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Y君とのすったもんだの日々、Y君に共鳴するようにS君も荒れだし、毎日その2人の対応で手一杯という状態でした。 Y君は3時間目ぐらいになると、たいてい「腹減ったなあ」と独り言を言います。「朝飯食べてこなかったのか?」と聞くと、「うん」と答えます。「母ちゃんが起きてなかったから・・・」とか言うことが多いです。 掃除の時間にほうきを振り回して女の子の額に当ててしまい、ついに親御さんからの苦情が来ました。これは困ったことになったなと思いました。もうすぐに手を打たなければならない事態です。 授業の中では特に音楽の時間がひどかったです。音楽の専科の時間はいつもいっしょについて行かなければなりませんでした。それでもふざけて授業妨害をするY君、ついに先生と協議の末、Y君は次の音楽の時間、別室で別課題をすることになりました。 Y君と2人きりで話をするとY君は素直ないい子で、家でお母さんがいないことが多いこと、妹の世話をするのが嫌なこと、今の自分がまずいと思っていることなどを話してくれました。 率直に言ってしまいました。「おい、おまえ、他の子がうらやましいなって感じてるんだろ。」「うん。」 こんな唐突な問いかけに即答とは・・・ これを素直に受け取っていいものかどうか。(振ったのは自分なのに) そのあと、Y君に少し強い調子で言いました。「先生はY君を大事に思ってるし、Y君がつらいこともわかってる。だけど、今のままを続けてたらY君はみんなの嫌われ者になってしまうし、乱暴者だっていって、クラスの中で居場所がなくなってしまう。先生はこれから、おまえが誰かに暴力をふるったり、誰かを傷つけるようなことをしたときは、オニになって怒るからな。オニだぞ。いいな、覚悟しとけよ。それがおまえを守ることになるんだぞ。」 その通りにしました。でも、オニといっても暴力はふるわないオニです。おそらくさんざんひっぱたかれて育ってきたY君にとってはそんなにこわくないでしょう。それでも賢いY君は、私の言葉を意識し、暴力をふるわないことを自分なりに意識して、行動はやや落ち着きました。 親御さんとも2回目の話し合いをしました。あくまで母親の気持ちをデリケートにとらえながらと思ったのですが、同席の校長は、きっぱりと現状、それに家庭への要求という形で話を進めました。 親御さんとの間では、学校でよかったこと、家庭でよかったことを知らせ合って、両面でY君を認め、ほめていきましょうということになりました。 解決したわけではありませんでしたが、Y君の状態は少しは落ち着きました。朝ご飯も食べて来たという日が多くなりました。 校長をはじめ、まわりの先生たちは、「Y君に甘くしたから荒れたんだろう」「厳しくしたからY君は落ち着いたんだ」という見方をしているようです。「教育相談は子どもを甘やかすからだめだね」みたいなことを思っているでしょう。正直言って、それがすごく悔しいです。 そんな単純なものじゃねえ! Y君は俺だから、わかってくれる相手だから荒れを出したんだ と言いたいですね。 とはいえ、そんなことを言ったところで「はあ?」と言われてしまうでしょうけど。
2008.07.31
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お母さんとの面談をして、Y君の行動はやや落ち着くかに見えました。家でやさしく接してくれるよう気をつけてくれてるんだなあと思いました。 しかし、すぐに元に戻ってしまいました。もっとエスカレートするようになってしまいました。同じように落ち着かないN君とちょっかいを出し合ってはトラブルになり、荒れるようになりました。2人が交互にパニック状態になり、時には同時に荒れることもありました。さらに自閉気味のT君ともちょっかいを出し合い、日常的にトラブルが起きやすい状態になりました。 ちょっと教室を空けて戻ってくると、必ず何か起きていました。うかうかトイレにも行けない状態です。教師はもろもろの雑務を教室で子どもたちが課題をやっている時間など、暇を見つけてちょこちょこやるものですが、それもできません。目を離せないのです。 こうなると、その3人に引っ張られるようにして、クラス全体がわやわや落ち着かない雰囲気になってきます。その3人に次いで不安定要素を持っているような子どもたちが、騒ぎに乗じて悪のりしたり、学習など、いい加減にやろうとします。 ここで、緊急の策として、暇な時など、管理職の先生に教室に入ってもらうことをお願いしました。 それに、学級の子どもたちには、少し厳しく締めていくことをはっきりと告げ、その通りにしました。先生の話をまじめに聞かない人、それにその時間に必要なものを出さない人は、机の中の物、あるいは机そのものを廊下に出してしまうことにしたのです。 もちろん3人も例外ではありません。授業中、机がなくなってしまった子はちょっとかわいそうでしたが、これは効きました。 あと、ほめました。自習の時間、ちゃんとやっている子を見つけて紙に書いてもらい、その子をほめました。毎日クラスの子をほめることを考えました。 とりあえず、クラスの雰囲気は落ち着きを取り戻しました。 しかし、Y君は相変わらずでした。帰りの会の歌を邪魔する、気に入らないことがあると、まわりの子の悪口を言う、冷やかす、挙げ句の果ては上履きで叩くと、毎日そんなことの繰り返しです。 もしも1対1で対応できたなら、違ったのでしょう。Y君は1人の大人にじっくりと向き合ってもらって、関係を構築することがおそらく必要なのです。でも、三十数人の中で生活すると、友だちの方はY君に特別寛容にはなってくれません。友だちに悪さをしたら、必ず謝らなければなりません。そのこと自体がY君のストレスとなってまた荒れます。そんなことの繰り返しの毎日・・・ Y君を観察していて、ちょっと違った感じになってきたのに気づきました。 怒りにまかせた暴力的な、攻撃的な要素は減ってきたように感じました。友だちに対するちょっかい、嫌がらせがやたら目立つようになりました。 3時間目になると、しょっちゅう「はらへったよ~」とつぶやくY君。「朝飯食ってこなかったのか?」と聞くと、「食ってない」とほとんど答えます。 何かY君が「まわりの奴らがうらやましいんだ」とアピールしているみたいだと思いました。
2008.07.19
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1学期ももう終わりです。 この4ヶ月間は大変でした。なんか思い出してみると、疲れて毎週末寝込んでいたような・・・ 疲れた一番の原因は、Y君との日々の格闘でした。(残念ながら、Y君以外にも原因はあります・・・) 4月はじまった時は、Y君の問題行動は、それほどではありませんでした。むしろ、保健室登校のRさんや自閉傾向のT君の方がこのクラスの注目児とされていたのです。 5月ぐらいからY君の行動の荒れは目立ち出しました。友だちが悪口を言ったの言わないだのでけんかになることが日常化しました。授業中の態度が悪いのは最初からでしたが、さらにそれはエスカレートして、茶化して関係のないことをわざと言ったり、友だちのあげあしを取ったりと、授業妨害とも言えるレベルにまでなりました。カバンを取りにロッカーに行くついでに友だちの頭を叩いていったり、たいした理由もないのに友だちを押したり蹴ったり、いたずらとも悪意とも判別つかないような感じでした。 Y君の内面に何かがあるのだということは感じました。 怒って壁を蹴っ飛ばしていたY君を抱きかかえて押さえつけたら、妙におとなしくなって抵抗しなくなるのを奇妙に感じました。また、2人だけで話をするとすごく素直でやさしげな面を見せ、自分の気持ちを話すY君には、ただの善悪指導ではない何かが必要だろうということは確信として感じていました。 しかし、集団の中でY君が他の友だちに悪さをした時は、Y君の内面云々については頭で考えながらも、他の子どもたちに謝らせ、もうしないように強く指導しなければなりません。 こちらが注意すると、Y君はもっと荒れます。校内を走って追いかけ回すこともあれば、押さえつけたり抱きかかえることもあります。怒鳴って首根っこを押さえつけたこともあれば、別室で肩を抱いてしばらく話をしていたこともあります。 終わりのない追いかけっこをしているようでした。 Y君を見ていて、自分なりに次のような見立てをしました。○わざと相手を怒らせるようなことをしばしばするY君の行動は、被虐待児の行動に近いものがある。家庭で両親が、そのように接しているのではないか。○Y君はがまんができない。不愉快なこと、自分が感じるストレスをすぐに友だちへの行動という形で出してしまう。ストレスを心で受け止めるだけの気持ちの余裕がない。○場をわきまえて行動するようなところがあるので、発達障害という感じがあまりしない。(もちろん完全に否定はできないが) 5月の下旬に、お母さんと面談をしました。 はじめから仏頂面のお母さん、看護婦さんをしていて、相当忙しいということです。 お母さんを責めるということではなく、Y君のためにどうしたらいいのかという話をするように努めました。 抱きかかえられるとちょっとうれしそうだということを言ったら、「おそらく私が甘えさせてあげていないのだと思います。」ということを言い出しました。生まれてすぐ、託児所に預けてしまっていたのだそうです。普段から、子どもに甘えさせることが苦手で、そして、怒る時はものすごい勢いで怒ってしまうそうです。しばしば手も上げるということも言ってくれました。ある程度見立ては当たっていたなと感じました。 ここでは、担任から家庭にあまりプレッシャーをかけることはしないから、暴力的な接し方は避けてくれるよう、それに、できるだけ子どもに手をかけてあげてほしいということをお願いしました。いい感じで話し合いを終えることができました。 しかし、事態は良くなりませんでした。
2008.07.13
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