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2021.10.05
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テーマ: 読書(8290)
カテゴリ: 【読書】自然科学
本のタイトル・作者


ジェンダーと脳ーー性別を超える脳の多様性 [ ダフナ・ジョエル ]

"GENDER MOSAIC"
by Daphna Joel and Luba Vikhanski

本の目次・あらすじ

1 性別と脳
第1章 覚醒
第2章 ねじ曲げられた事実の歴史
第3章 脳の性差が積み重なると
第4章 生まれか育ちか

2 人間はモザイク
第5章 変化する脳

第7章 脳のモザイク
第8章 現れては消えるわけ
第9章 ブラインドデートに何を期待する?
第10章 脳のタイプーー典型的な脳と稀な脳
第11章 ストレス下の女と男
第12章 健康のモザイク
第13章 心のモザイク

3 ジェンダーの何が問題か
第14章 男女というバイナリーから多様性のモザイクへ
第15章 ジェンダーという幻想
第16章 バイナリーの洗脳

4 ジェンダーのない世界へ
第17章 ジェンダーという神話にどう対処するか

第19章 ジェンダーフリーの教育
第20章 子どもたちをジェンダーから解放する
第21章 ジェンダーへの気づき
第22章 行動に移す
第23章 未来の展望


参考文献
索引
謝辞

感想

2021年読書:229冊目
おすすめ度:★★★

黒川伊保子さん(脳機能論とAIが専門)の本を読んで、「男脳女脳っていうのはなくて、それぞれ使う部分が違う」みたいな話だったな…とこの本を読んでみた。

昔、「地図が読めない女」みたいな本あったじゃないですか。
男女の能力の差は、脳の機能によるものなんだ、みたいな論調。
だから私も漠然と、そうなのだと思っていた。

この本はそれを真っ向から否定する。
人の脳は「男」「女」で二分されない。
それは、その人それぞれのモザイク。
「女らしい」「男らしい」とされるものの組み合わせ。
そしてそれは、習慣や経験により変化する―――社会的「性」がそれを強化している。

だとしたら、いったい「何ができるか」「できないか」を「男」と「女」で分けることに一体何の意味があるのか。



読了メモ。

科学が性差が「あること」を証明するために使われてきたの、人種差別の本でも読んだ。
やっぱり、同じだな、と思う。
人を人の下に置くために、上に置くために、必要とする。理由を。
宗教を、その名を代えた科学を。

でも、「理由」が必要な時点で、それはもう「理由」でないのではないか?

子どものオモチャのコーナーは、ブルーとピンクの二色に分けられている。
私もついつい、子どもを「性」でカテゴライズしてしまう。

この本を読んでいて、赤ん坊が黄色や、性別の分からない色の服を着ていた時のことを思い出した。
大人は戸惑う、のだ。
その赤ん坊の性別が分からないことに。
「可愛い赤ちゃん」の次に訊く。「男の子?女の子?」
そして安心して話し始める。
そこにはすでに「男」と「女」の型があるから、あてはめやすいんだ。

なぜこんなにも性別は重要なファクターになるのだろう。

その昔、私が子供だった頃にはまだ、「左利き」は矯正されるものだった。
世の中の多数が「右利き」だから不便であるというのもあるのだろうけれど。
でも今は、矯正するというのはほとんどない。
右利きは右利きのまま、左利きは左利きのまま。
そして誰でも、利き手とは逆の手で書いてみたことがあるのでは?

それと同じことが、性別にも起こるのだろうか。
私が物心つくころ、世界は二色対立だった。
ランドセルは赤と黒。
けれど今、世界はもっとカラフルになってきてる。

そのモザイクを、見てみたい。
「万華鏡のように」と著者はいう。
色を変えていくモザイク。
それはきっと、きれいだろうな。

これまでの関連レビュー

妻のトリセツ [ 黒川伊保子 ]
夫のトリセツ [ 黒川伊保子 ]
家族のトリセツ [ 黒川伊保子 ]




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最終更新日  2023.01.01 17:48:06
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