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つい先日、困ったことがありました。すでに決まっていたある中国企業の幹部の訪日研修旅行の内容を急遽変更したいと申し出がありました。東京と北海道(札幌、小樽)を巡るツアーだったのが、「北海道をパスして、代わりに九州にしたい」とオーダーがありました。突然の変更に戸惑いつつ理由を尋ねると「札幌、小樽のイメージが変わった」とのこと。「東京の原宿と似てる」などと言う始末です。どういうことなのか?詳しく聞いてわかったのが、6月に発表になった札幌と小樽の新たな観光プロジェクトの「ロリカワ観光ツーリズム」というのもので、何でも現地の建造物の雰囲気とゴスロリファッションなどが噛み合うとのことで企画された様子。来年には500-1000人の訪問客を目指すと。様々な議論からこうした企画が生まれたのでしょうが、こういう観光の企画の難しさは、単に「集客を目指す!」とは言うものの、現実には、それが原因で「減少する」こともある、ということです。今回の一件はまさにそれです。ロリカワに興味がない客がキャンセルしてきたという事実。今までの客に加えてロリカワで集客アップ!という目論見だったとすれば、このようにハズレる場合もあるわけです。ここが観光政策の難しいところ。一石二鳥を狙いたい気持ちはわかるけど、現実には「離脱」していくファンもいるということを再確認しました。ロリカワで新たな新規客がどのくらい増えて、逆にそれが原因で離れていく客、あるいは候補地として選ばれない…で減少する分と、どちらが多いのか?「何でもやってみなければわからない」のは確か。大事なのは効果測定をしっかりやって「成功だったのか?失敗だったのか?」を確認しながら進めることだと思います。決して「これは当たるはず!」と思い入れ過ぎないで途中で何度も修整を加えられるようにする、と。そうしないと予算の垂れ流しになるのでご注意を!(これは全国で言えることです)★レジャーサービス研究所のホームページ★中国人観光客にもっと売る新“おもてなし術”価格:1,470円(税込、送料別)
2013/08/24
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衣類の整理をしていると懐かしいシャツが出てきます。私は仕事柄、様々な観光地やレジャー施設に訪れる機会が多いです。かつてはその度に色んなお土産を買ってました(家族友人知人用に)。主に食べ物(菓子類)が多かったのですが、ふと気がついてみると自分のお土産は何も残ってないことに気が付きました。それで何が欲しいか?自問自答してみると、どうせならシャツがいいなと考えました。それ以来、観光地やレジャー施設に行くと、シャツ(ポロシャツ、Tシャツなど)を買います。それらは何だかんだで10年くらいは保つので、整理する度に思い出すことができます。シャツを買うようになってから気づいたことは、欧米人の中高年客(特に男性)は、似たような考えの人が多いということです。リゾートホテル内にある店に行くと、奥さんに選んでもらっているシーンを見かけます。そんなことがあってからは、国内の観光地やレジャー施設のシャツに注目するようになりました。上記のような大人の自分土産の視点で見渡してみるとなかなか買いたい商品がないことがわかりました。そうした大人需要にも真っ先に取り組んでいたのはやはりディズニーランドでした。上記の写真にあるように、何でもかんでもミッキーやキャラクターではなく、ロゴだけで大人仕様の商品が多数開発されていて、その数は年園増加しています。あの東京ディズニーランドも、あれほどのリピーターでその度にお土産売上を伸ばし続けるには、こうした大人需要を創出し続けて工夫をしているからでしょう。子供向け商品だけではあの売上を維持するのは困難です。大人向けのシャツなどの商品は、売上に結びつくのはもちろんですが、また違った付加価値があります。それは、このようにロゴやブランド名が中心なので、友人がそれを見て「ディズニー・インスティチュートって何?」と聞いて来るのです。「ここはフロリダのディズニーワールドの中にあって、、、」「へぇーそんなリゾートがあるんだぁ…」という会話が続きます。つまり、買った私がプライベートで来て、さらに友人知人に宣伝しているようなものです。売る方から見れば、一石二鳥な商品と言えます。これがコーヒーカップや置時計のような「室内」で使用する商品だとそうは行きません。買った人が「外に着て出歩く(または持ち歩く)商品」だからこそです。こうした取り組みは1990年代からバリ島などアジアのリゾートでは積極的に行われるようになりました。この点においては、日本は後発で、まだまだ、子供と女性客がターゲットの商品開発が主流です。(どうしてもカワイイ系に偏ってしまう)(但しゴルフ場はのぞく)この7月は、訪日外国人客数が100万人を超え、記録を更新しました。外国人客の場合は、日本人と違って大人の男性客の購買力が大きいです。なのでこれからはより積極的に外国人客のお父さんが買える(身につけたり持ち歩くような)商品を用意したいものです。(大人男性客の購買力を満たしていないのが現状)★レジャーサービス研究所のホームページ★中国人観光客にもっと売る新“おもてなし術”価格:1,470円(税込、送料別)
2013/08/21
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先日、日本で働く外国人の方々を対象に実施した販売サービス研修でのこと。その中で少数派の欧州のドイツ人女性ワイスさん(仮名)。(大多数はアジア人)彼女が日本に来た理由の話しは大いに参考になったのでシェアしたいと思います。=====私はJ-POPや日本のアニメ、ファッションなど特に興味はありませんでした。ところが2011年のドイツワールドカップで「なでしこジャパン」の試合を見てから運命は変わりました。当時はなでしこの選手はほぼ無名で、しかも参加国中一番小さいチームでした。(なので、特に興味はありませんでした)その彼女たちの快進撃は、日を追うごとにマスコミの報道が増えて行きました。「こんなに小さい選手ばかりでなぜ勝てるのか?」非常に興味を持ち、ついには試合を観に行きました。決勝の「日本vsアメリカ戦」は一生忘れられない思い出になりました。周囲の人々は、日本がどのくらい善戦できるか?に注目はしていたものの、アメリカがどんな勝ち方をするのか?つまりアメリカの勝利を確信していました。そして「100年に一度の名勝負」と言われるほどの激戦を繰り広げて日本が勝利しました。会場にいた私は、それこそ号泣しました。「最後まで諦めなけれっばきっとチャンスがある」という聞き慣れた言葉が「本当なんだ」と初めて目の前で観ることができたのです。感動し過ぎてしばらくは立てなかったほどです。今までの人生で、外国人のことでこれほど感動した経験はありませんでした。その後、なでしこジャパンの選手のほとんどが、実はアルバイトで生計を立てていることを知り、本当に驚きました。アルバイトしながら夜練習して、ワールドカップで優勝する、、、。漫画のような話しだと。これがきっかけで日本に興味を持ち、日本語の学習を始めました。2012年はロンドンオリンピックに行きました。もちろんなでしこジャパンの試合を全て観るためです。決勝では惜しくも破れましたが、このオリンピックで改めて私がなでしこに魅了された理由を知ることができました。それは「ファインプレー」です。なでしこの試合は勝っても負けても、応援していて気持ちいいのです。ファウルが少ないし、あっても故意ではありません。だから相手国のサポーターも、なでしことの試合の時は、ブーイングする機会が少ないとこぼしているほどです(笑)。「スポーツ精神=なでしこのこと」という(ドイツの)新聞記事をみて、本当にそう思いました。それで他のスポーツも見たくなって友人のススメで日本の女子バレーボールの試合を観るようになりました。結果は3位の銅メダルでしたが、ここでも参加国中最も小さいチームで「なぜ?」と興味を持ちました。バレーボールは「身長のスポーツ」であることは間違いありません。それなのに、世界一小さなセッター竹下選手は紛れもなく世界一のプレーヤーでした。ドイツのマスコミの報道によれば、竹下選手はオリンピック前の練習で指を脱臼してしまった。それでも指を固定してオリンピックであれほど活躍したことに驚きました。サッカーでもバレーボールでも日本の試合は本当に気持ちいい。この時、いつか自分に子供ができたら、絶対に日本チームの試合を魅せたいと思うようになりました。もちろん私にも好きな選手は、たくさんいます(様々な国の選手)。しかし「好きなチーム」はなでしこジャパンなのです。そして、このオリンピックの観戦が引き金となって、日本に行く決意をしました。なので、今、日本で働いていて休日はほとんどがスポーツ観戦です。なでしこリーグに女子バレーボールの試合を中心に、時には卓球やテニス、柔道…など。スキャンダルにまみれた外国のスポーツと比べれば日本は「スポーツファン天国」なんです。心から応援しがいのある選手ばかりです。こんなに素晴らしい精神でスポーツをする人々がいる国で働けて光栄です。=====日本のポップカルチャーは世界的にも人気があります。だからと言ってそれだけを発信するのはもったいないと思います。スポーツこそ、その国の人間性(の魅力)を紹介してくれるコンテンツだと思います。日本に来て一番ガッカリしたことは、テレビをつけても「韓流ドラマ」ばかりで驚きました。なぜスポーツを放映しないのか?こんなに素晴らしい精神の選手より韓国の芸能人が好きなのでしょうか?「宝の持ち腐れ」とはまさにこのことです。最近は、マスコミの方々が私のように日本にいる外国人に「どうしたら外国人観光客を呼べるでしょうか?」と聞いてきます。外国からみれば)素晴らしいものを持っていながら、それに全く気がついていなのだと思います。国内向けのテレビが(政治的、商業的理由で)だめでも、せめてインターネット放送を使ってでも、世界にいるファンが観れるようにしてもらいたいです。(たくさんの競技の試合を)私はなでしこジャパンの試合を見て、「日本人はきっと努力家で親切で、そして安全な国に違いない」と確信しましたし、現に来てみてその通りだと実感しています。ドラマは作りもので、スポーツこそリアルです。本当に大事なもの、自分たちが大事にしたいことを発信するべきです。それができれば、外国人観光客は勝手に日本に来るようになるでしょう。私のように(笑)。★レジャーサービス研究所のホームページ★中国人観光客にもっと売る新“おもてなし術”価格:1,470円(税込、送料別)
2013/08/11
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