全10件 (10件中 1-10件目)
1

円熟と貫禄、安定の歌声 エウヘニア・レオン(Eugenia León)は、メキシコの女性シンガー。1956年、メキシコシティ近郊の生まれなので、現在では70歳で、芸歴は40年をはるかに超える。そんな彼女が60歳を過ぎ、2019年にリリースした2枚組アルバムがこの『ア・ロス・クアトロ・ビエントス(A los 4 vientos)』である。 CD2枚組と言っても、少々変則的な盤である。各々のCDは、いずれも曲数にして6曲、時間にして20分余りの収録時間で、ヴォリューム的にはミニ・アルバムを2枚組にしたような感じである。そんなわけで、実質的にはアルバム1枚分なのに2枚に分けたのは、連続して聴くのではなく、別個のものとして聴いてほしいという制作側の意図なのだろうと思われる(かつてのLP盤だったら、A面とB面でこういう心配はなかったのかもしれないのだけれど)。 その内訳はというと、1枚目(Vol. 1)は“ランチェロ”、2枚目(Vol. 2)は“ノルテーニョ”の副題がついている。いずれもメキシコの地元音楽のジャンルで、各6曲ずつの塊が1枚ずつのCDとなっている。ランチェロ(ランチェラ)は、主に20世紀前半から半ばに発達し、大衆的人気を得たジャンル。ノルテーニョ(ノルテーニャ)の方は、その名(スペイン語で“北の”)の通り、メキシコ北部(とくに北西部のヌエボ・レオン州やタマウリパス州)で発展した大衆音楽である。 お薦め曲をいくつか挙げておきたい。1枚目(ランチェロ)では、アルバム表題曲で、アルゼンチン人とメキシコ人が組んだロス・マコリーノスをフィーチャーした1.「ア・ロス・クアトロ・ビエントス」の正調ぶりがよい。その後も正統派のランチェラ音楽の楽曲が続くが、筆者がとくに好みなのは、2.「メ・ボイ・ア・キタール・デ・エンメディオ」や、ロサリーア・レオンと共演した5.「ビバン・ラス・ムヘーレス」といったところ。 2枚目(ノルテーニョ)では、このジャンルに特徴的なアコーデオンやバホ・セスト(12弦ギターの一種)などの楽器が活躍し、よりにぎやかな雰囲気となる。お薦めとしては、ノルテーニョ・バンドのグルーポ・ペサードのメンバーであるペペ・エリソンドをフィーチャーした1.「ミ・フネラル」、エウヘニアの歌唱が冴える3.「テ・ウビエラス・イード・アンテス」、ノルテーニョのベテラン歌手であるラーロ・モーラ(Lalo Mora)とのデュエットの5.「エル・オンブレ・ケ・マス・テ・アモ」が挙げられる。 この手の音楽は日本では好き嫌いがわかれるかもしれない。とはいえ、エウヘニア・レオンの歌のうまさと安定感がしっかりと示されていることと、1曲1曲が丁寧に仕上げられていることが特徴の1枚と言えそうだと思う。[収録曲]Disc 1 (Ranchero)1. A los cuatro vientos (feat. Los Macorinos)2. Me voy a quitar de enmedio 3. Frente a frente4. No volveré (feat. Flor de Toloache)5. ¡Vivan las mujeres! (feat. Rosalía León)6. Compadécete (feat. Marimba de Zeferino Hermanos Nandayapa)Disc 2 (Norteño)1. Mi funeral (feat. Pepe Elizondo)2. Le perdí el gusto al respiro (feat. Javier Ríos)3. Te hubieras ido antes4. Tierra mala5. El hombre que más te amo (feat. Lalo Mora)6. Ánimas que no amanezca2019年リリース。 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025年05月28日
コメント(0)

ラテン・ロックの有名アーティストらとの共演 『ミゲル・リオス・イ・ラス・エストレジャス・デル・ロック・ラティーノ(Miguel Ríos y las estrellas del rock latino)』とカナ書きすると長ったらしいのだけれど、要は『ミゲル・リオスとラテン・ロックのスターたち』というのが、2001年にリリースされた本盤の表題である。 ミゲル・リオス(Miguel Ríos)は、1944年グラナダ生まれのスペイン人シンガー。1960年代から活動し、早くからスペイン語ロックというジャンルの確立に寄与してきた。その大物アーティストが、国を問わずスペイン語圏の様々なロック・アーティストの楽曲を取り上げ、彼らと共演したのが本盤ということになる。 全曲とはいかないものの、特に注目したい楽曲をざっと見渡してみたい。3.「クアンド・ロス・アンヘレス・ジョラン(天使たちが泣く時)」は、メキシコのマナー(Maná)の楽曲で、このバンドのリーダーであるフェール(Fher)と共演している(参考過去記事)。6.「アベ・デ・パソ(渡り鳥)」は、スペインの有名シンガーソングライター、ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)の楽曲で、リオスとサビーナの熱唱が楽しめる。 8.「ジョ・ノ・キエロ・ボルベールメ・タン・ロコ(そんなにクレイジーになりたくない)」は、アルゼンチンを代表するアーティストであるチャーリー・ガルシア(Charly García)との共演。10.「エテルニダー(永遠)」は、チリ出身のロックバンド、ラ・レイ(La Ley)の楽曲で、スリリングな演奏が印象的である。 本盤のハイライトとも言えそうなのが、アルバム終盤の2曲(ともに1980年代半ばのナンバー)である。11.「トリステ・カンシオン(哀しき愛の歌)」https://plaza.rakuten.co.jp/blogmusica/diary/201004240000/は、メキシコの大御所バンド、エル・トリ(El Tri)の代表曲。ややノスタルジックなアレンジの演奏にリオスとアレハンドロ・ローラのヴォーカルという豪華な共演である。最後のナンバーである12.「アグラデシード(君に感謝)」は、スペインのロック・アーティスト、ロセンド(Rosendo)のナンバーで、ちゃんとギターを利かせる演奏とリズムと勢いに乗ったリオスとロセンドのヴォーカルがいい。[収録曲]1. Corren tiempo perros2. Insurrección3. Cuando los ángeles lloran4. Parte del aire5. Girar y girar6. Aves de paso7. Maligno8. Yo no quiero volverme tan loco9. Al norte de playa Libertad10. Eternidad11. Triste canción12. Agradecido2001年リリース。 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2025年05月25日
コメント(0)
![]()
2度目も成功のフライト 1974年にデビュー盤(参考過去記事)を発表し、「マジック」をヒットさせたパイロット(Pilot)は、翌75年にセカンド作を発表している。表題は、ある種そのまんまの『セカンド・フライト(Second Flight)』。雲の間にプロペラという、これまたわかりやすいジャケット・デザインである。 メンバーは、デヴィッド・ペイトン、ビリー・ライアル、スチュアート・トッシュ、イアン・ベアンソンの4人。前作と実質的に同じ顔ぶれだが、ベアンソンは正式にグループのメンバーとなっている。アルバムの内容としては、前作の延長線上に位置づけられると言えそう。プロデュースはデビュー盤に続いてアラン・パーソンズによるもので、心地よいポップ・ロック路線が継続されている。 アルバム前半は、ポップで軽快な1.「ユアー・マイ・ナンバー1」から幕を開ける。続く2.「ラヴ・イズ」はどこか懐かしいメロディと歌唱・演奏面での工夫が同居する、これまたポップなナンバー。3.「コール・ミー・ラウンド」は、大きくヒットこそしなかったものの、シングルカットされた楽曲で、軽快なポップという意味では1.と並ぶ好曲だと思う。その後も、サウンドに工夫を聴かせたインストナンバーの4.「北緯55度・西経3度」、美バラード曲の5.「トゥー・ユー・アローン」と飽きさせない展開が続く。 アルバム後半では、7.「ハード・イット・オール・ビフォア」のギターとコーラスがいい。8.「バッド・トゥ・ミー」はいかにもパイロットという、前半の1.や3.と並ぶポップさが生かされた楽曲。それから、本盤の後半最大の注目曲は、シングルとして大ヒットした10.「ジャニュアリー」。このポップさと手拍子こそがパイロットの本領発揮といったところで、全英のほかオーストラリアやアイルランドのチャートでも1位という、彼ら最大のヒット・シングルとなった。あと、アルバムを締めくくる12.「ディア・アーティスト」もなかなかいいスロウ曲だと思う。[収録曲] *( )内は邦訳タイトル1. You're My No. 12. Love Is3. Call Me Round4. 55º North 3º West(北緯55度・西経3度)5. To You Alone6. Do Me Good7. Heard It All Before8. Bad To Me9. You're Devotion(きみの愛)10. January11. Passion Piece(情熱のかけら)12. Dear Artist1975年リリース。 【中古】 セカンド・フライト/パイロット 【中古】輸入CD Pilot Second Flight C5CD568 C5 Records /00110 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2025年05月22日
コメント(0)
![]()
通好みの隠れた名盤 クライグ・フラー(Craig Fuller)は、1949年、オハイオ州の出身。カントリー・ロック・バンドのピュアー・プレイリー・リーグでの活動のほか、1980年代にはローウェル・ジョージ亡き後のリトル・フィートのフロントマンとしても活躍したミュージシャンである。一方、エリック・カズあるいはエリック・ジャスティン・カズ(Eric Justin Kaz)は、1946年、ニューヨーク出身。派手な活動こそないものの、こちらの作品など玄人好みの好作を残したシンガーソングライターとして知られる。 これら2人は1970年代半ば、スティーヴ・カッツ(ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ)、ダグ・ユール(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)とともに、ジョージ・マーティンのプロデュースのもとでアメリカン・フライヤーというスーパーグループとして活動した。けれども、バンドは長続きせず、その後、2人での唯一の共作として、1978年にこの『クライグ・フラー&エリック・カズ(Craig Fuller/Eric Kaz)』を残した。 できあがった盤は、玄人好みの名作となった。1.「フィール・ザット・ウェイ・アゲイン」で渋く始まったかと思えば、2.「クライ・ライク・ア・レインストーム」(リンダ・ロンシュタットで有名になった曲)はさらに地味深さが染みる。渋さという意味では、5.「ティル・ユー・カム・バック」も外せない。 アナログ時代のB面の冒頭は、6.「アナベラ」というさらりと聴かせる好曲だが、締めくくりの10.「アナベラ(リプライズ)」とセットになっている。この間に配されている曲の中では、次第に盛り上がっていく7.「ザ・ウェイズ・オブ・ア・ウーマン」が必聴の名曲と言える。[収録曲]1. Feel That Way Again2. Cry Like a Rainstorm3. You Take a Heart4. Let The Fire Burn All Night5. 'Til You Come Back6. Annabella7. The Ways of a Woman8. Fool for You9. Restless Sea10. Annabella (Reprise)1978年リリース。 【中古】CD Craig Fuller / Eric Kaz Craig Fuller / Eric Kaz SRCS6357 Sony Records /00110 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025年05月19日
コメント(0)
![]()
世界進出の足がかり ヴァンデンバーグ(Vandenberg)は、オランダのギタリスト、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(Adriaan van den Berg,オランダ語だとアドリアーン・ファン・デン・ベルグと読むのだろうか)が中心となったハード・ロック・バンド。もともと1970年代から地元で活動していたティーザーなるバンドが元になっており、ヴァンデンバーグとしては、1982年の本セルフタイトル盤(邦題は『ネザーランドの神話』)を皮切りに、米国や世界マーケットに向けて1985年までに3枚のアルバムを残した。 アルバム前半から収録曲を見渡していきたい。1.「ラヴ・イズ・イン・ヴェイン」は、演奏の重厚さととっつきやすいメロディのバランスがよく、このバンドらしさをよく表した楽曲だと言える。ややスピード感を強めた2.「バック・オン・マイ・フィート」は、個人的に好みの1曲。4.「バーニング・ハート」はシングルとして発売されて好評を得たいわゆるパワーバラード調のナンバーで、大ヒットとはいかなかったものの、この時代を表現する好曲だと感じる。 アルバムの後半では、スピード感のある5.「レディ・フォー・ユー」、6.「トゥー・レイト」とたたみかけてくるが、もう一ひねりあるとなおよかったようにも思う。筆者の好みとしては、勢いとキレがいい7.「ナッシング・トゥ・ルーズ」、ドライヴ感を伴った8.「ロスト・イン・ザ・シティ」あたりがいい。締め括りの9.「アウト・イン・ザ・ストリーツ」は勢いで押すナンバー。総じて“期待できるデビュー盤”という仕上がりだったと言えるように思う。[収録曲]1. Your Love Is in Vain2. Back on My Feet3. Wait4. Burning Heart5. Ready for You6. Too Late7. Nothing to Lose8. Lost in a City9. Out in the Streets1982年リリース。 【中古】 ネザーランドの神話/ヴァンデンバーグ 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025年05月15日
コメント(0)
![]()
メロディックかつシンフォニックにカッコよく ストラトヴァリウス(Stratovarius)は、フィンランド出身のメタル・バンド。北欧的なメロディアス、シンフォニック、ネオクラシカルといった特徴を持つ。記憶に誤りがなければ、筆者が最初に聴いたアルバムは、1995年発表のこの『フォース・ディメンション(Fourth Dimension)』だったように思う。 “北欧らしい”と安易に括るのはどうかとは思うけれど、このバンドは特にメロディック/シンフォニックなメタル・サウンドが明確に打ち出されていて、とにかく“聴いて気持ちいい”というのが筆者の抱いている第一印象である。そして4作目のこの『フォース・ディメンション』は、その音楽的傾向がとりわけはっきりと打ち出されている盤である。また、リード・ヴォーカリストがなかなか定まらなかったこのバンドにとって、看板となる声のティモ・コティペルトが加入して最初のアルバムでもある。 個人的に好みのナンバーをいくつか注目曲として挙げてみたい。1.「アゲインスト・ザ・ウィンド」は、しっかりとしたメタル・サウンドで疾走感が心地よい。3.「ギャラクシーズ」は、表題からも窺えるとおり、宇宙をイメージさせるような広がりのあるサウンドと勇壮さが印象的に残る。“セルフタイトル盤”(バンド名を冠したアルバム)とうのはよくあるけれど、5.「ストラトヴァリウス」は、“セルフタイトル曲”である。インストルメンタル曲で、メンバーそれぞれの楽器の厚みが存分に感じられる。 6.「ロード・オブ・ザ・ウェイストランド」は、叙情的なメロディ感を残したメタル曲。個人的にはこういうのに弱く、すぐに虜にされてしまう。8.「ナイトフォール」は、空間的広がりのある演奏を生かしたバラード調ナンバーで、ここでも、このバンドのメロディックなよさが生かされている。あと、10.「トワイライト・シンフォニー」は聴き逃がせない1曲。このバンドのサウンドを象徴するナンバーと言ってもよいのではないかと思う。なお、日本盤では、前作に当たるサード作所収の楽曲(タイトル・チューン)の「ドリームスペース」のライヴ・テイク(12.)がボーナス・トラックとして収められている。[収録曲]1. Against the Wind2. Distant Skies3. Galaxies4. Winter5. Stratovarius6. Lord of the Wasteland7. 0303668. Nightfall9. We Hold the Key10. Twilight Symphony11. Call of the Wilderness12. Dreamspace -live- 【日本盤での追加曲】1995年リリース。 【中古】CD Stratovarius Fourth DIMENSION VICP5506 T&T /00130 【中古】 フォース・ディメンション/CD/VICP-5506 / ストラトヴァリウス, ストラトバリウス, STRATOVARIUS / ビクターエンタテインメント [CD]【宅配便出荷】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2025年05月13日
コメント(0)

INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここしばらくの最新記事へのリンクを追加しています。INDEXページへは、以下のリンク、もしくは本ブログのトップページ(フリーページ欄)からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ → つづき(H-M)・つづき(N-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A)へ → つづき(B)・つづき(C-D)・つづき(E-I)・つづき(J-K)・つづき(L-N)・つづき(O-S)・つづき(T-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系ロック・ポップス編(A-I)へ → つづき(J-N)・つづき(O-Z) アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー(どちらか1つでも ありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓ にほんブログ村 : 人気ブログランキング:
2025年05月11日
コメント(0)
![]()
日本と北米限定のラスト盤 1982年にレコード・デビューしたジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーから成るデュオ、ワム!(Wham!)は、1986年の解散までの間に多くのヒット曲を残した。アルバムとしては3枚を残しており、その最後となったのが、この『エッジ・オブ・ヘヴン(Music from the Edge of Heaven)』であった。 3枚目のアルバムと言っても、少しイレギュラーなリリースで、発売されたのは北米と日本のみだった。イギリスを含む他地域では、2枚組ベスト盤という形の『ザ・ファイナル』というアルバムがリリースされ、このアルバム収録曲の大部分もそこに収められた。 既存のシングル曲(3.,5.,8.)に新録の楽曲(1.,2.,4.,7.)、さらにはライヴテイク1曲(6.)を加えた構成。したがって、アルバムとしての統一感は必ずしもないが、ここの曲に目を向けると、アイドル的人気を誇ったワム!が脱皮しつつあり、音楽的にも次のステップに進もうとしていることのわかるものだと言えるように思う。タイトル・チューンの1.「エッジ・オブ・ヘヴン」は、シングルとしてもヒットし、ワム!の成熟度がわかる楽曲に仕上がっている。4.「ワム!ラップ ’86」は、メジャーデビュー前にインディーズから出された最初のシングルのリメイク。5.「ディファレント・コーナー」は、「ケアレス・ウィスパー」に続くジョージ・マイケルのシングル曲で、全英1位(全米では7位)のヒットとなった。 6.「ブルー」はこのアルバムだけに収録(『ザ・ファイナル』には未収録)のナンバーで、唐突にライヴ音源と思われるかもしれないが、中国での音源というのがミソ。ワム!は1985年に中華人民共和国でイギリスのポップ・アーティストとして初めてのライヴを実現させており、共産主義国でこうしたライヴが実現したのは、当時としては画期的だった。 7.「哀愁のメキシコ」は大ヒットしたというわけではないが、シングル化されたり(イギリス等)、1.のシングルB面となったり(日本)、1.と両A面になる(アイルランド)などしたナンバー。日本語表題にあるように、哀愁に満ちたメロディが印象的な好曲で、個人的にはお気に入りのワム!の楽曲の一つだったりする。アルバムを締めくくるのは、1984年暮れリリースの超有名クリスマス曲、「ラスト・クリスマス」となっている。[収録曲]1. The Edge of Heaven 2. Battlestations3. I'm Your Man4. Wham! Rap '86 5. A Different Corner 6. Blue (Live in China)7. Where Did Your Heart Go?8. Last Christmas 1986年リリース。 【中古】 エッジ・オブ・ヘヴン/ワム! 【輸入盤CD】【新品】Wham! / Music From The Edge Of Heaven (ワム) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025年05月08日
コメント(0)

勢いに乗る世界的ヒット第二弾 モン・ラフェルテ(Mon Laferte)は、本名のモンセラー・ブスタマンテ(Monserrat Bustamante)として出身国チリで一度メジャーデビューしているものの、グラミー賞の場に名を連ねるようなアーティストになったのは、メキシコを拠点として再メジャーデビューしてからのことだった。 その人気の火付け役となったのは、2016年の『モン・ラフェルテVol. 1』のヒットだった。同盤はメキシコ国内チャートで4位、チリやペルーでプラチナディスクとなったが、それに続く2017年の本盤『ラ・トレンサ(La trenza)』はいっそう大きなヒットを記録した。メキシコで1位のほか、スペインや米国ラテン・チャートでも好成績を残し、チリ、ペルーに加えアルゼンチンやコロンビアなどスペイン語圏の各国でセールスを伸ばした。 当初、『モン・ラフェルテVol. 2』の表題を想定していたという通り、前作の続編に当たるような内容を意図して制作が進み、聴衆の期待を上回る好曲揃いのアルバムに仕上がった。注目したい曲をいくつか見ておきたい。1.「パ・ドンデ・セ・フエ」は、冒頭からラフェルテ節が全開で、個人的にお気に入りのナンバー。3.「ミ・ブエン・アモール」はスペインのミュージシャン(エロエス・デル・シレンシオのリーダー)のエンリケ・ブンブリとのデュエットで、シングルとしてもヒットした。5.「アマーラメ」は先行シングルとしてヒットした曲(特にチリではシングルチャート1位となった)で、有名歌手のフアネスとのデュエット。 アルバム後半で必聴の曲の一つが7.「プリマベラル」。しっとりとした歌唱が好印象で、メキシコのシングルチャート1位に輝いている。歌唱力発揮のナンバーとしては、10.「フラーコ」も外せない。さらに、アルバム表題曲の11.「ラ・トレンサ」もじっくりと聴かせる好曲でおすすめ。アルバム全体としては、モン・ラフェルテの歌唱力そして歌を伝える表現力が存分に発揮されていて、大ヒットになったのも頷ける出来の一枚だと思う。[収録曲]1. Pa' dónde se fue2. Que sí3. Mi buen amor4. Ana5. Amárrame6. Yo te qui7. Primaveral8. No te fumes mi mariguana9. Cielito de Abril10. Flaco11. La trenza2017年リリース。 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025年05月04日
コメント(0)
![]()
スペイン人とキューバ人、2人の男性シンガーの邂逅 パブロ・ミラネス(Pablo Milanés)は1943年キューバ出身のシンガーソングライター。キューバの新しいトローバ(ヌエバ・トローバ・クバーナ)の牽引者として知られ、スペイン語圏では大きな人気を誇るアーティストで、2022年に既に鬼籍に入っている。一方のビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)は、1947年スペイン北部出身のシンガーソングライターで、アナ・ベレンとのデュオで多く活動した。この2人が1995年8月3日、スペイン南部マラガ市のランドマークでもある闘牛場で行ったライヴ実況盤が、この『エン・ブランコ・イ・ネグロ(En blanco y negro)』である。 当時、パブロは50歳代前半、ビクトル・マヌエルは40歳代後半で、どちらも円熟の、若い頃とは違う意味での絶頂期であった。収録された楽曲を見ると、それぞれの代表曲が多く含まれているが、その一方で本盤の表題となっている“白と黒(ブランコ・イ・ネグロ)”をテーマとする楽曲が複数見られる。スペイン人とキューバ人という2人の組み合わせを意識したもの(最近だとポリコレにうるさい人たちからクレームが来そうだが、本盤が出たのは1990年代のことである)で、表題曲の1.「エン・ブランコ・イ・ネグロ」は、スペイン人アーティストのホアキン・サビーナが作詞、歌っている2人が作曲したナンバーである。8.「イマヘネス・エン・ブランコ・イ・ネグロ」は、1.の続編もしくはリプライズとなっているが、カナリア諸島出身のシンガーソングライターであるペドロ・ゲラの楽曲としてクレジットされている。アルバム最後の17.「ドス・コローレス:ブランコ・イ・ネグロ」は。ウルグアイ人ミュージシャンのホルヘ・ドレクスレルによる楽曲を2人で熱唱している。 その他の楽曲では、2人がデュエットでヴォーカルをとっているものが多く収録されている。筆者の好みでいうと、パブロの代表曲である2.「ラ・ビダ・ノ・バレ・ナダ」、ニコラス・ギジェンの詩にパブロが音楽をつけた5.「デ・ケ・カジャーダ・マネラ」、同じくパブロの代表曲である13.「ジョ・ピサレー・ラス・カジェス・ヌエバメンテ」なんかがいい。 他方、自身の楽曲を各々が歌っているものもあり、ビクトル・マヌエルの7.「スベ・アル・デスバン」や、パブロの11.「パラ・ビビール」なんかがこれに該当する。けれども、これらとは逆に、相手の楽曲をメインヴォーカルとして歌うという曲は本盤ならではと言える。パブロの楽曲をビクトル・マヌエルが歌う6.「ポブレ・デル・カントール」は、実にナイスな選曲。ビクトル・マヌエルのヴォーカルがとにかくカッコいい仕上がりとなっている。15.「ソイ・ウン・コラソン・テンディード・アル・ソル」は、ビクトル・マヌエルの曲をパブロが柔らかいヴォーカルで歌い上げる。こうした当たりは本盤でしか味わえない取り合わせと言える。 全17曲、収録時間にして67分超という、比較的長時間ではあるが、それが長いとは全く感じない。それほど、2人のヴォーカルの魅力が手をかえ品をかえ出てくるとった感じのライヴ盤である。円熟の2人のヴォーカルを楽しめる、筆者としてはとてもお気に入りのアルバムである。[収録曲]1. En blanco y negro2. La vida no vale nada3. No hemos inventado nada4. Amor5. De que callada manera6. Pobre del cantor7. Sube al desván8. Imágenes en blanco y negro9. Parque Berlín10. Yo no te pido11. Para vivir12. Un ramito de violetas13. Yo pisaré las calles nuevamente14. Años15. Soy corazón tendido al sol16. Yolanda 17. Dos colores: blanco y negro1995年リリース。 【輸入盤CD】【新品】VICTOR MANUEL & PABLO MILANES / EN BLANCO Y NEGRO 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”お願いします! ↓ ↓
2025年05月02日
コメント(0)
全10件 (10件中 1-10件目)
1
![]()

