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第二五巻　癩王のテラス/LONG AFTER LOVE

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精密機械のような天才と美輪さんも大絶賛。
演劇映画ことごとく大ヒットの劇作家の素顔を垣間見る事ができました。

江原啓之さん・・・江
美輪明宏さん・・・美
国分太一くん・・・国
三谷幸喜さん・・・三

☆あなたのチャームポイント→自分が大嫌いなのでなし。
☆あなたの癖は→「大丈夫かなあ」と言うこと。
☆リラックスする場所→人が大勢いるパーティのすみっこで
誰にも話し掛けられずに見ていること。
☆運命を感じたこと→「オーラの泉」に出演することを番組を観ている
母親に告げたときに初めて、亡くなった父親が、進駐軍のバンドや
ショーの構成をしていたと知ってびっくりしたこと。
☆あなたにとっての笑いとは→すべての判断基準。

三谷さんは江原さんの似顔絵を描き「 スピリチュアルな男
スタッフジャンパーに使われているというエピソードも。
また美輪さん、三谷さん、双方演劇人として認め合う仲のご様子。

三「『 黒蜥蜴 』を拝見した時、度肝を抜かれて。
僕がやりたいなと思っているものを、遠い昔に作っている人がいたということにまず驚いて。
観た方がいいとは思っていたんだけど、そんなに面白くないだろうなと何となく思っていたら、
もうむちゃくちゃ面白いですからね。まずそれで度肝を抜かれた。」

美「というのはね、三谷さんが作劇なさるときに伏線、伏線、伏線で、
伏線を張り巡らせて、まったく謎解き みたいじゃありませんか。
それぞれが実は繋がっていたというのが、あとで どんでん返し になるでしょう。
三島さんがそうなんですよ。三島さんの作品も、全然関係ないようなことが、

パン、パン、パンと生きてくるんです。
三谷さんもどういう頭をしていらっしゃるのか、一度うかがいたいと思っていたんですよ。」

（大ヒットしている「 THE　有頂天ホテル 」がまさにそうですね。
２時間のホテルの時間に二十三人の主役たちが、いまどこで何をしているかを
タイムテーブルを書いて、完璧に描ききってしまう。まさに精密機械。
三島さんも、緻密な創作ノートを作品ごとに残しておられ、全集本では
それらだけで三分の一位のページを占めているほどです。）

【黒蜥蜴収録　三島由紀夫全集（35）決定版】　

スピリチュアルな経験としては、以前ある方に見ていただいたときには
「守護霊がいない」といわれたこと。
笑いがすべての判断基準というのは「 演出はＡとＢとどちらがいいか決めてゆく作業 」だと。

三「このセリフは立って言った方がいいのか、座ったままがいいか決める時に、
どちらが面白く見えるか、お客さんの笑いに繋がるか でしか決めようがない。
だから笑わせなくていいっていうのが一番きついです。
判断基準がなくなっちゃうから書けなくなるし、演出もできなくなる。」

美「 喜劇は一番難しいの 。十人十色、教養も知識も性格も育った環境も違うと
価値判断の基準も違う。それを万遍なく笑わせて理解させるのは、よほど卓越した
センスや技術が必要だし、 あらゆるものが結合して初めて成立 するわけよ。
三谷さんのように永久に欲求不満の人は、大変だと思うのね。それでいいっていうことがない。
脚本も 初日と千秋楽では全然違う んじゃないかと。」

三「確かにそれは違いますね。お客さんが入ってから変わりますからね。
お客さんの反応を見て変えてゆく から、僕の舞台はなるべく後に来た方がいい。」

【笑の大学】

演出家は舞台の幕が上がる前日までの仕事。
初日を迎えればすることがないので、以前は劇中に姿をみせることもあったそう。
（横溝正史さんや、鴻上尚史さんもそうでした。）

これほどの大家になっても、本当にやりたいことに行き着いていないという三谷さんは、
番組出演を期にお父さまのお仕事について知ることができ、とても嬉しかったそう。
お父さまについていずれは知りたいとは思っていたものの、
「一時保間」していたのが、同じ ショービジネス の世界にいたとは。

美「いつもついていらして『 時のしからしむるに有らずや
（時節が自然にそうさせている）』でね。だから時期がきたんですよ。」
江「節目節目の報告が嬉しかったみたいですよ。ちゃんと報告していらっしゃるでしょう。」
三「そうですね。イメージとしては父親が守ってくれているんじゃないかっていうのは
あるんですよ。心の中で語りかけるとかはあるじゃないですか。」
三谷さんは水の事故や呼吸器の病からも、お父さまに救っていただいているようです。

☆黒蜥蜴のお話がでて、とてもうれしく。三島さんも喜んでいらっしゃることでしょう。
「黒蜥蜴観劇記」

明日に続きます。

***
オダギリ・ジョーさん、加藤あいさんなど、他のゲストの方の回をお読みになりたい方は
「精神美（オーラの泉など）」へ

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