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おせちもお雑煮も作らないお正月は何年ぶりだろうか。というより、今回が主婦になって初めてだったかもしれない。嫁というだけで、客(義母と同居していたので、多くは義兄家族が訪れていた)をもてなし、紅白が始まろうが宴の席にはつかせてもらえず、年越しそばにお雑煮へと年末年始をただいたずらに忙しく動き回っていた。離婚するまでの二十数年間で、気持ちが穏やかだったのは、義母と離れて暮らすようになり親子水入らずで過ごした五年間くらいだっただろうか。生活習慣の違う者同士が一緒になって、義母と同居して義母の過ごしてきた東北の田舎のお雑煮を仕込まれたけれど、やはりわたしは実家のお雑煮が懐かしかった。すまし仕立ての薄味で上品なお雑煮は、本当に美味しかった。いつしかわたしが作るお雑煮は、実母の味を舌の記憶で作るようになり、今ではそれが我が家の味となったのであるが、今年はそのお雑煮すら作らなかった。去年の九月のことである。沖縄に赴任した次女の慰問を兼ねて、年末年始はそちらで過ごそうということになった。とりあえず、航空券の早割を予約し、後は野となれ山となれとその日を待った。三ヶ月も先だと高を括っていたら、あっという間にやって来て、通り過ぎてしまった。今となっては手遅れだけど、ちゃんとお料理を作ってあげれば良かったと、わたし自身は完全なる旅行者風情であったことを反省した。でも、次女のサプライズでスパを受けられたり、カウントダウンは海上のあちこちに華麗に開いた花火を見たりと、大感激の大満足の年越しとなった。人生は色んなことがあるけれど、やっぱりまだまだ捨てがたい。長生きをしていればこその喜びがあるものだ、としみじみ思ったものである。
2015年01月11日
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