以前、「Story Seller」に収録された”光の箱”が、連作短編集となり、一冊に。地元の同窓会に向かう圭介が思い出す昔のこと・・・両親の離婚をきっかけにいじめられた圭介は、物語を作ることで寂しさを紛らわせていた頃、ただ一人、話しかけてくれた弥生が描く絵と一緒に絵本を作ったこと・・・切ない状況、つながる優し想い、物語。----------------------------最悪を想定させるも、そうならないオチに救われる。・光の箱いじめられ続けた中学時代はこっそりとだった弥生との交流。主犯格と別の高校になって醜い攻撃から解放された圭介は、同じ高校に通う弥生が絵の他にカメラに興味を示しているのを残念に思ったり、同級生の富沢から弥生を気にするマサキの存在を知り、不安に思ったりする。圭介にも気軽に話しかけてきた弥生の親友・守谷夏実が突然の引っ越しをする。弥生のカメラのフィルムには、夏実のありえない写真が撮られていて・・・弥生が夏実を襲った(脅した)のかと思った圭介は彼女と距離を置くが、同窓会までの時間に別の可能性に気付く。・・・圭介視点の話の主題は赤鼻のトナカイ。この歌を題材に「リンゴの布ぶくろ」という物語を圭介が、絵を弥生が描き、はじめて絵本を作った。実は夏実を襲ったのは弥生の父で、弥生自身も父にされていたことを明かしたくなかったため、弁解しなかった。弥生に助けられた夏実は、真実を知り、転校したのだった。誤解したままでも、弥生を嫌いにもなれなかった圭介は、卯月圭介の名で童話作家に。弥生視点の話で同窓会に向かう彼女が結婚しており、夫は正木・・・というリードの中、真相が明かされていく。同窓会は2年にわたって行われ、前年に真相を聞きに来た圭介と再会し、その後、結婚していた。(圭介視点の現在は前年、弥生視点の現在は今年)実は2年目の同窓会は、過去にこだわり結婚式をあげなかったのではと思った夏実が企画した二人の結婚お祝いパーティーだった。夏実は山岡昌樹と結婚。弥生視点での主題となる(圭介がつくった)物語は「光の箱」、ママがサンタにキスをしたの歌をベースにした物語。英語と日本語訳では歌詞がちょっと違い、英語版で子供はママにキスをしたのが誰か気づいていない(日本語版ではサンタ=パパと気付いている)。光の箱では、サンタがみんなにプレゼントするのは幸せとか、愛とか驚きとか、喜びとか、思い出・・・自分がこの世に一人ぼっちではないことを信じさせてくれる何か。としている。ちょっといい話かも。分かりやすく?正木と昌樹をミスリードさせようとする仕組み。正木圭介、葉月弥生、守谷夏実。・暗がりの子供自宅介護になる手術を控えた祖母、母のおなかには妹か弟が・・・。両親の祖母に対する自分の前でするのとは別の顔を見た(話をこっそり聞いてしまった)莉子は、図書館から借りた絵本・文 卯月圭介、絵 正木弥生の「空とぶ宝物」で、ばらばらになったものがあつまる穴に落ちた真子と空想で話すように。絵本はなくしてしまって結末が分からない。そんな中、真子は莉子に母のおなかの子をダメにする方法を教えるのだった・・・物語の結末・・・穴の中の王女は片羽をなくしていた。たまに皆が協力して鏡を持って地上にいき、鏡に写して両羽にみせ、王女は飛ぶ気分を味わうのだった。どんな嫌なことがあってももう平気だと自信がついた(物語の中の)真子は家に帰る。何をどう考えるかは自分で決めればいい、取り戻した絵本の結末を読んだ莉子は怖ろしい考えを捨てる。そして・・・中学2年生になった莉子は、4歳になる妹・真子と一緒におひなさまを飾る約束をする。あれから5年、祖母他界。あのころの義母介護に対する複雑な母の胸中を察する莉子だった。・物語の夕暮れ妻に先立たれた与沢は、妻と続けていた子供たちへのおはなし会を辞めることに。妻が亡くなってすぐにやめようと思っていたのだが、自分の作ったおはなしをしているうちに少し続けようと思ったのだった。偶然、自分が長年暮らしていた家に童話作家が住んでいると知った与沢は、その作家に祭囃子の音を(電話で)聴かせてほしいと頼み、なぜだか快諾される。祭囃子を聴きながら死のうとした与沢だったが・・・。与沢の作った物語は、かつて妻・時子に話したもの。かぶと虫から光の箱を盗んだ蛍の話、月を取りに行ったかぶと虫の話、力尽き、やもりの医者に手当てされながら何も残せなかったことを嘆くかぶと虫の話、飲み込んだ箱で苦しむ蛍を手術することになったのは、かつて落ちてきた水で再び生きることにしたやもり。その水はかぶと虫が月を取りに行くために落としたもの・・・名にも残せないと嘆くかぶと虫は、やもりを救っていた。蛍から光の箱を半分切り出したやもりはかぶと虫の元へ。かぶと虫はその光は自分には強すぎるようになったと、細かく砕いて周囲に撒く。誰も気づかない程度の光でも、世界は少し明るくなった・・・小学校の先生をしていた与沢夫婦には子がなく、生徒らにも何を残せたわけではないという思いがかぶと虫の姿にのせられていた。亡き妻を想いながら飼っていたインコを離し、彼女との思い出のなかで語らいながら彼女の元へ行こうとする与沢。だが、そのインコに導かれたのはおはなし会にきていた真子。祭囃子の音を聞かせることを快諾した童話作家・正木圭介は、実は与沢のかつての教え子で、与沢が現実から逃げ込む意味ではなく、物語の中でいろんなものを見て、優しさとか強さとか、いろんなものを知るために物語を作ってみたらいいと言った言葉がきっかけで物語を作るようになったのだった。その後・・・病院の休憩スペースで語らう老人、彼よりもずっと若い男女、女の子の姿を見る郵便配達員の姿が・・・創作物語と話をうまくリンクさせて展開。ご都合主義だろうと、”ノエル”だけに奇跡があってもよい。
February 2, 2013
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