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美しいな~・・・宮原選手の「ため息」を見てはそう思う。「美しさ」でこれだけ魅せられる選手が他にどれだけおられるだろう?ある意味、真央ちゃんに似ている、とも思う。彼女もその優美極まる演技で私を虜にしたのだが、彼女に次ぐ存在として、宮原選手が俄然大きな存在になり始めた。細部にまで行き届いた表現の緻密さ。見れば見る程魅せられるし、感心する。美しいリストの調べが、彼女の指先から、腕から、全身から、零れ出してはリンクを埋めて行くのが見えるようだ。あれだけの難しい技術をこなしながら、これだけの表現をも出来てしまえる宮原選手。しかも驚嘆すべきは彼女がまだ17歳の若さだという事。いやこれはもう、恐れ入るとしか言い様がないです。真央ちゃんの17歳の時も、それはそれは、筆舌に尽くし難い程高雅で美しかったけれど、あの美は彼女が持って生まれた「天性」に依る所も大きかったと思う。彼女は生まれついての「白鳥」で、特別な努力をせずとも「美しさ」という面においては最初から大きなアドバンテージを持っていた。「華」とか「オーラ」とか、人々をついつい惹き付けてしまうもの、磁力のようなものは、これは真央ちゃんや羽生選手のような、ごく限られた人に贈られる神様からのプレゼントなのだろう、と思う(真央ちゃんや羽生選手が努力していないと言ってるのではありません)。宮原選手は残念ながら、というか別に残念でも何でもなくごく普通の事なのだけれど、そういったものを神様から授けられて生まれて来た人ではないと思う(勿論人によってはそうじゃない、彼女には天性の華がある、と感じる方もいらっしゃると思いますが)。けど人間って、何が幸いするか分かりませんね。宮原選手は恐らく、自分には天性の美や華がある訳じゃないから、その分努力して、それらを身に付けよう、身に付けたい!という気持ちがかなりおありだったんじゃないか?と想像します。そう、「意欲」が。これこそ最も大事なもので、その気持ちこそが向上心であり、探究心であり、全ての「始まり」「出発点」となるものだと思うんですよね。彼女の表現に対する拘り、それを私は並々ならぬものと感じるので、そんな風に想像してしまうのです。「白鳥」は最初から美しいので、別にこれ以上、特別美しくなりたいとは思わないでしょう。白鳥は白鳥のままで十分美しく、人々を惹きつける事が出来るのだから。だからその分は、別の事、それが真央ちゃんにとっては3Aを始めとする超高難度ジャンプだったと思うのですが、そういった別の面に力を注ぎこんだ、傾注した、という事だったんだろうと、思います(あくまで想像ですが)。天性の才能に恵まれている訳じゃなかったから、その分誰よりも努力する。表現面についてのみじゃなく、技術面に関しても同じ事が言えると思います。才能に恵まれた人は、なまじ恵まれている事が仇となって、努力をそこまでしない事も少なくないのではないでしょうか?努力しなくとも出来てしまえるのですから、当然と言えば当然ですね。出来ない人間は、努力せざるを得ないから、努力の量が凄い事になって、結果として天性に恵まれた人間の上に行く事も可能になる事もある。野村克也元監督が仰る様に、「不器用は器用に勝る」事が可能となる場合もあるのだと思います。野村元監督も、自分は不器用だった、野球選手としての天性の才能に恵まれていた訳では全く無かった、であるからこそ誰よりも努力し、考え、工夫し、頭を使うようになった、もし自分が中途半端に器用な人間に生まれていたなら、今の自分はなかったであろう、というような趣旨の発言を、著書で何度もされています。私は宮原選手の事を連想してしまいますね。勿論、「不器用」と言っても、トップアスリートの世界において不器用という意味なのであり、一般人とは元々レベルが違い過ぎる話ではあるのですが。あれだけのジャンプ構成を、ほぼ安定して成功させ続ける事の出来る宮原選手は、やはり凄いとしか言い様がありません。スピン、ステップでも毎回ほぼ確実にレベル4を揃え、更に表現にも力を入れて、一つの「作品」として提示する能力の高さ。演技を見ていると、宮原選手が演技を楽しんでいる、今ここで、この演技を出来る事が嬉しい!という「気持ち」を持って演じておられる事が伝わって来て、見ている私まで心が弾みます。彼女は「演じる」事が好きみたいですね。そういうのって、自ずと伝わる物があって、今の彼女は技術面と表現面とが、車の両輪の如く、本当に上手く噛み合っている、という印象です。上り坂にある者だけが放つ、ある種の「オーラ」のような物さえ感じる様になって来ました(これはかつてのヨナ選手にも感じた事です)。日の出の勢いの宮原選手のこれからが本当に楽しみでなりません。
2016年02月28日
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フィギュアスケートの試合を見ていて先ず何よりも嬉しいと思う事は、好きだと感じる選手がどんどん増えて行くという事。昨シーズンまではそれ程とも思っていなかった宮原選手や宇野選手の事を(宇野選手はジュニアだった訳ですが)、今季の私はもの凄く好きになって。彼らの演技を見る事が大きな楽しみの一つとなったし、階段を一段一段上がるごとに自信やオーラを身に付けて行く、輝きを増して行く彼らを見ていると、見ているだけの私まで大きなパワーを貰え、無条件でワクワクさせられます。あどけない表情をしていた選手が、どんどん「闘士」の顔に変わって行く。唯ひたすら前だけを見据えて、前進これあるのみという、若者だけが持つ特権。「若い」っていいな~、思わずそんな感慨に耽ってしまう。今回の4大陸選手権、女子シングル女王に輝かれた宮原選手には、心からの称賛と、祝福の言葉を贈りたいです。今季始まるまで、彼女がここまで躍進されるだなんて、予想していた人が一体どれだけいるのでしょう?少なくとも、私は全く思っても見ませんでした。昨シーズンのワールド銀メダリストであり、勿論期待出来る選手だと思ってはいましたけれど、ラジオノワの不調に助けられた感もある、「棚ぼた銀メダル」みたいな印象も抱いていましたから。また彼女は誰が見てもポテンシャルの高さが明らか、というタイプでもなく、特にジャンプの低さはど素人の眼にも一目瞭然で、そこまで「可能性」を感じさせる選手でもない、そんな印象でしたから。事実彼女のジャンプはジャッジから高い評価を受けている訳ではなく、加点は非常に少ないです。そこそこの加点が見込めるのは、ステップやコレオシークエンス、レイバックスピン位で、他のトップ選手と比較しても加点の少なさは際立っている、そんな印象を受けます。それでも勝てるのは、ミスをしないから、それに尽きるのでしょうね。基礎点をきっちり取る、取り切る、そこにこそ彼女の強さがあるのだと思います。加点は見込めずとも、ルッツからのコンビネーションや2A-3Tといった難度の高いジャンプを安定して成功させることが出来る、ジャンプ構成のバランスが良い、こういった点が大きいのでしょうね。「精密機器のよう」と彼女を評する向きもある様ですが、私も全く同感です。勿論称賛して言っています。フィギュアスケートはほんの僅かな感覚の違いや、ほんの些細な心の揺れが、ミスに直結する競技です。精密機器のような安定感が武器になる、武器にする事が可能な選手というのは、本当に「強い」選手だと私は思います。言い方悪いかも知れませんが・・もしかしたら凄く失礼かも知れないのですが、「ループを跳べる、加点の少ないヨナ」、私は彼女を、そんな風にも思ってしまいます。宮原選手は本当に、「技術」の選手だと思う。「職人」というイメージです。「氷上の職人」、余り褒めてる事にならないかな?持って生まれた輝かしい才能とか、人並み外れた身体能力とか、そういったものを感じる事は余り無いのですけど、職人魂のようなものを私は彼女に感じて感動してしまうのです。その職人魂は、勿論表現面にも徹底して込められていて、試合を重ねるごとに、どんどん深みを増して行かれているのがこれまた凄いと感じ入ります。「ため息」での彼女は正に絶品、グランプリファイナルでの演技が一番好きだと思っていましたが、今回の4大陸での演技は更にその上を行くものでした。ラストのレイバックスピンを見ていて私は本当、鳥肌が立ちました。彼女の「想い」が奔流となって迸り出て来る、そんな素晴らしい演技だったと思います。今回に限らず、彼女の演技にはいつも「想い」が込められていますね。「小手先」で演じているのでは決してない(指先にまで神経の行き届いた彼女の演技はそれは淑やかで美しく、私はいつも感心させられるのですが)。だからこんなにも感動させられるのだと思います。表現面への飽くなき挑戦、探究心というものがひしひしと感じられ、そういった点においても非常に好感が持てるのです。世界選手権が楽しみですね。相手云々ではなく、「宮原知子の演技」をして欲しいですし、見せて欲しいです。聡明な宮原選手の事、誰に言われずともご自身が一番良く分かっておられる筈ですけれど。メドヴェージェワやラジオノワ、ゴールドらとの白熱した手に汗握る戦いを見たいと期待しています。そして出来れば・・その中に、真央ちゃんが加わってくれたらと、そう願っています。追記・宮原選手に対して「加点が極端に少ない印象」と書きましたが、それももしかしたら「過去」の事となる日も近いのかも知れません。今回の4大陸では彼女、12点近くの加点を得ているんですね。ジャンプへの加点はやはり、総じて少ないと感じますが、2度の2A-3Tへの評価は大変高いです。雀の涙程の加点しか与えられなかったスケートアメリカからNHK杯、グランプリファイナル、4大陸と、鰻上りと言っても差し支えない程に、評価が上がっています。凄まじい成長振りに改めて驚きました。
2016年02月22日
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