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14:00〜 NHKホール 3階正面 ソプラノ:クリスティーナ・ランツハマー メゾソプラノ:藤村実穂子 テノール:ベンヤミン・ブルンス バス:ゴデルジ・ジャネリーゼ 新国立劇場合唱団 東京オペラシンガーズ NHK交響楽団 指揮:井上道義 体調が今一つというのもあり、そもそも忙しいのもあり、暫く聞きに行っていませんでした。ようよう年末になって行く余裕が出来たというか...... 第九です。第九なんて面白いのか、とか、定期演奏会じゃないし、とか、色々ご意見はあるようですが、個人的にはむしろ定点観測的にはいいかなと思ってます。大体どのオケも毎年やってますし、「第九だから演奏が手抜き」なんていうようなところはそもそも手抜く前から.......... それに、聞く側だって、同じ曲を何度も回を重ねて聞く機会はそうあるものではないのですから、考えようによっては得難い機会ではあるのです。まぁ、そんなに第九聞きたいか?という意見もあるにせよ。 ま、そんなわけで、せっせと聞きに行くのでした。 N響は今年は井上道義。再来年一杯で引退ということで、これが最後の第九、とかいう話らしいですが、そりゃN響ではそうだとして、他でも最後なのかしらね。 演奏は、まず、丁寧。意外といえば意外かも知れないですが、まず印象に残ったのは丁寧な演奏ということ。そして、面白い。 ちゃんと演奏しているんですね。各声部を疎かにせず、きちんと演奏させる。こっちが主だからこっちはいいや、ということがない。その結果、普通なら聞こえないものが聞こえたりするのですね。といって、特に奇を衒っているというのとも違う。ただ、結果として普段見えないものが見える、みたいなところでしょうか。そういう意外さの面白さ、というようなもの。ただ、まぁ、言い換えれば、オーソドックスではないですね。よく言えば新鮮だけれど、それは好き嫌いは出ると思います。私は.......面白いとは思ったけれど、これが好きかどうかは、またちょっと考えどころかも知れないですね。 終演後、去年だかは尾高忠明で、退屈だったみたいな話をしているのを小耳に挟んだけれど、さてねぇ。 まぁ、面白かったから、これはこれでいいと思います。
2022年12月28日
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NHKホール 18:00〜 3階正面 ワーグナー:ヴェーゼンドンクの5つの詩 ブルックナー:交響曲第2番 ハ短調 メゾソプラノ:藤村実穂子 NHK交響楽団 指揮:ファビオ・ルイージ なんでか知らず買ってました....どうしようかと思ったけれど、まぁ折角だし、と思って。首席指揮者ですしね。 ところが、行ってみて正直びっくり。3階席に関する限り、後方両サイドは殆どお客がいない。実質的には5割くらいの入りだったと思います。土曜の夕方でこの入りとは.....下の方は見ていないですが、全体にお客が溢れ返ってる感じではなかったので、相当空いていたのではないかと。いや確かにプログラム的には渋いけれど、それにしても。デュトワやアシュケナージやヤルヴィが首席指揮者とかなんとか立だった時はもっと入っていた気がするのだけれども。 確かにファビオ・ルイージは、日本人、特にN響なんかに来るような人達には人気ないんだと思います。日本人はオペラをどうしても下に見る傾向があるから、オペラ中心の指揮者は評価がよろしくない。特にファビオ・ルイージは、大手レーベルでの交響曲の録音が無いですからね。まぁ、人のことは言えないけれど、結局N響の定期演奏会って、老人会の集いみたいなところがあるので。いや、お客以上に指揮者がね。ブロムシュテットとかの時の人の入り方ときたら..... 前半は藤村実穂子の独唱でヴェーゼンドンク・リーダー。なのですが、これが、え?あれ?という.... 藤村実穂子、歌曲に関しては、オケの定期演奏会で何度か聞いています。ヴェーゼンドンクも、N響か新日で昔聞いた気がするのですけれども。まぁ、好き嫌いはあれど、それほど酷いことはあまりないのですが。 この日も決して悪いわけではないと言わざるを得ない、という感じだったのですが、しかし、なんというか、「歌」になってない感じ、なのですよね。オケとやろうが、ワーグナーだろうが、これは「歌曲」であって、もちろん「歌」なんですよね。どうも聞いていて、歌に聞こえなかったというか。ホールが大きいとか、オケと合う合わないとか、そういうことではなくて、歌として何をしたいのかよくわからない、といった感じで。ちょっとこういう歌になってしまうような人とは思ってなかったので、正直、「え?え?」というような。 後半はブルックナー。 ええとですね、最終楽章、あれはコーダに向かうところだったと思うのだけれど、金冠がヘロヘロな演奏をしておりまして。あれが全てを物語っているかなという。 そもそもブルックナーに関して云々出来るほど聞いちゃいないというのはありますが、2番に関しては、何年か前にザルツブルクでムーティがウィーン・フィルを振るのを聞いて、その後その公演がCDになったりしたものだから、実は思いの外聞き覚えはあります。 だからといって何処がどう、なんてことまではいちいち言えないのではあるけれど、明らかに、まとまりが悪いのです。特に後に行けば行くほど。ちょっと藤村実穂子のヴェーゼンドンクと通じるところがあって、つまり、何をしたいのか分からない、やってる方が何をどうしたいのかわかってないな、という感じなんですね。藤村実穂子の場合は、これは当人がそれぞれの歌をどういうふうに歌いたいか、それがきちんと歌としてはまっているか、というような話なのですが、言ってしまえばブルックナーの方は、楽譜に書いてあることからするとどうすればいいのか、分かってない感じ、でしょうか。もうちょっとレベルが低いというか..... それが、結局、「演奏はいいんだけど」みたいなレベルにすら影響を及ぼして、というような感じなんでしょうか。如何にもまとまりが悪いというか、楽譜は外れていないのでしょうけれど、第二楽章あたりはまだしも、終楽章は聞いていてどういう音楽なのか分からなくなるような感じで。 まぁ、初日ですからね、今日の2日目はどうだったのか知らないけれど。 ファビオ・ルイージの問題ではなくて、そもそも、N響の実力ってこんな感じなんじゃないかな、と思います。多分、ブルックナーの2番は難し過ぎるんですよ。「いや、ブルックナーでも幾多の名演を...」なんて言うんでしょうけれど、事実こんなもんだと思いますよ。金管なんかまさにその象徴みたいなものだし。 まとめるのが指揮者の仕事?首席指揮者なんて中途半端な役付けにしておいて、どんだけ詰める仕事をしたのか。そういうレベルのオケという見極めが出来ていないのは確かに指揮者の責任だけれど、ヘロるのは指揮者の責任じゃないですよ。
2022年12月04日
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