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三島屋変調百物語事始・第一話 曼珠沙華袋物屋の三島屋に主人伊兵衛の姪おちか(17)が身を寄せる。彼女の実家は川崎宿で旅籠を商っており、三島屋でも行儀見習として女中のように働くおちか。ある日、伊兵衛に急な用事が入り、彼の碁客のもてなしをすることになったおちかは客である松田屋藤兵衛(藤吉)から不思議な話を聞くことに―罪を犯した兄を見捨てた弟の悔恨の物語。だが、その中の"片恋ながら心を寄せていた男が怒りで我を忘れ、人を殺めた"という件がおちかの心を動かす。・第二話 凶宅叔父から客人の不思議な話を聞くことを命じられたおちか。今度の客・たかが語るのは時が来ると蔵の鍵が開き、そこに住むように言われた家族の話。だが、本来の客は家族を無くし、気の病にかかった”たか”を引き取った彼女の父親(辰二郎)の錠前職人の師匠(清六)の娘の息子・草履問屋越後屋の清太郎だった。凶宅に家族と心を奪われた”たか”は新たな住人としておちかを誘う。・第三話 邪恋凶宅の話の後、気落ちするおちかの話を聞いたのは女中のおしま。おちかが三島屋に身を寄せたのは、実家の旅籠・丸千で引き取った行き倒れの子供・松太郎が成長し、様々なことの積み重ねの末におちかの婚約者を殺し、その後、死んでしまったからだった。親や兄、周囲に松太郎が翻弄されるのを"いい子"のまま受け流していたおちか、そんな彼女を大事に想い、幸せを願っていた松太郎の爆発、「俺のことを忘れたら、許さねぇ」と言い残し死んだ松太郎の最期がおちかに呪いのようにのしかかっていた。・第四話 魔鏡三島屋に兄・喜一が訪ねて来ると知って複雑なおちか。今度の客・お福は生家の仕立て屋・石倉屋が滅んだ出来事を語る。病弱で、療養に出ていた姉・お彩と兄・市太郎の許されぬ恋、姉の自殺後、結婚した兄嫁・お吉が姉が宿った鏡を覗き、身体を乗っ取られてしまう。そして、お彩が宿ったお吉を母親が殺し、兄が自殺。牢屋に入れられた父親もその後、死亡。・最終話 家鳴りお福はその後、許嫁として引き取られた家で幸せになる。おしまはその家でお福の世話をしていた事から、自分のせいだと責めるおちかにどうしようもない、止めようもない不幸から立ち直った彼女の話をするよう頼んだ。三島屋に兄・喜一が訪れる。彼は旅籠・丸千に松太郎の霊が出たこと、だが、ある日を境に消えた事から、松太郎の霊が三島屋に出てないか心配になって様子を見に来たのだ。松太郎の霊は第二話の凶宅に捕らわれており、彼と"たか"の心を取り戻すため、おちかは凶宅を訪れる。藤兵衛ら、亡くなった今までの登場人物総動員で凶宅に囚われた人々(霊)を解放。あの世とこの世をつなぐ道筋でお客を相手にしている凶宅の管理者(?)であった男に再会を予言されながらも、たかと共におちかは生還する。(霊はみな成仏)
January 23, 2009
ロケハンをするが遭遇したのは、大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた奇妙な浮浪者。彼の持つ地図帖にはびっしりと男が紡ぎだした土地ごとの物語が書き込まれていた。千葉県北部を旅する天才音楽家である幼児の物語、東京二十三区の区章を巡る闘い、逃避行の末出会い、奥多摩で悲しい運命に翻弄される少年少女―物語に引き込まれたはそこに込められた謎の真相に迫っていく。ありそうでない、斬新な設定だった。区章を巡る闘いが面白い。さりげなく物語に共通する登場人物、彼女のために紡がれたような物語。物語のラストが(おそらく彼女の事を語るであろう)新しい物語の始まりのようなのが良かった。
January 23, 2009
ドラゴン・タトゥーの女ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利 訳孤島で起きた少女失踪事件の謎を追うことになったのは、陰謀に巻き込まれた「ミレニアム」発行責任者であり記者ミカエル。彼に協力することになったフリーの調査員リスベットと共に富豪一族の闇、愛憎、復讐のなかから浮かび上がる真実とは―誰が犯人で誰が事件に関りがあるのか、「ミレニアム」を窮地に追い込んだ大物実業家の目論見とは?謎が謎を呼ぶ物語・・・かな。
January 23, 2009
何らかの事情により発見が遅れた死体の腐敗液などの処理、消臭作業など死者の出た部屋の清掃業務を主に行なう「特殊清掃屋」として働く零と純也。そんな彼らが請負ったのは風呂場で溶けて死亡した津島恵美の部屋の清掃。霊感が強い純也は恵美の霊を目撃。彼女の死の謎を追い始める。恵美の死は自殺だったのか、他殺だったのか?調べるうちに浮かび上がるのは、好きな男ができた事をきっかけに美容整形を繰り返す彼女の姿だった。過剰な整形の後に起こる悲劇、その裏にはある人物の狂気に犯された悪意も潜んでいた。~ネタバレメモ~過剰な整形の後、少しの崩れも許せなくなった恵美は医師の制止を振り切り元看護師の友人・志織の手にかかるように。だが、そこで注入された美容液からクロイツフェルト・ヤコブ病を発病、段々失われる自分の意識に怯えた恵美は、醜く歪みふくらんだ自分の顔が溶けてなくなるような形で自殺。発病の可能性を知りながら、その前から美容液を使っていた志織は仲間を増やそうとそれを使って様々な人にプチ整形を施していた。
January 10, 2009
30年前、謎の自殺を遂げた天才画家・鷲沢絖。その妻の死体が今はゴミ屋敷と呼ばれている鷲沢邸から発見された。彼の絵に関しての遺産相続人として指名された入院中の母にかわって高林紗貴は鷲沢邸を訪れる。彼女は幼い頃に鷲沢邸で見た幻のフランス画家ジョルジュ・ト・ラ・トゥールの絵がない事に気付く。計り知れない価値を秘めたその絵画の行方を探り始めた紗貴の前に、絖の孫・鋭士が現れる。その頃、母が襲われたり、不気味な出来事が起こり始める。年下の紗貴の恋人・優、鋭士、姿を消した絵画コレクターの父、一体誰が味方で誰が敵なのか。絖の絵画に隠された謎や遺言状に母が指名された真意とは―~ネタバレメモ~高林紗貴 ~主人公。自分や母が襲われ、疑心暗鬼になるが、 自分を襲わせる事で光子の遺産相続人の受け取り資格を消滅させる。高林ナオ ~紗貴の母。入院中。かつて絖のモデルをしていた。岡田敬一 ~紗貴の父。絵画コレクターだったが、現在画廊経営。ナオと結婚したことはない。榎本光子 ~父のかつての愛人。だが、息子は絖との子。 絖に贋作を描かせて稼ぎ、ラ・トゥールの絵も狙っていたため、 絖はラ・トゥールの絵の上に自分の絵を描き、ナオに託そうとした。 紗貴を襲った事で遺産受取人の資格を失う。夏木ヒカル~同人作家。光子の息子。 ナオを襲い、その後、母も殺して遺産を自分のものにしようとした。鷲沢絖 ~自殺した画家鷲沢ミネ ~絖の妻鷲沢摩里 ~絖の娘。死亡を偽装していたが、生きていくために鋭士と共に殺人などの罪を重ねる。 紗貴を階段から突き落とし、優を襲った事から遺産受取人資格を失う。鷲沢鋭士 ~摩里の息子。母の言いなりだったが、紗貴に惹かれていた。母とともに逮捕される。内田優 ~紗貴の年下の彼氏。
January 10, 2009
子供(少女)が殺される度に起こる殺人事件。サンソンと名乗る犯人のターゲットは過去に少女を襲い、傷つけた人間だった。かつて妹を殺されたことのある刑事・長瀬一樹は少女殺害事件担当からサンソンの捜査に回される。(かつて妹を殺した人間を憎む)自分の中にもサンソンが居る。刑事としての自分と被害者家族としての感情の中で揺れる長瀬にサンソンからの接触が―繰り返される犯罪、刑務所に入ってもすぐ出てきて再犯を犯すもの、消えぬ罪に怯えて暮す者、彼らに罰を与える男には愛する娘が居た。~ネタバレメモ~サンソンの正体は長瀬の妹を殺した男・小坂。妻の連れ子である娘を溺愛し、彼女らの平穏を守ろうとかつて同じ罪を犯した男達を殺害。そのことで犯罪の抑止を願う。抑止力を維持するためにはサンソン(マリーアントワネットなどを処刑した死刑執行人の名)は捕まる訳には行かないと最後のターゲットは自分にし、殺害を長瀬に依頼する。サンソンは正体不明のまま小坂の死亡が確認され、その後長瀬は警察を辞める。
January 10, 2009
あらすじ・メモ1(登場人物)とりとめないメモ・法医学会は人材難。専門医は百人少々→司法解剖の予算=法医学者が対応できる解剖数 全体解剖に・ミスター厚労省八神(役人)の国策に対する考え→国政に携わる者たちが決めた方策。 国のためで市民のためではない。・官僚三大原則=まず金、天下り先になりそうな業務開発、メディアでの見栄え 責任をとらずに君臨できるものが望ましい。・「メタボ」検診は厚労省らしい国策の秘密兵器。 →受診率が低ければ保険料を高額にすると脅して医者を巻き込み金を引っ張る →現場に落とす金を最小限に、居抜き率が高い企画ほど官僚評価は高い。・パブリックコメントは議論を拡散、攪拌するのにうってつけの道具。~ガス抜き、アリバイ工作 →件数が少ない~関心が低いから決定権は官僚の思うがまま。 →件数が多い ~関心が高い。だが、その分いろんな立場の利害が衝突。・白鳥は委員会に現場最前線の人物を多々推挙し、現場に必要な仕組みを作るのではなく、 システムのために現場をアジャストする官僚仕事に適してないと苦言をいわれる。 白鳥の敵は身内である一般官僚? 共通の敵をもつという点で無礼で倣岸な白鳥が見方のように錯覚する?(彦根談)・白鳥が田口を八神主導の委員会に推挙成功したのは、 バチスタスキャンダルの時にただ一人出世した=出世亡者だと思わせたから。・田口の不定愁訴外来は、田口がリスクマネジメント委員会を立ち上げた(とされる)こと、 医療事故調査委員会に招聘された事から通報するための ターゲットにされるのではないかと不安に陥った他の科の医者から患者依頼が激減。 代わりにモンスターペイシェントの対応を任される。 不満を聞くことは同じと十分対応できる(島津にクレーム対応で転職も可能といわれる)ように・さらっと東京で田口は死体を見つけ加納警視正に出動要請をしたくだりがあるが、 今後どこかでかかわってくるのだろうか?・高階による田口評は上昇志向のない坂田局長みたいな奴らしい(白鳥談)・警察が医療主導のエーアイを潰そうとするのは、司法領域こそ初期検視業務の代行のため エーアイ・センターを必要とし、システムを司法の手におさめたいため。・医者 =患者を治療するのが業務。病理医はこちらに属する。・医学者=医学を研究する学者。∴法医学者が相手にするのは死体。・解剖医は20体解剖を行ない書類提出すれば医師なら誰でも取れる資格。・白鳥の新たな部下は袴田が推薦した(厚労省が誇る)砂井という人物らしい。 ひくてあまたの姫宮は異動内示を断り続けているらしい。・ラストで白鳥が彦根に参加を確約した、内閣府が主導で、 関係省庁を横断する死因究明問題についての合同検討会のメンバーには 厚労省・白鳥と、彼が大学時代所属していた確率研究会メンバー(カルテット)だった 内閣府主任研究官・高嶺宗光(財務省から出向中)、警察庁・加納、文部科学省・小原が。・彦根は東城大→帝華大外科→病理医に。エーアイ提唱者。 病理医でありながら解剖医がエーアイにやみくもに反対するため敵認定したのは 解剖の実施率2パーセントの現状(一体25万という解剖費の問題アリ)もある。 ・医療ストライキを提案した彦根。実行した第二医師会は空中瓦解したが、 本家本元の日本医師会が医師のストライキ権という最終兵器(彦根)を手に入れた。・彦根は社会に追い詰められた医師のため、社会に宣戦布告。ストもその一つ。 医療と司法の完全分離を目指している。・桧山シオンの別名はミラージュ・シオン、彼女の手にかかればあらゆる画像情報が歌いだす天才。・ヴァートプシー=法医学分野。司法解剖を省略し画像診断だけで済まそうと主張。 エーアイ =医療分野で展開。放射線科医や一般臨床医が診断。 死因不確定の場合は解剖を要請。 コチラの方が間口が広く、人材確保も可能。・彦根の参戦で、エーアイ・センター設立予定の東城大は 厚労省関連の研究企画から外されると島津は危惧する。・西郷は桜宮に「死因究明センター」(法医学の起死回生策。警察庁と組む?)を立ち上げるらしい。・イノセント・ゲリラ、医翼主義(彦根命名)・彦根は医療事故より前に医療事故を頻発するほど崩壊した医療現場の建て直しを提案。 だが、それは国が滅びても医療が滅びないなど国の根本 (法律、財政、医療庁→医療省設立提案など)にも言及するものだった。 →戦う場を大きくする事で、医療事故調へのエーアイをすんなり通す策だったというが、 田口の思うように勝ちすぎだったかも。(反発がひどくなる?)現実的にエーアイはどのていど浸透したのだろうか?
January 8, 2009
本編あらすじは→コチラ・メモ2碧翠院の火災から半年後、桜宮市では末期患者の引き受け先が半減、異常死体の引き取り先も壊滅状態(検視体制がぐずぐずに)。救急患者の増加←厚労省の医療制度改変により、長期療養のお年寄りが自宅療養に切り替わり、 亡くなる直前に容態が急変したお年寄りが救急患者として戻ってくるため。バチスタスキャンダルで東城大を鳴海医師が去ってから、東城大の病理の診断納が低下している。~ネタバレメモ~<東城大学医学部付属病院>田口公平~神経内科学教室講師。不定愁訴外来責任者。リスクマネジメント委員会委員長。 出世欲なし。白鳥主導の会議から、八神主導の委員会メンバーになってしまう。島津吾郎~放射線科教室准教授。田口の同期。国際的に名が通った臨床研究者でもある。 厚生労働省のモデル事業(白鳥主導)「エーアイ・センター」責任者だが、 解剖関連教室である病理学教室と法医学教室から反発をうけている。兵藤勉 ~医局長。情報通。帝華大学から都落ちした野心家。藤原真琴~不定愁訴外来専任看護師。高階権太~病院長細井寛之~事務次官。娘婿でもある八神に目をかける。坂田寛平~医政局長。周囲を見返したい一心で出世(事務次官)を目指す、白鳥の上司。 高階病院長と帝華大学同期。 役人利益を優先し、取り替えのきくものが出世する官僚世界に納得せず、 何なら白鳥と玉砕もありかと考えている。八神直道~医療安全啓発室課長。通称ミスター厚労省、リスク回避を特技とする生粋の官僚気質。 白鳥の同期。白鳥主導の委員会のハシゴを外し、新たな検討会を立ち上げるが、 結局、白鳥に別の委員会発足という形でハシゴを外される。白鳥圭輔~医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長。 本来は坂田ではなく、大臣官房秘書課付、袴田局長直属の部下。 袴田局長は次期事務次官ダークホース。 厚労省の鬼子。出世欲薄く、役人の利益で動かない。 単純な坂田を(利用できる)価値ある(まともな)上司と思っている。 姫宮は現在、極北市に潜入捜査中らしい。もう一人部下がつくらしい。 白鳥が元々失脚したのは、裏金作りに(期せずして)手を貸さなかったから。 姫宮も同じ危険素養ありと判断されて白鳥の部下に。だが、姫宮の評価は高い。北山錠一郎~警察庁刑事局局長加納達也 ~警視正。警察庁刑事局刑事企画課電子網監視室室長。白鳥の大学同期。 桜宮市から東京に戻る。斑鳩芳正 ~桜宮市警広報課室長。警察庁刑事局新領域捜査創生室より出向中。 司法と医療の完全分離を阻止した上、司法が主導権をもてるよう画策。 広報としてのマスコミ操作、産婦人科逮捕なども手がけているようだ。 無声猟犬(サイレントマッドドッグ)の異名あり。片岡徹 ~審議官栗岡誠 ~参事官田島勇作~相模原大学法学部教授。「医療関連死モデル事業」座長。日野真人~帝華大学法学部教授。元長崎高検検事長。医療監視の必要性を訴えるスタンス。田辺義明~墨江総合法律事務所所長。医療事故訴訟の第一人者。高安秀樹~さくら新聞論説委員浅井貞吉~帝華大学医学部付属病院心臓外科教授。 医療事故なら罪に問わないという、無過失補償、完全免責制度の支持者。相川太一~日本医師会常任理事。医療事故調査委員会設立の必要性を主張。西川洋子~NPO法人・ペイシェント・バイスタンダーの会理事長小倉勇一~医療事故被害者の会代表。バチスタスキャンダルの被害者の息子。 同じ委員会メンバーとなった東城大学医師である田口に複雑な思いがあった。西郷綱吉~上州大学医学部法医学教室教授。東京都監察医務院非常勤職員。解剖の必要性を訴える。 警察庁と組んでエーアイも導入した「死因究明センター」設立を目論む。 教授になりたいとの思いから、競争相手の少ない法医学教室を選択。30代半ば。 名前の由来は土佐犬界では永世横綱だった父親の飼い犬から。田村幸三~帝華大学医学部病理学教室教授。エーアイに反対しているが、法医学と共闘もせず。彦根新吾~房総救命救急センター診断課。病理医。40代。「ひねくれ彦根」 田口らの東城大学後輩(在学中は麻雀仲間の一人)。その後、帝華大学に。 医師のストライキを指導した者としてあらゆる方面から危険視されている。 白鳥の要請を受け、田口の協力を仰ぎながら委員会への出席を実現させ、 エーアイを導入するため、実現不可能な解剖至上主義者の構想を粉砕、 医療を圧迫する役人、法律の不備、改正の必要性を訴える。クリフ・エドガー・フォン・ヴォルフガング ~ジュネーヴ大学画像診断ユニット教授桧山シオン~ジュネーヴ大学画像診断ユニット准教授。彦根のマリオネット。ヤマビコユニット。別宮葉子~桜宮支所勤務。社会部主任。白鳥とつながりあり。
January 8, 2009
本家(!?)宝島社出版としては第4弾のバチスタシリーズ最新作。東城大学医学部付属病院不定愁訴外来の責任者で万年講師の田口公平にふりかかる高階病院長の「ささやかなお願い」、それは厚生労働省主催の会議―厚生労働省役人のロジカル・モンスター・白鳥圭輔の本丸・医療事故調査委員会への出席要請だった。様々な思惑が絡み合い、それぞれの利益、主導権争いにより難航する会議をみた田口はグズグズな医療行政の現実を知る。なんと田口医師が上京!相変わらずいろいろな人に振り回されていながら核心がつけるのは愚痴外来の耐性からか、直観力ゆえか、出世欲のなさからか?厚生労働省の役人の思惑は現実そうとしか思えない状況でゲンナリするが、問題はそこだけではない。その問題に言及する彦根の言葉は著者の本心なのだろうが、国策、法律改正を求め、戦いの場がどんどん大きくなる今後はどうなるのだろうか?そして、本だけでなく、本に反映される医療問題が起こる現実はどのような対策がとられているのだろう。読むたびに崩壊する医療現場や現実ニュースに取り上げられる医療問題に不安がよぎるが、それでもまだ、どこか鷹揚に構えてしまう一般人である自分がいることを痛感する。時系列としては螺鈿迷宮の半年後、速水が極北市に行った「ジェネラル~」より後で、本書内で産婦人科逮捕がニュースとなり、「ジーン~」につながる頃。登場人物メモ→メモ1・メモ2チーム・バチスタの栄光 ナイチンゲールの沈黙・メモ 螺鈿迷宮・メモ ジェネラル・ルージュの凱旋・メモ ブラックペアン1988 ジーン・ワルツ・メモ1・メモ2 ひかりの剣・メモ 夢見る黄金地球儀 医学のたまご・メモ 死因不明社会
January 8, 2009
怒りも悲しみも静かに朽ちてゆく不思議な場所、美奥が紡ぐ物語―誰でも気軽に入れるわけではなく、そこにいればいるほど異質になる場所で紡がれる物語なのだが、「夜市」(と風の古道が入った著者初の単行本)を越えはしない。~ネタバレメモ~・けものはら友人・椎野春(中3)が姿を消した。雄也は幼い頃、彼と一緒に足を踏み入れた不思議で畏怖を感じさせる場所に春を探しに行く。母親を殺してしまった春はそこにとどまり、異質なものに段々姿を変えていく。<けものはら>のモノと人のすむ世はどこかずれていて、見えるものも違えば、お互いが触れあうことの出来ない場所だという設定がその存在を象徴している。・屋根猩猩尾根崎地区を通りかかった藤岡美和は、彼女の事を知る見知らぬ少年・タカヒロに声をかけられる。少年は現在、この地区の守り神である屋根神なのだという。不審に思う美和だったが、彼は屋根を伝い、尾根崎地区の家に自由に出入りし、諍いをおさめ、困っているものを助けていた。大きなおせっかいに見えるときもあるが、彼女の直面した問題も解決した。そして―内容も分からぬまま幼い頃に予約した次期屋根神に美和がなるのだった。核となる猩猩は別にいて、かつて美和が出会った少年・ショウタである。ひとり残されたものが屋根神になってしまい逃げられないという怪談話のような設定かと思いきや、ショウタのもとで屋根神となった美和はそんなことを気にならない意識にされている。猩猩は象徴であり、実際働くのは屋根神といったところか。・くさのゆめがたり山中で暮し、叔父にあらゆる毒や薬について学んだ少年は叔父を毒殺。山中で出会った僧侶について里に降り、天狗の子の様だからと"テン"と名付けられた。里のために時々薬を調合したりしていたテンだったが、世話になった僧侶の家族で彼が憧れていた女性が権力者の手の者に攫われ、殺された事から権力者らを毒殺、彼女を生き返らせるための幻の薬"クサナギ"を調合する事を決意する。だが、出来上がったクサナギは死者を生き返らすものではなく、生死を越え、転生、もしくは転成(別の生き物、姿、性質の違ったものになる)させるものでテンが叔父を毒殺するきっかけとなった「おまえは熊から産まれたのだ」という言葉は真実だった―テンはクサナギを里にばら撒き姿を消す。クサナギをばら撒かれた里のその後が"美しい山奥によく似た場所"=美奥。クサナギはその後、性質を少し変えて一部が<けものはら>になったのだろうか?・天化の宿両親の不和からあてもなく歩き出した望月ゆうかは不思議な双子に導かれ「苦解き盤」で"天化"することに。複雑怪奇で不思議な世界観を持つゲーム「天化」。のめりこむゆうかだったが、苦解きが成功した者はその瞬間に死を迎えることに気付き逃げることに。怪談の「山姥」をもちいて逃げるゆうかを追う親分(鬼)だが、彼女を逃がす優しさを持っているという設定が何だか好きだった。苦しみは解き放たれず戻ってくるが、ゆうかはその中で生きていくことに。・朝の朧町W不倫の末の殺人事件により居場所を失った香奈枝を家においてくれた長船。死期が迫った彼は彼が管理者となっている不思議な町と不思議な液体を私に託した。不思議な液体=クサナギトロッコと不思議な双子(天化の宿)もでてくる。
January 4, 2009
連作恋愛短編集、になるのだろうか?・風光る~哲と真琴の最後のデート・七月の通り雨~同性で友人の真琴に惹かれる瑛子に告白する遠山。・青い夜、緑のフェンス~自分の容姿に自信がない針谷を振り回しつつ、心を寄せる一紗。・夏の終わる部屋~針谷の友人の長月は操と出会う。・屋根裏から海へ~哲に振られた元カノ真琴から加納に連絡がある。・新しい旅の終わりに~加納と旅行に行くことになった真琴。・夏めく日~高校生時代の瑛子の話。
January 2, 2009
第15回日本ホラー小説大賞・大賞受賞作だそうな。遺体からあらゆる製品(孫の手、財布、石鹸など)を作り出す「遺工」を代々家業としてきた庵堂家。父の跡を継いだ長男・正太郎とそれを手伝う汚言症の三男・毅巳、都会暮らしの次男・久就。法事で久しぶりに兄弟全員が集まったとき、彼らの家業の過去を暴き、今後を揺さぶる依頼が入る。グロイのだが、何だか読める。不思議な雰囲気があった。~ネタバレメモ~庵堂家の血を継ぐのは本当は久就のみ。正太郎と毅巳の本当の父親はそれぞれヤクザである豊島一家の依頼で生きたまま解体されていた。先代・明雄はその後、豊島一家と縁を切る。だが、一家を引き継いだ美濃田の娘が交通事故で死に、娘の死を受け入れられない妻のため、剥製にするための依頼が入ったことから彼らの過去、庵堂家が豊島一家の仕事を受けていた頃の蛮行が明らかに。正太郎は自分の過去を知っており、久就は自分だけが本当の子供ではないと勘違いしていた。正太郎は仕事に区切りをつけ辞めようとするが、毅巳は遺工の修行を開始。久就もなんだか仕事を手伝いを決意する気配の見えるラスト。
January 2, 2009
第2回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作だったそうな。代理母で生計を立てている小田切良江は、代理母としてはじめて出産した子供・三輪俊成が母親・咲子に虐待した事を知り、発作的に俊成を連れ出してしまう。そのことを知った歌舞伎町で働き、かつて良江と関係のあった田代幸司、彼の兄貴分でアングラ・カジノの店長・赤星サトル、元相場師の張龍生は誰も傷つかない誘拐計画を実行する。うまく行くと思われたその時、俊成の虐待を疑う女刑事やハッカーが動き出し、計画は想わぬ方向へ進む―ネット・トレーディング、ハッカー、代理母、胎児細胞を使った整形技術、瞬間像記憶、など様々な要素が詰まっているのだが、ラストは微妙かも。~ネタバレメモ~三輪俊成 ~誘拐された子供。自閉症。良江と同じく記憶能力抜群で、それを絵にするのもうまい。 事件後は父の元に戻る。三輪俊英 ~俊成の父。投資アドバイザー「インフィニティ」社長。三輪咲子 ~俊成を虐待。ホストにつぎ込んでいる。joshuaに踊らされ、事件に関与。 joshuaに渡された爆弾により死亡。小田切良江~Enigumaの一員。代理母をして生計を立てている。瞬間像記憶能力あり。 事件後、(代理母として)妊娠していた子を出産、田代幸司と共に育てることに。張龍生 ~Enigumaの一員。元相場師。仲間を助け、死亡。赤星サトル~Enigumaの一員。アングラカジノ店長。田代幸司の兄貴分。容姿にコンプレックスあり田代幸司 ~Enigumaの一員。歌舞伎町のキャバクラで働く。鈴村薫 ~特殊班の女刑事。パソコン関連に精通。joshua ~ハッカーにしてクラッカー。侵入していた三輪俊英のパソコンから誘拐事件に気付き、 自身の楽しみのために撹乱する。正体は宇賀神良也17歳。犯人があまりに関係ない人物だったのはまだいいとしても、彼の実体としての関わり方は反則気味な気がする。(Enigumaのパソコンの整備にいきなり登場していた設定)
January 2, 2009
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