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現在連載中の「【全面改訂版】カクテル--その誕生にまつわる逸話」ですが、取り上げる予定のカクテルは以下の通りです。前回資料を作った時からは、いくつかを削除し、いくつかを追加して約150種類について紹介していくつもりです。 原則3つずつ紹介していきますので、約50回にもなる長丁場の連載になるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします(「このカクテルも取り上げてほしい」等の要望がありましたら、お知らせください)。青字がすでに登場済みのカクテルです。【A】アディオス・アミーゴス(Adios, Amigos)、アドミラル(Admiral)、アドニス(Adonis)、アラスカ(Alaska)、アレクザンダー(Alexander)、アメリカーノ(Americano)、エンジェル・キス(Angel’s Kiss)、アラウンド・ザ・ワールド(Around The World)、アヴィエーション(Aviation)【B】B&B、バカルディ(Bacardi)、バラライカ(Balalaika)、バンブー(Bamboo)、バーバラ(Barbara)、ベボー・カクテル(Bebbo Cocktail)、ベリーニ(Bellini)、ビトウィーン・ザ・シーツ(Between The Sheets)、ビジュー・カクテル(Bijou Cocktail)、ブラック・ルシアン(Black Russian)、ブラック・ヴェルヴェット(Black Velvet)、ブラッド&サンド(Blood & Sand)、ブラッドハウンド(Bloodhound)、ブラッディ・メアリー(Bloody Mary)、青い珊瑚礁(Blue Coral Reef)、ブルー・ハワイ(Blue Hawaii)、ブルー・ムーン(Blue Moon)、ボストン・クーラー(Boston Cooler)、ブロンクス(Bronx)、ブルックリン(Brooklyn)、ブル・ショット(Bull Shot)【C】カイピリーニャ(Caipirinha)、カルーソ(Caruso)、シャンパン・カクテル(Champagne Cocktail)、チャーリー・チャプリン(Charlie Chaplin)、チェリー・ブロッサム(Cherry Blossom)、シカゴ(Chicago)、チチ(Chi-Chi)、クローバー・クラブ(Clover Club)、コペンハーゲン(Copenhagen)、コスモポリタン(Cosmopolitan)、キューバ・リブレ(Cuba Libre)【D】ダイキリ(Daiquiri)、ドッグズ・ノーズ(Dog’s Nose)【E】アースクェイク(Earthquake)、エッグ・ノッグ(Egg Nog)【F】フレンチ75(French75)、ファジー・ネーブル(Fuzzy Navel)【G】ギブソン(Gibson)、ギムレット(Gimlet)、ジン・リッキー(Gin Rickey)、ジン&ビターズ(Gin & Bitters)、ジン&イット(Gin & It)、ジン・フィズ(Gin Fizz)、ジン・トニック(Gin & Tonic)、ゴッドファーザー(Godfather)、グラスホッパー(Grasshopper)【H】ハーベイ・ウォールバンガー(Harvey Wallbanger)、ヘミングウェイ・スペシャル(Hemingway Speccial)、ホーセズ・ネック(Horse’s Neck)、ホット・バタード・ラム(Hot Buttered Rum)【I】アイリッシュ・コーヒー(Irish Coffee)【J】ジャック・ローズ(Jack Rose)、ジョン・コリンズ(John Collins)【K】カミカゼ(Kamikaze)、キール(Kir)、キッス・オブ・ファイア(Kiss Of Fire)、ニッカーボッカー(Knickerbocker)【L】レオナルド(Leonard)、ロングアイランド・アイス・ティー(Long Island Iced Tea)【M】マイ・タイ(Mai-Tai)、マミー・テイラー(Mamie Taylor)、マンハッタン(Manhattan)、マルガリータ(Margarita)、マルチネス・カクテル(Martinez Cocktail)、マティーニ(Martini)、ボンド・マティーニ(Martini: James Bond Martini)、メアリー・ピックフォード(Mary Pickford)、メロン・ボール(Melon Ball)、マイアミ(Miami)、ミリオン・ダラー(Million Dollar)、ミリオネア(Millionaire)、ミモザ(Mimosa)、ミント・フラッペ(Mint Frapp?)、ミント・ジュレップ(Mint Julep)、モヒート(Mojito)、モンテカルロ(Monte Carlo)、モスコー・ミュール(Moscow Mule)、マウント・フジ(Mount Fuji)、ミスター・マンハッタン(Mr. Manhattan)【N】ネグローニ(Negroni)、ニューヨーク(New York)、ニコラシカ(Nikalaschka)【O】オールド・ファッションド(Old Fashioned)、オールド・パル(Old Pal)、オリンピック(Olympic)、オーガズム(Orgasm)【P】パナシェ(Panach?)、パラダイス(Paradise)、パリジャン(Parisian)、ペグー・クラブ(Pegu Club)、ピーニャ・コラーダ(Pi?a Colada)、ピンク・レディ(Pink Lady)、ピスコ・サワー(Pisco Sour)、プランターズ・パンチ(Planter’s Punch)、プレジデンテ(Presidente)【R】レッド・アイ(Red Eye)、ロブ・ロイ(Rob Roy)、ラスティ・ネイル(Rusty Nail)【S】ソルティ・ドッグ(Salty Dog)、サングリア(Sangria)、サゼラック(Sazerac)、スクリュー・ドライバー(Screwdriver)、シー・ブリーズ(Sea Breeze)、セックス・オン・ザ・ビーチ(Sex On The Beach)、シャムロック(Shamrock)、シャンディ・ガフ(Shandy Gaff)、上海(Shang-Hai)、サイドカー(Sidecar)、シンガポール・スリング(Singapore Sling)、スカイ・ダイビング(Sky Diving)、スレッジ・ハマー(Sledge Hammer)、サイレント・サード(Silent Third)、スネーク・バイト(Snake Bite)、スノーボール(Snowball)、スプリッツァー(Spritzer)、スプモーニ(Spumoni)、スティンガー(Stinger)、ストロー・ハット(Straw Hat)【T】テキーラ・サンライズ(Tequila Sunrise)、テキーラ・サンセット(Tequila Sunset)、ティツィアーノ(Tiziano)、トム&ジェリー(Tom & Jerry)、トム・コリンズ(Tom Collins)【W】ウイスキー・ハイボール(Whisky Highball)、ウイスキー・マック(Whisky Mac)、ウイスキー・ミスト(Whisky Mist)、ウイスキー・サワー(Whisky Sour)、ホワイト・レディ(White Lady)、ワイン・クーラー(Wine Cooler)、【X】X.Y.Z.【Y】楊貴妃(Yan Kuei Fei)、横浜(Yokohama)、雪国(Yukiguni)【ノン・アルコール】シンデレラ(Cinderella)、フロリダ(Florida)、パーソンズ・スペシャル(Parson’s Special)、プッシー・フット(Pussy Foot)、シャーリー・テンプル(Shirley Temple)こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/30
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【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(16) 47.ファジー・ネーブル(Fuzzy Navel)【レシピ】ピーチ・リキュール(30)、オレンジ・ジュース(60)、オレンジ・スライス、氷 【スタイル】ビルド 【グラス】トール・グラス 比較的近年に生まれたカクテル。誕生の経緯については、主に以下の2説があるが、決着はついていない。名前の「ファジー」は曖昧なという意味だが、桃の表面の柔らかな毛「ファズ(Fuzz)」にも由来する。 (1)米サンフランシスコのバー「パット・オシア(Pat O’Shea)」のバーテンダー、マッド・ハッター(Mad Hatter)が1980年代に考案したという説(出典:PBOのHP、ただし根拠資料は明示されていない)。 (2)「ピーチ・ツリー」というブランド名のピーチ・リキュールの販売を始めたオランダのデ・カイパー(De Kuyper)社が1984年、販売促進のために考案したという説(欧米のWEB情報)。 桃ともオレンジとも言えない曖昧な(ファジーな)味わいは、アルコール度数も低く、子どもから大人になる「曖昧な年頃の世代向き」の飲み物として1980年代半ば、米国でその人気に火がつき、その後世界中に広まったという。 なお、マッド・ハッターのカクテルブック(The Complete Book Of Mixed Drinks)のレシピでは、ウオッカ(30)、ピーチ・シュナップス=後に「ピーチ・ツリー」と改名=(15)、オレンジ・ジュース(180)、オレンジ・スライス、氷というレシピとなっている。 「ファジー・フルーツトニック」という似た名のカクテルもあるが、レシピはピーチ・リキュール、カシス、グレープフルーツ・ジュース、トニック・ウォーターと、さらに曖昧な味わいとなっている。 欧米の他のカクテルブックで収録している例は少なく、現時点で確認した限りでは、「ニューヨーク・バーテンダーズ・ガイド」(Sally Ann Berk著、1995年刊)、「クラフト・オブ・ザ・カクテル」(Dale DeGroff著、2002年刊)くらい(Webの専門サイトでは紹介例は多いが…)。日本のカクテルブックでも、欧米同様、収録例はきわめて少ない。 【確認できる日本初出資料】カクテルズ(福西英三著、1994年刊)。 ************************************ 48. ギブソン(Gibson) 49. ギムレット(Gimlet) ※いずれも【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しています。そちらをご覧ください。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/29
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先日、運良く1980年(昭和55年)に出版された「社団法人 日本バーテンダー協会(当時はJBA、現NBA)五十年史」という本を、古書店で手に入れることができました。 1929年(昭和4年)5月の協会創立以来の歴史や、JBAが関係したカクテルコンクールの歴代入賞者と作品などが詳しく紹介されています。週刊誌ほどのサイズで、約200頁です。 ちなみに現NBAは1987年(昭和62年)、JBAから分離独立(1955年のこと)したANBA(全日本バーテンダー協会)と合併し、誕生しました(現NBAとしての歴史は、まだ30年余しかないことが分かります。意外でした)。 個人的には、ライフワークとして、古い時代のカクテルのことをあれこれ調べているので、どうしても昔のバーテンダーやカクテルコンクールについて、正しい情報を知る必要に迫られます。 「あの有名なカクテルをつくられたバーテンダーは、当時どこのお店に勤めていたんだろうか?」「あの年のあのコンペでの1位は何というカクテルで、作者の名前と正確なレシピを知りたい」等々。 まだパラパラっと読んだだけですが、現在続けている「全面改訂版:カクテル--その誕生にまつわる逸話」執筆にも、大いに役立ちそうです。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/28
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◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(15) 44.アースクェイク(Earthquake) 45. エッグノッグ(Egg Nog) 46. フレンチ75(French 75)いずれも【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しています。そちらをご覧ください。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/27
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大阪・天神祭恒例の船渡御&打ち上げ花火(25日夜)。毎年、花火は楽しみで観ています。今年撮った中でマイ・ベストショットをどうぞ。
2012/07/25
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【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(14) 41.キューバ・リブレ(Cuba Libre) 42. ダイキリ(Daiquiri) ※いずれも【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。 ************************************ 43. ドッグズ・ノーズ(Dog's Nose)【レシピ】ビール(適量)=スタウトやエール系ビールが向いているジン(30~45)=海外のサイトではロンドン・ドライジンを勧める【スタイル】ビルド 【グラス】ビア・グラス ジンとビールというワイルドなカクテル。直訳すれば「犬の鼻」だが、命名の由来等はまったく不明。「一見、普通のビールと見分けがつかないが、くんくんと嗅げばジンが入っていることが分かる」ことか、それとも「匂いを嗅ぎながら飲んだら、泡が鼻についてまるで犬が飲んでるみたい」という連想か。謎を呼ぶ名前である。 誕生の経緯も分からないが、「酒場でビールをチェイサーにしてジンを飲んでいた客が、『ええい、めんどくさい。一緒にしてしまえ』と2つを合わせた」という説はあながち外れてはいないだろう。欧米のパブ等では、ジンを入れたことを忘れるために、ジンを満たしたショットグラスを先にパイントグラスの底に入れ、その上からビールを注ぐという飲み方もあるとか。 欧米では1920年代以前から飲まれていたと伝わるカクテル。日本でも1920年代のカクテルブックにすでに登場する。だが、意外なことにその後は、国内外とも紹介しているカクテルブックは極めて少ない。現時点で確認した限りでは、欧米では「オフィシャル・ミキサーズ・マニュアル」(Patrick.G.Duffy著、1956年刊)が初出。 【確認できる日本初出資料】カクテル(混合酒調合法)(秋山徳蔵著、1924年刊)。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/21
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真夏にクリスマスソングの話題もちょっと季節外れでヘンですが、お許しください。以前、2005年12月25日の日記でも触れたのですが、桑田佳祐が松任谷由実と共作した幻の名曲に「キッシング・クリスマス(Kissin' Christmas)」というのがあります。 1986年のテレビのクリスマス特番のためにつくられた曲(一緒に歌っているアーティストは多数!)ですが、僕は今でもこれが一番好きなクリスマスソングです(たまに、ピアノで弾き語っています)。ぜひCD化してほしくて、サザン・オールスターズの所属事務所の「アミューズ」やサザンが契約してるビクター・レコードに、何度も返信用はがきを同封して手紙を書いたりしました。 しかし、返事はいつもつれないものでした。「テレビの特番用につくったものなので、CD化して市販する予定はございません。悪しからずご了承ください」でした。 もう一度聴きたいなぁと思っていたところ、20年ほど前、幸運にも、たまたま知人を通じて大阪の有線放送会社がシングル・レコードになった音源(経緯は不明です)を持っていることを知りました(B面はなぜかチャゲ・アスの曲でした)。 そして、その知人を通じて有線会社の方にお願いして、個人的にカセットテープに録音してもらいました(その後、MDにもダビングして音源は保存)。このテープとMDは、本当に、僕の宝物と言っていいものでした。 僕の「キッシング・クリスマス」との歴史は、そこで止まってしまったとずっと思っていました。ところが、です。このたび発売された桑田佳祐のソロ・ベストアルバム(2枚組+ボーナスCD)に、な、なんとその「キッシング・クリスマス」が収録されているのです! 実は、まだ購入はしていませんが(近いうちには買う予定)、店頭で早速、26年ぶりによみがえった「キッシング・クリスマス」を聴きました。デジタル化したクリアな音&声は感動ものです。長い間の夢が、ようやく実現した喜びと、26年間待ち焦がれた自分自身の歳月を思い起こして、少しグッとくるものがありました。 皆さんも、ぜひ聴いてくださいませ。僕の愛するベスト1・クリスマスソング「キッシング・クリスマス」を(※CD写真はTower Record HPから引用しました。御礼を申し上げます)。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/19
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【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(13) 38. クローバー・クラブ(Clover Club)【レシピ】ジン(30)、ライム・ジュースまたはレモン・ジュース(15) グレナディン・シロップ(またはラズベリー・シロップ)(15)、卵白(1個分)【スタイル】シェイク 【グラス】カクテルグラス 日本ではあまり馴染みのないカクテルだが、古い時代のカクテルブックには必ずと言っていいほど登場する代表的なクラシック・カクテル。カクテル名は米国フィラデルフィアにあったクラブの名に由来するという(出典:Wikipedia日本語版)。 正確な誕生の時期や経緯は不明だが、1911年の米国の新聞広告にもその名が見られることから、禁酒法以前から存在したことは間違いない(出典;同)。1917年に出版された「173 Pre-Prohibition Cocktails」(トム・ブロック著)にも紹介されている。 よく似たレシピのカクテルに「ピンク・レディ(Pink Lady)」があるが、こちらはライム(レモン)・ジュースは入らない。禁酒法以前のカクテルには、このクローバー・クラブのように卵白を使うカクテルが結構多い。卵白の代わりに卵黄を使う場合は、「ロイヤル・クローバー・クラブ」と呼ばれる。 日本でも1920年代にはすでに伝わっており、大正12年(1923)頃、東京・京橋でバー「アマチュア・スタンド」を開き、その後昭和4年(1929)、JBA(現NBA=日本バーテンダー協会の前身)の初代会長にもなった荻野直寿氏は得意なカクテルにしていたという。 ただし日本ではやはり、Barでの生玉子の保存技術や卵白を使いこなす技術等が十分ではなかったため、広く普及するところまでには至らず、今日においても、卵白(または卵黄)を使うカクテルで比較的人気を得ているのは「ミリオン・ダラー」「ピンク・レディ」「エッグノッグ」くらい。欧米とは違って、現代の日本のBarでは卵白(卵黄)使用のカクテルはあまりメジャーなものにはなっていない。 【確認できる日本初出資料】コクテール(前田米吉著、1924年刊)。 ************************************ 39. コペンハーゲン(Copenhagen)【レシピ】アクアヴィット(30)、クレーム・ド・マンダリン(20)、ライム・ジュース(10) ※クレーム・ド・マンダリンは、マンダリン・オレンジをブランデーに漬けてつくったリキュール。【スタイル】シェイク 【グラス】カクテルグラス 誕生の詳しい経緯は不明だが、カクテル名は、デンマークの代表的なスピリッツ「アクアヴィット」を使うことから名付けられたという。 19世紀末、ジェリー・トーマスがカクテル「トム&ジェリー」を考案した際、最初は「コペンハーゲン」と名付けようとしたが、「すでに同名のカクテルがあるので断念した」という有名な逸話が伝わっているため、19世紀末以前には、すでに欧米では飲まれていたと思われる。 欧米のWeb上では上記の逸話等を紹介しているサイトはいくつかあるが、現時点では、このカクテルを紹介している本(洋書)は「Complete World Bartender's Guide」(2009年刊)くらい。日本語の資料で紹介されているものもほとんどない。 なお、上記の「コペンハーゲン」は現在では廃れて、現地では忘れられているようだ。それを裏付けるように、コペンハーゲン市は2009年、市の名前を冠したカクテルコンペを開催し、新たに以下のようなレシピの「コペンハーゲン」(優勝カクテル)が誕生している(出典:Visitcopenhagen.com)。 ジン(ボルス・ジュネヴァ)(40)、チェリー・リキュール(Cherry Heering)(15)、ライム・ジュース(15)、シュガー・シロップ(15)、アンゴスチュラ・ビターズ1dash、オレンジ・ピールで、シェイク・スタイル。 【確認できる日本初出資料】バーテンダー教本(銀座サントリー・カクテルスクール編、1970年刊)。 ************************************ 40. コスモポリタン(Cosmopolitan)【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/18
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お酒やBar業界の歴史に詳しい友人から、カクテルに関する貴重なコピーを頂きました=写真下。なんと、大正2年(1913年)、約100年前!の資料です。「飲料商報」という月刊の業界紙で、同年10月と11月に出た2号分の特集ページのコピーです。 タイトルには、「西洋酒調合法」とあり、中身はカクテルのレシピやつくり方の紹介です。全部で35種類のカクテルが取り上げられています。筆者は伊藤耕之進という方。うらんかんろはあまり存じ上げない人ですが、東京・三田にあった明治期を代表する西洋料理店「東洋軒」の創業者だった方だとか。 一番注目すべきは、この業界紙が発行された年です。1913年ということは、僕が以前、「日本で最初のカクテルブック」として紹介した秋山徳蔵著の「カクテル(混合酒調合法)」や前田米吉著の「コクテール」(いずれも1924年刊)よりも、さらに11年もさかのぼります。 すなわち、本という体裁はなしていませんが、このカクテル資料は、「日本で最初で、最古の西洋カクテルに関する文献」とも言えるのです。伊藤氏の前書きにはこう記されています。 「欧米に永い経験を有するバーメンが知って居る丈(だ)けの西洋酒の調合法は、オールド、スタンダード・ドリンクスも、インデペンデント、モダーン・ドリンクスも、悉(ことごと)くここに網羅して御覧に入れる。本紙を読みさえすれば、如何にハイカラな飲料でも、自由に調合できるバーメンの達人になれる事を受け合う」と。 各号それぞれ1頁に渡る特集では、ウイスキー・コクテールに始まりハーバード・コクテールまで、計35種類のカクテルが紹介されていますが、派生的なものを除けば、実質は約20種類くらいでしょうか。マティーニやマンハッタンはもちろん、ロブ・ロイやオールド・ファッションドなども紹介されています。 内容はさらに精査は必要ですが、欧米でもまだまともなカクテルブックなど数えるしかなかった時代(ハリー・マッケルホーンのカクテルブック=1919年刊=もまだ世に出ていません)に、こうした西洋の最新のカクテル情報を、著者の伊藤氏がどのようにして手に入れたのか、とても気になるところです。 たった2号分の資料ですが、これにはまだ続きがあるのかも含めて興味は尽きません。「カクテル--その誕生にまつわる逸話」の連載が終わって一段落したら、同時代の欧米のカクテルブックとのレシピ比較など、この資料にじっくりと取り組んでみたいと思っています。 PS.ちなみに秋山徳蔵氏は、宮内省の料理長になる前、この筆者・伊藤氏の営む「東洋軒」で料理長をつとめていました。秋山氏がカクテルの本を書くきっかけをつくったのも、ひょっとして伊藤氏だったのかもしれませんね。・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/17
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銀座のバー・オーパの大槻健二マスターの葬儀・告別式は、本日16日午前、東京・品川で無事執り行われたとのことです。 まだ50代前半と思っていましたが、NBA関東統括本部のHPによれば、享年は47歳でした。おわびして訂正させていただきます(それにしても、若すぎます)。 葬儀・告別式には参加できませんでしたが、生前、偉大な才能と素敵なホスピタリティを持ったバーテンダーと出会えたことに改めて感謝するとともに、重ねて、ご冥福を心からお祈りしたいと思います。 大槻さん、本当に有難う! 天国でもシェーカーを振って、そちらの世界の方々を楽しませてあげてください!
2012/07/16
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ウイスキー・フェスティバル2012OSAKA(@天満橋OMMビル)にお邪魔して、美味しいモルト・ウイスキーの試飲を楽しんできましたが、その会場で、ウイスキー評論家・土屋守さんのセミナー(話)を聞いていて、めちゃ驚いたこと。 昨年、世界中で消費されたウイスキーの銘柄ベスト10、1位はジョニー・ウォーカーだが、それ以外で我々が知っているのは、ジャック・ダニエル(8位)、バランタイン(10位)くらい。 で、残りの7銘柄はすべてインド産の(主に)インド国内向けのウイスキーだったこと(ちなみに、我が日本の銘柄は、サントリーの角瓶がようやく26位)。 インドではここ数年、急速にウイスキー人気が高まっていて凄い消費量なんだとか。しかし、輸入スコッチは値段が高くて、一般庶民はもっぱら国産ウイスキーを飲んでいるということです。 12億人とも言われる人口を持つインド(中国を抜くのは時間の問題)は将来、日本のウイスキーメーカーにとっても、とても魅力ある市場になるかもしれませんね。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/15
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【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(12) 35. チェリー・ブロッサム(Cherry Blossom)【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。 ************************************* 36. シカゴ(Chicago)【レシピ】ブランデー(45)、ホワイト(またはオレンジ・キュラソー、トリプルセック)(10)、アンゴスチュラ・ビターズ1dash、シュガー・シロップ1dash(無しでも可)、シャンパン(またはスパークリング・ワイン、白ワイン)(適量)=最後にフロート、氷(ロック・スタイルの場合)、飾り=レモン・スライス ※砂糖でスノー・スタイルにするのが一般的だが、しないこともある。【スタイル】シャンパン以外をシェイクまたはステア 【グラス】ロック・グラス(氷も)、シャンパン・グラス 米国イリノイ州最大の都市、シカゴにちなむカクテルだが、誕生の詳しい経緯はまったく不明。シカゴ・トリビューン紙は「禁酒法(1920~33年)施行前の、19世紀にすでに誕生していたことは、当時の数多くのカクテルブックで裏付けられている」との記事を掲載している(出典:Wikipedia英語版 → 原資料はRaise your glass to toast the cocktail:Museums salute 200 years of the mixed drinks/Chicago Tribune、July 12. 2006)が、これには異論も出ている。 シカゴのレストラン評論家、ジョン・ドゥルリーは、彼が1931年に著したガイドブックのなかでシカゴ・カクテルを紹介し、「もともと(フランスの)ニースやロンドンにあったアメリカン・バーで飲まれていたものが、その後シカゴに伝わった」と記している(出典:同 → 原資料はDining in Chicago/John Drury著)。 また、リー・ゼルデスという作家はその著書で「シカゴで誕生したカクテルかどうかは分からない」と記している(出典:同 → 原資料はDining Chicago:Chicago’s Restaurant & Entertainment Guide/Leah Zeldes著、2009年刊)。 サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも登場しており、欧州でも1920年代には普及していたことは間違いない。禁酒法廃止後まもなくに出版されたミスターボストン・バーテンダーズ・ガイド(1935年刊)でも紹介されており、禁酒法期間中も“もぐり酒場”などでは、おそらく隠れて飲まれていたと思われる。ただ、近年のカクテルブックでは取り上げられることが少ない「忘れられたクラシック・カクテル」の一つとも言える。 ちなみにシカゴ市の人口は約300万人で、ニューヨーク、ロサンゼルスに次いで全米3位。「シカゴ」とは元々先住民のアンゴンキン語族のインディアンの言葉で、「ニンニク畑」の意味で、この辺りにニンニク畑が多かったことに由来するという(出典:Wikipedia日本語版)。 【確認できる日本初出資料】カクテルの本(間庭辰蔵著、1959年刊) ************************************* 37.チチ(Chi-Chi)【レシピ】ウオッカ(45)、パイナップル・ジュース(100)、ココナツミルク(30)、クラッシュド・アイス、飾り=マラスキーノ・チェリー、カット・パイナップル【スタイル】ブレンダー 【グラス】サワー・グラス 代表的なトロピカル・カクテルの一つ。ハワイ生まれの比較的新しいカクテルで、1960年代の誕生とも伝わるが、明確な裏付け資料は現時点では見当たらない。 「チチ」の語源はフランス語の「シシ」で、本来は女性用ブラウスの胸元にあるフリルのことを意味したが、米国に渡って「格好いい」「粋な」「スタイリッシュ」という意味の俗語となったという(出典:サントリーHP等多数)。 誕生当初はラム・ベースだったが、その後生まれた「ピーニャ・コラーダ」というカクテルと差別化を図るために、ウオッカ・ベースに変わったという説もある。 知名度は結構高いが、欧米のカクテルブックで紹介している例は意外と少なく、現時点確認できているのは「ニューヨーク・バーテンダーズ・ガイド」(Sally Ann Berk著、1995年)と「クラフト・オブ・ザ・カクテル」(Dale DeGroff著、2002年刊)くらい(Webの専門サイトでは幾つも紹介例はあるが)。 日本のBarで認知されるようになったのは、70年代に入ってから。サントリーのトロピカルカクテル・キャンペーン(1979年~80年代前半)を通じて、一般にもさらに名前が知られるようになった。 【確認できる日本初出資料】バーテンダー教本(銀座サントリー・カクテルスクール編、1970年刊)こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/14
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1カ月ほど前に植え付けたゴーヤ(プランターは1階部分に置いてます)はだいぶ育ってきて、もうすぐ2階の窓にまで達しそうな勢いです。 かわいい実も付いて、大きくなってきました(写真左)。このゴーヤ、ウイスキー製造で知られるS社が開発した品種で、「生でも食べられる」ことが売りです。 他にもあと2~3か所ほど実が付いていて、あと2週間くらいしたら収穫できそうです。サラダにして食べるか、それともやはりチャンプルーにするか、楽しみです。 ところで、先日の日記で広島のMさん(元バーテンダー)から通販で購入した野菜のうち、ミントについては「使うだけではもったいないので、挿し木にして芽が出たものを鉢に植えた」という話を紹介しました。 ミントはその後順調に育って、現在はこんな状態です(4種類ほど植えました)(写真下)。Mさんは今年いっぱいで離農するので、これが最後の生産品になります。このミントは、Mさんが5年間精一杯農業に打ち込んだ証(あかし)と言っていいかもしれません。大事に育てて、来年も再来年もまた命をつないでいけたらいいなぁと願っています。 ちなみに、こちらの鉢(写真左)は、神戸のサボイ・オマージュのお客さんからもらった、スペアミントのたった1本の苗から育てたもの。 わずか2カ月ほどでここまで成長しました。サボイ・オマージュでも同じ苗を店の前で大量に育てています(主にモヒート用として)。 すなわち、このミントを使ってモヒートをつくれば、我が家でもオマージュのモヒートが味わえる、なんて言うのはおこがましいですね。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/14
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【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(11) 32. カルーソ(Caruso)【レシピ】ジン(30)、ドライ・ベルモット(15)、クレーム・ド・マント(ミント・リキュール)(15) ※3つの材料を等量にするレシピもある。【スタイル】ステア 【グラス】カクテルグラス 誕生の詳しい経緯は不明だが、カクテル名は、19世紀末から20世紀初頭に活躍した人気オペラ歌手、エンリコ・カルーソ(Enrico Caruso 1873~1921)にちなむ。1900年代後半から1910年代にかけて、米国内で誕生したと思われる。レシピからみて、マティーニのバリエーションの一つとして考案されたのであろう。 ハリー・マッケルホーンのカクテルブック(1919年刊)では、「(カルーソは)米国ワシントンDCのドライバーズ・バー(Driver’s Bar → 正式な名はGeorge Driver’s Bar)のバーテンダー、ヘンリー・トーマス(Henry W. Thomas)が考案した」と記しているが、Web上ではそれを裏付ける明確な資料は紹介されていない(ヘンリー・トーマスは実在しているが、彼とCarusoを結び付ける証拠は現時点では見当たらない)。 カルーソはイタリア・ナポリ生まれ。19世紀末にはすでに母国で名声を確立。1903年にはニューヨークに活動の拠点を移し、メトロポリタン歌劇場で亡くなる前年の1920年まで活躍した。「レコード録音を盛んにおこなった最初のスター歌手」としても知られる(出典:Wikipedia日本語版)。 マッケルホーンの本の出版年も考えると、1910年代にはすでにその名が知られるカクテルだったと思われるが、カルーソが米国で人気を得るようになった時期を考慮すれば、考案されたのは1904~05年以降であろう。 なお、カルーソは米国サンフランシスコでの公演ツアー中の1906年4月18日、同地に壊滅的な被害を与えた大地震(M7.9 死者3000人以上)に遭遇したことでも知られる。カルーソは地震直後、惨状を伝える文章やスケッチを描き残し、それは後に出版物で紹介され、反響を呼んだ(今日でも閲覧可能)(出典:sfmuseum.org/1906/ew19.html)。 【確認できる日本初出資料】世界コクテール飲物辞典(佐藤紅霞著、1954年刊)。 ************************************* 33. シャンパン・カクテル(Champagne Cocktail)【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。 ************************************* 34.チャーリー・チャプリン(Charlie Chaplin)【レシピ】スロー・ジン(30)、アプリコット・ブランデー(30)、レモン・ジュース(30)、ライム・ピール【スタイル】シェイク 【グラス】ラージ・カクテルグラス 喜劇王・チャーリー・チャプリンに捧げられたカクテル。詳しい誕生の経緯や時期は不明だが、石垣憲一氏の著書「カクテル ホントのうんちく話」(2008年刊)によれば、少なくとも1920年以前、チャプリンがハリウッド映画で活躍し始めた1910年代半ばには考案されていたという。 考案されたのは、ニューヨークのウォルドルフ・アストリア・ホテルのバーという説もあり、同ホテルのカクテルブック(The Old Waldorf-Astria Bar Book、1935年刊)にも収録されている。 1977年にチャプリンが死去するまではライム・ジュースを使うのが一般的だったが、米国内でレモン・ジュースを使うのが主流となったことで、とって代わられたという。 欧米ではかなり昔からスタンダード・カクテルとして知られていたが、日本国内で知られるようになったのは1970年代に入ってからということもあって、収録しているカクテルブックは極めて少ない(Webの専門サイトでは、たくさん紹介例はあるが…)。 【確認できる日本初出資料】サントリー・カクテルブック(1984年刊)。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/11
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銀座のバー・オーパの大槻健二マスターが昨夜亡くなられたという知らせを、同じ銀座のバーのマスターからもらいました。あまりのショックで、言葉を失いました。 初めてお会いしたのはもう15年以上前ですが、物腰の柔らかい接客で、初めてお邪魔した遠来の客(僕)をとても温かく迎えてくださいました。「オーパ」はうらんかんろのお気に入りの一軒で、拙著「今宵も、BARへ…」の「おすすめBAR」でも当然紹介しています。 長年病気と闘っておられたことは知っていましたが、一時は快復されたと聞いていたので、今でもまだ信じられないという気持ちです。まだまだこれからの年代なのに、本当に、本当に残念でなりません。心からご冥福をお祈りいたします。
2012/07/10
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我が家ではNTTの「フレッツ光プレミアム」を利用してインターネットを楽しんでいます。 このフレッツには、ウイルス対策ソフト「ウイルス・バスター」の無料提供という嬉しいサービスがありますが、2010年夏にパソコンを更新した際、引き続きウイルスバスターは利用できていると思っていました。 最近になって、これが大きな勘違いだったことが分かりました。考えてみれば当たり前ですが、パソコンの機種が変わったのですから、再度ウイルスバスターのソフトをインストールする必要がありました。あわててNTTに連絡してダウンロード&インストールの仕方を教えてもらいました。 しかし考えてみれば、約2年間もウイルス対策なしでインターネットをやってきた訳です。ひょっとしたらウイルスに感染しているのではないかと心配しましたが、ウイルス検索をした結果、幸い、パソコンは感染しておらず無事でした。 単に運が良かっただけということなのでしょうが、いま思えばほんとにぞっとします。これからは、もっと気を付けようっと
2012/07/09
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【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(10) 29. ブルックリン(Brooklyn)【レシピ】ウイスキー(40)、ドライ・ベルモット(20)、マラスキーノ1tsp、アンゴスチュラ・ビターズ2dash【スタイル】ステア 【グラス】カクテルグラス ブルックリンは、ニューヨークの独立区。イースト・リバーを挟んで、マンハッタンと向かい合うエリアだ。禁酒法(1920~33年)施行前の20世紀初め、このブルックリン区のBarで生まれたカクテルと伝わる(出典:複数のWeb専門サイトほか)。 詳しい誕生の経緯はまったく不明だが、レシピは「マンハッタン」に対抗して、そのバリエーションとして考案されたのだろう。ハリー・マッケルホーンのカクテルブック(1919年刊)や、サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)でも紹介されており、欧米では少なくとも1910年代から登場していたと思われる。日本にも比較的早く20年代には伝わっている。 ちなみに、ブルックリンは2012年現在、ニューヨークの5つの独立区の中では一番人口が多い(約250万人)区である。その名は、この地に数多く入植したオランダ系移民が付けた母国の地名「ブルーケレン(Breuckelen)」に由来するという(出典:Wikipedia日本語版)。 【確認できる日本初出資料】カックテール(安土禮夫著、1929年刊)。 ************************************* 30. ブル・ショット(Bull Shot)【レシピ】ウオッカ(45)、ビーフブイヨンまたはチキンブイヨン(冷または温)(70~90)、胡椒、セロリソルト、タバスコ【スタイル】ビルド 【グラス】トール・グラス(ホットの場合はホット・グラス) ブル(Bull)は雄牛のこと。従って、ブル・ショットとは、さしづめ「雄牛の一撃」か。材料にビーフブイヨンを使うことから、この名がついたらしいが、現在ではチキンブイヨンを使うBarもある。 1952年、米国デトロイトの「コーカス・クラブ(The Caucus Club)」のオーナー、グルーバー兄弟(Lester & Sam Gruber)が考案したと伝わる(出典:欧米の複数のWeb専門サイト)が、第二次大戦後、米国の日本進駐軍将校の間で流行っていたというエピソードもあり、誕生の時期についてはもう少し早く、1945年以前だったのではないかという可能性もある。 ハリー・マッケルホーンの本(1919年初版刊)で登場しているが、上記のような時期的経緯からして初版時ではなく、後年の改訂版から収録されたものと思われる。欧米のカクテルブックでの紹介例は意外に少なく、マッケルホーンの本以外で確認できる欧米の文献は、ヴォーグ・カクテルブック(1982年刊)、ニューヨーク・バーテンダーズ・ガイド(1995年刊)など。 「ブル・ショット」は、かつて米進駐軍将校ご用達だった東京會舘(丸の内)のメインバーでは、現在でも店の定番のカクテルになっている。冷たくして味わう場合は、ブイヨンが煮こごり状態になっていたら、いったん温めてから氷で冷まして利用する。なお、ブラディー・メアリーにビーフブイヨンを加えたものは「ブラディー・ブル」と呼ばれる。 【確認できる日本初出資料】たのしむカクテル(今井清著、1976年刊)。 ************************************* 31.カイピリーニャ(Caipirinha)【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/07
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6月1日の日記で、サントリーのウイスキー「山崎」「白州」の裏ラベルの製造者住所の表示が、山崎は蒸留所の住所になっているのに、白州はそうではない(「東京都港区台場2丁目」となっている)ことについて、「同社の営業担当者に尋ねているところです」と記しました。 しかし、営業担当者の説明は疑問に十分答える内容ではなかったので、改めて、同社のお客様センターに直接尋ねました。その返答が一昨日とどきましたので、うらんかんろのブログの読者の皆様にもお知らせいたします。以下がその内容です。 *************************************** ****様 ご連絡をいただきましてありがとうございます。また、日頃からのご愛顧に心よりお礼申し上げます。お問い合わせの件につきまして、以下のとおりご案内いたします。 1. 商品表示に関する法律で、基本的には「製造者名」と「製造所所在地」を記載することになっています。ただし同一製品を複数の工場で製造している場合は、「製造者名」、「本社所在地」、さらに「製造所の固有記号の記載」という 方法をとることができます。 「白州」につきましては、貯蔵は白州蒸溜所で行っていますが、瓶詰めの設備がないため、瓶詰め工程は別の場所で行っております。そのため、「製造者所在地」をサントリー酒類株式会社の住所(台場)にしております。 「山崎」については、貯蔵も瓶詰めも山崎蒸溜所で行っているので、山崎蒸溜所の住所を、そのまま記載してあります。 2. 白州の裏ラベルにある製造者名「サントリー酒類(株)A」のアルファベットは製造所固有記号で、「A」の工場の所在地は大阪府です。 3.「白州」は、大阪にあるサントリーの工場で瓶詰めしています。 今後とも皆様にお喜びいただけるような製品づくり、企業活動に努めてまいりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/04
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うらんかんろのブログを愛読してくださっている全国のバーテンダーの皆様の中で、もし、【全面改訂版】「カクテル--その誕生にまつわる逸話」のページを、毎回プリントアウトされている方へのお願い&ご注意です。 プリントアウトされる場合は、記事(日記)のアップ後、1週間ほどお待ちください。記事アップ後、1週間ほどの間は、誤字脱字だけではなく、外部の方からの指摘や新たな情報の入手等を反映させているために、随時修正を加えて、毎日のように更新しております。 連載の記述内容が確定するまでには、約1週間ほどかかります。何卒ご理解の程、よろしくお願いいたします。
2012/07/04
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【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(9) 26. ブルー・ムーン(Blue Moon)【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。 ************************************* 27. ボストン・クーラー(Boston Cooler)【レシピ】ホワイト・ラム(30)、ライム・ジュース(15)、シロップ1~2tsp、ソーダまたはジンジャー・エール(適量)、クラッシュド・アイス、カット・オレンジ【スタイル】ソーダ以外をシェイク 【グラス】ワイングラス ボストン(米マサチューセッツ州の州都)という都市名がついているが、誕生の詳しい経緯は不明。「173 Pre-Prohibition Cocktails」(トム・ブロック著、1917年刊)ですでに紹介されていることから、少なくとも1910年代には登場していたと思われる。 「クーラー」とは、蒸留酒に酸味と甘味を加えて、そこにジンジャー・エールやプレーン・ソーダのような炭酸飲料を入れたドリンクのことをいう。 「ワイン・クーラー」のホワイト・ラム版とも言える。「ラム・クーラー」というカクテルもあるが、こちらはゴールド・ラムを使う。日本語の文献では取り上げている例は意外と少なく、日本でポピュラーになったのも1960年代以降と思われる。 【確認できる日本初出資料】カクテール全書(木村与三男著、1962年刊)。 ************************************* 28.ブロンクス(Bronx)【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2012/07/04
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