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職場にあらわれるスズメたちは只今子育てブームです。もう第一子たちは巣立って、給餌しているあのほほえましい姿もほとんど見かけません。若鳥たちは、まだまだくちばしが黄色いし、体も小さいものの、大人に混じって人間にエサをもらってます。親も親で、手を離れてしまえば赤の他人。と言うか、他鳥。人間世界とは違ってドライな関係です。そんな一見ドライなスズメの親子関係ですが、巣立ったばかりの頃は、親鳥はヒナの姿が見えないとえんえんと「ピピピピピピ」と呼び続け探してます。ヒナが飲み込みやすいように、餌を細かくちぎってやったり、ヒナが餌を取りこぼしたときなどは、拾ってもう一度丁寧に食べさせてあげたり、見ていて非常に愛情深さを感じます。何らかの事故でヒナを失った親鳥が、よそのヒナに給餌したり、ツバメのヒナに餌を運んだりすることもあるそうです。本能といえばそれまでですが、何かそれだけでは言い切れない感情が小鳥にもあるように感じられてなりません。「銀座のすずめ」白麹麦焼酎のなかでも、比較的飲みやすいすっきりフルーティなタイプです。ほんのり青い麦の香りがすがすがしく、食中酒にぴったり。和食、中華、イタリアン……どんな食事にでも合います。私は個人的には中華に合わせていただくことが多いですね。チンジャオロースやマーボー豆腐、かに玉などにいけます。「黒麹」は、白麹よりもさらにまったり感があります。「琥珀」はバーボン樽で熟成させたほんのり樽香がするリッチな味わい。それでいて、コストパフォーマーです。すずめは育雛時期、一日200~300回ヒナに餌を運ぶそうです。活動時間や親鳥の交替も含めて計算すると、およそ5~6分間に一回は餌を運んでます。働き者ですね。そんな働きもののすずめさんに乾杯。働き者のお父さんにも感謝して乾杯。父の日に「銀座のすずめ」を贈られてはいかがでしょうか。
2012年06月13日
梅雨入りしましたが、新緑がまぶしい季節です。私ごとで恐縮ですがこの度日本ソムリエ協会のシニア試験に合格いたしました。テイスティングは、終わった直後に失敗感が強かったのでくじけましたが、次の筆記試験にいや~な感じを引き摺らなかった御蔭でしょうか。それでも、また解答用紙を提出した直後に幾つかの間違いに気付いて、ダメかも……と来年のことを考えていた次第です。自己採点ではトータル8割弱の正解率。スタンダード試験もおそらく7割強の正答が合格ラインだそうですので、資格取得を目指す方はご参考までに。白ワインが得意のはずのテイスティングの失敗が辛かったです。今もショックは響いてます。でも、まあ気をとりなおして、これからが「シニア」の冠をかぶった者の正念場ですので、一層精進いたします。さて。もうすぐ父の日ですね。この間、父の日特集というので焼酎をテイスティングする機会があったのですが、あらためて麦の魅力を再発見。「いいちこ フラスコボトル」あまり多くの販売店で見かけないアイテムなのですが、ボトルもあの理科の実験を思い出すフラスコ型。焼酎そのものは、きれいな味でいて、しっかり旨みもある。透き通る味わいに思わず「うまい!」と言ってしまいました。「いいちこ」銘柄の頂点ともいうべき麦焼酎です。お食事にももちろん何でもいけますし、ロックでナイトキャップ代わりにも。お父さんへのプレゼントにも最適です。「いいちこ日田全麹」こちらは個人的にすごくお気に入りの「いいちこ」シリーズです。全麹だけに、香り豊かでコクも深い。それでいて、すぐれたコストパフォーマンス。デイリーユースにも最適です。ストレートが美味しいですね。「いいちこスペシャル」樽熟成でほんのり琥珀色が付いた名前通りのスペシャルないいちこ。ウイスキーのようにトワイスアップで飲むもよし、ロックもおすすめです。チョコレートにも合うので、ディジェステフとしても。今年はぜひ、麦焼酎を父の日のプレゼントに!
2012年06月11日
いきなりパクリなタイトルですみません。草なぎ剛君のドラマ見てます。何かをはじめるのに遅すぎることはない、というけれど、やはりやり始める時期は限られる……というのも一理。三十路になってプロ野球選手を目指すのには無理があるでしょうし、アスリートの世界は厳しい。しかしながら、草なぎ君演じる研修医と同じ30歳から歯科医をめざした人も知っていますし、60歳過ぎて会社員から大学の先生になった人も知っています。かなう範囲は狭められますが、やろうと思えば人間遅すぎるなんてことはない、と私は思います。というわけでもないのですが、会社員からソムリエール(厳密には違いますが)に転身した私。一時期、スタートの遅さから年を食っているのに周囲の人に比べて知識も経験も劣っていたのがしんどくて、凹んでいたこともありました。なにしろ教本通りにはいきません。テイスティング能力も低いし、造り手のこともまったく判らないし、質問されたことの答えに窮することもありました。ですが、これまで紆余曲折あった中で、「自分が今後真剣に仕事としてやっていくのはこれしかないのだから」と考えを転換。これまでの営業経験、バイヤーの経験などから、ソムリエ、販売員オンリーでやってきた人にはない目線が生かせるはずだと。最近、ようやく少しはプロらしくなってきたのかな…、という実感が湧くようになりました。まだまだ未熟ではありますけども。草なぎ君のドラマも「そうそう。会社員ならこういう発想で無駄をはぶくよね」とうなずきながら見ていられます。ドラマのお供に飲んでいるのが、「逢初Blue」宮崎・正春酒造の芋焼酎です。アルコール度数20度とライトでフルーティ。ロックにぴったり。蒸し暑いこの頃はソーダで割ってチューハイ風にしてます。みなさまも、夏向きの芋焼酎如何でしょうか。
2012年06月02日
なんだか理由はよくわからないけど、「今いけそうな時期」ってあると思います。ノッテル時期っていうんでしょうか。そういう前向きな勘違い(?)で、ここのところほぼ不休でがっつり働いてました。しかしながら、トシには勝てません(笑)。さすがに疲れてきたなあ、と。昔のようにはいかないぞ、と。そういう時にはコレ。「鶴梅 すっぱい」梅酒だけどすっぱい。クエン酸たっぷり。体にたまった乳酸が消えて行きそう。仕事終わり、風呂上がりの一杯がたまりません。ちょっときついなと感じるときはソーダ割りで頂きます。この梅酒が豚しゃぶサラダ、バジルペーストのっけトーストとか、ブルサンチーズに合うんです。もう少ししたら、鱧もいいですね~。「鶴梅 れもん梅酒」もおススメです。
2012年05月12日
焼酎アドバイザーですが、ワインもウイスキーも売ってます。先日、お客様から「これブショネだと思うんだけど」とのお問い合わせがありました。モノはブルゴーニュのAC(アペラシオン=原産地統制名称)ポマール1996年で……とのことで、ふと思い出したのが『肉体の悪魔』という古い映画。レイモン・ラディゲ原作の小説をジェラール・フィリップ主演で製作された作品。ものすごく掻い摘んで言えば、人妻が旦那の留守中にジェラール扮するハンサムな学生と不倫して別れるというストーリー。その中で、ヒロインの人妻が学生とレストランで食事をします。そこで彼女はポマール1906年ヴィンテージを飲んで、「これはブショネだわ」といい、ソムリエやディレクト―ルを巻き込んでの騒動に。ソムリエ達は「これは健全なワインだ」と主張するも、彼女は頑として譲らず、結局はワインを取り替えておさまります。が、映画の後半で、人妻は学生と別れたあとレストランで「あの時のワインは実はブショネではなかったの」と告白。ソムリエにしてみたら「オラァ(怒)」と怒鳴りたくもなる話なのですが、ポマールといえば、この話を思い浮かべる方もおられるハズ。余談はさておき。さっそく商品をお持ち下さって、確認したところ、色はうすくちしょうゆみたいで香りもかなりひねた感じ。「うーん。これは……」と、『肉体の悪魔』の話を持ち出すまでもなく、別の銘柄のワインに交換させて頂くことに。ところで。「ブショネ」はワインの欠陥をさす言葉としてよく聞くと思いますが、語源はフランス語Bouchon=コルクなど瓶口を塞ぐ栓から来ています。そもそもは「バクテリアに汚染された状態のワイン」のことを指し、通常コルクの汚染が原因とされています。専門家の言葉で「TCA(トリクロロアニソール)臭がする」などとも言いますが。中には、稀にワインの熟成段階で使用する木樽が原因となる場合もあるようですが、コルクというのは自然の植物ですので、そこには目に見えない菌が存在しており、その中に悪性の菌が存在していた場合、ボトル内である種の化学変化が起こりワインの質を変えてしまうのです。ブショネのワインと一口に言っても、汚染の度合いには差があるようで、「ほんの少しコルクっぽい臭い」の程度から「もうこれはワインと思えない」の段階まで様々です。特徴的な臭いの表現としては、「雑巾を陰干しした感じ」がぴったりするような気がします。あまり嗅いでいたい香りじゃありませんけども。ただ、そこまではっきりわかるのは重症の場合で、「そこまでひどくはないけど、ワインにコルクの臭いが付いている気がする、これってブショネ?」と、はっきり断言できないような場合は、まずグラスに注がれたワインをしばらくそのままにしておいて下さい。そして何度かグラスを回しワインに空気を含ませます。その後更に数分待ってから再びワインの香りを確認して下さい。ブショネのワインであれば、最初のときよりも更に臭いが悪化しているはずです。ワインの汚染にはもう一つあります。「酸化」です。「酸化(オキシタイズ)」とは、酸素または高温に長時間さらされたことなどにより、ワインから「果実味などの新鮮な風味が失われた状態」のことを言います。保管または輸送段階における問題が原因となることが多く、例えばコルクやキャップシールの緩みなどにより、隙間からボトル内に酸素が入り込むなどした場合、または何らかの理由でワインが高温にさらされてしまった場合などが酸化の主な原因となります。香りは酸っぱかったり、ひねた感じだったりしますので、ブショネとは違うことはわかりやすいと思います。敢えて古風な造りをするドメーヌのワインには、この「酸化臭」をつけたものさえあります。マディラワインを飲まれる方は、マディラの香りが「酸化臭」そのものなのです。人工的に熱を通して酸化させているのがシェリーやマディラなのです。さて……感の鋭い皆様には、もうおわかり頂けたかと思われますが。お客様がお持ちになったポマールは「ブショネ」ではなく「酸化」だったのです。敢えてその時、私は言い換えることはしませんでした。やはり「ワインの劣化=ブショネ」と使っておられる方も多く、その誤解を解くのは困難です。だからといって、説明しないでいいというわけにもいきませんが。そうなると、バーやレストランを一軒一軒全国行脚して「ちょっと待ったあ!それはブショネではありませんよ」と、さすらいのヒーローのごとく押し売り的な正義をかざし続けねばならないような気がします……。ポマールは非常にフルーティかつ力強いブルゴーニュワインです。コート・ド・ニュイ地区では最も男性的であるといわれ、根強い人気を持つワインですので、いちどお試し下さいませ。リーズナブルな価格のものも多いですし、和食にも適しています。最後に。焼酎だって「酸化」します。とくに光に弱く、香りがすぐにダメになってしまいますので、直射日光は避けて下さいませ。それでは、今日も良きお酒に出会えますように。
2012年04月04日
今年は桜が遅れてますね。お花見の段取りもちょっと狂ってしまったなあ……という周囲のぼやきも聞こえるこのごろです。でも、まだ今からでも準備に間に合うぞ!と、前向きに考えましょう。そこで手っ取り早く、お花見向きのお酒をラインナップしてみました。麦焼酎「てぃあら」ほんのり桜色をしてます。きれいでしょ。桜の木桶で熟成させた麦焼酎は本格派というだけではなく、桜の香りが楽しめます。ロックで楽しむのもいいですが、シンプルにソーダで割って酎ハイにして楽しむもよし、です。シレーニ・ロゼ ニュージーランド・ホークスベイロゼワインは数あれど、最近の注目株はNZ。なかでも赤ワインの原材料となるシラーズ(シラー)を使ったコクのあるスパイシーなロゼは、ロゼの甘ったるさが苦手で、と仰る方にもおススメです。和食にも合いますよ。ヴィタ・カベルネフラン アイスワイン辛口が苦手な方には、ぜひ「飲む宝石」アイスワインを。こちらはとっても豊かなベリー系の香りと濃厚でいて後味さわやか。デザートにもぴったりです。厳しい寒さの下で摘まれるブドウから生まれたロゼ色の液体は、まるで春の女神のように穏やかな風味です。子宝「山形もも・さくらんぼリキュール」山形・楯の川酒造さんの子宝シリーズ。ももの甘さとさくらんぼの甘酸っぱさがうまくとけあってます。こちらもデザート代わりに如何でしょうか。さまざまなピンク色のお酒は、見ているだけで楽しそうで、どんな味かな?と期待が膨らみますね。今年の桜の満開にも期待しましょうか。
2012年04月03日
芸能人の格付け番組などで行われる食材やお酒の価格当て。ワインでは、よく「あのタレントがドンペリと間違えました!」なんて銘打ってプロモーションされてますよね。でも、実際本当にシャンパーニュのドンペリニヨンとスペインのスパークリングワインと誰もが間違えると思われます?ズバリ。プロは決して間違えません。常温でガス圧5気圧以上のシャンパーニュと3.5気圧ほどのカヴァの泡立ちと、各々のブドウ品種の違いがわからないわけはありません。プロでなくとも、泡モノを飲みなれた人なら判ると思います。ではなぜ間違えるのでしょうか。それは、たぶんタレントの皆さまは、ドンペリを飲むまでに他のアルコールを飲んでしまって感覚がマヒしてしまったまま、その味を記憶している。あるいは、ドンペリなんてザラに飲めるのでたいして味を意識してない。……と、そんなところではないかと想像します。テイスティングという作業は、ただお酒を漫然と味わうのではなく、五感をフル活動させてお酒そのものを追跡、分析、そして表現するので、かなりの集中力が必要です。それこそ、おしゃべりなど出来ませんしね。でも、テイスティングの本質は「アテモノ」ではありません。品種や銘柄、ヴィンテージを言い当てるのはあくまで結果であって、本来はそのお酒が健全で美味しく頂けるかどうか、またはどの状態で提供するのがベストであるかを見極めるのが目的です。ですが、たまにはクイズみたいにしてブラインドテイスティングしてみるのも面白いですね。焼酎にもテイスティングがあります。基本は、やはり清澄度や香り、味わい、アルコール度、原材料などを判別します。たとえば、青い野菜や草の香りが特徴なのは麦焼酎。オレンジなどのかんきつ系の甘い香りがあるのは芋焼酎……などです。同じ原材料でも、熟成タイプかそうでないか、麹の種類によってもかなり味わいが違ってきます。もし、ブラインドで焼酎の銘柄を当てたいと思われる時は、普段から香りや味わいのアタックなどに注意して飲んでみられるといいですよ。銘柄当ては相当難しいですが、産地くらいまでは判るようになってくると思います。基本的な二次原材料のわかりやすい焼酎をご紹介します。麦焼酎「銀座のすずめ」芋焼酎「阿久根 號」米焼酎「白岳しろ」黒糖焼酎「れんと」泡盛「カリー春雨」などです。ほんの一例ですが、私が焼酎アドバイザーを取得するときに参考にしていた銘柄ばかりです。ぜひとも、お試しくださいませ。
2012年03月16日
寒の戻りといいますが、やはり一旦寒くなりますこの季節。去年もホワイトデー直前に雪が舞いました。とはいえ、春の気配も近づいてはいますね。俳句の季語にも「鳥の声の艶めく」とある季節とあるように、近所の小学校の木々にシジュウカラがさえずる姿が見え隠れ。天神さんでは梅花祭も真っ盛りです。花見といえば、桜の花。ですが、江戸時代以前は梅の花。さらに遡れば、桃の花を見るのが花見でした。万葉の時代ですね。花見と言えば、お酒なのですが、実は清酒が一般庶民の口に入るようになったのも近代以降のことです。奈良~平安時代には、「御酒」と呼ばれる甘くてトロリとしたお酒は、宮中でしか飲用されず、一般庶民は酒粕を溶いたものを飲んでいたようですよ。梅乃宿酒造「あらごしもも」まるで、桃の果実を食べているようなとろとろのリキュールです。ロックでもいけますし、牛乳割りもおススメ。凍らせてシャーベットにしてもおいしい!同酒造からは「実りのスパークリング」シリーズとして、あらごしももスパークリングもラインナップされています。いつでもどこででもいろんな美味しいアルコール飲料が入手出来る現代に生まれてよかった!
2012年03月12日
皆様、いちごはお好きでしょうか?最近はスーパーマーケットなどに並ぶいちごの種類もぐんと増えてますね。あまおう、さがほのか、ももいちご、あきひめ、けんたろう、飛鳥ルビー、アイベリー、紅ほっぺなどなど……。全国各県で自慢のいちごがメジロ押し。いま、まさに旬のいちご。そんないちごの梅酒、【平和酒造】 鶴梅~いちご~ 梅酒と同じ浸潤法で造るいちご梅酒は、果汁同士のブレンドではなく、時間をかけていちごの甘みと旨みを十分に引き出した新しいリキュール。贅沢ですね~。実は、いちごの果実そのものがあまり得意でない私は、いちごはもっぱらアイスクリームやケーキ、リキュールで頂いてます。この「鶴梅いちご」ただ甘いだけではなく、酸味のバランスもいいので後味もさっぱりしてます。ロックでいただいても美味しいのですが、牛乳割りがおススメです。アイスクリームにかけるという手もあります。ヨーグルトと混ぜて冷凍庫に入れ、デザートぽくする方法もいけました。ホワイトデーのプレゼントにも、まだ間に合いますね!
2012年03月09日
不肖、焼酎アドバイザーですが、泡モノも好きです。泡モノをおススメする時には、やはり当人の体験というものがモノを言います。スティルワインほどセパージュ(ブドウ品種の配合)や産地、造り手、ヴィンテージなどで想像しながらこういう味だろうと言い切ってしまうことは出来ませんし。それを口実に世界の泡モノを飲みまくる、という日々です。泡モノの頂点に君臨するのは、もちろんシャンパーニュです。美味しいんだけど、普通のスパークリングとシャンパーニュと何が違うかと訊かれても、「フランスのシャンパーニュ地方産のもので、ガス圧が5気圧以上で……」というソムリエ教本そのままの説明ではイケてません。こんなとき、シャンパーニュならではのうってつけの説明方法があります。ザッツ・エピソード語り!「G.H.マムはF1の表彰台で使ってる公式シャンパーニュです(もしくは「君の瞳に乾杯」のアノ映画で出たシャンパーニュですとか)」「ランソンは英国王室御用達ですよ」「パイパー・エドシックはマリリン・モンローが大好きだったシャンパーニュなんです」とかなんとか。ほとんどのグランメゾンと呼ばれるメーカーで生まれるシャンパーニュには、そういうセレブ絡みの逸話があります。今年のホワイトデーにシャンパーニュをお返しにしようと計画されている皆様には、ぜひそれぞれのシャンパーニュのエピソードをソムリエやアドバイザーに聞いてみて応用して下さい。ひと味違う楽しみ方にもなります。さて。今回は、私の好きなシャンパーニュの一つをご紹介させて頂きます。まずシャンパーニュの前に一冊の本のご紹介です。梨木香歩訳『ある小さなスズメの記録』(クレア・キップス著 文芸春秋 2010.10)第二次大戦下のロンドン。傷ついた野生の小雀を拾った老婦人が、あふれんばかりの愛情で育て、共に暮らし、最期をみとるまでの実話記録。文章そのものは、淡々とつづられていて、まさしく「記録」なのですが、そこに描かれたキップス夫人のクラレンス(スズメ=イエスズメ)に対する愛情は、見返りや依存などこれっぽっちもない、偽りない尊いものだとわかります。それに応え続けたクラレンスの12年というスズメにしては非常に長い生涯。たった25グラムしかない小さな命が私達にもたらしてくれる感動は、涙なしには読み終えられませんでした。仕事で電車に乗っていた時、この本の前の訳本を読んでいたのですが、ぽろぽろ涙がこぼれ出て来て、周囲の人に不審がられる有様でした。法律では禁止されているのですが、私の実家でもスズメを7年ほど保護していたことがありますので、思い入れはひとしおなのです。スズメの賢さは、当時一緒にいた犬以上で、ケータイ動画も見て喜ぶし、果物の皮を剥いて欲しいと言って甘えて来たり、かわいい存在でした。晩年のクラレンスが軽い脳梗塞や便秘を患ったとき、キップス夫人が獣医師に言われて与えたのがシャンパーニュ。何と、クラレンスはシャンパーニュのみ受けつけたのです。(理由は知りませんが、鳥の外傷や内臓疾患にはワインはよく効きます。実家でもよく飲ませていました)写真が残っているのですが、そこに写っているボトルは、「ポメリー・ブリュット・ロイヤルブルー」贅沢かもしれませんが、理由があります。ポメリーといえば、ブリュット・ナチュール。ブリュット・ナチュールといえばポメリー。というように、19世紀前半までは甘口が主流だったシャンパーニュに「辛口革命」を起こし、一大消費国である英国にあっという間にブームが広まりました。つまり、「辛口シャンパーニュ=ポメリー」という構造が出来あがっていたからです。現代の我々が辛口ビールといえばスーパードライという感覚と同じです。ポメリー・ブリュット・ナチュールは、スタンダードな辛口といえども味わい深いシャンパーニュで、和食にも合います。人間だけでなく、スズメも愛飲したシャンパーニュ。ぜひ、未読の方はクラレンスの物語と一緒に味わってみて下さいませ。
2012年03月02日
過日、料理研究家のコウケンテツさんのクッキング教室をのぞく機会がありまして。もうそれはそれは、マダムもお子様もコウさんに釘付けでした。スマートでカッコいい手つきでフライパンを返す姿は見とれてしまいます……いや、お顔ではなく手元を見てね(笑)、と心の中でツブやきながらこっそり拝見させて頂きまsた。このときのお料理冬野菜中心の炒め物でしたが、いつも私が家庭で参考にさせて頂くレシピは、やはり韓国風の味付けが多いですね。本場の味付けがあまり得意ではないので、コウケンテツさんの日本人になじみやすいレシピはとっつきやすいです。「かつおのたたき」なども、たまねぎを敷き詰めて、ヤンニョム(にら、白ゴマ、しょうゆなどをつかったたれ)をかければ、あっという間に韓国風に。「大根と牛肉のナムル」などもちょっとしたおつまみにもごはんにも合う。そして、こういった調味料が生き生きしたお料理にあうお酒といえば……焼酎。正春酒造「逢初 Blue」宮崎の芋焼酎です。地域柄、宮崎の芋は比較的あっさりめ。その中でもひときわクリアなお味です。すっきりした芋の香りにのどごし。芋焼酎ビギナーにもおススメ。アルコール度数も低めなので、女性も好まれるとか。クセがきつくなく、それでいてコクもあってどんな料理にでも合わせられる焼酎です。同じく「逢初 麦」もクリーンな味わいです。やさしい味わいが料理の妙を壊すことなく楽しめますよ。
2012年02月28日
そろそろ「白酒」が出回る季節になりました。関西では出荷も始まり酒屋さんの店頭に並んでます。「しろざけ」は、「あまざけ」ではなくアルコールが入った飲料ですので、お子様にはNGです。残念ながら。子どもの頃は、それでもオトナのまねして「しろざけ」が飲みたくてしかたありませんでしたね。そもそもお酒は「清酒」とわざわざ呼ぶことからも、「にごり酒」がスタンダードです。いわゆる「どぶろく」ですね。今はどぶろくを無断で製造することは出来ませんが、昔は田舎では密造酒的に造っていたと聞かされたことがあります。査察が来ると、床下に隠したりとか。うーん、いつの時代でしょうか……。ともかく、わざわざお酒を濾過するのは非常に贅沢で手間のかかることなのです。「清酒」が全国的に流通し始めたのは、江戸時代からです。「下り酒」という言葉は、摂津池田や伏見などの上方のお酒が江戸に運ばれたことから来ています。「下らないもの」という言葉の語源でもあります。それまでは、各々の地方で酒造りが行われていたわけですが、わけても室町~戦国時代にかけての「練り酒」「しろざけ」。これは全国各地の僧坊や神社などで盛んに造られたようです。ヨーロッパ(修道院)におけるワインもそうなのですが、酒類は神事、祭事に深くかかわっているという性質上、宗教関係者の手に委ねられていたのです。「練り酒」の中でも、とりわけ上等とされたのが「博多練酒」です。キメの細かい喉越しなのは、「絹」でお酒をろ過しているため。荒いもろみは残っていないので、どぶろくのようにドロドロではなくなめらか。甘酒とはまた違う風味で、白酒よりもアルコール度数は低い(3パーセント)ので酒臭さはなく、ヨーグルトドリンクみたい。これは、室町時代の酒造技術を記した「御酒之日記」の製法から再現したものだそうですが、当時の技術の高さを十分に感じられる逸品です。「上さに人のうち被(かず)く 練貫酒のしわざかや 彼方(あち)よろり 此方(こち)よろよろよろ 腰の立たぬは あの人のゆえよなう」と、室町時代の俗謡を集めた「閑吟集」に博多練酒の記述があります。歌の意味は、「着物の上からうち被る練貫小袖ならぬ練酒をたくさん飲んだからでしょうなあ。あっちへよろよろ、こっちへよろよろ。足腰も立たないほどにメロメロにされたのは、全部あの人のせいですよ」。男性が、想いを寄せる女性に杯を勧められて何杯も飲みまくってしまった、という情景と解釈されてます。が、別の見方をすれば、言い寄られた女性にとっては好みのタイプじゃないし相手にしたくないから、酔い潰してしまえ、って感じもアリですか?アルコール度数3パーセントのお酒で酔う、って相当な量を飲んでますね。「うち被く」とは、「着物を被る」と「頭からかぶるように飲む」という意味をかけてますので。ところで。皆様お気づきになられたでしょうか。面白いのが、俗謡の語尾につく「なう」。「~なう」は、500年前からあったんですよ!たとえば、「憎げに召さるれども 愛ほしいよなう」(あの方はいかにも冷たいそぶりをなさるけれども、そこがまたカワイイんだわ)というツンデレの歌。「つぼいなう つぼいなう」坪井NOWではありません。「可愛い(=つぼい)なあ 可愛いなあ」という意味。こういう「なう」が「閑吟集」にはいっぱいです。ただし、この時代の「なう:nau」は音読すると「のう:nou」ですが。。。練酒の飲み方ですが、度数が低いので食前酒にも向いてます。食紅や赤紫蘇などでピンクに染めるもよし、キンキンに冷やして飲むもよし、です。
2012年02月09日
もうすぐバレンタインですね。今年はひと味違った演出を、と思われるみなさまにちょっとだけヒント。。。チョコレートリキュールを使ったカクテルレシピのご提案です。材料は、1、ゴディバチョコレートリキュール 30ml2、麦焼酎いいちこ 15ml3、生クリーム 15ml1~3をシェイカーでシェイクするだけ。トッピングにトリュフチョコを添えるか、少し削ったチョコレートをかけてみてはいかがでしょうか。オレンジピールも合いますよ。簡単です。名前はあえて付けません。その場で、あなたのお好みの名前を付けてあげて下さいね。たとえば、チョコリキュール使ってるので「いいチョコカクテル」とかいう安直な(笑)のもありますが、せっかくなのでロマンティックなネーミングを。レストランやバーで、このレシピでお願いします、というのもOKですよ。焼酎がない時はウォッカを代用してもいいのですが、度数が強いので気を付けて。世界でたった一つだけのチョコレートカクテルでバレンタイン。このカクテルが素晴らしいバレンタインのお手伝いになれば、幸いです。
2012年02月03日
惜しかったですね~錦織圭選手。テニス全豪オープン見ました。ベスト8でマレー選手にストレート負けしましたが、ニュースでもATPランキング4位のマレー選手を本気にさせたと絶賛。でも、確実に今後のステップアップにつながる経験だったでしょうね。私も若い頃少しだけ硬式テニスをやったことがあるのですが、とても3セット試合するのはしんどい(笑)。一度や二度のスーパーショットは誰でも時として出るんですが、初っ端から調子に乗ってるとすぐにバテてしまって、もう2セット目に行くまでにぐだぐだです。何といっても、コートの中をハンパないほど走りますから。つくづくスタミナが必要な協議だなあと実感しました。ちょうど私がテニスにはまってた頃、日本の女子トッププロだったのがクルム伊達公子選手。同年代で、憧れましたね「ライジングサン・伊達」。テニスやっててなんでこうもちゃうねん?というのと、世界で負けないスタミナと精神力。現役復帰したときもカッコよかったですよ。アラフォー世代としては、嬉しい限りです。そのクルム伊達選手と今回の全豪で混合ダブルスを組んだのも錦織選手ですが、19歳差ってこれもすごいですね。ところで、意外に知られてないんですが、クルム伊達選手の出身地は京都。「実は京女なんです」と御自身もインタビューなどで仰っておられました。一言で京女を表すならば「はんなり」ですが、芯が強いのも京女。普段は淡々としていて淑女然と見えますが、勝負となったら豹変するのも京女。そこが伊達選手の強さの源なのかもしれない、と思ったりするのですが。最後に。北川本家 米焼酎「はんなり」すごく売れてます。京都みやげに最適です。これが大好きで、とハマってしまった方も知ってます。今年は自宅で、「はんなり」でスダチ(スライス)を漬けて果実酒造りました。まろやかで美味しく出来あがってます。米焼酎の香りが苦手という方には、「はんなり梅酒」もおススメです。梅の味がしっかり出ていて飲みごたえ十分。
2012年01月25日
しょっぱなからビロウな話で申し訳ありません。先日、尿検査で「シュウ酸がちょっと多く出てますよ」と報告されまして。むむ、これはちょっと黄信号。何かと言いますと「腎臓結石」の気が出てきたということなんです。そもそも結石は腎臓の中に出来るのですが、それらが尿路に詰まって尿路結石とか呼び方が変わってくるのです。腎臓結石の大半は、シュウ酸カルシウム結石というものらしいんですね。食物の殆どに含まれているシュウ酸を大量摂取すると排泄しきれずに血中のカルシウムが結びついて石になります。原因としては、シュウ酸を含む飲食物の過剰摂取、慢性的なカルシウム不足、あるいは脂肪分を多く含む食事を続けた結果(こちらはシュウ酸結石ではなく脂肪由来ですが)、などです。働き盛りの40~50代男性に多いそうですが……。症状は個人差がありますが、私の場合は殆ど自覚症状がないままある日突然、熱と血尿がどばっと出て、「なんじゃこりゃあ」と泌尿器科へ行くと、「腎盂腎炎です」。その後。腎盂腎炎そのものは、薬でよくなったはずなのに依然として二週間以上潜血が続くので、しかるべき大学病院でエコーと造影検査して貰ったら(まあ、年齢とか自覚症状のなさとかで一応軽くサイアクのことを考えてしまうじゃないですかこういう時)、「腎臓に石があります。こことこことここ。それが動き出して、毛細血管を傷付けてたんでしょう」。処置は特にありません。小さいから。自然に出るのを待つ。「痛いんですよね。出る時」「痛いですよ尿路を通る時は。でも、膀胱は感覚ないですから大丈夫。来たなと思ったら、水分をたっぷり摂取して、一気に出して下さい」えー。……ま、いっか。造影剤しんどかったけど、サイアクの事態ではなかったし。それから約二ヶ月後。仕事帰りに某私鉄に乗ってました。左の背中が急に痛み始めました。ズキズキどころじゃないです。次第にひどくなって胸までむかむかしてくるわ、脂汗出てくるわ。「これは、まさかの結石?帰るまでもたないかも。T槻に着いたら這ってでも降りて、病院に行くか」と思いながら補助席で悶え苦しんでました。たぶん、周囲の人はすごく怪しんでたと思いますが。ところが、列車がT槻に到着する前にある瞬間からふっと痛みが遠のいたのです。その時、若い泌尿器科のセンセイの言葉がよみがえりました。「膀胱は感覚ないから」よっしゃあ来たああ。痛みも忘れて駅から降りると、当時近くにあったMドーナツ店に一目散。コーヒーをしこたま飲んで二時間ほど過ごし膀胱をパンパンにしてトイレへ。出ました。出る時も痛いんですが、男性に比べるとマシだと思います。とまあ、これが殆ど軽くて済んだ結石初体験です。ちなみに結石が出来やすいのは体質に依拠するものだそうです。私が生まれ育った地方は、全国平均を大きく上回る結石発症率だそうですが。しかしまだいくつか石が残ってるハズ。それもまた自力で出すのかなあ、と思っていたら。尿中にシュウ酸が多いのは気をつけねばなりません。体内がカルシウム不足になると、骨の中のカルシウムが血液に出ていく「カルシウム・パラドックス」という現象を起こし、血中カルシウム濃度が高まり、これまた過剰摂取したシュウ酸とくっついて結石になる。そういうわけで、カルシウム不足も結石の原因の一となります。じゃあ、シュウ酸が少なくてカルシウムが多い飲食物を摂れば予防になるということになりますよね。シュウ酸が多い食物の代表は、ホウレンソウ、ピーナッツ、みかん、煎茶、紅茶、ココア、チョコレートなど。私の好きなものばかりです(笑)。カルシウムが多い食品の代表は、切り干し大根、モロヘイヤ、ピーナツ、ごま、煮干し、タマゴ、ココア、ひじき、パルメザンチーズ、アイスクリーム、インスタントラーメン、抹茶、チョコレートなど。……あれ?カブってませんか、チョコ。どっちも多いなんて罪なヤツ。チョコレート。あ、でも。じゃ、諸手を上げて食べられますね、チョコ。結石が気になるというお父さんにも、将来結石が心配な彼氏にも「チョコはカルシウム多いから結石予防になるんだよ」と渡せますね(かなり強引)。前置き非常に長くて申し訳ありませんでした。焼酎チョコ。結石持ちの私、自分に贈りたいと思います。
2012年01月19日
新年を迎えました。本年もどうぞよろしくお引き回しのほどを。昨年は世界中、本当に大変な年でしたが、どうか今年の年末は皆さまが笑顔で締め括ることが出来ますように。。。新年早々風邪をこじらせてしまいました。クリスマス頃から調子が悪いなと思っていたのですが、病院はお休みですし、年始の挨拶や仕事など諸々の事情で自助努力に頼っていたら「気管支炎」になってたようです。薬はせきどめなどの対処療法でしかないので、休養をしっかりとることです、といわれてトホホな幕開けです(笑)。まだしばらく完治までかかりそうなのですが、いい感じにダイエットになっていっか…と前向きに考えます。それにつけても、どんなにしんどくてもお酒だけは飲み続けました。クリスマスの振る舞い酒からお屠蘇まで。味が変わっているのも、これもまた自分の体調を知るいい機会だとばかりにです。「今日は何飲んでも苦く感じる」「お、今日はやたら酸っぱいぞ」とか。その中でも、比較的味わいが変わらないお酒があったんです。それは、「梅酒」。苦みも酸味もそうおかしくない味わいでした。体調が悪い時はこれだ!と、思えましたね。まあ、風邪ひいてんのに飲むな、というお声もありましたが(笑)。河内ワイン「完熟エビス福梅」これはおススメです。全国区ではないのですが、関西では河内ワインといえば知る人ぞ知る。小さなワイナリーで生まれるこだわりの梅酒。完熟ゆえに濃厚。そして華やかな香り。毎年少量しか生産されないので、なかなか入手出来ないのが玉に瑕。ですが、関西ではめでたい「えべっさん」のラベルもにぎやかなこの梅酒、ぜひぜひ御賞味下さいませ。姉妹品の「寿老福梅」は古樽貯蔵でスモーキー。リッチな風味でオトナの梅酒。「弁天福梅」はブドウジュースブレンドでとってもフルーティでおしゃれ。「布袋福梅」はぷるるん果肉入り。食べる梅酒?「大黒福梅」は黒糖で仕込んだ濃厚な味わい。福々しさで風邪も吹っ飛んで欲しいですね。
2012年01月10日
私の職業はネクタイ着用です。女子なのですが。クリスマスに何となくうれしげにサンタクロースとトナカイの刺繍をほどこした真っ赤なネクタイを締めて行きました。おおぜいいた中で、気付いた職場の人2名。お客様3名。……う~ん。あえて人数の分母は言いませんが、ビミョー(笑)。クリスマス仕様のピンバッジの方に目がいったかな。話が盛り上がるアイテムとしては。その話をしていて、分析屋の知人が、「派手なネクタイをする人って、実際は目立ちたがりではなくて、誰にも理解されなくてもかまわない、他人のことなんてどうでもいいっていう唯我独尊型の人が多いらしいよ」と。はあはあ、なるほど。その通りなのかもしれませんね。当たってますよ、たぶん。ハデなネクタイをして自己満足に浸ってます。誰も気づかなくても。「なんでそんなにいろいろトライするの?おかしいでしょ」と、言われても人にどう思われようが関係ないというスタンスでないと、たぶん資格取得とかバイクとかパンとかカービングとか趣味に手を広げまくれません。では、地味なというかオーソドックスなネクタイをするひとは?というと。「自分が人にどうみられているか常に気にしている人が多い。あくまで、主体は自分。」なのだそうです。はてさて、どうなんでしょうか?女子のネクタイもしくはマニッシュな姿に萌え~という方におススメのお酒漫画がコレ。「ソムリエール」1-19巻~原作は数々のお酒漫画を手掛けてこられた城アラキ氏です。(ネーミングの由来って、城=シャトーとアラキ酒もしくはアラックでしょうかね?)絵柄も可愛らしく、紹介されているワインも某漫画よりリーズナブルで専門的なので、ワインやお酒に詳しい方も楽しめます。ソムリエと焼酎は無関係そう?……でもありません。レストランではビールも焼酎もカクテルもすべてアルコール飲料を取り扱うのはソムリエの役目ですし、ワインのことだけを判っていて勤まる職業ではありません。なかなか奥が深いのです。年末年始に一気読み、はどうでしょう?たぶんワインを飲みたくなる。ああ、ここに出てくるアルゼンチンの赤ワイン飲みたい~。キリッと冷えたピースポーターが欲しい~。やっぱ泡モノかなあ。と迷いながら。でも、焼酎のことも忘れないで下さいね。今回のおススメは、兼八の四ツ谷酒造がリリースする限定麦焼酎「栄花(えいか)」。間違いなく美味しい。こちらも年末年始にお楽しみくださいませ。
2011年12月27日
早いもので2011年ももうあと少しで終わりですね。お忙しいなか、みなさま如何お過ごしでしょうか?今年もいろんなお酒が話題に上りましたが、私自身もそれにやや振り回され気味な一年だったような気がします……。メディアで紹介されると、即次の日から公私ともに問い合わせが殺到!近いところでは、CX系バラエティ番組で取り上げられた山口県の「獺祭」ですね。「なんと読むのですか?」にはじまって「だっさいとはどうゆう意味ですか?」「どこで買えるんですか?」。まあまあまあまあ落ち着いて(笑)。世界遺産のTV番組で特集されたポルトガルのピコ島のワイン。こちらも「どんな味なんですか?」「入手して貰えますか?」わっかりました、まずワインの取り扱いのイチから説明しますね(笑)!という具合なのですが。お酒を買うのは実はけっこう難しいんですね。酒屋さんに行けばいいじゃん、と思って行っても実際その店舗で商品を取り扱ってなかったり、季節商品だったりして品切れだということも多くないでしょうか?そうなんです。そこは酒屋さんもしくはインポーターの諸事情で(オトナの事情というむきもありますが)、ルートが違えば入手出来る商品も価格も数量も全然違います。たとえば、私の住む関西地域では、北陸が近いからといって「黒龍」などの清酒が入って来るかと言うと品数は限られてます。むしろ中部地方~関東に行ってしまうんですね。東北のお酒も入手しにくいのが現状です。というようなわけで、インターネットショッピング!全国どこの清酒も焼酎も手に入ります。しみじみと便利さを感じます。あ。でも、けっして店頭販売のデメリットを強調するわけではありません。店員さんやソムリエさんの生のコメントやアドヴァイスが聞けるし、試飲も出来るという点でかなりのメリットがありますしね。最後に、今年おすすめして喜びのお声をよく頂いた麦焼酎をご紹介します。「舞ここち ブルーボトル」麦のさわやかな香りとすっきりした味わい。贈り物にも喜んで頂けたようです。
2011年12月22日
師走になりましたね。いよいよ寒くなりました。皆様風邪など召されてませんか?これから年末に向けて行事が目白押しです。何かと飲み会などの機会も多いかと思いますので、お体には気を付けて下さいますように。私からの年末のおススメ焼酎は、「梅乃宿 ゆず酒」です。梅乃宿さんといえば梅酒が有名ですが、このゆず酒もおなじみ。ホンモノのゆずエキスがたっぷり使われているので、瓶の内側にゆず油が溜まっているのが見えるほど。夏のリキュールのイメージがありますが、冬でも美味しい「ゆず酒」。少し燗をして頂いてもオツなものです。または、温かいお部屋で「クール生ゆず酒」を頂くのも。カルピスなどで割っても美味しいですよ~。鍋パーティでも大活躍間違いなしのゆずリキュールです。
2011年12月09日
イタリアの新酒ノヴェッロを頂きました!毎年11月6日解禁のイタリア版ボジョレー・ヌーヴォーなのですが、やはり新酒ならではのフレッシュなお味。軽快な口当たりなので、トマトソース系の料理がぴったりです。さて。皆様、今年のボジョレー・ヌーヴォーはもう御予約済みでしょうか?今年はいままでほど話題にはなっていませんが、天候も順調だったのでおいしいヌーヴォーになりますよ、という便りをフランスから頂戴してます。御予約された方も、解禁日に買いに行くという方も、皆様期待して待っていてくださいね。焼酎も実は11月が新酒の季節なんです。「赤霧島」などの解禁に始まって、プレミアム系焼酎は今が狙い目。ですが。敢えての今回は米焼酎をご紹介。濱田酒造「白の匠」珍しいのは「鹿児島生まれの米焼酎」というところです。「赤兎馬」や「河童」で有名な濱田酒造のつくる本格米焼酎。……と、聞くだけで味は間違いないだろうとご想像下さいませ。香りはフルーティかつ舌触りはまろやかでした。吟醸酒を彷彿とさせる軽やかさです。その秘密は「黒麹仕込み」。泡盛に使う黒麹だからこその柔らかい口当たりなんですね。う~んさすが濱田酒造さん、と思わずうなってしまいました。鍋の季節にもぴったりの米焼酎ですよ。
2011年11月09日
またまたワインの話題で恐縮ですが。。。この度、認定試験を受けまして、「ドイツワインケナー」に合格しました!詳しくは「日本ドイツワイン協会連合会」のHPをご参照下さるとお分かりかと思います。試験を受けようと思い立ったのが結構遅いといいますか、まったく無防備な状態で7月頃からいきなり準備をはじめました。正直、ソムリエ試験の広範囲に比べたら楽勝?と考えていたのが大間違い。なかなか手強いんです。「ドイツワインの輸出国でどの国が何位?」とか、「ミュラー・トゥルガウの生産面積が第一位の生産地区は?」とか、知りませんやん!(でもたぶん教本にはあったはず)……というような感じでした。むしろ当時は苦手分野だったものですので、ほぼ毎日過去問と単語帳を通勤時に手離さず、勉強しました。テイスティングもまあそれなりに、といいたいところですが、こちらはドイツワイン自体がリアルに買えるショップが少ないのとアイテムのヴァリエーションが限られているので難渋しましたね。それにしても、本番では自分の勉強の至らなさを感じて「ダメかも」と思い、帰りに某百貨店のワインフェスティバルでヤケ酒飲みまくっていたほどでした。とりあえずはひと安心です。来年はさらに「上級ケナーをめざして下さいね」という合格通知に「えー。また勉強するのか……」とぼやきながらも、鉄は熱いうちにというコトワザもあるので鋭意検討中です。応援して下さる方もいて下さって有り難い限りです。そんなドイツワインに目覚めた近頃。おススメしたいのが、やはりドイツの赤ワイン。バーデン地域はフランスのアルザス地方と国境を接するワイン生産地です。歴史的にも一時期フランスであったという経緯から、ブルグンダー種(フランス・ブルゴーニュ由来の品種)が多く栽培されています。シュペートブルグンダー種はピノ・ノワールと同種で、つまりこれから生まれるワインはブルゴーニュを代表する赤ワインと類似の味わいです。しかも、ドイツのワインの90パーセントはQbaという高級クラスですので、価格は通常のQbaに相当するACブルゴーニュを買うことを思えば、同じ価格で同等以上の味わいのものを飲めるのです。お得ですね。テイスティングでも使ったベルンハルト・フーバー醸造所の「シュペートブルグンダー・ユンゲレーベンQbAトロッケン」は、辛口でエレガントな味わい。樽の香りをうまくきかせたヨーロピアンスタイルの造りも、バーデンでは最近の流行です。和食にも合います。すき焼きとかおでん、炊き合わせのような繊細な下味のものにもばっちりです。同じくフーバー醸造所の「ヴァイサーブルグンダー」こちらは、フランスでいうピノ・ブラン種です。樽香も豊かで少しナッツの感じ。シャルドネにもにたミネラル感があって、それでいて酸味があるので後味にキレがある。少し重めの白が好きな方にはぜひ。今の季節ならクリーム系のお料理にぴったりですね。今年はなでしこJAPANがWカップホスト国のドイツでも大絶賛されたことですし、ドイツの方は多くが親日的。日独交流150年ということでイベントも多く開催されています。ぜひこの機会にドイツワインに親しんでみられては如何でしょうか?
2011年11月04日
焼酎アドバイザーなのですが最近ワインばかり飲む機会が多く、といいますかほぼ毎日仕事でテイスティングしています。「お安くて美味しいワインを教えて下さい」は、ほとんどあいさつ代わり(笑)。一時期は「バリュー・ボルドー」といってSOPEXA(フランス食文化振興会)のおススメや知人の関係もあり、フランスはボルドーのお値打ちワイン(1000円~2000円台)をご紹介させて頂いていました。その次はニューワールド・オーストラリアです。オーストラリアも多彩なブドウ品種で面白いのです。特に注目株はタスマニア州。で、今年からはラティーノ中のラティーノ!スペインとポルトガルです。以前からその兆しはあったのですが、スペインは世界のワイン市場の中心である英国で、ここ一、二年で急激に評価を高めて来ました。昔からの銘醸地リオハや四人組の革新で有名なプリオラートはいうまでもなく、テーブルワイン中心だったラ・マンチャもぐんぐん品質をあげていて、アイレン種の爽やかな白ワインはリーズナブルで美味しいものがたくさん輸入されてきています。筆頭格は、レバンテ地方(南部地中海寄り)のイエクラ、フミーリャ。レバンテはかつては若飲みワインがほとんどだったのですが、近頃は軽くてフルーティな赤ワインから樽で熟成させた重厚なモナストレル種使用のがっつり赤まで多彩。それも1000円台で楽しめます。フミーリャは、1980年代以降にフィロキセラ(ブドウ根アブラムシ)の被害をこうむし、漸く立ち直り始めた地域です。そこでモナストレル種中心の濃厚でコクのある赤ワインがリリースされ、日本でも今話題になりつつあります。ポルトガルはといえば、酒精強化のポートワインやマディラは有名ですが、それ以外はというと?あまりピンと来ませんよね。よく飲まれる方で微発泡の白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」を御存じかと。もっと昔なら「マテウス・ロゼ」。首都リスボンの付近にはカルカヴェロスとセトゥーバル、ブセラス、アルーダなどのワイン生産地があります。ところで、リスボンは「1531年、1755年リスボン地震」など多数の地震に見舞われた土地です。とくに1755年には地震にともなう15mの大津波によって6万人の人々が命を失っています。「♪ラ~ラ~ララ~ラララララララ~消~臭~力~」のCMの天使の歌声の少年(ミゲル君)のバックには、リスボンの美しい街並みが。CMには今年未曾有の大震災に遭った日本もリスボンのように復興して欲しいとの思いがこめられているとか。フィロキセラと津波。ブドウ畑にとって大きな被害をこうむりつつも、復興を成し遂げ、こうして日本に住んでいる私達がこれらのワインを飲めるのは、素晴らしい運命です。「ワインを飲むとき、それは精神の一撃を飲んでいるのだ」と言ったのはボードレールですが、まさにその通り。私達は多くのワインに携わる人々の精神がしみ込んだあのたゆたう液体を飲んでいるのです。復興への祈りをこめて。そんな言葉でもって、私はスペインとポルトガルのワインをおススメしています。
2011年10月27日
秋も深まりましたね。京都の山々はひと雨ごとに紅葉に近付いているように見えます。皆様いかがお過ごしでしょうか。仕事の休憩時間に屋上にやってくる小鳥たちに食事を分けていたら、いつしか毎回おまちかねのごとく催促されるようになりました。「リアルとりぱん」状態です(※「とりぱん」はとりのなん子氏の講談社モーニングに連載中の漫画です)。お腹がすいている時など私が移動すると追いかけてくるほどに。しかも、スズメさんたちには直に手からあげることが出来ます!かわいいですよ。周囲には「そんなことが出来るのはあなただけ(笑)」と言われてますが、彼らはなかなかグルメです。人間に近付くハイリスクを冒して貰えるものは美味しいものでないとダメ。食パンの耳では満足してくれません。おやつのバウムクーヘンとか栗きんとんとか、自家製のチーズ入りベーグルとか。有名パティシエのシュークリームまで食べてます。でも、なぜかいちばん食い付きがいいのは、某コンビニのパンなのですが……。やってくるのはハトやスズメ、セキレイ、ヒヨドリという都会によくいる面々なのですが、近頃カラスも近づいて来るようになりまして。物欲しそうにガアガア鳴いて毎日まいにちうろうろ遠巻きに無言の圧力をかけて来ました。さすがに周囲のこともあるしカラスに餌付けはまずいだろうと、必死に目で「お願いだからあんまり近づかないで欲しい」と訴えるも、ついにスズメの取りこぼしたパンを拾ってしまいました。ですが。「しまった。次からもっと強引に来るかも」と思いきや、すっかりおとなしくなったのです。翌日からはやはり姿を見せるものの、スズメが貰っているのを見ているだけで、たまに取りこぼしを拾うくらい。ときにはじっとこちらを見ながら居眠りまでするように。理由はよく判りませんが、よく見てるとカラスも可愛い顔をしてるので、邪険にせずそれからは「ハシブト君」(ハシブトガラスなので)と呼んでます。ハシブト君には私の気持ちが通じたのでしょうか。カラスは賢い鳥です。ロンドン塔には昔から「塔からレイブン(ワタリガラス)がいなくなると、英国は滅びる」という言い伝えがあり、「レイブンマスター」といって英国の象徴であるワタリガラスの世話をする係がいるそうです。日本でも三本足のヤタガラスは神の使いとして崇められて来ましたね。清酒の銘柄にもなってます。そして、焼酎にもズバリ「からす」があるんです。黒麹仕込みの麦焼酎「からす」。麦独特の香ばしい香りと黒麹全麹だから出せるまろやかなアタックが生きてます。ボトルデザインもシックでお気に入りです。シャンパンやビールを飲む鳥はいるそうですが、からすは焼酎は飲むんでしょうかね?
2011年10月18日
みなさま、いよいよ秋ですね。秋の味覚といえば、いろいろありますが、なんといっても「栗」。栗大好きな私にとっては、待ちに待ったシーズン到来です。栗にはそもそも4種類あります。マロングラッセを代表とする「ヨーロッパグリ」、あまり見たことがないのですが「アメリカグリ」、天津甘栗で有名な「チュウゴクグリ」、そして「ニホングリ」。日本の栗は甘みがやや少なめなので、お菓子だけでなく栗ごはんや渋皮煮などの料理にも使われて用途も多種にわたるのが特徴です。なんといっても、焼酎ユーザーにとっては「栗焼酎」。無手無冠「ダバダ火振」高知を代表する焼酎といえば、コレですね。むしろ、栗焼酎といえば「ダバダ」といっても過言ではないほど名前も知られるようになりました。ほんのり甘い香りと口に含んだときのアタックは最高ですね。ストレートでも美味しいですが、この季節からはお湯割りで。湯気から立ち上るふんわりやさしい甘い香りがなんとも癒し系。それに、焼酎とはちょっと違いますが、栗の果実にはもともとカリウムが豊富に含まれているので高血圧予防や動脈硬化などに効果があります。疲労回復に役立つビタミンB1、細胞の成長を促進し老化防止するビタミンB2、アミノ酸の合成や代謝に必要なビタミンB6なども豊富に含まれています。夏の疲れが出てくるこの時期に栗のお菓子が欲しくなるのも当然なんですね。栗焼酎の一杯で秋の夜長をゆっくり過ごしませんか。
2011年09月26日
ここのところ、原因不明の体調不良に悩まされていまして……重い腰をあげて病院に行くと、とある診断を頂戴しました。「IBS=過敏性腸症候群」です。最近CMなどで喧伝されてましたが、「まさか自分が?」の境地です。いわゆる混合型というやつらしいです。尾籠な話で申し訳ありません。仕事中はいたって普通なのですが、休日になるとお腹が痛くなって午前中ずっと外出もままならないとか、用事があって出かけてもトイレはどこかつねにチェックしないと落ち着かないという有様だったので、困ってました。「仕事中は過度に緊張していて、それが解れると気が緩んでお腹が痛くなるというパターン。それもおもにストレス性ですから」ドクターに言われて、目からうろこ。本人は気にしてないつもりでも、実は肉体の方が根をあげていたということですね。体はウソはつきません。で。原因がわかると、次第に体調が良くなってきましたので、これも実に現金な話です。とまあ、お酒に関係のない話で始まってしまいましたが、やはり適度なストレス解消は大事です。暴飲暴食はいけませんが、お酒を頂くのも、ある種のストレス軽減になります。最近ハマっている焼酎がコレ。「人夢可酒~ひとむかし~ 」「百年の孤独」と並び称され、西の横綱と言われているプレミアム焼酎です。製造量は百年の孤独の数百分の一と言われてます。永い年月静かに眠らせた、個性の違う熟成原酒をブレンドして「人夢可酒」の基本原酒にしているそうです。この基本原酒を、独自製法熟成原酒で濾過や色合いの微調整を行い、ごく微量の蔵元秘伝・唐芋原酒で風味を整えています。原酒ですので、もちろんとびきり濃醇なのですが、ただ濃いだけではありません。口に含むと複雑な味わいが広がります。この甘み、旨みはどこからくるのかな?と探っているうちになくなってしまうので、ついまた一口……。けっしてお安くはないのですが、ゆっくりじっくり楽しむお酒としては、価格以上の値打ち十分です。IBSは日本人の10人に一人が罹患しているとも言われます。ストレスのせいばかりにしたくはありませんが、何分人生にはいろいろあります。体が「ちょっと休めば?」と言っていると思って、何もしない時間を作るのもいいかもしれません。そんな秋の夜長に。ストレス解消に、静かな時間を過ごすお供にぜひ焼酎を。
2011年09月21日
9月の声を聞きました。関西地域では、朝晩涼しい風が吹くようになりましたが皆様如何お過ごしでしょうか。日中暑くて、一日の中で温度差のあるこの季節こそが体調を崩しやすい時期ですよね。夏の疲れがそろそろ出てくる頃でもあります。そこで、焼酎選びにも少し気を遣って、ここ数日ばかりは「黒糖焼酎」をおススメしております。黒糖焼酎「ブラック奄美」40度40度もあるのに……と思いがちですが、とても飲みやすい。のどごしもスルリといった感じです。独特の甘みとコク。樽のフレーバー。そして、焼酎はワインなどと違って見た目の色彩を楽しむものではないのですが、務即透明なグラスに入れたとき、うっすら青味がかって見える液面もなぜかノスタルジックで、奄美の海を思わせます。黒糖焼酎には原材料由来のミネラル分が豊富です。夏の間に失われたミネラルを補うつもりで、黒糖をなめながら焼酎も頂くというのもなかなか乙なものです。豚の角煮や肉じゃがの下ごしらえに少量つかうと、お料理も一味違ってきますよ。
2011年09月08日
立秋を過ぎお盆になりましたが、暑さまだまだまっ盛り。いかがお過ごしでしょうか皆様。焼酎もいいのですが、本日はおススメ夏向け白ワインのご紹介です。ワインというと、ついついきちんとしたグラスや提供温度が気になるものですが、私の場合は結構何でもアリです。よくヨーロッパの方がやってますが、白ワインに氷を入れる。あるいはソーダ(炭酸水)やペリエのようなものでワインを割って飲む。好みのフルーツを軽く漬けこんで飲む。全部、大アリの飲み方です。ちなみに、砂糖を加えて冷凍庫で凍らせてシャーベットにするのも美味しいです。風呂上がりに最高。猛暑のこんな時に飲むのはワインの中でも特にアロマが高いソーヴィニヨン・ブラン種主体かキンキンに冷えたスペインのカヴァがいいのですが、私のお気に入りは、ゲヴュルツトラミネール。ドイツ語でゲヴュルツは「薬草、薬味」の意味。トラミネールはトラミナー種。イタリア原産のトラミナー種から生まれた薫り高い品種です。香りはライチや黄桃、バラのような芳香。ソムリエ試験のテイスティングの勉強には必ず出て来ます。フランス・アルザスやドイツ、カナダ、オーストラリア、イタリアなどで主に造られています。このゲヴュルツときたら、アロマが強いのでガブガブ飲むわけにはいきません。芳香もともかく、後味に少し苦みがあるのが特徴ですので、合わせる料理も一苦労。スパイシー系かデザートか。よくあるのがカレー。パエリアやタンドリーチキンなどもいけます。でも、どうしても単独で飲みたい。ガブガブ飲みたい。そんな時に思いつきました。「同じような色に強烈な味わいのこの飲料を合わせてみよう」栄養ドリンク。試行錯誤の結果、ゲヴュルツ1:栄養ドリンク3が比率の限界のようでした。(それ以上ゲヴュルツが増えると苦みが増してサイアクの味です。あまりに薬品臭いドリンクもNG)だまされたと思ってお試し下さっても、ゲテモノ好きと思われても構いません(笑)。腰に手を当てて風呂上がりに飲める、ゲヴュルツトラミネールの新しい楽しみ方です。
2011年08月12日
台風一過ですが、なかなか晴れ間のない近畿地方です。この夏、なぜか芋を育てることになってしまいました。貰いものの紫芋ですが、仕方がない(?)のでベランダの空いてるプランターにうずめておいたのですが、ここ数日でぶわーっと緑の葉っぱが魔法のごとくあふれかえってるんです。「おそるべし紫芋!ていうか、さすが飢饉のときも大活躍しただけのことはある。何の肥料も与えてないのにこの繁殖力は」と、感心してしまいました。思えば、さつまいもを育てたのなんて、幼稚園の時以来です。じゃがいもは頻繁に育ててますが。あとは、ベランダに来るスズメさんが芋のプランターを砂浴び場にしなければ、無事に育つと思います。スズメさんたちには時々チューリップの球根などを掘り返されてるので(笑)。収穫が楽しみですが、そのあとまさか焼酎にするわけにはいきませんね(^^;;とりあえず、芋が出来るまでは芋焼酎でガマンガマン。
2011年07月22日
やりましたね、なでしこJAPAN!ワールドカップ優勝。寝てしまったのですがTVをタイマーにしていたので、ちょうど延長戦の時間に音量で目覚めました。PK戦はどの試合を見てもドキドキしますが、なでしこの皆さんはすごい落ち着き様で見事にキメてくれました。感動しましたね~。今日はもう言うことありません。なでしこJAPANへの祝杯を。こういうカクテルをソッコウ考えて作ってみました!麦焼酎(なでしこ) 10mlブルーキュラソー 15mlコアントロー 10mlレモンジュース 10ml以上の材料と氷をシェーカーでシェイクしてグラスに注ぎます。グラスの端にマラスキーノ・チェリーを飾って出来あがり。色はJAPANブルー。チェリーは日の丸です。麦焼酎はもちろん「なでしこ」。なでしこ酵母を使った壱岐の麦焼酎です。やさしい透き通るような香りで後味もすっきりの焼酎です。低温仕込みで繊細ながらもいい仕事してます。少し甘酸っぱくて、夏にぴったりのカクテルに仕上がりました。日本女性の真の力を世界に知らしめてくれただけでなく、感動と希望をくれたなでしこJAPANに乾杯!
2011年07月18日
今年の梅雨明けは早かったですね。京都では、祇園祭真っ只中です。毎年、山鉾巡行が終わる17日あたりに梅雨明けなのですが、あまりにも早すぎて何だか拍子抜け。巡行本番はかなりの暑さかと予測しながら、毎日鉾が組み立てられていく様子を眺めつつ出勤しています。さらにほうぼうで節電のため、涼む場所に困り、いきなりの暑さと湿気にまいっている方も多いのではないでしょうか。私個人的には、酒飲みのくせに胃腸が弱く、毎年のようにこの時期急性胃炎や胃痙攣を起こしてしまいます。クーラーが苦手なのと、結石持ちなのでついつい水分過剰になってしまうんですね。結果、冷たい飲料の取り過ぎで内臓が冷え、胃酸が薄まって消化不良を起こすわけです。医師のアドヴァイスから、なるべくは温かい飲料を摂取していますが、こう暑くては温かいもの、常温の水分ばかりも摂っていられませんので……というのは言い訳なんですが。こういう時は、昔の人々の知恵をお借りしましょう。夏場の栄養補給に「甘酒」です。天領酒造「造り酒屋の甘酒のもと」ノンアルコール。飛騨の造り酒屋さん天領酒造の甘酒のもとです。岐阜県特産の酒造好適米「ひだほまれ」を使っているので、この甘酒の甘みは、砂糖を加えた甘みではなく、米のデンプンが麹の働きで糖化されてできたブドウ糖の甘みです。麹菌が繁殖する時に、ビタミンB1,B2,B6やパントテン酸、イノシトール、ビオチンなどすべての天然吸収ビタミン群を作って米麹に蓄積させ、甘酒になります。甘酒というと、寒い時期に飲むというイメージがありますが江戸時代のころには、夏の飲み物だったとか。夏になると、江戸の往来を天秤棒をかついだ甘酒売りが売り歩き、夏の風物詩となっていたそうです。滋養が豊富なので、夏バテ防止や栄養補給にいかがでしょうか。飲み方もいろいろ。水割りもあれば、牛乳やヨーグルトに加えるのもよし。凍らせてシャーベットも。アルコールが欲しいと仰る方には、天領酒造の米焼酎「天真」で割ってカクテルに。私は、ゆずリキュールで割って頂くのにハマってます!おいしいからといって飲み過ぎると、また胃腸に負担がかかってしまうんですけどね。
2011年07月13日
節電の夏、キンチョーの夏です。7月になりましたね。先月末からとても6月とは思えない暑さで、「ビールでも飲まないとやってられん!」な日々が続いておりますが、焼酎党の皆さまは如何お過ごしでしょうか。私の近況ですが。酒類を扱う人間にあるまじきことになってしまってました。口内炎になったついでになぜか歯が痛くなり、冷たい物を飲むと歯茎および歯にしみる。「まさかの知覚過敏?シュ○テクトせなアカン?」と疑りつつ、四五日経っても改善されず、痛みは歯全体に広がる一方。何を食べても風邪をひいたときみたいにはっきりしない。甘いか辛いかそういう大雑把な感覚で、おそらくどんな三ツ星レストランの食事を出されても280円牛丼でも同じだろうという感じ。肝心のテイスティングも一様に金属臭のような後味が気に障るし、微妙なニュアンスがわからない。と、漸く我慢しきれなくなって歯科医院に。が、レントゲンを撮っても異常なし。「歯肉炎です。立派な」歯科医の先生から断言されました。「歯石がびっしりなんですよー。歯の先の方はきれいに磨けてるのに、歯茎との境目がねー。ほら、ここのところ歯肉が浮いてプカプカしてるでしょう?ここもここも」ここも、とダメ出しだらけ。歯茎はきれいなピンク色だったと思い込んでいたのに……。でも、そういえば最近歯磨きしたら血が出てたような気が。歯磨き粉とか歯ブラシとかのCMで「大人の○○割りは歯周病」と言ってるのはまるで他人事。まさか自分がなるわけないよ、と思っていたのに。とにかくショックだったんでしょう。先生は、「でも、安心してください。虫歯はありませんからね」と、慰めのお言葉を下さいました。そういうわけで、まだ完治せず歯医者通いです。しかし、音波歯ブラシを使ってるからといって過信は禁物ですね。細かいところは昔ながらのアナログ磨きでキチンと磨いた方がよさそうです。前置きが長くなってしまいましたが。7月といえば七夕です。近頃、七夕を「サマーバレンタイン」と称してカップル同士がカジュアルな贈り物をするのが流行っているとかいないとか?遠距離恋愛や単身赴任などで、一年に一度の逢瀬の方もいらっしゃるかもしれません。せっかくの七夕にかこつけてこの際盛り上がってもよさそうですよ。そんな七夕におすすめしたい焼酎は、やはりこれ。田崎酒造 芋焼酎「七夕」芋焼酎の中でもかなりマイルドな口当たりのお酒です。ですが、飲みやすいだけではなくコクもしっかり。芋の香りもフルーティ。とくに蔵元の仕込み水を使った前割り焼酎はおススメです。あらかじめ割ってあるので水がアルコールになじんでいます。今の時期なら、鱧の天ぷらやウナギも合いそうですが、ギョーザやニラまんじゅうもいけます。ごまだれで頂くと最高です!七夕の夜、ちょっとくだけた「サマーバレンタイン」のディナーにぜひ焼酎で乾杯を……。
2011年07月01日
雨もよいの日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。いよいよお中元戦線も始まりまして、酒類業界の我々帰宅するとぐったりの毎日であります。とりわけビールギフトに関して、今年は3月の大震災の影響もあり、東北にあった工場が甚大な被害をこうむった為に製造中止の銘柄も多く、対応にあくせく。しみじみと日本は一つながりだなあ、と日々感謝と反省です。はばかりながら、焼酎アドバイザーの私、酒類専門の仕事に就いてまだまだ若輩者です。きっかけは8年前にワインエキスパートを取得したところに始まります。とある集まりに出席した時のことです。同席の御一方がワイン好きで、食事の席にやたらと上から目線でワインの知識をひけらかす(いわゆるワインスノッブ)ので、ムカムカしたんです(笑)。「この人になんでエラそーに言われなアカンねん。食事がまずなるわ。みんなよう我慢出来るなあ。何がボルドーかカベソーか知らんけど、そのうち一回ぎゃふん言わせたる」と、まあ非常に不順な動機で日本ソムリエ協会の試験を受けるべく勉強したわけです。御蔭様で資格を取得出来ました。いわば、そのムカつくスノッブさんの御蔭ではあるのですが(笑)、ぎゃふんと言わせる機会は未だ訪れていません。実際、そんなことはもうどうでも良くなってますけども。どうでもよくなった証拠に、酒の世界が面白くなってきて、次には「きき酒師」、さらに「焼酎アドバイザー」そして日本酒の上位資格である「日本酒学講師」まで取得してしまいました。以前は特殊な業種の営業マンで、ほとんど「働きマン」と化して残業残業、出張出張の毎日でした。企業に就職する前は研究者になるつもりで、大学に残っていました。おそまきながらの転職続きでどうなることかと思ってましたが、業種は違えど過去の経験がある程度生きてるのかもしれません。マルチタスクであることはいいことだと思います。その道一筋の人を見ると、やはり憧れが強まるのが日本人ですが、人生は寄り道回り道しながらいろんなことを経験しながら、いろんな人と出会いながら歩いて行くのも面白い。もの造り、酒造りの世界も意外と異色の経歴を持つ方が少なくありません。造り手のさまざまな経験がその酒に生かされているなあと感じることも多々あります。たとえば、国分酒造の「がらるっど」鹿児島弁で”しかられるよ”と言う意味の芋焼酎。最近プレミア感が増して来て、入手しにくいのですが、いいお酒です。こちらの研究室には元サラリーマンだった異色の室長・永山さんという方がおられます。焼酎以外にもこちらの蔵元は平成19年度から「1升瓶売上1本につき、1円の寄付をする」という活動もされていて、酒による地域、子供支援も欠かしません。酒は飲んで味を楽しむというだけではない、そんな姿勢も好ましい。やがて酒を飲む子供たちへ。ともすればその道一筋だと「こうだ」と言ってしまいがちなのですが、紆余曲折あっても、人生にも、酒を飲むのにこうだという決まりなどありません。勿論、大人の私達にもお酒は人それぞれ楽しむもの。異色の経歴の私がそうした一助になれば、と思っています。
2011年06月17日
今年も早いもので、梅酒の季節がやってまいりました。昨日古城梅と鴬宿梅を買いこみ、漬け込んだばかりです。今回はホワイトリカーではなく本格焼酎二種で漬けこみました。いずれも芋、「麻友子ブラックスイート」と「魔界への誘い 原酒」です。なんだか贅沢な感じです!出来あがって飲める日がまちどおしいこのごろです。よく「梅酒を漬けるのにどんなお酒を使ったらいいですか?」というご質問を頂くのですが、ズバリ「お好みですね」(笑)。……なんともいい加減な焼酎アドバイザーではありますが、味の好みはそれぞれですし、ベースとなるお酒や梅、砂糖によってまったく性格が変わってしまうのも自家製梅酒の特徴。はっきりしたお味がお好みならば、ホワイトリカー(甲類焼酎)で。さらにコクを求めるならば泡盛で。ソフトがお好みならば日本酒(ただし原酒で)で。リッチタイプならブランデーで、という具合ですね。砂糖に関しては氷砂糖、上白糖、三盆糖の順に強い味わいです。古城梅なら酸味のバランスがよく、鴬宿梅なら濃厚タイプ、というように梅でも違いが出てくるので、梅酒造りはなかなか奥が深いものです。でも、梅酒が出来あがるまで三カ月余り待ちきれませんよね。そんな時は、やはり頼るところは酒蔵の梅酒です。西山酒造場「大入り にごり梅酒 濁濁(だくだく)」これはイチオシ。濃厚派にもってこいの梅酒です。酸味、旨み、甘味、コク、すべてが名前の通り「大入り」。果肉を飲んでいる感じです。とろ~りまったり。夏場はシャーベットにして美味しいですし、濃すぎると感じるときはソーダ割りで。いずれにしても、家飲みでありながら、バーカウンターで目の前でフレッシュな梅の果肉をスクイーズしてもらった?みたいな気分になってしまうリッチな一本。「紀州南高梅 福梅酒(ふくうめしゅ)」梅といえば紀州和歌山。梅干し屋さんがつくった梅酒ときいて美味しくないわけがない!と、飲んでみればやっぱりうわさ通りの美味しさでした。梅の果実味たっぷり。ぜひお試しくださいませ。ぐいぐい飲めてしまって、食前酒どころではありませんでした。いろんな梅酒を飲み比べながら、来年はこういう梅酒をつくってみよう、とあれこれ思案するのもまた一興ですね。
2011年06月03日
近頃ハマってる飲み物があります。それは、「黒ゴマリキュール」と「ごま焼酎」。うーん今更?と首を傾げられるかもしれませんが、今更マイブームです。もともと私自身ゴマが大好き。サラダのドレッシングにはゴマドレ、しゃぶしゃぶのたれもごまだれ、夏場は冷ややっこではなくゴマ豆腐、和風アイスならゴマアイスを選ぶ、勿論好きな和え物はゴマ和え、ごま油の炒め物、そうめんやラーメンにもゴマを大量にかけるというゴマ好きです。ほんのり香ばしいごま焼酎は、ときどき突発的に飲みたくなってしかたがありません。健康にいい胡麻を使った焼酎は、父の日のプレゼントにも最適ではないでしょうか。本日は、そんなごま焼酎をご紹介させて頂きます。紅乙女 黒胡麻リキュール 上質の黒ゴマをごま焼酎に漬け込んだまさしくごまリキュール。オトナな感じのブラックな色に香ばしい香り。このリキュールにお湯でといた蜂蜜を合わせて、食前酒あるいは食後酒にして飲んでます。さらにミルクで割ってもおいしいんですよ。病みつきになりそうです。紅乙女 百ろくもう一品は、焙煎ゴマを使った焼酎です。こちらもごま焼酎造りでは比肩する蔵のない紅乙女酒造の焼酎。通常のごま焼酎以上に香ばしいです。お湯割りが好きですね。ごま焼酎のいいところは、リーズナブルでいてちょっと変わりダネというところ。そして、ごまは何と言っても健康にいい!ゴマの主成分は 脂質約50%、タンパク質約20%の高カロリー食品にもかかわかず、脂質のリノー ル酸は必須脂肪酸で、コレステロール値を低下させる作用があり、タンパ ク質はアミノ酸組織のバランスに優れています。カルシウムも牛乳の12倍。またごまには、主成分の脂質やタンパク質のほかに、セサミ ン、セサミノール、セサモールなどの微量成分が含まれており、これらリ グナン物質(ゴマリグナン)には優れた抗酸化作用があり、コレステロール抑制、動脈硬化高血圧予防、がん細胞の成長抑制、肝機能増強、アルコール分解促進、 老化抑制などの効果があるようです。さらに美容効果も期待できるとのこと。いいことづくめですね。そろそろ健康が気になるけどやっぱりお酒は飲みたいというお父さまには、ごま焼酎に「いつまでも健康でいてね」の気もちをこめてお贈りしてはいかがでしょうか。
2011年04月25日
関西も桜満開です!お花見に行きたいのはやまやまなのですが、時間がないので家の窓から山を見上げて桜を愛でている毎日です。皆様いかがお過ごしでしょうか。僭越ながら本日は、焼酎アドバイザーかつソムリエ協会認定ワイン資格を持つ私が、この季節~初夏にぴったりなワインギフトをご紹介させて頂きます。むしろ、焼酎以上に日々の仕事柄ワインのコンシュマーリサーチと試飲は怠りないというのはオフレコで……。ワインもさまざまありますが、ここは敢えてのロゼワイン。「ロゼは甘いんじゃない?」「ロゼは女性向きだけどね」という先入観は取り払って頂きたく思い、セレクトしました。一本目はフレッシュパワフル系。「レ ゾー・ド プピーユ」ボルドーはコート・ド・カスティヨンの新星フィリップ・カリーユ氏が造る「プピーユ」のロゼです。あのワイン漫画『神の雫』にも紹介されていますが、その前に知人のワインバイヤーさんから「このボルドーいいよ」とすすめられて99年のプピーユを買いました。大後悔です(><)。。。なんでケース買いしなかったのかと!そのくらい美味しかったんです。実はフィリップ氏にも一度お目にかかったことがあるのですが、氏は大の日本好き。今までに二十回くらい来日されてるとか。大柄ですがとても優しそうで、でもスマートな紳士でしたよ。「レ ゾー・ド プピーユ」は、チェリーのようなアロマにほんのりストロベリーとフレッシュな赤い野菜の香り。色味も少し濃いめのサクランボのようなカラーです。軽くプレスしただけとはいえ、ガッツン濃い味の後味のいい辛口ですよ。余り冷やし過ぎない方がいいかも。合うお料理は、魚介類よりもむしろ若鶏や鴨のロースト。コック・オー・ヴァンでもいけそうです。トマトソース系のパスタもおすすめです。和食では、鴫焼や照り焼きもぴったり。二本目は、エレガンス系。「ブリュノ・クレール マルサネ ロゼ」これは、ロゼのイメージをガラリと変えてくれる一本です!あの田崎眞也さんも絶賛したエレガントなロゼワイン。過去、試飲しながら「おおおお」と唸ってしまったワインです(笑)。マルサネ村は銘醸地ブルゴーニュ・コート・ド・ニュイの最北端。ブリュノ・クレールは中でも随一の作り手です。輝きのあるきれいなサーモンピンクです。果実味豊かな香りはストロベリーのよう。口に含むと芳醇なコクが広がっていきます。酸味は柔らかく、ミネラル感があってバランス良く、とても後味ものどか。キンキンに冷やしすぎず、冷蔵庫やクーラーで冷やしたあと、少しずつ温度が上がっていくのを楽しむのもいいですよ。香りがパーッと華やかに広がります。ピノ・ノワール種ならではの繊細さとベリー系の香りが病みつきになりそう。桜を見ながらの外飲みにもいいですね。合うお料理は、ありきたりですがサーモンのタルタルやホタテ。炙りサーモンも引き立ちますよー。三本目は、フェロモン系。「サンタディグナ カベルネ・ロゼ レゼルヴ」スペインの名門ミゲル・トーレスがチリで展開する「ミゲル・トーレス チリ」。カベルネ・ソーヴィニヨンという赤ワイン用品種をこうも惜しげもなくロゼに使うとそうなっちゃうんだ!と感動の味です。色は濃いサクラ色。まず、香りでノックアウトされます。バラみたい。いや、ハイビスカスのよう。甘い香りに誘われて一口飲むと、クランベリージャムを思わせる香りが口に広がります。明るい南米の太陽をいっぱいに受けて育ったブドウの旨みが生き生きはじけます。フェロモン系なのに健康的。後味もすっきり。こちらは前者二本よりさらにキリッと冷やして飲むと違った味わいになりますよ。少し塩気のある、プレーンなチーズや生ハム、ソーセージなどにぴったりです。いかがでしょうか、初夏向きすっきり辛口ロゼワイン。いずれも美味しいのにリーズナブルなのがいいところ。私の好みもともかく、これは市場調査済み。ワイン通の方にも、ビギナーの方にも満足していただけること間違いない三本だと思います。
2011年04月12日
新年度、新学期になりました!4月は何かと物事の始まり、そして出会いや集まりの多い季節ですね。関西でも桜が開き始めました。ようやく春です。被災された東日本の皆さまにはまだまだ心穏やかではない日々かと存じますが、早くこの桜前線が北へ北へ届きますように。そして、皆さまの心のやすらぎになりますように。さくらに思いを込めて。今回はさくらにちなんだ焼酎をご紹介いたします。黄金酒造「薩摩さくら」九州新幹線「さくら」開通にちなんでリリースされた芋焼酎です。黒麹仕込み。コクがあるのにまろやか。黒いラベルに金色の桜の花びらのデザインがシックなデザインです。九州みやげにも大人気だそうです。芋焼酎ビギナーにもおススメです。今年は花見を自粛しようかな……というお気持ちもおありかと思われますが、こういう時こそ人は平常心。無理にはしゃぐ必要はありませんが、人を勇気づけるのに自分も滅入っていてはお互い沈みます。花は桜、人は武士。思いやり、謙譲の心は美しい。誰が見ているでもありませんが、人の営みをひっそりと桜が見ているかもしれませんね。
2011年04月01日
アルコール飲料にヘルシーさを求める。この世にこれ以上矛盾することはない!と焼酎アドバイザーの私はいつも唸っております。アルコールは飲んで陽気になって、ストレス発散、もしくは食欲増進のためのものであって、本来ヘルシーさはあっても副次的なもんではないかと。昨今の、酒粕人気、フレンチパラドックスに代表されるポリフェノール効果などなど酒にまつわる健康の話題はあふれていますが、何事も過ぎたるは何とやらではないでしょうかねえ。かつて、私の家では受験生は野菜ジュースを飲まされるのが日課になっていて、苦痛でたまりませんでした。あの市販のトマトベースのジュースがどうも苦手だったものです。かえってストレスがたまって逆効果だったんではないかと今でも思い返すほど。その点、この頃は飲みやすい野菜ジュースが出てきてうれしい限りです。にんじんベース、ぶどうベースの野菜ジュースはむしろ美味しいと言えるほどですね。お酒の中にも実は最近とびきり美味しい野菜ベースのリキュールがリリースされました!梅乃宿酒造「にんじん梅酒」あらごし梅酒で有名な梅乃宿酒造さんの新商品。アルコール感を感じさせないほど爽やかです。しかも、あらごしにんじんを使っていながら味はほとんど梅酒!がぶ飲みしてしまえます(笑)。にんじん苦手な人も「これならいける」とのこと。翌日はお通じも快適という女性にもおススメなリキュール。いや、ほんと野菜ジュースなのか梅酒なのかはっきりしてほしいところですが、美味しいからゆるす!
2011年03月08日
私は日頃余り誰かにおススメの本があるとは言いません。本棚を見せるのはクローゼットを見せるのよりも恥ずかしい、という言葉がある(?)ように、非常にパーソナルな嗜好ひいてはその人の心の内を示すことに通じるからでしょう。ですが、敢えて自分のルールを無視するならごくわずか、皆様におススメしたい本があります。わたせせいぞう「北のライオン」講談社オールカラーコミックです。何だマンガ?と侮るなかれ。わたせさんのマンガはどんな小説や映画よりも深い人生の一コマが描かれています。一話わずか4ページという制約の中で。「北のライオン」は、亡き妻の故郷である日本へ言葉も不自由ながら単身やってきたバーテンダー・Mr.ライオン。風貌はいかついスコットランドの大男ですが、お人好しでセンシティヴ。何より人をこよなくやさしく見詰める横顔が素敵。亡き妻恵子の名前を冠した「Keiko'sBar」は400種類のウイスキーを背にカウンターで愉しむスコッチバー。バーを訪れる客にはそれぞれの人生模様。そして、Mr.ライオン含め彼を取り巻く街の人々の日常と人生の表裏。すっかり常連になった看護師のくるみちゃんではないですが、私もこんなバーがあったら通いたい。焼酎は登場しそうにありませんが長熟タイプの焼酎がお好きな方なら、これを機会にウイスキーの世界に足を踏み入れてみるのも面白いと思います。Mr.ライオンも愛飲しているスモーキーなアードベッグやラフロイグは、日本人の好みとは言い難いですが、燻した香りが何とも言えず後を引きます。スコッチの王道マッカランも味わい方が変わって来ます。わたせさんの作品は、「北のライオン」のみならず、代表作の「ハートカクテル」や「ハナドキロード」など、お酒にまつわるストーリーもふんだんに盛り込まれていますので、お酒好きにはいずれもおススメしたいコミックです。初期の頃からまったく変わりが無いのは、やさしい視線。スーパーヒーローやヒロインがカリスマ的に登場するのではなく、特別な才能を持った人物ばかりが活躍するのでもない日常の中の、誰もがわたせさんのコミックの中ではそのときどきの主人公になれること。どんな人や動物や植物や街の景観、出来事にもわたせさんご自身のやさしい視線が注がれていることが長く読み続けられる魅力でもあります。私はほぼ25年来のファンですが、二度程御本人にお会いしたことがあります。もちろん、一ファンとしてですが。まさしく、ご自身の作品から抜け出したような笑顔の素敵な紳士です。ね。読みたくなったでしょう?飲みたくもなったでしょう?では、樫樽の香りのする長熟焼酎など頂きながら……失礼いたします。
2011年03月04日
ファンタジー映画『ナルニア国物語3』の日本公開が始まりましたね。公開にあたって、TV地上波でも1、2の放映がありました。皆様は映画館に観に行かれましたでしょうか?私はと言えば、実は。「ファンタジーが大の苦手」でして。観るとツッコミどころだらけで、まったく感情移入も主人公にもなり切れないのです。たとえば、子供たちがいきなり剣をさずけられて、鞘から抜きはなつシーンなどでは、「だんびら(ブロードソードの類)は性質上は鋼だからすごく重いし、片手で持つのは無理。ましてや剣術を習ったこともない人間がモノを切るなんていきなり有り得ない」とツッコむ。氷の数センチも貼っていた川から落ちて上がるシーンでは「氷点下10度以下のはずなのに、心臓発作で死なないとか、寒さで三十秒も持たないハズなのに川から上がっても普通に生きてるのはおかしい」とツッコむ。ライオンやキツネが人語を喋るのを見て、「インコみたいな発声と同時に呼吸出来る声帯を持つ動物ならともかく、ネコやイヌなど口吻が円錐状の動物は人間と同じ発声が不可能なのに」とツッコむ。……いちいちそれを言ってしまうので、「あんたとなんかファンタジーは観られない」と大いに相手を怒らせてしまうようです(笑)。どうやら、童心を忘れた私には純粋にファンタジーを楽しむことが出来ないようです。唯一まともに観たのは『ロード・オブ・ザ・リング~指輪物語』です。あそこまでファンタジーを極めた世界には、ツッコミは無用だと思えましたので。ちなみに、『ハリー・ポッター』シリーズも限界線の微妙なところです。まして、昨今のライトノベルや少女漫画のファンタジーはすみません……。でも、『FF』などのゲームはよくやりました(笑)。こんな私は、理系ではなく文系オブ文系の文学部出身者です。だからこそファンタジー嫌いというのも多少はあるでしょうね。もともと文学はファンタジーてんこもりの産物と(歴史的あるいは科学的)事実とのせめぎ合いの中にあるものなので。さて。本日はファンタジーに関係ありそうなネーミングの焼酎をご紹介します。西吉田酒造「黒騎士」「兼八」のようないわゆる「麦チョコ」系焼酎の代表格です。香ばしい麦の香りが病みつきになりそうです。甘みもしっかりしていて余韻が長いのが驚き。名に負けないしっかりガツンとくる麦焼酎間違いなし。白玉醸造「魔王」「黒騎士」にやられる側ですが、こちらは言うまでもなくプレミア芋焼酎。まろやかなアタックでありながら、後を引く誘惑の味。まさしく「魔王」。芋のとろっとした風味がもう一杯、もう一口と誘いますね。濱田酒造「大魔王」「魔王」よりすごい名前なのにリーズナブル!しかもフルーティなので女性向けの芋焼酎です。ほんのりした甘みが印象的。ロックをおススメします。「魔王」とお間違えなきよう。
2011年02月28日
今をさかのぼること二十年前。当時、女子寮に住んでいた私は、先輩と同室生活でした。現在から考えると滅多にない経験なので面白かったのを思い出します。女子寮にはさまざまなドラマがありました。下着ドロボー事件あり、寮内の共同冷蔵庫でのアイスクリーム盗難事件あり、寮の友達がデキ婚したり、さまざまありましたが、日常生活は淡々と過ぎて行きます。そして、木曜22時は寮のお風呂がスッカラカンになる時間、というのがお決まりでした。それは、木曜劇場「もう誰も愛さない」が放送されるからです。いまでこそワンセグとかおっかけ録画可能なDVDとかありますが、当時はやはり質素な女子寮なのでビデオデッキを備え付けている子も殆どおらず、テレビでオンタイムで見るのが当たり前。だから、それまではお風呂は大混雑。私はといえば、バイトが遅くなるとドラマを見てからぬるくなったお風呂に入るか、放映時間に入るかしかなかったのです。たまに、録画している子から見せて貰ってましたが。それだけ、誰もの関心がドラマに向いてたんだなあ、と(笑)。また最近、関西の深夜番組で「もう誰も愛さない」が再放送されてまして、久々に見て軽い眩暈を覚えました。「いまどき放送出来ないな、これ」毎回、いえ毎分展開がコロコロ変わっていくストーリーもともかく、何で最後にいっつも吉田栄作叫んでんだろう。やっくんはなまると随分イメージ違うよな、と思いながら。何より、名台詞続出です。「復讐は一つの美しい正義」(こんなことわざはありません)「愛欲は、愛が欲しいと書くのよ」「牛乳、気持ち悪いわ」これ、山口智子扮する田代美幸が言う、吉田栄作扮する沢村卓也に牛乳で濡れた黒ストッキングの足を突き出すというドSな場面での台詞。その後は言うまでもないんですが……どうしてもこのドラマというとこの場面が浮かんでしまう(笑)。よく実家に帰ると、当時の愛犬に向かって「牛乳、気持ち悪いわ」足を差し出して遊んでました(笑)。ところで、韓流ドラマをよく見る人が、ドラマの説明とかをしてくれるんですが、客観的によーく考えたら、韓国のドラマってほぼ「もう誰も愛さない」のノリなんじゃないの!?と気付く私。結局、昔見てたドラマを別のバージョンで見てるだけなのか、と。人間の嗜好って、そう大きく変化することはないのかもしれませんね。というわけで、牛乳焼酎。「白酎(しろちゅう)」あの名台詞を言ってドラマ再現プレイをするかどうかは、ともかく、マイルドで美味しい焼酎です。美肌のためにもいいそうです。
2011年02月22日
マムラカトゥ・アル=バフライーニー。これは何処の国?日本語で「バーレーン王国」なんです。アラビア語で「二つの海」という意味で、島に湧く淡水と島を囲む海水を表すとされています。ペルシャ湾岸に浮かぶ大小30余りの島から成る王国で、国旗は新撰組の旗の「誠」が書かれてない赤と白の旗といえばいいでしょうか(笑)。18世紀にアラビア半島のハリファ家が征服したのち、19世紀後半に英国の保護領になっています。かつては漁業と真珠の採取が主な産業だった小国ですが、1932年に石油の採掘を開始しました。1971年に独立。国民の大部分はイスラム教徒で、そのうち7割がシーア派だが、ハリファ王家を中心とする少数派のスンニ派が支配する。人口約79万人。地元民は三種に大別されます。銀河系金持ちの王族と、一握りの富裕層(成功した商人や高級官僚)、大勢を占める一般庶民(日本的な感覚で言うと低所得層)。穏健派であるスンニ派と原理主義的なシーア派(表情が険しく目が笑わない)では、シーア派が多数。王族はじめ金持ちの多くははスンニ派。産油国とはいえ、埋蔵量は限られているので石油化学工業、アルミ加工、造船、金融センター、証券取引所開設など多角化が進められていて、最大の産業はサウジアラビアから運ばれて来る石油の精製。アラブ圏は安息日が金曜日だし、クリスマス休暇もない、だからアラブ圏に金融市場があれば、いつでもどこかで市場が開いていることになって都合がいい、と言うことでベイルートにアラブ圏随一の金融市場があったのだけど、内戦で荒れ果ててそれがバーレーンに移ってきたのが経緯です。日本人にとって、石油と金融以外にバーレーンときいて、すぐに思い浮かぶのはやはりサッカーでしょうね。しかし、それだけではありません。バーレーンはモータースポーツ、フォーミュラ1が開催される国でもあります。その年のかわきりとなるバーレーンGPの開催は3月。それが危ぶまれているのは、エジプトとチュニジアで起きた反政府デモに影響を受け、バーレーンで反政府デモが本格化。デモ隊と警官隊が衝突し、すでに3名の死者が出たと報じられているため、2011年のF1開幕戦はキャンセルの可能性も浮上。F1最高権威であるバーニー・エクレストンも状況を慎重にモニタリングする必要があると認めているようです。F1が開催される国というと、やはりその性質上「超先進国」というイメージがあります。そのために、アメリカを除いて(アメリカにはインディーカーレースがありますので)元祖イギリスほかヨーロッパ諸国が主流だったものですが、ここ十数年前からの動きではトルコ、アブダビ、マレーシア、シンガポール、上海、と次々と中東、アジア諸国が開催国になっています。昨年からは韓国も仲間入りしてます。ちなみに、これらのGPをヨーロッパラウンドに対してフライアウェイと言いますが。日本は言うまでもありませんが、あのバブル時代の一時期の隆盛を思えば、トヨタの脱退も含めて下降線を辿っている現状。今年は新たな開催地にインドGP、予定では来年はロシアGPと、やはり経済情勢をおもむろに現すF1開催国。F1世界地図こそ世界経済地図そのものといって過言ではないでしょう。つまり、バーレーンもアラブの富の象徴としてF1開催国になりたかった。そのイメージを保ちたいのも人の切なる心情でしょう。何としても私もバーレーンGPは開催して欲しいと思います。背景はともかくも、スポーツに携わる人々の純粋な精神は守られてしかるべきです。こういっては何ですが、昔ほどではないとはいえF1ドライバーは常に死と隣り合わせな危険な競技のプレーヤーです。トップクラスのドライバーでさえCM広告料など合わせて年収30億円ほど。大リーガーの足元にも及びません。毎年シートも安泰ではなく、成績次第ではシーズン途中で首切りもよくあることです。テールエンダーと呼ばれるチームのドライバーだと年俸は数千万という過酷な状況。人の命は地球より重いというなら、どう考えても「安過ぎる命」を賭けてまで走りたい、その純粋なスポーツマンシップこそ多くの人に勇気を与えるものではないかと。さて。中東は我が国の焼酎にとっても実は遠いゆかりを持つ地域です。ギリシアで生まれた蒸留酒「アランビック」が、単式蒸留法とともにアラビア地域を経て、極東日本に伝わったという説もあります。砂漠の国でとれるナツメヤシ(デーツ)焼酎などもあります。今宵は麦焼酎の「らんびき」を飲みながら。もちろん、アラブ諸国ではアルコール飲料はNGですが、バーレーンに向けて平和の祈りの杯を捧げたいと思います。
2011年02月18日
小学生の頃、キンカチョウという小鳥が家の中で放し飼いになっていました。ヒナから育てたものですが、それはなぜかというと、彼らは子育てをしない。もともとオーストラリア原産のフインチなので野生のキンカチョウはきっと子育てをするハズなのですが、家禽となった彼らは育児放棄。今でいうネグレクト、無関心状態。子育てよりも何よりも好きなのが羽づくろいと歌うこと。仕方ないのである程度までジュウシマツのお世話になり、あとは人間が育てました。ですので私、小鳥を育てるのは一応出来ます。面白いのは、うちにいたキンカチョウはちょうど8月の高校野球の時期に青春時代を迎えていたようで、甲子園のアルプススタンドの中継が入ると何をおいてもTVのまん前に飛んで行くわけです。そして、ブラスバンドだ応援団だの音色に合わせて「チャッチャッチャ~ピヨピヨジュクジュク~」と歌うのです。それがカナリアのようないい声でないのが御愛嬌(笑)。むしろ低音ボイスのだみ声というかネコみたいな声なので、笑えて仕方ありませんでした。そのうち、彼らは甲子園だけでなくいろんな効果音に反応し始めて、ことあるごとにTVの前で歌謡ショー。「オレの歌を聴け」とばかりに人にすり寄ってくる時もあり、「ああ、またはじまった」と家族の生温かい目に見守られていました。鳥は歌う。それも人間の作った音楽や効果音に同調して、あるいは感化されて。これは人と鳥との関係を示唆するものではないでしょうか。イルカもクジラも歌う。海洋哺乳類は高度な知能を持つゆえに、それらを捕食する日本人の存在は野蛮だと言われる昨今ですが、IUCNのレッドデータブックによればこのうち危機的に絶滅のおそれがあると分類されているのはイワシクジラ、シロナガスクジラなど六種だそうです。多くの鯨は増えており、日本やノルウェーは豊富な鯨だけをその増加率の範囲内で持続的に利用したいと主張しているだけです。日本の近海ではサンマやカタクチイワシなどの昔から食卓に上り、商業的に重要な位置を占める魚類がクジラの増加によって脅かされているほどです。鯨類は年間2億トンから4億トンの海洋生物を食べていて、それは人類の漁獲高の三倍は軽く超す数字です。つまり、生物多様性の見地からすれば、クジラをある程度捕食することは許容されていいのではないかということです。全世界において、鳥類を捕食する文化は浸透しているわけです。鳥も歌う。鳥は、ニューカレドニアカラスのような道具を使って狩猟をする鳥は賢いからといって、鳥を食べないわけではないのです。果たして、水族館のイルカに新型インフルエンザのような強毒型感染症が流行したといって、養鶏場のニワトリ何万羽のように殺処分出来るでしょうか。あらかじめ食用だと分かっていても、経済的な大打撃を鑑みても、あえて大勢の生き物を殺すという養鶏農家の方々の心痛は身につまされるものだと聞いていますが。こんな話をしながら飲むお酒はひどく酔うものなのですが、焼酎を飲みながら少し考えてみたいと思いました。
2011年02月17日
立春を過ぎると気付くことがあります。外を歩くと聞こえる野鳥の声が変わって来ます。何だかそわそわ、といいますか俳句の季語にもあるんですが、小鳥の声が「艶めく」という表現がふさわしいでしょうか。地鳴きではなく、歌をさえずるような気配が聞こえて来ます。中には気が早い鳥がいて、喧嘩しているのもいますね。スズメたちがなわばりを争って生垣の周りを追いかけっこしているような姿もちらほら。そういう風景を見ると、春は確実に近付いているんだなあと感じられます。春はもうすぐ。今年のお花見はどうしようかな、なんて考えてしまいます。「さくら咲く」麦焼酎がベース。お湯割りや水割りで色が変わります。オレンジ色から可憐なピンク色に。不思議なお酒です。弱酸性から弱アルカリ性になるんですが、割る水はミネラルウォーターをおすすめします。水質によっては、変化が少ないものもありますので。いちばんのおススメの飲み方は、「ロック」で。氷が溶けだすと、だんだんと色がピンクに変化していく様がとても幻想的。ゆっくり花見を楽しみながら、手元でも桜が咲くような楽しさが味わえます。やたがらす「さくらさらさら」こちらは、奈良の「やたがらす」が造る桜のお酒。本物の吉野桜の花が入ったやさしい味わいのリキュールです。香りもよし、色もほんのり桜色で女性におススメ。アルコール度数が気になる方は、ソーダで割ってもいいですよ。上品な和スイーツのような味わいなので、上生菓子やケーキを頂きながら……というのもぴったり。いずれのお酒もそれぞれの楽しみ方がありますね。私は、家飲みで窓の外の桜の木を眺めながら、うぐいすやメジロの声を聞きながら頂きたいと思います。
2011年02月09日
バレンタイン商戦真っ只中ですが、女性の皆様が気になるのは次のホワイトデーですよね。一説にバレンタインの三倍返しといいますから、あげた分だけお返しを期待してしまいそう。私自身は三倍返しして貰った記憶はないな……と振り返って思いますけども。ホワイトデーの思い出といえば、○○年前。当時まだ学生アルバイトで塾の非常勤講師をしていました。そこの塾長さんは大柄な方でいつもにこやかで、でも教育熱心な「お父さん」オーラを持つ方でした。時々塾生たちを家に呼んでバーベキューをしたりアットホームな感じの職場で、授業がない時も遊びに行ったりしたものです。就職などの理由から、私は一年余りしか働けませんでしたが、その塾長さんにバレンタインの義理チョコを贈ったんです。「うれしいなあ。講師が男ばっかりなんで、あんまり貰ったことなかったし。学生はほら、受験真っ只中でそれどころじゃないしなあ。ありがとう」と言って頂いて、それだけでもほんわかした気分になりました。が、一ヶ月後の3月14日に、なんと塾長からお返しがあったのです。定番のクッキーでしたが、何だかとてもいい気分になりましたね。お菓子業界を喜ばせるだけのイベントなのになあ、と思っていたバレンタイン&ホワイトデーも、コミュニケーションの機会と思えば、楽しいものですね。松浦酒造「鳴門鯛 にごり梅酒」徳島産の鶯宿梅をふんだんに使った本格梅酒。ドリンクヨーグルトで割ってもおいしい梅酒です。女性におススメ。今年のホワイトデー。予算は苦しくてもまごころこもった一言を添えれば、きっとお相手に気持ちが届くはずです。
2011年01月31日
チコリってご存知ですか?野菜です。イタリアンの前菜などに出される白い細長い白菜の子分みたいな形です。あまりなじみのない名前ですが、フレンチでよく出てくる「アンディーヴ」、あれもチコリの一種なんですね。「爽健美茶」にも入っていますが、どういう味わいなのかは、ちょっとわかりづらいですね。和名「菊苦菜」とも呼ばれて、国産ものもだいぶ出回ってます。漬物にもなったりしてるようですよ。血糖値を下げる効果もあるそうで、今注目の野菜です。その「ちこり」を使った焼酎があるんです。岐阜・中津蒸留蔵「ちこちこ」あのチコリから出来る焼酎……ということで、最初は???な感じでしたが、飲んでみて実にフルーティ。実は、チコリはあの葉っぱの部分だけでなく、地下茎があります。その芋の部分を使ったのがこのチコリ焼酎。芋焼酎とはまた違うやさしい甘みと野菜由来のフレッシュさあふれる香りが印象的です。お湯割り、水割りもいいですが、おすすめはロックですね。濃厚でいて、後味すっきりなチコリ独特の味わいが楽しめます。お疲れ気味のお父さんや彼氏、旦那様へのプレゼントにチコリ焼酎おすすめですよ。チコリ焼酎を使ったスイーツやバレンタイン仕様もありますので、何を買おうか迷ってしまいますね~。
2011年01月27日
近頃のアニメはテーマ曲が昔のようないかにも、って感じではなくておしゃれなJ‐POPとかK-POPだよねえ、という話をしてました。そういえば、そうですね。昨今のアニメでタイトルを連呼するようなのって、せいぜい「ドラゴンボール」くらいまで?としか思い当たらないのですが。「ガンダムシリーズもそうだったよね」という話になって、何となく某政党の名前は、「燃え上がれ~」のパクリだとかいう流れに。話していたメンバーのささいな愚痴なのですが、「近頃の若い子は"坊やだからさ"とか"親にも殴られたことがないのに"とかが通じないっ」と。ファースト・ガンダム(機動戦士ガンダム)の中でキャラクターが言った名セリフがちんぷんかんぷんなのだそうで。それもそうです。ファースト・ガンダムの放映オンタイムにオギャアと生まれた子がすでにアラサー世代ですから(笑)。確かに、少し昔は若気の至りでハチャメチャに酔っぱらってしまったり、仕事上のミスをぼやくのに「若さゆえの過ちかな」(BY:シャア・アズナブル)なんて、気取って言う人は当たり前に生息してました。ジェネレーション・ギャップ、ですか。そんなアラフォー以上のガンダム世代の皆様におススメの焼酎!清水醸造 「作(ザク)」 眞醸羅「作」と書いて「ザク」と読む。これぞ、ガンダム好きにはもってこいです。三重県鈴鹿市、三十代の若手の杜氏が造り出す清酒「作」の焼酎です。「眞醸羅」という名前の由来は「真剣に醸す姿勢を見てもらいたい」という意味から「眞醸」という言葉に、連なるという意味を持つ「羅」という言葉を付け加えらているそうです。麦と米とありますので、お好みで。なお、「作」シリーズには「槐(かい)」という清酒もあります。ニヤリとせずにはいられませんね~。「作」シリーズの異端児と呼ばれる特別純米酒。こちらも酸度のやや高めの味わいのあるお酒ですので、ぜひお試しください。決して「軟弱者」なお酒でないことは判ります(笑)。
2011年01月20日
今年の冬は寒いですね~。一月ももう半ばを過ぎてしまいましたが、皆様バレンタインの準備は怠りないでしょうか?私は、毎年「百年の孤独入りチョコ」を頂いて今年の「自分チョコ」「友チョコ」どうしようかなーと思案中です。チョコと焼酎のマリアージュは近頃定番になってきましたが、お酒にスイーツは重いなあ……と仰る方においしい焼酎をご紹介します。老松酒造「おこげ」その名も「おこげ」は、ごはんのおこげがヒントになったという麦焼酎です。もともと香ばしい麦焼酎なのですが、こちらは「麦チョコ系焼酎」とも呼ばれてます。女性には密かな大人気です!コストパフォーマンスもよくて、普段飲みにもぴったり。プレゼントに、という時はチョコを添えてというのもいいかも。東酒造「リトルキス」こちらは、まさしくチョコレートの風味です。 リキュールではなく、焙煎カカオマスから最大限にカカオの香りを引き出した単式蒸留焼酎です。ストレートはもちろん、牛乳で1~1.5倍割りして少し甘味を加えて楽しむのも一興です!自分用にもよし、義理にもよし。今年はバレンタインにチョコ系焼酎いかがでしょうか?
2011年01月16日
明けましておめでとうございます。2011年を迎えまして、皆様ごゆっくりお過ごしでしょうか。年末の大寒波で、私の住む京都もすっかり雪景色。雪の金閣寺をチラ見して来ました。寒くて寒くて、こんなときは早く家で熱燗かお湯割り焼酎を飲みたいな、と思いながら帰宅。さっそく頂きました、とっときの焼酎。四元酒造「紅子の詩」お湯割りで頂こうと思ったのですが、まず開けて嗅いだ香りにびっくり。さわやかで上品なのですが、甘みもある。何を楽しみにしていたかと申しますと。この「紅子の詩」は、平成10年に誕生し、国産米に較べ栄養価が高く、タンパク質や脂質及びミネラル分が多く含まれている古代米の赤米を全量使用している大変珍しい芋焼酎なのです。お湯割りにしても、割り水による味ぼけがなく、スッキリ爽やかでありながらしっとりとしたコクが感じられ、非常に飲み易く旨い!日本酒にも実は赤米使用のお酒があります。京都の伊根町にある「向井酒造」の「伊根満開」などが代表です。赤米仕込みはややミネラル感が強く、酸味も感じられて、ロゼワインのようなフルーティさがあります。そのイメージのままの印象が焼酎「紅子の詩」にも残っています。芋焼酎でありながら、軽快さもあり、フルーティで、かつコクもあり、ストレート、ロック、お湯割り、水割りすべて楽しめるマルチな焼酎。なんだか、今年も美味しい焼酎をたくさん見つけられそうな幸先のいい感じです。皆様、それでは本年も何卒宜しくお願い申し上げます!
2011年01月01日
寒い毎日皆様いかがお過ごしでしょうか。12月22日は冬至です。一年で一番日中の短い日ですね。日が暮れるのが早いと思うのも今日まで、と思うと寒いけれどなんだか一歩ずつ春に近付いているような気がします。え?気が早いですか?それはともかく、冬至にはゆず湯。食卓にはかぼちゃですね。皆様はゆず湯入られましたか?私はもちろんゆず湯からあがって、「ゆず酒」です。風邪をひきやすい時ですので、しっかりビタミンCを摂取しないと!というのは言い訳で、本当は飲みたいだけ、っていうのがバレバレですね。壱岐焼酎協業組合「柚子小町」ゆずリキュールは数あれど、なんといっても壱岐焼酎ベースのゆず焼酎がベストですね。自己主張し過ぎない焼酎の味に程よい酸味のゆず。ストレートでもロックでも美味しいですが、お風呂上がりにはソーダ割りでいかがでしょうか?あったかい部屋で冷たいリキュールを頂くのもなかなかオツです。ちょっと贅沢気分が味わえます。「ゆずリキュール」のほうはアルコール度数も7度と低いのでスルスルいけてしまいます。でも、くれぐれも飲み過ぎにはご注意を。ごほごほ咳き込んでる知人がいたので「風邪流行ってるのお?」と訊くと、「いえ。飲んで酔ってしまってそのままコタツで寝ちゃったんで……」とのこと。皆様もお酒が原因(?)の風邪にはご用心下さいませ。
2010年12月22日
12月になってお忙しいことと思いますが、皆様つつがなくお過ごしでしょうか?残業や家事のストレスがたまった時はほっこりする一杯を……。そんな皆様におススメしたいものがあります!「蔵元前割り焼酎」全7種「前割り」とは、焼酎を前もって水で割り、数日経ってから飲むことを言います。 この方法だと焼酎と水がじっくりと馴染むため、飲む直前に割る普通の飲み方に比べ、よりまろやかでコク深く、のど越しなめらかな味わいが楽しめるんです。お湯割りや水割りを飲む時、前日に作ったものの方がまろやかになっていた経験がおありではないでしょうか?さつま小鶴地元鹿児島で愛されてきた「さつま小鶴」を蔵の仕込み水で前割りし、焼酎と水とがよくなじみ、まろやか~でこくのある旨い焼酎に。アサヒミネラル分と炭酸ガスを含む霧島裂罅水(れっかすい)で前割りすることにより、すっきりとしたキレを味わえる焼酎。黒伊佐錦伝統的な黒麹を用い、華やかな香りとコクのあるまろやかな味わいの焼酎を蔵元で前割りした焼酎です。さつま黒五代昔ながらの伝統と技で磨き上げ、黒麹を使用したさつま黒五代のまろやかでコクの深い味わいと冴え渡る旨さ。小鹿大隅半島国見山系の照葉樹林地帯の柔らかい天然水で前割りすることにより、さらにまろやかな味わいのある焼酎になってます。無濾過 金兵衛自社栽培の白豊芋を使用し低温で醸したふくよかな旨みある無濾過金兵衛を清らかな天然深層地下水の岳之田湧水で前割りした焼酎です。黒七夕とろりとした甘味に、ほのかな苦みの余韻が残る、重厚な味わい。杜氏のこだわりが香り立つ、熟成いも焼酎です。今年リリースされたばかりの新製品です。それぞれ七者七様の味わいです。個人的には、七夕と金兵衛が気に入りました。リーズナブルですし、アルコールと水の割合はほぼ1:1でアルコール度数は12~13度ですので飲みやすい。そのまま電子レンジでお燗しても大丈夫ですし、ロックもOK。忙しいときに重宝する「蔵元前割り焼酎」ぜひ一度お試しくださいませ。
2010年12月04日
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