武蔵野航海記

武蔵野航海記

2008年03月06日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類


そして「本質」とは言葉だけのことだとも言っています。

また「種」というのも言葉だけのものだとしています。

ジョン・ロックが「種」というものに反対しているのは、古代の大哲学者であるアリストテレスが分類の大家で、自然界のものを「種」に分けたのを意識したものです。

動物園に行くと様々な動物の檻の前に説明が書いてあります。

たぬきのところでは、「ネコ目 イヌ科 タヌキ属 学名 Nyctereutes procyonoides 和名 たぬき」というのがあります。

私はこれを見るたびに、ジョン・ロックと同じようにうんざりします。

こんな分類にどんな意味があるのだろうと考えてしまうのです。

かれいとひらめは目の位置が右か左かで分けるのですが、これは名前だけのことでしょう。

日本ではカツオとマグロは別の魚ですが、英語では同じtunaです。

カモノハシなど、爬虫類か哺乳類かで学者たちが不毛の論争をしています。

結局、この種というのは言葉だけの概念で、ジョン・ロックはそれを指摘したのです。

このジョン・ロックの主張は、当時(17世紀末)では完全に無視されました。

聖書に「神はそれぞれの種を定めた」と書いてあるからで、彼の主張が認められたのは19世紀になってダーウィンが進化論を唱えてからです。

多くの日本人は「ひらめ」という魚と「かれい」という魚があると思っていますが、それはひらめという言葉とかれいという言葉があるからです。

アメリカ人はそんな区別はしません。二つを分ける言葉がないからです。

ジョン・ロックは、言葉が原因で錯覚が生じたのだと主張しているわけで、実はこれは仏教の「空」の思想です。

ジョン・ロックは、仏教の空と同じような発想で伝統的な哲学を否定したのです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年03月06日 07時44分44秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

小川のジョージ

小川のジョージ

コメント新着

shimanuki@ 貴ブログを拝読してのお願い 初めてご連絡させて頂きました。 私、株…
閲覧者@ Re:ツイッター(01/15) はじめまして。もう6年以上も前の記事なの…
matt@ gdrJnOuevls YnkSiF http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
matt@ IzwpNkRETOhQpCn letF1M http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
julian@ krwuxtpmJFP IbmiSr http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
julian@ mYbsTXaKLqnB 9bnzxn http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
sally@ NaNGabeaKJYv YzljX0 http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
john@ mLwAlkOWyDpdifNTRwb Kh6dOB http://www.QS3PE5ZGdxC9IoVKTAPT2…
xMIuHh ikcvgdm@ xMIuHh <a href="http://ikcvgdmuojgv.com/">ikcvgdmuojgv</a>, [url=http://hqopyip xMIuHh &lt;a href=&quot;http://ikcvgdm…
matt@ QCsLOESFFSYWul 4J3vON http://www.QS3PE5ZGdxC9IoVKTAPT2…

お気に入りブログ

「長い夜」 New! でぶじゅぺ理さん

メインブログ変わり… kuro★0703さん
巴里雀のつぶやき 巴里雀さん
旅好き人の日々放浪記 旅好き人さん
風雲 いざなみ日記 わだつみ判官さん
新月通信  メイ君2394さん
オージー生活 cobberさん
みきこクレパス Mikku@さん
できるだけ無添加な… 和菓子菓子さん
私の湘南スタイル VIVA7354さん

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月

フリーページ

小川の蛍


ご主人


薩摩藩


夜這い作法


JR西日本


スイス


バチカン


神との契約


システィーナ礼拝堂


コンクラーベ


多数決


一山衆徒


一向一揆


オノレ・ド・バルザック


チャイニーズ


チャイナの原風景


サビニ族の女達の略奪


葬儀場


鐙が世界史を変えた


額田王


邪馬台国


お釈迦様


天台本覚論


会社は誰のものか


パンテオン


日出ずる処の天子


家族の絆


氏素性


大王は神にしませば


源頼朝


平将門


明恵(みょうえ)上人


北条泰時


貞永式目


シェイクスピア


不干斎ハビヤン


近代資本主義の精神


鈴木正三


石田梅岩


由井正雪


熊沢蕃山


朱舜水


聖人


封建制度


山崎闇斎


浅見絅斎


靖献遺言



赤穂浪士


出版


大日本史


荻生徂徠


国学


18世紀の思想家たち


サン・ジュスト


ジョン・ロック


水戸学


兵学


雄藩


明治維新


福沢諭吉


中江兆民


明治憲法


ヨセフス


日清戦争


徳富蘇峰


明治の終焉


軍部


敗戦


日本国憲法


伝統世界への回帰


葬儀場


「あるべきようは」の生成


個人的な動機


輪廻転生


東京国立博物館


「日本人のための憲法原論」を読んで


続「日本人のための憲法原論」を読んで


続続「日本人のための憲法原論」を読んで


「日本人のための憲法原論」を読んで 4


日本神話について


「日本人のための憲法原論」を読んで 5


「日本人のための憲法原論」を読んで 6


目付


目付 2


目付3


為替


ローマ史を読みました


ローマ史を読みました 2


ローマ史を読みました 3


ローマ史を読みました 4


ローマ史を読みました 5


お家大事


敗戦後のクリスチャン


尾瀬


尾瀬 2


西洋哲学を読みました


西洋哲学を読みました 2


飼い犬の交通事故


西洋哲学を読みました 3


西洋哲学を読みました 4


郷士


仏性


郷士 2


御霊神社


千日回峰



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: