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2022.04.28
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テーマ: 読書(8238)

本のタイトル・作者



一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語 (ポプラ新書 217) [ 岩田 徹 ]

本の目次・あらすじ


第1章 いわた書店の店主になるまで
第2章 「一万円選書」の極意
第3章 僕はこうやって本を選ぶーいわた書店の珠玉のブックリスト
第4章 北海道砂川だからできる「やりたかった本屋」

引用


おもしろい本をすすめて、その人にとって新しい本と出会ってもらう。これこそ本屋の仕事でしょう?


感想


2022年102冊目
★★★★

「一万円選書」で選んでいただいた本の1冊目。
(『エンド・オブ・ライフ』が既読だったので、「差し替えにサイン本いかがですか?」とのお申し出に二つ返事でお願いした。)
まずはこれから読まねばなりますまい。


北海道砂川市にある、 (有)いわた書店 さんの「一万円選書」に当選し、カルテを送付して、おすすめの本を選んでいただきました。
2022年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本

そもそも「一万円選書」が何たるかもあまりよく知らず、Twitterの読書アカウント界隈で「
一万円選書が始まった」「応募した」とざわついていたので、「ふうん」と思って応募してみたら当選して、それからどういう仕組みかを知ったくらい。

この本にもあるけれど、今はもう1年のうち7日間だけしか応募しておらず、そこに毎回3,000~7,000人の応募がある。
そこから毎月100名、合計1,200名が抽選される。
たまたま当たったのは、幸運だったのだな。

カルテを書いて送って、北海道から小包が届いて。
この本は、どうして私に選ばれたのだろう。


長い手紙のような。
カウンセリングのような。
本を贈る/読むことは、不思議だ。

地元の本屋として先行きが見えなくなっていた頃、高校時代の先輩に「1万円で面白い本を見繕って送ってくれ」と言われたことが「1万円選書」の始まり。
全国放送のテレビで取り上げられ、ネットで拡散され、一気に人気が出た。


これまでの来歴、取り組みをこの本で知り、そのことがようく伝わった。

なんというか、犬のブリーダーみたいに。
このひとに相性の良い犬種の、性格の子を探してあげよう。
そんな雰囲気で、本を紹介されている。
可愛いでしょう?やんちゃだけど、あなたもきっと夢中になる。
手元で面倒を見ていたから知っているんですよ。
この子はきっと、一生の友になりますよ。

本との出会いを楽しむ。
そしてその先の無限の広がりを、繋がりを感じる。

この本には、岩田さんがおすすめし、一万円選書によく入れるという本が巻末一覧で掲載されている。
めちゃくちゃ本が読みたくなった。

けれど問題は、「今手元にあるかどうか」(思い出して発注するほど皆マメではないよね?)で、「いつか読みたい」と思った本のほとんどは、読まないままに署名も著者名も忘れてしまう。
そんな時、「勝手に届けてくれる」というのは良い。

岩田さんは「一万円選書」を専売特許にするのではなく、他にも広めてほしいと言う。
だからご自身が作り上げたカルテも書籍に載せているし、他の本屋さんでもそれぞれの特徴と得意分野を生かして選書をしてほしいと仰っている。

これ、「本屋」が生き残る最後の道だと思った。

イギリスの古書店主の「 ブックセラーズ・ダイアリー [ ショーン・バイセル ] 」でも、古本のサブスクをやっていて、会費を払ってお任せで本が届くシステムを作っており、それにより安定収入を得られている。

あの本屋、この本屋で、テイストの違う「選書」が出来たら、なんて楽しいんだろう。
図書館は最近、新年に「本袋」(中身が見えないお任せ選書貸出)をしてみたりしているけれど、それにも通じるものがある。

みんな、本を読まなくなった。
かくいう私も、届いた「一万円選書」を数か月放置していた。
(ほかの本は読んでいたのだけどね)

現代は「スマートフォン」という悪魔(!)との時間の奪い合いでもある。
イージーで断片的な情報の海は、私たちの気を逸らし、溺れさせる。

本が手元に届くだけではだめなのだ。
そこから先に、「読ませる」にはどうすればいいのだろう。

娯楽が無数にあり、そしてそれらが巧みに興味を惹きつけ、時間を奪うなかで。

私は主に通勤電車で本を読み、仕事の昼休みに時間があれば本を読む。
子どもたちのスイミングの待ち時間に、お絵描きをしている間に、本を読む。
そうして週に2~3冊は読み終える。
(それでもネットをし過ぎだと思っている。)

届いた手紙を放置しない仕組みづくり。
それが自分のために届いたのだという、それだけではきっとダメなのだ。
その先に行く必要がある。




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最終更新日  2022.12.04 00:20:18
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