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さて私は毎日大量の投資本を読みながら御機嫌に株式投資をしているわけですが、その中には「頻繁に参照する」名著中の名著と言うのがあります。それは具体的には、
の中の、 生き残りのディーリング や オニールの成長株発掘法 などがそうなのですが、一番良く手を伸ばすのは マーケットの魔術師シリーズ全4作 になります。
そしてその中でもシリーズ第1作の
を最も愛でているのですが、実は更にその中でもダントツに良く読み返すのが、 エド・スィコータ
ポール・チューダー・ジョーンズ
の記事にならんで、マイケル・スタインハルト のインタビューになります。
今日は「ヘッジファンドの帝王」と呼ばれた、彼の珠玉の言葉を見ていきましょう。
この21年間を振り返って見ると、成功の事例に決まったパターンはありません。
実際に決まったパターンはないという事実にこそメッセージがあると思います。成功のための方法を定式化できると思ったら大間違いでしょうね。すぐに変わってしまうものなのです。
ある期間定式化した方法がうまくいくと、その後には避け難い大きな失敗が待ち受けている のです。
このスタインハルトの言葉は何度読み返しても身が引き締まります。私は 「優待バリュー株投資」
という 「自分なりの必勝法」である「型」を持った投資家ですが、その基本哲学は守りながらも常に新しいアイデアを取り入れて少しでも自分の手法をブラッシュアップしていくように日々努力を続けています。そうしなければ「常に変化し続けている」株式市場では生き残り続けることが出来ないことが分かっているからです。
「私がパーティーにもっていくものは28年にわたるミスの積み重ねだ。」
私が行っているトレードの利点の1つは、多くの決断とミスをさせてくれるところ です。 それを糧にして、私は長年賢明な投資家でいられる のです。
私も「優待バリュー投資家」として生を受けて18年ですが、これまで数限りないミスや過ちを繰り返してきました。そして残念なことに今でも同じことを繰り返しています。でも自分の「ミスのバリエーション」が増えるたびに、少しずつタフな投資家になることが出来ているとも実感しています。
父は生涯ギャンブラーでした。この仕事はギャンブルに通ずるところがある と思いますね。父の才能を受け継いだのでしょう。
スタインハルトの父親は「ほとんど99.7%くらい裏社会の人間」で、宝石の故買で財産を築き、その一生をギャンブルに明け暮れた人間でした。スタインハルトの母親とはとっくの昔に離婚していてその関係性は複雑でしたが、彼なりに息子を愛し、ある日突然スタインハルトの前に現れて「ペンシルバニア大学のウォートン校に入れるかやってみろ。入れたら費用は俺が出してやる。」と提案し、元々成績抜群だったスタインハルトは見事に合格して、それがその後の彼の大きな成功に直接ダイレクトに繋がったのでした。アメリカは超学歴社会ですからね。
ちなみにスタインハルトの父親がどんな人物だったのかについては、スタインハルトの自伝である、
ヘッジファンドの帝王 (株式投資本オールタイムベストシリーズで超近日登場予定。傑作です。!)
に詳しく、面白く書いてあります。スタインハルトが父親を憎むと同時に深く愛していたことが分かる味わい深い一冊です。「父と息子の物語」の鮮烈さに、その魂の純粋なぶつかり合いに、私は読んでいて思わず涙がこぼれました。こちらも最高の1冊なので、未読の方は是非。
すいません話が大幅に脱線しました。本文に戻ります。(汗)
大事なアドバイスは、とても競争の激しい仕事だと認識すること。そして、 株を売ったり買ったりするときには、人生の大半を賭けて努力している連中と競争しているのだと認識すること です。
良いトレードとは、自分のアイデアを追い続けていく信念と間違いを認める柔軟性の間の微妙なバランスで成り立っている のです。。。確信と謙虚さのバランスは、幅広い経験とミスから学ぶ のが一番です。 反対側で売買している人間にも見通しがあるはず です。 なぜ彼は売るのだろう。自分の知らない何を知っているのだろう。常にそう自問する のです。
自分の反対側にいる人間は何を知っているのだろう?
これを意識しながら戦わなくてはならないんだ、自分が「安い安い」と喜んで買っているその反対側には「高い高い」と思って売っている「誰か」が必ずいるんだ、「彼が売る理由」に思いを馳せることは極めて重要なことなんだ。
私はこの スタインハルトのインタビューを読んで初めて、「反対側の人」の事を考える重要性に気付いた
のでした。
さてこれでスタインハルトのインタビューの紹介は終わりです。どうです? 震えがくるほどに凄くないですか。改めて「青本」は最高ですね。これからも私が投資家を続ける限り、一生繰り返し読み続けていきたいと考えています。
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