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みどりの窓口を支える「マルス」の謎日立製作所によって開発が始められた国鉄の発券システム「MARS(マルス)」の成長のドキュメンタリーである。1960年の「マルス1」から2004年に完成した最新の「マルス505」まで、開発年表やスペック表が掲載されており、システム屋として参考になる資料だ。現在のマルスは、データ投入から発券までのレスポンスタイムは最大6秒を保証するという。レスポンスタイムというのは非常に重要な要素なのだが、Webアプリが興隆してきた現在、ついつい忘れがちな要件仕様である。また、予約のブッキング、システムダウン対策など、システム設計の基本が淡々と述べられている。マルスは大型電算機の時代にスタートしたシステムだが、分散処理系に移行した現在でも、基本となる要件仕様は厳しくチェックされているようだ。マルス以前の座席予約システムは、回転する円卓に紙の予約台帳が並べられており、その円卓の回転速度が速いため、オペレータには動体視力と反射神経が要求され、けが人が続出したそうだ。一方で、「マルス1」は東海道新幹線開業前にリリースされたのだが、当初、新幹線の予約には使われなかったという。当時の人たちは、電算機を信用していなかったのだ。しかし、「マルス1」は順調に実績を伸ばし、関係者の信頼を勝ち得ていった。そして新幹線をはじめとする、すべての座席予約を担うこととなった。その後、マルスの作業範囲はどんどん広がり、現在では発券はもちろんのこと、ホテルやレンタカーの予約も含み、自宅の電話やインターネットからの予約ができるようになった。このような巨大システムの開発に携われrとしたら、仕事は大変だろうが、技術者冥利に尽きるというものだ。■メーカーサイト⇒杉浦一機=著 「みどりの窓口を支える「マルス」の謎」
2005.12.28
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太陽系ビジュアルブック私たちが子どもの頃は、太陽系の惑星といえば、地上の望遠鏡で撮影した不鮮明な写真であったり、想像図しかなかった。当時と比べると、付属CD-ROMに収められた「マルチメディア太陽系図鑑」は隔世の感がある。惑星探査機による豊富な画像を収めると共に、内容も分かりやすい構成になっている。コンテンツはWebブラウザで見ることができるので、早速、自宅のサーバにアップロードして、子どもが簡単に見ることができるようにした。子どものために、こういった百科辞典的なコンテンツを集めていきたい。■メーカーサイト⇒アストロアーツ「太陽系ビジュアルブック」
2005.12.22
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監視カメラ社会タイトルにある「監視カメラ」だけでなく、電話やインターネットの盗聴システムなど、ネットワーク社会にあってはプライバシーがないということについて、具体例を挙げながら主張している。国際電話を盗聴するエシュロン、オウムを追跡したNシステム、違法行為やテロを防ぐためにP2Pを監視するシステム‥‥社会秩序を守るためにはこうしたシステムは必要であろう。また、監視を行う者を管理する体制が必要なのではないかという考えがある。では、監視を行う者を管理する者を監視しなくてよいのか‥‥こうなってくると強迫観念に近いものがある。ITによって、我々は本当に幸せになれたのだろうか――IT技術者として、常に頭に置いておかなければならない問題だ。筆者は後書きでこう述べている。「テクノロジーの進歩が速ければ速いほど、我々は何を失ったのかを気づかずに時間を過ごしてしまう。スローライフが注目されるようになったのも、それに対する不安が大きいからではなかろうか」。
2005.12.13
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デジタル万歩計 [HJ-710IT]オムロンのデジタル万歩計である。USBでPCと接続し、データの取得、分析を行うことができる。根拠に基づいて自分のウォーキング量を管理できる。付属ソフトを使うと、毎日・週間・月間・年間毎の、累計の歩数、歩行時間、消費カロリー、歩行距離、脂肪燃焼量が分かる。グラフ表示もできる。本体には20日分の記録が残るので、気がついたときにPCに転送すればいいだろう。対応OSは Windows。また、会員制ネットに入れば、仲間同士でデータ評価することもできるという。■メーカーサイト⇒オムロン デジタル万歩計 [HJ-710IT]■販売店は こちら
2005.12.11
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〈図解〉ICカード・ICタグしくみとビジネスが3分でわかる本タイトル通りの解説書。A4判で、見開きの右が解説、左には図解があり、とても読みやすい。実は本書を読むまで、ICカードの特許を持っているのが日本人だとは知らなかった。特許を取った有村氏は存命で、巻頭インタビュー記事に載っている。IT業界では、今後ますます、ICカード・ICタグを利用する分野が増えていくだろう。ハード/アプリの基礎知識を仕入れておきたい。■メーカーサイト⇒ICカード・ICタグしくみとビジネスが3分でわかる本
2005.12.09
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キューブサット物語私は技術屋として大小様々なプロジェクトに関わってきたが、寝食を忘れて没頭したプロジェクトは、成功しようが失敗しようが、忘れられない記憶として残っている。本書は、関係した数多くの学生たちにとって生涯忘れられない記憶となって残る、世界初の学生による自作人工衛星が地球周回軌道に乗るまでを描いたドキュメンタリーである。2003年6月30日、東大と東工大の学生たちが作った人工衛星2機が地球周回軌道に乗った。一辺10センチ、重量わずか1キロ。かのNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)がキャッチできるギリギリの大きさというミニミニ衛星である。本書は、この世界初の快挙の物語を綴ったドキュメンタリーである。筆者自身がこのプロジェクトを支えるNPO法人に所属し、大学で打ち上げの様子を見守っていたというだけあって、打ち上げの章は圧巻である。打ち上げに成功したとき、学生の1人は「細胞という細胞から涙が出た」と表現しているが、これは名言だ。私は彼らと直接会ったわけではないのに、この一言で彼らと意識を共有できた。宇宙開発というと、政治的なしがらみや、経済的な問題など、巷では様々な議論が沸き上がる。しかし、自分が作った物を宇宙へ打ち上げたい――この純粋な技術屋の想いは、何人たりとも妨げられるものではない。そして、それを実現してしまう技術屋魂は、何物にも代え難い宝である。社会人になると、生きていくために日銭を稼がなくてはならないし、家族を養っていく責任も発生する。私自身、年齢による体力の衰えも見えてきた。年齢を重ねる毎に、プロジェクトに投入できるリソースが減っていく。しかし、これは学生も同じことだ。みんなバイトを抱えているし、院生は論文を書かなければならない。プロジェクト半ばで卒業、就職を迎える者もいる。物理的な制約も厳しい。人工衛星に搭載できるプログラムは、たった8キロ・バイトにおさめなければならない。プロジェクトは、常にリソースの制約を受けるものだ。ここが、無限のパワーを持った正義のヒーローと決定的に異なるところである。しかし、われわれ技術屋は、制約を受けながらも前へ前へと進み、引き返すことを知らない。新天地を開拓していく者すべてがヒーローなのである。若者のやる気の無さが叫ばれるようになって久しいが、こういうドキュメンタリーを読んでいると、そんなことは大人の妄想に過ぎないと感じる。われわれ大人が、彼らに難しい課題を、厳しい試練を与えれば、彼らはきっとそれに応えてくれるはずだ。■メーカーサイト⇒川島レイ「キューブサット物語」
2005.12.07
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新聞がなくなる日ネット時代に入り、紙の新聞の経営が窮地に立たされている。毎日新聞社の元社員が語る新聞の未来像。いささかショッキングなタイトルではあるが、数字を元にした天界は説得力がある。18歳から35歳の世代を対象とした調査によると、1996年の新聞の月極購読率は80.9%。2004年には70.1%に落ちたという。とくに、単身者の購読率が急激に落ちており、2004年時点でたった36.5%。このまま低下を続けると、戸別配達が成り立たなくなるというのが主張の第一点だ。戸別配達が無くなると、果たして新聞を読むだろうか?我が家では朝夕刊セットで月極購読しているが、私自身はほとんど新聞を読まない。ネットのニュースサイトと電車の中吊り広告で十分だと感じているからだ。ほんの数年前まで、毎日欠かさず新聞のスクラップをしていたものだ。しかし、仕事で必要な情報量は増える一方で、もはや、新聞を2、3紙購読しただけでは不十分となった。そのうえ、スクラップブックでは検索性、保存性、携行性が悪い。今でも、紙の一覧性はディスクプレイより優れている。しかし、いまの新聞は文字サイズが大きくなり、広告スペースも増えた。必要な記事だけ複数ウィンドウで表示できるディスプレイと比べると、かならずしも新聞の一覧性の方が優れているとは言えなくなってきた。そこで、3年くらい前から、すべての情報をノートPCにセーブするようになった。ホームページはそのまま保存。紙媒体はスキャナで取り込んで、OCR処理を施してからPDFで保存。これらのスクラップフォルダをデスクトップ検索の対象にした。私は、紙の新聞がすぐになくなるとは思わない。しかし、読者のニーズに応えた紙面作りを怠っているようでは、その将来は暗いと言えよう。■メーカーサイト⇒歌川令三=著「新聞がなくなる日」
2005.12.02
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