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昨年の夏以降、私が大きく資産を減らしたことは、当ブログをお読みの方であれば、ご存知だと思います。サブプライム問題による金融危機の影響をまともにくらったのはもちろんですが、私自身の考え方にも原因がありました。私は株式投資をゲームととらえて行っています。これに関連して、2つの問題点が内包されていたと思っています。1.相反する2つの目的私が株式投資をする目的には、2つあります。・資産を築くことにより、束縛される要素を減らす。・株式投資ゲームを楽しむ。当初は、この2つの目的に矛盾はありませんでした。株式投資ゲームの得点は、資産の増加率です。ゲームに勝つということは、資産が増えるということですので、資産を築く段階では、2つの目的は一致していたと思います。むしろゲームと割り切ることが、資産構築に貢献したと思っています。しかし資産が大きくなった後では、資産を増やすことよりも守ることが重要になってきます。一方、株式投資ゲームとしては、資産が増えないと得点にならず、面白くありません。資産を守る投資手法と、資産を増やす投資手法には、違いがあります。ここに、ずれが生じてきました。私はゲームの得点をあげる事を優先した結果、大損害を被ることになりました。もっとも、ゲームでも守るべき時と攻めるべき時があります。守れなかったということは、単にゲームとして負けたとも言えます。しかし資産保全が唯一の目的であれば、違った対応になっていたと思います。2.抽象化した駒による作戦型ゲーム vs キャラクターゲームゲームには、登場人物などを抽象化したゲームと、登場人物にキャラクター性を持たせて感情移入を楽しむゲームがあります。抽象化したゲームでは、登場人物を攻撃力/防御力/移動力などの能力で表します。同じ能力を持つ駒が複数あり、それぞれに違いはありません。例えば将棋では、歩は両軍あわせて18枚、金や銀は4枚ずつあります。このように、両方のプレイヤーに同じ駒が存在することも、珍しくはありません。プレイヤーはこれらの駒を使って、勝利条件を早く達成することを競います。勝利できれば、どの駒が活躍しようとこだわりません。プレイヤーのたてた作戦が良かった結果、勝つことに楽しみがあります。一方キャラクター性を持たせて感情移入を楽しむゲームの代表としては、RPGがあります。主役級の登場人物は唯一無二の場合が多く、それら登場人物を成長させて活躍させることが楽しみです。キャラクターへの思い入れが強くなるのが特徴です。私は後者の感情移入型のゲームではなく、前者の作戦を考えるタイプのゲームを好みます。株式投資ゲームも、そのつもりでやっています。しかし例外が発生してしまいました。アーバンコーポレイションです。長期間保有しているうちに、大きな成功体験などもからみ、感情移入してしまったようです。既に2年前にはそれを認識していました。アーバンは売らないという結論が先にあるのも、感情移入の影響が大きいかもしれません。去年の夏に感じた、当分株式市場は波乱含みであるという相場認識は正しかったのに、ポジションを縮小しなかった理由は、アーバンを売却したくなかったためだと思います。(その他税金の問題などもありましたが)ここ1年の対応は失敗であったと認めざるを得ません。失敗の理由の多くは、いつのまにかキャラクターゲームに変わってしまったことだと思います。一旦リセットするために、一般口座に入っている本体分をクロス取引しようかな。その後の対応を的確に行うために、証券口座に表示される低い買値(これが愛着の一因になっているかも)を消すことが目的です。もう税金の問題はありません。むしろ今年は実現損が多いので、アーバンの利益で相殺するチャンスかもしれません。えっ? ただ売却するのではなく、また買い戻すのかって? 1年後にゼロになる確率:3分の1 1年後に数倍になる確率:3分の2と思っていますので、リスクをとる価値はあるでしょ。(私はリスクをとることが好きです。だから資産保全できないのかな?)これは損得勘定であり、感情移入ではないですよ。 たぶん。。。
2008.07.25
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7月18日にBNPパリバが、アーバンコーポレイションの株式の39.1%を保有したという、大量保有報告書を提出しました。 提出者EDINETコード:E11480 提出者名称:ビーエヌピーパリバセキュリティーズジャパンリミテッドこの大量保有報告書には疑問点だらけなのですが、とりあえず大量保有報告書のルールに関して、確認したことをまとめます。1.大量保有報告書のルールに関して・保有株式等にCBを含むか?6月26日にアーバンはBNPパリバに対して、300億円のCBを発行することを発表しました。(新株予約権の一部行使は不可)新株予約権を持っていて、まだ株式に転換していない場合に、大量保有報告書での扱いはどうなるのでしょうか?結論は、転換した場合の潜在株式数を、保有株式等に含めます。大量保有報告書の様式には、「新株予約権付社債権(株)」という欄があり、ここに記載されます。金融商品取引法第27条の23によると、新株予約権による株式に換算した株数も含めることになっています。・保有割合の計算方法上記金融商品取引法第27条の23の4項を見ると、保有割合の計算にあたっては、分子分母両方に、当該保有者による潜在株式数を含めるようです。それにしても法律の文章って、わかりにくいですね。東海財務局の説明の方がわかりやすいです。 株式等保有割合 =(自己保有分の株式数・潜在株式数+共同保有者分の株式数・潜在株式数) ÷ (発行済株式等総数+自己保有分及び共同保有者分の潜在株式数)となっています。・デリバティブ契約によるCBコールオプションの扱い大和証券のページにある2005年11月21日付け開示情報、「株式会社スクウェア・エニックス2010年満期円貨建転換社債型新株予約権付社債を対象としたデリバティブ契約に関するお知らせ~ SPSプログラムの活用によるファイナンスソリューション ~ 」が参考になります。この資料を見ると、以下のことがわかりました。-デリバティブ契約によりCBコールオプションを持つと、潜在株式として 大量保有報告を提出する義務が生じる。-CBコールオプションを買いと売りの両建てにすると、実質的には相殺されるが 大量保有報告では売りの分を差し引かず、買いの分だけが報告される。-CBコールオプションの所有者が(売り買い両建てなどの結果)複数存在する 場合には、売りが相殺されないため、買いによる潜在株式数がダブルカウント されることになる。2.疑問点まずは今回の大量保有報告書を、重要なところだけ簡単に整理しておきます。 提出者1:ビー・エヌ・ピー・パリバ・エス・ア 保有内容:新株予約権付社債権(株) 87,209,302 備考:共同保有者間で引渡請求権等の権利が存在するものとして控除。 提出者2:ビー・エヌ・ピー・パリバ・アービトラージ 保有内容:株券又は投資証券等(株・口) 87,209,302 備考:新株予約権付社債権には記載がない。<疑問1>ビー・エヌ・ピー・パリバ・アービトラージの保有株はCBの転換?提出者2のビー・エヌ・ピー・パリバ・アービトラージには、新株予約権付社債は記載されておらず、株券として報告されています。時価よりも高い、344円の行使価額で、CBを転換したのでしょうか?それともCBの転換ではなく、発行済みの株式を買い付けたものでしょうか?CBを転換したのであれば、発行済み株式数が増えているはずですが、増えていません。<疑問2>CBはどこに行った?アーバンからはビー・エヌ・ピー・パリバ・エス・アにCBが割り当てられたのですが、これは共同保有者間で引渡請求権等の権利が存在するものとして控除されています。共同保有者とはビー・エヌ・ピー・パリバ・アービトラージだと思いますが、こちらには記載がありません。CBはどこに行ったのですかね?なお、先ほど参考事例として書いた大和証券によるスクウェア・エニックスの件の大量保有報告書では、新株予約権付社債券として複数の保有者で、二重に記載されていました。<疑問3>保有割合の計算が変保有割合を計算する時には、分子と分母の両方に、潜在株式数を加算することになっています。しかし分母分子ともに、潜在株式数は加算されていません。もう転換されていて、潜在株式はないのですかね? 転換したのであれば発行済み株式数が増えていないとおかしいのですが。<疑問4>TOBしなくていいの?現在ビー・エヌ・ピー・パリバ・アービトラージは、株券を38.4%(共同保有で39.1%)持っていることになっています。3分の1以上の株式を買い付けるためには、TOBをしないといけないはずです。(さらに、所有割合が3分の2以上になる場合には、応募株式全株の買い付け義務があります。)TOBしなくても良かったのでしょうか?保有割合の計算が間違っているのかな?保有株式数87,209,302 ÷(発行済み株式数227,071,645 + 潜在または転換済み株式数87,209,302)= 28.1%これだと、3分の1以下なのでTOBは不要ですね。そのうち、追加の大量保有報告書や、もしも今回の報告書に誤りがあれば変更報告書が出てくると思います。その時になれば、疑問の一部は解けるかもしれませんね。
2008.07.21
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株式投資で利益を得ることができるのは、少数派だと言われています。私も結果的には、勝つのは少数者だと思っています。その理由は、以前述べたとおりです。それでは、少数派になることを意識していれば、勝てるのでしょうか?私にはよくわかりませんが、少なくともそれだけで勝てるようになるほど単純ではないでしょう。株式投資に限らず、一般的に3種類のタイプの人がいると思います。1.多数派になることを意識している人多くの人に自然に受け入れられるには、どのように行動すればよいのかを気にしています。多くの人に受け入れられる行動は、一般的には多数派の行動になります。多くの日本人は、このタイプだと思います。2.少数派になることを意識している人多数派のやりそうもない行動を、意図的に行います。ただしそのためには、多数派はどう行動するのかを理解している必要があり、その逆の行動をとりたがります。本人は多数派の対極に位置しているつもりですが、裏を返せば多数派を常に意識しているとも言えます。3.周りを気にしない人周りの人をあまり気にせず、自分の思ったとおりに行動します。結果的に、周りの多数派とは少しずれた行動をとる場合があります。本人は、少数派になろうと意識しているわけではありません。私は3番目のタイプが、一番幸せなように感じます。そして、株式投資ゲームにも、勝てそうな気がします。2番目のタイプで最終的に勝てるのは、一部の天才だけで、凡人が真似すると、いずれどこかで大敗しそうな気がします。
2008.07.16
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金曜日の日本経済新聞に、JAFCOが今期からファンドを連結しない方式に切り替えると表明した、との記事が出ていました。*** 7月11日(金)の日本経済新聞より抜粋 ***ベンチャーキャピタル(VC)が運営するファンドの決算処理方法を巡る議論が活発になってきた。大手VCのジャフコが業界標準となっているファンド連結型の決算方式を見直し、2009年3月期からファンドを連結しない方式に切り替えると表明したからだ。同社の動きをきっかけに既存のVC決算の問題点が浮かび上がっている。VC各社は06年秋に企業会計基準委員会が公表した新ルールに基づき、運営するファンドを子会社として連結する新方式を事実上、義務付けられた。 : 中略 :従来方式でのVCの収入はファンドから受け取る管理報酬とファンドの株式売却収入が二本柱。株式売却による収入や利益はファンドへの出資割合に応じて売上高や利益に計上する。だが新方式では管理報酬を子会社(ファンド)との内部取引として扱い、売上高に計上しない。一方で株式売却収入による収入は全額を売上高に計上する。VCの出資比率が3割程度しかなくても、外部出資者の損益はVCの営業損益に全額反映されることになる。最終損益の段階では自社の持分のみが反映されるが、売上高や営業利益を見ても「ほとんど参考にならない」(国内証券アナリスト)という問題を新方式は抱えている。*** 抜粋終了 ***これは前回のブログで、出資割合が低いにもかかわらず、影響力基準でSPCを連結させることに対して、愚痴った件と同じです。VCに限らず、不動産系企業などが利用しているSPCにも該当します。SPCを連結することによる影響については、SPC連結化の影響をご参照ください。余計なものを連結させたせいで、事業実態がわかりにくくなったと思います。そもそもこのルールができたきっかけは、ライブドア事件でファンドを悪用したため、ファンドの透明性を高める事を目的として、連結化を義務付けたものです。透明性を高めるために情報開示を進めること自体は良いことだと思いますが、連結化してしまってはかえって実態が見えにくくなります。目的は正しいのですが、連結化という手段は間違っていると思います。何でもごちゃ混ぜに連結すれば良いというものではありません。ファンドやSPCは、連結化以外の方法で情報開示すべきだと思います。JAFCOの件をきっかけに、投資家にとってわかりやすい開示方法に改善されることを望みます。
2008.07.13
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損益計算書の利益には、営業利益や経常利益など、いくつもの利益があります。皆さんはどのように使い分けていますか?今日は私の使い方をご紹介します。・売上総利益製品/商品自体の力だと思っています。製品力があれば、原価より大幅に高い価格でも買ってもらえます。したがって、製品力の判断に使っています。また、いかに低コストで製造できるかという意味で、製造力(量産効果も含む)も表していると思います。最近のように原材料価格が高騰している場合には、企業努力で原価を抑えることにも限界があります。うまく価格転嫁できているのかなど、事業環境の判断にも、使っています。以上のような観点で用いていますが、金額ではなく、売上高に対する比率の過去からの推移に着目します。・営業利益よく本業による利益だと言われますが、その通りだと思います。事業自体が順調にいっているのかを、判断するのに使います。金額の前期からの伸び率(DCFでの成長率の判断材料)と、売上高に対する利益率(事業状態の判断)の両方を、チェックしています。・経常利益一般的には、営業利益に金融収支を加えたものだと説明されます。しかし私の場合は、むしろ持分法投資損益を反映させるために、経常利益を重視しています。企業によっては、連結されない関連会社を多く持っていて、それが重要な場合があります。たとえば海外に合弁会社を作る場合に、外国法人(要するに自社)は50%未満しか出資できない場合があったり、油田や鉱山などの権益を得るのに3社以上で協調する場合には、50%以下の出資になりますので、連結されません。連結決算に対するそれらの影響が大きい会社では、それら関係会社からの利益を無視することは、適当ではないと考えます。私は経常利益額を、バリュエーションを評価する時の材料として使います。また成長率を判断するために、前期からの金額の伸び率にも注目しています。・税引前利益実効税率をチェックするのに、使います。法定実効税率から大幅にずれている場合には注意が必要なので、その理由を調べます。また先日書いたように、繰延税金資産と法人税等調整額により、業績予想の妥当性にも使えます。それ以外の用途では、あまり使っていません。特別損益が反映されているので、これで事業自体の評価や、バリュエーション評価には使いにくいですね。(会社予想も出していないし。)・純利益少数株主損益を反映させるために、重視しています。連結子会社にはなっているが、自社の持分比率が小さい子会社で、影響度の大きいものがある場合には、少数株主損益を除外しないといけません。これらは純利益の段階まで来ないと除外されないので、注意が必要です。特に出資割合が小さいにも関わらず、影響力基準とやらでSPCを連結している場合、そのSPCによる利益と自社の取り分とは大きく異なる場合があります。たとえばフィンテックの前期決算では、持分0%にもかかわらず、影響力基準で連結されたSPCがありました。このSPCが売却した不動産について、売上や原価などが全額連結されているのですが、持分はゼロなので、少数株主利益の段階で全額控除されています。こういうSPCを連結するのって、変だと思います。その他不動産系のSPCで、数年前から会計基準の変更により、影響力基準で連結されるようになったものが多くありますが、それらSPCのノンリコースローンなどを連結化すると、かえって実態がわかりにくくなるように感じます。話を戻します。純利益は、バリュエーション評価に使います。バリュエーション評価にあたっては、少数株主持分を控除する必要があるからです。なお、特別損益の影響も除外すべきですが、特別損益が大きい場合には、経常利益の6掛けを基準にしています。以上が、私の使い分け方になります。私は正式に会計を勉強したことはありませんが、投資経験の中から、このような見方になってきました。皆さんの使い分け方など、いいアイディアがあれば、教えてください。
2008.07.10
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シミュレーション・ウォーゲームは、過去の戦闘を再現したゲームです。両軍の戦力には差があるケースが一般的であり、片方が圧倒的に有利な場合も多くあります。両者の勝利条件を各々設定することにより、ゲームとしてのバランスをとっています。弱小側のプレイヤーになった場合には、まともに正面から戦ったのでは勝ち目がありません。自軍の損害を最小限に抑えつつ、相手の行動を遅らせる遅滞戦術と、相手の弱点や補給路を狙うゲリラ戦が主な戦い方になります。ゲームのルールにもよりますが、補給路を断たれると、戦力が半減したり移動できなくなったりします。相手の大兵力を自陣深くにおびき寄せた後、敵陣後方の補給路を一斉に各所で攻撃して遮断することにより、相手の大群を身動きできなくした時の快感はたまりません。現実の戦争においても、補給路の確保は非常に重要です。どんなに優秀な戦車がたくさんあっても、燃料が無ければ動けませんし、弾薬が無くなれば攻撃力も無くなります。単に補給路に限らず、継戦能力が非常に重要な要素になってきます。日本は燃料や鉱物資源,食糧などの多くを輸入に頼っていますので、継戦能力は低い可能性があり、GDPの大きさや自衛隊の保有兵器の優秀さの割には、国力は弱いのかもしれません。最近株式投資でも、継戦能力が重要だと感じています。スルガコーポレーションは、2008年3月期は増収増益で過去最高益を更新したにもかかわらず、弁護士法違反がきっかけとなり融資が受けられなくなり、資金繰りに行き詰まりました。アーバンコーポレイションの2008年3月期も増収増益で過去最高益を更新しましたが、実績PER2.5倍という安値の行使価額でのCBを発行せざるを得なくなりました。その上いまだに資金繰り懸念から暴落が続き、先週末段階では年初来87%下落しています。どちらのケースも、前期末までの業績は順調であり、資金繰りの問題です。利益とは戦闘力で、資金繰りが継戦能力だと思います。補給路は予期しないゲリラ攻撃により、ある日突然閉ざされます。同様に、資金繰りを金融機関からの融資に頼っている場合には、金融機関の態度如何で補給路を断たれる危険性があります。そうならないために、日頃から継戦能力にも目配りしないといけませんね。
2008.07.07
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先日のブログで、流動資産の繰延税金資産が多過ぎると、翌期にそれを取り崩す必要が発生する危険性(取り崩す場合は、法人税等調整額に計上して、会計上の税金が追加されます。)があること、そして翌期決算予想の妥当性について、書きました。似た事例を見つけましたので、レビューしてみます。まずは、フェイスの2007年3月期の決算短信をご覧ください。流動資産の繰延税金資産に、13.5億円が計上されています。これを使い切るためには、13.5÷0.4=33.75億円の税引前利益が必要になります。税引き後利益としては、最低でも 33.75×0.6=20.25億円以上となります。翌2008年3月期予想を見ると、経常利益17億円,純利益13億円となっています。計算より7億円ほど純利益が足りないですね。繰延税金資産の取り崩しによる下方修正のリスクあり、と判断します。2008年3月期の結果を見てみましょう。 経常利益 : 19億円 税引前利益 : 21億円 法人税等 : 5.5億円 法人税調整額: 7.5億円 純利益 : 5億円税引前利益段階までは、計画通りだったようですが、純利益は8億円未達という結果でした。期初の予想通りに業績が進捗しない事は、ある程度は仕方が無い部分もありますが、その理由が重要です。法人税等調整額に注目してください。7.5億円分税金を追加で計上し、法人税等とあわせた実効税率は、62%近くになっています。(通常は40%程度)法人税等調整額のうちの大きな部分は、繰延税金資産の取り崩しの可能性があります。会社によっては、決算短信の(税効果会計関係)というところに、法定実効税率と大きくずれた場合の理由が記載されているのですが、フェイスの決算短信では省略されていました。そこで有価証券報告書を見たら、ずれた理由の大きな項目として、以下が記載されていました。 評価性引当額の増減 13.47% 税務上の繰越欠損金の利用 -6.99% のれん償却 11.83%「評価性引当額の増減」というのが、繰延税金資産の取り崩しではないかと思います。「税務上の繰越欠損金の利用」というのも、繰延税金資産の一部に入っていたようですが、使いきれなかった分を、評価性引当額の減少として計上したものと、推察します。(どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、コメントお願いします。) 非常にラフではありますが、この方法は下方修正リスクの判定に実用できるかもしれませんね。フェイスの今期を見てみましょう。流動資産の繰延税金資産が7.6億円ですので、7.6÷0.4=19億円 の税引前利益が必要です。純利益は、19×0.6=11.4億円 以上必要です。※実際にはフェイスの場合、繰延税金資産の取り崩し以外の理由により、実効税率は変わりそうですが、とりあえず無視します。会社による今期予想は、経常利益10億円,純利益1億円となっています。うーん、全然合いませんね。ただし予想経常利益と比較して、純利益が少なすぎます。既に繰延税金資産の取り崩しを見込んでいる可能性があります。税引前利益は経常利益と同水準の10億円とすると、法定実効税率40%を引くと、純利益は6億円になります。そこからさらに繰延税金資産の取り崩しをして、法人税等調整額が5億円程度発生することを見込んだ結果、このような予想をしているのでしょうかね?アセット・インベスターズと共に、今期決算に興味が湧きます。
2008.07.05
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以前書いたように、私は3月17日からの反騰局面は、見逃してしまいました。準備万端で出撃命令を待っていたのですが、全体相場の行方に自信が持てなくて躊躇しているうちに、乗り損ねてしまいました。やっと待ちに待った2番底が近づいてきました。まだどこまで下がるかわかりませんが、前場で出撃しました。1月23日ほどの自信はありませんが、チャンスを逃したくないので、少しずつ買い出動していくつもりです。ECB理事会やサミットなど、しばらく政治イベントが続きますので、それをきっかけに大きく動くかもしれませんね。上か下かわからないけど。
2008.07.03
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