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Antennarius biocellatusの体表結節の経過。9月2日のブログ掲載写真と比べて緩徐増大を来している。Sarcotaces sp.あたりの寄生虫なのかもしれない。ほかにも考えられそうだ。個人的には興味深いのでこのまま経過観察を続けるつもりである。でもcysticに見えるため穿刺したい気持ちもある。1つぐらいならいいだろうか…。もちろん二次感染予防のための抗生剤の前投薬を行ってから。それに穿刺してfluidの吸引ができたとして、その後どうなるのかも気になる。(これが寄生虫として)☆になって器質化してしまうのかもしれない。そうなら穿刺吸引が治療法になるかもしれない。(皮下の器質化なら問題ないかもしれない。)再びfluid貯留があるなら厄介だな…。ちなみにsolid componentの可能性もありうる。
2016年10月31日
ここで採集した海水魚の一部。サツマカサゴ(Scorpaenopsis neglecta)。見つければ容易く採集できる魚。下の写真は胸鰭内面の模様の確認。ニライカサゴとの鑑別のためである。コウワンテグリ(Neosynchiropus ocellatus)。まだ白っぽさが残る小さな個体であった。ネズッポ科の一種(Callionymidae sp.)。砂を探っていたらタモに入った個体。観察したウミウシの一部。タツナミガイ(Dolabella auricularia)。探せばたくさんいるが、見過ごしていることが多いような…。ツヅレウミウシ(Discodoris lilacina)。こちらも見過ごしているかもしれない。わかりづらい…。ビワガタナメクジ(Dolabrifera dolabrifera)。最近好きになった。何と言っても触った時の弾力がいい(笑)。ミカドウミウシ(Hexabranchus sanguineus)。よく見かけるミカドウミウシと比べてかなり小さい。周囲の貝殻と比較するとサイズがわかりやすい。観察・採集した甲殻類の一部。ヤドカリはいつものごとくDardanusばっかり…。ちょっとだけ紹介。上:コモンヤドカリ(Dardanus megistos)。下:オイランヤドカリ(Dardanus lagopodes)。カニはCalappaだけ。ソデカラッパ(Calappa hepatica)。コブカラッパ(Calappa gallus)。コブカラッパは久々。でも結局リリース。このあといったん車に戻り、別の採集場所へ移動した。つづく。
2016年10月30日
最近、Uさんと深海魚採集に行ってきた(詳細はまた今度)。その時の採集個体、ハタタテヒメ(Hime sp.)のオス。伸長する背鰭の第2~4軟条が特徴的。以前より飼育しているメス(オスの後ろの個体)と比べるとその違いは明らかである。課題はやはりエサを食べるかどうかだろうな。初回に飼育していたハタタテヒメはオスであったが、試行錯誤しながらの飼育であり、摂餌させるには非常に苦労した。現在飼育中のメスはその経験もあって、順調にエサを食べている。新たなオスの個体、しばらくは水槽環境に慣れさせる。それから給餌する予定である。
2016年10月29日
アイカジカ(Gymnocanthus intermedius)。冷水性の海水魚。飼育開始から2年と数か月が経過した。これと言った問題があるわけでもなく、ネタに乏しい魚である。(あえて言うならば、写真の左胸鰭の裂けぐらいか。)当初と比べるとエサの内容には変化がある。冷凍餌や乾燥餌を与えることは少なくなり、人工餌メインになりつつある。また水温を少し下げたときから給餌回数を減らしたが、明らかな痩せはなく、このペースを持続している。それ以外では目立った変化はない。
2016年10月28日
イレズミアマダイ(Opistognathus decorus)のペア化を試みるために、巣のレイアウトロックを少しだけ動かした。その際にガブリ…。噛み付かれた。結構痛い。そういや以前にも噛み付かれたっけ。こちらは威嚇するイレズミアマダイ。ペア化の試みは次回に延期したが、一挙にやってしまうべきだったかもしれない。
2016年10月27日
深海生体の飼育槽から見つかった有孔虫類。どうやら生きているようだ。~~~~~微小貝と思っていた個体だが、のちに有孔虫とわかり訂正。
2016年10月26日
少し前にエサに対して興味を示さなかった深海性ヤドカリ。予想通り脱皮をしていた。無事に終えているようだ。一安心である。
2016年10月25日
イッテンサクラダイ(Odontanthias unimaculatus)。少し前にこのリフジウム水槽の壁面掃除を行った。こちらは掃除途中の写真。下部に汚れている部分が写っているが、これが全体にあったわけだ。怠慢なり…(汗)。それで魚の観察のため、前面だけでも綺麗にしようと思ったわけである。見やすくなった。エサをねだっているのがよくわかる(笑)。
2016年10月24日
以前より飼育している深海性ヤドカリ。非常によく食べるヤドカリであるが、昨日の給餌の際にはエサに対して興味を示さなかった。ひょっとしたら脱皮が近いのかもしれない。今までに2回(いや3回だったかな?)脱皮を行っている。ほかの深海性ヤドカリと比べて脱皮間隔が短い。この個体がまだ小さいためなのかもしれないが、よくわからない。まだまだ大きくなるのだったら、いずれ大きめの宿貝が必要になるだろうな。
2016年10月23日
10月初旬に串本で採集したオオイカリナマコ(Synapta maculata)。普段は別の場所にいるのだが、ここに移動させて撮影した。現在飼育を試みている。摂餌のために触手をよく動かすナマコ。試しに海水に混ぜた粉末状のエサをスポイトで触手に振りかけてみた。しかしなんだか嫌がっているように見えたのでこの方法は一時中断。底砂にフレークなどのエサをばらまく方法に変更した。写真は縮んでいるところ。触手の動きを見ていると、思った以上にエネルギーを消費しているような気がする。やっぱり十分なエサが必要なのだろうな。ちなみに写真左上に少しだけ写っているのはカンムリヨウジ。飼育に際しエサが大変そうだが、おそらくはたくさん発生しているコペポーダを食べているのだと思う。
2016年10月22日
10月上旬後半に行った串本磯採集の備忘録。潮の引きが今ひとつのこの時期。シュノーケリングを開始。浮いているだけでも気持ちがいいものだ。アオリイカ(Sepioteuthis lessoniana)だろうか。グビジンイソギンチャク(Stichodactyla tapetum)。そこらじゅうにあるが、ここより少し南の方が多いような気がする。ガンガゼ(Diadema setosum)かな。アオスジガンガゼ、アラサキガンガゼとの鑑別に悩むことが多い。もちろんほかに生物がいないかどうか、これの観察がメインであることには変わりない。ナマコ類、クモヒトデ類の観察も行った。貝類も気になるものは撮影しておく。いつものごとく撮影自体は適当だが…。ヌノサラシ(Grammistes sexlineatus)。ウツボ(Gymnothorax kidako)。しばしの間時間を忘れて観察を行った。つづく。
2016年10月21日
深海性のホヤの仲間。熊野灘の水深300mより採集された個体。今年の1月より飼育している。飼育当初と比べるとずいぶんすっきりとした。周囲の付着物がほとんど取れてしまったのだ。付着物は周囲に散乱しているが放置。結構ずさんかもしれないが、このリフジウム水槽自体の調子は悪くない。これに連続するメイン水槽にもデトリタスが結構ある。時々行う少量の水換え時にはこのデトリタスがかなり舞っている。でもこれがホヤにはいいのかもしれないと思ったりもしている。こちらは入水孔、出水孔が閉じているとき。と言うか、昨日撮影のため移動させたときに閉じてしまった。でもこれでOK。入水孔はプラス模様。写真の左側。これの確認である。ちなみにバックにうっすらと写っているのはアズマハナダイ(Plectranthias kelloggi azumanus)。このリフジウム水槽の小部屋の番人であり、ここの番人になってすでに4年と数か月が経過している。水温に留意すれば飼育しやすい魚だと感じている。
2016年10月20日
以前に採集したエサ用の小型ヤドカリのうちの1匹。最初はミサキアサヒモドキのエサを試行錯誤している段階で与えたものだったが、その後小さなタコ用のエサとなった。でも最初の写真のヤドカリは食べられなかった。ハサミにたくさんの毛。ひょっとしたらこれが邪魔で食べなかったのかもしれないと思っている。そういや小型のカニの中でも毛深いカニを食べないことが多いような…。吸盤で吸い付きにくそうだし。
2016年10月19日
10月上旬、磯採集旅行の帰りに博物館へ。ここには個人的に見るのが楽しみな生体がたくさん。その一部を紹介。チオーネ・スサミエンシス(Thyone susamiensis)。2015年12月に発表された新種のナマコ。もちろん和歌山で見つかったナマコ。これが一番見たかったのだ。ハゼも興味深いものが多かった。ニセツムギハゼ(Acentrogobius audax)。こちらもハゼ。チワラスボ(Taenioides cirratus)。エイリアン風の顔貌。全然関係ないが、エイリアンのデザイナーであるH・R・ギーガーは個人的に好きである。バイオメカニカルな世界観が素晴らしい。ほんま関係ないな…(苦笑)。アカメ(Lates japonicus)。クエ(Epinephelus bruneus)。オオスジハタ(Epinephelus latifasciatus)。まだ小さくてかわいいが、大きくなったら移動させるんだろうな。サクラダイ(Sacura margaritacea)。このあたりは観賞魚としてなじみ深い。アミウツボ(Gymnothorax minor)など。そしてトラザメ(Scyliorhinus torazame)のベビーたち。か、かわいすぎる…。おわり。
2016年10月18日
採集した海水魚の一部。ここでの定番、サザナミヤッコ(Pomacanthus semicirculatus)の幼魚。採集しやすいのは潮が満ち始めた頃。このことは以前にも記載した。潮が満ち始めた頃に採集場所を変える採集家をときどき見かける。サザナミヤッコの幼魚を狙っていることがある。やや小さめのキミオコゼ(Pterois radiata)。飼育しやすいサイズだ。でもリリース。トゲタナバタウオ(Belonepterygion fasciolatum)の幼魚。比較的よく見かけるが、初夏に比べるとあまり見かけなくなった。メギス(Labracinus cyclophthalamus)の幼魚だろうか。ちょっと自信なし。アヤヘビギンポ(Helcogramma inclinata)。ハゼ類。そしてテングハギ属の一種(Naso sp.)。めっちゃかわいいやんと思って採集。でも穴に隠れてしばらくの間出てこなかったので、採集には時間を要した。採集後は漁港へ。台風の影響で枯葉などの浮遊物がちらほら。以前より観察していたタコクラゲの大群はいなくなっていた。このあたりの綺麗な魚があちこちにいた。このあといつも泊まっているホテルへ。ホテルからの眺望。この時まだ夕方5時頃。でも眠かった…(苦笑)。おわり。
2016年10月17日
最近ホムラspのところへやってきたヨコヤホンヤドカリ(Propagurus obtusifrons)。でも今回はこのヤドカリが主役ではない。タイトル通りヨコヤホンヤドカリに共生するヨコエビが主役である。最初の写真のヨコヤホンヤドカリは飼育している中では小型。宿貝にイソギンチャクの共生が見られる以外にざっと見たところ共生生物はいなかった。これとは別に少し大きめのヨコヤホンヤドカリが2匹。これらにはヨコエビの共生が見られた。このような状態で主に胸脚の毛の間に紛れて共生している。特に長い毛が密に生えている鋏脚には多くのヨコエビが共生していた。以下の写真は右鋏脚のヨコエビ。鋏脚と言えども小さい左鋏脚には共生するヨコエビの数が少なかった。また右側のヨコエビと比べて小さめのヨコエビが付着していた。さらに言えば毛の密度が低い歩脚にいたヨコエビはより小さな個体であった。付着場所によるヨコエビのサイズの違いには、毛の密度とか、毛の長さとかが関係しているのだろうか。いわゆる隠れやすさや付着のしやすさによるのかも?面白いところにもヨコエビの共生が見られた。こちらは右第2触角の部分欠損があるヨコヤホンヤドカリ。その基部、ちょうど触角棘の下にヨコエビがいた。こちらは第3顎脚。とてもよく動く部位であるが、これの基部にもヨコエビが付着していた。非常に面白い。こちらはおまけのダルマハダカエボシ。1匹のヨコヤホンヤドカリの宿貝に付着していた。今までの経験では、ヨコヤホンヤドカリの宿貝にはこのダルマハダカエボシが付着していることが多いような気がする。~~~~~以前のブログと同じようなタイトルになってしまった…。でも内容はよく似たようなもんだから仕方ないか。
2016年10月16日
シマキツネベラ(Bodianus masudai)。11日前の写真。このとき臀鰭の鰭膜に浅い切れ込みがあり、辺縁に小さな白い点があった。現在の写真。変化はない。軽症のLCDV感染症あたりかもしれない。増悪しない限り、もう少し様子見ても良さそうだな。
2016年10月15日
タンカクホンヤドカリ(Propagurus obtusifrons)がずっと同じ場所にいることが気になり見てみると、宿貝の共生イソギンチャクがストレーナーに吸い込まれていた。これが原因で動けなくなっていた。イソギンチャクはかなり吸い込まれており、簡単には取れそうになかったので、まず宿貝からイソギンチャクを剥がしてタンカクホンヤドカリを自由の身にした。次にストレーナーに吸い込まれたイソギンチャクの状況を確認。写っているのは剥がしたイソギンチャクの足盤。軽く引っ張っただけでは抜けない…。それで少々強引に引っ張って外した。イソギンチャクにダメージあり。現在イソギンチャクをケースに入れて様子を見ているが、うまく回復することを祈るばかりである。
2016年10月14日
ツノガイに入った深海性ヤドカリ残りは1匹。飼育開始から何とか半年経過。脱皮の失敗で☆になった個体がいる中、この1匹だけは(まだ1回だけだが)脱皮を成功させている。エサ食いは良い。写真はオキアミ小片を食べているところ。ほかにはキビナゴ小片なども食べている。
2016年10月13日
採集したヤドカリ、カニ、エビの一部。ヤドカリはダルダヌス属ばっかり。こちらはアオボシヤドカリ(Dardanus guttatus)。腕節の青い斑点が特徴。個人的にダルダヌス属の中では好きなヤドカリである。オイランヤドカリ(Dardanus lagopodes)。上の写真だけではアオボシヤドカリとの鑑別は困難かも。イシダタミヤドカリ(Dardanus crassimanus)。眼柄はピンク~薄紫。こちらもイシダタミヤドカリ(Dardanus crassimanus)。でもなんだか宿貝が変。ひっくり返すと…。タカラガイの背面の欠損部分からヤドカリが入っていた。上のほうに胸脚の一部が見える。ちなみにこの欠損したタカラガイを見ると巻貝であることがわかりやすい。ソメンヤドカリ(Dardanus pedunculatus)。下の写真は掌部の突起の確認ため撮影した。コモンヤドカリ(Dardanus megistos)。そのほかの甲殻類。ソデカラッパ(Calappa hepatica)。砂をゴソゴソを探っていて見つかった個体。フシウデサンゴモエビ(Saron marmoratus)。つづく。
2016年10月12日
少し前に大変お世話になっている深海生体を扱うショップよりやってきたコガネウロコムシ科の一種(Aphroditidae sp.)。今年の春にもやってきたことがある。パッキングされた袋が少し白濁していたのでダメかと思ったが、何とか生存を確認。腹側はこんな感じ。現在隔離ケースにてキープ中。こちらは残念なことにダメだった深海性環形動物。ダメとは言え、しばらく観察。個人的には興味深い個体である。
2016年10月11日
深海性のヒメヒトデの仲間。水深250mより採集された個体。飼育を開始してすでに7か月以上経過している。ほかの種の深海性ヒトデと比べて長期飼育しやすいと感じている。写真右下は自己アピール中のリュウグウハゼ(Pterogobius zacalles)。エサをねだってやってくる。かわいいやつだ。そして最近新たに深海性のヒメヒトデの仲間がやってきた。最初のヒメヒトデの仲間と同じ場所で飼育することにした。いずれも同じ種と思うが、こちらは色彩がやや濃く、今のところ色彩によって個体識別が可能である。写真左上の沈木内には深海性のウニ、Prionechinus forbesianusがいる。水深350mより採集された個体。最初のヒメヒトデより少し前から飼育しているが元気そうである。こう見ると深海性の棘皮動物、増加傾向。採集された時の状態にもよると思われるが、200m以深の棘皮動物と言えども飼育のしやすさにはかなり(?)差があるようだ。例えば前述のヒメヒトデの仲間はかなり飼育しやすい。目指すは(今のところ)数週間程度でダメになってしまうような棘皮動物の長期飼育かな。
2016年10月10日
串本で初めて見たオオイカリナマコ(Synapta maculata)。すでに掲載済の個体。ナマコ専門の先生にお伺いしたところ、越冬しているかどうかはわからないが、幼生が串本に流れてきて育ち、これぐらいのサイズになっていてもおかしくないとのことであった。それ以外に棘皮動物で気まぐれに撮影したものを掲載。転石下のミナミイツツメクモヒトデ(Ophiarachnella infernalis)。採集の備忘録で掲載頻度の高いシラヒゲウニ(Tripneustes gratilla)。ツマジロナガウニ(Echinometra sp. A)。先程と同様、Echinometra属のウニ。ホンナガウニか、リュウキュウナガウニかで悩む。個人的にはリュウキュウナガウニと思っているのだが、実際にはよくわからない。取り出して周口膜を確認しておくべきだったか。隠れている2種のウニ。下の写真は小石を取り除いて撮影したもの。左:タコノマクラ(Clypeaster japonicus)。右:ラッパウニ(Echinus pileolus)。棘皮動物ばかりの紹介になったが、軟体動物もいろいろ観察。以下、気まぐれに撮影した軟体動物。ビワガタナメクジ(Dolabrifera dolabrifera)。触ったことがある人ならわかるが、弾力のある餅みたいな感触である。トカラミドリガイ(Elysia lobata)だったのか…。コノハミドリガイだと思って撮影した個体であったが、回顧的に写真を見てなんだが違和感(→この感覚、結構大切)。調べてみたらトカラミドリガイであった。初の出会い。うれしいものだ。今までコノハミドリガイだと思って見過ごしている可能性はありそうだが…。ジャノメアメフラシ(Aplysia dactylomela)。刺激を与えないように…。刺激→紫汁放出なり。ウミウシの仲間。どこかで見たことがあったと思ったのだが、結局よくわからなかったウミウシ、ドーリス亜目の一種。また今度調べておくか。そのほか…。上:キイロダカラ(Cypraea moneta)の幼貝。中:マガキガイ(Strombus luhuanus)。下:ウロコムシの仲間。環形動物だけれど。つづく。
2016年10月09日
少しずつ気温が下がり、深場生体の入荷に期待する今日この頃である。こちらは数日前にホムラspのところへやってきたビワガニ(Lyreidus tridentatus)。熊野灘産、深場採集のカニである。最初梱包を開け撮影するも、ほとんど動かず大丈夫かと心配したが、砂のある飼育槽へ入れると動き出して砂の中へ潜っていった。少しだけ安心した。さてこのビワガニだが、同定するために少しだけ勉強したのでここに記しておくことにする。甲側縁に棘がなく、腕節の棘が1本なのがトゲナシビワガニ(L. stenops)で、甲側縁に棘があり、腕節の棘が2本なのが、ビワガニもしくはフトクビビワガニ(L. brevifrons)になる。そしてビワガニとフトクビビワガニの区別については、甲の前方の幅で判断するよりも腕節の棘で判断するほうが、個人的にはわかりやすいと感じた。腕節の2本の棘のうち遠位の棘の向きに違いがある。遠位の棘が腕節の長軸方向の前方を向いているのがフトクビビワガニ。前方向よりもやや内側を向いているのがビワガニになる。ということでこの個体はビワガニだ。今回初めてのビワガニの飼育を試みているが、当初より砂に潜ったままで、与えたエサを食べた気配がない。別に飼育しているミサキアサヒモドキもほとんど潜ったままで、いつ食べているのかわからないし…。これはこれでいいのかもしれない。もうしばらく様子を見ようと思う。
2016年10月08日
10月上旬に行った串本磯採集の備忘録。これから潮が引くところ。潮溜まりにいたアベハゼ(Mugilogobius abei)。しばらくの間潮溜まりの観察を行い、その後シュノーケリングを開始。では早速。たぶんサンゴイソギンチャク(Entacmaea actinostoloides)。色褪せた白っぽいものが目立った。クサフグ(Takifugu niphobles)。潮の満ち引きに合わせて潮間帯にやってくる。よく見るとかわいいんだけれどなぁ。キリンミノ(Dendrochirus zebra)。フサカサゴの仲間(Scorpaenidae sp.)採集しそこなった…。採集してもリリースすると思うが、せめてもう少し撮影したかった。転石下の小さなタコ。かわいいもんだ。つづく。
2016年10月07日
今年の串本での磯採集においていろいろ興味深い生物が見つかる中、なんといっても一番はこちらのオオイカリナマコ(Synapta maculata)。10月初旬に串本で採集した個体である。沖縄ではそこらじゅうにいるけれど、串本で見たのは今回が初めて。非常に珍しい。少し前に串本海中公園のSNSで本州初記録のオオイカリナマコの記事が掲載されていたので、少し気にはなっていたものの、まさか見つかるとは。というよりもむしろ今が見つかるタイミングなんだと思う。沖縄では大きなオオイカリナマコがこれまた大きな触手を動かして摂餌行動を行っているのをよく見かけるが、この個体は小さく触手もこのようにかわいらしい。実際どれくらい小さなオオイカリナマコかと言うと…。(採集時に撮影した写真。)手袋と比較するとご覧の通り。ちなみに発見場所はこのようなところ。見かけたことがある生体がいるなぁ、でも小さいなぁと思いながら、そして本州初記録の記事のことを思い出して採集に至ったわけだ。採集した個体を見てオオイカリナマコで間違いないと思ったのだが、翌日にいろいろ巡って、最終的にナマコ専門の山名先生に見ていただいた。非常に稀有な出会いに感激である。
2016年10月06日
エサをねだっているシマハタ(Cephalopholis igarashiensis)。ネプチューングル―パー(Neptune Grouper)として紹介されることがある深海魚である。”エサくれ~”の視線(笑)。そして与えたエサを食べようとするシマハタ。以前に摂餌の動画を掲載していたのだが、楽天ブログで動画掲載ができなくなってからそれっきりだったので、今回摂餌の写真を掲載しておく。ちなみにこの水槽に連結するリフジウムにはレインフォルディア・オペルキュラリス(Rainfordia opercularis)がいる。フラットヘッドパーチ(Flathead Perch)として紹介されることがあるオーストラリアの海水魚である。あまりにもイベントがない魚であるが、シマハタ同様、すでに飼育開始から4年が過ぎ、あと数か月で5年になる。成魚サイズで購入したにも関わらず、まだまだ元気なのはうれしいことである。
2016年10月05日
採集した海水魚の一部。アオヤガラ(Fistularia commersonii)。学名のfistulaは仕事上なじみ深い。そういった点において覚えやすい学名だ。ハゼの仲間。お持ち帰りした個体の1匹。現在名前を調べている途中。クツワハゼ(Istigobius campbelli)。そこらじゅうにいるハゼ。たまたまタモに入ったので撮影。アライソコケギンポ(Neoclinus okazakii)。以前に採集し、少し調べたことがあるコケギンポの仲間。胸鰭基底に黒色斑点あり。このあたりの小さなベラ類はフィッシュイーターのエサとしてお持ち帰り。でも写真上のブチススキベラ(Anampses caeruleopunctatus)の幼魚は個人的に好きなベラでもある。ヨウジウオ類。写真上はすでに掲載済みのカンムリヨウジ(Micrognathus andersonii)。写真下はまだ調べていない。たくさんいるシマハギ(Acanthurus triostegus)。ハクセンスズメダイ(Plectroglyphidodon leucozonus)。ゴマチョウチョウウオ(Chaetodon citrinellus)。そしてサザナミヤッコ(Pomacanthus semicirculatus)。採集しやすいのは潮が満ち始めたころだろう。おわり。~~~~~今回ベテラン採集家との出会いがあり、多くのことを勉強させていただきました。誠に感謝~。
2016年10月04日
熊野灘産の深海性ウニ、ミカドウニ(Goniocidaris mikado)。結構長い間飼育していたつもりだったが、まだ6か月しか経っていなかった。さて昨日気付いたこと。ご覧の通り、棘の1本が欠損…。どうやら欠損しているのは皿状になっている棘のようだ。なくなった原因が気になるところではあるが、実は心当たりがある。(これはこれで置いといて。)そして興味は棘の再生に対して。皿状の棘ならなおさらである。うまく再生することを願い、再生途中の棘の形状観察を行いたい。おっと忘れるところだった。このリフジウム水槽の小部屋に新たなイソギンチャク…。いつの間にか底面に付いていた。もともと深海生体だらけだから、これもおそらく深海性イソギンチャク。どこかから知らぬ間に移動してきたのか、それとも増えたのかわからないが、楽しみな個体であることには間違いない。これも要経過観察。
2016年10月03日
採集したヤドカリなどの紹介。セグロサンゴヤドカリ(Calcinus gaimardii)。歩脚の色彩からセグロサンゴヤドカリか、クリイロサンゴヤドカリと考えて採集。Retroに写真を見ると、眼柄の色彩からセグロサンゴヤドカリであることがわかる。同時に撮影したセグロサンゴヤドカリの前甲の写真。セグロとクリイロの鑑別において撮影しておくと役立つ。こちらはスベスベサンゴヤドカリ(Calcinus laevimanus)。かなり適当な写真なり…。適当と言えばこちらのコモンヤドカリ(Dardanus megistos)もかなり…。眼柄や歩脚を見る限りはコモンでいいと思うのだが。そして悩ましいのはこちらのヤドカリ属の一種(Dardanus sp.)。ソメンヤドカリか、サメハダヤドカリか…。よくわからん。眼柄が短く見えるので後者かと思ったが、この写真での判断はダメだな。ハサミも含め、きちんと撮影すべきだと反省。あとモンバンイソギンチャクが宿貝の殻口の外側の上面に付着しているのはあまり見ないパターンだ。内側はモンバンだらけだったりして?少し面白い。おまけの猛毒ガニ、スベスベマンジュウガニ(Atergatis floridus)。せっかく撮影したので掲載しておく。つづく。
2016年10月02日
今回のシュノーケリングで観察した生体の一部。個人的に興味深かったのはクラゲムシの仲間。ガンガゼ類の棘の一部が少し太いなぁと思って見つけた個体。(すでに掲載しているお持ち帰りした個体。)棘の毒は危険だが、こういう発見がしばしばあるので、ガンガゼ類の観察はやめられない。シラヒゲウニ(Tripneustes gratilla)も観察対象。何か隠れていないかなぁとつい探してしまう。ちなみにこのシラヒゲウニの叉棘には毒がある。浅瀬の転石裏に付着していたウミウシ類。写真では鰓が出ていないが、たぶんホンクロシタナシウミウシ(Dendrodoris nigra)。ほかには…。ミカドウミウシ(Hexabranchus sanguineus)。ヒメアワビっぽい貝。ウロコムシの仲間かな。よくわからない共生ハゼ。写真の中央あたりの白黒の縞模様の個体。写っていないが共生しているテッポウエビがいた。気になるハゼだ。そしてやはりハゼが熱い。つづく。
2016年10月01日
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