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1971年オーブン以来親しまれてきた商業施設が今秋閉店と報じられました。チョウケゲンボウの観察をスタートしたのが2001年のことで、以来近隣の商店主の皆さんたちと産卵・ジュニア誕生、巣立ちを見守ってきました。しかし、今シーズンで最後になる可能性もあります。今朝、今シーズンはじめて現地を訪ねると、上空を雄が飛翔しハシブトガラスと制空権をめぐりバトルを展開していました。雌は、例年巣として使っている換気口にとまり、雄とカラスの空中戦の光景をみつめていました。その後、カラスが渡去するとようやく雌雄で飛翔し、ディスプレーフライトを披露したりを繰り返し、その後渡去しました。例年の巣を使うかどうかまだ流動的ですが、今シーズンも無事を確認できてよかった。(写真)2024年3月31日撮影(雄は2023年4月撮影)
2024.03.31
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27日に手賀沼沿岸でサシバを観察してきました。繁殖期は一日の大半を谷津田で過ごします。しかも活動している時間の大半を採食に費やします。その理由はなぜかと思い、文献に目を通してみました。東ほか(1998)は、千葉県印旛沼でサシバの生息調査の結果を整理し報告しています。それによると、1日の活動時間は平均14時間21分で、8箇所の止まり木に66回滞在したと記しています。捕獲した獲物を巣にいる雌や雛に運ぶとき以外は1回の飛行距離は短い傾向があったと述べています。また、採食場所が繁殖初期に谷津田でよく見られた理由は、効率よく採食することが必要であり、田植えが行われている田んぼにはニホンアマガエルやトウキョウダルマガエルが産卵のため集まり谷津田の草丈が低いので発見しやすいことにあると指摘しています。季節が進行するに伴い、採食場所が谷津田から林縁部、林冠部に移行するが、それは谷津田の草丈が高くなることと斜面林では餌動物が出現し始めるからと考えられると記しています。サシバの生息を支えている環境は、水田耕作が行われていること、谷津田に沿った斜面林が連続していることが必須という点を東ほか(1998)から教えてもらいました。(引用)東淳樹・武内和彦・恒川篤史.1998.谷津環境におけるサシバの行動と生息条件.第12回環境情報科学論文集別刷.p239-244.社団法人環境科学センター.(写真)2024年3月27日手賀沼沿岸で撮影
2024.03.30
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3月28日に東京都葛飾区水元公園で観察したアカハジロ交雑個体について観察した特徴と撮影画像を復習しました。その結果、観察した個体は、アカハジロ交雑個体と思われます。(観察した個体の特徴)頭部は焦げ茶(*)で、虹彩は暗色、眼先下にこげ茶の斑が見られ、アカハジロ雌を示唆しています。また、嘴先端の黒斑は嘴爪の外に広がり、雄の嘴爪に限られているのとは異なっています。胸は焦げ茶色に見え、幼鳥に見られる腹部の細かい褐色斑はありませんでした。(*)雌個体では頭部の色は緑色が光沢があるはずですが、観察個体では認められませんでした。しかし、夏羽から冬羽にかけて緑色光沢が顕著になるとされ、その逆の冬羽から夏羽に換羽する際には緑色光沢がないように見えることも想定されるます。(観察した個体が交雑個体と判断した理由)(1)下尾筒の白色が認められません。アカハジロであれば下尾筒の白色が認められますが、観察個体については認められません。(2)アカハジロでは脇に白い部分が見られるはずですが、観察個体については認められません。(メジロガモであれば白色部はないと思われます)(3)メジロガモであれば頭部の形状が尖らず傾斜が穏やかに見えるはずです。しかし、観察個体では後頭にかけて尖って見えます。(4)額から黒い嘴までが直線的に見え、印象としてはオオホシハジロと同様の印象です。(写真)2024年3月28日撮影
2024.03.29
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鳥友から水元公園にアカハジロが飛来しているとニュースをもらい、現地に出かけました。東アジアで繁殖していますが、世界的に個体数が減少し1000羽を切っていると言われている潜水ガモです。その姿は蓮田にありました。頭部は焦げ茶で、虹彩は暗色、眼先下にこげ茶の斑、嘴先端の黒斑は嘴爪の外に広がっていました。また、胸は焦げ茶色に見え、幼鳥に見られる腹部の細かい褐色斑はありませんでした。これらのことからアカシバロ雌の特徴を備えていました。しかし、氏原(2015)が述べているアカハジロの特徴である頭部の緑色光沢や胸のあずき色とは異なっていること、嘴先端の黒斑が嘴爪の外に広がる面積が広い印象があり、交雑を否定する材料ではないとの印象でした。アカハジロのほかは、ホシハジロ。キンクロハジロ、ヒドリガモ交雑個体、頭部がかなり黒く変化していたユリカモメ、ユリカモメ若鳥、林の一角で姿を目撃したオオタカなどが登場し、楽しい時間を過ごしました。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p188-192.文一総合出版.(写真)2024年3月28日撮影
2024.03.28
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昨日までの雨で寒い日から一転し青空。サシバが飛来する時期なので手賀沼沿岸の谷津田を探索して歩きました。渡来したてはサシバのキンミィの鳴き声を聞くことが多いのですが、今日は電柱に止まっていたノスリをサシバが追い払う光景から目撃しました。しかも、ノスリがサシバの執拗な追尾で移動して止まった電柱にサシバが追い払うといった行動を何度も繰り返しました。観察した谷津田ではサシバが営巣し子育てをしているのは毎年ですが、一角では数年前からノスリも繁殖をしています。テリトリー争いが熾烈です。このほか、谷津田の電柱にはチョウゲンボウの姿、湿地に降りて抱卵している雌への獲物をゲットしているモズの姿があったり、鳥たちの生きる活動をみせてもらいました。(写真)2024年3月27日撮影
2024.03.27
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ガンカモ科シマアジは、氏原(2015)によると、春は番いで見られることが多く、秋通過していくのは大部分が幼鳥と報告されています。我孫子野鳥を守る会によれば、手賀沼とその周辺では2010年4月4日我孫子市北新田雌雄各1羽、1980年3月29日1羽、1981年4月12日、1993年4月4日、1998年10月3日各2羽いずれも手賀沼、2009年9月16日北新田、2010年3月30日から4月27日我孫子市北新田で雄1、雌2羽、2023年4月24日手賀沼が滞在したとの報告が寄せられています。今春、再会ができればいいなあと思いながら、その羽衣を復習してみました。(春に出会えた個体)一枚目から三枚目は春に出会った個体です。1枚目は我孫子市北新田、二枚目と三枚目は習志野市秋津で観察した個体です。雄は眼の上から後頸まで伸びる白い眉斑、黒褐色の過眼線、黒、白、青灰色の3色の肩羽、長めの黒い嘴、雌は全身褐色で黒褐色の斑があり、顔に汚白色の眉斑と黒褐色の過眼線とその下に汚白色のもう一本の線があります。(秋に出会えた個体)四枚目から六枚目は、2017年4月16日に都内水元公園で観察した個体です。眉斑が雌に比べて白っぽく見えたことから雄エクリプスの可能性が考えられました。虹彩には赤みはなく成鳥の赤みが強い点とは相違しており、幼羽と思われました。また、下嘴が肉色に見えました。ただし、雄エクリプスであれば雨覆が淡灰色に見えるはずですが、この時は見えずでした。(引用)我孫子野鳥を守る会.会報ほーほーどり.1975年-2024年.第1号から第297号.氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p117-123.文一総合出版.
2024.03.26
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昨日、茨城県の宿場町のチョウケゲンボウを見に出かけた折、セッカを見かけました。観察した個体は、頭部上面が褐色の地に黒褐色の斑があり、頭がザクザクとした感じに見えた雌個体でした。なかなか静止したところを記録するにがむずかしいのですが、静止した姿を観察なさった時には雌雄で特徴が異なります。上田(2013)が雌雄の識別について報告している内容を紹介します。(頭部上面)雄は頭部上面は一様に褐色なのに対して、雌は昨日観察した個体のように褐色の地に黒褐色の斑があります。(尾羽先端の白色部)セッカでは中央の2枚を除く10枚の尾羽先端部に白色部が現れますが、雌では褐色ががっています。(口内の色彩)春から秋にかけての繁殖期のセッカでは、オスの舌及び上下の嘴の内側(つまり口の中)が真っ黒になる.メスは普通,舌の基部に,舌に平行に2個の黒班が存在する以外は嘴の内側は肉色と上田(2013)は記しています。繁殖期になると、ぜひ見てみたいと思っていますが、まだかなっていません。(写真)一枚目、二枚目は2024年3月24日茨城県で撮影三枚目は2020年5月3日茨城県稲敷市で撮影(引用)上田恵介.2013.セッカ.分類と形態.Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.
2024.03.25
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。二週ぶりに現地を訪ねました。昨年の今頃は複数のペアが求愛行動をしたり巣に入ったりを繰り返していましたが、今春はまだ1ペアのみです。チョウゲンボウの様子を観察すると、雄がモグラらしき餌を捕獲し巣の近くの電線に止まり、キッキッと雌を呼ぶような鳴き声を出しました。雌が巣の中から顔を出すと、雌のもとに運搬。気配りがもてる雄の秘訣のようです。このほか、隣接する河川沿いにある柳の花芽をついばんむベニマシコ、ヒヨドリを見ていたら、そのポイントにカワセミの雄が飛来。花芽は鳥たちにとって人気の的。また、地面に咲いているホトケノザがあるエリアでは、耳羽が褐色のホオジロ雌、上面に光沢のある黒色が艶やかなハクセキレイ雄成鳥の姿、眼先が広く黒いアオジ雄成鳥夏羽、葦に嘴の会合線が黒くないセッカ雌が登場したり、楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年3月24日撮影
2024.03.24
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鳥友から千葉県のコシアカツバメの分布について質問をもらいました。文献を復習し動向を整理してみました。仲真(1984)が報告しているように、関東地方では1938年から1940年にかけて千葉県、1941年に茨城県での繁殖記録があるもの限られた営巣地にすぎませんでした。その後、1940年代から1950年代に営巣地が増加し、1971年以降分布を拡大したことが知られています。(千葉県での営巣記録)千葉県内に注目してみると、天津小湊町で1940年代~、茂原駅周辺と館山市内、大原町、一宮町で1960年代~、富津市1968年頃に営巣した旨の伝聞記録があり、1976年に一宮町、、1977年に鋸南町、館山市、白浜町、千倉町、鴨川市で営巣が観察され海岸沿いに分布を広げたことが判明しています。手賀沼沿岸では、我孫子市湖北台で1986年、1987年に営巣・繁殖しましたが、その後は観察記録が途絶えて現在に至っています。(海岸沿いに分布を広げた背景)千葉県での営巣場所に注目すると、木造、漆喰、モルタルの建造物に営巣し、ツバメよりも高い位置である2階以上の高さを選択しています。くれらに加えて、巣材である泥や餌である昆虫類が確保できる環境が海岸造沿いだったと思われます。手賀沼沿岸で1986年、1987年に営巣・繁殖しながらその後継続しなかったのは、巣材の泥の確保や餌資源に恵まれなかったことやスズメの競合関係が存在した可能性が考えられます。(引用)仲真晶子.1984.関東地方およびその周辺部におけるコシアカツバメの繁殖分布と営巣場所の選択.Strix.第3巻.p55-65.日本野鳥の会.手賀沼の鳥.1994.手賀沼とその周辺地域の鳥類目録.p41.我孫子野鳥を守る会.(写真)2023年5月24日茨城県筑波山山麓(営巣地保護の関係で非公開)
2024.03.23
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連日北西の風が吹き抜けるお天気が続き、水辺のフィールドでは水鳥、小鳥たちが葦原の中に退避しているものが多く観察を堪能することがかないません。しかし、極力風の影響をさけて観察が可能な我孫子市側の手賀沼遊歩道を探索しました。強風の中でもアカガシラサギは健在で、風を避けられるポイントで餌探しをしていました。サギ科の鳥は、春は部分換羽(繁殖期の前に風切羽、初列雨覆、尾羽以外行う)ですので、どのあたりから換羽するのかと注目していますが、まだその兆しはありません。ただし、首が冬よりがっしりとし、喉から胸の縦斑がやや黒っぽくなってきたような気がします。このほか、葦原には上嘴に丸みのあるオオジュリン、水際ではクイナ、遊歩道脇にはハクセキレイの雌雄、セグロセキレイの姿を見つけました。(写真)2024年3月22日撮影アカガシラサギの観察場所については、撮影者が集中する可能性が高いので非公開とします。
2024.03.22
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北西の風が強く吹き抜け、風を極力さけた探索が可能な都内水元公園に出かけました。小合溜には、カルガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、カンムリカイツブリ、ユリカモメの姿がありました。カンムリカイツプリは、襟状の飾り羽の見事な個体、飾り羽が少し出てきた個体、冬羽個体とさまざまな個体が観察できるのもここの自慢です。地上に近い位置を移動しながら植物の種子を採食していたルリビタキも登場。白いアイリングがあり雌と思われます。このほか、水面には60羽をこえるユリカモメが羽をやすめていましたが、遊歩道の脇に移動した際に青いリングをしていたユリカモメを発見しました。足環番号:右足・8A32835、左足・青E/Nで2013/3/13に市川市行徳野鳥観察舎前丸浜川で標識を装着したユリカモメ成鳥でした。11年の長きにわたりよくも無事で過ごしてきたものです。(写真)2024年3月21日撮影
2024.03.21
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4月まであと10日余り、そろそろ夏鳥たちの姿をフィールドで見かけるシーズンです。頭が真っ黒のコジュリンは、関東地方では茨城県浮島、甘田干拓地、千葉県旭市などでその姿を観察できます。その羽色について過去の画像ライブラリーを見ながら復習。(1)成鳥雄夏羽一枚目は、2019年8月24日茨城県甘田干拓地で撮影した個体です。頭部全体、嘴が黒く、頭部から喉が真っ黒です。下面が褐色がかっていました。(2)成鳥雌夏羽二枚目は、2018年3月11日茨城県甘田干拓地で撮影した個体です。嘴が肉色で、頭部は雄に比べて乏しく、眉斑が白っぽく(角度によって褐色)見えました。雄に認められる腮と目先に小さな黒斑は確認できませんでした。(3)雄第一回夏羽と思われる個体三枚目から五枚目は、雄第一回夏羽と思われる個体です。(三枚目2023年4月20日浮島、四枚目2020年5月3日浮島、五枚目2015年4月27日浮島で撮影)頭上は黒褐色で、頭部と嘴は黒く、白色または淡褐色の眉斑が認められました。(観察メモ)雌個体、第一回冬羽は、3月下旬から4月の渡来初期に見かけます。
2024.03.20
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我孫子市側の手賀沼遊歩道脇の葦原では、オオジュリンの小群が葦原の中のカイガラムシを捕食している様子が観察できます。今朝は、5羽程度の群れを4グループを目撃しました。どの群れも2羽の雄と雄以外の3羽から構成されていました。真冬は、雌雄ともに灰褐色の姿ですが、雄は褐色の先端部分が摩耗して内側にある黒い部分が見えてきます。雄は黒い頭部と顎線と頸回りは白さが印象的です。例年ですと、4月4週頃まで姿を見かけますが、同じグループが滞在しているのか、順次わたっていくのかなどが解明できていません。(オオジュリンの標識調査から判明していること)(財)山階鳥類研究所が標識調査に整理し報告しています。それによると、日本では東北地方以北で繁殖し本州以南で越冬するオオジュリンは、小鳥類の中では非常に多くの回収記録が得られ、秋の移動時期には太平洋沿岸沿い・日本海沿岸沿いを北から南へ移動する個体が多いのですが、北陸地方から関東及び東海地方に内陸を移動する個体も少なくないこと、朝鮮半島を経由して九州北部から東に移動する個体もいると思われることなどが判明していると記しています。どこかに集結して渡っていくのか、それとも小グループで渡っていくのか等、興味のあるところです。(写真)2024年3月19日撮影(雌2枚は2015年3月15日、2018年1月20日手賀沼撮影)(引用)https://www.biodic.go.jp/banding/seen.html山階鳥類研究所.標識調査でわかること
2024.03.19
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首都圏のミソゴイを観察したリポートを配信した後、どんなものを餌としているのか、どんな環境が必要なのかと質問をもらいました。(餌について)川上(2009)は、ミゾゴイの生態などについての知見を整理し報告しています。主要な食物は、ミミズを中心とした土壌動物で、サワガニや昆虫,陸産貝類などを採食していると報告しています。さらに、ミゾゴイのくちばしを他のサギ類と比べると、太く短く、魚を捕獲するには適しておらず形態的に土壌動物食となっていると述べています。ただし、今回の生息地では、ミミズを捕食していたのは目撃しましたが、その他の餌については不明です。(生息環境について)川上(2013)が述べているように、食物網の上位に位置する生き物であり、土の中に生息している昆虫類を食べ物としており、それを支える広葉樹林が必要です。従来は、中国南部、フィリピンなどで越冬するとされていましたが、愛知県で2015年、2016年広葉樹の林で越冬した記録があります。(鳴き声にちなんだ呼び名)今回のフィールドではその鳴き声を観察できていませんが、図鑑類にはィボー、ィボーと聞こえる鳴き声と報告かあります。川上(2013)が鳴き声にちなんだ呼び名を紹介し、平安時代におずめどり、うすべどりと呼ばれ、江戸時代にはすでミゾゴイと呼ばれていたたようで、鳴き声からヤマイボ、イブと呼ぶ地方もあり、ウメキドリ、牛のような鳴き声からウシドリといった地方名があることも記されています。(引用)川上 和人.2009.ミゾゴイ.Bird Research News Vol.6 No.12.p4-5.川上和人監修.2013.ひっすりと暮らす里山の忍者 ミゾゴイ.pp26.トヨタ自動車(株).
2024.03.18
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一昨日、稲敷市でノスリの羽色のいろいろを観察しました。私のライブラリーの画像と見比べて復習してみました。日本では亜種ノスリ(B.b.japonicus)と亜種オガサワラノスリ(B.b.toyoshimai) が生息しています。後者は、千葉(2012)が報告しているように、個体の喉や脛は無斑で胸の縦斑はわずか、成鳥羽は年明けから褪色の気配が出て,6-7月には体羽が真っ白な個体となります。(喉から腹の色のいろいろ)(1)喉から腹が白い個体一枚目は2022年2月5日手賀沼沿岸で観察した個体で、眼は暗色、頭は褐色、喉に褐色があり、喉から腹は白い個体です。二枚目は2020年3月7日に手賀沼沿岸で観察した個体で、一枚目と同様の特徴ですが、頭と喉はこげ茶が印象的です。一枚目の個体が二枚目のように換羽した可能性があります。三枚目は、茨城県稲敷市で2022年3月20日に撮影した個体で、頭部から後頚が白く見えました。眼、頭から喉は一枚目、二枚目と同様です。なお、一枚目から三枚目は目が褐色なので成鳥です。(2)喉から腹が褐色の個体四枚目は、2020年11月15似に手賀沼沿岸で撮影した個体です。頭の上は黒褐色で後頚が淡褐色で褐色の縦斑があったので雄成鳥と思われます。五枚目は、2016年9月14日に手賀沼沿岸で撮影した個体です。四枚目と同様で頭の上は黒褐色で後頚が淡褐色ですが、胸にあたりが茶色をしていました。六枚目は、2018年10月13日流山市で撮影した個体です。頭の上は黒褐色で後頚が淡褐色な点は五枚目と同様ですか、胸のあたりの褐色が際立っています。この二枚目の写真の個体は、長崎大学(2022)が報告しているユーラシア大陸亜種(Buteo japonicus burmanicus)のような印象があります。(3)背の黒味のある個体七枚目・八枚目は2014年11月23日に流山市で撮影した個体です。背に黒味があり、雨覆に擦り切れた羽毛が見えました。脛に斑が見えず、雌雄の識別はかなわなかった個体です。(4)眼の色が黄色っぽい若鳥九枚目から11枚目は、目の色が黄色っぽい若鳥です。ただし、上面の色、喉から胸の色はそれぞれ違います。(引用)千葉夕佳.2012.ノスリ.Bird Research News Vol.9 No.11.p4-5.長崎大学.2022.猛禽類ノスリのユーラシア大陸亜種が国内で越冬していることを初めて確認.プレスリリース.2022年7月19日.(日本を含む東アジアに生息するノスリ(Buteo japonicus ブテオ・ヤポニクス)という渡り性猛禽類のユーラシア大陸亜種が日本にも越冬分布していること、そして大陸亜種とサハリンを含む広義の日本列島亜種の渡り経路が日本海の両岸に沿って分かれているを発表)
2024.03.17
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3月に入って初めて首都圏で越冬中のミゾゴイの様子を見に出かけました。林の中の倒木周辺で餌探しをしていたので観察できたのは頭部のみでした。頭上の紺色、頭に白と黒の虫食い斑がかろうじてわかる程度、嘴は短めである点などを観察できました。また、林の中で巣作りをスタートしたオオタカが巣材を運搬していた折、カラスとバトルがあり枝に止まった光景を目撃しました。このほか、湿地帯ではコサギ、ツグミが餌を物色している姿、葦の中にいる虫を捕食していたシジュウカラ、水面を移動していたカイツブリ、ヒドリガモとヒドリガモとオナガガモの交雑個体などを観察しました。(写真)2024年3月16日撮影(ミゾゴイ二枚目・三枚目は2月29日撮影)ササゴイは絶滅危惧種であり、観察地は非公開とさせてもらいます。
2024.03.16
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春のシギ・チドリのフィールドに通う時期となり、茨城県浮島、甘田干拓地を訪ねました。浮島近郊の蓮田ではあちこちにオレンジ色の防鳥ネットが設置され、水位の高いためシギ・チドリの姿は見つけられず。それでも、本新地区でタカブシギ若鳥とタヒバリの群れを発見。その後、甘田干拓地に移動し、探索。ノスリの個体のいろいろを観察しました。虹彩が暗色の成鳥、汚黄色をした若鳥、胸から腹の白っぽい個体と実にいろいろな個体を観察しました。このほか、ツグミ、タヒバリの群れを観察しました。(写真)2024年3月15日撮影(フィールドメモ)・浮島は野焼きが行われた後で鳥影はなし。・甘田干拓地は、北側で土砂の掘り返し工事が行われ猛禽・シギ・チドリの姿は皆無。・浮島は12日の雨の影響で水位が高く、防鳥ネットの設置の影響もあり、鳥影は少なめ。
2024.03.15
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鳥友からカワウとウミウの識別がよくわからないと質問をもらいました。識別のポイントは顔にあり、着目するのは、口角と黄色部の広さであることをアドバイスしました。参考までにその内容を紹介します。(口角と黄色部について)カワウの口角は尖っていません。これに対してウミウでは口角は尖っています。また、黄色部はカワウのほうが広く見えることが多く、ウミウでは狭い傾向にあります。(顔の白い部分について)カワウの場合は顔の白い部分が眼より下にありますが、ウミウでは眼より上まで白い点で違いがあります。(体の色について)カワウはほぼ全身が黒く、上面は茶褐色です。対して、ウミウでは全身が黒色で緑がかって見えます。(写真)一枚目:ウミウ、2021年1月3日茨城県ひたちなか市平磯で撮影二枚目:カワウ、2022年9月5日千葉県柏市手賀沼で撮影三枚目:カワウ、2021年11月23日東京都葛飾区水元で撮影四枚目:ウミウ、2018年7月3日神奈川県大磯町で撮影(顔の白い部分が眼の上にあること、体が黒色で緑がかっていることからカワウ若鳥と思われます)
2024.03.14
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北の風が強く一日でした。二週ぶりに柏の葉キャンパス駅近郊の調整池を訪ねました。昨日の雨で調整池の水位は上昇しカモはともなくシギ・チドリの姿は期待薄と思いましたが、イカルチドリ、コチドリは健在でした。湿地帯でいろいろな餌を捕食しているイカルチドリですが、意外と歩き回らないのが特徴です。対して、コチドリは小走りの移動し羽をやすめているコガモ、ヒドリガモの隙間をかい潜りながら餌探しをしていました。この他、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、オオバンが羽を休めていました。先週まではタシギの姿があったと聞いていましたが、水位がアップし他に移動した模様でした。(写真)2024年3月13日撮影
2024.03.13
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昨日、手賀沼沿岸でアリスイを目撃しました。バードリサーチ(2023)の全国鳥類越冬分布調査報告によると、1984年から1986年の間では関東以南から九州にかけて分布していたが、2016年から2022年の間では南関東でも観察されるなど分布が北上しています。手賀沼とその沿岸ではどうかと過去の観察記録を振り返ってみました。なお、観察地については、近年の撮影者が集中する危惧があるので原則非公開とします。(手賀沼沿岸でのアリスイ)1990年までは、稀に観察された記録があるだけだったものが、2019年秋以降観察記録が増加しています。全国的な傾向と同様の結果となっています。観察記録によると、近年は秋から翌年春にかけて滞在し越冬しているものと思われます。(1990年までの観察記録)我孫子野鳥を守る会の観察記録によると、1989年8月20日柏市布施での観察報告が認められるのみでした。(2000年以降の観察記録)2005年10月12日に柏市大津ケ丘で観察されて以来、2006年3月19日までの間と2006年11月5日から2007年4月1日の間、2008年3月29日、2009年9月18日に15件の観察報告が寄せられています。(2019年以降の観察記録)2019年11月1日から20204月7日、2020年10月から2021年3月7日の間、2021年10月24日から2022年3月24日の間、観察地は異なっているものの継続した観察記録が43件寄せられています。(写真)一枚目:2024年3月11日、二枚目:2018年2月17日、三枚目2014年1月27日、四枚目:2014年3月22日、五枚目:2014年3月22日いずれも手賀沼沿岸で撮影(引用)バードリサーチ.2023.全国鳥類越冬分布調査.2016-2022年.p我孫子野鳥を守る会.会報ほーほーどり.NO1-297.1975-2024年3-4月号
2024.03.12
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二週間ぶりにホームグランド手賀沼とその沿岸を探索しました。ほとんど水鳥は渡去してしまったと思ったら、オオハクチョウ、コハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、タシギ、ユリカモメとまだ水鳥との出会いを楽しめました。このほか、ハイイロチュウヒが葦原の上を飛翔し、沼の水面の杭にはミサゴの姿。くわえて、遊歩道脇の草むらにアリスイの姿を発見しました。胸の赤褐色、下面には赤褐色と褐色がまじった模様も素敵でした。ただし、低木の枝止まったがゆえに思うようには撮影できず。でも、久しぶりの再会に感謝。(写真)2024年3月11日撮影(アリスイの全身を写したものは2014年1月撮影)
2024.03.11
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晩秋から春先に水田、農耕地、草地等で見かけるタヒバリの冬羽は頭から上面が灰褐色で不明瞭な縦斑があります。ところが、春先は喉から下面にかけて橙褐色となり、別種ではないかと鳥友から質問をもらうことがあります。これからの時期、タヒバリ類に注目してみると意外な発見も。(夏羽)一枚目、二枚目の写真は2019年4月7日に水元公園で撮影した個体です。上面が灰褐色で下面が橙褐色となっています。時折、鳥友からマキバタヒバリではないかと質問をもらうことがあります。マキバタヒバリは上面にある縦斑が明瞭でタヒバリが不明瞭な点と違いがあります。また同種の若鳥は眉斑がはっきり(成鳥夏羽では眉斑は淡褐色)としていますし、背に淡色の線があります。(冬羽)三枚目から四枚目の写真は2023年4月2日に柏市内、五枚目は2019年1月19日に茨城県稲敷市で撮影した個体です。頭から上面にかけて淡褐色で縦斑ははっきりしていません。(ビンズイとの違い)六枚目の写真は、2023年2月18日に水元公園で撮影した個体です。頬に小さな白斑があります。また、上面にオリーブ色味があり胸の縦斑がはっきりとしています。(タヒバリの上面は黒褐色で縦斑が規則的に並び、淡色の部分はありません)
2024.03.10
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北よりの風約5メートルの強風が吹き抜ける日となりました。強風の影響を受けにくい茨城県南部の公園を訪ねました。越冬したルリビタキの姿は3羽まで観察てきました。尾羽をリズミカルに降って登場し、観察している面々を楽しませてくれました。このほか、林の中をフィフィと口笛のような声を出しながらウソが登場。このほか、桜の花の蜜を吸いに飛来したメジロ、地面で種子をついばむアオジ、貯蔵していたドングリの実を運んできてついばんでいたカケスを観察できました。カケスは、下面が橙色を帯びており、多くの図鑑類にある灰色がかった褐色とは違っていました。(写真)2024年3月9日撮影(ウソは2013年2月撮影のもの)
2024.03.09
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仙台の鳥友から便りをもらいました。1月に仙台湾でマダラウミスズメとはじめて出会い、波は荒れていたが立ち上がった際に腹にぶち模様が見られたとありました。マダラウミスズメとは出会ったことがないけれど、千葉県銚子港で8年前の2月末にウミスズメの姿を目撃したのを思い出しました。石田(2015)が述べているように外洋に生息し、ほぼ船上からしか観察できない海鳥で、首の立ち上がりがないので、長方形の箱が浮いているように見えるので小型カイツブリ類との違いがあります。ウミスズメは、岩原(*)が述べているように北太平洋に分布し、アジア海域ではオホーツク海、日本海、黄海において、分布、繁殖しており、世界での個体数は100~200万羽と推定されています。日本では天売島以外での繁殖は報告されておらず、環境省(2023)が報告しているように、1956年に推定500羽、増減を繰り返しながら限られた個体数のみで、2022年で278羽が記録されているのみです。写真は、2016年2月28日に銚子港で観察・撮影した個体です。目の上に白斑がないので冬羽個体です。(引用)石田光史.2015.野鳥図鑑.p194.ナツメ社.環境省.2023.ケイマフリ・ウミスズメ等海鳥調査の実施状況.pp15.(*)岩原 真利.絶滅危惧海鳥類.世界アルバトロスデー&シルバーウイーク.https://albatrossday.org/seabirds/CR/Ancient_Murrelet.html
2024.03.08
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。鳥友からその様子を見てみたいとリクエストがあり、現地に向かいました。到着後、チョウゲンボウの様子を観察すると、雄がモグラらしき餌を食べ始めたばかり。しばらく待機していると、餌を雌がいる巣の運搬し、プレゼント。もてる雄はやはり違うと鳥友。ここのチョウゲンボウは、ホバリングしながら餌を探し捕獲する待ち伏せする狩りをします。フィールドにあるポールに止まり獲物が出現次第、急降下をして捕獲する光景も見かけますが、圧倒的にホバリングでの狩りです。3日に広大なフィールドの探索がかなわなかったので、今日は草原、葦原を探索してみました。ベニマシコ7羽、ホオジロ、アオジ、オオジュリンを観察できました。ベニマシコは、柳の花芽を食べに4月頃まで滞在するのでこれからが楽しみです。(写真)2024年3月7日撮影(ベニマシコ雌の正面のものは昨年3月撮影)
2024.03.07
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28日に埼玉県、一昨日千葉市内に飛来しているレンジャクを観察しました。いずれも下尾筒の色が橙色の個体がほとんどで、赤っぽさがある個体が数羽滞在しています。2つのフィールドで過去観察した時の画像を復習してみても同様でした。叶内(2020)が述べるように、幼鳥や第一回冬羽の下尾筒は橙色、成鳥の下尾筒は赤っぽいことを記しています。このことを考慮すると、春の渡りに日本に飛来するヒレンジャクは成鳥に若鳥たちがリードされて飛来しているのではないかと想像を膨らませています。また、雌雄の識別で黒い喉の下部の境界が不明瞭なのが雌、境界が明瞭なのが雄と述べています。そういえば、ヒレンジャクは雌雄どんな割合で構成されて渡りをしているのだろう頭をよぎりました。わかったつもりで観察していても、気を付けてみたいなかったと自省することしきり。(写真)一枚目:2024年2月28日埼玉県で撮影(下尾筒に赤い部分あり、喉下部の境界は明瞭)二枚目:2024年3月4日千葉県で撮影(下尾筒の色は橙色、喉下部の境界は不明瞭)三枚目:2024年2月28日埼玉県で撮影(下尾筒の赤い部分あり)四枚目:2021年2月21日埼玉県で撮影(下尾筒に赤い部分あり)五枚目:2020年2月19日埼玉県で撮影(下尾筒の色は橙色、喉下部の境界は不明瞭)(引用)叶内拓哉.2020.日本の野鳥.p326-327.文一総合出版.
2024.03.06
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柏市のオフィス近くの公園では、河津桜に続き緋寒桜も満開となり、市民を楽しませています。2種類の桜の花の蜜をめぐってメジロ28羽とヒヨドリ23羽が群れで争奪戦を展開。メジロが緋寒桜の蜜を吸おうと群れで飛来すると、ヒヨドリがそれを追い払うといったことを繰り返して展開していました。緋寒桜は濃紅色の花が半開きに下を向いて咲くのでメジロにとっては蜜を吸う姿勢が難しいようです。これに対して、ヒヨドリは緋寒桜の枝に止まると、蜜を吸うのに絶妙な姿勢をとることが可能です。このため、メジロは河津桜に移動し花蜜を吸っていました。それでも、緋寒桜のフレッシュに花蜜は魅力的のようで、ヒヨドリが渡去した僅かな時間でメジロが群れで占拠していました。このほか、公園内では、ツグミ、オオカワラヒワ、ハクセキレイ、ムクドリを見かけました。ツグミは下面がほとんど真っ黒な個体、黒色斑が薄い個体、その中間の個体を見かけました。個体差といってしまえば、それまでですが、差異がどうして生じているのかしらと素朴な疑問持ちました。(写真)2024年3月5日柏市で撮影
2024.03.05
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千葉市内の10haあまりの公園内に毎年レンジャク類が飛来しています。古代、麻績(おみ)氏により開発され、麻布を生産するために池で布をさらしたことから池の名がつけられた公園の近郊にあるヤドリギにその姿がありました。30羽のうちの10羽程度の群れがヤドリギの実を食べると口の中がネバネバになるのを嫌うのか木のくぼみに溜まった雨水をよく飲んでいました。個体を見ていくと、下尾筒が橙色のものが多いのですが、赤っぽい個体も数羽目撃。また、冠羽を広げていた個体とそうでない個体の両方を観察しました。(写真)2024年3月4日撮影
2024.03.04
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。今シーズン、はじめて現地を訪ねました。雌雄1ペアの姿があり、巣の中に何度か入ったりペアリングも複数回目撃しました。ただし、複数のカラスがペアを追い回したり、逆にチョウゲンボウ雄が追い払う行動を見せたりなかなか落ち着かない様子でした。このほか、ノスリ、トビが上空に登場したり、低木の枝にホオジロが止まり囀りを披露していました。さらに、近くを流れる河川の水面にはキンクロハジロ、ホシハジロ、カイツブリの姿がありました。今後、チョウケゲンボウの飛来は続くものと思います。例年のように複数の個体が飛翔したり、給餌する姿が見られるのも近々と思われます。(日本で多く見受けられる集団営巣)本村(2012)は、チョウゲンボウの生態や知見を整理し報告しています。その中で、単独営巣とともに集団営巣を行うことが知られていると記しています。集団営巣は、スペイン、ドイツ、日本、ノルウェー、ロシアで記録されているが密度が最も高いのは日本であると考えられていると述べています。またその要因は、安全な営巣環境、採餌環境、集団で防衛する必要などを上げることができるが解明されていないと記しています。(写真)2024年3月3日撮影(引用)本村 健.2012.チョウケゲンボウ 日本でのみ多く形成される集団営巣.Bird Research News Vol.9 No.8.p4-5.
2024.03.03
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29日にミゾゴイを観察してきましたが、夜行性なのか昼行性なのかを判断する報告が十分にあるとは言えない状況です。両論について文献の記述を紹介します。(夜行性を示唆する記述)たとえば、高野(1985)が夜間には林から飛び出て採餌に行くこともあると述べています。この報告は、山階(1941)が「日没前後に棲息所を飛び出して渓流の付近にて食を求め、日中は棲息所たる林の中に休息して居る」としていることを受けて記述した可能性があります。川上(2009)は、育雛期に昼間は親が交替で巣にいるが、夜間は両親とも巣から離れるのを観察したことがあり、山階(1941)はこの行動を見た可能性が考えられると指摘しています。(昼行性を示唆する記述)バードライフ(2010)は、ミゾゴイは夜間に活動する夜行性の鳥とされてきたが、昼間に活動する昼行性の鳥であることが分かったとしています。ところが川上(2009)が図鑑によって「雨や曇りなど薄暗い日は、昼間も採食する」と例外的に日中採餌しているように受けとられるものもあると指摘しています。しかし、活発に活動し観察しやすい繁殖期が梅雨と重なっているため雨天時に採食する姿がよく見られる可能性もあると述べています。(引用)山階芳麿. 1941. 日本の鳥類と其の生態第二巻. 岩波書店高野伸二.1985.カラー名鑑.日本の野鳥.p45.山と溪谷社.川上和人.2009.ミゾゴイ ナイトヘロンは夜行性?.Bird Research News Vol.6 No.12.p4-5.バードライフ.2010.ミゾゴイ会議の報告および保全活動に関する提言.p3.(写真)2024年2月29日首都圏で撮影
2024.03.02
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朝で雨が上がったと思ったらその後は北寄りの風が吹き抜ける日となりました。風の影響をさけて探索ができる我孫子市側の手賀沼遊歩道を探索しました。3年連続で越冬したアカガシラサギは健在で、風を避けられるポイントで餌探しに余念がありませんでした。サギ科の鳥は、春は部分換羽(繁殖期の前に風切羽、初列雨覆、尾羽以外行う)秋は完全換羽(一年に一回すべての羽毛が抜け替わり)をするとされています。昨年は4月下旬に夏羽に換羽していましたので、換羽がどこからはじまるのか注目しています。このほか、遊歩道を探索すると、複数のクイナが姿を現し水路を移動し餌を物色している姿や沼に係留されている船で羽を休めていたセグロカモメ、釣り客がまばらな釣り堀で餌を捕獲するのに待機していたカワセミ雄、強風で餌を捕獲するのに難儀をしていたチョウゲンボウが電柱に止まった後畑地に降り立ったと思ったら小鳥らしきものを捕獲後私が待機していた近くの電柱に飛来してくれてドキドキ。帰路には、葦原のあちこちに複数のオオジュリンが降り立ち、葦の中にいる虫を採食姿やジョウビタキが登場したり、キジの雄が縄張りの中を移動していく姿を目撃したり、楽しい時間でした。(写真)2024年3月1日撮影アカガシラサギの観察場所については、撮影者が集中する可能性が高いので非公開とします。
2024.03.01
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