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上巻 俺はとんでもないことをしてしまった。だがもう引き返すことは出来ない。 そもそもこんなことになってしまったのは、去年SNSに掲載されていた怪しい求人サイトに応募してしまったのが原因だ。その求人広告には「簡単な仕事で1日10万円」と掲載されていた。さらに「こちらから応募」のボタンを押すと、まず個人情報の入力と、免許証の写真添付を要求された。 この時点でキャンセルしていれば、こんなことにならなかったのだが……。友人からの借金を返すためにサラ金から借金し、馬券を買ったのが運の尽き。結果としてヤバイ借金が増えただけ。だからどうしても、まとまった金が欲しかったのである。まあ今更愚痴を吐いてもどうにもならない。あの求人サイトで安易に個人情報を流してしまったのが恐怖の始まりであった。 確かに10万円の報酬は嘘ではなかった。ただその仕事内容が問題だった。電話をかけて老人を騙して金を巻き上げる。そう最早誰でも知っている「オレオレ詐欺」とか「振込め詐欺」と呼ばれているたちの悪い仕事なのだ。俺の役目は「受け子」と言って、息子の会社の上司や同僚などを名乗って被害者宅を訪ね、現金やカード類を受け取る役割だった。 だから10万円もの高額報酬がもらえたのだが、俺を信じ切って金を渡してくれた老人たちの悲しい顔を思い浮かべると、だんだん自分が情けなくなってしまった。そして幼い頃に可愛がってもらった祖父母の顔までがぼんやりと浮かんでくる始末……。 それで3回目の仕事を依頼されたときには断ったのだが、指示役から「もうお前は犯罪者なんだぞ、もし抜けたらお前だけではなく家族や彼女に危害が及ぶことになるぞ」と脅かされてしまった。気弱な俺はその恫喝の一声だけで身震いし、仕方なく今日までこんな情けない犯罪を続けているのである。 家族に危害が及ぶと脅されたが、俺は高校卒業と同時に家を出て、もう両親たちとは5年以上逢っていない。と言うのも父親は競馬・麻雀・パチンコと博打に嵌って、家庭も顧みず給料もろくに運んでこないどころか、祖父母の金を盗んで勘当され、そのうえ母とも離婚している。その母も離婚後は水商売に染まり、男出入りが頻繁で俺のことはほとんど見向きもしなかった。だから俺は躊躇なく家を出たのだが、母のほうもやっと重荷を降ろしてほっとしたような雰囲気だった気がする。 俺の家庭はそんな状況だったから、祖父母の家に遊びに行ったのは、小学校に入学する頃までだった。だから今突然出会っても、お互い分からないだろう。ただ最近付き合い始めた彼女だけは守りたい。もちろん彼女の情報は漏らしていないが、俺のことを監視していれば、いずれはバレてしまうはずである。だから俺はそれが怖くて、指示役の言いなりになっているのだ。 最近は振込め詐欺対策が厳しくなり、手を変え品を変え手口を複雑にしたものの、老人たちも用心するようになり、余り仕事がなくなっており、なんとなくホットし、そろそろまっとうな仕事に鞍替えしようと考えていた。そんな折、しばらく連絡が途絶えていた指示役から久し振りに連絡が入った。なんと今度の仕事は詐欺ではなく、強盗だというのである。そして報酬も今までの3倍以上は出すと言うのだ。「冗談じゃない、10倍もらったって強盗なんか出来るはずがない」いつになく俺は強く断ったのだが「ふっふっふっ、それじゃあ松川友梨佳が事故に遭ってもいいんだな」と脅された。(なぜ指示役は彼女の名前まで知っているのだろうか……)俺は恐怖の余り前歯をガタガタさせながら、渋々今回も了解せざるを得なかった。 (下巻に続く) 作:五林寺隆下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村
2024.12.28
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雨上がりの散歩道では蝸牛( かたつむり)とよく顔を合わせる。今日は弁天橋というつり橋の上の欄干の上を這っていた。どこへ行こうとしてるのか、目的なんぞはないんだろうが、それとも、あるんだろうか、、でんでんむしよどこへ行く ~でんでん虫々 かたつむり お前のあたまは どこにある 角だせ槍だせ あたまだせ~ 頭の皴も伸びきって、おまけに毛も抜けちまって、生き抜くための頭はどこへ行っちまったのか、、戦うための角も、身を守る槍も亡くしまったよ、殻に籠ったままの暮らしじゃいけないんだ。でんでんむしを見習って、、、 てくてくてくてく、 蝸牛の歩みで一茶の蝸牛俳句を嗜むとしようか、、 ~足元へいつ来(きた)りしよ蝸牛(かたつぶり)~ かたつむりにも優しいんだな、 ~石原や照(てり)つけらるゝ蝸牛(かたつぶり)~ 日差しに照り付けらてる蝸牛に同情してるのかな、、 ~朝やけがよろこばしいか蝸牛(かたつぶり)~ 気分のいい日の句で元気がでるな、 ~山艸(やまくさ)に目をはぢかれな蝸牛(かたつぶり)~ 草に目を突っつかれないように気をつけな、 ~何事の一分別(ひとふんべつ)ぞ蝸牛(かたつぶり)~ ふいに止まって、何を考えているんでしょうか、生きるとはなにかとか?何処へいくんだろうとか? なかなか道端の蝸牛にも奥がありそうだ。 作:朽木一空下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村
2024.12.24
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私は毎日5~6時間はパソコンの前に座っているパソコンおじさんであります。ではパソコンでなにをやっているかと言えば、まずはテキストエディタで文章を書き、本ブログを含めて4つのブログ運営を行っている。さらにTVの録画、インターネット検索、囲碁・将棋・麻雀のAIとの対決や研究、カラオケの練習、また時々本機と繋いだプレイステーションのゲームもやる。 そのほか年賀状の作成、確定申告書の作成、デジカメ写真の閲覧、さらにインターネットでの買い物や、DVDや動画配信などによる映画やドラマ鑑賞にも利用している。だからもうパソコンは生活必需品であり、命の次に大切なものに昇格しているのである。 もちろんスマホやタブレットも所持しているし、ノートパソコンやリビング用の小型パソコンもあるのだが、なんと言っても私の書斎で鎮座している27型のオールインワン型パソコンの利用率が圧倒的に高い。このパソコンはHDDに代わってSSDが導入され始めた4年前に約20万円で購入したのだが、当時の状況ではかなりの高スペックだったはずである。ところがこのパソコンは購入時から時々トラブルを引き起こして、過去に3度ほど初期化を繰り返しているのだった。スペック的には全く不満のない充実した製品なのだが、品質面でやや外れ気味だったのかもしれない。 そんな状況であったが、今年の9月頃からまたゾロ少しずつ不調傾向が勃発し始めてきたのだ。まずインターネット検索をしていると、いきなり画面が変わり「デバイスに問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」と画面表示され何度も再起動を繰り返すようになったのである。ただこの時点では3~4回再起動を繰り返すと自動回復していたので、なんとか騙し騙し使うことができた。その後カラオケ用のアプリが不調となったかと思えば、Windowsソリティアなどのゲームも時々途中で途切れるようになり、さらにTVを管理するアプリなど購入時にバンドルされていたソフトウェアが突然使えなくなってしまった。 診断アプリでパソコン診断をしてみたのだが、機械的には問題なしの回答だった。たぶんOSにトラブルがあったのだろう。もうこれ以上耐えられなくなり、3年間の保証期間は過ぎてしまったのだが、苦し紛れにメーカーの修理窓口に相談することにした。保証期間が超過していたため、本来なら5000円の有料電話相談なのだが、ありがたいことに無料で引き受けてくれたのである。 そしていろいろな提案を受けて試してみたのだが、結局はとりあえずWindows内のシステムを利用して初期化することになった。前述したとおり初期化作業は初めてではないので、まずは次のような初期化準備作業を行うことにした。 Webブラウザのお気に入りのエクスポート、メールソフトのアドレス帳エクスポート、windows11のアップデイト、外付けHDに必要データーをコピー。そしてwindows11の「設定」から、「システム」→「回復」→「このPCをリセット」→「PCをリセット」と進めて初期化作業を行ったのだが、20分程度経過後インストール中に突然画面が真っ暗になり、再起動が始まり、立ち上がったかと思うと、一瞬インストール中の画面が表示され、再び再起動を繰り返すというパターンが延々4時間も続いたのであった。このまま放置しても、たぶん永遠に暴走を繰り返すだけだと判断し、パソコンの電源ボタンを長押しして強制終了することにした。 翌日メーカーの修理窓口にこの状況を説明すると、購入時などに「回復ドライブ」を作成しているのなら、それを使って再度初期化してくださいと提案された。さっそく回復ドライブをコピーしたUSBメモリをパソコンに差し込んで、キーボードの「support」ボタンを押す。そして昨日と同じような画面指示に従って初期化を行ってみた。ところがなんと途中から昨日同様のエンドレス暴走がはじまり、またまた強制終了するしかなかった。ここまでしつこく暴走されると悲しくてたまらない、大声を出して泣くかパソコンを叩きつけたくなってしまったが、じっと我慢の子であった。 すぐにメーカーの修理窓口にこの状況を説明すると、もう「有償での工場引取り修理しかないですね、明日手配します」と最後通告をされ、もはや了承するしかなかった。もし余りにも高額な修理見積を提出されたら、修理を断って新品を購入しよう。ただ修理手配だけでも6000円はかかるという、まあ仕方ないか……。 有償修理に出す覚悟は決めたものの、少し気になることがあったので、もう一度だけ回復ドライブでの初期化にチャレンジすることにした。気になることと言うのは、以前回復ドライブで初期化した時もなかなかうまく動かず、起動メニューに記載されている英文の中の「USBDISK何某」という項目を選択したら動き出したということを思い出したからである。 なんとやはり思った通りUSBメモリが頻繁に点滅しはじめ初期化が始まったのだ。そしてどんどん先に進んでゆく、そしてあっという間に初期化が終了しwindowsが起動したのだ。もっともこのパソコンは当初windows10であり、のちにwindows11にアップデイトしているため、購入時に作成した「回復ドライブ」による復旧のため、当然ながらwindows10での起動であった。 そのためすぐにwindows11への自動アップデイトが始まったのはよいのだが、同時にいくつかのwindows10の更新プログラムが残されており、それらがバッティングしてまた暴走が始まってしまったのである。「あーあ、やっぱり有償の引取り修理に出すしすないのか、ここまで来て残念無念……」 と言いながらも、しつこく諦めず何度も強制終了を繰り返していたら、なんとなんとやっとwindows11が立ち上がっているではないか!!! そのお陰で残っていたwindows10の更新プログラムが全て消滅し、もう暴走は起こらなかった。「バンザーイ」「バンザーイ」「バンザーイ」感動の涙でぐしゃぐしゃになる。 すぐにメーカーの修理窓口に連絡し、有償の引取り修理は中止となった。よかった、よかった。やっぱり4年で買い替えなんて悔しすぎるからね。まあ、いずれにせよ、めでたしめでたし。 ……と、はしゃいでいたのだが、なんとその数日後にまたまた「デバイスに問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」と画面表示され再起動してしまったのである。幸い今のところは以前のように何度も再起動が繰り返されるわけではなく一発で起動するのだが、なんとなく「いやーな予感」がするのだ。 作:蔵研人下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村
2024.12.19
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枯葉絨毯に混じり込んだ、どんぐりやらの木の実に塞がれた道をザクザクと踏み締めながらの秋散歩、蓑虫が頑なに身を包み、世間と縁を切ってゆらゆら揺られて楽しんでいるのだろうか、いいや、きっと、孤独にむせび泣いているのだろうよ、ちょいと、突いてきいてみたくなった。 てくてくてくてく、、 春の華やかさ、夏の情熱、秋の旅愁もなく、晩秋には悲しみ虚しさの匂う空気がが漂っている、山陰に沈む夕日の赤にも哀傷がただよっている。 渋柿が見捨てられたまま葉を落とした裸木に残って、朽ちて落ちる時を待っている。木の枝では塒(ねぐら)無くした鳥が啼き、季節に迷った沢蟹がうろうろしてる。 ~蓑虫の ぶらぶら揺れる 余生かな~ ~木枯しに 夏懐かしむ 孫の声~ ~紅葉が 縋る老木 日が暮れる ~ ~無口だね 病隠した 秋散歩~ 作:朽木一空下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村
2024.12.15
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泣きながらさつきの丘に辿り着き海を見下ろし鐘を突くひと昆布茶飲み音楽を聴き瞑想しオーベルジュの夜は静かに暮れる絶え間なく溢れ落ちるや不動滝 濁れる水にこころも染まる作:五林寺隆下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村
2024.12.10
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ウェルテルの若き悩みも風呂敷包み押し入れの中かくれんぼもういいかい愛追いかけてた かくれんぼ幽霊だった ないものねだりだめ川柳 言葉遊びの 鬼ごっこ笑い泣きしてるゴミ箱の中作:朽木一空下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村
2024.12.05
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引っ越しの荷物と共に移り行く以前の家に心を置いて壊される夫と作ったあの家が設計図には二人の会話作:成風下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村
2024.12.01
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