【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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安乐传 The Legend Of Anle最終話韓燁(ハンイェ)の目の治療に不可欠だった長思花が見つかった。喜んだ帝梓元(ディヅユアン)は伏翎(フクレイ)山に駆けつけたが、大伯母・帝盛天(ディセイテン)の話ではいつの間にか開花した長思花が置いてあったという。しかしこの都で長思花を咲かせることができる真摯な心と根気強さを持ち合わせる人物は1人だけだった。梓元は翎湘楼(レイショウロウ)に洛銘西(ルォミンシー)を訪ねた。何と切り出して良いか分からない梓元、その時、洛銘西の手にいつも大事そうに眺めている玉佩があると気づく。「その玉佩は特別なものなの?」「玉佩の謂れは君にある…」あれは大雪の日だった。洛銘西は靖安(セイアン)侯に連れられて屋敷を訪ねたが、ちょうどその日に梓元が生まれたという。喜んだ靖安侯は祝われるたび褒美を与え、洛銘西も父に尻を叩かれて祝辞を述べた。すると靖安侯が自分の腰から玉佩を外して洛銘西に与えたという。「その時、靖安侯はこうおっしゃった…″梓元をお前の妹とする証しだ、守ってくれ″と」洛銘西は梓元に真実を打ち明けられなかった。すると梓元が露台にある小さな囲いに気づいて中を見る。「ここに鉢植えの花があったのね?何の花だったの?」「…海棠(カイドウ)だ、暗殺に来た冷北(ランベイ)が鉢を割ってしまった」梓元は洛銘西の優しい嘘に気づき、何とも言えない罪悪感に襲われた。「銘西哥哥…私はあなたに謝らないといけない…」「私に謝る必要はない、私が望んでやったことだ」しかし梓元は居たたまれなくなり、逃げるように帰ってしまう。「梓元、来世があるなら君と共にいたい…」帝盛天の治療が功を奏し、韓燁はついに見えるようになった。梓元のもとにも早速、知らせが届いたが、韓燁は光を取り戻してもなお考えを改めないという。想像以上に頑固な韓燁、すると焦った帝燼言(ディジンイェン)が伏翎山に駆けつけた。「これで姐姐を娶れますね!」しかし韓燁は梓元を韓家の皇太子妃にすれば不幸にしてしまうという。「もう守れる自信がない…昔から梓元を守ってきた洛銘西こそ相応しい」帝燼言は弱音を漏らす皇太子に深く失望し、下山してしまう。任(レン)府の婚礼の日。梓元が身支度を終えた頃、皇太子の説得に失敗した帝燼言が申し訳なさそうにやってきた。しかし梓元は最後の手段で大伯母を頼ったという。その頃、帝盛天はこれまで誰にも明かせなかった韓子安(ハンシアン)への秘めた想いを韓燁に告白していた。帝盛天と韓子安は蒼(ソウ)山で出会い意気投合、帝盛天は韓子安を死ぬまで支えると決めたという。自由に生き、欲しいものを手に入れ、どんな望みも叶えてきた帝盛天。それが韓子安にだけは最後まで近づくことができなかった。出会いの時を間違えたのか、出会った人を間違えたのか、もしくはどちらも間違いだったのか。何にせよ韓子安との出会いを後悔したことはないという。「友にしかなれず、気持ちを隠したはずが、まさか誰かを傷つけるとは思わなかった 孫瑜君(ソンユクン)の言う通り、私は身勝手だった そんな私の身勝手さが両家の確執を生み、取り返しのつかない悲劇を招いたの でもあなたと梓元は違う、同じ轍を踏まないで欲しい」すると帝盛天は嫁ぐ梓元に譲りたいと碧璽(ヘキジ)剣を韓燁に託した。「あなたの父上はやっと過去を手放した、あなたも手放して」「しかし…もう手遅れです、何もかも終わった」「いいえ!」その声は馬を引いて現れた帝燼言だった。帝燼言は安楽(アンルー)を真似て姉の口調のまま、皇太子に言づてを伝えた。「″来ないなら碧璽剣を持って靖南へ帰るわ、帝家と洛家は同盟を結ぶ 皇帝になりたいなら妃選びは慎重にね″と…」「荒唐(ファンタン)!」「″韓燁?私は3万の水軍を差し出したのよ?国か太子のどちらかをもらう″だそうです」「…大理寺卿を1年、務めたくらいでは海賊くささが抜けぬな」すると帝盛天は韓燁が思う以上に梓元は鼻っ柱が強いと笑った。「あの日、青南山で燼言が弟だと明かされなければ、あの子はあなたの後を追っていたのよ?」帝盛天の思わぬ言葉に韓燁は呆然となった。「殿下…ご覧ください、姐姐はあなたを失い、一晩で白髪になったのです」帝燼言が広げた手巾の間には梓元の白髪が挟んであった。日が暮れる頃、任府で婚儀が始まった。洛銘西と並んで入場した梓元、その時、ついに韓燁が現れる。「待ってくれ!」梓元が振り返ると韓燁が立っていた。「帝家の娘・梓元、天の定めた重責を担わせ、太子妃に封ずる 中原一の美形たる太子に差し出す嫁荷は3万の水軍、望みはひとつ太子妃の位を欲す …帝梓元、任安楽、太祖の遺詔と3万の水軍が証しとなる どんな名であろうと君が私の太子妃だ、梓元、待たせてすまない」すると洛銘西がそろそろ婚儀を再開したいと申し出た。韓燁は長思花の恩があっても自分の花嫁を渡せないと言ったが、そこへ本当の新郎新婦が現れる。「殿下、私から花嫁を奪うつもりですか? 父親代わりの殿下を立ち合わせるため遅刻しかけましたよ」韓燁はようやく新郎新婦が帝燼言と苑琴(エンキン)だと知り、まんまと騙されたと分かった。実は帝燼言も自分の婚儀だとついさっき知ったばかりだという。「この世で帝家の姉弟だけだ、平気で太子を欺くのは…」しかしこれは洛銘西の策略だった。「頑固な韓燁を連れ出すには仕方なかった、だが梓元が最初に考えた方法は捕縛だぞ?」(´⊙౪⊙)テヘ( ー̀ωー́ )<…太子殿下と呼べ洛銘西は最後の役目を果たし、梓元を韓燁に託してひとり翎湘楼に戻った。「今となっては賭けをするのも独りだ…」あの時、任安楽が皇太子妃になれるかどうか賭けをしたのがまるで昨日のことのように思い出される。「梓元よ、君の勝ちだな」韓燁は梓元を連れて蒼(ソウ)山の太祖の墓参りに来た。「太子たる私は己を律して生きてきた、ままならぬ人生ではある その中で最も喜んだことは祖父が決めた婚姻だ」「両家の間にどんな確執があろうと、運命によって結ばれた2人は引き離せない」「奇遇だな、心を動かされた任安楽が私が守りたい帝梓元だったとは」すると韓燁は碧璽剣を納めることにした。「帝家の栄光と天下の権勢を象徴する剣だ、父皇がとらわれた剣ゆえに置いていく」実は箱の中の碧璽剣の刃は二つに斬り割れていた。その夜、力尽きた洛銘西は翎湘楼の露台の長椅子に横になっていた。…私は靖安侯の期待に応えた帝家の名誉は回復し、君と歩む者が現れた君と長思花を見られぬのは残念だが悔いはない…韓燁と梓元の婚礼の夜、洛銘西はうっすら笑みを浮かべながら静かに目を閉じた。あれから7年が経った。韓燁は密かに育てていた長思花畑に梓元を案内し、満開の花を見せて驚かせる。「10年以上も前、ある少女が私に言った 長思花は凛とした美しさで、一斉に咲き誇る姿は満点の星のようだと… あの時、私はまだ年若く、種を集めさせ東宮の庭園にまいた 満開の花を見せて驚かせたかったが、その後、少女は都を離れた 私はこの場所でいつか少女の慰めになるようせっせと種をまいた 言うまでもなく寒い都ではずっと咲かなかった」「実は一度だけ都で長思花を見たことがあるわ」「…私もだ、初めて蕾を見たのは洛銘西の部屋だった」あの時、韓燁は心を込めれば奇跡が起こると希望を与えられたという。梓元は洛銘西の願いが靖南に帰って長思花を見ることだったと話し、結局、叶わなかったと嘆いた。しかし韓燁はこうして都でも咲くようになり、洛銘西も天下の民も見ることができると慰める。…帝梓元は天からの重責をその身に担う靖の皇帝・韓燁を支え、50年にわたり共に苦難を乗り越えたそして築かれるは輝ける太平の世、久しく天候に恵まれ、民は平和に暮らした…完( ゚ェ゚)公式では見つかりませんでしたが、番外編で2人の幸せな宮中生活も見られます興味のある方は動画サイトで探してみてください
2024.06.07
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安乐传 The Legend Of Anle第38話余命わずかとなった洛銘西(ルォミンシー)。琳琅(リンロウ)は必ず治せる医者を探すと励まし、都では育たないと言われた長思花(チョウシカ)も花をつけたと奇跡を信じた。しかしすでに心身ともに消耗した洛銘西はこれが寿命だと受け入れているという。「ご苦労だったな…」すると洛銘西は優しく琳琅の頭を撫でた。「ところで冷北(ランベイ)の消息は?」「庶民に落とされ、辺地に放逐されたと聞きました、今、捜索中です」一方、帝梓元(ディヅユアン)は口がきけない侍女として韓燁(ハンイェ)の世話を始めた。しかし早朝、梓元はうっかり韓燁の着替中に部屋に入ってしまい、出て行けと叱られてしまう。それでも梓元は引き下がらず、半ば強引に韓燁の身支度を手伝った。侍女が梓元だと勘づいている韓燁。そこでわざと困らせて梓元を下山させようと企むが、梓元はどんな嫌がらせにも耐えた。↓お茶にケチつけて何度も入れ替えさせ、結局いらないと言ってみたり…↓日差しが強いとか風が強いとかこき使ったり…思い出の魚料理にキレてみたり…頑なに心を開かない韓燁に尽くす梓元。その日は下山して任(レン)府へ戻り、長思花が見つかったか聞いた。やはり簡単には手に入らなかったが、決して諦めないと自らを奮い立たせ、伏翎(フクレイ)山へ戻る。すると日が暮れたというのに韓燁は独りあずま屋で苦手な酒を飲んでいた。「(はっ!)なぜまだいる?!」「(指でなぞる梓元)…何?!″離れない″だと?!」梓元は泥酔するとたがが緩む韓燁の姿に思わず失笑しながら、居所で休ませた。「普段は穏やかなのに、侍女にあんな口を利くなんて…見かけによらず意地悪なのね?ふふ 韓燁ったら、私は安楽寨(アンラクサイ)の寨主で帝家軍の統帥よ? 威張っていじめるのを内心、楽しんでいない?この日を待っていたんでしょう? あなたは私のために光を失い、こんなに卑屈になってしまった 韓燁…後悔している?」翌日、韓燁は侍女と梅林を歩いた。すると風が吹いて梅の花が舞い落ちてくる。「この香りは梅の花だな…」韓燁は安楽と転落した谷底で見た梅の木を思い出しながら、これで終わりにしようと決めた。「…帰るんだ、花の盛りは過ぎ、じきに散り果てる 君の目なら山河を見尽くすことができる、枯れ枝を見せるのは忍びない」「韓燁…なぜなの?」梓元はついに口を開いた。「梓元、帝家にとって韓家は敵だ… 何より戦の後で情勢は乱れている、私では君を守れぬ、山を下りろ」「守ってくれなんて頼んでいない!私の欲しいものが何か分かっているの?! 私の名前が何であれ太子・韓燁を決して諦めない、あなたも私の言葉を忘れないで」梓元は任府に戻った。すると帝燼言(ディジンイェン)が現れ、韓燁の持ち物から見つけた姉宛の文を渡して帰って行く。実は韓燁は決戦の前、青南山こそが自分に相応しい死場所だと覚悟を決めていた。…梓元、安寧(アンニン)が青南城を死守した訳が分かった帝家への罪悪感だけではない、足元に広がる国土と己が背負う国、美しい山河を守るためだ私は皇太子、この地で生まれ育ち、この地で死ぬ、それでいい黄泉の国に行ったら帝家一族と8万の将兵に慚愧(ザンキ)の念なく向き合いたい悔いを残したまま韓家の祖先の前に立つのは嫌だ国と民に対して思い残すことはない、ただ君だけが心残りだだが時は流れ、世は移り行く私たちは皮肉な運命に翻弄されたが、君にはこれからは笑顔で生きて欲しい何事にも煩わされず、心のまま平穏で楽しい日々を君を想い続けた人生だったしかし求め得ぬなら胸に秘めておこう、梓元、君を愛している…梓元は自分が韓燁の人生を台無しにしたのだと思うとやるせなかった。「必ず連れ戻して見せる…」そこで翎湘楼(レイショウロウ)に洛銘西を訪ね、協力を求めた。韓燁は吉利(キツリ)から洛銘西が梓元を娶ると聞いた。しかし韓燁は動揺を隠し、酒を持ってくるよう頼む。「祝宴に出られない代わりにせめて祝杯をあげよう」その夜、洛銘西も琳琅に梓元を娶ると伝えた。「私が去ったら翎湘楼はお前に譲る、ここで隠棲するといい」「大人(ダーレン)がいない翎湘楼に隠棲して何になりましょう…」すると琳琅は別れの印に舞を披露したいと言った。琳琅は月明かりのもと、天女のごとく美しく舞った。すると洛銘西の背後に忍び寄る刺客に気づき、咄嗟にかばって刺されてしまう。崩れ落ちる琳琅を抱き止め、呆然となる洛銘西。実は刺客は皇族を追われた莫北(モーベイ)だった。その時、千月閣(センゲツカク)が駆けつけ、驚いた僕北は露台から飛び降りて脱出してしまう。「琳琅!しっかり、すぐ医者を呼ぶ、大丈夫だ」「大人の腕の中で死ねるなら本望です…ずっとおそばにいたかったけれど… 願いは叶いそうにありません…大人…大人は誰からも愛される女子になれとおっしゃった… でも…私が愛して欲しい方はこの世にただ1人…琳琅はずっと…ずっと…」しかし琳琅は最後の言葉を伝えられぬまま事切れてしまう。。゚(∩ω∩`)゚。知らせを聞いた梓元が翎湘楼に駆けつけた。「これからは自分で身体を大事にしなくちゃ」「…ずっと心配だった、私が去ったら琳琅は独りで生きていけるのかと だが実は私が琳琅に頼っていたんだな」「どこかへ行くつもり?」「いや、ここを引き払って靖南に戻るつもりだった」洛銘西は梓元を心配させまいと嘘をついた。すると梓元は何にせよ安寧と琳琅の敵を討たねば戻れないという。実は冷北は敗戦を咎められ身分を廃された恨みから、梓元たちに復讐しようと都に潜伏していた。ある夜、莫北は懐かしい公主府に足を踏み入れた。巷の噂では人けのない公主府に夜な夜な安寧将軍の魂が灯をともすという。しかし中庭で待っていたのは白髪になった帝梓元だった。「冷北、ずい分と待たせてくれたわね」すると洛銘西が射者隊を率いて現れ、莫北を包囲した。莫北は偽の噂で誘き寄せられたと気づいたが手遅れ、あっけなく生け捕りにされてしまう。「お前の心は何でできている?いずれ腹を割いて見せてもらおう その前に酷刑に処さねば…安寧と琳琅の魂が浮かばれぬ」韓燁が中庭で棋譜を解いていると、ようやく洛銘西が現れた。「梓元と幸せに…」「太子妃を私に嫁がせていいのか?」「太子妃か…私でさえ忘れていた」思えば韓燁の梓元への固執こそが洛銘西の策謀の起点となった。しかし当時は梓元が執拗に韓燁に絡んで怒らせたため、計画が狂わないか気が気でなかったという。「意外にも私は耐え抜いたのか…」「そうだ、まさか太子殿下が女海賊に惹かれるとは予想外だった」すると洛銘西はこらえきれず咳き込んでしまう。「梓元を守るためにも早く身体を治せ」「大事ない、持病だ、それにこれでも太子殿下より気が回る」「ふふ、荒唐(ファンタン)」洛銘西は黙って開花した長思花を置いて帰って行った。そうとは知らず、韓燁は今でも肌身離さず持っている赤い石を手に取り、当時を懐かしむ。一方、任府では婚礼の準備に追われていた。すると苑書(エンショ)が朗報を伝えてくれる。「小姐!長思花が手に入ったそうです!」つづく( ๑≧ꇴ≦)回想シーンでスカイダイビングはやめて!頼む!w
2024.06.06
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安乐传 The Legend Of Anle第37話莫霜(モーシュァン)公主と天灯をあげた韓燁(ハンイェ)。帝梓元(ディヅユアン)を愛するが故に結ばれぬ運命を受け入れながら、帝家の安泰を心から願った。その頃、すっかり憔悴した嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は帝梓元と接見していた。「そちに謝りたい、英寧(エイネイ)にも帝家にも」「君臣が憎み合うのはどうかこれきりに…」すると皇帝は皇太子が戻ったら2人で今後のことを決めれば良いと笑った。梓元は翎湘楼(レイショウロウ)を訪ねた。洛銘西(ルォミンシー)は梓元を心配させまいと笑顔を見せたが、実はちょうど喀血したばかりだった。すると琳琅(リンロウ)はこらえ切れず、うっかり口を滑らせてしまう。「大丈夫ではありません!大人(ダーレン)はあなたのせいで…あの玉佩の約束は…」「琳琅!下がれっ!」梓元は珍しく声を荒らげた洛銘西に困惑した。「琳琅は心配なのよ、怒ることないのに… これまで何年も私のために無理をさせた、ごめんなさい」「梓元、気にするな、私のことなら心配無用だ」その夜、琳琅はひざまずいて洛銘西に許しを請うた。「琳琅…お前は分をわきまえ道理を知る女子だ、だが今日はどうした?」「帝小姐への想いは太子殿下より勝っているのに、なぜ明かさぬのですか?」「余命わずかの私が明かしたところで何になる?」「でもお二人は許嫁です」しかし洛銘西は太祖の勅命で梓元との縁は切れたと言った。莫霜は献身的に韓燁の目を治療していたが、結局、視力は戻らなかった。そんなある日、莫霜の侍女が駆けつけ、靖国で嘉昌帝の危篤の噂が流れていると報告する。韓燁は父皇が自分を探し出すため、わざと噂を流したと気づいた。国を揺るがしかねない皇帝の健康状態、皇帝の意思がなければ表沙汰になることはない。「戻らねば…馬車を用意してくれないか?」「はお!これで安楽(アンルー)姐姐も喜ぶわね!」夜も更けた宮中、人払いした御宸(ゴシン)殿に吉利(キツリ)の付き添いで韓燁が現れた。皇帝は思わず息子を抱きしめ涙したが、目を負傷して見えないと知る。「安心しろ、必ずその目を治してやる、そう言えば梓元には会ったか?」「いいえ、二度と会うつもりはありません」すると皇帝は父としての願いはひとつ、悔いだけは残すなと諭した。韓燁は吉利に頼んで洛銘西にだけ会うことにした。しかし運悪く翎湘楼から洛銘西が梓元と一緒に出て来る。実は洛銘西は梓元を見送りがてら秘めた想いを告白しようとしていた。「好きなのは…」「あ!気をつけて」荷車に気づいた梓元は咄嗟に道を譲り、洛銘西から離れてしまう。「何て言ったの?」「いいや…私のことはいいから君も無理をするな…」韓燁は吉利と一緒に露店の後ろに隠れていた。「殿下、2人が通り過ぎました、追いますか?」「いいや、やはりやめておこう」韓燁は諦めて引き返すことにしたが、そこに思いがけない男が現れた。「殿下…簡宋(カンソウ)です」簡宋は帝盛天(ディセイテン)に命じられ、皇太子を伏翎(フクレイ)山へ案内した。帝盛天は韓燁の目を治せるかもしれないと話し、梓元がずっと韓燁を探していると教える。しかし韓燁は梓元からも朝廷からも離れると決めていた。「韓燁、私たちの轍を踏まないでちょうだい」「梓元は国にとって必要な人材、ならば敵の私はいない方がいい、過去のことは忘れるべきです」「それは本心なの?…梓元のために死をも恐れず青南(セイナン)山で戦ったのに?」「前輩、梓元のため以上に国のためでした」帝盛天は頑な韓燁に呆れたが、ともかく治療のため山に逗留するよう勧めた。皇帝が危篤の噂を流したせいで、都ではついに帝家が天下を覆すのではと憶測が広まった。梓元は歯牙にも掛けない様子だったが、その日、苑琴(エンキン)が朗報を届けてくれる。「小姐!太子殿下がお戻りになりました!」しかし韓燁は梓元に会いたくないと言っているという。「そんなの関係ないわ」梓元はやつれて見えないよう念入りに化粧して伏翎山に駆けつけた。韓燁はちょうど帝盛天と碁を打っていたが、梓元は韓燁の目が見えないと気づいて呆然となる。すると梓元に気づいた帝盛天は目のことで梓元に会わないのかと聞いた。「体裁を気にするような娘ではないわ」「前輩、彼女は太子の容姿に惹かれて都に来たんですよ?」韓燁は俗っぽい安楽を揶揄したが、ふいに厳しい顔になった。「梓元との間には障害が多すぎます、情勢も不安定な今、梓元に会っても苦しませるだけでしょう」その時、韓燁がうっかり茶碗を落としそうになった。梓元は思わず飛び出し、韓燁に気づかれてしまう。「誰だ?」焦った帝盛天は咄嗟に吉利に目配せ、そこで吉利は帝盛天が連れてきた侍女だと嘘をついた。梓元は新しい茶を入れて韓燁に届けた。すると韓燁から名前を聞かれ、吉利が咄嗟に口がきけないと誤魔化してくれる。梓元は韓燁の手のひらを指でなぞり、子規(ズーグゥイ)と名乗った。しかし侍女も吉利も下がれと追い払われてしまう。韓燁は何やら考え込みながらお茶に口をつけた。すると一口ですぐ侍女の正体に気づいてしまう。「(子規…)ふっ、梓元よ梓元、君が入れたお茶は苦いうえに渋い」洛銘西は韓燁に会うため伏翎山を訪ねた。しかし梓元から目が見えないと聞いて面会を断念、帝盛天に挨拶して行くという。帝盛天は洛銘西との再会を喜んだが、差し入れのお茶を見ると韓燁に会いに来たのだと分かった。「梓元、それで韓燁の様子はどうなの?」「相変わらず″侍女″を下げてばかりよ」すると洛銘西が韓燁は侍女が梓元だと気づいているという。「指摘されない限り侍女でいるわ、それより姑祖母…」「韓燁の目のことね?治るかどうかは薬引の有無にかかっている、開花した長思花(チョウシカ)よ 長思花は靖南でも希少だけれど、どちらにしても都へ運ぶ間に枯れてしまう 北方の気候では種をまいたとしても育てるのは難しい」「でも試してみる、たとえ治らなくても一生、そばにいるわ」帝盛天は洛銘西が淹れてくれた茶を韓燁に届けた。茶を飲んだ韓燁はすぐ洛銘西が来たと分かったが、会いたくないという。「それより前輩からあの侍女に宿下りを命じてくださいませんか?」「私の言葉なら聞くとでも?…あの子の出生以降、私は姿を消していた 苦しい時にも手を貸していない、私に何が言えるというの? 韓燁、立ち去らせたいなら自分で何とかして」帝盛天は仕方なく戻ることにした。その時、一心不乱に駆けてきた帝燼言(ディジンイェン)とぶつかってしまう。「(ドン!)あ、姑祖母…殿下ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」帝燼言は大伯母そっちのけで皇太子と感激の再会を果たした。しかし韓燁の目が見えないと気づいて涙する。「だから今まで戻らなかったのですね…」一方、洛銘西は梓元から昔話を聞いていた。「子供の頃は上京が不満だった、屈辱だと思っていたから… 半月も父に泣いて頼んであなたに付いてきてもらったのよ?ふふっ」そんな梓元を待っていたのは令嬢たちからの嫌がらせだった。子供の頃から眉目秀麗の皇太子は令嬢たちの憧れの的、そこである切り札を使って令嬢たちを撃退したという。「実はね、宗祠(ソウシ)から太祖の遺詔を持ち出して、令嬢たちの前で読み上げさせたの 忠義(チュウギ)侯の娘をやり込めた時は韓燁に見られちゃってね、クスッ 娘が帰った後、韓燁に言われたわ ″おい、君は靖南で太子妃を嫌がって泣いたと聞いた、芝居だったのか?″ ″太祖の遺詔を見せびらかすのは私に満足したからか?″って…」「あの韓燁が皮肉を言うとはな~」「私は恥じ入って逃げ出そうとしたの、でも韓燁が引き止めて言ったわ ″君みたいな女子が好きだ″って…それなのに今は私を遠ざけてる」韓燁は帝燼言には本音を吐露した。「誰にも会いたくなかった、でも日が経つとお前が恋しくなった 私がいなくてもしっかり勉強していたか?」帝燼言は思わず目のせいで姉を避けるのかと聞いたが…。翎湘楼では洛銘西が大事に育てた長思花が蕾を膨らませていた。「もうすぐ咲きそうだな…」洛銘西はぬか喜びさせないよう、開花してから届けるという。しかし琳琅は洛銘西が梓元のために心血を注いで育てたことを知っていた。「確かに梓元を喜ばせるために育てた…だがもし韓燁の目が治ればもっと喜ぶ それがこの花の天命かもしれぬ」その時、洛銘西は激しく血を吐いて倒れてしまう。洛銘西が目を覚ました。琳琅はただの風邪だとごまかしたが、洛銘西は自分がもう長くないと分かっている。つづく※子規(zigui)=子帰(gui)=梓帰(zigui)=梓(元のもとへ)帰
2024.06.01
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安乐传 The Legend Of Anle第36話韓燁(ハンイェ)を失った衝撃から昏睡状態となった帝梓元(ディヅユアン)。苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)は付き切りで介抱していたが、梓元は薬も受け付けようとしなかった。すると知らせを聞いた洛銘西(ルォミンシー)が密かに任(レン)府へ見舞いにやってくる。「君には心配ばかりさせられる」洛銘西の手には肌身離さず持っている玉佩があった。梓元はこの玉佩の意味を知らなかったが、実はこれは梓元が生まれた日、靖安(セイアン)侯・帝永寧(ディエイネイ)が″娘を妻とする証し″として洛銘西に渡したものだという。まだ幼かった洛銘西はいつか梓元を妻として迎える日を楽しみにしていたが、思いがけず太祖が崩御、梓元を皇太子妃にすると遺詔を残していた。父は慌てて玉佩を帝家に返そうとしたが洛銘西は反対、そして今も大切な思い出として手元に残してある。「十分に休んだら私と靖南へ帰ろう」そんなある日、ついに梓元が目を覚ます。しかし梓元は想像を絶する苦しみに晒されたせいで、美しい黒髪が真っ白になっていた。回復した梓元は皇帝に謁見した。嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は白髪の帝梓元に驚き、韓燁への想いがこれほど深かったことを知る。すると梓元は洛銘西だけでなく弟・帝燼言(ディジンイェン)も生きていると明かし、身分回復を嘆願した。「太子殿下が五柳街から救い出し、温朔(ウェンショウ)と命名を…」実は梓元も韓燁の失踪後に本人から素性を明かされたばかりだという。皇帝は帝家の継承者が生きていたことに激しく動揺したが、皇太子に欺かれたとあっては梓元を責めようがなかった。「いいだろう、帝燼言と名を戻すが良い、だが朕からも1つ条件がある」皇帝は帝燼言を人質として生涯、都に留め、帝梓元は今後一切、都へ入ることを禁ずると命じた。「…まだそんなことを?」梓元は皇帝が未だ帝家の台頭を恐れて猜疑心にとらわれていることにへき易してしまう。「幼い頃、私は父にじゃじゃ馬でも婚家で気に入られるかと聞いたことがあります すると父は陛下の話をしてくれた 私が生まれてすぐ頻繁に会いに来るほど陛下は気に入っていたと… 父がなぜ言い訳もせず自刎したのか分かりませんでした でも父の言葉を思い出してやっと分かったのです、″嘉昌帝は徳があつく英明な方だ″と… 父は死ぬまで陛下に忠誠を尽くし、陛下を信じていた、玉座を望んだことなどありません!」梓元は皇帝がまだ見ぬ混乱を恐れて帝家を断罪したのかと思うとやるせなくなった。「帝梓元は靖国の臣下となりましょう、帝家が簒奪を企てることなどないと誓います 太子殿下の目指す天下太平と民の幸せのために… ただし、私たち姉弟の今後は自分たちで決めます」梓元は弟を連れて伏翎(フクレイ)山の帝盛天(ディセイテン)を訪ねた。「燼言、姑祖母よ、ご挨拶して」大伯母と初対面した燼言はその場で叩頭し、礼を尽くした。「梓元、その髪は…簡宋(カンソウ)を迎えにやったのに遅かったのね」「昏迷していたのです、簡宋は生きていると?」簡宋は蒼(ソウ)山で身を投げたが、偶然にも帝盛天に助けられ、生涯、仕えることになったという。「梓元、今までよく頑張ったわね」帝盛天は眼下に広がる美しい都を眺めながら、かつて韓子安(ハンシアン)と共に力を尽くして太平の世を作り上げるはずだったと話した。しかし韓子安は早世し、その夢は叶わなかったという。「それで良かったのよ…でもあなたたちは違う、韓燁が生きていたら手を携えて歩みなさい」その頃、韓燁も長い昏睡からようやく目覚めていた。韓燁を救ったのは北秦の莫霜(モーシュァン)公主。しかし莫北(モーベイ)の目潰しで光を失った韓燁は恩人の姿が見えなかった。「誰だ?ここはどこだ?」「私よ、莫霜よ?ここは人里離れた庵なの…まさか、見えていないの?」莫霜は目が見えない韓燁に付き添うことにした。実は莫霜は自分が戦の元凶となり、姉のように慕ってた安寧(アンニン)を死に追いやってしまったと責任を感じている。しかし韓燁は皇族に生まれた以上、国のために役目を課せられると理解を示し、それより家族を失って各地をさまよう両国の民のため、責任を果たすべきだと諭した。「ウン!安心して、罪を償うため戦禍を被った民を救うわ」莫霜の献身的な看病にもかかわらず、韓燁の目は治らなかった。韓燁はそろそろ帰るよう促したが、莫霜は韓燁をひとり残してはいけないと拒む。「見えるようになるまでお世話します、せめて安楽(アンルー)姐姐が迎えに来るまで…」「知らせたのか?!」「いいえ、戦の後は両国の往来が途絶えたから伝える術がなくて…」すると韓燁は自分の生存を漏らさないで欲しいと頼んだ。皇帝は梓元の動向を探らせていた。そんなある日、趙福(チョウフク)から梓元が弟を連れて伏翎山へ出かけたと聞く。「伏翎山?…あの者が戻ったのか?!」すると皇帝はじかに聞きたいことがあると言って、趙福が止めるのも聞かず出かけてしまう。10年ぶりに再会した帝盛天は当時と変わらぬ姿だった。「皇帝としての務めをよく果たしているわね…韓子安が今の靖国を見たら安堵するでしょう」しかしそんな帝盛天の素直な称賛も韓仲遠をさらに疑心暗鬼に陥らせてしまう。「心にもないこと…皇帝を廃する取り決めがなければ帝永寧を恐れることはなかった そなたたちが朕を追い詰めたのだ!」「誤解よ、そんな勅書はなかったわ」その時、帝盛天は気づいた。当時、病に侵された韓子安は息子に帝王学を施す余裕がなく、あらゆる状況を想定して策を講じたのだろう。「どうやらあなたの疑い深さまでは想像できなかったようね… しかも臣下を疑ったあげくに帝家を取り潰しにするとは!」「ではなぜ皇帝を廃する権利をそなたに与えたのだ?!」「…あの時、帝家が滅ぼされても私は敵討ちに行かなかった 韓子安と約束したからよ、今後一切、都に足を踏み入れないとね!」皇帝はにわかに信じられなかった。しかし帝盛天は帝家の宝剣に真実があるとだけ教え、帰ってしまう。宮中に戻った韓仲遠は洛銘西が献上した帝家の宝剣を自分の剣で真っ二つに割った。すると刃の間から太祖の勅書が出てくる。…帝盛天の都への立ち入りを禁ず…先帝が残したのは帝盛天に皇帝を廃する権利を与える勅書ではなく、韓仲遠の皇位を守るための勅命だった。「朕は思い違いをしていたのか」…私と韓子安は初めからあなたを靖国の世継ぎとすると決めていたのよ…韓仲遠は帝盛天の言葉を思い出し、呆然となった。「朕は間違っていた…」莫霜の別苑、韓燁はその日、莫霜が天灯を作っていると知った。「願いを込めて飛ばすと天が思いを受け取って願いを叶えてくれるって だから目が治るよう願掛けするわ」「ありがとう、私も飛ばしたい」その夜、2人は天灯を飛ばした。莫霜は何を願ったのか聞いたが、韓燁は黙ったまま飛ばしてしまう。実は天灯には″帝″とあった。つづく( ๑≧ꇴ≦)簡宋まで生きてんのかーい!wもう途中からずっと皇帝に「お前のせいやん」って言い続けてたわwそれより莫霜はどういう経緯で韓燁を助けたんだろう?まさか下で待ってたのか?( ̄▽ ̄;)
2024.05.30
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安乐传 The Legend Of Anle第35話青南(セイナン)城で決別した帝梓元(ディヅユアン)と韓燁(ハンイェ)。そんな2人のわだかまりに心を痛めながらも、温朔(ウェンショウ)と苑琴(エンキン)の絆は深まっていた。「戦が終わったら靖南(セイナン)を訪ねるよ」「はお」すると苑琴は長思花(チョウシカ)を刺繍したお守りを贈り、帝家軍と共に軍献(グンケン)城へ出発した。温朔は苑琴からもらったお守りを嬉しそうに皇太子に見せた。すると皇太子は苑琴が好きなら今すぐ追いかけろという。「その名の由来を覚えているか?」「はい、″温和怜悧(レイリ)で朔の日の星の如く輝け″ですよね」「…燼言(ジンイェン)、私の期待に応えてくれたな」韓燁は温朔こそ帝梓元の実弟であり帝家の嫡男である帝燼言だと明かした。燼言の命を守るため死を偽装して温朔と名付けたが、当時の燼言はまだ幼かったため独断で推し進めたという。「明日をも知れぬ戦場なのだ、家族や愛する者を知っていて欲しい お前ももう大人になった、梓元に返さなくては… 梓元は長年ひとりで戦ってきた、こたびは付き添ってやれ お前を守ったのは帝家の末裔だからという理由だけではない、平和のためでもあった」梓元は軍献城に到着、洛銘西(ルォミンシー)と感動の再会を果たした。すると洛銘西は韓燁が助けてくれたと明かし、将兵たちの怒りを収めるため韓燁はあえて悪役に徹したのだという。「君に恨まれるほど芝居は真に迫るからな」「我らが太子殿下は抜かりないわね…」その頃、軍献城へ出発したはずの温朔が青南城に戻ってきた。驚いた韓燁は是が非でも軍献城へ送り出そうとしたが、温朔はひざまずいて懇願する。「姐姐には仲間がいますが殿下には私しかいない! 血のつながる姐も、私を育ててくれた殿下も同じように大切なんです! 殿下!どうかおそばにっ!」韓燁は温朔の言葉に胸が熱くなり、共に戦うと決めた。「…分かった、行こう」その頃、北秦の大営に帝家軍が青南山にいると報告が届いた。帝梓元は山頂に司令部を設けたという。「青南山?…永眠に適した場所だ」北秦(ホクシン)の皇子・莫北(モーベイ)は帝梓元を葬るべく、全軍を招集して一路、青南山を目指した。すると伝令兵が軍献城に駆けつけ、北秦軍が軍営から青南山に向かったと報告する。「太子殿下が山頂で全軍の指揮を執っています」何も知らなかった苑琴と苑書は驚き、直ちに梓元へ知らせることにした。靖軍は山麓に現れた北秦軍を襲撃した。北秦軍は山頂から落とされた巨石に吹き飛ばされ、さらに射手隊の矢が降り注ぐ。一方、山頂には皇帝が梓元に差し向けた梅花衛が現れた。しかし軍を指揮しているのは帝梓元ではなく皇太子だと分かる。「我らの足止めに身命を賭すとは…帝梓元にそこまでの価値が?」「太子として韓家の罪を償う、梓元にどんな価値があるか、それはのちに民が判断する 梓元を抜きにしても国に危難が迫る今、戦うのは当然であろう?!」その時、ついに先鋒の屍を踏み越えて北秦軍が頂上に向かってきた。すると梅花衛も皇太子に従い戦うと決める。「どうかご指示を!」莫北は3割の兵を失ってまで山頂を目指したが、待っていたのは韓燁だった。「騙したな?!…それでも太子を殺せば無駄足にはならぬ しかも梅花衛か?近衛兵に待ち伏せされているとは…どうやら互いに切り札を出したようだな」「いいや、まだ帝家軍を残している、青南山にいるのは私の兵だけだ 安寧(アンニン)の敵を討つには私の配下だけで事足りる!」一方、洛銘西と合流した梓元は韓燁が自分を守るため、文で軍献城に誘き出したと知った。そこへ皇太子の危機を知った苑琴と苑書が馬で駆けつける。「小姐っ!」青南山の戦いは熾烈を極めた。すると莫北は韓燁を挑発して崖に誘導、隙をついて目潰しを放つ。「卑怯な!」「目が見えなければ武芸の達人でも怖くない!」韓燁は急に視界がぼんやりとして莫北に追い込まれ、蹴り飛ばされた。「殿下!」温朔と吉利(キツリ)は助太刀に向かおうとするが、敵兵に邪魔され身動きが取れない。その頃、梓元は韓燁を救うべく帝家軍を率いて青南山に向かっていた。深手を負った韓燁は莫北の毒のせいで目から血が流れ出した。今やうっすらとしか見えない莫北の姿、しかし韓燁は最後の力を振り絞って突撃する。その時、伏兵の放った弩(ド)が身体に突き刺り、ばったり倒れた。「韓燁、この伏兵は帝梓元を襲うはずだった」そこへようやく温朔と吉利が駆けつけ、皇太子を守る。「温朔…味方の生き残りは?」「戦える者はわずかですが計画は成功しました、あとは冷北(ランベイ)と護衛を残すのみです」しかし莫北は皇太子を人質にして領土を奪い取れると気づき、生け捕りにするよう命じた。吉利は満身創痍の中、必死に抵抗、冷北はいつまで耐えられるかと冷笑する。「温朔…今すぐ逃げろ」「逃げません!」「この時を…私はずっと待っていた… 私と安寧(アンニン)の運命は帝家軍が青南山にて惨殺された時から決まっていた… だが死んでもこの罪は償えぬ…梓元に伝えて欲しい… 太平の世が築かれ、民が楽しく暮らす靖国を見たいと願っていた…代わりに見届けて欲しいと」韓燁は温朔に支えられ何とか立ち上がった。「冷北よ…安寧の敵を討てず残念だ…だが私の命は奪わせぬ、この韓燁、死すれども負けぬ!」すると韓燁は温朔を突き飛ばし、崖から飛び降りてしまう。「殿下aaaaaaaaaaaa!」そこへついに帝梓元が援軍を連れて到着、報告を聞いた冷北はやむなく撤収した。「退けっ!」登頂した梓元は断崖で温朔と吉利の姿を見つけた。「韓燁はどこなの?!」「殿下は…崖の下に…」吉利の話では韓燁は心脈に矢を受け、もはや助からないと判断して身を投げたという。「亡骸が敵の手に渡れば国の恥になりますから…」「韓燁が…死んだ?まさか、ありえない…」「殿下が手を尽くしてあなたを守ったのは生きて欲しいからです」梓元は思わず韓燁の後を追って飛び降りようとした。驚いた温朔と吉利が必死に引き止めたが、梓元は韓燁に会いに行くと泣き叫ぶ。すると温朔は姉を思い留まらせるため、自分の素性を明かした。「私は帝燼言だ!姐姐!…独りにしないで」「…燼言?なの?」梓元は弟から韓燁の遺志を伝えられ、全身の力が抜けたようにその場で泣き崩れた。皇太子を失った靖軍。その夜、大営に戻った梓元は全く寝付けず、韓燁への冷たい態度を後悔していた。すると燼言が姉を心配して様子を見にやて来る。皇太子の死に深く傷つきながらも姉を守るため気丈に振る舞う燼言。まさか皇太子と姉がこんな形で結末を迎えるとは思いもよらなかった。梓元は韓燁が燼言を立派に育ててくれたことを感謝した。実は燼言も自分の素性を知ったのは青南城に来てからだという。「安全な軍献城へ送られそうになり、拒んだら教えてくれた」「私に別れを告げた時、すでに死を覚悟していたのね…とっくに準備を整えていたなんて」燼言は憔悴した姉が皇太子を追って自害しやしないかと心配になった。「私は大丈夫、だってあなたの世話がある…ゥッ」梓元は必死に笑顔を見せていたが、ついにこらえ切れず泣き出してしまう。「独りにして…お願い」…皇太子は崖から身を投げ、未だ行方知れずだった一方、莫北が逃げた敵軍は烏合の衆と化す帝梓元は国を救うため猛然と進軍して立て続けに勝利、ついに戦を終結させたこうして肩を並べて広大なる国土を守った帝家と韓家しかし悲しいかなこの戦で皇太子を失い、快勝したとは言えなかった10年に及ぶ両家の怨恨が消える日は訪れるのだろうか…梓元は全軍を率いて凱旋した。病床の嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は皇太子の捜索を続けさせていたが、未だ行方は分からないという。結局、都へ舞い戻ってきた梓元、その日は弟の案内で韓燁の書房を訪ねた。「殿下が最期まで愛したのは帝梓元、あなただけだ」すると燼言は錠の掛かった扉を開けて韓燁が書き溜めていた姿絵を見せた。「殿下は暇さえあれば帝梓元を描こうとしていた、でも完成したのは姐姐が現れたあとだ」燼言は韓燁が表装して飾った最後の姿絵を見せた。「殿下は言っていた… 心を動かされたのは想像の中の帝梓元ではなく、現実を生きる任安楽(レンアンルー)だと」韓燁が完成させた絵は靖南で梓元とは知らずに引き付けられた安楽の姿だった。すると裏に韓燁の書がある。…別れを経て出会い、新たに恋心を抱く…その時、梓元は韓燁を失った悲しみに耐えられなくなり、ついに倒れてしまう。つづく( ゚ェ゚)莫北、そこまで追い込んでこのザマよwからのジュゴンの崖落ちが…ちょっと誰かポンちゃん連れてきて!
2024.05.25
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安乐传 The Legend Of Anle第34話洛銘西(ルォミンシー)を救うため青南(セイナン)城に夜襲をかけ奪還した帝梓元(ディヅユアン)。しかし北秦(ホクシン)の皇子・莫北(モーベイ)との死闘で深手を負い、倒れてしまう。皇太子・韓燁(ハンイェ)は付ききりで世話をしていたが、梓元は3日経ってもまだ目を覚まさなかった。「あれから色々あったな…梓元、皇祖父が下された勅命に心より感謝している 君は天下の誰もが知る私の太子妃だ、この一生に何の悔いもない 私が求めるのは君だけなのだから…」韓燁は酌量の余地を求めて洛銘西の牢を訪ねた。しかし洛銘西は人の情につけ込んだ冷北(ランベイ)の策から逃れようがなかったという。「お前は冷北ではなく安寧(アンニン)を信じたのだな? 安寧やお前なら計略だと疑っても梓元を見捨てないと冷北に見抜かれた」実はあの時、北秦の密書を手に入れた安寧は急ぎ洛銘西に知らせを送っていた。…梓元が危険よ、この文を受け取ったら必ず梓元を助け出して、青南城は私が守る…韓燁は真実を明かすよう迫ったが、洛銘西は残り短い命を捧げて軍の士気を上げようと決めた。「洛銘西…これではお前を守れぬ」「お前が守るべきは靖国の威信と辺境の平和、そして梓元の将来だ」その日、梓元がついに目を覚ました。苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)は喜び、このまま目覚めなければ皇太子があとを追うところだったという。「殿下は小姐の世話を誰にも任せませんでした」「そうです、夜も休まず付ききりで随分、お痩せになりました」その時、外から激しく打ち鳴らす軍鼓の音が聞こえた。軍営で洛銘西の刑が執行された。「洛銘西、お前の独断が安寧の討ち死にと青南城の陥落を招いた」韓燁は三軍を統率する皇太子として洛銘西を厳しく断罪すると、背中を向けてしまう。何も言わず黙って毒酒を飲み干す洛銘西、その時、梓元の悲鳴が聞こえた。「飲まないで!吐き出して!」梓元は身繕いもせず、病み上がりの身体で必死に走ったが間に合わなかった。「なぜ私を待ってくれなかったの?!私が必ず守ると約束したのに!」すると洛銘西は激しく血を吐きながら梓元を鼓舞した。「梓元…帝家軍を率いて突き進め…」「洛銘西!死なないで!銘西哥哥ァァァァァァ!」洛銘西は梓元の腕の中で事切れた。亡骸まで取り上げられた梓元はすっかり憔悴し、韓燁の残酷な仕打ちに恨みを募らせる。しかしやがて洛銘西の最期の言葉を思い出し、己を奮い立たせた。「帝家軍を集結させる」(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ <はんいえ!はげてしまえ!その夜、温朔(ウェンショウ)は城楼で偶然、苑琴と出くわし、皇太子の苦しい胸の内を明かした。戦とは残酷なもの、北秦との戦況はまだまだ厳しく、将兵たちの手前、迷いは許されないという。「本当は安楽(アンルー)姐に釈明したいんだ」「…小姐は洛大人の件で殿下を恨んでる、何だか敵同士になってしまいそう」「苑琴、私たちは?違うよな」すると苑琴はようやく温朔のことが好きだと告白した。翌朝、靖南の軍営がにわかに慌ただしくなった。韓燁は梓元の様子を見に行ったが、梓元はちょうど白諍(ハクソウ)と2人で戦術を練っている。「無謀な真似はよせ、梓元、昨日のことは…」「分かってるわ、士気を下げるわけにはいかない 今後の作戦を考えたの、帝家軍を集結して配置につかせる」「訓練を受けていない安楽寨の海賊では奇襲など無理だ」「正規の帝家軍よ、北秦に反撃して冷北を殺し、安寧の敵を討つ! 将兵の士気が下がっている今、強力な先鋒で戦況を変えるべきよ」青南城の奪還で今や帝梓元の威信は高まっていた。この勢いに乗って一気に他の城を取り戻せば、敵も打つ手がないだろう。「私も行こう!」「総帥は青南城に留まるべきだわ、西北には帝家の残党も多い、私一人で十分よ」すると梓元は強引に出陣してしまう。帝梓元率いる帝家軍は破竹の勢いで城を奪還、西北の北秦軍は壊滅状態となり、後退を余儀なくされた。見事に西北の領土を全て取り戻した帝梓元。しかし嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)を脅かす新たな脅威となってしまう。「10年前に滅びた帝家軍をあっという間に建て直すとは…帝梓元、侮れぬ! よもや靖国を覆すつもりではあるまいな?!靖国も太子の身も窮地には追い込ませぬぞ!」焦った皇帝は梅花衛(バイカエイ)を招集、北秦軍に殺されたと見せかけて帝梓元を暗殺するという。一方、莫北は全ての苦労を水の泡にした帝梓元への恨みを募らせていた。巻き返すためには帝家軍の総帥である帝梓元を討つしかない。「帝梓元が青南山で死ねば帝家軍は使い物にならなくなる!」その頃、韓燁は無事に安寧を取り戻し、埋葬していた。「よく安寧を連れ戻してくれた」「殿下こそ、仮死で皆の目を欺いて助けてくれました」実は安寧を取り返してくれたのは洛銘西だった。5日前、琳琅(リンロウ)がついに北西へ向かう莫霜(モーシュァン)公主の馬車を発見し、捕縛に成功する。韓燁は莫北と交渉、莫霜と妹の亡骸を交換し、安寧はようやく故国の土に返った。「梓元への要撃を知り、安寧は死も覚悟の上でお前に救援を求めたのだな この軍令を出せば退路はなくなる、それでも命を懸けて梓元と靖南軍を守ろうとした」安寧は軍の士気を下げないよう援軍が来ないことを明かさなかった。洛銘西は私情で動いた安寧が非難されることのないよう、黙って罪をかぶってくれたのだろう。しかし洛銘西が死を偽装した理由はもう一つあると気づいていた。「梓元を奮起させようとしたな?」「その通りだ…だが梓元を死なせないで欲しい、陛下は梅花衛に梓元を暗殺させるつもりだ 今や梓元の威信は殿下に並ぶ、それが許せないのだろう だが梓元は言った、″韓燁を信じる″と、″世継ぎとして必ず太平の世を築く″とな」驚いた韓燁は父皇の刺客から梓元を守るため策を講じた。皇太子の一行を装って梓元を軍献城に逃し、自分が青南城に残るという。「これしか方法はない」( ๑≧ꇴ≦)ハンイエの髪の毛を戻してあげて~!梓元は帝家軍と青南城に戻ったが、城門は閉ざされたままだった。すると伝令兵が駆けつけ、北秦軍が軍献城に奇襲をかけると報告する。梓元は困惑した。要衝である青南城ではなく軍献城を落としても北秦に大きな利はない。「目的は何なの?」そこへ苑書(エンショ)が慌てて戻ってきた。「小姐、密書が届きました、洛大人からだと…」「洛銘西の?!」…梓元、私は無事だ、処刑の前に毒酒をすり替えて死んだふりをして逃れたのだ、千月閣の手を借りて冷北と取り引きし、安寧を軍献城に戻した…「生きてた…生きてたわ!」梓元は久しぶりに笑顔を見せたが、北秦が軍献城を襲う理由に気づいて慌てた。「もしや洛銘西に報復するためなの?! …安寧の敵を討つ機会が来たわ!全軍に告ぐ!軍献城に急げ!」その時、城門に韓燁が現れた。梓元は韓燁と城楼に並び立った。「こたびはあなたに別れを告げに来た…韓燁、生涯この地には近づきたくない」「はお、梓元、君はすぐここを離れろ」「そのつもりよ…もう会うこともない」梓元は韓燁が自分を守るため突き放したとも知らず、歩き出した。「梓元、敵は手ごわい、油断するな…無事に靖南に戻って長思花を見ろ」「別れを惜しむよりそれぞれの務めを果たしましょう」「永遠の別れだ」結局、梓元は一度も振り返らなかった。つづく( ๑≧ꇴ≦)そうか!洛銘西に知らせたのは北秦じゃなくて安寧だったのね
2024.05.23
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安乐传 The Legend Of Anle第33話帝梓元(ディヅユアン)率いる靖南(セイナン)軍は敵兵と交戦。そこへ軍献(グンケン)城から駆けつけた韓燁(ハンイェ)たちが加勢し勝利した。その場でしばし休憩を取ることになった両軍。梓元は韓燁と距離を置いていたが、韓燁は自ら歩み寄った。「恨みを捨てて良くぞ西北に駆けつけてくれた」「恨みがあろうと同じ国に生きる者同士だもの」一方、温朔(ウェンショウ)も想い人の苑琴(エンキン)との再会を喜んだ。温朔は皇太子たちが並んで座る姿を眺めながら、ようやく打ち解けられたと安堵する。「都を離れてやっと任安楽(レンアンルー)と韓燁の関係に戻れたんだな」韓燁はこうして梓元と共に戦えたことを喜んだ。しかし梓元はふいになぜ韓燁はこの場所が分かったのかと訝しむ。「北秦の密書が手に入り、君たちをここで襲うと知ったんだ」「変ね、私たちが先に北秦の動向を知ったのよ?」そこへ急遽、進路を変えた洛銘西(ルォミンシー)たちが到着した。洛銘西は梓元の無事な姿に安堵したが、韓燁も北秦の密書を手に入れていたと知る。すると韓燁は伏兵と言っても1000人にも満たなかったと話した。その時、洛銘西の顔色が一変する。「しまった!」…青南(セイナン)城は激戦を極めた援軍が到着するまで決して退かないと誓った安寧(アンニン)城門で自ら待ち構え、敵兵を誘き寄せて罠にはめ時間を稼ぐことにしたしかしいくら待っても洛銘西は現れず、ついに安寧は敵軍に包囲されてしまうすると莫北(モーベイ)が現れ、靖軍の主帥を生け捕りにしろと命じた『ついに姿を現したわね…莫北!この恥知らずが!』『安寧、武器を置け!今、投降すれば主帥の座は保証する!北秦は強情者に容赦せぬぞ?! 青南城が血の海になってもいいのか?!』『望むところよ!お前ごときに屈するものか!』激怒した安寧は思わず莫北めがけて長槍を放った敵将は呆然と立ちすくむ皇子を慌てて助け、矢を放てと命じてしまう『やめろ!』莫北は慌てて止めたが間に合わず、最後まで抵抗した安寧は全身に矢を受け倒れてしまう…『終わった、全て、終わったのね あの夜、静心(セイシン)堂へ行かなければ真実を知らず、罪悪感も持たずに済んだ そうすれば西北で冷北(ランベイ)に出会うこともなく、青南城を奪われなかったのに 私の名に込めた父の願いを果たせなかったわ…″安寧に生きよ″』韓燁と安寧に届いた北秦の密書は青南城へ援軍を遅らせるための莫北の策略だった。呆然となる洛銘西、そこへ撤退した白諍(ハクソウ)が駆けつけ、無念の涙を流しながら皇太子に報告する。「青南は落城、安寧将軍は討死しました… 殿下!将軍は最期まで援軍の到着を待っていたのです!」「安寧はなぜ逃げなかった?!」「攻防戦で敵が兵力を失えば援軍の勝機となるとお考えに…」韓燁は梓元を救うため安寧と青南を見捨てた洛銘西に憤怒した。すると兵士たちは一斉にひざまずき、洛銘西を死罪に処して安寧公主の魂を慰めるよう嘆願する。「…私の罪です」洛銘西は潔く罰を請うた。「洛銘西を死罪に処す!引っ立てよ!刑の執行を待て!」その夜、大営に到着した梓元は韓燁に洛銘西の死罪を思い留まらせようと必死だった。「彼に償いの機会を与えて欲しい!」「どうやって安寧の死に報いると?!」「安寧を失い洛銘西まで失いたくない、代わりに私が罰を受ける」「罪は己で償うべきだ…洛銘西を殺す他に術はない 妹を失った私が喜んで親友の命を奪うと思うか?! だが靖の太子として殺さねばならぬ…心中を察してくれ」すると白諍が現れ、安寧から預かった文を渡した。…帝家の潔白が示され、西北に戻り英霊を供養しようと思ったでも実現する前に北秦に阻まれるなんて私は全力を尽くし、兵が散ったこの地を守るたとえ討ち死にしようと、これで堂々と英霊たちに会えるわ青南で生まれた韓家と帝家の確執は青南で解くだから梓元、太子哥哥2人には過去のわだかまりを捨て、力を合わせ、国の再興を目指して欲しい我が死に悔いなし、私の亡きあともどうかご自愛を…戦況は予断を許さず、韓燁には妹の死を悼むわずかな時間さえ許されなかった。温朔はそんな皇太子の心に寄り添い、黙ってそばに控えることにする。しかし韓燁は温朔を先に休ませ、安寧の生前の姿に思いを馳せながら訃報をしたためた。するとふいに涙があふれ出し、墨が滲んでしまう。その頃、梓元は投獄された洛銘西と会っていた。洛銘西は自分が死ぬことで軍の士気も上がると納得していたが、梓元は帝家の汚名をそそぐため尽力してくれた洛銘西を簡単に殺すことなどできない。「帝盛天(ディセイテン)のように力を持つべきだと言ったわね?」「ああ、言った」「…私も同感よ」翌朝、韓燁は吉利(キツリ)から温朔の姿が見えないと聞いた。もしやと思いながら梓元を探しに向かったが部屋はもぬけの殻、机に置き手紙がある。…韓燁、青南城の奪還と引き換えに洛銘西を救って欲しい…驚いた韓燁は将軍たちを呼び、直ちに兵を率いて青南城へ向かうと命じた。しかし将軍たちは洛銘西を殺すまでは兵の士気が上がらず、戦えないという。韓燁は戦況を考えず軍令を無視するのかと声を荒らげ、今この時も国士や民に戦火が襲いかかっていると嘆いた。「よく考えよ!安寧たちは国と民のため、撤退せずに死ぬまで戦った! 青南城を奪還せねば犠牲となった兵が報われぬ!」すると白諍は安寧将軍の遺志を果たすべく、皇太子に従うと声を上げた。温朔は安楽が青南城に出陣すると察し、先回りして合流した。実は安寧将軍が城内の軍の備品と食糧を全て処分したと知り、今の北秦には軍備が行き届かず、守りも手薄なはず、一気に攻め入る好機だと気づいたという。「韓燁の指導の賜物ね」梓元は弟が生きていたら同じことをしたと感慨深い。「行きましょう」その夜、梓元は青南城に夜襲をかけた。「歩兵は声を上げ敵兵の注意を引いて、その隙に私は冷北を見つけてひっ捕える 安寧の亡骸と青南城を奪還してみせるわ」莫北は城内の異変に気づき、剣を抜いて部屋を出た。その時、潜んでいた梓元が突然、襲いかかってくる。「帝梓元か…いい腕だ」莫北は殺された侍衛の剣を拾って二刀流で対抗、やがて2人は対峙した。「安寧を返しなさい!」「見返りはなんだ?!」「屍まで取り引きに使うつもり?!」すると莫北は安寧を長年、苦しめて来たのは帝梓元だと言い放った。「太后の罪が暴かれた時の安寧の心の痛みがお前に分かるのか?!原因は全てお前だ! 私が安寧を利用していると言うなら自分はどうだ? 安寧のためを思うなら和議の印として土地と歳幣(サイヘイ)を差し出せ! そうすれば安寧も安らかに眠れる」「冷北、もうたくさんよ、安寧は何より妥協を嫌う!」「ならば殺すまでだ!」梓元と莫北の激しい剣の応酬が続いた。しかしその間に皇太子が到着、城内は靖軍に制圧される。莫北は勝ち目のないことに気づき、ひとまず撤収すると決めた。そこで咄嗟に目潰しを放ち、一瞬の隙をついて梓元を蹴り飛ばす。するとちょうど韓燁が現れ、梓元を抱き留めた。「捕まえて…」温朔は寝殿に逃げ込んだ莫北を追いかけたが、すでに逃亡したあとだった。「韓燁…安寧を取り返せなかった」「君はよくやった、青南城は奪還した」つづく(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ バンバン!冷北!何なの?!馬鹿なの?!
2024.05.20
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安乐传 The Legend Of Anle第32話青南(セイナン)城の夜、冷北(ランベイ)は将軍印のありかを聞き出すため、安寧(アンニン)公主にしびれ薬を嗅がせた。しかし白諍(ハクソウ)の声が聞こえ、慌てて手刀で打って安寧を眠らせてしまう。「将軍!将軍!白諍です!」「入れ」冷北の声を聞いた白諍が部屋に入ると、安寧は机にうつぶして寝ていた。「先ほどの名簿に漏れがあり、届け直したいのですが…」「分かった、将軍はお疲れだ、あとで私が取りに行く」翌朝、都では韓燁(ハンイェ)が四方館の火事の件で洛銘西(ルォミンシー)を訪ねていた。莫霜(モーシュァン)公主が使用人を下がらせ独りで部屋に残ったところをみると、やはりこの火事には裏があるらしい。「恐らく莫霜は死んでいない」すると琳琅(リンロウ)が現れ、靖南(セイナン)からの文を届けた。韓燁は洛銘西の表情から帝梓元(ディヅユアン)が出征すると知らせてきたのだと気づく。「琳琅、馬車を用意しろ」「私も行こう」青南城の大営では安寧が寝台で目を覚ました。しかし枕元の香炉で焚かれた薬のせいで身体に力が入らず動けない。そこへ冷北がやって来た。「冷北、今ならまだ引き返せる…なぜ故国を裏切るようなまねを?(はっ)まさか、お前は靖人ではないのね?!」焦った冷北は自分の言う通りにすれば今と変わらない生活を保証すると説得した。その時、安寧が力を振り絞って冷北の短剣を奪い、切り掛かる。冷北は瞬時に刃をつかんで阻止したが、ちょうど白諍がやって来た。「(コンコン!)将軍!お疲れだと聞いたので安神(アンシン)香をお持ちしました!」すると冷北は安寧の口をふさぐため、強引に唇を重ねた。白諍は返事がない将軍を心配して部屋に入ったが、衝立越しに寝台で睦み合う将軍と冷北の姿に気づき、慌てて出ていってしまう。一方、洛銘西は韓燁と一緒に皇帝に謁見、帝梓元に出征を命じて欲しいと嘆願した。「帝家は逆賊ではありません、安楽寨(サイ)も陛下の軍なのです」韓燁も西北の軍だけでは兵力が足りないと訴え、安楽寨なら先鋒が務まると進言した。「お願いの儀はもう一つ、私に軍献(グンケン)城を死守する役目をお与えください」古雲年(コウンネン)の死後、各軍営を統率できる将がまだおらず、皇太子が出征することで軍の足並みを揃えたいという。皇帝は唯一の後継者の出征に躊躇したが、結局、韓燁に皇太子としての本分を果たせてやろうと決断した。靖南の梓元は皇太子が自ら兵を率いて出陣すると聞いた。「この国の太子なら先陣を切るのは当然よ…」莫霜の死が発端となり、今や靖国の国境を守るのは青南城と軍献城のみだった。梓元は国と民を守るため、そして自分の人生に深い爪痕を残した韓燁と安寧を助けるためにも戦わねばならない。その頃、韓燁は久しぶりに任安楽(レンアンルー)の姿を描き上げていた。…梓元、ひとたび別れ、再び出会う、韓家と帝家の間で翻弄された私たちは一体、どこへ向かうのだろう…青南城では白諍が姿を見せなくなった将軍を心配していた。しかし居所を訪ねても冷北に阻まれ、部屋に入れば軍令に背くことになると脅されてしまう。一方、韓燁は出征を前に洛銘西を訪ねた。すると都では育たないはずの長思花(チョウシカ)がつぼみをつけていると気づく。「さすがだな…これに比べたら私が瑇(タイ)山に届けていた物など独り善がりに過ぎない」「韓燁…私が10年も守った女子が戦場へ行く、梓元に何かあれば許さぬぞ?」「案ずるな、命を懸けて守る、ただし私が死んだら引き続きお前が守れ」「死ぬな」その夜、白諍は偶然、密談している冷北と兵士を目撃した。「指揮官が死ねば青南城は落ちます! 殿下、これは弔い合戦です!公主の死を無駄にはできません!」白諍は冷北が間者だと知った。冷北は情が移った安寧を殺せず、何とか懐柔しようと試みた。「北秦の兵力では西北を占領して終わる、広大な領土があるのになぜ西北にこだわる?」「一片の土地すら渡さない、私は命懸けで国境を守るわ!」安寧は冷北が将軍印を盗み、偽の軍令で靖国軍を撤退させる計画だと気づいていた。「頑固だな、それでは君を守れない」その時、白諍が戸を叩いた。驚いた冷北は安寧の口をふさぎ、将軍ならすでに休んだと嘘をつく。しかし白諍は今すぐ判断を仰ぎたいと引かなかった。冷北は安寧の口に手巾を詰め込むと回廊へ出た。すると白諍に剣を突きつけられてしまう。「間者を捕えろ!」待機していた兵士は一斉に冷北を包囲したが、冷北は白諍こそが間者だと訴えた。将軍の腹心である冷北の言葉に動揺が走る兵士たち、その時、突然、部屋の戸が開き、安寧が現れる。「冷北が間者よ!殺して!」しかし冷北は咄嗟に白諍の剣を奪い、負傷しながらも兵士を蹴散らして脱出してしまう。冷北の長きにわたる潜伏が終わり、北秦の軍営に戻った。結局、敵将の公主を殺せず皇帝から厳しく断罪されたが、使いの宦官に賄賂をつかませ、取りなしを頼んでおく。一方、安寧から文をもらった洛銘西は急ぎ琳琅に冷北の素性を調べさせた。すると北秦に潜伏する間者が冷北の母親に仕えた女を発見、実は冷北は北秦の皇子・莫北(モーベイ)だと判明する。どうやら皇帝に疎まれている庶子のため公文書に記録がなく、簡単にばれなかったのだ。「琳琅、荷をまとめてくれ、西北の戦況が悪化した、北秦は大々的な攻撃を仕掛けてくるだろう 中郎将に任じられた私が援軍を率いて向かおう」韓燁は援軍を率いて軍献城に到着した。唐石(トウセキ)将軍の報告では西北で落城していないのはもはや青南城と軍献城のみだという。すでに兵士も民も士気が下がっていたが、韓燁は皇帝からの勅命で援軍を連れて来たと訴え、山河と民を必ず守ると鼓舞した。安寧は洛銘西の返信で冷北の正体を知り、愕然とした。普通なら皇子自ら敵国に潜伏するなど考えられないが、莫北の母は身分の低い宮女ため皇帝に疎まれているという。「私の過ちだわ」安寧は自責の念に駆られたが、そこへ思わぬ朗報が届く。青南城には洛銘西の援軍が向かっていたが、軍献城にも韓燁と梓元が来てくれると分かった。莫北の元に急報が届いた。韓燁が軍献城に到着、帝梓元もすぐ近くまで来ているという。このまま帝梓元が大軍と合流すれば北秦に勝ち目はないだろう。「帝梓元を近づけるな」莫北は帝梓元を利用してある策を講じた。「知らせは送ったか?」「はい、ご指示通りに」「将軍たちを集めろ、いよいよ青南城を落とす」…安寧、この結果を望んだのは君だ…安寧は洛銘西の援軍が届くのを待ちながら孤軍奮闘した。白諍は公主である安寧を心配して撤退を進言したが、安寧は最後まで退かないという。すると兵士が駆けつけ、北秦の密書を手に入れたと報告した。「…梓元が伏兵に遭ったわ」安寧は梓元の無事を祈りながら、援軍の到着まで何とか時を稼ごうと考えた。韓燁は梓元が伏兵に狙われていると知り大営を飛び出した。一方、青南城へ向かっていた洛銘西も靖南軍が行軍の途中で北秦の伏兵に遭ったと報告を受ける。「青南城なら数日は持ちこたえられる」梓元に危険が迫っていると知った洛銘西は勅命に背き、急遽、行き先を変更してしまう。その頃、梓元たちは敵軍と交戦していた。すると思いがけず韓燁が兵を率いて現れ、加勢する。つづく( ๑≧ꇴ≦)安寧nnnnnnnnnnnnnnnnnnnん!
2024.05.20
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安乐传 The Legend Of Anle第31話姜瑜(キョウユ)の謀反が公となり、北秦(ホクシン)の公主・莫霜(モーシュァン)は自分たち兄妹も巻き込まれるのではと不安になった。その夜、妹を呼び出した冷北(ランベイ)は自分が必ず守ると安心させたが、やむを得ず協力を頼む。「できるならお前を巻き込みたくはなかったが…」「哥哥のためなら何でもするわ」翌日、帝梓元(ディヅユアン)は沅水閣(ゲンスイカク)を訪ね、皇太子の釈放に協力してくれた帝承恩(ディチォンエン)に感謝した。帝承恩は洛銘西(ルォミンシー)のおかげで故郷が分かったおかげか自身を取り戻し、そろそろ目を覚ます時が来たという。「都を離れることにしたわ、故郷へ帰るの」すると帝承恩は拝礼して別れを告げ、翌朝、慕青(ムーチン)と一緒に旅立った。安寧(アンネイ)は梓元を誘って翎湘(レイショウ)楼にやって来た。久しぶりに韓燁(ハンイェ)を顔を合わせてばつが悪そうな梓元、しかし安寧は今夜だけは存分に飲もうという。「私は西北に戻る、梓元は靖南に帰る、これが別れの杯になるわ」すると梓元もこの時ばかりはわだかまりを捨て、楽しく飲むことにした。その頃、冷北はすでに軍隊を結集させていた。これで複数の地を征服し、最後に青南山を落とせば鉄騎兵で都まで一気に攻め込める。冷北は安寧に帯同して西北に戻り、内部から北秦軍に協力する計画だった。酔いが回った4人は思い出話に花を咲かせ、最後は笑い合って散会した。梓元は独り夜風に当たっていたが、そこへ韓燁がやって来る。「来年の君の誕辰は祝ってやれぬ」「靖南に戻れば長思花(チョウシカ)が満開の季節… 春に咲き誇る長思花は殿下の兎の灯籠より贅沢だわ、クスッ」「あれが気に入ったのなら毎年、届けよう、太子手作りの灯籠だぞ?ふっ」2人は冗談めかして笑ったが、梓元はふと冷静になった。「わざわざ靖南くんだりまで届ける必要はないわ いつかもっと美しい上元節を迎え、殿下の灯籠を宝物だと思う女子に出会える」「…梓元、君も私と離れたくなかったはずだ」「私たちの間には歳月と重荷がある、殿下も結果を分かっていたはずよ?」「確かに…分かっているから止められぬ 谷の底だからこそ、あの時が永遠に続くことを願えた」「約束した太平の世を見せてちょうだい」「…もう二度と会えまい、ここで一生分の誕辰の祝福を贈っておくよ」そんな2人の様子を遠目から洛銘西が見ていた。前線からの戦報が届いた。姜瑜の計略によって辺境の複数の城が北秦に寝返っているという。何とかもちこたえているのは安寧が率いる青南城と唐石(トウセキ)将軍が指揮する軍献(グンケン)城だけだった。皇帝は娘の身を案じて西北へ戻ることを反対したが、安寧は国と民を守るのが将軍の務めだという。「はお、西北に戻るといい…安寧、そちは将軍であるが朕の娘でもあるのだぞ?」「私がいなくてもどうかご自愛ください」こうして安寧は急ぎ西北へ出立することになった。韓燁と梓元は安寧の無事を祈りながら城門で一行を見送っていたが、その隙に温朔(ウェンショウ)は何とか都に残るよう苑琴を説得する。「安楽(アンルー)姐は君が残ると言うなら許してくれる」「小姐は帝家のために自分の思いを封印してきた、私にできるのは寄り添うことだけなの」安寧を見送った梓元も靖南へ出発することになった。「殿下、行くわ、もう会うこともない、私のことは忘れてね」「…私は一国の太子だ、政務が忙しいから思い出す暇もないよ、ふっ」「それなら私も安心だわ」「梓元、長思花が咲いたら文で知らせてくれ」「…いいえ、心をすり減らすのはお互いにやめましょう」苑書(エンショ)は梓元と苑琴を乗せ、馬車を出した。走り去る馬車を見つめる韓燁、すると梓元が窓の外を見たが、すぐ簾を下ろしてしまう。…全て終った、認めたくはないけれど、今までの人生で一番、楽しかった日々は都でのこの1年だった…それぞれの道を歩き始めた梓元と韓燁。一方、青南城に戻った安寧は陥落地の将軍たちが敵に寝返った者以外、殺され、すでに敵が軍の名簿や地図を持っていると知る。「内部に間者がいて軍情を漏らしていたのでしょう」驚いた安寧は白諍(ハクソウ)に全将兵の素性を調べるよう指示、万一に備えて都から戻った兵も対象に加えた。焦った冷北は長旅の疲れを取るため休むよう勧めたが、安寧は休んでいる暇などないという。韓燁は初めて翎湘楼の楼頂にある洛銘西の部屋に案内された。「まさかこんな隠し部屋があったとはな~この部屋で梓元と相談を?」「そうだ」韓燁は梓元の行き先を聞いたが、洛銘西は都を離れたらどこでも同じだろうとつれない。「梓元を支えてくれて感謝している」「太子殿下、私など殿下に遠く及ばぬ」洛銘西はすでに韓燁が帝家の遺児を救ったことを知っていた。しかし梓元には温朔の素性を明かしていないという。「殿下の功労だ、私が話すことではない、だが当人たちは知る権利がある」「どう伝えたらいいものか…」温朔の件は君主を欺く大罪であり、国は今、内憂外患の危機にあった。その時、2人は露台から大街で火の気が上がるのを見る。火事になったのは北秦公主が滞在している四方館だった。四方館から火が出て莫霜公主が亡くなった。皇帝は直ちに皇太子と洛銘西を呼んで協議したが、韓燁たちは事故ではなく放火だと疑う。確かに警固の厳しい四方館での火災は不自然だった。未だ公主の亡骸も見つかっていないことから、何者かが仕組んだ可能性がある。「目的は戦でしょう、北秦が戦を仕掛ける気なら公主の死は開戦の絶好の口実になります」安楽寨に戻った梓元は暇を持て余し、川沿いでのんびり昼寝していた。夢に見るのは韓燁のことばかり、しかしいつかは目が覚める。その時も苑琴と苑書が魚が釣れたと喜ぶ声で気がついた。しかしそこへ思わぬ知らせが舞い込む。…西北で変あり、おそらく開戦間近…その夜、軍営の安寧は都からの急報で四方館の火事を知った。何としでも青南城を死守せねばならない安寧、その時、ちょうど白諍が北秦の間者から手に入れた密書を届けてくれる。密書にはこれまでの任務も書かれていたが、その中に″除夜の宴での暗殺″があった。すると安寧は当時を思い出し、ハッとする。…冷北と莫霜は妙に親しい、あの刺客の体つきも傷の箇所も…そこで安寧は白諍だけでは心配なので冷北にも間者のあぶり出しを頼んだ。「分かりました」安寧は部屋を出ようとする冷北に背後から斬りかかった。咄嗟に冷北は応戦、すると除夜の宴で兄と刺客の手合わせを見ていた安寧に正体を見破られてしまう。「除夜の宴の刺客はお前ね?!」「そうだ、さすがだな」すると冷北はしびれ薬をふきつけ安寧の動きを封じ、手刀で打って眠らせてしまう。その時、白諍の声がした。「将軍!」つづく( ๑≧ꇴ≦)ランベイィィィィィィィィィ
2024.05.09
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安乐传 The Legend Of Anle第30話大街で人目もはばからず左丞相・姜瑜(キョウユ)を殺してしまった皇太子・韓燁(ハンイェ)。 しかし投獄された韓燁は洛銘西(ルォミンシー)にも安寧(アンニン)にも決して事情を明かさず、全て独りで背負う覚悟だった。洛銘西は手がかりを求めて皇太子府へ、すると温朔(ウェンショウ)が昨夜から行方が分からないと知る。そこで琳琅(リンロウ)に千月閣を使ってくまなく捜索させたが、温朔は見つからなかった。帝梓元(ディヅユアン)は韓燁との面会を拒んだが、結局、都に留まった。すると左丞相府を探っていた苑書(エンショ)が偽の梅花衛の令牌を見つけて戻って来る。梓元は古雲年(コウンネン)だけでなく、実は自分たちも姜瑜の駒にされていたと知り、憤りを隠せなかった。苑琴(エンキン)は思い立って翎湘(レイショウ)楼の洛銘西を訪ねた。実はかつて五柳(ゴリュウ)街で温朔が皇太子を助けた話は逆だったと明かし、梓元には伝えていないという。「小姐は苦労続きでした、都のもめ事には巻き込まれず、靖南(セイナン)に戻って欲しいのです」「安心しろ、必ず靖南に帰らせる、急いで戻りなさい、梓元が心配するぞ?」「はい…それから温朔を必ず見つけ出してください」その頃、何者かに連れ去られた温朔は目隠しされ、暗闇の中で絶望していた。しかし皇太子から″窮地に追い込まれても決死の覚悟で戦え″と教えられたことを思い出し、後ろ手に縛られた縄を切ろうと格闘する。…必ず生きて帰るんだ…五柳街の件を調べていた琳琅は事実が苑琴の話とも違うと突き止めた。どうやら実際は皇太子が温朔を引き取るため、画策したという。実は琳琅は常々、疑問に思っていた。「人と距離を置く太子殿下がなぜか温朔とだけはまるで肉親のように親しく接しています」温寧は父皇の御宸(ゴシン)殿を訪ねた。嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は娘が兄の命乞いに来たと分かったが、もはやかばいようがないと落胆する。大臣からも厳しい処分を求める奏書が山のように届いていた。「皆が納得するだけの事情を韓燁が明かすしかない、皇帝といえども叶わぬことがあるのだ」安寧はすっかりやつれた父を心配し、自分がわがままだったと謝罪した。「皇祖母を追い詰め、陛下を苦しめ、太子哥哥を守れませんでした…お許しください」しかし皇帝は娘に罪はないという。「そちは皇族にあっても自由に生きて欲しい…そう願って来たのに最も苦しめてしまったな」皇帝は辺境を守って来た娘を誇りだと称賛し、ようやく娘とのまだかまりが解けた。その夜、洛銘西は任(レン)府を訪ねた。偽の令牌で梓元もすでに気づいていたが、やはり除夜の宴の刺客も化縁(ケエン)山で韓燁の命を狙ったのも古雲年ではなく、黒幕は姜瑜だったという。つまり古雲年は姜瑜の思惑により操られていただけだった。ならば証拠を集めて弾劾すれば済むはず、梓元はなぜ韓燁が自ら姜瑜に手を下したのか分からない。しかし洛銘西は梓元を巻き込みたくないと訴え、あとは刑部に任せて欲しいと言った。冷北(ランベイ)は温朔に逃げられたと聞いて憤慨した。しかし主を失った腹心はもはや配下の統制が取れず、冷北を頼るしかないという。「左丞相の死で多くの計画が頓挫するだろう」そこで冷北は朝廷をさらに混乱させるため、皇太子が帝家のために姜瑜を殺したと噂を広めることにした。皇帝が日に日に追い詰められる中、洛銘西の奏書が突破口を開いた。しかし左丞相の息がかかった大臣たちが反発し、納得させるためには左丞相の謀反の証拠と殺しの動機が必要となる。洛銘西は3日以内に示すよう命じられたが、背後で大臣たちを扇動する者がいると怪しんだ。「真の黒幕はその者かもしれぬな」そこで洛銘西は沅水閣(ゲンスイカク)の帝承恩(ディチォンエン)を訪ねた。帝承恩の対応は冷ややかだったが、洛銘西は左丞相の情報と引き換えに素性を教えるという。「私が今さら知りたいと思う?」「…鳥や獣でも故郷は忘れぬと言う、本当に知りたくないのか?」「はお」その夜、梓元は安楽(アンルー)がもらった婚約の証である玉の如意を眺めながら物思いにふけっていた。するとふいに姜瑜が皇太子妃に推していたのが北秦(ホクシン)の公主だと思い出し、慌てて席を立つ。「洛銘西に会うわ」一方、帝承恩から手がかりを得た洛銘西は任府に向かっていた。…謀反の証拠は揃った、だが温朔とは何の関係が?韓燁はなぜ温朔を手元に置くため策を講じたのか?姜瑜は帝家の遺児を利用しようと企んでいたいう(はっ)まさか10年前の温朔が?!…命からがら逃げ出した温朔は任府にたどり着いた。その時、ちょうど梓元と苑琴が出てくる。「温朔?!」「安楽姐…」「話はあとよ!中に入って!」梓元は温朔に肩を貸して屋敷へ戻ったが、その様子をちょうど洛銘西が見ていた。…韓燁はあり得ぬことをやってのけたのか?…温朔は傷だらけで憔悴していたが、命に別状はなかった。いきなり襲われたため刺客の顔は見ていなかったが、梅花衛を装った刺客と同じ黒装束だったという。「安楽姐、同じ連中の仕業だよ!」「この件は私たちに任せて休みなさい、養生して太子殿下を待つのよ」温朔の無事な姿に安堵する梓元と洛銘西、しかし韓燁の件は一刻を争う。すると姜瑜と北秦の結託について調べていた琳琅が任府へ駆けつけた。「文書庫で左丞相の辞令状を調べ、近侍を尋問しました 姜瑜は西北の辺境で名を上げたのち、20年で左丞相の座についたとか 母親は北秦人です」冷北は洛銘西が左丞相府から証拠を持ち出したと知った。思いがけず局面を覆された冷北、姜瑜の身元が割れたなら帝家の配下の扇動は中止するしかない。「証拠となる品は国に遅れ、西北での反乱を早める」洛銘西の調査により左丞相が北秦の間者だったと証明された。皇太子は逆賊を成敗したと認められ釈放、知らせを聞いた安寧と温朔が刑部大牢へ駆けつける。すると韓燁は元気そうな温朔の姿を喜んだ。「お前と来たら、自ら逃げ出したと聞いたぞ?よくやったな」韓燁はそれとなく梓元の姿を探したが、物陰に隠れていた梓元に気づかなかった。翎湘楼の楼頂。琳琅は皇太子のために奔走した洛銘西の体調を気遣っていた。しかし温朔の正体に勘づいた洛銘西は韓燁の梓元への献身には到底、及ばないという。当時、梓元の弟・帝燼言(ディジンイェン)は皇太子府で病死していた。まさかその1年後、韓燁が死者を生き返らせ、策を弄して自分のそばに堂々と置いていたとは…。「大した知略と度胸だ、とても叶わぬ」洛銘西は自分が梓元のために身代わりを用意したのとは次元が違うと脱帽した。温朔は自分のせいで皇太子が姜瑜を殺したと責任を感じていた。しかし韓燁は温朔とは関係ないと安心させる。「監禁されていた時、頭に浮かんだのは殿下のことでした 家族はいませんでしたが、孤独だったことはなかった 殿下が私を育てて守ってくださったからです、心から感謝しています」「バカだな、急に何だ」「殿下のご無事だけが私の願いです、もし私のせいで何かあったら、悔いを千載に残します」すると温朔は手作りの料理を振る舞った。…梓元、燼言は成長した、立派な青年になった、安心してくれ、機を見て君に返そう…洛銘西は温朔が燼言だと梓元に伝えられずにいた。琳琅は主に何か考えがあるのだと思ったが、洛銘西は私心に過ぎないと明かす。「怖いのだ、梓元が韓燁のして来たことを知るのが…想いを手放せなくなる」一方、安寧は冷北が北秦の皇子だとも知らず、北秦への恨みを募らせていた。「もしや私の近くにも間者がいるのかも…早く北西に戻り、軍営内の間者を見つけ出すわ」その夜、冷北は都に残っている妹を呼び出した。莫霜(モーシュァン)は姜瑜が北秦人だと暴かれ殺されたと動揺し、兄の身を心配する。「私たちも巻き添えになるの?」つづく(」゚ロ゚)」<安寧!後ろ後ろ!
2024.05.08
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安乐传 The Legend Of Anle第29話帝(ディ)家軍の霊牌を胸に抱き、万感交々至る梓元(ヅユアン)。すると韓燁(ハンイェ)は靖国の皇太子として英霊に誓いを立てた。「今後は忠誠を誓う民が無実の罪に苦しまないことを約束する、必ず太平の世を築く… 英霊たちよ、長風に乗りて我が国の山河を見よ」すると一同はひざまずいて霊牌に叩頭し、拝礼の儀が終わった。「英霊たちよ、長風に乗って天に昇れ、そして天より山河を見守りたまえ…」最後に梓元が祈りを捧げると、まるで英霊たちが呼応するように山間を強い風が吹き抜けて行った。祭礼一行は山で一夜を過ごすことになった。温朔(ウェンショウ)は苑琴(エンキン)と星空を眺めながら、梓元が近寄り難い存在になったと嘆く。しかし苑琴は靖南にいた頃に戻っただけだと言った。「太子殿下と再会して任安楽(レンアンルー)を演じるようになり、次第に明るくなったの 殿下だって小姐に想いを寄せるようになってから穏やかになったわ」「2人とも互いを想っているのに、まるで敵対しているようだ、2人に非はないのに」「これが運命なのよ」すると梓元が弓矢を背負って天幕から出てきた。「狩に行ってくる」「お供します!」温朔は慌てて安楽姐の後を追った。梓元は2羽の雉を仕留めた温朔の腕前を褒めた。「あなたは弟の燼言(ジンイェン)に似てる…」「それなら私を家族だと思って、弟の話を聞かせてよ!」「そうね、いつも私に付きまとって、叱られそうになると甘えて許しを請うの」梓元は温朔と一緒にいると不思議と気が晴れたが、その時、仮面をつけた刺客が現れた。梓元と温朔は突然、刺客に襲われ、2人きりで応戦した。すると剣戟の音に気づいた韓燁が衛兵を率いて駆けつけ加勢、刺客は撤退する。おかげで2人は無事だったが、洛銘西(ルォミンシー)は刺客が落とした令牌を見つけた。「梅花衛か…」実は梓元に刺客を差し向けたのは北秦(ホクシン)の密偵である冷北(ランベイ)と姜瑜(キョウユ)だった。刺客にわざと皇帝直属の梅花衛の令牌を落とさせ、帝梓元が嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(カンチュウエン)を一層、恨むよう仕組んだのだ。冷北はすでに西北にいる帝家の配下の名簿を手に入れていた。もし帝梓元が韓仲遠に襲われたと知れば配下も黙っていないだろう。冷北と姜瑜は両家を再び離間させ、この機に乗じて事を起こすつもりだった。「ただ奴らの心を束ねる者がまだ見つからぬ…」「殿下、ご安心を…帝家の娘に代わる者を見つけました、恐らく殿下が思いもよらぬ人物です」冷北たちの予想通り梓元と洛銘西は刺客が皇帝の仕業だと断じた。しかし韓燁は罪を認めた皇帝が今さら帝梓元を暗殺するとは思えず、裏があると疑う。実は刺客の剣術が梅花衛とは異なり、むしろ除夜の宴に現れた刺客とそっくりだった。とは言え除夜の宴の件なら古雲年(コウンネン)の配下と調べがついたはず、すでに古雲年は死んでいる。梓元は皇帝でも古雲年でもない別の誰かが自分の命を狙っていると気づいた。「だが狙いは君ではなく、靖国そのものかもしれぬ…」韓燁は陰謀渦巻く都で何者かが長年、機をうかがっていた可能性を示唆した。「北秦ね…」梓元はすぐ分かった。「だとすると古雲年は哀れですね」温朔は古雲年があらゆる謀を巡らせたが北秦の駒に過ぎず、結局、無駄死にだったと同情する。しかし梓元は自業自得だと吐き捨てるように言った。その夜、韓燁は夜営を離れて酒を飲んでいる梓元を見つけた。「これからどうする?大理寺に戻りたいなら…」「官を辞して靖南に帰るわ」「私は君に残って欲しい、だが叶わぬ望みだな 今後3年、靖南の税を免じるよ、かつての平和な光景を取り戻してくれ」「…靖南の民に代わって感謝するわ、でもその程度で償いきれると思う? あなたには過去の過ちを繰り返さないでもらいたい 太子として民に尽くし、清廉な政(マツリゴト)を行うと誓ったわね? それでこそ英霊たちも旅立てる」「必ず誓いを守るよ」梓元はそこで先に戻ることにしたが、韓燁が引き止めた。「梓元、蒼(ソウ)山で伝えた思いは今も変わっていない@11話」あの時、韓燁は安楽と2人で隆盛の世を築くという予感がすると明かし、知己としてそばにいて欲しいと懇願した。しかし梓元は何も言わず、そのまま行ってしまう。…3万の水軍を嫁荷として求婚し、幾多の事件を解決に導いた女海賊・任安楽彼女が皇太子妃か忠臣になると誰もが信じ、美談として語り継がれることを望んだことだろうしかし帝家の冤罪は晴れ、任安楽は帝梓元に戻った果たして彼女はこれからどんな人生を歩んで行くのだろうか…都では講談師も民衆も帝梓元の去就に注目した。そんな中、任府に戻った梓元は趙福(チョウフク)から帝家の名誉回復の聖旨を賜り、これで一区切りがつく。「帝大人、陛下からご質問がございます、″そちのわだかまりは解けたか?″と…」「いいえ…正直に言うわ、まだ釈然としない 全てが決着しても、父や青南山で散った8万の将兵の命が戻ることはないもの でも恨みは捨てました 私の願いは天下太平、帝家のような悲劇が二度と起こらない事を祈ります」洛銘西は梓元が覇権を取り戻すことを望んでいたが、梓元の韓燁に対する信頼は予想以上に篤かった。「韓燁なら太平の世を築いてくれる… 靖南に帰ったら二度と都ヘは足を踏み入れない、銘西哥哥も一緒に帰りましょう? 今頃は長思花がきれいに咲いている頃よ?」「そうだな…後始末を終えたらすぐ後を追うよ」一方、冷北は密かに姜瑜と接触した。実は姜瑜の策略がまたしても失敗、帝梓元は自分を襲撃した黒幕が皇帝だと信じなかったという。そこで姜瑜は例の″別の駒″を使うと伝えた。ある夜、温朔は屏から任府の庭に潜入した。すると苑書(エンショ)に鼠と間違われ、いきなりほうきで叩かれてしまう。「私だよ私!」温朔が草むらから姿を見せると、苑琴はなぜ表門から来ないのかと呆れた。「門前払いされるかと思って…安楽姐と殿下は顔も合わせないから…」「バカね~殿下と温朔は違うわ」その声は梓元だった。温朔は安堵したが、安楽姐が靖南に帰ると聞いて駆けつけたという。「このまま残れないの?」「都にいる理由がなくなったから…」「殿下は?!殿下のために…(ぐふっ!)」苑書が咄嗟に温朔の口をふさぐと、梓元は寝殿へ戻った。すると温朔は安楽姐はもちろんのこと、何より苑琴との別れが辛いと告白する。その時、急に腹の虫が鳴った。一方、洛銘西は皇太子府を訪ね、韓燁に報告書を渡した。実は西郊(セイコウ)大営の件に関わっていのは古雲年ではなく姜瑜だったという。洛銘西は帝承恩(ディチォンエン)に接触した姜瑜を疑い調べていたが、まだ北秦と結託した証拠まではつかめずにいた。「私も靖南へ帰ることにした」「…あとは私が引き継ごう」温朔は苑琴の手作りの夜食を堪能した。するとふいに子供の頃、皇太子と出会った時のことを思い出す。あれは五柳(ゴリュウ)街にいた時のこと、温朔は養母から十分な食事を与えてもらえなかったせいで、大病を患った際に以前の記憶を失っていた。そんなある日、物乞いの子供と縁日で遊んだ帰り道、街外れの廟で休んでいる皇太子を見かける。裕福そうな男を見た温朔は銭を盗もうとしたが、あっけなく見つかった。しかし韓燁は家が貧しいという温朔を許し、しっかり勉学に励むよう諭したという。その時、突然、ならず者が現れ、皇太子に襲いかかった。皇太子は温朔をかばい、負傷してしまう。苑琴は聞いた話と違うと首を傾げた。「温朔が殿下を救って侍衛に迎えたのではないの?」実はその時、韓燁は迎えが来るまで温朔をそばで待たせていた。駆けつけた衛兵に温朔が自分を救ってくれたと思い込ませ、皇太子の恩人として迎え入れさせたという。「殿下に会えたことは何よりの幸運だった」しかしその頃、姜瑜の魔の手が温朔に迫っていた。温朔は後ろ髪を引かれる思いで任府をあとにした。夜道には誰もいなかったが、突然、背後から何者かに殴られ、連れ去られてしまう。一方、西北では梓元が梅花衛に襲われたとの急報が帝家配下たちに届いていた。報告を聞いた洛銘西は黒幕の目的が帝家の配下を扇動することだと気づき、やはり帝家の末裔である梓元は都に留まるべきだと確信する。琳琅(リンロウ)は洛銘西が梓元を家主として帝家軍を再興させたいと願い、そのために邪魔者を排除するつもりだと分かった。しかしその時、突然、皇太子の侍従・吉利(キツリ)が血相を変えて飛び込んで来る。「洛大人!大変です!太子殿下が左丞相を殺してしまいます!急いでください!」冷静沈着な韓燁が大街で姜瑜に剣を突きつけていた。民衆は皇太子の暴挙に怯えながら、遠巻きに見つめている。「あの者はどこだ?私に謀反の片棒を担がせるつもりか?」「ふっ、韓燁よ、私が陛下に真実を話すのが怖いか? 気が変わったぞ、陛下だけではない、天下に向けて真相を暴いてやる 私を殺すなら帝家をあの世へ道連れにしてやる!」すると帝家を持ち出された韓燁は激情に駆られ、人目もはばからず姜瑜の首を切り裂いてしまう。「地獄への道連れは私1人で十分だ…」その時、洛銘西が駆けつけた。しかしひと足遅く、返り血を浴びた皇太子が事切れた姜瑜の前で呆然と立ちすくんでいた。梓元はいよいよ靖南へ発つことになった。「この屋敷ともお別れね…」梓元は任府の扁額を見上げていたが、そこに安寧(アンニン)と冷北が馬で駆けてくる。「安寧?どうしたの?」「梓元!哥哥が左丞相を殺して投獄されたの!」( ゚д゚)はあ?@うさぎ風宮中に激震が走った。皇帝は皇太子が起こした凶行に激怒、刑部に拷問もいとわないと指示する。しかし韓燁は面会に来た洛銘西にも決して理由を言わなかった。「姜瑜を断罪できる証拠はあった、なぜ大理寺に任せなかった?話せぬ事情でもあるのか?」…温朔をさらったのは姜瑜だった韓燁は左丞相を訪ね、なぜ帝承恩に手を貸し、温朔をさらったのかと追及する実は姜瑜は韓燁の秘密を知っていた『陛下は帝梓元を快く思っていません、まだ娘一人だけならいいでしょう ですが弟の帝燼言が生きていると知ったら? しかも太子府にいると耳に入れば陛下はどうすると?』『やれるものならやってみろ?!』…洛銘西は韓燁を助けるためにも理由を聞かせて欲しいと食い下がった。すると韓燁は温朔の荷物が役に立つはずだという。「探してみろ」「分かった、私が必ず出してやる」洛銘西が刑部大牢を出ると安寧と梓元が待っていた。安寧は兄が理由を話さないと知り、冷北と一緒に牢へ入ってしまう。しかし梓元は足が動かなかった。「君が聞けば話すかもしれない」「靖南に帰る私は会わない方がいいわ ただ太平の世を築き、清廉な政を行うと誓ったのに、まだその途上だと伝えて」すると梓元は帰ってしまう。つづくヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ びっくり!
2024.05.03
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安乐传 The Legend Of Anle第28話韓燁(ハンイェ)は嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)に洛銘西(ルォミンシー)の解放を嘆願した。重陽門では未だ帝(ディ)家潔白の勅命を請う者が後を立たなかったが、韓燁はこれも皇帝への信頼の証しだという。「陛下は諫言を聞き入れ、民心を重んずる方ゆえ、私も書生らと同じく陛下を信じています 哀れな8万の魂をお鎮めください」「太子…そちまで朕が間違っていると?」その時、侍従・趙福(チョウフク)が慌てて帝梓元(ディヅユアン)が来たと知らせた。約束の3日を過ぎても勅命が下らず、痺れを切らした梓元は自ら決着をつけに来た。「陛下、帝家の事件も幕引きとなりました、なれどいまだ青南山を英霊がさまよっています どうか陛下自ら英霊を都にお迎えください」しかし韓燁は反対、自分が代わりに行くと嘆願する。「尊き御身が遠出などもってのほか…私が忠魂をお迎えに参ります!」すると皇帝は洛銘西の釈放も西北行きも認める代わりに1つだけ聞きたいことがあると言った。「今もなお帝梓元を娶りたいのか?」「…私の願いは靖国の平和と繁栄だけです」皇帝は10年前の過ちを認め、詔で己を罰し、天下万民に詫びると決めた。約束通り梓元の悲願を叶えた韓燁、しかし嵐清(ランセイ)殿を出ても梓元に笑顔はない。「何度も考えたんだ、もし過去に戻れたら私たちは今後も笑い合えるかと…」「殿下、分かっているはずよ?私が帝梓元に戻ったらもう引き返せない」「そうだな、分かっている…ただ私たちの間に情がなくても、恨みが和らぐといい」韓燁は力を尽くし、親たちが起こした悲劇にけりをつけると約束した。洛銘西が釈放され、梓元は刑部大牢まで迎えに行った。すると遠目から2人の様子をうかがう韓燁の姿がある。梓元は韓燁が尽力してくれたと明かしたが、決して感謝しないで欲しいと言った。「あなたを傷つけたのは韓家なんだから…」しかし洛銘西は韓燁に声をかけてしまう。「陛下のご恩情に感謝を…水責めにされても殿下の薬のおかげで生き延びられました」梓元は洛銘西が持っていた薬が本当は韓燁の差し入れだと知ったが、結局、目も合わさないまま馬車に乗ってしまう。( ;∀;)せつな~い帝梓元が書生をうまく扇動したおかげで姜瑜(キョウユ)の目論見は失敗した。しかしこれで韓家と帝家の対立があらわになり、民にも動揺が広がっている。北秦(ホクシン)の皇子・冷北(ランベイ)は姜瑜の配下と接触、次の手があるのか聞いた。「韓仲遠は帝梓元に手が出せなくなりました、しかし我々は動けます」それから3日後、梓元は西北への出発を前に翎湘(レイショウ)楼へ見舞いに行った。しかし洛銘西は床を離れ、すでに仕事に復帰している。安楽はまだ洛銘西が納得していないと分かったが、これで朝廷を去ると決めていた。「…ちゃんと静養して、西北から戻ったまた来るわ」一方、韓燁は安寧(アンニン)の好物の菓子を持って公主府を訪ねていた。「我らは皇家に生まれ、何かと取捨選択を迫られる 私は兄としてお前がやりたくない事や耐え難いことを肩代わりする 何か悩みがあったら私に言うのだぞ」韓燁は妹が自由でいられるよう守るつもりだったが、自分の事となると口が重かった。「哥哥はどうなの?私には分かる、梓元は哥哥が好きなのよ?」「…私が手を尽くしても8万人の無念は晴らせぬ、どんなに頑張っても梓元の血族にはなれぬ ただ己の持てる力を尽くして傷ついた人々の心を癒やしたいのだ」一方、沅水閣(ゲンスイカク)では帝承恩(ディチォンエン)と慕青(ムーチン)が肩身の狭い思いで過ごしていた。侍女たちは帝承恩が物乞いだったと知ってあからさまに蔑み、帝承恩の装飾品を盗んでは堂々と身につけている。慕青は帝承恩をかばって侍女たちを叱りつけた。そもそも皇太子は帝承恩には罪がないと許し、できれば過去を忘れて都で暮らすようこの屋敷を与えている。しかし面白くない侍女たちは反発し、引き上げた。「いずれにせよ私は君のそばにいるよ」|ω・`)むーちん…琳琅(リンロウ)は甲斐甲斐しく洛銘西の世話を焼いた。「これで帝小姐も恨みを手放せますね」「琳琅、お前なら手放せるのか?」実は琳琅の父と兄は10年前、青南山で殺され、絶望した母も後を追うように亡くなっていた。「8万人の無念を詔で晴らせると言うなら、この10年は何だったのだ?」「ですが、ご苦労を重ねた大人に残された時はもう…」「だからこそ無駄にはできぬ… 靖国の領土は韓仲遠の手から離れ、帝家のものとなるべきだ その日が来てようやく哀れな8万の将兵と帝家の先祖が浮かばれる」洛銘西は梓元が選択を誤らぬよう最後まで支えてやりたいと訴えた。「鍼を打ってくれないか?お前に鍼を打ってもらうと顔の血色が良くなる」(´・_・`)、琳琅も色々とせつない韓燁と梓元は皇帝から勅命を受け取り、青南山へ出発することになった。城門にはすでに皇太子の馬車が待機していたが、梓元は同乗を断って苑書(エンショ)に自分の馬車を用意するよう命じる。仕方なく韓燁は梓元に馬車を譲って自分が馬で行くと決めたが、そこへ洛銘西が現れた。「太子殿下の馬車を奪うわけにいきませんよ、帝大人は私の馬車で行こう」しかしその頃、冷北と姜瑜は道中の帝梓元を襲撃すべく動いていた。韓燁は梓元のために手あぶりや毛布を準備しておいたが無駄に終わった。そこで温朔(ウェンショウ)に休憩時間になったら酒だけでも届けるよう頼んだが、やはり思い直す。「用意周到な洛銘西なら準備万端だろう」温朔は皇帝が罪を認めたのなら皇太子と梓元も以前の関係に戻れるはずだと訴えたが、韓燁は否定した。「あの者は帝梓元だ、任安楽(レンアンルー)ではない」韓燁は自分の心から離れないのは帝梓元ではなく任安楽だと言った。変わりやすい山の天候、馬車は激しい雨のせいで車輪がぬかるみにはまって動けなくなった。そこで皇太子たちには馬車を降りてしばし雨宿りしてもらうという。韓燁は先にあずま屋に入って座ったが、梓元は病み上がりの洛銘西を奥の席に座らせ、自分は入り口近くに腰を下ろした。すると雨が吹き込み、梓元は濡れてしまう。韓燁は席を立ち、外套を取りに行った温朔を待つふりをしながら梓元の雨よけになった。しかし梓元はあっけなく洛銘西の隣に移動してしまう。「バカみたい(ボソッ」梓元は洛銘西と仲良く談笑を始めた。「全て終わったら靖南に帰りましょう?」しかし急に洛銘西は席を立って韓燁の横に並び、一線を画する。「靖南では帝家軍が惨殺された日に白い幟が立ち並ぶ 毎年、その日は笑い声が聞こえない、大切な家族を奪われたからだ そんな場所があると太子として把握していたか?」一方、冷北は帝家軍の生き残りがどこにいるのか探っていた。すると安寧が西北周辺で散り散りになってしまった帝家の配下たちを密かに調べ続け、大半の行方を突き止めていたと知る。安寧は冷北が北秦の皇子だと知る由もなく、今日も皇帝への奏状と西北に送る密書を届けるよう頼んだ。馬車に戻った韓燁は洛銘西の辛辣な言葉を思い出し、意気消沈していた。「青南山に近づくにつれて思い知らされる、私が一生を懸けても梓元の隣に立てないと… これまでの努力も執念も、罪悪感も償いも、共に歩んだ日々も 8万人の前ではあまりに軽すぎる、滑稽なほどに何の価値もないのだ」一方、梓元は洛銘西が韓燁にだけでなく、自分にも苦言を呈したと気づいていた。洛銘西は自分にかつての帝盛天(テイセイテン)のような力を持ち、帝家の土地を取り戻して欲しいと願っているのだろう。「梓元、君は帝家の唯一の生き残りとして民のことを考えるべきだ」「天下を取るには戦以外に方法はない、無垢の民まで巻き込むことになるのよ? それに太子には皇帝たる器があると思う、民と義を重んじ天下太平を望んでいる いつか必ず明るく豊かな世を築いてくれるわ」激しい清めの雨が止み、青南山は梓元の来訪を歓迎するかのように晴天となった。山頂には大きな慰霊碑が建てられ、そばには帝家軍の鎧が飾られている。韓燁は冠を脱いで裸足で祭壇まで歩くと、梓元に霊牌を渡した。つづく(^ꇴ^)今週はジュゴンのせつない話w
2024.05.03
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安乐传 The Legend Of Anle第27話韓燁(ハンイェ)は帝梓元(ディヅユアン)が今でも自分を気遣って皇太子府を訪ねてくれたと喜んだ。しかし靖南(セイナン)での出会いから都での再会まで全て計略だと知った今、その顔に笑顔はない。「思惑があると知りつつ、君を信じるがゆえ追及はしなかった… 私という駒はもう必要ないのか?使い道があるなら遠慮なく言ってくれ」「…今はただ謝罪を待っているだけです」「陛下は知らなかった、皇祖母の罪だった」「でも帝家に釈明の機会さえ与えなかった…父親が自害したのにそれでも一族を皆殺しにしたわ! 今なら殿下にも私のこの痛みが分かるでしょう?」「…梓元、君は独りではない、温朔(ウェンショウ)とは親しいだろう?君を慕っている 彼を実の弟だと思えばいい、少しは気が晴れる」梓元は韓燁のあまりに短絡的な慰めに落胆し、挨拶もせず帰って行った。一方、温朔も苑琴(エンキン)との久しぶりの再会を喜んでいた。しかし恩人である皇太子を裏切ることはできず、任(レン)府には頻繁に行けないと伝える。「殿下のそばにいてあげないと…」「あなたの恩人?確か殿下があなたに救われたと聞いたけど…」その時、梓元が出てきた。顔色が悪いところをみると、梓元と皇太子の怨讐は解けなかったのだろう。「安楽(アンルー)姐…久しぶりだね、元気だった?」温朔の声を聞くと梓元は自然と笑顔になった。「燼言(ジンイェン)が生きていたらあなたくらいの年ね… 私も本当の弟だと思ってる、暇があったら遊びに来てね」韓燁は院子から梓元の背中を見ていたが、結局、梓元は一度も振り返らずに馬車に乗った。安寧(アンニン)は冷北(ランベイ)の正体が北秦(ホクシン)の皇子だと知る由もなく、公務を任せて静養していた。おかげで心身も回復し政務に戻ったが、今回の一件で動揺が広がった所につけ込まれたのか、西北で北秦人による強奪が増えていると分かる。安寧は急ぎ国境の警護を厳しくすると決めたが、冷北はその前に計画を進める必要に迫られた。しかし帝家の娘が帝承恩(ディチォンエン)ではなく一筋縄ではいかない任安楽だったと分かり、姜瑜(キョウユ)も手をこまねいているという。「朝廷が動揺した今こそ好機だ、西北の警固が強化されたら計画が無駄になる! 私の計画を駄目にすればお前の命では償えぬぞ!」「殿下、焦りは禁物、まだ時期尚早です」姜瑜はさらに火種を炊きつける必要があると訴え、安寧を殺せず、帝家の配下も使えないのなら、朝廷を揺るがすしか方法がないという。「ともかく必ず殺す者がいる…」「任安楽か?」「帝家唯一の生き残りで策謀に長ける、我々になびかぬのなら始末せねば… 韓仲遠(カンチュウエン)に殺させれば禍根を断てる上、民は朝廷に反感を抱きます」そこで姜瑜は瑇(タイ)山に身代わりを送って君主を欺いた罪で帝梓元を断罪しようと思いついた。洛銘西(ルォミンシー)の期待通り人心を得た帝梓元は今や世に名高い帝盛天(テイセイテン)と並び称され、皇帝を非難する声が高まった。しかし近頃、翎湘楼(レイショウロウ)に現れる見慣れぬ書生たちが気にかかる。琳琅(リンロウ)は確か皇太后が崩御して2日後から来るようになったと気づいた。自分たちの預かり知らぬところで何かが動き始めたと感じる二人…。一方、皇帝は都での帝梓元の名声が高まったと知って怒り心頭だった。思えばこの10年、常に帝盛天の影に怯えてきたが、まさかその姪孫が朝廷で騒ぎを起こすとは予想だにしなかった。「このままでは本当に帝梓元が第二の帝盛天になりかねん! 朕の地位を脅かす者は決して許さぬ…何人であろうと皇位に手はかけさせぬ!」そこで皇帝は洛銘西を呼ぶよう命じた。洛銘西は韓仲遠が皇帝として正義を示さねばならないとしても、文武百官の前で面目を潰され、皇太后まで死に追いやられた怒りを受け止める者が必要だと分かっていた。「梓元のため、この役目は私が務める、琳琅、私が戻らぬ場合の処置は分かるな?」「大人がお出かけの後、店を閉めます…お戻りにならない時は千月閣を全て帝小姐に託します」「それでいい」琳琅は想い人を引き止めることも叶わず、ひとしきり琴を奏でていた。洛銘西は帝家の名誉回復に便宜を図るため帰順したと認めた。梓元と幼なじみだった縁で靖安(セイアン)侯から世話を頼まれていたという洛銘西、そこで身代わりを立てることで帝家の血筋を後世に残そうと考えたという。しかし皇帝は当時まだ10代だった洛銘西が単独で動いたとは思えず、誰と共謀したのか白状するよう迫った。「何を隠している?!」「私一人の考えでした、おとがめとあらば死罪になる覚悟です」韓燁は洛銘西が皇帝の勅命で罷免され、投獄されたと聞いた。「梓元の身代わりを立てた件だな…」身分を偽るのは紛れもなく君主を欺く大罪、韓燁は洛銘西が梓元を守るため、独りで全て背負うつもりだと気づいた。吉利(キツリ)の報告では巷でこの件に非難の声が上がっているという。「何者かが朝廷を撹乱しようとしているな」すると温朔がふいにおかしい話だと訴えた。「殿下、帝家の謀反が濡れ衣なら安楽姐だって逆賊の娘じゃない 瑇山に行かなかったとしても罪ではないでしょう?」「…その通りだ、その点を訴えて洛銘西を救おう」韓燁は刑部大牢の洛銘西を訪ねた。すでに拷問で傷だらけの洛銘西、そこで韓燁はせめてもの償いに傷薬を塗ったが、あっという間に薬瓶は空になってしまう。「梓元のためにここまで…」「殿下こそ、梓元の素性を証言してくれた、幸い殿下は陛下と違う」「だが梓元を守れなかった、10年前も10年後の今も… もはやこの件は帝家ではなく靖国の問題だ、必ず出してやる」韓燁は薬を届けると約束し、ひとまず牢をあとにした。韓燁が刑部を出ると梓元が立っていた。梓元が来ると分かってた韓燁はすでに獄卒に話をつけてあるという。「会って来い…洛銘西の投獄は陛下の過ちだ、釈放するよう説得する、ただこの件は複雑だ」「複雑?明解この上ないわ、これは陛下の報復よ」「信じてくれ、必ず洛銘西を救い出し、君たちの無念を晴らす」「はお」梓元は話を切り上げて刑部に入ろうとしたが、ふと韓燁が引き止めた。「梓元…君がくれた扇子の書は別れの詩から選んだものだった、それが君の本心なのか?」しかし梓元は振り向かずに答えた。「天下に真相も明かされぬまま、私があなたと情を語れると思う?」洛銘西は梓元を心配させまいと笑顔を見せた。しかし梓元は病弱な洛銘西の身体で拷問が耐えられないと分かっている。「これぐらい平気さ、何も後悔はない」洛銘西は刑具に耐えられるよう薬も準備してきたと笑いながら、韓仲遠の目的は梓元の味方を排除することだと言った。「私のことはいい、君は自分の足場を固めろ」「ここで死ぬつもり?!この10年間、助け合ってきたのよ?他の全てを捨ててもあなたを救う」洛銘西の投獄はかえって皇帝を追い詰める結果になった。民衆は皇太后の断罪もしないうちに忠臣の洛銘西を投獄したと不満を募らせ、重陽門にはひざまずく書生たちが日に日に増えている。苑琴は暴動が起きそうな勢いだと報告したが、梓元はすでに大理寺の黄浦(コウホ)を向かわせていた。どちらにしても10年も守った皇位は簡単には揺るがないだろう。「もう待てない、帝家の件は今日中にけりをつけるわ」その頃、韓燁は嵐清(ランセイ)殿でひざまずいていた。皇帝はようやく顔を見せた皇太子に不満げだったが、洛銘西の命乞いに来たと分かっている。「洛銘西は獄中で拷問を受け、命の危機にあります、そろそろ釈放してはいかがですか? …刑に処さぬのは放すおつもりだからでしょう?」韓燁は洛銘西の行いは罪でななく、むしろ韓家の負い目を軽くしてくれたと訴えた。実は重陽門で相変わらず帝家潔白の勅命を請う者が後を立たないという。「まだ騒いでいるのか?!くだらぬ噂を真に受けおって!」「陛下、民が勅命を求めるのは陛下が正義を示されると信じているからです 靖国と陛下を信頼していればこそです!」つづく(  ̄꒳ ̄)こう見えて洛銘西は…身体が弱いのですw
2024.04.25
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安乐传 The Legend Of Anle第26話帝(ディ)家軍の殲滅を画策した黒幕は皇太后・孫瑜君(ソンユクン)だった。これも全て息子の玉座を盤石にするためだったが、その親心はかえって嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)の自尊心を傷つけてしまう。「母后…もしや朕では帝永寧(ディエイネイ)と帝家軍を御せぬと思われたのですか? 朕を侮っておられたのか?帝永寧には及ばぬと!…もう何もしないでください」皇帝は全て自分で片をつけると決めて霊廟にこもった。すると憔悴する孫瑜君のもとに思いがけず帝盛天(ディセイテン)から密書が届く。「本日、子の刻、伏翎(フクレイ)山にて…」…孫瑜君は帝家の権勢を恐れ、密かに帝盛天を訪ねて懇願した『息子から太子の座を奪わないで欲しい』『考え過ぎよ』『孫家の全財産を投じて帝家の損失を補ってもいい、その代わり都から去って欲しいの』『私の望みは天下が安らかになることのみ、どちらにせよまもなく靖南(セイナン)へ帰るわ 太子の座も韓子安(ハンシアン)も奪う気はない』すると帝盛天は席を立ってしまう…あの時、帝盛天はそう言ったが約束は破られた。孫瑜君は先帝を看取ったのが自分でも皇太子でもなく帝盛天だったという事実を受け入れられず、憎しみが込み上げる。「帝盛天、私たちにはケリをつけるべき事がまだ残っている…」( ๑≧ꇴ≦)エェェェェェッ!帝盛天って女だったのかーい!その夜、任(レン)府では身分を取り戻した帝梓元(ディヅユアン)が洛銘西(ルォミンシー)、苑琴(エンキン)、苑書(エンショ)と祝杯をあげていた。しかし梓元はなぜか浮かない顔をしている。「無事に本懐を遂げた今、進むべき道を失ってしまったわ」「小姐、化縁(ケエン)山に現れた前当主を訪ねてはどうですか?」「姑祖母は長年にわたり俗世を離れていた、お考えがあるはずだから邪魔はしない」すると洛銘西はこの先も自分が一緒にいると励ました。私も!>٩(*´ᗜ`)ㅅ(ˊᗜˋ*)و<私も!( ๑≧ꇴ≦)エエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!祖母かと思ったらパパのおばさんなのかーい!その頃、伏翎山では孫瑜君と帝盛天がついに因縁あいまみえた。孫瑜君は約束を違えた帝盛天への怒りが再燃、これまでの鬱憤を爆発させる。「あなたは先帝と袂を分かつと約束しながら変わらずそばに居続けた 金鑾(キンラン)殿で先帝と政を論じ、御書房では共に奏書に目を通した 挙げ句の果てに梅花庵を2人の居所にしたわ、私の息子まで連れてね! 私の居場所は先帝のいない静心堂だけだった!」帝家が取り潰された時、すでに遊歴していた帝盛天はようやく孫瑜君が自分への醜い嫉妬で帝家軍8万を虐殺したと知った。「韓子安はあなたと息子のために生涯を費やし、豊かで安定した国を残したのに… 建国した翌年、韓子安は死期を迎えた、私が靖南へ帰る前に別れを告げに行った時よ 御書房で倒れている韓子安の姿を見つけ、ようやく残された命は3ヶ月だと知ったわ 建国直後で北秦(ホクシン)と東騫(トウケン)に狙われている時に皇帝が死ぬわけにはいかなかった やむなく私は都に残り、力を尽くして治療を施し、何とか3年、生き長らえさせた」何も知らなかった孫瑜君は呆然、妻である自分には何も話してくれなかったと訴える。帝盛天は多くの諸侯や各国の刺客を欺くためには妻をも欺くしかなかったと説明、自分たちは知己であり、やましいことは何もないと断言した。しかし気位の高い孫瑜君はかえって夫と帝盛天に蔑ろにされたと憎しみを募らせてしまう。「そもそも私が玉座を欲していたなら帝家が得るべき土地を譲ったりしなかった 孫瑜君、ここまで言っても分からないの?」「帝家が権力を握ったままではいずれ国は分裂していたわ、あなたにその気がなくてもね 私は息子のため、靖国と天下太平のためなら死んでも悔いはない!」孫瑜君は事実を知っても己の選択を正当化し、帰ってしまう。安寧(アンニン)は静心堂の前で皇祖母への不孝を謝罪し、公主府へ戻った。冷北(ランベイ)は今こそ公主の警戒心を解く好機だと考え、家族より正義を選んだ公主を勇敢だと称賛する。「いいえ、10年前の埋め合わせをしただけよ…だけど皇祖母に申し訳が立たない 幼かった私によくしてくれたのに…」「でも太后は二度と嘘をつく必要がなくなりました、しばらく公務は私に任せて休んでください」↓弱っている所を狙うなんてエグいわ___やがて都は激しい雨となった。化けの皮が剥がれた帝承恩(ディチォンエン)は初めて靖安(セイアン)侯府を訪ね、結局、どんなに努力しても帝梓元になれなかったと嘆く。「私のものにならないのなら、束の間の幻想なんて抱かせないで…」びしょ濡れになりながら泣き崩れる帝承恩、そこへ慕青(ムーチン)が駆けつけた。「一緒に帰ろう」「来ないで!私はしょせん身代わりなのよ!」「私はこの命を捧げると約束した、決して離れない…君は私が一生を懸けて守りたい人だ!」帝承恩は確かに全てを失ったが、慕青という大切な家族だけは残った。静心堂に戻った孫瑜君は先帝の絵姿に叩頭して別れを告げた。…先帝、あなたはその胸に大志を抱き、花盛りだった私のこともろくに愛でなかった、でも感謝しています、形だけでも皇后でいさせてくれた、ただ孫家が由緒ある家柄だと忘れていたのね、この孫瑜君は誰にも劣ったことはない、あなたが見ようとしなかっただけよ…皇太后は首を吊って自決した。翌朝、皇帝は母の亡骸と対面、遺書を受け取る。…韓仲遠、負けたのは帝家の帝盛天と帝梓元であり、あなたは勝った、そして私も勝った、私が人生で最も気にかけた人は先帝だと帝盛天は思っている、私が先帝のために帝家を滅ぼしたのだと、そうではない、あなたのためよ、唯一の息子だもの…皇太后は靖国を治めるのは韓家であり、民にも何も恥じることはないと断言し、自ら責任を取った。一方、冷北は姜瑜(キョウユ)と接触した。姜瑜は帝承恩を利用して西北に残る帝家の配下に招集をかけていたが、替え玉だったと知られては駒になりえないという。「帝家の配下の耳に入らないうちに事を起こすのが得策です」すると冷北は青南城における新たな防衛配置図を渡した。姜瑜はどうやら皇子がすっかり安寧公主の心を掌握したと気づき、一刻も早く始末するよう進言する。しかし冷北は拒否した。「今も兵権を握るのは公主だ、その上、長く青南城を守っていたため、名声が高い 公主を利用して青南城を落とす」韓燁(ハンイェ)は皇祖母の通夜を終えて太子府に戻った。温朔(ウェンショウ)は3日も飲まず食わずの皇太子を心配して手料理を振る舞うと話したが、うっかり口を滑らせ″安楽(アンルー)″の名を出してしまう。「あ…殿下、安楽姐を恨んでいますか?」「10年前に決まっていた結末だ、恨むものか…」韓燁は疲れた様子で門の敷居をまたいだが、驚いたことに院子で梓元が待っていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えー!勝手に帝盛天はお祖父ちゃんだと思ってた!なるほどね~安楽が「先帝と帝盛天のような関係はもうない」って言ったのはこういうことだったのか〜って早く言ってよ!いや言ってたの?( ̄▽ ̄;)どなたか教えてくださいw
2024.04.24
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安乐传 The Legend Of Anle第25話投獄されていた古雲年(コウンネン)が召喚された。嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は張堅(チョウケン)の証言が事実か確認したが、古雲年はそれとなく皇太后・孫瑜君(ソンユクン)の顔色をうかがう。実は皇太后は古雲年が収監されると密かに口止めし、命だけは助けると約束していた。「確かに帝(ディ)家軍を討てとの文を受け取りましたが、送り主が誰かは今も知りません 文も書かれていた指示どおり焼き捨てました」これに任安楽(レンアンルー)は猛反発、将軍が誰の指示かも確かめず帝家軍を謀殺するなどあり得ない。皇太子・韓燁(ハンイェ)も″知らぬ″の一言で済む問題ではないと加勢したが、古雲年は自分の罪で構わないと開き直った。「息子をかばう気持ちから悪事を隠したのは間違いでした、しかし忠心は変わりません 全ては国と陛下のためだった」その時、皇太后が立ち上がり、古雲年を断罪した。「帝家の件に限らず、そちの所業は死罪に値する!早く白状なさい! 一族まで巻き添えにするつもり?!本当のことを言うのよ!」「…陛下、10年も前のことなので覚えていません ただ宮中に刺客を放ったのは私ではない、しかし今さら何を言っても誰も信じないでしょう ふふっ、私はかつて靖安(セイアン)侯を陥れた、だが今の私はあの時の靖安侯と同じ これも因果応報だろう、はっははは…それも良い 奸臣の役目を果たし、いま一度、お役に立つ所存です、罪人としてお先に参ります…」すると古雲年は柱に突進、自ら頭を打ちつけて自害してしまう。古雲年の死により密書の有無は証明できず、帝家の潔白を明らかにする術がなくなった。そこで皇帝は三法司(サンホウシ)に審理を任せると決め、張堅と鍾海(ショウカイ)は連行されてしまう。皇太子妃冊封の儀は仕切り直し、帝承恩(ディチォンエン)は改めて帝家が犯した罪を詫びて叩頭した。皇帝は帝承恩を正式に靖国の皇太子妃に封じると言ったが、その時、安楽が止める。「お待ちを!…帝承恩には罪を認める資格も妃となる資格もない!勅命の撤回を! 陛下、帝家に罪はありません!」安楽は御前に進み出ると、ついに正体を明かした。「帝承恩に帝家の罪は認められない、その真相を知るのは帝梓元(ディヅユアン)である私だけです」皇太后は任安楽が皇太子妃の座を諦められず、朝廷を撹乱するつもりだと呆れた。すると皇帝は本当に帝梓元なら宮中で怪我をした時の傷が今も肩にあるはずだという。そこで孫(ソン)女官と安寧(アンニン)公主が安楽の肩の傷を確認した。「申し上げます、陛下、太后…確かに任大人の左肩に傷痕がございます」皇太后はたかが傷痕1つで帝梓元だと証明できないと突っぱねたが、安楽は証人もいるという。「…太子殿下、私は帝梓元ですか?」安楽は清廉な韓燁に賭けた。…安楽は帝家が悪人に陥れられたと分かれば韓燁が必ず味方するはずだと考えた洛銘西(ルォミンシー)は韓燁が公明正大さより天下太平を望むかもしれないと懸念したが、安楽は公明正大さを欠いた天下太平など韓燁は認めないという…安楽の予想通り韓燁は任安楽こそ帝梓元だと認めた。すると夢がついえた帝承恩はその場でへたり込んでしまう。「ではそなたが帝梓元だとしよう、ならばその帝承恩は一体、何者だ?」「陛下、帝承恩は瑇(タイ)山へ送られる際に私と入れ替わった身代わりです 私は瑇山へ行かず、流転の末、海賊に身をやつしました」皇帝は任安楽が水軍を差し出したのも嫁ぐためではなく、最初から入念に仕組んだ企みだったと気づいた。「任安楽!そちが帝梓元でも、そちの訴えが誠とは限らぬ!」すると安楽は皇太后に献上した贈り物をここで開けるよう嘆願した。皇帝の侍従・趙福(チョウフク)は安楽が皇太后に贈った巻物の箱を持ってきた。韓燁は何も知らず箱を開けたが、その時、巻物が転がり落ちて床に広がる。そこには青南山で謀殺された帝家軍8万の名が記されていた。涙をこらえながら将兵たちの名を1人1人読み上げる安楽。すると宴席の皇族や大臣たちは無念のうちに死んでいった多くの若者たちに思いを馳せた。…洛銘西は自分たちだけで帝家の潔白を証明するのは難しいと心配したしかし安楽は2人だけではないと否定する『8万人がいる、8万人の将兵と一緒に戦うのよ』…安楽は帝家の潔白を認めて正義を示すよう嘆願した。すると皇帝はどちらにしても帝家軍が勝手に兵を動かしたことに変わりはないという。「証拠もなく潔白とは言えぬ!」「古雲年が死んで密書の有無は藪の中です、でも陛下は当時、確かに父親に文を送っています」「ふん!あの年、帝永寧(ディエイネイ)に一度も文は書いておらぬ」「お忘れですか?…西北に出兵せよと密書が届きました 帝家の取りつぶしで古雲年は兵符を持ち去った、でも密書は私が父親から預かっていました」そこで安楽は韓燁に扇子を貸して欲しいと頼んだ。安楽は扇子の地紙の間に密書を隠して韓燁に渡していた。「なぜ私に?」「一番、安全だからよ」安楽は玉璽のある皇帝親筆の密書を示し、皇帝の師で右丞相(ユウジョウショウ)の魏諫(ギカン)に筆跡の鑑定を頼んだ。密書を見た魏諫は驚愕、確かに″文が届き次第、帝家軍を率いて西北に出兵せよ″との密旨だと確認する。「陛下、もし密旨が事実なら天下に正義をお示しください」すると皇族と大臣たちも御前に進み出て天下に正義を示すよう嘆願した。「反逆するつもりか!」身に覚えがない皇帝は狼狽えるばかり、しかしついに皇太子までが公正な判断を嘆願する。その時、ついに真相を知る安寧公主が口を開いた。「…陛下が書いたのではない」…洛銘西は最も重要な証言が得られなければ真の首謀者を名指しできないと懸念したしかし安楽は自分が人心を得れば全て上手く行くはずだという『だからこそ宴の場で訴えるのよ』安楽も安寧を巻き込みたくはなかったが、公主としての責任を果たしてもらう必要がある…安寧は墓場まで持って行くつもりだった秘密を明かした。「文は陛下ではなく、太后が書いたのよ…」帝家が取り潰されたあの日、安寧は皇祖母に帝家のとりなしを頼もうと静心堂へ駆けつけた。そこで偶然、皇祖母と侍従の会話を耳にしてしまう。『陛下から皆殺しの勅命が下ったものの、帝梓元だけは許されました』『まあ良い、情けをかければ諫言を黙らせることができる、数年後に始末すればいいだけよ』『英明です、玉璽がある陛下の筆跡の文だからこそ、靖安侯も信じて軍を動かしたのでしょう』『古雲年に必ず密書を探し出して始末しろと伝えて』その後、一緒にいた安寧の侍従・良喜(リョウキ)は自害、静心堂の太監も姿を消した。安寧は自分が真相を隠していたせいで帝家に汚名を着せ続けてきたと後悔し、自ら罰を請うた。すると洛銘西が当時、まだ幼かった公主の証言だけで皇太后を断罪できないとかばう。「しかし偽筆ができる者はごく僅かでしょう」「…陛下、お忘れですか?陛下は私の前に太后から学問を学んでおいででした」魏諫の証言が決め手となり、皇太后はついに自分が密書を書いたと認めた。皇太后は当時、兵力を誇り功労の大きい帝家が脅威だったと訴えた。しかし皇帝は帝永寧とのよしみで手を下さず、これも天下安泰のためにやったと正当化する。「命が惜しくなければ哀家を宗正寺(ソウセイジ)へ引っ立てて裁くがいいわ…やってごらん!」すると皇太后は悪びれる様子もなく、むしろ堂々と帝家軍8万の名簿の上を歩いて出て行ってしまう。無惨に踏みつけられた帝家軍8万の名簿には皇太后の足跡が薄汚く残った。「帝家軍は民に平和な世をと命を懸けて戦った、それを脅威とみなし、皆殺しにするなんて…」安楽は何とも言えない虚しさに打ちひしがられながら、改めて帝家の潔白を認めるよう嘆願した。すると韓燁をはじめ文武百官も一斉に嘆願、皇帝は恩のある母に対しても君主として法の平等を示さなくてはならないと覚悟する。「分かった、自ら太廟(タイビョウ)で3日間禁足し、3日後に答えを出そう 帝家と文武百官のため、また天下の民に対し、韓家の正義を示す!」皇帝は一筋の涙を拭い、任安楽の前に立った。「この先、そちは何者であるのか?」「偽りの任安楽は消え、帝梓元のみが残ります」「分かった、靖国の朝廷にはこれより帝梓元のみが存在する、今後、任安楽は存在せぬ!」祝宴は思わぬ形で散会、皇帝は太廟にこもった。大殿に残ったのは身分を取り戻した帝梓元と韓燁、そして呆然と座り込んでいる帝承恩だけとなる。「帝梓元、答えてくれ…こうなることを望んでいたのか?」「…そうよ、10年、機会を待った、この日のためにね」「つまり君が私に近づいたのもこの日のためだったのか…」すると帝承恩はふつふつと怒りが込み上げた。「10年よ?!10年間も地獄を味わわせて、今さら自分が帝梓元を名乗るの?! じゃあ私は誰?!誰なの?!何様のつもりよ!」帝承恩は思わず梓元を突き飛ばすと、韓燁がかばった。「帝承恩、帰るんだ」「帝承恩?違う、私は帝承恩じゃない!これは偽りの名よ?私の人生も…じゃあ私は誰?」帝承恩は急に頭が混乱し、ふらふらと出て行ってしまう。洛銘西が城門で待っていると梓元が出てきた。ついに悲願を果たし、帝家の汚名をそそいだ梓元。しかしそのために韓燁や安寧、帝承恩を深く傷つけてしまったと嘆く。何より古雲年の最後の言葉が梓元の心にわだかまりを残した。「朝廷には私の知らない闇がある、国の危機につながるのかも…」「梓元、気にするな、韓家の朝廷だ、君が憂うことはない」洛銘西は霧が晴れるように徐々に良くなると梓元をなだめた。つづく( ゚ェ゚)あれ?安寧は皇太后が太監に文を託すのを目撃したはずだよね?今回の証言は続きなの?結局、字幕で見ても意味が分からないというw
2024.04.18
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安乐传 The Legend Of Anle第24話皇太子妃の冊封は皇太后の誕辰の宴の場で行われることが決まった。帝承恩(ディチォンエン)はがっかりしたが、慕青(ムーチン)はどちらにしても皇太子妃の座が揺らぐことはないと安心させる。すると宮中から皇太后の使いがやって来た。韓燁(ハンイェ)は替え玉と知りながら帝承恩を娶ると決意したものの、任安楽(レンアンルー)こと帝梓元(ディヅユアン)を忘れられずにいた。韓燁が寝殿に引きこもって丸一日、温朔(ウェンショウ)はただ外で待っていることしかできなかったが、そこへ吉利(キツリ)がやって来る。「冊封の儀は太后の誕辰の祝宴で行われると決まったそうだ」「殿下は気にしないさ、いつどこでやろうとな…」温朔は何より今後、慕っていた安楽と無関係になってしまうのかと思うとやるせなくなった。孫瑜君(ソンユクン)は帝承恩を静心(セイシン)堂に呼びつけ、冊封の儀で本当に帝家の罪を認めるのか確認した。帝承恩は皇帝と皇太后の聖恩に感謝して帝家の罪を認めて償うと約束、皇太后への服従を誓う。これに気をよくした孫瑜君は香が燃え尽きたら帰ることを許したが、その間に書写するよう命じて出ていった。洛銘西(ルォミンシー)は安楽の悲願を叶えるため着々と伏線を敷いていた。しかしまだ安心できず、琳琅(リンロウ)にある男を陥落させる。その男の名は張堅(チョウケン)、張副将軍は10年前、忠義侯(チュウギコウ)の侍衛だったが、青南(セイナン)山の戦いから戻ると辞職していた。皇太后の誕辰前夜、皇太子府に突然、安楽がやって来た。酔い潰れて寝ていた韓燁は慌てて身なりを整え、かろうじて冷静さを保って現れる。すると安楽は皇太子妃冊封の祝いだと言って扇子を贈った。「誕辰の祝宴に必ず持って来てね」「何を考えている?…まさか身分を明かすつもりか? 身分を偽って陛下を欺いたと分かれば大罪だ、そもそも君は罪人の娘なんだぞ?」「罪人ですって?…潔白を証明してみせるわ」韓燁は誕辰の宴が復讐の場になると気づき、韓家と梓元の板挟みだと嘆いた。しかし安楽は帝家が謀反を考えたことなどないと反発、皇太子を信じるからこそ計画を明かしたという。「私は証拠を信じる」「証拠は用意するわ」「10年前のことだ、潔白が証明できなければどうなると?」「帝家の名誉回復は私の悲願なの」「はお、では思うようにせよ」↓ちょっとボサボサw安楽は韓燁と決裂、皇太子府を出た。門前で待っていた洛銘西は張堅が証言してくれると報告し、必ず安楽の復讐を成功させると誓う。「覚悟はいいか?」「8万の魂が帝梓元と韓燁の間を隔てている…所詮、結ばれぬ定めよ」…韓燁、以前、あなたに言ったわね、あなたの望むことなら何でもやるとそれはいつか必ず私があなたの人生を壊すと分かっていたからよ…( ;∀;)おふ皇太后の誕辰当日、温朔は皇太子の身支度を手伝いながら、これで正式に皇太子妃が決まってしまうと肩を落とした。「安楽姐姐と疎遠になるのは少し辛いです…」「私に気を使うな、お前は今まで通り姐と思えばいい」すると韓燁は安楽からもらった扇子を手に取った。皇太后の誕辰には皇族と大臣が全て集結し、盛大な祝宴となった。安楽は大理寺卿として招待され、贈り物には自分で書写した経典の巻物を献上する。嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は皇太子妃になれなかった安楽に騒ぎを起こさぬよう釘を刺したが、安楽は心得ていると悪戯っぽく笑って席についた。そしていよいよ皇太子妃冊封の儀が始まる。帝承恩は御前に進んでひざまずくと、約束通り帝家の娘として一族が犯した罪を謝罪した。安楽と洛銘西はそんな帝承恩を苦々しく眺めていたが、その時、突然、鍾海(ショウカイ)が乗り込んでくる。「帝家に罪などない!」すると鍾海は皇帝に拝謁し、実は帝家軍の生き残りだと明かした。鍾海の左胸には帝家軍の証しとなる入れ墨があった。「今日は帝家の潔白を訴えるために来ました!」皇帝は潔白もなにも帝家が命もなく独断で軍を動かしたと一蹴したが、鍾海は反論した。「独断ではなく確かに青南山へ援軍に向かえと命を受けて出兵しました!」…昼夜兼行で青南城に駆けつけた帝家軍しかし青南山のふもとに着くと、すでに北秦(ホクシン)軍の弓矢隊が陣を敷いて待ち構えていた追い詰められた帝家軍は山に逃げ込み要塞に至ったが、なぜか青南城の守衛軍に要撃を受けてしまう夜中で辺りは暗く、敵の姿も矢も見えない中、帝家軍だと大声で名乗っても応える者はいない帝家軍は味方の矢に次々と討たれ、辺りは血の海と化した『退却せよ!』帝家軍は慌てて引き返したが、逃げ場のない山道で巨石を落とされ、声を上げる間もなく圧死してしまう運良く逃れた兵士たちも火球を放り込まれ、火だるまとなった…鍾海は倒れた戦友が盾となり九死に一生を得た。「我々は謀反など起こしていません!靖国の忠臣です!帝家は陥れられたのです! 靖安(セイアン)侯は潔白です!」しかし韓燁が異を立てた。帝家軍は全滅したはず、今さら鍾海が訴え出たとしても誰が信じるだろうか。すると即座に安楽が反論した。せっかく生き残った罪人が罰を覚悟でわざわざ蒸し返す必要があるだろうか。「潔白でなければ黙っているはずです」(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ そうだ!そうだ!皇太后は自分の誕辰を台無しにしたと激怒した。慌てた皇帝は鍾海を追い出すよう命じたが、太傅で右丞相(ユウジョウショウ)・魏諫(ギカン)が止める。「陛下、確かに今さら過去の無実を訴えるのは妙な話です」しかし北秦の密偵である左丞相・姜瑜(キョウユ)が反対した。「己の主張が正義だと信じ切っているだけでしょう」その時、鍾海が侍衛の手を振り払い、自分の潔白を証明してくれる者がいると訴えた。「外におります!召喚してください!」韓燁は皇帝に認めてはどうかと進言した。皇太后は血相を変えて反対したが、もはや文武百官の前でうやむやにはできない。こうして洛銘西の次の駒が現れた。魏諫は証人がかつて忠義侯の侍衛だった張堅だと知っていた。すると張堅は当時、副将軍として北秦軍を討てと命を受けたが、自分たちが討ったのは帝家軍だったと認める。その後ろめたさから帰京すると職を辞し、忠義と人情の板挟みに苦しんで酒に溺れる日々を送っていた。…10年前、古雲年は突然、北秦軍を討てと命じ、部隊を青南山の要塞に向かわせた張堅は山すその道を守るよう命じられ、さらに敵が何を言おうと決して耳を貸さず、全員を殺すようにと指示を受ける暗闇の中、青南山から下りてくるのは当然、北秦軍しかいないはずだった部隊は敵兵を全滅させたが、その後、骸の回収で帝家軍の甲冑をつけていると気づく張堅はこれも命に従ったまでだと割り切ったしかしなぜか″帝家軍が北秦と通じて攻めて来る、投降を拒否すれば殺せ″と勅命が下る帝家軍なら全滅させたはず、張堅はあの亡骸が帝家軍の甲冑を着けた北秦軍だったのかもしれないと考えたところが辺境の守りを固めて何日待っても、逆賊の帝家軍は現れないその代わり届いたのは″帝家軍が青南山で北秦軍に殲滅された″という知らせだった張堅はその時、確信するやはり自分が帝家軍を殺したのだと…張堅の証言は国に波乱を呼び、朝廷を揺るがすものだった。「本当に偽りはないか?…敵味方も分からない夜戦で何が事実なのか判断できるか?」皇太子のするどい指摘に張堅は確かに判断できる状況ではなかったと認めた。「仮にお前たちの攻撃で帝家軍が全滅したとしよう しかし古雲年が北秦軍の攻撃と誤解し、お前たちに討たせた可能性もある つまり可能性は複数あり、謀殺とは断定できぬ」しかし張堅は都から密書を受けて帝家軍を討ったと訴えた。「都からの密書?」その時、皇太后が卓を叩いて怒りをあらわにした。「侍衛の分際でよくもそんな出まかせを!密書なんて誰が信じると?!」確かに密書を見たのは張堅だけ、しかも古雲年がすでに焼き捨ててしまったという。証拠がないと知った皇太后は失笑し、しょせんは出鱈目だと言い放った。悔しさをにじませる安楽、しかし清廉潔白な韓燁が安楽の信頼に応えてくれる。「陛下…古雲年を引き出して張堅の前で詮議させてください」すると魏諫も判断を下すには双方の話を聞く必要があると諫めた。つづく( ๑≧ꇴ≦)承恩が蚊帳の外過ぎるw
2024.04.17
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安乐传 The Legend Of Anle第23話洛銘西(ルォミンシー)は谷底から戻った韓燁(ハンイェ)の任安楽(レンアンルー)に対する態度が変わったことに気づいた。何より安楽も韓燁にまだ未練があるのが分かる。洛銘西は韓燁も当時、帝梓元(ディヅユアン)を救って幾月も幽閉されたと明かし、安楽に改めて選択を迫った。「心から選んで欲しい、復讐を続けるか、思い留まるか 復讐を続けるなら二度と韓燁に恩返しはできないだろう」「誰が犠牲になろうとも帝家の敵を討つ…心配しないで、もう韓燁とは決別した」一方、婚礼を間近に控えた韓燁は浮かぬ顔で昼間から酒を飲んでいた。思い出すのは安楽のことばかり、谷底で過ごしたかけがえのない幸せな時間が頭から離れない。しかしもう引き返せないことは重々、承知していた。その夜、安寧(アンニン)は任府に安楽を訪ね、真実を突きつけた。「梓元…あなたは梓元なのでしょう?! あなたが梓元でとても嬉しい、だって想像していた通り洒脱な人だもの 10年を経て義姉妹にもなれた、本当に嬉しいわ」しかし安寧は平穏を保つためにも梓元には任安楽のままでいて欲しいという。梓元が都へ来たのには理由があるはず、もし任安楽が帝梓元に戻ったら世は乱れるだろう。「だからどうか私に罪を償わせて!私にも罪があるの!私は…(はっ) とにかく望みがあるなら私が叶える!」「安寧…帝家一族と8万の将兵の犠牲はあなた独りでは償えない」安楽は自分が誰であれ安寧と義姉妹であることに変わりないと言ったが、もはや退路はないと拒んだ。「将兵たちの魂が私の背中を押す、私は立ち止まれない、あなたや韓燁のためだとしても…」しかし安楽は決して安寧に証言を強要せず、居所に戻った。洛銘西は翎湘楼へ戻ると、琳琅(リンロウ)に計画を早めることになりそうだと明かした。実は安楽の正体に気づいた皇太子が刑部に現れ、10年前の悲劇を繰り返さぬよう釘を刺されたという。「まだ梓元を想っているのだ」「大人(ダーレン)、知らせによると昨夜、動きがありました、帝承恩(ディチォンエン)が…」都は雪になった。安楽は露台でちらちらと舞う雪を眺めていたが、誰かが背後からそっと外套をかけてくれる。しかし安楽はそれが韓燁だと気づき、咄嗟に外套を断った。「婚礼が近いのだから私とは距離を置くべきよ?」韓燁は安楽が帝家の名誉を取り戻すつもりだと察し、危険を犯さぬよう説得した。「ここで思いとどまってくれ、終わりにしよう」「兄妹そろって志をくじこうとするのね」安楽は後戻りできないと拒否し、そもそも帝家が血を流す必要などなかったと怒りをあらわにした。「ずっと安楽のままで生きてゆけないのか?私が守る」「独り善がりね」それは10年前、梓元が韓燁に言い放った言葉と同じだった…『太祖が遺詔で決めた通り太子妃の座は梓元のものだ』『独り善がりね』…安楽は韓家から借りを返してもらうだけだと言った。「あなたに邪魔できる?私にも無理よ」すると安楽は殿内に入って戸を閉めてしまう。韓燁は仕方なく外套を置いて帰ったが、何にせよ必ず梓元を守ると決意を新たにした。帝承恩は皇太子の冷たい態度に困惑し、姜瑜(キョウユ)を頼った。そこで郊外の待ち合わせ場所に出かけたが、思いがけず馬車から洛銘西が現れる。「10年ぶりだな、この玉佩に見覚えは?」それは物乞いだった自分を″帝梓元″の替え玉に選んだ少年が持っていた玉佩だった。「あの時の…あなたが私を瑇(タイ)山へ送ったのね?!」「取り引きだった、勝手を許した覚えはない、本当の身分を忘れたのか?」洛銘西は帝承恩の放埒ぶりに不快感をあらわにしたが、言うことを聞くなら皇太子妃でいさせると条件を出した。「いいわ、言う通りにする」「慕青(ムーチン)はお前にやろう、要らないなら…」「いるわ!」帝承恩は慕青の主が実は洛銘西だと知った。唯一の家族と慕っていた慕青の裏切りに憤る帝承恩、しかし親のいない物乞いが今やここまで上り詰めたと自負する。すると慕青は帝承恩からもらった剣飾りを返した。「もはや私は用なしだろう」「私が洛銘西から取り返した命よ?私の手にあるものはそう簡単に手放さない」帝承恩は剣飾りを再び慕青に渡した。「私が編み込んだ気持ちは本物よ」帝承恩は自分が替え玉だと知る者が他にもいると考えた。…まだ安泰ではない、すぐ陛下に会わなくては…そこで帝承恩は皇帝に謁見し、帝家の罪を述べてから冊封の儀に臨むと上奏した。一方、安楽と洛銘西は翎湘楼に帝家軍の生き残りである鍾海(ショウカイ)を呼び出し、安楽が帝家唯一の生き残りである帝梓元だと明かした。「帝家は逆賊かしら?」「違います!帝家軍は国を裏切りませぬ!」「逆賊でないのなら潔白を示すのよ!」鍾海は安楽が小姐だとにわかに信じられなかったが、帝家の配下だった洛家が従う相手はただ独りだと知っていた。「帝家の汚名をそそぐため、あなたを探していたの、10年前の真相を白日の下にさらしたい」「鍾海、小姐のために命を懸けます!」朝臣の銭広(センコウ)は皇太后の誕辰の宴の場で皇太子妃の冊封を行ってはどうかと上奏した。皇帝は慶事が重なると喜んで話を進めることにしたが、報告を聞いた孫瑜君(ソンユクン)は面白くない。しかし冊封の前に帝承恩が帝家の罪を述べると知って鼻で笑った。「そう、ならばしかと見届けなければ…今すぐ呼んで」一方、姜瑜も皇太后の誕辰と皇太子妃の冊封が同日だと聞いて喜んだ。「面白くなりそうだ、だが何かが引っかかる」実は上奏文を出した銭広は帝家の残党だった…安楽と洛銘西は密かに銭広を帝家の霊廟に呼び出した洛銘西はすでに帝家の配下を探し出し、証拠もほぼ集まったと知らせる『小姐、実は今月、あつらえ向きの催しがございます』『太后の誕辰ね』銭広は皇太子妃の冊封を同日にして全ての皇族と大臣を集結させれば、まさに汚名をそそぐ絶好の機会だと提案した『ふふ、その時に8万の将兵の名簿を太后に贈るわ こたびの宴は間違いなく盛り上がるはずよ?』…琳琅は上奏が成功したと報告した。しかし洛銘西はまだ十分ではないという。「あと一手、必要だ」つづく( ゚ェ゚)やっぱり帝承恩を見つけたのは洛銘西だったのね〜
2024.04.14
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安乐传 The Legend Of Anle第22話谷底に転落した任安楽(レンアンルー)と韓燁(ハンイェ)だったが、洞窟で寒さをしのぎ、体力を回復した。韓燁は自ら魚を捕まえ振る舞ったが、安楽は一口食べただけで韓燁に料理の才能がないと気づく。そこで今度は狩りに挑戦、しかしどんなに兵法や武術に通じていようと、韓燁はウサギも捕まえられなかった。安楽は思わず鼻で笑ったが、自分を解放した韓燁はこれまでとは全く違う反応を見せる。「任安楽、″兎も怒れば人を噛む″という…太子も同じだ」意味ありげに笑う韓燁、そんな韓燁の姿に安楽はいつの間にか心を揺さぶられていた。「韓燁、見て!梅の花よ!」「山で自由に咲く梅か…そうだ任安楽、満開になるまでここにいよう」↓( ゚ェ゚)割れてんな〜@アンルー翎湘楼(レイショウロウ)では洛銘西(ルォミンシー)が未だ消息不明の安楽を心配していた。すると苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)が駆けつけ、川辺で飲みかけの果実酒を見つけたと酒瓶を渡す。酒の匂いを嗅いだ洛銘西はついに″あの方″が姪孫(テッソン)を救いにやって来たと気づいた。あの方とは天下を遊歴する帝家の主・帝盛天(ディセイテン)だった。( ゚д゚)え?お祖父ちゃん生きてるの?!その夜、安楽と韓燁は暖を取りながら美しい星空を眺めた。韓燁は安楽にそれとなく安楽寨(サイ)での幼少期を尋ね、梓元の暮らしぶりを聞き出すことにする。しかし予想外に海賊の暮らしは厳しいものだった。安楽は幼い頃から武術の稽古と航海の毎日で、食事も湯浴みも早い者勝ちという生活だったという。「寨主の娘だからと言って特別扱いは許されない、実力がものを言う世界よ」「何と乱暴な…」「怒ることないわ、私は令嬢じゃない、海賊の娘よ?でも当時の苦労も殿下に会って報われたわ」安楽はいつものごとく茶化して笑ったが、韓燁はこの機に自分の胸の内を明かすことにした。「都に戻れば太子として帝承恩(ディチォンエン)を娶らねばならぬ」安楽はついに決別の時が来たと覚悟した。その時、流星群が現れる。韓燁は沐天府で安楽と灯籠流しを見たことを思い出し、満天の星を灯籠に見立て、願をかけようと言った。「私の願いは天でも叶えられない…そうでしょう?」「任安楽…私は任安楽という女子に心を動かされた、だが帝梓元(ディヅユアン)を生涯、守り続ける この言葉を忘れないでくれ」すると韓燁は安楽の額にそっと口づけした。「そろそろ都に戻らねば…しかし最後の瞬間まで大切に過ごそう」「…はお」↓見事にピッタリはまった横顔ヲヲヲヲヲ…w翌日、安楽と韓燁は谷を出ることにした。しかし道すがら安楽がつまづいて足首を捻ってしまう。一方、安寧(アンニン)や温朔(ウェンショウ)たちはこの数日、寝る間も惜しんで皇太子と安楽を探していた。すると草むらの向こうから安楽を背負って歩って来る皇太子を見つける。「殿下だ!殿下たちです!」安寧や温朔が安堵する中、冷北(ランベイ)だけは複雑な面持ちで皇太子を見ていた。…まさか本当に生きていたとは…こうして幕を閉じた梓元と韓燁の夢のような時間。「梓元、ここまでだ…」韓燁は自分の背中で眠ってしまった安楽に思わずつぶやいた。洛銘西は安楽が無事に見つかったと聞いた。しかし安楽たちを襲ったのはやはり忠義(チュウギ)侯ではない別の者だという。洛銘西は琳琅(リンロウ)に調査を命じると、ようやく身体の緊張が解けた。机の上では大事に育てた長思花(チョウシカ)がつぼみを付けている。一方、皇帝も安寧から届いた皇太子からの手紙を受け取っていた。皇帝として冷静を装っていたが、やはり息子を思う父親に変わりはない。韓仲遠(ハンチュウエン)は急に安心して立ちくらみを起こしたが、その顔には笑顔があった。韓燁と安楽は同じ馬車で帰途に着いた。韓燁は変わらず安楽を気遣っていたが、安楽は都を前にすでによそよそしい。「これからは別々の道よ、それぞれの願いが叶うといいわね…」一方、馬車を先導している安寧は兄の様子が変わったと気づいていた。…たぶん梓元だと気づいたのね、いいえ、まだ分からない…洛銘西は城門で安楽を出迎えた。「太子殿下と任大人(ダーレン)のご無事をお喜び申し上げます」ついに別れの時が来た。「任安楽、谷に落ちてから今まで私は幸せだった 私は帝承恩を娶らねばならないが、だが喜ばしいのは君が任安楽であることだ 任安楽のまま生きてくれ、君が任安楽でいる限り私は安心だ」「太子殿下、私には殿下を安心させることよりやるべきことがあるの」安楽は馬車を降りることにしたが、その時、思わず韓燁は安楽の手をつかんで引き止めた。「陛下が国を治める覚悟は君が想像する以上だ 傍若無人な君を私が守れる日まで陛下を敵に回すな、無事に生きろ」「誤解していない?陛下は名君で、私も大恩に感じ入っている、敵に回す必要はないわ」すると安楽は手を振り解き、馬車を出た。帝承恩は皇太子と任安楽が同じ馬車で帰ったと聞いて憤慨した。もともと親しい2人が何日も人の通わぬ谷底にいたのなら、韓燁の心変わりも考えられる。焦った帝承恩は太子府へ見舞いに行くと決め、化粧で憔悴を装うことにした。韓燁は安楽が自分と偶然を装って出会い、求婚したのも策略だったと気づいた。水軍まで差し出した目的が皇太子妃の座でも官職でもなければ一体、何なのか。そこへ安寧が見舞いにやって来た。すると兄が書いた安楽の絵姿に気づいて確信する。「やはり気づいたのね、安楽と梓元が同一人物だと… 私も気づかなかった、ずっとそばにいたのに…でも悲しいけれど嬉しくもある」「私も同じ気持ちだ、気づくのが遅すぎた」韓燁は梓元が自由の身だったと知って嬉しかったが、海賊稼業の厳しさを思うと胸が痛んだ。梓元がこれからも安楽のままで生きてくれることを願う2人、どちらにしても韓燁は自分が必ず梓元を守ると誓った。都は雪になった。洛銘西は回廊で物思いにふけっている安楽を心配し、手あぶりを届ける。「韓燁の態度が以前と変わっていたな…未練があるのか?」「谷底での数日間だけよ」吉利(キツリ)が皇太子の包帯を替えていると、いきなり帝承恩が戸を開けた。驚いた韓燁は慌てて下衣を羽織ったが、帝承恩は皇太子の傷を見て驚愕する。「侍衛が付いていながら太子殿下に怪我を?!不届きもの!」吉利はひざまずいて罰を請うたが、韓燁は罪などないと許して吉利を下げた。帝承恩は皇太子を牽制するため、自分のためにも御身を大切にして欲しいと諌めた。「10年前に弟の燼言(ジンイェン)を失い、天涯孤独の身となった私にはもう殿下しかいません」しかし韓燁は自分に負い目を感じさせるため弟の名を出した帝承恩に嫌悪感を抱き、早々に追い返してしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)シックスパックを見せつけるジュゴンw
2024.04.14
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安乐传 The Legend Of Anle第21話帝承恩(ディチォンエン)は快気祝いと称して任安楽(レンアンルー)を沅水閣(ゲンスイカク)に呼び出した。「あの宴以来、太子殿下は毎日お見舞いに来て、私が喜びそうな物や薬を届けてくれるの」承恩は殿内にわざと山のように珍品を並べ、卓にはこれ見よがしに皇太子が10年も梓元(ヅユアン)に送り続けた文を置いていた。「殿下は稀に見る好男子だから大切しなくちゃね」「…任大人、嫉妬しないの?だってあなたは太子妃の座を狙っていたのよね?」しかし安楽は皇太子に恋情はないという。「帝小姐の夢が運命の人と添い遂げることでも私は違う、色恋より大切なことがあるの」承恩は安楽にまで見下され憤慨、ならば皇太子と距離を置くよう迫った。「疎遠を心がけているけれど、公務の時だけは諦めてもらう(キッパリ」「…無礼な」その時、韓燁(ハンイェ)が現れた。すると韓燁は帝承恩に静養するよう釘を刺し、安楽の腕をつかんで出て行ってしまう。安楽は人目を気にして言動には注意すべきだと韓燁を諌めた。「君のようにか?…君の完璧な演技にすっかり騙された」韓燁は鎌をかけたが、安楽はしらばくれた。「いつ私が騙したかしら?」仕方なく韓燁は古斉善(コセイゼン)を連れ去るために苑書(エンショ)と刺客に芝居を打たせたことだと言った。「君が嘘をついても私は怒らない、だがいつか君の口から真実を聞かせて欲しい…」すると韓燁は安楽を連れて行きたい場所があると誘った。上元の夜、韓燁と安楽は賑やかな街に出かけた。すると韓燁は安楽を橋で待たせ、うさぎの灯籠を買って戻ってくる。安楽は幼い頃、韓燁と2人で出かけた灯籠祭りを思い出しながら、子供じみていると笑った。「宮殿を嫌う梓元と2人で祭りに来たことがある その時、わずか銅貨10枚のうさぎの灯籠を2つ贈った だがその翌日、16日が梓元の誕辰だと知ってな 私は視察へ発つ直前のため、咄嗟に梓元に文を書いたのだ ″ゆうべの灯籠は誕辰の贈り物だ″と…ふふ、ケチな太子だと思われたに違いない あれから10年が過ぎた…」「些細なことまでよく覚えているのね?」「些細なことではない、靖(セイ)国と帝家の縁談は天下太平のための策であった 梓元とは幼い頃に婚約を交わした、しかし常にそばには侍衛の洛銘西がいたのだ だからあの上元は2人きりの唯一の思い出だ」真実を明かせなくても分かり合える韓燁と梓元だけの記憶、しかしそこへ苑書が駆けつけた。実は忠義侯(チュウギコウ)が除夜の宴に使った刺客を化縁(ケエン)山で始末するつもりだという。安寧(アンニン)は安楽本人から事の次第を聞き出そうと考え、出かけることにした。しかし遊びに来た北秦(ホクシン)の莫霜(モーシュァン)公主に足止めされてしまう。実は冷北(ランベイ)は姜瑜(キョウユ)から軍の名簿を手に入れるよう急かされていた。姜瑜は帝承恩から帝家軍籠絡に協力する約束を取り付けたという。そこで冷北は妹に公主の気を引いてもらい、隙を見て眠り薬を仕込んだ。その頃、化縁山では罠とも知らず、古雲年が息子が来るのを待っていた。するとなぜか皇太子と任安楽がやって来る。…まずい!謀られた!…古雲年は驚いて逃げようとしたが、韓燁と安楽に捕まった。その時、突然、煙玉が爆発、辺りは真っ白な煙に覆われ、刺客たちが襲いかかる。…今度は何者だ?…古雲年は何が起こっているのか見当もつかなかったが、どうやら狙いは自分ではなく皇太子と任安楽だと分かった。多勢に無勢の中、懸命に応戦する韓燁、しかし安楽を助けようとして肩を刺され、崖から転落してしまう。「ハンイエェェェェェェェ!」安楽は無我夢中で韓燁を追いかけ、崖から飛び降りた。姜瑜の企みが成功、皇太子は行方不明となり、古雲年は数々の悪事が暴かれ投獄された。冷北は安寧から盗んだ名簿を姜瑜に送って公主府に戻ったが、何も知らない安寧は泥酔したせいで寝入ってしまったと自分を責めている。「将軍、冷静に、お2人はきっと生きています」実は皇太子と安楽が落ちた地点にはちょうど大河が流れていた。皇帝は内密に皇太子を捜索させていた。それでは手遅れになると安寧は禁衛軍を動かすよう嘆願したが、皇帝は表沙汰になれば民に動揺が広がり、敵国の耳に入れば取り返しがつかないという。安寧は息子より国を案じるのかと父を激しく非難、勅命がなくとも探しに行くと反発した。刑部の大牢では古雲年が拷問でぼろぼろになったところで洛銘西の尋問が始った。「自ら実父に引導を渡すとはな…」息子の供述書を見た古雲年は呆然、これまでの功績が我が子の手により無に帰したと肩を落とした。しかしあくまで刺客の件は知らないと訴える。「ふっ…愚息の証言は全て認めよう、ただし西郊大営が関わる罪状は一切、認めぬ! まったくの濡れ衣だ」洛銘西は古雲年が今さら言い逃れするとは思えなかった。一体、裏で誰が手を回しているのか。…安楽、どこにいる?無事でいてくれ…安楽と韓燁は川に落ちて流され、無事に岸に上がっていた。しかし安楽をかばって刺された韓燁は憔悴し、身体も冷え切っている。「韓燁!死んでは駄目!すぐ迎えが来るから…まだ借りも返していない!」「安楽…温朔(ウェンショウ)は…」「あんな子供の話をしている場合じゃない!眠っちゃダメ!」「私は…」すると韓燁は昏睡してしまう。安楽は韓燁を背負って近くの洞窟まで運んだ。しかし寝ずに介抱を続けても韓燁はなかなか目覚めない。「あなたに前世で借りでもあるのかしら?なぜ私をかばったりしたの? 婚礼が近いのに、10年も待った帝梓元を悲しませるつもり?」「…ただ君を助けたくて」「韓燁?!」韓燁はついに目を覚ました。「初めて己に正直に振る舞った…その結果、君を守ることができて嬉しい」しかし韓燁は再び意識を失ってしまう。翌朝、韓燁が目を覚ますとそばに安楽がいた。「ずっと見守ってくれていたのか?」回復した韓燁は身体を起こしたが、今度は衰弱した安楽が韓燁にもたれかかるように倒れてしまう。その時、韓燁は思わず安楽の肩を確認した。すると確かに傷がある。洛銘西は安楽が海賊との交戦で肩を刺されたと誤魔化していたが、韓燁は嘘だと見抜いた。…君の傷跡を私が見間違うはずがない…帝承恩は皇太子が行方不明と知って失望した。皇太子がいなければ当然、皇太子妃になるという夢はついえてしまう。「君が案じるのは己の栄耀栄華なのか?」慕青(ムーチン)の思わぬ指摘に驚いた承恩は、案じているのは″自分たち″の将来だと言い直した。倒れた安楽を介抱する韓燁。しかしその夜、安楽の身体が冷えていると気づき、抱き起こして温めることにした。梓元を腕に抱きながら、10年越しの想いが天に届いたと感慨深い韓燁、やがて一緒に眠りに落ちて朝を迎える。すると安楽は韓燁の胸の中で目を覚ました。「私なら大丈夫よ…それに太子殿下の腕に抱かれて得した気分だわ」安楽はいつものように茶化して照れ隠しした。「太子を迎えるのは閻魔様でも恐れ多いのね、ふふ、海賊の命に価値などないけれど…」「任安楽の命には価値がある、私が一生をかけて守る価値が…」韓燁はそこで話を切り上げ、食べ物を探しに出かけた。…私ったらこんな荒れ地で何を考えてるの?ふふ、でも今はこの幸せに感謝しよう…つづく( ๑≧ꇴ≦)傷があったぁぁぁぁぁぁ!
2024.04.04
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安乐传 The Legend Of Anle第20話鍾海(ショウカイ)の告発を後押しし、忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)を窮地に追い込んだ皇太子・韓燁(ハンイェ)。今日は任(レン)府で安楽(アンルー)、洛銘西(ルォミンシー)と祝杯を上げながら、除夜の宴に現れた刺客が変わった剣を落としていったと教えた。「私の読みが正しければ朝廷の腐敗を一掃できる、靖(セイ)国に正義が戻るだろう」すると侍従の吉利(キツリ)が駆けつけ、安寧(アンニン)公主が皇太子府で待っていると知らせた。安寧は兄に鍾海の身を守って欲しいと頼んだ。韓燁は忠義侯ならすでに力を失ったと安心させたが、思わぬ事実を知る。「江南で帝(ディ)家が鋳造した銀貨を使った飾り物を見つけたの、その持ち主が鍾海だった」「(はっ!)帝家軍の生き残り?…実は安寧、ある者も江南で鍾海の行方を追っていた」「誰?」「…任安楽だ」一方、洛銘西は翎湘楼(レイショウロウ)に場所を移し、安楽に帝家の潔白を示せる証人がいると明かした。「恐らく安寧は聞いてはならないものを聞いた」安楽はこれまで安寧を巻き込みたくないと拒んでいたが、事情が変わった。…私が安寧の口を開かせないと…安寧は帰りの道すがら、安楽がなぜ鍾海を探していたのか考えあぐねていた。するといつの間にか任府の前に出てしまう。安寧はそこで引き返すことにしたが、その時、夜更けというのに任府の門が開き、安楽と侍女の苑琴(エンキン)が辺りを警戒しながらどこかへ出かけて行った。安楽は人里離れた無縁墓地を訪ね、墓参りを済ませて帰った。安楽を尾行した安寧は誰の墓なのか確認に行ったが、墓標の名を見て愕然となる。「帝燼言(ディジンイェン)?帝家の一人息子…梓元(ヅユアン)の実の弟よ?!」呆然とたたずむ安寧、その様子を安楽が物陰から密かに見ていた。翌日、皇太子府では韓燁が安楽を思い浮かべながら筆を取っていた。書き上げた絵姿は靖南(セイナン)で初めて見た赤い傘を差す美しい任安楽…。「再会していたのに気づいていなかった…」韓燁もまた任安楽が10年も恋焦がれた梓元だと確信していた。「全身全霊で守りたいが、君のそばにいるのはいつもあやつだ…」すると温朔(ウェンショウ)に安楽の姿絵を見られてしまう。「殿下~まもなく妃を迎える方が安楽姐を想うのはまずいのでは?ふふ」「温朔?そう言えばなぜいつも安楽姐、安楽姐と呼ぶ?」温朔は改めて聞かれてもよく分からなかったが、初めて会った時から安楽に親しみを感じたという。「…私より勘が良いな(ボソッ」「そうだ、殿下、刺客が落とした剣は西郊(セイコウ)大営の剣でしたよ!」「フン、やはり忠義侯か…」韓燁は早速、任府を訪ねた。しかし朝も早いうちから安楽と洛銘西が院子で碁を打っている。韓燁は10年前と同じように安楽に張り付く洛銘西に嫉妬しながら、例の刺客は西郊大営の兵士だったと伝えた。安楽は早速、洛銘西と捕まえに行くと言ったが、韓燁はなぜ自分ではないのかと困惑する。( ̄꒳ ̄)<殿下は太子妃が決まって忙しいのだろう?公務もある…フン( ー̀ωー́ )<洛大人こそ己の本分を果たせ!(^ꇴ^)<もういいわ、太子殿下が暇なら一緒に来て~<フフン、楽大人も元気なら共に来ても良いぞ?( ̄꒳ ̄)<幼稚…一方、古雲年は自分を罠にはめた相手とは知らず、左丞相に泣きついていた。姜瑜(キョウユ)は皇帝に弁護しておくとなだめて帰したが、帝承恩(ディチォンエン)の言葉通り任安楽が脅威だと分かる。「忠義侯をここまで追い詰めるとは…何が何でも潰さねば、しかしまずは忠義侯だ 奴が消えれば西郊大営は烏合の衆と化し、国境を侵されてもまともに防げまい、ふふ」安楽たちは刺客を洗い出すため西郊大営にやって来た。すると韓燁が除夜の宴で刺客と渡り合った時、腕を刺したという。「身分は隠せても負った傷は隠せぬ、任安楽、そうであろう?」「…そうね」安楽は肩の傷の件を思い出し、咄嗟に安楽寨にいた頃は多くの傷を負ったと誤魔化した。洛銘西も安楽が海賊との交戦で肩を刺され、三日三晩も昏睡したことがあったと取り繕う。「それは知らなかった…二度と深傷を負わせないよ」「私に深傷を負わせる者など今の都にいない、太子殿下、心配無用よ」安楽たちは除夜の宴の日に留守だった兵士を調べるため、書房で手分けして名簿を探した。自然と安楽を目で追ってしまう韓燁、やがて洛銘西が名簿を見つけたと声をかける。「あったの?!」すると台に上がって探していた安楽が慌ててうっかり足を踏み外した。しかし咄嗟に韓燁が抱き留め、2人は折り重なるように倒れてしまう。その時、安楽が4話で韓燁の碁盤に置いた赤い石が転がり落ちた。「私があげた碁石を持ち歩いているの?」「ぁ…″待った″をかけるのは卑怯だと思っていた だが最近、この石を見て思った、碁とは違い人生は一度きり しくじった時は″待った″をかけても良いかと…」「私がいつ″待った″をかけたの?」「そうだな、記憶違いだ…任安楽、力及ばぬ時には私に助けを求めよ」「殿下こそ″待った″をかけたいことは早く忘れるのが身のためよ」(´・_・`)お、おぅ…結局、除夜の宴に軍営を抜け出した者は見つからなかった。刺客はどうやら西郊大営とは無関係らしい。韓燁はまたしても忠義侯が裁きを免れると落胆したが、安楽はすでに他の証人を見つけていた。古雲年に都を追い出された古斉善(コセイゼン)の一行が郊外で襲撃された。すると覆面の男は護衛たちをあっけなく殺し、車から古斉善を引っ張り出す。しかし危ないところで苑書(エンショ)たちが駆けつけ、刺客を生け捕りにした。「誰の差金?!」驚いたことに刺客は忠義侯府の令牌を持っていた。「申し訳ない、公子、忠義侯の命を受けて口封じに…」古斉善は信じられなかったが、苑書は父親が天秤にかけて息子より忠義侯府を選んだのだと揺さぶった。「辛い決断だったのね、何ならうちの小姐が助けてくれるかも…」朝廷では姜瑜が裏で手を回し、古雲年を糾弾する奏書が皇帝に次々と届いた。しかし急報が届き、古斉善が任安楽に捕らえられ、罪を認めたと知る。「独りで罪をかぶるとは孝行息子だな」「いいえ、陛下、実は古斉善は忠義侯の悪行を暴き立てました」そんな事とはつゆ知らず、古雲年は皇帝に拝謁できる機会を今か今かと待っていた。すると侍衛の李由(リユウ)が急いで左丞相からの文を届ける。…任安楽の追捕(ツイブ)から斉善を救い出した、今夜、化縁(ケエン)山まで迎えに来い…韓燁は御宸(ゴシン)殿に父皇を訪ね、古雲年を弾劾した。皇帝は性急すぎる結論は民も望まないと戒めたが、刺客が落としていった剣が西郊大営の剣だと知ると顔色が一変する。「まさか朕を失望させるとは…太子、この件はそちに任せよう」皇帝は皇太子が任安楽を連れて軍営に行ったと知った。しかし任安楽は褒賞として刀の鞘だけを受け取ったはず、総管・趙福(チョウフク)は任大人もその意を察して皇太子と距離を取っているはずだとなだめる。「それに軍営には洛大人も同行しました 梅花衛の調べによると洛大人は任大人が上京した折に知り合ったようです」「まあよい、見張らせよ」一方、沅水閣(ゲンスイカク)で静養している帝承恩は苛立ちを隠せずにいた。皇太子を呼びに行かせてもなしのつぶて、聞けば韓燁は皇帝を助けた自分ではなく任安楽を訪ねているという。実は任安楽は大晦日の五柳街の火事で皇太子を救っていた。何も知らなかった帝承恩は安楽へ激しい嫉妬の炎を燃やし、慕青(ムーチン)に任府へ行くよう頼む。「任大人を屋敷へ招待したいの」安楽は皇帝が洛銘西と自分の関係を疑って翎湘楼を探らせたと聞いた。琳琅(リンロウ)の機転で事なきを得たが、洛銘西はむしろ堂々としていればいいと笑う。しかし古雲年の失脚も目前、勝負も終盤にさしかかり、安楽は自分たちの間柄も秘密ではなくなると言った。「帝家の汚名をそそぐため正体を明かすと決めたのか?」「決めたわ」「はお…韓燁と帝承恩の婚礼が絶好の機会になる」「決定的な証拠が欠けているけれど…矢をつがえたら射るしかない」安寧には正体をばらしたが、真相を明かすかどうかの決断は本人に委ねるしかない。すると琳琅が苑書を連れて来た。「小姐、帝承恩が沅水閣に招待したいそうです、快気祝いだと…」瑇(タイ)山を調べさせていた韓燁は帝承恩が毎日、欠かさず臨書していた書き付けを手に入れた。確かに梓元の筆跡だったが、本人なら自分の身に起こった事を書き写さずとも忘れるはずがない。…やはり別人だったのか…すると吉利が帝小姐に招かれて任大人が沅水閣へ出かけたと報告した。″12月8日、帝梓元は韓燁と決別″つづく( ๑≧ꇴ≦)もう古雲年のHPは0なのにwwwwww
2024.04.04
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安乐传 The Legend Of Anle第19話左丞相の屋敷、姜瑜(キョウユ)は五柳(ゴリュウ)街から立ち上る大きな炎を満足げに眺めていた。しかもこの火事に任安楽(レンアンルー)と皇太子・韓燁(ハンイェ)が巻き込まれたという。同じ頃、知らせを聞いた忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)は絶望していた。「誰が私を陥れた?またしてもはめられた…」一方、洛銘西(ルォミンシー)は安楽が五柳街にいると知り、血相を変えて翎湘楼(レイショウロウ)を飛び出した。韓燁は安楽を抱きかかえ、濡れた帷をすっぽりかぶって炎の中から飛び出した。すると洛銘西が安楽を引き渡すよう迫る。「太子妃が決まった身だろう?誰かに見られたら任大人が非難される」「…太子殿下、宴も始まっています」温朔(ウェンショウ)から諌められた韓燁はようやく冷静になり、やむなく安楽を洛銘西に託した。「安楽を頼むぞ」洛銘西は安楽を抱え、琳琅(リンロウ)に鍾海(ショウカイ)を任せて先を急いだ。洛銘西は安楽を任府まで送り届けた。安楽は足の他に目立った怪我はなかったが、古雲年が火を放つとは予想外だったという。しかし洛銘西は火事より韓燁が問題だと気づいた。「あんな韓燁、初めて、韓燁の頭には国と立場と帝梓元(ディヅユアン)のことしかないと思っていた でも今日は私だけを見てくれた」安楽は命懸けで救ってくれた韓燁に再び心を動かされていた。…君はただ一人の任安楽だ、必ず救い出す…「梓元、敵の息子なんだぞ?」「銘西哥哥…頭が混乱しているだけ、休めば落ち着くわ」除夜の宴が始まった。すると皇帝が遅れて来た皇太子を呼びつけ、理由を問いただす。韓燁は鍾海を捕らえるため五柳街に行ったと報告、火事に巻き込まれたところを任安楽に救われたと嘘をついた。皇帝は改めて世継ぎの安否は国運に関わると釘を刺したが、その時、剣舞を披露していた男が突然、襲いかかって来た。剣舞の男たちは刺客だった。しかしちょうど皇帝と話していた韓燁が即座に反応して阻止、すぐ衛兵が加勢する。皇帝は皇太后・孫瑜君(ソンユクン)を先に後宮へ逃がし、安寧(アンニン)は帝承恩(ディチォンエン)を連れて皇帝のもとに駆けつけた。すると客人が無事に逃げ出し、刺客が壊滅状態となったところで、韓燁は皇帝たちを連れて宮殿に避難する。皇帝は無事だったが、禁衛軍を呼ぶよう命じて寝宮に入った。韓燁と安寧は念のため剣を抜いたまま用心していたが、帝承恩は皇帝の背後にぴったりとついている。その時、梁に潜んでいた刺客が現れた。「陛下!危ない!」すると帝承恩は身を挺して皇帝を守り、刺客に刺されてしまう。韓燁は咄嗟に応戦、刺客は腕を斬られて剣を落とし、そこで逃げ出した。その頃、安楽は急に咳き込んで目を覚ました。洛銘西は心配でまだ付き添っていたが、実は安楽が眠っている間に皇宮で騒ぎがあったという。「刺客に襲われた韓仲遠(カンチュウエン)を帝承恩がかばった、帝承恩なら無事だ これで太子妃の座は確実だな」「だとしたら…時機が来たわね」「復讐を誓った任安楽が戻って来たようだな」一方、静心(セイシン)堂では皇太后が激しく動揺していた。皇太后は宴の帰り道で帝承恩を襲わせる計画だったが、なぜ宴に刺客が現れたのか。しかし孫(ソン)女官の話では手配した刺客とは別の刺客だったという。ともかく帝承恩が皇帝の恩人となった今、簡単に排除できなくなった。「当分は様子を見ましょう」皇帝は御宸(ゴシン)殿に戻ってから五柳街の火事の報告を聞いた。趙福(チョウフク)の話では忠義侯が関係しているようで、配下に鍾海を追わせていたという。「実は太子殿下が炎に巻かれた任大人を助けに向かったようです」皇帝は韓燁が安楽を救ったのは正義感からなのか、それとも特別な感情からなのか分からなかった。「陛下、五柳街には洛大人もおいででした、何でも鍾海を刑部に連れ帰ったとか…」安寧は兄に帝承恩を任せて公主府へ戻った。…妙だわ…韓燁と手合わせした刺客の剣術に違和感を覚えた安寧、そこで冷北(ランベイ)の部屋を訪ねてみたが灯が消えている。…なぜいないの?どこへ行ったのかしら?…安寧は冷北の部屋の前で待つことにしたが、気がつくと夜が明けてしまう。「冷北…私を失望させないで」一方、韓燁も帝承恩に付き添ったまま朝を迎えていた。「なぜ君が命を懸けてまで鍾海を救ったのか…」その時、帝承恩が目を覚ます。韓燁は安堵し、皇帝が帝承恩を皇太子妃と認めたと明かした。喜んだ帝承恩は親しげに韓燁の手に自分の手を重ねたが、韓燁は相変わらず他人行儀で、急いで帰ってしまう。冷北は朝方、こっそり公主府へ戻った。しかし安寧公主に見つかってしまう。「昨夜はどこに?」安寧は剣を持っていた。すると莫霜(モーシュァン)公主が駆けつけ、冷北が留守だったのは自分のせいだとかばう。「四方館に戻る道で悪党に絡まれた時、偶然、冷北哥哥に助けてもらったの」実は昨夜、腕を怪我した冷北は咄嗟に妹の宿舎に逃げ込んでいた。莫霜の偽証のおかげで安寧公主の疑念を晴らせた冷北、そこで妹に今後も安寧の観心を買って欲しいと頼んでおいた。「我々に有利になる…」韓燁が太子府に戻ると、温朔から思いがけない話を聞いた。実は江南(コウナン)で苑書(エンショ)が苑琴(エンキン)と一緒に絵姿を持って生き別れの兄を探していたという。「私は一度、見たら忘れません、絵姿の男は鍾海でした」温朔は昨日の火災現場で鍾海を目撃、苑書の兄だと気づいたという。韓燁が安楽の見舞いにやって来た。安楽は足が不自由ながら元気そうで、なぜか皇帝から褒美が届いたと教える。「なぜ私が助けたことに?まあ、とにかくお叱りは免れたわ、でも鍾海のことが心配で…」「私が守る」そこで韓燁は刑部に収監された鍾海と面会することにした。鍾海は洛銘西が審問しても口を割ろうとしなかったが、韓燁が皇太子だと知ると態度を一変、鍾一族の恨みを晴らして欲しいと嘆願する。「ただし公に訴えるなら痛みは避けられぬぞ?」すると韓燁は青龍鐘(セイリュウショウ)を鳴らすよう勧め、自分が後ろ盾になると約束した。「ところでお前を救った任安楽と面識があるか?」「一度もありません、正義のために助けてくださったのかと…」鍾海は杖刑に耐え、青龍鐘を鳴らして大理寺での嘆願が叶った。「私は江南鍾家の下僕・鍾海、無実の罪を晴らすため都に来ました、古雲年を訴えます」その様子を鐘の音を聞いた安寧も遠目から見守っていた。すると帯同していた配下が鍾海こそ蓮柄の飾りを持っていた男だと証言する。実は安寧も靖安侯の銀貨の持ち主を探させていた。配下は持ち主を探り当てるも行方知れずだったが、容貌からして間違いないという。群衆が見守る中、鍾海は忠義侯の悪事を暴露した。忠義侯の息子・古斉善(コセイゼン)が女子に乱暴を働き殺害、己の罪を隠そうと屋敷に火を放ち、鍾家18人全員が焼死したという。さらに忠義侯は息子をかばうため、訴え出ようとした鍾海に刺客を放っていた。古雲年は憔悴し切った様子で屋敷に戻って来た。この期に及んでもまだ父が助けてくれると信じて疑わない古斉善。しかし皇帝は古雲年が一晩、ひざまずいても謁見を認めてくれなかったという。「良いか?お前を救わぬのではない…もう私では救えないのだ」すると古雲年は騒動を避けるため、すぐ息子を都から追い出せと命じた。つづく( ๑≧ꇴ≦)古雲年が急激に老け込んで行くw
2024.03.29
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安乐传 The Legend Of Anle第18話帝承恩(ディチォンエン)の肩には帝梓元(ディヅユアン)の肩にあるはずの傷痕がなかった。韓燁(ハンイェ)は独り碁を打ちながら物思いにふけっていたが、そこへ温朔(ウェンショウ)がやって来る。「白と黒が互角ですね?…殿下、安楽(アンルー)姐と帝小姐のことを考えているのでしょう?」温朔に見透かされた韓燁は面白くなさそうに白石を碁笥に戻した。「何の用だ?」「殿下、お妃候補の鍾景(ショウケイ)が宴に来なかったのは火事で一家もろとも焼死したからでした 噂では鍾海(ショウカイ)という下僕が火を放ったとか…」しかし韓燁は何か裏があると疑い、独りで翎湘楼(レイショウロウ)へ出かけた。ちょうどその頃、安楽は洛銘西(ルォミンシー)から韓燁が肩の傷の件で身代わりに勘づいたかもしれないと聞いていた。帝承恩の素性が露見すればこれまでの努力が水の泡、しかし下手に動けばかえって怪しまれてしまう。「彼女の肩に傷をつける必要はないわ、復讐のために他人を犠牲にできない それより鍾海を見つけなくては…」韓燁は楼閣の大階段を上りながら、安寧(アンニン)との会話を思い出していた。『もし梓元が幽閉されていなければ、安楽のようにこの世をのびやかで自由に生きていたはず』するとちょうど安楽が洛銘西の部屋から出で来るのが見えた。「洛大人…鍾海の件はお願いね」安楽は韓燁がいると気づいたが、知らないふりをして帰ってしまう。洛銘西は安楽を見送ると、柱の影に隠れている韓燁へ聞こえよがしに言った。「太子殿下がお見えならお茶を入れましょう」韓燁は気まずそうに姿を現したが、部屋に入ると安楽が使っていた手炙りが残っていた。一匹狼の洛銘西がなぜ安楽を特別に気遣うのか。2人は鍾海の件を隠し、公務と言いながら翎湘楼で密談している。韓燁の疑念は一気に深まった。「今日、帝承恩と会って筆跡を見た、8歳の時と同じ字だった だが10年も経っていながら上達していないのは妙だ 字は変わらぬのに気性は別人、そればかりか…」するとそこで洛銘西に話を遮られてしまう。「殿下、何を疑おうと皇族は情で動くべきではない 守るべき者は誰か、手放すべき者は誰か、忘れてはなりません」「変わったのは気性ではなく人だとしたら?梓元ではないとしたら…」「別人だとしても決めたことはもう変えられない 後悔したとしても太子として己の言葉を守るしかない」韓燁はおとなしく帰って行った。しかしこのままでは帝承恩が偽物だと気づかれるのも時間の問題だろう。…早く安寧から真相を聞き出さねば…安楽は忠僕の鍾海なら主の無念を晴らすため、必ず命懸けで訴え出るはずだと考えた。大理寺は各県に手配書を貼っていたが、実は偽の特徴と別の人相書きで鍾海を逃げやすくしている。すると予想通り鍾海が上京、報告を聞いた忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)は冤罪を訴えられたら厄介なことになると焦った。ともかく年が明けたら息子を都から出すことにしたが、古斉善(コセイゼン)は拒否、一族の危機だというのに自分のことしか頭になかった。その夜、帝承恩は偶然、慕青(ムーチン)が燃やし損ねた密書を目にした。…帝承恩に近づく者を全て報告せよ…帝承恩は唯一の家族だと慕っていた慕青が実は自分を見張っていたと知り、その裏切りに深く傷ついてしまう。翌日、安楽は久しぶりに采微軒(サイビケン)に立ち寄った。すると幼い頃からずっと探していた″南露剣譜(ナンロケンプ)″が入荷している。「はっ!これをもらうわ!」「任大人、申し訳ありません、これは先約がございまして」「でもずっと探していたのよ?」「君も探していたのか…」その声は店の奥にいた韓燁だった。かつて梓元はこの書を読めば剣の達人になれると聞き及び、欲しがっていたという。10年探し続けてやっと見つけたものの、実は剣譜の技は見かけ倒しだと明らかになっていた。「それに帝承恩はもう剣術に興味がないしな…」韓燁は以前のように自分から横取りするつもりかと煽ったが、安楽はあっさり返した。「心配しないで、私は臣下ですから…どうぞ」「いやいいんだ、江南へ同行してくれた礼だ」安楽は剣譜もらって店を出た。しかし韓燁がずっとついてくる。安楽はやはり剣譜が惜しいのかと呆れ、ちょうど露店で売っていた″皇太子府愛情故事″を買って贈った。「この物語と同じように帝小姐とお幸せにね」「…任安楽、君はある人によく似ている」「言ったはずよ?天下に任安楽は私一人だけだと…」すると安楽は皇太子妃の座にも興味がなくなったと言って帰ってしまう。帝承恩は屋敷の門前に赤い傘を置いた。知らせを聞いた左丞相・姜瑜(キョウユ)は喜び、帝承恩が期待に応えてくれることを祈る。一方、洛銘西は公主府に安寧を訪ねた。帝承恩が太子妃の座を手に入れれば安泰のはず、反対なのは危険だからかと探りを入れる。「そもそも梓元は逆賊の娘、韓家の娘でありながら梓元を恨みもせず同情すると?」「靖安(セイアン)侯は高潔な方だった、逆賊ではないわ」そこで洛銘西は青南(セイナン)山でいかに兵士たちが虐殺されたかを話し始めた。あの時、巨石を落とされ、万の矢を放たれ、兵士たちは声を上げる間もなく血だるまになったという。「もうやめて!」「今も公主の脳裏には″安魂″が響き、惨殺の光景が浮かぶはずだ!」「お黙り!」その時、外で控えていた冷北(ランベイ)が公主の怒号に驚いて殿内に入った。「大丈夫ですか?!」「何でもない…下がって」安寧は悔恨の念から、あの時、靖安侯が兵を動かしたのは皇帝の筆跡を真似た密書を受け取ったからだと明かした。驚いた洛銘西は事を公にするよう訴え、このままでは梓元が自害した宦官・良喜(リョウキ)のように宮中で殺されてしまうという。「そこまでよ!彼女は私が守る…冷北、お帰りよ」「…君の考え一つで将兵らの魂は安らかに眠れる、梓元もこれからは幸せになれるんだ」洛銘西は安寧の決断に期待して引き上げたが、安寧は公主という立場上、告発することはできなかった。皇帝が帝承恩を韓家の″除夜の宴″に招待した。何とか阻止すべく画策する皇太后・孫瑜君(ソンユクン)、一方、姜瑜は冷北を呼び出し、帝承恩から協力の承諾を得たと報告した。「帝承恩の太子妃の座を守るためには殿下のお力添えが…明日の除夜の宴こそが動く好機かと」慕青は帝承恩を心配し、宴に行かないよう勧めた。しかし赤い傘と手を組んだ帝承恩は何としてでも皇太子妃の座を手に入れると決意する。その頃、冷北は宴に招待された妹を訪ね、欠席するよう説得した。退屈している莫霜(モーシュァン)は安寧公主に会いたいと拒んだが、冷北は危険から守るためだという。「分かったわ、でもいくら安寧公主と親しくても、危険な時は自分の身を守ってね」一方、洛銘西は除夜の宴で皇太后が帝承恩の暗殺を企てていると知り、密かに安寧に知らせた。…帝承恩が危ない…姜瑜は忠義侯の配下が鍾海を血眼になって探していると聞いた。どうやら息子に関係があるらしい。「忠義侯の配下の後をつけろ、臨機応変にな 鍾海の口封じをする気なら手を貸してやろう、証拠を残すなよ」鍾海は刺客に追われ、五柳(ゴリュウ)街に追い込まれた。しかし苑書(エンショ)から報告を聞いた安楽が駆けつけ、危ないところで鍾海を救う。すると刺客は合図の笛に気づき、廃屋に火を放って2人を閉じ込めて撤収した。その頃、宮中へ急いでいた安寧は偶然、宴に向かう皇太子の馬車と出くわした。「太子哥哥!梓元の身が危ないの、急ぎましょう」韓燁と温朔は車を降りて馬に乗り換えたが、その途中、火災現場を通りかかった。聞けば任大人がひとりで中へ入って行ったという。驚いた韓燁は安寧を先に行くよう頼み、温朔と五柳街へ急いだ。安楽は何とか扉を蹴り飛ばし、脱出しようとした。その時、梁が落下、安楽は咄嗟に鍾海を突き飛ばして逃し、独り取り残されてしまう。韓燁は燃え盛る廃屋に飛び込んだ。すると倒れた扉に足を挟まれ、動けなくなった安楽を発見する。韓燁は安楽を助け出し、抱きかかえたが、すでに火が回って逃げ場がなかった。しかし運良く片隅に置かれた水瓶を見つける。つづく(  ̄꒳ ̄)やる時はやるジュゴン ←いや違うw
2024.03.28
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安乐传 The Legend Of Anle第17話雪の舞い落ちる宴の夜。任安楽(レンアンルー)は帝承恩(ディチォンエン)の伴奏で美しい剣舞を披露していた。その姿は幼き頃の梓元(ヅユアン)を彷彿とさせ、韓燁(ハンイェ)は思わず見入ってしまう。しかし安楽が急に帝承恩に剣を向けたかと思うと、鮮やかに舞いながらわざと帝承恩のかんざしを吹き飛ばした。帝承恩の箏の音が止まった。驚いた韓燁は帝承恩の元に駆けつけ、自ら外套を着せてやる。「殿下…任大人(ダーレン)は私に何か恨みが?」「誤解だ、任安楽は気分で人を傷つけたりしない」「帝小姐(シャオジェ)、これしきで動揺するなら太子妃は無理では?早々に諦めて屋敷へ戻るべきね」安楽は剣を投げ捨て、韓燁をわざと挑発した。すると韓燁は帝承恩を守るため、祖母から託された鳳凰のかんざしを帝承恩の髪に挿してしまう。安楽の芝居は上手く行った。しかしいざ韓燁が帝承恩にかんざしを贈る様子を目の当たりにすると、何とも言えない虚しさに襲われる。その時、皇太后・孫瑜君(ソンユクン)と嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)が現れた。孫瑜君は野心を隠していた帝承恩に激怒して追い出そうとしたが、韓仲遠は殊勝に振る舞う帝承恩を認めてくれる。「太子ももう大人です、太子妃選びは本人に任せるべきでは?」皇帝のまさかの言葉に孫瑜君は唖然、怒りが収まらず、いきなり帝承恩の髪からかんざしを奪い取って帰ってしまう。これがかえって皇太子の正義感を奮い立たせた。「私の意志は変わらない、太子妃の位は永遠に君のものだ」すると韓燁は帝承恩に付き添い、見送りに出た。洛銘西(ルォミンシー)が門で待っていると安楽が傘も差さずにやって来た。洛銘西は屋敷へ送ると言ったが、安楽は独りになりたいという。その頃、安寧(アンニン)も公主府の庭で立ちすくんでいた。すると冷北(ランベイ)が現れ、黙って傘をかざす。「大雪ね…靖安(セイアン)侯府に残る血の跡も、この大雪が覆い隠してくれるかしら…」一方、皇帝は憤懣やるかたない皇太后をなだめていた。もし帝承恩に企みがあればこの機に帝家を完全に滅ぼすが、ただし忠誠を誓うのなら、帝承恩は皇家にとって有益な駒になるという。実は今でも帝家の謀反に疑問を呈する声があり、皇帝は完全に封じ込めずにいた。韓燁が帝承恩を皇太子妃に迎えれば太祖の遺詔を守る君子として賞賛されるだけでなく、帝家が韓家に服従した証しと見なすことができるという。その頃、流刑になった古斉善(コセイゼン)が密かに忠義(チュウギ)侯府へ帰ってきた。せっかく苦労して流刑先を江南に変えさせた古雲年(コウンネン)は呆然、また何か問題を起こしたと気づく。実は古斉善は酒に酔って鍾(ショウ)家の娘・鍾景(ショウケイ)を過って殺していた。隠蔽のため火をつけて亡骸を燃やそうとしたが、結局、家族もろとも殺してしまったという。古雲年は激高して息子を蹴り飛ばしたが、侍衛・李由(リユウ)はともかく急いで身代わりを立てるよう進言した。安楽は靖安侯府で独り父を弔い、朝を迎えた。…父親(フーチン)、10年間、素性を隠して海賊になった私がやっと堂々と父親の供養ができるでも屋敷に戻っても帝家で生き残ったのは私一人だけ青南(セイナン)山で死んだ8万人の兵はこの10年、無実の罪を着せられたまま、魂は今も故郷に帰れず、さまよっている父親は身の潔白を訴えて自ら命を絶ったでも私たちを陥れた者は今も皇帝として万民の上に君臨し、広大な国を治めている…安楽は献杯すると、すでに扁額が外れて落ちた帰元(キゲン)閣の前に立った。「父親、私が帝家の汚名をそそぐわ、韓家に罪を認めさせ、8万の将兵を安らかに眠らせる」その時、運悪く安寧がやって来た。「安楽?…ここで何を?」安楽は咄嗟に昨日が伝説の靖安侯の命日だと知って来てみただけだと取り繕った。「さまざまな噂が流れているから、私も興味があったの」すると安寧はあの壮絶な話が今や噂話の種に成り下がったと失望する。しかし安楽は人々の記憶に残っているとすれば、まだ生きていると言えると笑った。「邪魔したわね、また会いましょう」沅水閣(ゲンスイカク)では皇太子の愛を確信した帝承恩が嬉しそうに箏を奏でていた。慕青(ムーチン)はそろそろ靖安侯府へ行くよう勧めたが、帝承恩は皇太后の怒りを買いたくないと拒む。「だが太子殿下は靖安侯府で待つと…無視すれば疑われるぞ?」「行かない!…殿下も私が怯えていると分かるわ、行かない方が得策よ」その頃、韓燁は靖安侯府で帝承恩を待っていた。しかし帝承恩は一向に現れず、思いがけず安寧と出くわす。安寧は梓元が来ないことを訝しんだが、韓燁は病み上がりゆえ来られないのだとかばった。「哥哥、自分を欺かないで、保身に走ったと気づいているはずよ? 太子妃の座を失わないためにね…」安寧は韓家のせいで実の娘にさえ慰霊に訪れない靖安侯を思うと辛くなった。すると韓燁は安寧が負い目を感じることはないという。「かつて靖安侯も帝家軍も靖国のために奮戦した英雄だった まさか反逆の機をうかがっていたとは…安寧、当時まだ幼かったお前には何の罪もない」「違うの!」安寧は思わず声を荒げたが、喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。「そうだ、梓元ではないけれど、別の人に会った、安楽よ 安楽に会った時、思ったの… もし梓元が幽閉されなければ、今頃は世の中を伸びやかで自由に生きていたんじゃないかって」「任安楽のように…」( ;∀;)アンニン…安楽が屋敷に戻ると院子で洛銘西が待っていた。気持ちの整理をつけた安楽は韓燁に惹かれていることを認め、韓燁への情より帝家8万の将兵の魂が大事だと断言する。「梓元、私の前では己を偽る必要などない」「うん、あなたの前でだけは自然体でいられる」安楽はようやく笑顔を見せると、父の供養に行って安寧と出くわしと報告した。何か勘づかれた様子はなかったが、あの無邪気だった安寧はなぜすっかり変わってしまったのだろうか。すると洛銘西が面白い情報を教えた。実は古雲年が鍾家の惨劇に関与し、密かに例の″鍾海(ショウカイ)″を探しているという。千月閣の調べたところ、鍾海は江南の水害で行き場を失って鍾家に身を寄せ、忠誠を尽くしていた。「鍾家皆殺し事件の唯一の証人かもしれない」「口封じするつもりね、私たちが先に見つけなくては…私に考えがある」韓燁は初めて沅水閣に帝承恩を訪ねた。今日も写経に勤しんでいた帝承恩、すると韓燁は子供の頃の梓元の筆跡を見て何とも懐かしくなる。「靖安侯府の扁額のことを覚えているか?大騒ぎを起こして陛下の大目玉を食らった」しかし帝承恩には何の話か分からなかった。「当時は8歳でした、ほとんどのことは記憶にないのです」韓燁は一瞬、驚いたような表情をしたが、すぐ優しい顔に戻った。「長居をした、私は帰る…」帝承恩は何か対応を間違えたと気づいて焦った。すると皇太子を追いかけようとして慌てて段差につまづき、倒れてしまう。韓燁はすぐ気づいて帝承恩を立たせようとしたが、ちょうど外衣が乱れて帝承恩の肩があらわになった。…梓元が8歳の時だった梓元はまだ扁額がなかった部屋の門に自分で書いた″帰元閣″を貼り付けることにするそこで韓燁に題字を預けて椅子に上がろうとしたが、足を滑らせ、肩から落下した『梓元!傷を見せてみろ!』韓燁はその時、梓元の肩がざっくり切れているのを見た…帝承恩は皇太子が自分の肩を見て困惑している様子に気づいた。「殿下?どうかなさいましたか?」「(はっ)いいや」そこで帝承恩は皇太子の気を引こうと、任安楽に好意があるなら側室に迎えてはどうかと提案する。しかし韓燁はあり得ないと一蹴、任安楽は重臣であり国の柱石だと言った。「太子府に迎えることはない」正門を出る韓燁の表情は硬かった。10年もすれば性格が変わるだけでなく、傷跡さえ消えてしまうものだろうか。韓燁はともかく吉利(キツリ)に瑇(タイ)山での10年に何があったのかすぐ調べさせることにした。洛銘西は急いで安楽を翎湘楼(レイショウロウ)に呼び出した。実は慕青から報告があり、どうやら韓燁に感づかれたという。「帰元閣の扁額の題字の一件を覚えているか?」「題字を書いた時、足を踏み外して転んだの、肩に深手を負って大きな傷跡が残った 韓燁は韓仲遠に叱られて、10日間も看病してくれたわ 私が忘れていることも覚えていたなんて… でも帝承恩の肩に傷をつける必要はない、下手に動けばかえって怪しまれるわ」つづく( ๑≧ꇴ≦)傷がなかったぁぁぁぁぁぁぁ~
2024.03.21
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安乐传 The Legend Of Anle第16話任安楽(レンアンルー)に意地でも宴の招待状を渡さない皇太子・韓燁(ハンイェ)。安楽はならば江南(コウナン)で酔った皇太子の醜態を晒すと脅し、わざと韓燁に抱きついてからかった。さすがに韓燁も動揺して安楽を突き放したが、戦友相手に卑怯な手を使うなと咎められてしまう。。゚(∩ω∩`)゚。<うわ~ん!安楽はついに泣き落としにかかった。そこへ侍従の吉利(キツリ)が現れ、皇帝から勅書が届いたと報告する。「任大人(ダーレン)を太子妃選びに招くようにと勅命です」すると安楽は勅書を手に入れ、芝居を切り上げ帰って行った。↓(  ̄꒳ ̄)これがあるからいいもん一方、洛銘西(ルォミンシー)は負傷した琳琅(リンロウ)の療養中にも千月閣に皇宮の記録を調べさせていた。すると安寧(アンニン)公主は嘉昌(カショウ)6年12月、皇太后の寝殿のそばで池に落ち、昏睡に陥っていたことが分かる。その時、激怒した皇太后が太監・良喜(リョウキ)に死を賜っていた。安寧は皇太后の元で療養後、回復すると西北へ出征、その後、10年間も戻らなかったという。「その頃、北秦(ホクシン)との内通を疑われた帝(ディ)家が一族皆殺しになったのですね 太后は良喜に死を賜った…安寧公主は帝承恩(ディチォンエン)のため静心(セイシン)堂で暴れて… はっ!大人?!」琳琅は洛銘西の読み通り安寧が鍵を握っていると気づいた。帝承恩は皇帝が任安楽を皇太子妃選びに呼んだと聞いて困惑した。味方になってくれるはずの安寧にも冷たくされ、もはや自分を生かすも殺すも皇太后しだいだと恐ろしくなる。「宮中ではいつ殺されてもおかしくない…今すぐ引き返せば無事でいられるかしら? 太后は見逃してくれる?!」喜んだ慕青(ムーチン)は引き返すなら自分の命を捧げると告白したが、帝承恩に本意は伝わらなかった。「いらない…2人で幸せに生きたい、気高く生きるの」帝承恩はそのために何としてでも皇太子の心を得ると奮起した。( ̄▽ ̄;)むーちん…洛銘西のもとに慕青から伝書鳩が飛んできた。何でも帝承恩が宴で皇太子の気を引くため、冷水を浴びて病を装うことにしたという。洛銘西は早速、安楽に報告し、帝承恩の下策を利用しない手はないと言った。「帝姓の太子妃がいれば名誉回復に役立つ おのずと帝家の過去に関心が集まり民の声を利用できるわ 太子妃には皇家も簡単に手を出せないし、私は身を潜めやすくなる… 安心して、堂に入った演技を見せるから、明日の夜は恋敵をいたぶってあげる、ふふ」一方、冷北(ランベイ)は密かに四方館に滞在する妹に接触、明日の宴には派手な装いで出掛けるよう勧めた。「北秦の公主は靖(セイ)の太子妃にはなれぬ…遊びではないのだぞ?宴では気をつけろ」莫霜(モーシュァン)は大人しくうなづいたが、結局、華美な装いを好まない皇太子に合わせることにした。12月25日、皇太子妃選びの宴当日。韓燁は相変わらず質素な装いで皇祖母と父皇への挨拶を済ませた。すると皇太后・孫瑜君(ソンユクン)は亡き皇后の形見である鳳凰のかんざしを託し、気に入った娘の髪に挿すよう告げる。「聞き分けの良い太子なら正しい選択をしてくれると信じているわ」やがて日も暮れる頃、韓燁はかんざしを手に宴席へ向かうことにした。その時、ちょうど参内した安楽が現れる。安楽は普段とは異なって優雅に振る舞い、質素ながら美しい装いは幼い頃の梓元(ヅユアン)を思い出させた。「殿下にご挨拶を…どうしたの?ぼんやりして?」「ある人を思い出して…今日の君を意外に思った」皇太子の好みを知ってか、令嬢たちは誰もが華美な服装を避けた。しかし帝承恩は開宴の刻限に遅れた上、赤い衣に金の装飾品をつけ、誰よりも目を引いている。すると出迎えた皇太子の前でいきなり立ちくらみを起こし、驚いた韓燁が咄嗟に手を貸した。「身体が弱いせいで風邪を引いてしまって…でも殿下とお会いできる機会を逃せません」「よく来たな」帝承恩のあからさまな手口が令嬢たちの反感を買う中、誰よりも怒っていたのは安寧だった。「どうして着飾れるの?今日が何の日か忘れてしまったみたい…」安楽は皇太子が女子を気遣う様子を初めて見たとからかった。しかし韓燁は重臣である安楽とは気遣いより、互いに支え合っていきたいという。すると帝承恩が口を挟んだ。「任大人は陛下の寵臣、今宵の宴でご一緒できて承恩は幸せ者です」控えていた苑書(エンショ)はどういう意味かと首を傾げた。苑琴(エンキン)は顔をしかめ、あれは安楽への皮肉だと教える。「小姐に釘を刺したのよ、太子殿下にとって小姐はただの臣下だと…」そこで韓燁は帝承恩を諭した。「任安楽は生死を共にした戦友だ、ただの臣下ではない、知己だ」「3万の水軍を嫁荷に求婚したのに知己?江南で酔っ払った時…」その時、帝承恩が安楽の話を遮った。「殿下はお酒が苦手でした」「…覚えていてくれたか?」「殿下と一緒に過ごした日々を承恩、忘れるはずありません」「私もだ、私は苦手だったが、梓元は酒が好きだったな?」「殿下、私は承恩です」一方、洛銘西は翎湘楼(レイショウロウ)で安楽を心配していた。安楽が韓燁に惹かれているのは明らか、それでも皇太子妃選びの宴で自ら帝承恩に譲らなくてはならない。「安楽は己の心を殺せるだろうか?」すると琳琅は皇太子府へ出かけてはどうかと勧めた。莫霜は帝承恩が皇太子の想い人・帝梓元と同一人物だと知った。そこで噂に聞いた帝家の秘伝の絶技を見たいという。焦った帝承恩は見せるほどのものではないと口ごもったが、その時、韓燁が助け船を出した。「人前で披露するには及ばぬ」実は噂が一人歩きして帝盛天(テイセイテン)が編み出した武技だと思われていたが、実際は帝盛天が碁の腕前を隠すための言い訳だったという。「碁は好きだが上達できず、そこで″待った″という秘技を考えついたのだ」一方、孫瑜君は帝承恩が病を理由に遅れて来たと聞いた。「なんてこざかしい真似を…」帝承恩は皇太子からの愛を頼りに皇太子妃の座を手に入れようと考えたのだろう。そこで孫瑜君は帝承恩が他に何を企んでいるのか見物に出かけることにした。安寧は琴棋書画に精通する帝承恩の箏が聞きたいと頼んだ。梓元が苦手だと知っている韓燁は具合の悪い帝承恩には無理だと止めたが、帝承恩は堂々と受けて立つ。すると帝承恩は見事な演奏を披露した。温朔(ウェンショウ)は帝承恩が実は箏の名手だと知り驚いたが、これも瑇(タイ)山で暇を潰すためだったと同情する。韓燁は月日の残酷さを嘆き、苦労を経て今の″帝承恩″になったと感慨深かった。その時、突然、安寧が席を立ち、いきなり帝承恩の箏を止めてしまう。「帝梓元?!なぜこんな曲を弾けるの?!」「安寧、私は承恩よ、間違えないで…この曲の何が悪いの?」「何が悪いですって?!そんな卑屈な姿は見たくない!」安寧は帝承恩がわざと明るい曲を弾いていると思うと居たたまれなかった。驚いた韓燁は慌てて安寧をなだめに向かったが、令嬢たちは今日が靖安(セイアン)侯の命日だと思い出してしまう。父親の命日に着飾って箏をかき鳴らすとはね>(*´・ω・)(・ω・`*)<ネー帝承恩は自分の失態に気づき、咄嗟に取り繕った。実はこの日に着飾って陽気な曲を弾くのは亡き父を安心させるためだという。「韓家に厚遇されていると知らせたいの」しかし安寧は昔の面影をすっかり失った帝承恩の姿に耐えられなかった。「承恩、私を旧友だと思うのなら太子妃の座を諦めて…」「殿下のそばにいたい、それだけが私の生きる望みなの」「私の考えは変わらないわ、太子妃に相応しいのは任安楽よ」皇帝は宴の様子を遠目から見ていた。「気性が荒く手に負えなかった帝家の娘がすっかり変わった ″承恩″か、良い名を授けたと言うべきだな」帝承恩の皇家に対する服従心はどうやら本物、皇帝はならば皇太子の願いを聞き届けようと決めた。「太子妃に封じても悪くない」宴は騒然となった。そこで莫霜は話題を変えようと剣舞を披露したいと申し出る。しかし兄から目配せされ、咄嗟に足がつったと嘘をついてごまかした。「では莫霜公主の代わりに私が舞うわ」すると安楽は帝承恩に伴奏を頼んだ。つづく( ๑≧ꇴ≦)面白くなってきた
2024.03.20
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安乐传 The Legend Of Anle第15話慕青(ムーチン)は中庭で警戒しながら、誰が帝承恩(ディチォンエン)の命を狙ったのか考えていた。琳琅(リンロウ)が助けてくれたのなら洛銘西(ルォミンシー)ではない。そんな中、帝承恩のもとにふたたび赤い傘の書き付けが届いた。…10年前の傘の縁により京城で帝小姐を庇護できればと…一方、洛銘西を誤解していた任安楽(レンアンルー)は翌日、翎湘楼(レイショウロウ)へ足を運んだ。気まずい安楽は黙って店に入ったが、侍女から席を準備してあると言われてしまう。上階ではすでに洛銘西が待っていた。「私が悪かったわ…ごめんなさい、あなたの言動は全て私を思ってのことよね?」洛銘西は安楽のお詫びの一杯を受け取ったが、帝承恩には用心するよう釘を刺した。しかし安楽は自分の身代わりになってくれた帝承恩に力を貸すべきだという。洛銘西は仕方なく従うと約束したが、実は鍵を握るのは韓燁(ハンイェ)より安寧(アンニン)だと明かした。「幼なじみの情に流されてはならぬぞ?」その頃、安寧の侍衛・冷北(ランベイ)は妹を利用した姜瑜(キョウユ)の屋敷に潜入していた。「…まさか大靖(セイ)の左丞相(サジョウショウ)が北秦(ホクシン)人とはな」冷北は音もなく忍び寄り、姜瑜に短刀を突きつける。「これは殿下、おめでとうございます、古婉瑩(コエンエイ)が太子妃の座を諦めた 莫霜(バクソウ)公主が太子妃の座に一歩、近づきましたね?」冷北は帝承恩に刺客を放ったのが古雲年(コウンネン)ではなく姜瑜だと気づいた。ちょうど古雲年の地位が揺らぎ、西北から安寧が帰還したことで、不意打ちを食わすことにしたという。「殿下こそ、公主のそばで5年も潜伏しておられますね? まさか殿下一人のお力で莫霜公主の身を守れると?莫霜公主のお命を握っているのは…」「私には計画がある、妹を巻き込むな!」「殿下、焦りは禁物です、それより力を貸すべきは他にいる…帝承恩です」帝家は開国皇帝と共に天下を取った家柄、しかし今や帝家の血を引く者は帝承恩だけとなった。実は西北の辺境には帝家の配下が今も大勢いるという。「恐らく″傘の縁″による手助けに感激することでしょう」「帝承恩はお前に任せる、西北の情勢は私に任せろ」皇太后・孫瑜君(ソンユクン)は古雲年の娘が皇太子妃候補を辞退したと知った。誰かが帝承恩を助けていると疑った皇太后は後宮の主が誰かを知らしめるべく、早速、古雲年を呼んで悪巧みする。翌日、琳琅は帝承恩が皇太后に召し出されたまま半日も戻らないと報告した。すると洛銘西は静養中の琳琅に代わり、錦瑟(キンシツ)に安寧と安楽に情報を知らせるよう指示する。皇太后が帝承恩を呼んだと知れば安寧は激怒するはず、安楽にその様子を見せて安寧が内情を知っていると分からせたいという。琳琅は自分に仕事はないか聞いたが、洛銘西はゆっくり休むことだと笑った。韓燁は帝承恩を心配して静心(セイシン)堂に駆けつけた。すると写経していた帝承恩が皇太子の姿に驚き、うっかり袖を墨に漬けてしまう。皇太后は帝承恩が自ら仏前で写経しながら国の安泰を祈りたいと申し出たと嘘をつき、新しい衣を下賜するので着替えるよう促した。そこで韓燁は帝承恩を連れて帰ると言ったが、帝承恩は皇太后の顔色をうかがい、衣をもらうと答えてしまう。皇太后は皇太子に帝承恩の着替えが終わるまで偏殿で待つよう勧めた。一方、帝承恩は下等宮女の衣をあてがわれ、孫(ソン)女官からここで写経を続けるよう命じられてしまう。帝承恩は大人しく従ったが、皇太后の仕打ちに恨みを募らせた。すっかり日も暮れた頃、静心堂の前が急に騒がしくなった。皇太后は何事かと門を開けたが、驚いたことに剣を構えた安寧が衛兵に囲まれている。安寧は久しぶりに顔を見せたかと思えば帝承恩を解放するよう要求、しかも自分に剣を向けた。「母を失ったそなたを哀家はずっと甘やかし、かばってきた、何でも望みを聞いたわ 西北への出征も皇上にお願いした、公主として広い世界を知るべきだとね なのに戻ってきたらここまで不孝者になっていたなんて…」皇太后は激しく憤り、なぜそこまで自分を恨んでいるのかと迫った。ようやく冷静になった安寧は剣を捨てると、帝承恩の無事を確かめたいだけだという。皇太后は愛孫の変わりように驚愕し、仕方なく孫女官に安寧を帝承恩に合わせるよう命じた。安寧は帝承恩の無事な姿に安堵し、連れて帰ることにした。しかし帝承恩は安寧の手を振り解き、孫女官に写経が完成したらすぐ持って行くと伝える。そこへ騒ぎを聞きつけた韓燁がやって来た。帝承恩が女官の衣を着せられ、写経を続けていたと知った韓燁は激怒、焦った孫女官は帝承恩自ら写経を書き終えたいと言ったと釈明する。安寧は嘘に決まっていると憤慨し、帝承恩を強引に引っ張って出て行った。韓燁と安寧は帝承恩を宮殿の外で見送ることにした。すると帝承恩が長時間の写経で脚に力が入らないと訴える。何とか皇太子に近づこうと企む帝承恩、しかし慕青が駆けつけ、仕方なく引き上げた。慕青は道すがら2人で瑇(タイ)山へ帰ろうと言った。驚いた帝承恩は慕青の手を握り締め、戻りたくないと訴える。「私にはあなたがいてくれる、そうでしょう?」「君が望むなら私はずっとそばにいる」帝承恩は慕青の情に甘えながら、誰とも知らない赤い傘を頼ろうとしていた。…もう誰にも踏みにじられてたまるものですか…韓燁が独り歩いていると、宮道で待ち構えていた安楽がひょっこり現れた。そこで正直に帝承恩を娶るのは償いのためだと認め、安楽には自由に生きてほしいと願う。「皇宮は君を苦しめる、君は貴族や富豪の令嬢ではない、海賊でいる方が幸せだ」「太子殿下、忘れないで、この世に任安楽はただ一人… 今、手放せば二度と手に入らない、それでもいいのね?」すると安楽は寂しそうに帰ってしまう。洛銘西の目論見は外れた。安楽は安寧が必死に帝承恩をかばう姿を見て、安寧だけは傷つけたくないという。一方、公主府では安寧が悪夢に襲われていた。『誰にも知られぬよう文を届けて…』当時、皇太后に育てられていた安寧は偶然、皇祖母が宦官に文を渡す様子を見てしまう。良喜(リョウキ)は公主に見られたと気づき慌てた。『公主、重大な秘密です、世に漏れたら韓家の天下は守れません』すると良喜は首を吊って自害してしまう。「何も知らない…何も見ていない…」安寧がうなされていると冷北が寝殿に入ってきた。姜瑜の話ではこの香を使えば当分、目が覚めないという。そこで冷北は安寧が寝ている間に書卓にある上奏文を探った。明日の皇太子妃選びを前に都中が舞い上がっていた。しかし皇太子が任安楽に招待状を渡していないことが広まり、皇帝の知るところとなる。「太子め、帝承恩を太子妃にするためなら何でもする覚悟らしい」すると安楽が太子府に押しかけた。安楽は江南での皇太子と女海賊の物語を渡し、噂になりたくなければ招待状と交換だと脅す。…太子は酒をあおるとほろ酔い気分となり、衣を解きつつ任安楽を壁に押し付け…「どう?気に入った?明日100部くらい刷って配れば話題になるわ~」「分かった」喜んだ温朔(ウェンショウ)は早速、安楽の招待状を取ろうとしたが、韓燁が止めた。「″分かった″と言ったぞ、刷ればいい」「太子殿下…本当にいいのね?」「やましくないから評判など気にせぬ」「お?言ったわね?…太子殿下が忘れたならあの夜のことを思い出させてあげる」安楽は珍しく引き下がらない韓燁に抱きついた。つづく(  ̄꒳ ̄)いよいよ太子妃選びだわ~やっぱり安寧が鍵を握っているのね
2024.03.14
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安乐传 The Legend Of Anle第14話采微軒(サイビケン)で再会した皇太子・韓燁(ハンイェ)と帝承恩(ディチォンエン)。すると2人の感動的な純愛物語が都中に広まり、今や翎湘楼(レイショウロウ)の賭けでも帝承恩が一番人気となった。琳琅(リンロウ)の報告では噂を流したのは慕青(ムーチン)だという。洛銘西(ルォミンシー)は自分の計画ではないとぼやき、時が経てば韓燁が帝承恩を替え玉だと見抜いてしまうと心配した。そこで逆にこれを利用し、帝承恩を殺して古雲年(コウンネン)に罪を着せようと思いつく。しかし任安楽(レンアンルー)から罪なき者を犠牲にすれば嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)と同じだと諭された。「大丈夫よ、子娘一人に私たちの計画をかき乱されはしない」北秦(ホクシン)の莫霜(モーシュァン)公主が都に到着した。皇太后・孫瑜君(ソンユクン)は安寧(アンニン)が北秦の公主を出迎えに行ったと知る。母を失った安寧の母親代わりだった皇太后、しかし安寧は10年前に大病を患って以来、全く寄り付かなくなった。「でも無事でいてくれさえすれば十分だわ」莫霜公主は天真爛漫、初対面の安寧にもやけに馴れ馴れしかった。警戒心が強い安寧は困惑気味だったが、何より北秦の人間と一緒にいるのは気分が悪い。一方、翎湘楼ではそんな莫霜公主に誰かが大金を賭けていた。安楽はどうやら侮れない相手だと興味を持ち、北秦の公主に会うことにする。するとその夜、莫霜の滞在先になぜか安寧の侍衛・冷北(ランベイ)が現れた。実は冷北の正体は北秦の皇子で莫霜の兄、聞けば自分が妃選びに参加するよう文を送ったという。…何者かが私を装ったのか…そこへ莫霜の侍女がやって来た。侍女は朝廷の大臣から届いた贈り物を持って来たという。「あ、それは左丞相からです」物陰に隠れていた冷北は全て姜瑜(キョウユ)が仕組んだと分かった。帝承恩の先手が功を奏し、念願叶って皇太子妃候補の筆頭に躍り出た。これに味を占めた帝承恩は次に安寧公主を懐柔してまた1歩、皇太子妃の座に近づこうと企む。しかし安寧は公主府に現れた帝承恩にどこかよそよそしかった。「太子哥哥は約束に縛られている、気にしないで」「殿下もあなたも私を他人のような目で見るのね… お願いがあるの、太子妃選びで私を応援して欲しい、もう瑇(タイ)山には戻りたくない」安寧は帝承恩の苦しみを思うと胸が張り裂けんばかりだったが、だからこそ皇家に関わらず自由に生きて欲しいと説得した。「皇太子妃候補にはそれぞれ大きな後ろ盾がある、あなたには何もないでしょう?」すると帝承恩は肩を落として帰って行った。…梓元(ヅユアン)、ごめんなさい、ただあなたを危険な目に遭わせたくないの…帝承恩は確かにこの都で寄る辺が必要だと実感した。そこで赤い傘の印がある書き付けを送って来た謎の差出人と接触してみることにする。…午の刻、采微軒で…翌日、安楽は安寧と莫霜を誘って翎湘楼へ行くことにした。待ち合わせ場所に現れた莫霜は安楽が武勇伝通りだと感激、実は自分は食べること以外、何もできないという。「でも哥哥は立派なの!」しかし安楽は苑琴(エンキン)から急報が届き、酒を買ってから後を追うと断って別れた。帝承恩は慕青と一緒に采微軒を訪ねた。「向こうに都一おいしい菓子店があるの、私の代わりに並んでくれる?」帝承恩は体良く慕青を追い出したが、その時、店主が馴染客の来店に気づいて挨拶した。「任大人ですって?…あなた、もしや任安楽?」「そうよ、あなたが帝小姐ね?」安楽は偶然を装って帝承恩に近づこうとしたが、帝承恩は用事があると話を遮り、奥へ行ってしまう。帝承恩は店内にいた男に気づき、赤い傘の差出人か確かめようとした。すると男が突然、刃物を出して襲いかかってくる。「助けて!」安楽が駆けつけ帝承恩は無事だったが、そこへ黒装束の刺客がなだれ込んできた。しかし慕青が間に合い刺客は撤収、安楽は刺客が去り際に投げた大きな花瓶を避けて手首を怪我してしまう。慕青は帝承恩を救ったのが任安楽だと知って驚いた。2人は恩人に拝礼して感謝し、急いで帰宅することにする。帝承恩は命を狙われて初めて都の本当の恐ろしさを知った。実は慕青は何者かに書き付けをもらい、慌てて采微軒に戻ったという。…帝承恩に危機迫る…その紙にもあの赤い傘の印があった。帝承恩は身体の震えが止まらないほど怯えていたが、慕青は自分がそばにいる限り、誰も帝承恩に触れさせないと誓う。一方、洛銘西は韓燁の様子を探るため東宮を訪ねた。すると韓燁は洛銘西にだけに本音を漏らす。「まさか10年想い続けた娘がこれほど変わってしまうとは… 正直に言う、私は任安楽に惹かれている、しかし皇太子たる者、自由には生きられない 我が余生を梓元に捧げる、私の幸福より梓元の幸福を優先する」そこへ温朔(ウェンショウ)が駆けつけた。「大変です!安楽姐が怪我をしたと…」韓燁は矢も盾もたまらず席を立ち、洛銘西を残して出かけてしまう。任府に皇太子がやって来た。安楽は皆に落馬したと嘘をついていたが、韓燁は到底、信じられず、何者かが馬に細工をしたのではないかと疑う。「馬の病だと思うわ~足が痛むの、寝台まで連れて行ってくれる?」韓燁は仕方なく安楽を抱きかかえて運んだが、思わず顔がほころんでしまう。そこへ安楽が怪我をしたと聞いた莫霜公主が血相を変えて飛び込んで来た。すると見たこともない美男子の姿に気づいて莫霜は呆然と立ちすくむ。「…韓燁がご挨拶を」「あなたが韓燁?!…いえ、太子殿下にご挨拶いたします それより安楽姐姐、傷の具合は大丈夫ですか?」「平気よ!手首を少し切っただけ!」安楽はあっさり立ち上がり、韓燁を呆れさせた。翎湘楼では琳琅が刺客に斬られた腕の傷を洗っていた。すると東宮から戻った洛銘西が現れ、自ら手当てしてくれる。琳琅は忠義(チュウギ)侯が帝承恩を襲う計画があると知り、報告する間もなく急いで阻止に向かったと説明した。しかし采微軒に到着すると任大人がすでにいたため、帝承恩は無事だったという。そこで刺客を追いかけたところ琳琅は反撃に遭い、負傷していた。結局、刺客は自害して誰の差し金かは不明だという。「今後は勝手な行動を慎め、帝承恩は殺されても構わないが、お前は死ぬな」すると洛銘西はしばらく店を休むよう命じた。琳琅は刺客を追いかける際、うっかり采微軒の前で手巾を落としていた。手巾を拾った安楽は千月閣(センゲツカク)の刺繍に気づき、洛銘西が帝承恩を狙ったと誤解してしまう。そこで洛銘西を霊廟に呼び出し、証拠を突きつけて非難した。「銘西哥哥、帝家は陰謀で滅ぼされたの、卑怯な手で復讐を遂げたくない」洛銘西は安楽が自分を疑ったことに落胆し、結局、否定も肯定もせず帰ってしまう。洛銘西は慕青を呼びつけ、帝承恩の勝手な振る舞いのせいで琳琅が負傷したと憤慨した。「帝承恩を死なせたくなければ私に従わせろ よいか、大人しくしていれば欲しい物は私が与えてやる」慕青は主に従う他なかったが、今さらながら駒となった以上、真の自由などないと実感していた。その夜、琳琅は安楽の誤解を解くため、任府を訪ねた。帝承恩を襲ったのは忠義侯の刺客だったが、自分が独断で動いたため、洛銘西は弁解しなかったという。「お二人が疎遠になるのを見ていられません」つづく( ๑≧ꇴ≦)さすが琳琅~カッコイイ!
2024.03.13
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安乐传 The Legend Of Anle第13話洛銘西(ルォミンシー)は自分の腹心だった慕青(ムーチン)に帝承恩(ディチォンエン)を見張らせていた。しかし慕青は当時まだ16歳、確かに若い娘と2人だけで10年も暮らせば情が移るのも仕方がない。慕青は承恩への秘めた思いを見透かされ、激しく動揺した。すると洛銘西は帝承恩が並べていた碁石に誤りがあったと指摘する。「一手、間違えていたぞ?…まあ良い、才能がないなら人前で打たせるな よく覚えておけ、あの娘は私にとって最も重要な駒だとな」皇太子・韓燁(ハンイェ)は梓元(ヅユアン)との再会を前に自分でも驚くほど心が乱れていた。一方、任安楽(レンアンルー)は婚約の証である玉の如意@1話を愛おしそうに眺めながら、10年の時を経ていよいよ″帝梓元″を返す時が来たと覚悟する。「気に入るかしら?それともがっかりする?」翎湘楼(レイショウロウ)、安楽は洛銘西から帝承恩が日がな一日、写経に没頭していると聞いた。自分が写経するなど想像もできなかったが、10年も山の上にいればそうなるのもかもしれない。片や皇宮は帝承恩が下山してもこう着状態だった。「そろそろ韓仲遠(ハンチュウエン)が動き出しそうね」安楽が察した通り、皇帝は北秦(ホクシン)国の公主を皇太子妃選びに加えていた。皇帝がどんなに帝家の娘が嫌でも、古雲年(コウンネン)の娘を皇太子妃に選ぶわけにいかないのだろう。実は莫霜(モーシュァン)公主を推薦したのは左丞相・姜瑜(キョウユ)だった。かつて国境を接する靖(セイ)国と北秦は争いが絶えなかったが、帝一族の死罪を機に停戦、辺境にも平安が訪れる。しかし一昨年の北秦の干ばつがきっかけとなり、再び辺境で争いが勃発していた。そこで姜瑜は両国の関係を改善するため皇太子と公主の縁談を提案したのだ。「梓元…」「″梓元″?…今となってはもう聞き慣れない名ね、銘西哥哥」「靖南(セイナン)で過ごした日々を思い出させる名だ、梓元、長思花(チョウシカ)を覚えているか?」「幼い頃、庭で咲き乱れる花が満天の星のようだった… でも今は復讐のためいつ死ぬかも分からない、再び花を見られるかどうか… じゃあ帰るわね」洛銘西は安楽を見送ると、肌身離さず持っている玉を取り出した。…昔、私に聞いたな?忠誠を誓うのは帝家か君かと、私、銘西の心は変わらぬ…その夜、琳琅(リンロウ)は洛銘西に帝承恩が写した経を皇太后に贈ったと報告した。どうやら帝承恩が求めているのは自由だけではないらしい。実は帝承恩は皇帝と皇太后さえ懐柔すれば皇太子妃の座が手に入ると信じていた。慕青は他人の物を欲しがるべきではないと諌めたが、承恩は10年の幽閉も都で受ける嘲笑や軽蔑も自分の物ではないと反発する。するとついに皇太后の使いがやって来た。皇太后は帝承恩の字を褒め、刑部の大牢の扁額を書くよう命じたという。何も知らない承恩は喜んで慕青に報告したが、それは皇太后の嫌がらせだった。「新しい刑部の大牢とは靖安(セイアン)侯府のことだぞ?帝梓元の旧居だ」しかし承恩は皇太后を怒らせれば瑇(タイ)山に送り返されてしまうと怯え、慕青に助けを求めた。そんなある日、安寧(アンニン)公主は大街で北秦の一行を見かけた。侍衛・冷北(ランベイ)の話では北秦の公主が皇太子妃候補になり、使臣を送ったのだという。「停戦しているとは言え友好国とは程遠いのに?…でもなぜ詳しいの?」「辺境にいたのです、それくらい調べがつきますよ」「…そうなの?」一方、帝承恩は病と称して時間を稼ぐことにした。大臣たちはさすがに酷い仕打ちだと抗議、おかげで扁額の件はひとまず立ち消えになる。この一件を知った韓燁は刑部に洛銘西を訪ねた。洛銘西は写経を贈った梓元が自ら災いを招いたと指摘したが、帝家の宝剣を皇帝に献上して生き延びた自分には何も言えないという。しかし韓燁はこの一件でやはり梓元の心は変わっていないと確信した。恐らく改名はその場しのぎで、恨みを捨てる気はないのだろう。「つまり洛家の忠誠も偽りだと?」「…私たちは傍観者だ、梓元の苦しみなど分かるはずない」韓燁は返答に困ってはぐらかした。そこで洛銘西は未だ帝承恩に会おうとしない韓燁を揺さぶってみる。「死罪を免じたことで皇家の慈悲は示した、太子妃に迎える約束は反故にしても良いのでは?」「焚き付けているのか?…私は純愛を貫く、必ず皇太子妃にする」洛銘西は安楽への想いが韓燁を悩ませていると見抜いたが、韓燁は決して認めようとしなかった。「惚れた腫れたなど太子妃選びとは最も縁遠いものだ…ってか惚れていないぞ?!」「弁解しなくてもよい、それより忠告しておく 太子が表立って行動しなければ梓元は矢面に立たぬ、しかし影では攻撃されるかもしれぬ」洛銘西は韓燁を門まで見送った。「風が吹いて来た…雨になるから早く戻った方がいい」すると突然、安楽が現れ、雨が降るので乗せてくれと馬車に駆け込んだ。韓燁は相変わらずの安楽にため息を漏らしながら、仕方なく送っていくことにした。「北秦の公主が太子妃候補になって嬉しい?」しかし韓燁はまだ梓元にも会っていないと言い訳がましいことを口にしてしまう。「ふふ、太子殿下が身の潔白を示したいなら気持ちだけは受け取っておくわ」「困惑しているのだ…」その時、急に雨が降り出し、車の窓から吹き込んだ。韓燁は急いで簾を下ろしたが、安楽はなかなか金具から外せず手間取ってしまう。すると見かねた韓燁があっという間に簾を下ろしてくれた。「…ふふ、困惑していると言いながら安楽に近寄るなんて~ 困惑しているなら安楽が助けてあげる♪明日、翎湘楼で予行練習しましょう?」「荒唐(ファンタン)…」皇太后・孫瑜君(ソンユクン)は太祖の命日を迎え、静心(セイシン)堂にいた。「また1年が過ぎた…姿絵がなければあなたの顔を忘れているところよ」太祖がこの世を去って13年、あの日、ここで夫の帰りを待ち続けていた孫瑜君に届いたのが太祖の遺詔だった。「あなたはあの女のために帝家を寵愛し続けた…私を気にかけたこともない」そこで孫瑜君は帝承恩の本性を確かめるため、宮中に呼ぶよう命じた。その頃、身支度を整えた帝承恩は最後に腕輪を選ぼうと化粧箱を開けた。するとふたの裏にいつのまにか赤い傘の印がある文が挟まっている。…忍び込んだ者がいる…その時、侍女が駆けつけ、皇太后のお召しがあったと伝えた。「写経がお気に召したのね、皇家へ続く門が開かれた…」安寧は皇太后が帝承恩を呼んだと聞いて不安を募らせた。皇祖母のこと、帝承恩に難癖をつけるつもりだろう。一方、買い出しから戻った慕青は帝承恩が宮中へ出かけたと知り、血相を変えて飛び出した。しかし一足遅く、帝承恩は宮中に入ってしまう。安寧は帝承恩を心配して様子を見に行った。すると静心堂の前で帝承恩がひざまずき、皇太后を待っている。やがて皇太后が現れ、一心に拝んでいたので待たせているのを忘れていたと言った。健気に待っていた帝承恩は写経を献上、皇太后のご多幸と太祖の冥福を祈って書いたと伝える。「私を生かしていただき感謝しています、帝家が犯した罪は私が一生を懸けて償います」安寧は困惑した。…梓元、あなたとは思えない、なぜそんな風に変わってしまったの?…冷北は将軍の様子がおかしいことに気づき、何があったのか聞いた。すると安寧は帝承恩が皇太后に頭を下げている姿を見たという。「心配せずとも太后は後宮の主ゆえ…」「いいえ、お前は皇祖母のことを何も分かっていない 私はあの人に育てられたけれど、今となっては会う勇気もない…」帝承恩が足を引きずりながら帰って来た。慕青は独りで出て行った承恩を叱ったが、承恩は何があっても慕青が守ってくれると無邪気に笑う。すると承恩は慕青に手作りの飾り紐を贈った。「都で目にした侍衛は剣に飾りを下げていたわ、あなたも持つべきよ」承恩にとって慕青は唯一の家族であり、英雄だという。結局、慕青はそのまま部屋を出た。本当は錠をかけて承恩を軟禁しようと考えていたが、やはり情にほだされてしまう。安楽は翎湘楼に洛銘西を訪ね、明日は皇太子を呼んで探りを入れると伝えた。どうやら皇太后による帝承恩のいじめに古雲年も関わっている様子だが、権勢が揺らいでいるせいで古雲年の娘を皇太子妃に推す声は止んでいる。すると洛銘西は皇太子妃選びを前に大臣たちの動きを把握しておくよう安楽に情報を記した紙を渡した。「太子妃選びは嵐の前兆ね…」「大臣の動きに特筆すべきことはないが…帝承恩に危ない橋を渡らせるやも」帝承恩はしびれを切らし、自ら行動を起こそうと決めた。慕青はそんな承恩に戸惑いながらも、靖安侯府の庭に咲いていた海棠のかんざしを贈る。「太子殿下が好きな花だ」一方、韓燁は温朔(ウェンショウ)を連れて采微(サイビ)軒を訪ねることにした。皇太后の梓元への嫌がらせを見過ごせず、贈り物を届けて態度を表明するという。しかし店に到着してみると、店主はひと足先に帝家当主の書を買いたいという令嬢が現れたと伝えた。「姑娘、できれば譲ってもらえぬか?」「…これは大伯母の書なので私にとって宝物なのです」その令嬢とは帝梓元だった。「梓元、海棠が良く似合う、靖安侯府が目に浮かぶようだ」すると承恩は梓元ではなく承恩と呼ぶよう頼んだ。温朔は外で待つと伝えて店を出た。すると帝承恩は弟の燼言(ジンイェン)が生きていればちょうど同じ年頃だったと感慨深い。韓燁は弟を託されながら期待に添えなかったと謝罪したが、承恩はこれも弟の運命だろうと言って笑った。翎湘楼では安楽と安寧が待ちぼうけを食わされていた。すると琳琅が宴席に駆けつけ、皇太子が来れないと報告する。「采微軒で帝小姐と会われて屋敷へ送って行くそうです」安寧は動揺のあまり杯を落としたが、皇兄にお似合いなのは安楽だと安心させて先に帰った。韓燁と温朔は東宮へ戻った。すると温朔は皇太子からいつも聞いていた帝梓元とは全く印象が違ったという。実は韓燁も戸惑いを隠せなかった。「あの目は記憶にある梓元とそっくりだ…しかし気性は見知らぬ人のようだった」「安楽姐の方が魅力的に見えるのでは?」「荒唐…それより温朔、子供の頃を思い出したか?」実は温朔は5歳の時に風邪を引いて死にかけて以来、記憶を失っていた。「そのあとに殿下に引き取られたことくらいしか…」「忘れてもいい、過去は重要ではない」「重要でないのなら、なぜ帝小姐に執着するのです?」しかし韓燁は答えなかった。つづく(  ̄꒳ ̄)きな臭くなってまいりました~
2024.03.11
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安乐传 The Legend Of Anle第12話任安楽(レンアンルー)の身代わりになった帝梓元(ディヅユアン)は侍衛・慕青(ムーチン)の監視の元、瑇(タイ)山・永寧(エイネイ)寺で暮らしていた。そんなある日、朝廷から下山を認める大詔令(ダイショウレイ)が届く。梓元はようやく自由になれると無邪気に喜んだが、改名することがどれだけ屈辱的なことなのか分かっていなかった。それもそのはず、当時の名もない8歳の少女はただ満腹する日々を夢見ただけ、山の上に10年も閉じ込められる苦しみなど想像だにしなかっただろう。慕青は帝家がなければ今も物乞いだったと戒めたが、結局、一緒に都へ行くと約束した。帝梓元が山を降りた。報告を聞いた韓燁(ハンイェ)は思わず顔をほころばせたが、自分の知る梓元なら改名を受け入れるはずがないと戸惑う。すると安楽を慕う温朔(ウェンショウ)はもはや名が違えば別人も同然だと口を滑らせた。「荒唐(ファンタン)!10年も閉じ込められた苦しみがお前に分かるものか! …″梓元″という名には太祖による命名の価値以上に、梓元自身を表す重要な意味がある 父皇であろうと完全に奪うことはできぬ」一方、安寧(アンニン)公主も梓元に改名を強要した父皇を諌めていた。しかし逆に酒を飲んでは勝手に靖安(セイアン)侯府へ立ち入っていることを責められ、梓元の下山を機に靖安侯府が刑部の大牢になると知る。驚いた安寧は再考を嘆願したが、皇帝は憤慨して出て行ってしまう。その夜、安楽は洛銘西(ルォミンシー)と靖安侯府を訪ねた。「これからは帝承恩(ディチォンエン)がここの主なのね…」「ここには住めぬ、実は会試の不祥事を解決した褒美として刑部に下賜された、大牢に使えとな」「…構わないわ、私がここへ来たのは一族の恨みを忘れるなと自分に言い聞かせるためよ」すると誰かの足音が聞こえ、2人は慌てて庭石の後ろに隠れた。靖安侯府に安寧がやって来た。安寧は幼い頃に落ちた池を眺めながら、その時、梓元に助けられたことを懐かしむ。今や池の水も枯れ、梓元の名前も変わり、ついに屋敷まで大牢になってしまうのか…。「この靖安侯府の草木や瓦にさえ顔向けできない、供養する資格さえない なのに私は戦場へ逃げた、戦の恐怖で過去の悪夢を忘れたくて…」すると韓燁がやって来た。安楽は2人の様子をうかがいながら、どちらも10年前の靖安侯府の惨劇を忘れていないと知る。「梓元が改名するとは思えないわ…」安寧は瑇山で暮らすことが梓元の身を守り、新たな争いを避ける方法だと信じていた。しかし韓燁は自分が梓元を全身全霊で守って見せるという。韓燁の言葉に思わず心が揺れる安楽、その時、洛銘西がうっかり小枝を踏みつけ、音を立てた。安楽と洛銘西は韓燁と安寧に見つかった。そこで安楽は帝梓元が下山する前に洛銘西から恋敵の情報を聞き出そうとしていたと嘘をつく。「安楽寨(アンラクサイ)の特殊な刑具の詳細を交換条件にしたの」安寧は安楽らしいと思わず失笑し、聞きたいことがあるなら自分が教えると言った。安楽たちは翎湘楼(レイショウロウ)で琳琅(リンロウ)の琴を肴に酒を飲むことにした。梓元を思いながらも安楽と洛銘西の関係が気になる韓燁。すると安楽が″真実か酒″で遊ぼうと提案した。「琳琅が弾く琴の音が止まった時にこの花を持っていた人は質問に答える 答えたくない時は1杯飲むのよ」「ダメだ」酒に弱い韓燁は反対したが、安楽はならば答えれば良いと笑って花を投げた。琳琅は皇太子に花が飛んで行くとわざと琴を止めた。「私が聞くわ、なぜ帝梓元にこだわるの?」安楽の問いに答えたくない韓燁は杯を取ろうとしたが、安寧が代わりに答えると申し出た。「建国前に帝盛天(ディセイテン)は広大な土地を国に捧げたわ 先帝は両家の絆を深めるため、梓元を太子妃に決めたの」すると次も韓燁で音が止まってしまう。「殿下が帝梓元との婚姻にこだわるのは先帝の遺詔だから?それとも償い?」しかし今度は安寧が兄のために酒を飲んだ。琳琅は次に安寧で琴を止めた。そこで安楽はなぜ帝梓元の下山を望まないのか聞いてみる。楽しそうだった安寧の顔色は一変、しかし正直に思いを吐露した。「韓家は帝家から恩を受けたわ、でも韓家は恩を仇で返した…」かつて韓家と帝家は帝北(テイホク)城で″先に兵馬が着いた者が君主″と賭けをした。先に到着したのは帝家だったが、帝盛天は国土を韓家に譲ったという。「そんな帝家が謀反を起こすと思う?なのに陛下は帝家将士と九族を皆殺しにした…」「やめないか」韓燁は思わず妹の話を遮った。韓燁はいつも安楽から始まるのは不公平だと訴え、自分から花を投げた。しばらく様子を見ていた琳琅は安寧に花が飛んできた所で手を止めたが、安寧は花を受け取らず払い除け、運悪く洛銘西が受け取ってしまう。そこで韓燁はなぜいつも任安楽と翎湘楼にいるのか聞いた。すると安寧が意味ありげに笑い、理由を知っているという。「洛大人(ダーレン)は一見、情がなさそうに見えるけれど、実はある女子を思ってる その人は…琳琅よ!」「そうだったのか、では私から陛下に…」韓燁は縁談をまとめようとしたが、珍しく焦った洛銘西は無用だとはねつけた。帝承恩は夢にまで見た都にやって来た。しかし皇帝の指示で下等宮女の宿舎だった沅水閣(ゲンスイカク)に住むことになる。屋敷は簡素で装飾もなく、侍女たちは皇太后の恩寵で戻れた罪人の娘に冷たかった。すると洛銘西が10年ぶりに会いに来た。「慕青、梓元の侍衛だった人よ?見抜かれないかしら?!」「私の言った通りにすればいい」そこで帝承恩は梓元が得意な碁を打ちながら洛銘西を待った。洛銘西は質素な部屋を見て心配し、冬の衣と寝具を届けさせると言った。「人から親切にされるのは久しぶりよ…」「私たちは兄妹も同然だった、太祖の遺詔がなければ今も一緒に靖南にいたはずだ」洛銘西はそれとなく帝承恩に探りを入れたが、帝承恩はよどみなく答えた。「13年前、先帝が遺詔で私を太子妃とし、父は都へ私を送った でもあなたが心配して一緒に来てくれたわ」そこで洛銘西はわざと鎌をかけた。「あの頃は太子殿下を生涯の宿敵だと思った…だが帰元(キゲン)閣で腕比べをして親しくなった」「ふふ、銘西哥哥、違うわ、秋水(ショウスイ)閣でしょ?帰元閣は私の居所よ」帝承恩は洛銘西を門で見送り、屋敷に入った。近くの露店からその様子を見ていた安寧は人知れず涙を流したが、侍衛・冷北(ランベイ)だけは公主の憂いに気づいてくれる。すると冷北は露店のお面を使って公主を笑わせた。「会わなくていいのですか?」「梓元が無事ならそれでいいの」その夜、洛銘西は翎湘楼に慕青を呼んだ。慕青は生まれた時から洛家に忠誠を近い、16歳の時に瑇山に送られている。「お前の役目は?」「山で小姐の警護を…」「見張りだ」洛銘西は慕青の帝承恩への淡い恋心に気づいていた。幼少より自分に仕える慕青を信頼して任せたが、念のため、もし情に絆され不始末でもあれば帝承恩の命はないと釘を刺しておく。「本当に分かっているのか?…一手、間違えていたぞ?」洛銘西は帝承恩が打っていた碁の誤りを見逃さなかった。つづく( ̄▽ ̄;)承恩…声は可愛いのに顔が怖いwてっきり洛銘西が身代わりを準備したと思ってたけれど、違うのか~
2024.03.10
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安乐传 The Legend Of Anle第11話任安楽(レンアンルー)を連れて太祖が眠る蒼(ソウ)山へやって来た韓燁(ハンイェ)。太祖の墓は眼下に靖国が広がり、墓石の″韓子安(ハンシアン)″の文字は帝家当主の筆だという。しかし皇帝にとって太祖の遺詔は皇家の恥となる愚行に過ぎなかった。実は太祖の遺詔により本来は帝(ディ)家と韓家の血族以外、皇太后さえ山に立ち入ることはできないという。「どうして私は山に入れるの?」「祖父に君を会わせたかった、予感がするのだ、君は私と隆盛の世を築くと… 知己としてそばにいてくれ」「知己になれというならなってもいい、でも太子妃の座を諦めたわけじゃないから」「夫婦にならずとも共に歩めばいい」「嫁荷まで捨てたのよ?どちらにしてもあなたが誰を選ぶか見届けさせてもらう」その時、突然、黒装束の刺客が現れた。簡宋(カンソウ)は江南の帰りに皇太子が蒼山に立ち寄ると想定していた。「しかし任大人がご一緒だとは、誤算でした」「あら、私も騙されたのよ?」簡宋は自分を誘き出すため、皇太子が自らおとりになったと分かった。忠義(チュウギ)侯の暗衛の首領にして稀代の剣の達人である簡宋。韓燁は7年も自分に仕えてくれた簡宋を信頼して禁衛軍を任せていた。「だが江南の視察のせいで忠義侯は焦り過ぎたな… あの夜、刺客は警告だけで誰も殺さなかった、お前の指示だったのだな」韓燁は内偵の存在に気づいていたが、結局、鍾礼文(ショウレイブン)の手紙が決定的な証拠となった。「忠義侯にもご恩があり、やむを得なかったのです」簡宋は皇太子に剣を投げ渡し、正々堂々と戦うことにした。2人は激しい攻防を繰り広げたが、やがて韓燁が簡宋の胸に剣を突き刺す。しかし韓燁はどうしても7年の盟友にとどめを刺すことはできなかった。すると簡宋は自ら剣に身体を突き刺し、崖に身を投げてしまう。安楽は韓燁が簡宋の命を救うため、侍衛を伴わずに来たと分かった。「殿下、いつか私が刃を向けたらどうするの?」「″疑わしきは用いず、用いるに疑わず″…君を信じ続けたい」琳琅(リンロウ)は刑部にいる主に密かに接触した。「新任の知府は江南へ無事に到着、治水工事も始まりました、鍾礼文はどうしますか?」「お前に任せていれば安心だ…鍾礼文には嫌がらせしてやろう」「…任大人のためですね?」「奴は安楽を陥れようとした、礼をしなくては」洛銘西(ルォミンシー)の心にいるのは安楽だけ、琳琅はそれでも主への忠誠が揺らぐことはなかった。古雲年(コウンネン)は任安楽に江南の拠点を潰され、簡宋まで死んだと知った。今や権勢も弱まり安楽への憎しみを募らせる古雲年、しかし情勢に逆らうこともできず、あえて任安楽への褒美を請うことにする。一方、安楽と韓燁は無事に城門へ到着した。「蒼山で太子殿下の見事な一手を見たわ、私を駒にしようと思いついたのはいつ?」「なぜ私の計略に気づいた?」「殿下が安楽に何でも話すからよ」「…君はずっと私の計略に関わっている、これは偶然か?」「偶然というより縁でしょうね」韓燁は安楽の本当の目的が皇太子妃ではないと認めさせたかったが、安楽は茶化して先に行ってしまう。「…任安楽、天高く舞う君の羽を私の手で折りたくないのだ」任安楽が屋敷に戻った。苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)は嬉しそうに任安楽の名声が都中に知れ渡り、皇太子への求婚以上の騒ぎになっていると報告する。実は何者かが視察の手柄の9割方が安楽のお陰だと噂を流していた。安楽は洛銘西の仕業だと分かったが、皇太子も関わっていると気づく。しかしどこか気が晴れない様子だった。「小姐(シャオジェ)?太子殿下を本気で好きになったのですか?ふふ」「苑琴?…大(タイ)山でのことを覚えている?」「もちろんです、小姐に命を救われました」「あの辛い過去を決して忘れてはだめ…二度とそんな話をしないで」「分かりました」すると部屋に飾ってある鈴鐺が鳴った。「洛銘西だわ」安楽と洛銘西は帝家の霊廟で合流した。江南での成果で今や朝廷の半分が任大人の支持に回り、これを機に洛銘西は江南にも駒を送り込めたという。一方、安楽は江南で銀貨の持ち主が鍾(ショウ)という男だと突き止めていた。行方までは分からなかったが鍾礼文の屋敷で8万の将兵の名簿を発見、印が付いた生存者十数人の中に鍾海(ショウカイ)という名前があったという。洛銘西は自分が引き続き調べると決め、安楽が皇太子妃選びに出るまでもないと言った。しかし安楽は俗っぽい噂を広めてこそ黒幕が警戒を解いて馬脚をあらわすという。「真相に近づくためよ」「…情に流されて復讐を忘れぬか?」「確かに韓燁は度量も才覚も太子にふさわしい でも我ら8万の将士と九族の仇敵は韓家…彼は韓燁よ」その頃、韓燁は皇帝に謁見、任安楽の功労を上奏していた。実はすでに刑部尚書と古雲年が任安楽への褒美を請う奏状を出してきたという。そこで皇帝は忠義侯を牽制するためにも任安楽を妃にするよう命じ、皇太子の答えを遮った。「話は今夜の宴で直接、安楽へ伝えるがよい」その夜、皇太子と任安楽を労い宴が開かれた。しかし韓燁は縁談の件で安楽と目を合わせられない。すると洛銘西が現れ、安楽と働きたいと奏上したことを伝えた。安楽は応じられないと断ったが、韓燁は内心、穏やかでない。そこへ古雲年がやって来た。「任大人の手柄には私も貢献しているはずだが?」「そうだったわ~古斉善(コセイゼン)も鍾礼文も踏み台になってくれた 感謝の一献を捧げなくちゃ~グビッ! あ、それからお妃の座を譲ってくれたご息女にも~グビッ!プハーッ!」古雲年は安楽の挑発的な態度に呆然、憤慨して帰ってしまう。韓燁は安楽を屋敷まで送った。「着いたぞ?酔ったふりはよせ」そこで韓燁は帝梓元との約束を守らねばならないと伝え、今後は礼節を守るよう釘を刺した。o(`ω´ )o<うわぁぁぁぁん!知らない!安楽が怒ったふりをして馬車を降りると、韓燁は困惑したまま刑部に洛銘西を訪ねた。韓燁にとって10年前の話をできる唯一の相手が洛銘西だった。それにしても一匹狼の洛銘西がなぜ安楽とだけ親しくするのか分からない。「言ったはずだ?私に譲ってくれと…」「つまり刑部に欲しいと?」「私″も″独り身だからな」洛銘西はわざと韓燁を挑発した。「…いつの頃からお前の心が読めぬ」「帝梓元に固執しつつ、私が任安楽に近づくのを恐れるのか?」しかし韓燁は何も答えなかった。左丞相(サジョウショウ)・姜瑜(キョウユ)は忠義侯府を訪ねた。古雲年は帝梓元が下山すれば自分たちへの復讐を企むはずだと警戒したが、姜瑜はたかが子娘だという。「何より陛下が許しても太后が決して認めないでしょう」姜瑜は静観するようなだめて忠義侯府を後にした。「…忠義侯の娘を妃に推すのはやめさせよ、いいか?一挙にではなく徐々にだ」「はい」皇太后は帝梓元の下山に難色を示し、都へ戻るなら″帝承恩(ディチォンエン)″と改名するよう命じた。これに韓燁は憤怒、すぐ参内して抗議しようと決めたが、温朔(ウェンショウ)は事を荒立てれば梓元が苦しい立場に追い込まれると止める。「…独りにしてくれ」一方、安寧(アンニン)公主は靖安(セイアン)侯府で酒を飲んでいた。まさか瑇(タイ)山の永寧(エイネイ)寺に幽閉されている梓元が偽物だとは知る由もない。…あなたが名前を変えるはずない、瑇山で心安らかにね…安楽も翎湘楼(レイショウロウ)で洛銘西から改名の話を聞いた。「怒ることではないわ…実際、子供を生かしたのは恩寵だもの」「よせ、分かっている、君が不撓不屈(フトウフクツ)だと…」それより洛銘西は偽の梓元があっさり改名を受け入れれば怪しまれると心配した。「以前は私たちも名前で呼び合っていたわね、銘西哥哥… でもあなたが私を靖安に送って任安楽が生まれた 不幸な娘を身代わりにして10年も閉じ込めたのよ? 彼女は衣食住と引き換えに私の名を名乗ることになった これ以上、犠牲にはできない、自由にしてあげましょう」翌日、韓燁は改名を強要された梓元の慰めになるかと采微軒で贈り物を準備した。すると突然、安楽が現れ、大事な書物を横取りされてしまう。実はその書は靖安侯が残した蔵書で、靖安侯の筆跡が残っていた。そこで安楽はもし帝梓元が本当に下山したら返すと約束して帰ってしまう。安楽は車の中で本を開いた。懐かしい父の筆跡、安楽は必ず恨みを晴らすと決意を新たにする。つづく( ๑≧ꇴ≦)偽物クルーーーーーーーーーーッ!
2024.03.04
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安乐传 The Legend Of Anle第10話酒を飲んで再び失態を犯した韓燁(ハンイェ)。翌朝、慌てて任安楽(レンアンルー)に謝りに行ったが、ちょうど顔を洗っていた安楽は見えないふりをして韓燁の手を握った。驚いた韓燁は慌てて退散、ばつが悪そうにあずま屋で待っていると、安楽がやって来る。「任安楽、私は酒に弱い、昨夜、非礼があったなら許して欲しい」「もっと大胆に迫ってくれたら太子妃になれたのに~」相変わらず茶化すのが上手い安楽、すると韓燁は天下の隆盛のため安楽の力が必要だと訴えた。「昔、太祖と帝盛天(ディセイテン)が力を合わせたように…」「太子殿下、太祖と帝盛天のような関係は2度とあり得ない」韓燁の思いがけない言葉に安楽は複雑な表情を浮かべたが、すぐ笑顔に戻った。一方、苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)は引き続き靖安(セイアン)侯の銀貨の持ち主を捜していた。米店の店主の記憶を元に鍾(ショウ)という男の姿絵を手に入れたが、小さな町だというのになかなか見つからない。すると苑書が絵姿に似た男がふいに店から出て来るのを見た。慌てて追いかけようとしたが、突然、温朔(ウェンショウ)が現れ、視界を遮られた間に見失ってしまう。「あ、その似顔絵は…まさか意中の人なのか?」「苑書の哥哥なの」苑琴は咄嗟に苑書が江南で生き別れになった兄を探しているとごまかした。安楽は韓燁の部屋で横領の証拠となる鍾礼文(ショウレイブン)の裏帳簿とこつ然と消えた500人の工人の行方について話し合った。韓燁の調べたところ、実は沐天(モクテン)府が鉱山の工人500人をわずか3日で集めたという。その時、窓紗に聞き耳を立てる怪しい人影が映った。韓燁は身近に内偵がいたことに気づき、再び一芝居打つことにする。「安楽、私はこれから鍾礼文を訪ねる、君は…」( ・ノェ・)コショッ<殿下、芝居が上手くなったわね安楽に褒められた韓燁は不敵な笑みを浮かべながら偽の文をしたため、侍衛・簡宋(カンソウ)を呼んだ。「よいか、必ず2日以内に刑部の洛銘西(ルォミンシー)へ届けよ」しかしその手紙は鍾礼文に届く。…鍾礼文の裏帳簿を発見…驚いた鍾礼文は裏帳簿の確認に行こうとしたが、突然、皇太子が現れた。その夜、鉱山のある趙家荘(チョウカソウ)に山賊が乗り込んだ。しかし待機していた衛兵が山賊を包囲、苑書と苑琴が現れる。実は韓燁と安楽は鍾礼文が焦って工人たちを始末すると踏み、すでに兵士を忍ばせていた。驚いた山賊は降参し、覆面を外して沐天府の役人だと釈明する。「信じてくれ、趙家荘が襲われると知らせがあり、様子を見に来ただけなんだ!」一方、韓燁は堤防建設の不備を追及しながら時間を稼いでいた。そこへ苑書が駆けつける。「太子殿下、趙家荘で山賊を捕らえました、任大人(ダーレン)が処遇を殿下に尋ねるようにと」鍾礼文は保身のため配下を切り捨て、山賊を死罪にすべきと進言した。韓燁は山賊に罰を下すため、早速、趙家荘に出かけて行った。鍾礼文はその隙に裏帳簿の無事を確認に向かったが、隠し金庫から出したところで皇太子と任大人が兵を率いて乗り込んで来る。…しまった!罠だったか…しかし鍾礼文は万が一に備え、自分の妻妾(サイショウ)たちが帳簿を記したように装っていた。「妻妾たちの帳簿にご興味が?お疑いならどうぞご覧ください」そこで韓燁は人並外れた記憶力を持つ温朔に帳簿を確認させた。温朔は筆跡が被災民救済の文書にある鍾礼文と同じだと指摘、しかも帳簿にある12人の妻妾の名は12人の役人の署名の筆跡と合致しているという。「温朔は一度見たら忘れないって言ったでしょう?望江楼での茶番で墓穴を掘ったわね?」鍾礼文は安楽にまんまとはめられたと気づいたが手遅れ、この裏帳簿が堤防建設費を懐に入れた証拠となり、その場で取り押さえられた。安楽と韓燁は気分転換に河原に出かけた。すると水害の犠牲者を悼む灯籠が川上から次々と流れて来る。安楽はふいに義民の血書を思い出し、胸が張り裂けそうな思いだと吐露した。「太子殿下、いつになれば清らかな大河の水を得られるのかしら? 中には雪辱を果たせず、忘れられる人もいる」安楽は帝家の無念を思うとやるせない。しかし韓燁にも″いつ″とは答えられなかった。「だが安楽、君のような人がいる限り、必ず靖(セイ)国に晴明なる世が訪れるだろう 君は独りではない、どんな時も私が君と共にいる」韓燁の誠実なまなざしは帝梓元(ディヅユアン)の心をゆさぶったが、安楽はすぐいつもの調子に戻った。「それより共に寝てくれればいいのに…」安楽と韓燁は町へ戻った。韓燁は安楽が初めから温朔を利用するため、江南行きに同行できるよう策を講じたと気づく。「ふふ、殿下の指導の賜物ね~」すると韓燁は誰かをそばに置くのは安楽が唯一の例外だと言った。しかし安楽は偶然さえ必然に変えるとはさすがだと笑って行ってしまう。安楽は審理に同行しなかった。沐天府衙(ガ)で支度をしていた韓燁はうっかり安楽の名を呼びそうになり、温朔から安楽がいないと調子が狂うようだと揶揄されてしまう。一方、都では忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)が音沙汰のない鍾礼文を案じていた。夫人は弟に捜査が及べば自分たちも火の粉をかぶると不安を募らせたが、夫から弟が今度もしくじれば2度と生きて会うことはないと釘を刺されてしまう。苑書と苑琴は帝家軍の名簿を探すため、鍾礼文の書庫を調べることにした。しかし思いがけず温朔とかちあってしまう。実は温朔も鍾礼文が貴重な書物を隠し持っていると考え、探しに来たという。そこで苑琴は外で一緒に書物を見ようと誘い出し、その間に苑書は大きな花瓶の中に隠された巻物を発見した。安楽は望江楼で独り物思いにふけっていた。そこへ審理が終わった韓燁がやって来る。鍾礼文は食料や救済銀の着服により死罪、12人の役人は免官され、改めて審理を行うという。また地元の名士は財産を没収され、救済に充てることになった。「本当なら朝廷の救済銀は必要なかった…太子殿下が思った通りの結末ね」「安楽、″私″ではない、″私たち″だ」「はっ!そうだ、こんなに貢献したのだから位階を3つ上げて欲しいわ 美人から数えて~はっ!良媛(リョウエン)?!太子妃までもうひと息ね!」「本気なのか?」「ふふ、でもその前にまだ片付けるべき間者が残っているわね」3日後、韓燁と安楽は江南を発つことになった。すると民がひざまずいて皇太子の帰京を見送ってくれる。「民に愛される皇太子がいることは韓家と靖国にとって幸せね 帝家は停戦のため韓家と天下を二分した でも帝盛天がこの光景を見たら、決断を誇りに思うわ」「太祖と帝盛天のような2人がいなくても、我らには太平の世が訪れるだろう」韓燁は途中で一行と別れ、安楽と2人だけで蒼(ソウ)山へ向かった。…韓燁、まさか私が再びこの場所へ来ることになるなんて…蒼山は太祖・韓子安(ハンシアン)が眠っている山だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)江南が片付いた!でも字幕で見てもイマイチ分からなかったわ〜
2024.03.03
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安乐传 The Legend Of Anle第9話旧友・帝梓元(ディヅユアン)の帰京にどこか不安そうな安寧(アンニン)公主。洛銘西(ルォミンシー)はそんな公主を怪しみ、ちょうど翎湘楼(レイショウロウ)に来たと知って探りを入れた。「10年後の梓元に会いたくないか?」「…戻ったら機を見て会うつもりよ」洛銘西は安寧のわずかな動揺も見逃さなかった。恐らく当時、安寧は靖安(セイアン)侯に悲劇が起こることを知っていたに違いない。しかし任安楽(レンアンルー)のこと、姉妹同然の安寧を決して巻き込まないと分かっていた。「…安楽が留守の間に調べてやろう」江南(コウナン)では任府の苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)が銀貨の出どころを探していた。苑琴は生き延びた兵士が銀貨を武器と交換したと予想したが空振り、しかし米店でついに持ち主を突き止める。ただし分かったのは鍾(ショウ)姓というだけで、身分や行方は不明だった。翌日、宴席に招かれた韓燁(ハンイェ)と安楽は江南で最も有名な望江楼(ボウコウロウ)に到着した。すると馬車を降りた韓燁が自ら安楽と手をつなぐ。「人目があるためしっかり芝居せねばな…この技は君から学んだ」「安楽の殿下への想いは芝居じゃないわ」「本当かな?」「ふふ…」その時、安楽はふいに洛銘西との会話を思い出した。…なぜ韓燁の前では己を″安楽″と呼ぶ?…自分に言い聞かせるためよ、これは偽りの身分、安楽の言動は全て嘘だと沐天(モクテン)府の知府・鍾礼文(ショウレイブン)は地元の名士たちを引き連れ、皇太子と任大人(ダーレン)を歓迎した。安楽は酒に弱い韓燁に変わって名士たちと酒を酌み交わし、それとなく名前を聞き出しておく。一方、酒楼の外では苑琴と苑書が馬を準備して待機していた。鍾礼文は仲睦まじい皇太子と任大人のため、贈り物を渡したいと申し出た。韓燁は官吏の安楽が受け取れば罪になると断ったが、鍾礼文は賂ではなくあくまで祝いの品だという。その頃、都でもすでに忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)が任安楽を弾劾する奏書を準備していた。安楽は重罪だと知りながら地元の名士たちから贈り物を受け取った。そこで誰から何をもらったか分かるよう記帳するよう頼む。「ご祝儀と同じでなのでしょう? ならちゃんと書いてもらわないとあとでお礼も言えなくなっちゃう」半ば強引に筆を持たされた古茗鴻(コメイコウ)は仕方なく偽名を使ったが、すかさず温朔(ウェンショウ)からなぜ金(キン)姓に変わったのかと指摘された。「皆さん、温朔は一度見聞きしたら忘れないの、ごまかしてもだめよ」こんなこともあろうかと安楽は記憶力の優れた温朔を同席させていた。安楽はまんまと賄賂の証拠を手に入れ、早速、窓から名簿を落として苑書たちに託した。名士たちは罰を恐れて震え上がったが、その時、皇太子がいると知った被災民たちが望江楼へ押し寄せて来る。実は鍾礼文は買収に失敗した場合に備え、被災民を煽って暴動を起こさせる計画だった。琳琅(リンロウ)は洛銘西に江南での騒ぎを報告した。もし暴動が起きれば責を負うのは鍾礼文ではなく皇太子になってしまう。しかし洛銘西は不敵な笑みを浮かべた。確かに鍾礼文は策士だが韓燁の戦力を見誤ったらしい。任安楽が率いる水軍は3万、鍾礼文の扇動した民は数千人で烏合の衆に過ぎないという。「勝機はないな…」被災民の前に皇太子と任安楽が現れた。韓燁は皇太子として今日中に食糧を配ると約束し、安楽が人質として皇太子が戻るまでここに残るという。すると老人が民の味方である任安楽が言うなら信じてみようと声を上げた。実は東騫(トウケン)の海賊を退治し、高官の息子を懲らしめた任安楽の名前は江南にも広まっているという。「私も靖南の海賊よ、みんなの気持ちは分かる、他人事とは思えないわ!」韓燁は早速、名士たちの家を回って米を集めることにしたが、鍾礼文がすでに手を回していた。名士たちは何かと理由をつけて皇太子に米を渡さなかった。最後に訪ねた屋敷では倉にあると言いながら、時間稼ぎのために延々と歩き回される。一方、待ちくたびれた被災民は米が欲しいと騒ぎ始めた。その時、荷車が到着、被災民たちは喜んだが、安楽は先に名簿を作って人数に応じて配るという。すると2人の男が本当の米かどうか怪しいと反発した。安楽は咄嗟に近くにいた衛兵の剣を抜いて袋に突き刺し、白米が入っていると証明する。実は出発前、韓燁は時間稼ぎのために偽の食糧を用意していた。…黒い縄で縛った袋だけが米だ、あとは君に任せたぞ…被災民たちは安楽の指示に従って静かに並んだ。しかし安楽もそろそろ限界が近いと気づき、焦りを隠せない。その時、煽り役の男が立ち上がり、ふらふらと荷車に近づいて袋に棒を突き刺した。「やはり偽物か…」すると安楽が密かに男の胸に短剣を突きつける。「そっちこそ偽物の身分でしょう?騒ぐなら刺し殺す」安楽は男を連行させ、公平に分けるためにも割り込みすれば罰すると説明した。韓燁は名士たちに翻弄されながらも約束通り日没前に米を届けることに成功した。力を合わせて難局を乗り切った韓燁と安楽、2人は何とも言えない充実感を共有する。一方、計画が失敗した鍾礼文はやけ酒をあおっていた。「憎き太子め!任安楽もいまいましい! もし忠義侯の予想通り奴らが次の一手で江南の水害に関わる気なら逃げ場はない」しかし嫌な予感は当たってしまう。その夜、韓燁は安楽を呼んでお茶で祝杯を上げた。「助かったよ、君が苑書に命じて米店の倉から米と帳簿を持ち出させた で、汚職の証拠を握るためにどこから手をつける?」「もちろん堤防の件よ」実は江南で100万両も投じた堤防が1年足らずで決壊していた。するとちょうど部屋の前で一緒になった苑琴と温朔が報告にやって来る。「小姐、昨年、堤防を築く名目で500人の工人を雇っていました」「…殿下、ですが雇われた工人は見つかりません」韓燁と安楽は相手もすでに調査していたと知り、失笑した。結局、工人も鍾礼文の裏帳簿も行方は分からず、安楽はいきなり行き詰まった。しかし韓燁は帳簿なら隠せても、工人500人を隠すのは難しいと笑う。「つまり殿下は工人から探せと?結局、また公務の話題なんだから〜 でもいいわ、昨日、約束してくれたから」「いつ?!」「昨日、私を″美人″に封じてくれたわ」「美人と褒めただけだ」「まあいいからいいから、一杯だけ付き合って」韓燁は安楽の尽力に感謝して仕方なく酒を飲んだが、再び泥酔してしまう。安楽は韓燁を酔わせて10年前の話を聞き出そうとした。「帝(ディ)家が罪に問われたあと、陛下は証拠を見せた?」「私は…私は見た…10年前…帝家と…それから…庭に海棠が咲いていて…綺麗だったな」「そうね、陛下は何か言っていた?」「陛下は言った…君を皇太子妃にすると言った…何が太子妃だ、ふっ 私の目には小さな女の子にしか見えなかった…」酔った韓燁は梓元を思い出し、とりとめのない話をして酔い潰れてしまう。「酔っ払うと当てにならないわ…」安楽は落胆したが、その時、ふいに韓燁が目を開けた。「任安楽、韓燁は程梓元を娶る…韓燁は太子妃の座を他の誰にも与えられない たとえ他の者に心が動いてもだ…」翌朝、韓燁が目を覚ますと温朔が酔い覚ましを持って待っていた。「殿下?昨夜、安楽姐と何かあったのですか?ふふ」韓燁はふいに安楽を梓元と間違えて抱きついたことを思い出し、慌てて安楽の部屋を訪ねた。すると安楽がちょうど顔を洗っている。「苑琴なの?…太子殿下に酔い覚ましを届けてくれた?」韓燁は自然と顔がほころんだが、その時、安楽が手拭いを取ろうと懸命に手を伸ばすのが見える。仕方なく韓燁は手拭いを取って渡そうとしたが、安楽がいきなり手をつかんだ。「おう…スラリと長くて骨ばってる…苑書?」驚いた韓燁が逃げるように部屋を飛び出すと、安楽は目を開けて笑った。つづく( ̄▽ ̄;)まだ江南が続くのね___
2024.02.24
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安乐传 The Legend Of Anle第8話皇太子が病で朝議を欠席した。忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)は韓燁(ハンイェ)が江南(コウナン)へ出かけたと勘づいたが、すでに迎え撃つ準備は整っている。「お手並み拝見だ」一方、留守を命じられた温朔(ウェンショウ)は密かに皇太子一行を追いかけていた。しかし途中で後をつけていることがばれ、皇太子に帰れと怒られてしまう。「いいじゃない、連れて行ってあげたら?」温朔は任安楽(レンアンルー)の口利きで何とかお供を許され、洛銘西(ルォミンシー)から預かった地図を渡した。皇太子一行は江南へ到着、早速、安楽と韓燁は身分を隠して散策に出かけた。街は平穏で被災民の姿はなかったが、天災で収穫が少ないにも関わらず、店では大口の客相手に米が高額で売られている。「埃っぽい古米だった、恐らく官倉の米だろう、飢饉の備えゆえに埃をかぶる」韓燁はひとまず客桟へ戻って策を練ることにしたが、安楽が止めた。「繁栄の裏にある別の一面も見るべきじゃない?」安楽と韓燁は衣を泥だらけにして顔を汚し、物乞いを装った。すると衛兵が現れ、沐天(モクテン)府の知府・鍾礼文(ショウレイブン)の命令で賎民は城内に入れないという。「2人を連れて行くぞ」安楽は横暴な衛兵に憤慨したが、韓燁は騒ぎにならないようなだめた。賎民たちは郊外の河原に集められ、水のような粥を配給されていた。「あれは辺境の戦に夫や息子を送り出した人たちよ…干ばつの時には自らの手で水路を掘った」「私のせいだ…」韓燁は皇太子として民を守れない無力さに打ちのめされたが、安楽は皇太子ではなく悪徳役人のせいだとかばった。「戻ろう…気づかれぬうちに」韓燁は沐天府を調べるより先に民を助けようと決めた。その頃、翎湘楼(レイショウロウ)では琳琅(リンロウ)が持病に苦しむ洛銘西のため、薬湯を差し入れていた。「公主の侍衛・冷北(ランベイ)ですが怪しい点はありませんでした 辺境に住んでいましたが戦で家族が離散、5年前に公主に拾われ侍衛に…」安寧(アンニン)と冷北が出会ったのは青南(セイナン)山だった。当時、冷北は数十人の北秦(ホクシン)兵を前に窮地に陥ったが、安寧に救われる。冷北は恩人の公主に仕えたいと嘆願、その時、不意をついて飛んできた敵兵の矢から身を挺して安寧を守った。それ以来、安寧は冷北をそばに置き、重用している。冷北は公主のためなら命を投げ出す覚悟と誓ってくれたが、安寧にとって人助けは8万の帝家軍を救えなかった贖罪だった。琳琅は主のため、都では手に入らない長思花(チョウシカ)の種を見つけた。洛銘西は喜び、日向に植えて欲しいと頼む。「沐天府に着いた頃だな、大芝居の幕開けか…」その夜、安楽は韓燁の部屋を訪ねた。「そろそろお客さんが来る頃よ」すると早速、外から剣戟の音が聞こえてくる。中庭では待機していた簡宋(カンソウ)と苑書(エンショ)が刺客に応戦していた。しかし刺客は殺意がなく、劣勢になると全員が自害してしまう。韓燁は刺客の目的が暗殺ではなく警告だと気づいた。恐らくお忍びで江南へ入った皇太子が暗躍しないよう表に引きずり出したいのだろう。「立場を逆転させよう、こちらから姿を現してやる」「いいわね」そこで韓燁は温朔に皇太子の儀仗を整えるよう命じた。「沐天府中の役人に太子のおなりを知らしめるのだ」翌朝、鍾礼文は官吏たちを引き連れ、客桟に皇太子を訪ねた。鍾礼文は色褪せた官服に擦り切れた履き物という出で立ちで、度重なる災害のため食糧を配給し尽くし、備蓄がないと報告する。「だったらなぜ被災民の血書が届いたの?」安楽の素朴な疑問にも鍾礼文は動揺する様子もなく、恐らく被災直後のもので、血書が都へ到着する頃には救済が済んでいたと説明した。「ほお~だったらもう救済銀は必要ないわね」「それは…治水による対策を見直さねばなりませんので」すると鍾礼文は明日、皇太子と大理寺卿のために宴を開くと伝え、帰って行った。安楽は明日の宴をどうするのか韓燁に聞いた。その時、韓燁は客室の様子をうかがう怪しい影に気づき、敵の目をごまかすため安楽と仲睦まじい姿を見せる。安楽は韓燁の目配せで事情を飲み込み、この機に乗じて韓燁に迫った。「お疲れでしょう~衣を解いてくつろいでください」仕方なく安楽に合わせる韓燁だったが、気がつくと間者の姿が消えている。すると韓燁は安楽を突き放し、程度をわきまえろと叱った。「やり過ぎだ!」一方、鍾礼文は皇太子の出方に合わせて2つの策を準備していた。まずは賂で懐柔し、皇太子の手柄をお膳立てして貸しを作る。しかし誠意を見せても受け入れないのなら、被災民を煽って暴動を起こさせるまでだ。韓燁は鍾礼文が宴席で何か仕掛けてくると疑った。しかし安楽は韓燁の余裕の表情から、すでに対抗策があると気づく。「さすがは知己、分かっているな」「…知己?忠実なしもべってところかしら?」「ぁ…その〜」「じゃあ知己の願いを聞いてもらえる?…私を一度でいいから″美人″と呼んで?」「…美人」「やった~!″美人″に封じられたわ!」その頃、都では洛銘西が琳琅の鍼治療を受けていた。主のため都の名医から鍼を学んだ琳琅、3日に1回の治療を続ければ元気になれるという。洛銘西は生まれつきの体質を変えるのは難しいと分かっていたが、琳琅は長思花も直に芽を出すと励ました。すると翌朝、長思花が本当に発芽している。「靖南(セイナン)の長思花は寒さを嫌う、芽が出たのは初めてだ、琳琅、さすがだな…」翎湘楼に安寧公主がやって来た。安寧はまだ明るいうちから酒や舞を楽しんでいたが、そこに洛銘西が琳琅を連れてやって来る。すると洛銘西は舞姫たちを下げ、代わりに琳琅に琴を弾かせた。「これは…梅花落(バイカラク)だわ」「覚えていたか」「もちろん、梓元(ヅユアン)と一緒に習った曲よ でも武術が好きな梓元は身が入らず、太子哥哥にせっつかれてやっと覚えたの」「何でも瑇(タイ)山では1年を通して花が咲かず、鳥の声も夏の盛りだけだとか… そんな生気のない場所で梓元は10年間も孤独に耐えて来たのだな」洛銘西は安寧に揺さぶりをかけた。「まもなく都へ戻る、10年後の梓元に会いたくないか?」つづく( ゚ェ゚)鉄板の米ネタ、さすがにもうお腹いっぱいw
2024.02.22
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安乐传 The Legend Of Anle第7話翎湘楼(レイショウロウ)に響き渡る琵琶の音。韓燁(ハンイェ)と温朔(ウェンショウ)が店に駆けつけると、ちょうど安寧(アンニン)公主が琳琅(リンロウ)の鎮魂曲に合わせ、剣舞を披露していた。「戦場に散った兵士たちのおかげで今日の都の平和と繁栄がある…」戦のない世を心から願う韓燁、しかし温朔と言えば春の狩りで一目惚れした苑琴(エンキン)が気になって仕方がなかった。「確かに見事な音色だ、でも私は君の琴が聴きたいな」安寧はてっきり任安楽(レンアンルー)がこの曲を弾かせたと思った。「安楽、この歌を知っているの?」「知らない、でも英雄たちの魂の悲しい叫びが聞こえてくる」「この曲の名は安魂(アンコン)、辺境で命を落とした烈士を偲ぶ曲よ」すると安寧は比類なき腕前だと琳琅を讃えた。琳琅は辺境を知らないが、安寧公主と任大人に相応しいと選んだという。安魂の悲しい旋律は安寧の心をかき乱し、帝梓元(ディヅユアン)を思い出させた。「″正を以て国を治め、奇を以て兵を用い、事なきを以て天下を治む… 聖人はやむを得ずして兵を用いる″…私にそう教えた人が外的と内応し謀反を企むと?!」すると安寧はふと安楽の目が梓元とよく似ていると気づいた。安楽は内心、動揺したが、安寧は剣舞のせいか急に酔いが回ってふらついてしまう。そこで琳琅は自分の部屋で休むよう勧めた。安楽は安寧の侍衛・冷北(ランベイ)に酔い覚ましを頼み、安寧を休ませることにした。すると安寧は安楽に梓元の姿が重なり、ふいに配下が江南(コウナン)で手に入れた蓮柄の飾り物を渡す。「裏の刻印を見た配下は怖くなって私に渡したの」梓元の父である靖安(セイアン)侯・帝永寧(ディエイネイ)は太祖より銀貨の発行権を賜った。帝家が滅ぶとその銀貨の使用を禁じられたが、誰かがその銀貨に手を加えて作ったのだろう。その飾りには″靖安″の文字が残っていた。「8万の兵は青南(セイナン)山で全滅したというけれど、これは生存者がいる証しよ 真相を知る者が生き残っている、初めて願ったわ、逃亡した兵士がどこかで生きていることを… 無事でいて欲しい」安寧は胸の内を明かし、酔い潰れてしまう。安楽が安寧に布団を掛けていると韓燁がやって来た。韓燁は安魂がかつて梓元が奏でた曲だと教え、安楽もあの曲の意味を理解できるはずだという。「分かってくれ、安楽、梓元は国の過去を背負っている、特別な存在なのだ」すると安楽は韓燁に安寧を任せて先に帰ってしまう。洛銘西(ルォミンシー)の思惑通り、安魂が大きな成果をもたらした。安楽は安寧から″靖安″と刻印された銀貨をもらったという。「帝家の者が生きているかも…それも江南で」洛銘西はすでに西北を琳琅に調べさせたが生存者はいなかった。しかし江南は忠義(チュウギ)侯の支配下にあり、まだ調べていなかったという。「鍾礼文(ショウレイブン)…生き残り…帝家軍の名簿…江南は興味深い場所のようね」銀貨の謎を解くため江南を調べたい安楽。折しも鍾礼文は義兄の古雲年(コウンネン)に助けを求めていた。江南から血書を携えた義民がまもなく都へ到着するという。古雲年は義弟の尻拭いのため刺客を放ったが、黒装束の女が颯爽と現れ、刺客を始末した。こうして義民は深手を負いながらも大理寺に到着、しかし嘆願の太鼓に手を伸ばしたところで意識を失ってしまう。翌朝、黄浦(コウホ)は大理寺の前で倒れている男を見つけた。男は江南の被災民で、知府・鍾礼文を告発したいという。そこへちょうど大理寺卿に昇格した安楽が現れた。黄浦は血書を託し、男の訴えでは鍾礼文が堤防の建設費を懐に入れて対策を怠り、甚大な被害を受けたという。しかし鍾礼文は忠義侯の義弟、大理寺では揉み消されてしまう可能性が高かった。「…今日は天気もいいし散歩に行ってくるわ」安楽はその足で皇太子府を訪ね、血書を韓燁に渡した。義民を救ったのは琳琅を差し向けた洛銘西だった。計画通り江南の件は表沙汰となり、これで会試不正の一件で勢いの衰えた古雲年をさらに追い詰めることができる。韓燁は清廉な男ゆえ、江南がどんなに危険な場所でも自ら視察へ行くと嘆願するはずだ。安楽と洛銘西の思惑通り韓燁は皇帝に江南の視察を上奏した。そこで韓燁は刑部に洛銘西を訪ね、一緒に江南へ行って欲しいと頼む。「断ります、私より適した者が他にいるのでは?」韓燁は早速、任府へ出かけた。しかし安楽にもあっさり断られてしまう。焦った韓燁はこの重要な任務には安楽寨(サイ)で海戦を経験し、水害に詳しい安楽がどうしても必要だと力説した。すると苑書(エンショ)が安楽寨では懇願する時、必ず宴席を設けて酒を飲むと教える。「…分かった」韓燁は酒に弱かったが、その夜、安楽たちを皇太子府に招待した。一方、嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)も皇太子に同行させるなら適任者は任安楽だと考えていた。あの忠義侯を敵に回した任安楽なら皇太子のために全てを投げ打ってくれるだろう。「それから江南に残っている韓家の者に伝えよ…太子に手を貸すようにとな」その夜、皇太子府はさながら婚礼の祝宴のようだった。吉利(キツリ)の話では苑書から届いた指示書通りに準備したという。( ತ _ತ)<荒唐(ファンタン)…そこへ安楽たちがやって来た。韓燁は安楽に誠意を見せるため飲めない酒をあおり、1本空けただけで泥酔してしまう。酔った韓燁はふらふらと中庭へ出て行った。安楽は呆れて様子を見に行ったが、驚いたことに韓燁が木に登っている。「危ないわ!早く降りて!」「嫌だ!絶対に降りぬ!」すると韓燁は安楽の姿が幼い梓元に見えた。当時、梓元もこうして木に登り、広い天下を見るべきだと諌めてくれたことがある。『もっと自由に生きるべきよ』韓燁は木から飛び降りると、安楽を梓元と勘違いした。「あの時、私も木に登れば良かった…君の言葉通りに…」「殿下?よく見て、私は任安楽よ?」韓燁は目をこすって安楽の顔を見つめると、自分の見間違いだと分かった。「だがどちらも自分の心に正直な女子だ…今宵、宴を設けずともきっと君は江南へ行く」「ならどうして宴を?」「君に喜んで付いてきて欲しかった…君は大切な人だと伝えたかった…そばにいて欲しい」 安楽は韓燁の思わぬ告白に心がざわめいた。翌朝、韓燁は温朔から自分が木に登ったと聞いて驚愕した。実は温朔も侍衛の簡宋(カンソウ)も皇太子の世話を忘れてすっかり酔ってしまったという。「荒唐…また任安楽に弱みを握られた」韓燁は昨夜の記憶が全くなかった。ともかく任府を訪ねて江南行きの日程を決めるつもりが、安楽は承諾した覚えがないという。「酔った殿下が木登り、降ろすのが大変だったわ~ 殿下は私を離さないと言って抱きしめ、さらに梓元の名を呼び続けて…で、どうしたっけ?」「もう良い!」すると怒った韓燁は帰ってしまう。「小姐、楽しそうですね?」「そうかしら?」苑琴と苑書は安楽がこんな風に笑うのを見たのは久しぶりだと言った。韓燁は安楽の説得に失敗、皇帝を訪ねた。しかし皇帝は安楽が江南への同行を奏請したと教える。「任安楽め…ふっ」こうして安楽は計画通り皇太子のお供として江南へ向かうことになった。つづく( ๑≧ꇴ≦)戦う琳琅かっこいい!
2024.02.19
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安乐传 The Legend Of Anle第6話翎湘楼(レイショウロウ)に皇太子を呼び出した任安楽(レンアンルー)。韓燁(ハンイェ)は申し訳なさそうに古斉善(コセイゼン)が減刑されたと伝えたが、安楽は普段通りを装った。「また機会はあるわ、じゃあ今日は殿下のおごりね?」すると安楽は講談師を呼び、女海賊が皇太子に求婚する物語を聞かせて欲しいという。しかし講談師は皇太子の手前、台本が手に入らなかったとごまかし、安寧(アンニン)公主が西北の国境を守る話にすると言った。(^ꇴ^)b<それだ( ತ _ತ)<アンルーよりアンニンがいいのね(ボソッ…今上陛下を父に持つ公主とくれば、男顔負けの勇猛ぶりで向かうところ敵なしその人こそ安寧公主なり幼い頃より武術を愛し、12歳にして秋の狩りで優勝を果たす…靖(セイ)国の西北は北秦(ホクシン)国に隣接し、長年、休戦中とは言え国境には盗賊が出没していた。しかしこの6年、民の平和が保たれているのは安寧公主による獅子奮迅の働きのおかげだという。安楽は堅苦しい武勇伝などつまらないとぼやいていたが、その時、突如、帰京した安寧本人が宴席に乗り込んで来た。「あなたが任安楽ね?」「あなたが伝説の安寧公主?実物の方が粗暴みたい」「死にたいの?」安寧は剣を抜き、安楽に襲いかかった。驚いた韓燁は止めようとしたが、安寧の侍衛・冷北(ランベイ)に邪魔されてしまう。安楽は置物の宝剣を抜いて応戦し、安寧を広間の大階段に誘い出した。2人は満席の店内もお構いなし、激しい腕比べを始める。しかし勝負は互角、やがて安楽と安寧は同時に相手の首に剣を突きつけた。「ふふ、やるわね」「満足したわ」すると意気投合した安楽と安寧は酒を酌み交わし、客たちを証人として義姉妹の契りを結んだ。安寧が酒楼で大暴れした話は皇帝の耳にも入った。嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)はこのままでは駙馬(フバ)も迎えられないと頭を抱えたが、安寧は平凡な女の人生など望まないという。さらに重臣たちまでこぞって皇太子妃を早急に選ぶべきと上奏、その大半が忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)の娘を推挙した。どちらにしても皇太子妃を空位にしておくのは国の根幹に関わる。しかし誰を選ぶかは皇太子本人という結論になり、話は堂々巡りだった。一方、安楽は洛銘西(ルォミンシー)と次の作戦を練っていた。安楽の狙いは古雲年の義弟で共に帝(ディ)家を陥れた鍾礼文(ショウレイブン)。今や出世して沐天(モクテン)府の知府となり、工部と結託して好き勝手しているという。何でもその手に帝家軍8万の名簿を隠し持っているとか。しかし洛銘西の考えは違った。安楽の暗殺にしくじった古雲年がこのまま引き下がるとは思えず、万が一にも正体が知られては危ない。そこで偽物の帝梓元(ディヅユアン)を下山させることができれば格好の隠れ蓑になると言った。実は古雲年が大臣らと手を組み、娘を皇太子府に送り込もうと企んでいるという。「帝梓元を呼べば混乱に乗じて利を得られるぞ?」皇帝は皇太后・孫瑜君(ソンユクン)からも皇太子の婚姻を急ぐよう催促された。皇太后はすでに王侯貴族から名家まで妙齢の娘たちの釣書を集めさせたという。そこで皇帝は皇太子にこの中から皇太子妃を選ぶよう命じたが、韓燁は先帝の遺詔に従い帝梓元を娶ると譲らなかった。皇帝を激怒させた韓燁は寝殿の前で嘆願を始めた。すると翌朝、安楽が現れる。「太子殿下、私が助け舟を出してあげる」安楽は皇帝に謁見、忠義侯の娘が嫁ぐという噂を聞いて慌てて駆けつけたと言った。「私は嫁荷を失い、太子妃の座を奪われ、忠義侯も怒らせて踏んだり蹴ったりです」「朕が選ぶならそちを皇太子妃に望む、だが残念ながら選ぶのは太子だ」皇帝は聞き分けのない韓燁に手を焼いている様子、そこで安楽は婚姻ではなくお妃選びを開き、帝梓元も参加させてはどうかと進言した。皇太子は帝梓元しか眼中になく婚姻に後ろ向き、まずは太子殿下が最初の一歩を踏み出す必要があるという。「帝梓元さえ盤上に置けば太子殿下は必ず参戦します」皇帝は皇太子に聖旨を渡した。…容姿端麗なる妙齢の娘で純潔であれば誰でも太子妃候補とする、天からの重責を担う身である帝梓元もまた候補の列に加える…洛銘西は皇帝がついに梓元の下山を認めたと知った。琳琅(リンロウ)の話では身代わりは10年間、大人しくしていたが、外の世界に憧れている様子だという。「従順に振る舞うなら自由を与えよう」「…大人(ダーレン)、奇妙なことがあります」琳琅は安寧公主が任安楽に賭けたと報告した。安寧は帝梓元の旧友で、帝家が滅びてすぐ病に倒れたという。そして側仕えの太監が死ぬや否や西北に移り、それ以来、都に戻らなかった。すると洛銘西は機を見て安寧公主を試してみるという。安寧は梓元が下山すると知り、封鎖され靖安(セイアン)侯府を訪ねた。そこで韓燁と洛銘西に遭遇する。安寧は幼い頃を思い出し、なぜ北西に留まったのか話した。幼い頃、宮中育ちの安寧は臆病だったが、ある日、梓元が靖国地図を見せてくれたことがあったという。『靖国の公主ならいつか天を飛び回り、山河を見渡せますよ』話を聞いた洛銘西はやはり謂れがあったと納得した。任安楽と皇太子の賭けは翎湘楼で大盛況となった。今や民心をつかんだ任安楽に賭ける者が急増、この調子なら皇太子妃にも手が届く。安楽はその様子を洛銘西と上階から眺めていたが、至って冷静だった。「でも任安楽として誓った言葉は全て無効よ」「君を候補に押し上げたのは誰だと思う?…安寧だ」安楽は安寧が自分に賭けたと知っていささか戸惑った。すると洛銘西は安寧を招いて曲でも聴かせてはどうかと提案する。「酒の席で心を通わせれば、口が滑るやも…」安寧は梓元が下山すると聞いてからどこか落ち着かなかった。そんな時、安楽に誘われて夜の街を散策することにする。「元気ないのね…誰かに話せば憂さが晴れるわよ?」「…10年前、親しい友がいたの、とある理由で彼女は陛下に家族を殺された 彼女は生き延びることができたけれど、私たちは離ればなれになった あの日から負い目を持ち続け、代わりに戦い続けている 私の自己満足よ、借りがあるのに返せないかもしれない 巻き込みたくない、でも止められない…」「安寧、あなたの気持ちはきっと伝わっているはずよ?」安楽は心からそう伝えたかったが、安寧に分かるはずもない。「元気を出して、さあ、翎湘楼で遊ぼう!」今夜も任安楽と皇太子の賭けは賑やかだった。「安寧、私に賭けてくれたのね、感謝の印に花魁の姑娘にもてなしてもらうわ」「はお、本当に美女なら貸し切ろうっと」一方、韓燁は安楽と安寧がまた翎湘楼に出かけたと聞いた。温朔(ウェンショウ)は義姉妹の2人が酒を酌み交わすなど普通だと言ったが、吉利(キツリ)の話では公主が店を貸し切ったという。( ・`ω・´)<荒唐(ファンタン)!琳琅は身支度を整えて洛銘西の部屋に入った。すると洛銘西は安寧が簡素を好むため、自ら琳琅の鮮やかな緑の薄衣を脱がす。琳琅は洛銘西の手が肩に触れ、まるで全身に電流が走ったようにビクッとした。「琳琅、万人に好かれる努力をしないとな」「…任大人が太子妃になるのをお望みでないのですか?」「任安楽の目的は別にある」安楽と安寧はすっかり酔っ払っていた。すると安楽は冷北が千鳥足の安寧を抱き止める様子を見て、2人の仲を勘繰る。安寧は見当違いだとはぐらかしたが、そこへようやく花魁の琳琅が現れた。琳琅は噂に違わぬ妖艶な花魁だった。すると琳琅は洛銘西に指示された通り、琵琶で鎮魂曲を披露する。その時、ちょうど韓燁と温朔が店に到着した。「これは…幼き頃、梓元も弾いていた」一方、安寧も梓元が弾いてくれた鎮魂曲を思い出していた。「良い曲ね…」安寧は酒をあおると、突然、冷北の佩剣を抜く。つづく( ๑≧ꇴ≦)皇太后キタァァァァァァァァァァ!長歌行組にとっては残念なキャスティングw
2024.02.18
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安乐传 The Legend Of Anle第5話会試不正事件が解決するまで都を出ることになった古斉善(コセイゼン)。しかし翎湘楼(レイショウロウ)の琳琅(リンロウ)から招待状が届き、罠とも知らずのこのことやって来た。すると任安楽(レンアンルー)が現れ、皇太子がいるので逃げろという。後ろ暗い古斉善は慌てて帰ろうとしたが手遅れ、韓燁(ハンイェ)と温朔(ウェンショウ)に挟み撃ちにされ、最後は恨みを持つ子弟たちから袋叩きにされて捕まってしまう。( ꒦ິ⌑꒦ີ)ノ<任大人!助けてくれ!(^ꇴ^)<人が多すぎて安楽には無理~一方、宮中では久しく鳴ったことがない鐘の音が響き渡った。実は大理寺の黄浦(コウホ)たちが不正事件の調べ直しを求めて青龍鐘(セイリュウショウ)を打っているという。青龍閣は皇帝に直接、上奏できる唯一の場所だったが、掟により30回の杖刑を受けなくてはならなかった。そのため鐘を打つ者は長らく現れず、皇帝も上奏を無視することはできない。黄浦が鐘を打ち鳴らしたことで事件は表沙汰となり忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)は憤怒、ようやく任安楽に一杯食わされたと気づいた。こうして多くの子弟たちが見守る中、大理寺で韓燁、任安楽、洛銘西(ルォミンシー)による再審理が始まった。連行された古斉善は相変わらず父の権勢を笠に着て強気だった。安楽も古斉善の味方を装い、古斉善をさらに増長させる。「公侯世家(コウコウセイカ)の子弟は無条件で官職に就ける、そもそも会試を受ける必要さえないのに~」「その通り!」すると黄浦が死んだはずの呉越(ゴエツ)を召喚すると言い出した。その頃、古雲年が夫人に尻を叩かれ、参内した。しかし皇帝の怒りが収まっておらず、皇帝付き侍従・趙福(チョウフク)に追い返されてしまう。古雲年は仕方なく御宸殿(ゴシンデン)の前でひざまずき、嘆願を始めた。牢獄で殺されたはずの呉越が参上した。恩義を感じて最後まで古斉善をかばっていたが、まさか命を狙われるとは思わなかったという。「私は無実です、問題を漏らしたのは古斉善です!」温朔(ウェンショウ)はその様子を任府の苑書(エンショ)・苑琴(エンキン)と一緒に見守っていた。「まさか死者が生き返るとはね~安楽姐(ジェ)の打つ芝居は見ものだ」「当然よ♪」ネー(*´・ω)(ω・`*)ネー一方、古雲年はようやく皇帝から謁見を認められた。嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は何事も分別をわきまえるよう釘を刺し、息子については皇太子の采配が出てから改めて自分が罰を下すという。古斉善は呉越が証言しても決して罪を認めなかった。そこで韓燁は本当に不正をしていないと言うなら回答をそらんじてみろという。「良かったわ~少侯爺、これで助かりますね」安楽は古斉善を助けるふりをしながらじわじわと追い詰める。仕方なく古斉善は過度の緊張から、会試で何と答えたか覚えていないとごまかした。「あるあるあるある~誰にもあることよ~それにこたびは難解だった~ ″民の道″だっけ?そんなの私だって説明できないわ~」安楽の援護に思わず古斉善は首を縦に振り、いくら考えても答えが思いつかなかったと言った。これに韓燁は激怒、今回の会試で″民の道″など問われていないという。「問題まで忘れたのか?!」古斉善はようやく安楽に騙されたと気づき、開き直った。「たかが会試の不正で私を罪に問えるのか?!そうだ、私が問題を漏らした!」すると安楽はならば李崇恩(リスウオン)の遺書と食い違うと指摘、古斉善は何も言えなくなってしまう。洛銘西は会試での不正が死罪に値すると判断した。すると韓燁は主文を後回しにし、官職を堵して事件の真相を求めた黄浦たちや、希望を胸に勉学に励む書生たちのためにも公正な裁きを下さねばならないと説明する。「古斉善は会試の問題漏洩、試験官殺し、呉越の暗殺未遂… その上、不遜な態度で法廷を侮辱した罪により、会試の及第を取り消して今秋に死罪に処す」一方、温朔は安楽の打った3手のうち、まだ最初の1手だけが分からなかった。すると苑琴が種を明かしてくれる。「書きつけが見つかったのは都合が良すぎると思わない?」実はあの時、琳琅は踊りながらこっそり子弟たちの懐に書き付けを忍ばせ、わざと欄干を壊していた。「そうか!(はっ)となると安楽姐は殿下にとって危険な人物では?」安楽は事件の解決で功を上げ、罷免された裴沾(ハイテン)に変わって正三品(ホン)に昇進した。しかしまだ皇太子妃になれないと大袈裟に悲しむ。韓燁は安楽には別の目的があると見抜いたが、安然は咄嗟に洛銘西に話を振ってごまかした。「洛大人、共に芝居を打った私と殿下は親密になれたかしら?」「任大人、私も芝居に一役買った、私も君と親密になることができるのか?」「もし先に洛大人に出会っていたら私の夫は刑部尚書だったかも?」安楽に迫られた洛銘西はうっかり動揺したが、韓燁が慌てて2人の間に割って入った。「任大人、洛大人は冗談には不慣れなのだ…許せ」「あら、私のために太子が謝罪?」すると洛銘西は気まずそうに帰ってしまう。「洛銘西が梓元(ヅユアン)が都入りした時の侍衛だ、旧友の話ができる唯一の相手なのだ」その夜、韓燁は刑部に洛銘西を訪ねた。安楽が初対面のはずの洛銘西を親しげに見ていたことを訝しみながら、任安楽を調べて欲しいと頼む。「思慮深い任安楽ならこれほど苦労せずとも太子妃の座に就けるはずだ」「分かりました、調べましょう」翌日、韓燁に父皇の勅命が届いた。父皇は皇太子の采配が公正としながらも、古雲年の嘆願に折れて流刑に減刑したという。実は古雲年は軍を掌握し、江南で力を持っていた。その上、古雲年が牛耳る大理寺で息子を死罪にしたとあっては反発されるのは必至だろう。「だが任安楽が現れたおかげで恨みの矛先が変わった…そちにとってありがたい存在だ」韓燁は父皇の教えを肝に銘じると言ったが、内心、納得がいかなかった。一方、安楽は翎湘楼で洛銘西の居所にいた。洛銘西は労せずして事がうまく運んだと言ったが、安楽は不満が残る。まさか皇帝のひと声で悪が情に救われるとは…。「韓仲遠という男は疑い深く、奸臣であろうと己になびく者を重んじる そうだ、君の旧友である安寧(アンニン)公主が近々、都入りする」安寧は帝家と韓家の確執とは無関係と言っても韓家の人間、いずれ安楽の計画を知ることになるはずだ。実は事件の解決が順調すぎて韓燁が安楽に疑念を抱き、洛銘西に安楽を調べるよう頼んだという。「3万の水軍の意味を文字通り受け止めるなら、大した太子とは言えないわね」「だが忠義侯を完全に敵に回したのは厄介だ」その夜、古雲年は任府に刺客を放った。安楽は苑書さえいれば怖い者なしだったが、その時、別の刺客が飛び込んでくる。覆面の刺客たちは慌てて退散、苑書は顔も隠さず現れた男と一対一で手合わせになった。すると温朔が駆けつけ、真っ先に苑琴の無事を確認してしまう。「(はっ)…安楽姐、ご無事ですか?」「標的は私なのに誰も案じてくれないのね」「いや、殿下が安楽姐を心配して護衛を…あ!」苑琴は慌てて苑書に味方だと教えたが、苑書は好敵手との戦いが楽しくてやめようとしなかった。しかし男は隙を見て切り上げ、帰ってしまう。翌日、韓燁と洛銘西は碁に興じていた。韓燁は今回の父皇のやり方に失望したとこぼし、任安楽の調査が進んでいるか尋ねる。すると洛銘西はよほど強い志がなければ3万の水軍で寨(サイ)の安寧を保つことはできないと言った。「つまり才能を生かすためのよりどころが必要だと?」「お分かりなら協力しては?」そこへ安楽の側近2人が訪ねて来た。苑琴は皇太子の侍衛が刺客の来襲から救ってくれたと感謝した。しかし苑書は侍衛ではなく自分が救ったとぼやいてしまう。韓燁は苑書がいれば安心だと顔を立て、簡宋(カンソウ)を戻すと決めた。「殿下、小姐が翎湘楼でお待ちです」すると韓燁は囲碁を切り上げ、出かけてしまう。韓燁が翎湘楼へ到着すると、安楽は過去の冤罪を洗い出しているところだった。「これも太子妃になるためよ?」「それが…古斉善が減刑された」「気にしないで~謝る必要はないわ、じゃあ今日は殿下のおごりね?」つづく( ๑≧ꇴ≦)だーりーすー! ←言いたいだけw
2024.02.13
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安乐传 The Legend Of Anle第4話大理寺卿(ダイリジケイ)・裴沾(ハイテン)を懐柔し、あっさり令牌を手に入れた任安楽(レンアンルー)。韓燁(ハンイェ)はこれも黄浦(コウホ)が裴沾に煩わされないためだと分かったが、当の黄浦は安楽への協力を拒んでいた。事件解明の猶予はわずか3日、仕方なく韓燁は安楽を連れて黄浦の屋敷を訪ねることにする。すると黄浦は四品の官吏とは思えないほど質素な暮らしをしていた。黄浦は科挙5回目で運良く及第、齢40にしてようやく少卿に任じられた。出世に時間を要したのは黄浦が寒門の出だからだという。貧乏人が命懸けで欲しがる官職は金持ちが気ままに売り買いする肩書きに過ぎず、手にすれば私腹を肥やして人を虐げる者ばかりだった。「できるなら官職を捨て、学生諸氏を代表して世の不公平を糾弾したいところだ!」「はあ?@うさぎ風 黄大人が嫌なら私が調べるわ~書き付けは1枚だけ、″死人に口なし″だしね!」黄浦は安楽の言葉に憤慨、家から追い出してしまう。↓おじさん近い近い@アンルー安楽は忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)に見張られていると知っていた。そのためお気楽官吏を装って黄浦を怒らせたが、内心ではこの国にもまだ公正無私な役人がいたと安堵する。しかし安楽は予定通り取り調べで子弟たちに身代わりを2人ほど立てるよう提案、さらに黄浦の怒りを買った。韓燁は黄浦から報告を受け、安楽を中庭へ引っ張って来た。「とぼけたふりだと思っていたが本気だったのか?! 大理寺とは?…物事に軽重あり、これを″理″という 堯(ギョウ)帝が人を裁く″理官″を作り、景(ケイ)帝が″大理″と名付けたのだ!」大理寺が置かれたのは冤罪や誤審を防ぐためであり、安楽の行いは天の理に背くものだという。しかし安楽は揚げ足を取った。「権力者が関わる事件はこうして処理すると聞いたわ、貧乏人に罪を着せればいいのでしょう?」安楽は遠回しに不正が横行していると指摘、話をそらした。「忠義侯を怒らせて殿下に嫁げなかったらどうすればいいの?板挟みよ〜 愛する太子殿下のために都へ来たのよ?私にはもう動かせる配下もなければ頼れる人もいない」「…今後、襟を正すなら私が後ろ盾になろう」韓燁の思わぬ言葉に目を丸くする安楽。一方、皇帝は刑部尚書・洛銘西(ルォミンシー)にも会試不正事件を手伝うよう命じていた。↓後ろ盾?何それ?美味しいの?洛銘西は復讐のためと言いながら、安楽が韓燁に心を動かされそうで心配だった。しかし安楽は全て計画を円滑に進めるためだという。「洛銘西、私に韓家の後ろ盾など無用、韓燁でさえも… 韓燁がいなくても私一人で盤上を支配できる」(๑•̀ㅂ•́)و✧<海賊王になるっ!牢獄の子弟たちは最も身分が低い呉越(ゴエツ)と周福(シュウフク)を身代わりに決めた。黄浦はまだ調査を続けるよう訴えたが、安楽はさっさと調書を書いて他の子弟たちを釈放してしまう。「黄大人、慌てなくていいわ、好機は巡って来た」安楽はようやくこれが芝居だと明かし、協力を持ちかける。そうとは知らず、安楽から調書を受け取った裴沾は大喜び、忠義侯にとりなすと約束した。その夜、古雲年は李(リ)府に配下を潜入させた。すると任府に主任試験官だった李崇恩(リスウオン)が自害したと報告が届く。遺書には呉越と周福が親戚とあり、貧しく不遇な状況に同情して問題を漏らしたと書いてあった。古雲年はこれで片がついたと思っただろう。しかし周福と呉越の取り調べが始まると、周福が黄浦に説得され、あっさり真実を暴露した。「解答を漏らしたのは主任試験官で、古斉善(コセイゼン)が自慢げに答えを教えていました」あとは呉越が周福と同じ証言をすれば解決するはずだった。そこで安楽は周福が白状したと教えたが、呉越は無実を訴えたものの、首謀者の名を決して明かそうとしない。実は周福は洛銘西があらかじめ送り込んだ密偵だった。これでどちらにとっても鍵となるのは古斉善に何年も付き従って来た呉越の証言となってしまう。その夜、韓燁は中庭で碁を打っていた。やがて白と黒はまるで今の状況を表しているようにこう着状態となる。「独りの証言だけでは罪には問えぬ、呉越が吐かねば身動きが取れぬな」その時、思いがけず安楽と洛銘西が現れた。「吐かないなら自ら話させる方法を考えればいい…」「安楽姐、どんな手を使うの?」温朔(ウェンショウ)は興味津々、すると安楽は証人と証拠が揃えば罰することができると教え、碁盤に自分の赤い石を置いた。「あ!黒も白も息を吹き返した!」「私の碁盤に無用な石は存在しない」韓燁は夜更けになっても中庭で月を眺めていた。「ここ数日、梓元(ヅユアン)のことばかり考える」温朔も梓元が2歳で皇太子妃と定められ、皇太子にとって特別な人だと知っていた。7歳の時、都へ入った梓元、当時は洛銘西を付き添わせ、韓燁など歯牙にも掛けない様子だったという。面白くない韓燁は得意な囲碁で梓元を負かそうと思いついたが、驚いたことに梓元の腕前の方が上だった。『梓元、私を追い詰めたのは君が初めてだ…』すると温朔は相手が安楽だったら勝てるだろうかと笑った。「どちらも策士ですがやり方は違うはず …ただどちらも類まれなる才女で、偶然にも殿下と巡り会った」翎湘楼(レイショウロウ)に戻った洛銘西は安楽と韓燁の交わす視線に心が乱れていた。すると琳琅(リンロウ)が現れ、密書を渡す。「…魚が釣れそうだ」その夜、大理寺の地下牢に刺客が潜入、呉越が殺された。古雲年は息子が呉越を殺したと知り激怒した。事件が結審する前に2人も死人を出し、これでは嫌でも周りから疑惑の目を向けられてしまう。「数日、おとなしくしていろ!都を出るのだ!」一方、韓燁は大理寺で待ちぼうけを食わされた。すると安楽を迎えに行った侍従・吉利(キツリ)が慌てて戻ってくる。「殿下、任大人は翎湘楼で花魁の宴に出席しているとか…」安楽は翎湘楼で洛銘西と一緒に古斉善が来るのを今か今かと待っていた。「琳琅が文で呼び出した、奴は好色ゆえ必ず来るだろう」「そろそろ報いを受ける頃合いだわ…あ、ちょうど私の客が来た」韓燁の姿を見つけた安楽は急に欄干に座ったかと思うと、そのまま後ろに倒れて落ちた。「レンアンルー!」階下にいた韓燁は颯爽と駆けつけ、見事に安楽を抱き止めてくれる。しかしその様子を上から見ていた洛銘西は内心、穏やかでいられなかった。安楽は酔ったふりをしてふざけて見せた。しかし韓燁は安楽が酔ってなどいないと分かっている。「朝早くからここで誰を待っている?」「それはあなたよ~うふふ~」「任安楽、誰よりも君に期待している、ゆえに誰よりも君を信じている」韓燁のまっすぐな目を見た安楽はそれ以上、あしらうことができなかった。「安心して、お望みの結果が得られるから」その頃、大理寺では事件が起こっていた。裴沾が早々に上奏文を皇帝に出すと言い出し、黄浦が阻止ようとする。しかし拘束されて手も足も出ず、結局、目の前で裴沾は印を押してしまう。失望した黄浦は辞職を決意、その場で官服を脱いで帰った。すると我慢の限界だった下級の官吏たちも黄浦に倣って出て行ってしまう。翎湘楼で琳琅の舞が始まった。傲慢な古斉善がいないお陰でようやく舞を見ることが叶った子弟たち、まさか林聡(リンソウ)の死をきっかけに会試の不正が暴かれるとは意外だったと噂する。すると安楽は子弟たちに混ざり、自分が必ず3日で満足の行く結果を出すと豪語した。「この事件は太子殿下ですら手を焼いてる、でも私、安楽にかかれば3手で解決よ! 1手目で悪党を誘き出す、2手目は成り行きに任せる…で3手目は?悪党を叩く!」その時、すでに酔っ払った古斉善がやって来た。つづく
2024.02.11
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安乐传 The Legend Of Anle第3話任安楽(レンアンルー)は翎湘楼(レイショウロウ)で偶然を装い洛銘西(ルオミンシー)と合流。大理寺(ダイリジ)で確かに裴沾(ハイテン)が事件を捏造し、忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)が群臣を脅した証拠があったと報告した。「それからもう一つ、街で乱暴を働く古斉善(コセイゼン)を咎めようとしたら韓燁(ハンイエ)に止められた」「当然のことだ、有徳の君子たる韓燁は腹黒い古雲年に手を焼き、業を煮やしているからな」「私はその君子らしさを利用させてもらう」洛銘西が目をつけたのは会試だった。主任試験官の李崇恩(リスウオン)は古雲年の側近、今回の会試で必ずや卑怯な細工を施すはずだという。そこで洛銘西は安楽に忠義侯一味の名簿を渡した。恐らくこの者たちは帝(ディ)家を滅ぼした陰謀にも関わっているだろう。安楽は巻物を解こうとしたが、その時、回廊から温朔(ウェンショウ)の声が聞こえて来た。「殿下!任大人(ダーレン)と会って確かめてみましょうよ!」韓燁は安楽がなぜ洛銘西と一緒なのか怪しんでいた。そんな皇太子の気持ちを察してか、温朔は2人の部屋を訪ねようという。すると部屋にはやけに打ち解けた2人の姿があった。洛銘西は尋問の手法が粗雑なため、刀の使い手である任安楽に手解きを受けていたと嘘をつき、刑部に引き抜きたいという。安楽を冷たくあしらいながらも、他の男になびくのは面白くない韓燁。実は安楽は狩りのあとから尾行されていると気づいていた。今夜の目的は韓燁に洛銘西との出会いを目撃させることだった。これで今後、安楽と洛銘西が会いやすくなり、堂々と手を組んで敵を葬り去ることができる。任府に戻った安楽は早速、洛銘西からもらった″京城美男子名録″をろうそくであぶった。すると本当の名簿が浮き上がってくる。「手始めに頭目から片付けてやるわ@古雲年」一方、洛銘西は官服を着替え、翎湘楼の最上階で花火を眺めていた。そこへ翎湘楼一の売れっ子・琳琅(リンロウ)がやって来る。「準備が整いました」「はお、会試は3日後に終わる、お前が舞う花魁(カカイ)の夜は絶好の機会となろう」会試が終了した2月15日、安楽は韓燁に頼み込んで琳琅の舞を見に来た。「そうだ殿下、会試が終わったので羽を伸ばしても?」温朔は花魁の夜を楽しみにしていたが、皇太子から常にたゆまず気を引き締めろと釘を刺されてしまう。「殿下~温朔をいじめるのはやめて、その美しい顔を見せてください」すると韓燁は大理寺に戻るなら10秒だけ見ても良いと許した。「それでもいいわ」「では10秒数えたら大理寺に帰れ」安楽は遠慮なくまじまじと顔を眺め始めたが、ふいに韓燁が振り向いて驚かせた。2人は鼻と鼻がぶつかり、いつもは強気な安楽が驚いて顔を背けてしまう。「興が覚めたからやめる」その時、古斉善が釈放された林聡(リンソウ)を連れてやって来た。古斉善は護衛を使って先客の席を奪い、取り巻きたちと傍若無人に振る舞っていた。それにしても会試の結果が出ていないにも関わらず、古斉善は妙に自信を持っている。「奴一人ではなく、牢から出た林聡も自信満々です」その声は洛銘西だった。ついに琳琅の舞台が始まった。目も眩むような艶やかさと見事な身のこなし、すると最後に琳琅が花球を取り出して見せる。「皆様、この花球を得た客人だけに琳琅が一曲、歌って差し上げましょう」すると古斉善はもちろん、誰もが花球を手に入れようと躍起になった。しかし天女のごとく飛び回る琳琅に翻弄され、なかなか奪い取ることができない。琳琅はやがて上階の露台まで飛び上がった。客たちは階段を駆け上って花球の取り合いとなったが、その時、露台の欄干が外れて林聡が落下してしまう。館内は騒然、そこで安楽が颯爽と踊り場に飛び降り、令牌を出した。「大理寺が命ず、全員ここに残れ!」林聡は頭を強く打って死んでいた。古斉善は単なる事故だとあしらい、大理寺少卿ごときが自分に傲慢な態度を取れば父が黙っていないと脅す。「官職を失ってもいいのか?」「いつもなら大目に見るのよ?(ニコッ)でもあいにく今日は太子殿下がお越しだから~」その時、見かねた韓燁が現れた。驚いた古斉善たちは拝礼、それ以上、横柄な態度ができなくなってしまう。安然は必ず下手人を見つけ出すと自信を見せ、記憶をたどりながら露台にいた子弟たちを順番に追及した。身に覚えのない子弟たちは動揺しなかったが、やがてある子弟が慌てて逃げ出そうとする。「見つけた!」すると犯人は花球が欲しかっただけでわざとではなかったと白状した。「まさかあんなことになるなんて…」安楽は見事に事件を解決、皇太子に褒美をねだった。しかし韓燁は桜桃をひとつ渡し、さっさと後始末をするよう指示する。古斉善たちはそこで引き上げることにしたが、犯人がすがりついて止めた。「助けてください!」「放せ!」その時、安楽の怒号が響き渡る。「静かにして!誰が帰っていいと言った?!」すると安然は亡骸の懐から小さな書き付けを見つけた。古雲年は息子が大理寺に連行されたと聞いて激高した。何でも花魁の夜で林聡が事故死、人殺しの嫌疑がかかっているという。「亡くなった林聡が…会試の解答を持っていたのです」一方、韓燁は早速、皇帝に謁見し、会試で不正があったと告発した。林聡は工部郎中の子で徒党の1人、設問は他の仲間にも知れ渡っていた可能性が高い。しかし皇帝は僅か1枚の書き付けだけでは断罪できないと難色を示した。「調査に3日の猶予を与えよう」安楽は夜更けに忠義侯に呼び出された。ついに仇敵の屋敷へ足を踏み入れた安楽、どうやら古雲年も自分の正体に気づく様子はない。安楽は皇太子の前で手柄を急ぐあまり子息を大理寺に送ってしまったと釈明し、何しろ一日中、皇太子に見張られていると嘆いた。すると古雲年は安楽を懐柔するため、安楽を皇太子妃に推すと約束する。安楽は喜び、子息が仮に関わっていたとしても対処すると安心させた。韓燁と温朔は林聡がなぜ不正の証拠を慎重に扱わなかったのか怪しんでいた。すると安楽が訪ねて来る。男女の別を重んじる韓燁は安楽を寝殿には入れず、回廊で話すことにした。「一夜を共にした仲なのに何を今さら~でも瑇(タイ)山にいる帝梓元(ヅユアン)に知られたどうする?」「安楽、軽々しく梓元の名を口にするな」安楽は韓燁が不機嫌の理由は皇帝だと気づいた。「3日以内に証拠を見つけなければ調べられぬ」「任安楽の出番ね♪太子殿下の難を除くため全力を注ぐわ! もし私が事件を解決したら皇太子妃にしてくれる? それが叶わないなら妃嬪の位をもらおうかな〜」そこで安楽は隙を見て韓燁と強引に指切りしてしまう。「明日は必ず大理寺に来てね!」安楽のせいですっかり調子が狂う韓燁、それにしても安楽は本当に3日で解決することができるのだろうか。大理寺の唯一の良心・黄浦(コウホ)は今回の事件を念入りに調べていた。裴沾(ハイテン)にとって黄浦は目の上のこぶ、捕まったのは忠義侯の子息や高官の子弟たちで、もし怒らせれば出世の道が絶たれてしまう。とは言え、事件が皇帝の知るところなった今、下手なごまかしも利かなかった。「正攻法でごまかせないなら、奥の手を使っては?」安然は自分が子息たちの尋問を行うと申し出た。皇帝、皇太子、忠義侯を全て納得させるためには、出自の卑しい者に罪を押し付ければ良い。「実は忠義侯が持ちかけてきたの、本件をうまく治めたら太子妃に推すと… 太子妃になればこっちのものよ!」すると喜んだ裴沾は安楽に大理寺卿の令牌を渡し、さっさと帰ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)キタワー!琳琅!
2024.02.06
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安乐传 The Legend Of Anle第2話春の狩りに颯爽と現れ、皇太子妃候補に名乗りを上げた任安楽(レンアンルー)。安楽の名は一夜にして都中に知れ渡り、脚色された女海賊の求婚物語は民だけでなく、宮中の太監や宮女たちの間でも人気となった。しかし韓燁(ハンイェ)はこれが安楽の仕業だと気づく。「都に入って民心を利用するとは賢い…だが野放しにはせぬ」一方、安楽は侍女・苑琴(エンキン)が準備しておいた任府に落ち着いた。この屋敷は皇太子府と目の鼻の先、西側には三省六部(サンショウリクブ)と九寺五監(キュウジゴカン)が置かれ、抜け道まであるという。その頃、刑部尚書・洛銘西(ルォミンシー)は伝書鳩で帝梓元(ディヅユアン)が帰京したと知った。洛銘西が秘密の通路から帝家の霊廟に向かうと、美しく成長した梓元が待っていた。「梓元と呼ぶか?あるいは安楽と?」「韓家との関わりは金輪際、断ち切る、私のことは安楽と…」実は梓元に安楽という偽名を付けたのは洛銘西だった。洛銘西は帝家の宝剣を嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)に献上、そのお陰で若くして刑部尚書の地位を得た。こうしてかつての護衛が朝廷に仕えてくれていたおかげで、安楽は在野で力を蓄えることができたという。「瑇(タイ)山にいる帝梓元と皇太子に溺れる女海賊・任安楽… 求婚が話題になる程、本懐を遂げやすくなる」「安楽、韓燁は君に10年欠かさず三月おきに贈り物を届けているぞ?」「ふっ、恨みの炎を消すにはささやか過ぎない? 今の私は復讐を誓った任安楽、太子殿下のお慈悲にすがる帝梓元じゃない」「決めたのか?」「帝家が滅ぼされた夜を忘れた日はない」…韓仲遠、予想できたかしら?帝家の遺児が10年の時を経て会いに来ると…皇太子と任安楽の噂は皇帝の耳にも届いていた。果たして女海賊が皇太子妃になれるのか、世間ではそれが最大の関心事だという。かつて太祖は韓家が帝家と共に天下を治めることを望んだ。「しかし朕の即位後、6年足らずで謀反を起こされるとは…」韓仲遠は皇太子が遺詔を盾に帝家の娘を守り抜いたことを苦々しく思っていたが、女海賊の求婚が突破口となるやもしれない。「趙福(チョウフク)、明日、任安楽に拝謁を許す」洛銘西の協力のもと、安楽の復讐計画が動き出した。標的は帝家九族と8万の帝家軍を殺した仇敵の忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)。しかし皇帝からは功を讃えられ、朝廷での専横を容認されていた。洛銘西の話では古雲年は正道を歩む皇太子や右丞相(ユウジョウショウ)・魏諫(ギカン)と犬猿の仲、そこで韓燁の力を利用するという。「古雲年は大理寺(ダイリジ)を支配下に置き、群臣の弱みを握っている よって手始めに君は大理寺少卿(ショウケイ)となれ」「できれば事件を足がかりに古雲年一派に入りたいわ」「うってつけの事件がある…下手人は林聡(リンソウ)だ」林聡は古雲年の息子・古斉善(コセイゼン)の取り巻きの1人で、国子監(コクシカン)の学生を殺した罪で投獄されていた。古雲年は息子に懇願され、林聡を刑部から出すよう手を回した。その夜、洛銘西は皇太子に林聡が忠義侯の息がかかる大理寺に移されたと報告し、恐らくそのまま逃すつもりだという。「殿下、思うに忠義侯のような讒臣(ザンシン)を相手取るには、より狡猾な者が必要かと…」「任安楽のことか?」韓燁は確かに安楽なら自分のために大理寺をかき回してくれると期待した。「おめでとうございます、殿下 3万の水軍を手に入れた上、太子妃の座を空位にした そして大理寺に打ち込める釘を見つけ出しましたね」翌朝、安楽は参内した。宮殿まで案内した皇帝の侍従・趙福(チョウフク)は自由奔放な安楽に手を焼き、あらかじめ皇帝に気分を害さぬよう警告しておく。「何しろ森泉のようですから…」確かに安楽は皇帝の予想を遥かに超える面白い娘だった。安楽は平伏するどころか趙福を差し置いて皇帝に付き添い、嫁として茶を献じるという。そこへ韓燁が慌てて駆けつけた。韓燁は無作法な安楽を戒め、婚姻については応じられないとはっきり断ったが、父皇は勝手に美人に封じるという。しかし今度は安楽が皇太子妃になりたいと拒んだ。「あ~このままじゃ埒が明かない、嫁がずとも水軍は献上します、その代わり機会を下さい」安楽は皇太子と同じ場所で過ごせば愛が芽生えるかもしれないと訴え、できれば高給で屋敷から近く、気軽な高官が良いと頼んだ。そこで三法司(サンホウシ)を束ねる韓燁は安楽を大理寺少卿に任じ、官吏の何たるかを学ばせるという。「何だか良い響きね…決まり!」こうしてそれぞれの思惑通り、安楽は大理寺少卿となった。大理寺卿・裴沾(ハイテン)は安楽を暖かく迎えた。大理寺で功を立て皇太子妃になりたいという安楽、すると同じ大理寺少卿の黄浦(コウホ)が工部郎中の子・林聡が学生を殴り殺した事件があると教える。驚いた裴沾は酔っ払いが人を突き飛ばしただけの事件だと遮り、安楽に署名するよう頼んだ。「これで無事に解決だ、任大人(ダーレン)、忠義侯があなたの才を認めておられるぞ」しかし安楽の計画を知る由もない黄浦は悪党の手先が増えたと大きなため息をついた。皇太子が大理寺の様子を見に来た。安楽は独りになった隙に書類を盗み見ていたが、韓燁が来ると途端に皇太子にぞっこんの女盗賊に戻る。すると韓燁は大きな荷物を運び込ませた。「殿下、これって何かの冗談?」「大理寺は国の司法をつかさどる、君も少卿なら刑法を熟読せねばな 7日で読み終え、ひと月で覚えろ」「ああ~安楽、あまり字を知らないから教えてもらわなくては~ 2人きりになるために思いついたのね?」「荒唐(ファンタン)!」結局、韓燁は安楽に刑法について教える羽目になった。安楽は相変わらず韓燁をもて遊ぶように馴れ馴れしくするが、韓燁は安楽があなどれないと分かっている。「やめないか…いいか、次は牢の中で実践だ」「何よ?触られたから仕返し?」安楽は韓燁を馬車まで見送った。しかし安楽が踏み台で手を貸そうとすると、韓燁は不機嫌そうに歩き始めてしまう。仕方なく安楽は韓燁と一緒に大街を散策することにした。都は3年に1度の会試(カイシ)で書生たちであふれていたが、その時、暴走する馬が現れ、危うく書生が踏みつけられそうになってしまう。韓燁は咄嗟に礫(ツブテ)を投げて馬の方向を変えて助けたが、馬に乗っていたのはあの古斉善だった。書生たちは傍若無人に振る舞う古斉善を糾弾した。しかし古斉善にとって庶民の書生など虫けら同然、たとえ殺しても罪にはならないという。安楽は見過ごすことができなかったが、韓燁は咄嗟に安楽を止めた。「慣れぬ都で敵を作るな」すると古斉善は今回の会試で自分は必ず合格すると豪語し、書生たちに田舎へ帰れと暴言を吐いて行ってしまう。その夜、安楽は護衛の苑書(エンショ)に見張りを頼み、苑琴を連れて翎湘楼(レイショウロウ)に入った。狩りの日から安楽を尾行させていた韓燁は侍従・吉利(キツリ)から報告を受け、早速、弟分の温朔(ウェンショウ)と様子を見に行く。翎湘楼と言えば客が豪遊することで有名な酒楼で、音楽や茶を楽しむにも大金が必要だった。店で一番の売れっ子・琳琅(リンロウ)の名は有名だったが、めったにその顔を拝める者はいない。すると安楽が上階で自分が皇太子妃になれるか、なれないかの賭けに参加していた。韓燁はすぐやめさせろと命じたが、その時、思いがけず洛銘西が現れる。実は洛銘西は店の常連だった。韓燁も洛銘西が酒を楽しむふりをしながら、その実、罪人を力ずくで捕らえていると知っている。これなら自分が出る幕でもないと安堵したが、洛銘西は皇太子の婚姻なら慶事ゆえ参加すると言い出した。「あなたが洛大人?初めまして、任安楽です」「では私は太子妃になれない方に賭けるとしよう」「私は太子妃になる!」これをきっかけに遠巻きだった客たちも賭けに殺到した。困惑する韓燁だったが、その隙に洛銘西と安楽は一緒にどこかへ移動してしまう。つづく(  ̄꒳ ̄)韓燁の口癖″荒唐″は試験に出ます ←嘘ですw
2024.02.06
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安乐传 The Legend Of Anle第1話…嘉昌(カショウ)6年、冬謀反の疑いをかけられた靖安(セイアン)侯・帝永寧(ディエイネイ)は青南(セイナン)山の麓にて8万の大軍を葬り、裁きを恐れて自刎(ジフン)したこれに激怒した嘉昌帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は帝家の九族皆殺しを命じ、その夜、靖安侯府は血の海と化す帝永寧の娘・梓元(ヅユアン)は逃げ惑いながら、一族が無惨に殺されるのを目の当たりにしていたすると回廊でついに忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)に剣を突きつけられてしまうその時、皇太子・韓燁(ハンイェ)が駆けつけた『やめよ!』太祖は遺詔で″帝家の娘を皇太子妃とする″と残していた韓燁はこれを盾に皇帝の勅命を手に入れ、かろうじて梓元の命だけは救うことに成功するしかし梓元は瑇(タイ)山の永寧(エイネイ)寺に幽閉となり、山中で生涯を終えるよう命じられた『梓元、それでも太子妃の座は君のものだ』『…これでもまだ太子妃になれると思うの?』韓燁は屋敷を埋め尽くす亡骸を前に返す言葉もないすると梓元は雪の舞う中、真紅の傘を差して屋敷をあとにした…時は流れ、韓燁は立派な青年になった。今でも変わらない梓元への想い。韓燁は折に触れ瑇山へ贈り物を届けさせていたが、梓元は妃の位を固辞したまま、この10年、礼状の一つも返してくれない。それでも韓燁はまた采薇(サイビ)軒で梓元への贈り物を選んでいた。すると隣の店で大捕物が繰り広げられる。相変わらず罪人に容赦ないのは刑部尚書・洛銘西(ルォミンシー)だった。洛銘西はかつて梓元の侍衛だった。「いくら物を贈っても人の心には及びませぬ」「お前だけは私の純情を承知だろう?」実は韓燁は東騫(トウケン)から来襲した海賊の討伐に名乗りを上げていた。戦功を立てれば皇帝に梓元の下山を願い出ることができるという。「洛銘西…」「洛大人(ダーレン)と」「はお、洛大人、私の戻りが遅かったらこの贈り物を…」「殿下、贈り物の手配なら応じかねます、では」韓燁とは旧知の仲でありながら、洛銘西はどこか他人行儀だった。ここは靖南(セイナン)。豊かな自然に囲まれた安楽寨(アンラクサイ)に鮮やかな真紅の衣をまとった女侠がいた。すると伝書鳩が知らせを運んでくる。(ˇ⊖ˇ)<東風起こる…ピヨ (←違うけどw)「東風が吹けば客人が訪れる…」海賊退治のため、お忍びで靖南に入った韓燁。思いがけず急な雨に降られたが、その時、腕輪の鈴を鳴らしながら石段を降りてくる美しい江湖の娘を見かけた。彼女の赤い傘を見た韓燁は最後に見た梓元の姿が重なり、必ず海賊を追い払って迎えに行くと心に誓う。すると調査のため向かった埠頭で、偶然にも雨宿りしている赤い傘の娘と出くわした。娘は唐突に韓燁の帷帽(イボウ)の中に顔を突っ込み、驚いた韓燁は後ろに下がってしまう。その時、追っ手の声がした。娘は海賊の一味に追われていると話し、半ば強引に韓燁を連れて逃げ出した。やがて雨も上がって快晴となった頃、2人は桟橋に到着する。「姑娘(グーニャン)!もう大丈夫だ、追って来ない」「甘く見ないで、高貴な方は初めての経験でしょうね」その時、また追っ手の声が聞こえた。娘は思わず韓燁を突き飛ばし、抱き合ったまま舟に倒れ込んでやり過ごす。追っ手は寨主に頼まれた役目を演じ、走り去って行った。すると娘は縄を解いて舟を出してしまう。こうして訳が分からぬまま、やけに馴れ馴れしい娘と一緒に海原をさまようことになった韓燁。「急用があり靖南に来た、早く戻らねば…その…姑娘、どうか私に指示を」「凪(ナ)いでる…果たして私の条件に応じるかしら」すると娘はいきなり外衣を脱ぐよう迫った。「帆の代わりにするの、嫌なら私が脱ぐわ」「うわっ!姑娘!慎みを持て!」しかしこれも娘の時間稼ぎ、その時、前方から東騫国の海賊戦隊が現れた。「奴らは凶暴で悪辣だ、姑娘、一刻も早くここを離れよう」「公子、立ち泳ぎはできる?」娘は韓燁を道連れにして海に落ちた。娘と韓燁は転覆した舟の中に隠れた。動揺を隠せない韓燁、すると間近に迫った海賊船がひっくり返った舟を調べ始める。「姑娘、私が敵を引き付ける、逃げろ」「逃げるなら一緒よ、公子、もし生き延びられたらあなたに嫁ぐわ」韓燁はこの状況でも戯言とは恐れ入ったが、その時、海賊が前方から現れた安楽寨の船隊に気づいて舟を諦めた。「公子、約束を忘れないで、生き延びたらあなたに嫁ぐ」すると娘は舟から飛び出し、安楽寨が降ろした縄に捕まって軽々と舞い上がった。娘は華麗な身のこなしで安楽寨の船に飛び乗った。「私は安楽寨寨主・任安楽(レンアンルー)、靖(セイ)国の領土を侵す輩を必ず…必ず…何だっけ? あ、必ず誅(チュウ)せん!」安楽が敵将を一矢で仕留めると、安楽寨の配下が一斉に敵船に乗り込み攻撃した。一方、韓燁もようやく船に上がり海賊討伐に参戦、しかし安楽をかばって肩を負傷してしまう。「アンルーの男を傷つけるとは…」激怒した安楽は剣を投げ、韓燁を傷つけた海賊を一撃で仕留めた。安楽寨は海賊を殲滅、船を全て捕獲した。安楽は嫌がる韓燁の胸を強引にはだけて手当していたが、今頃になってようやく東南水軍がやって来る。すると皇太子に気づいた吉利(キツリ)が大きく手を振りながら叫んだ。「太子殿下ぁぁぁぁぁ~!」韓燁は図らずも素性が知られ、身分を明かすしかない。「私は太子・韓燁だ」「じゃあ命の恩人である私は太子妃になれる?」驚いた韓燁は安楽に感謝しながらも、太子妃は許嫁だと教えた。「他に望みは?」「私が欲しいのはあなただけよ」安楽は韓燁の腰かざりを引き抜き、これが結納品だと迫った。「太子殿下の命を救い、一夜を共にした、殿下の結納品は玉の如意、私の嫁荷は3万の水軍 これで決まりね」「安楽、私がいつ婚姻に応じた?!」「事実はどうあれ証人がいるわ」その時、甲板にいた配下たちが寨主の縁談を祝って声を上げた。東南水軍はようやく追いついたが、安楽は既成事実を作るため、そのまま韓燁を乗せて帰ってしまう。(^ꇴ^)ノ″<明日、安楽寨まで迎えにきて〜!韓燁は無事に帰京、父皇に事情を説明して安楽からの文を渡した。確かに一夜を過ごしたが、あくまで治療のためだったという。安楽は玉の如意と共に、安楽寨3万の水軍の帰順と引き換えに皇太子妃の位が欲しいと嘆願書を託していた。皇帝は失笑したが、どちらにしても皇太子として身を固める時期だという。しかし韓燁は祖父の遺詔に従い、梓元を娶ると譲らない。そこでこの機に乗じて梓元を赦免して欲しいと嘆願したが、皇帝は認めてくれなかった。洛銘西は韓燁に呼ばれて寝殿を訪ねた。すると皇太子はまた梓元の絵を描いている。しかし成長した梓元の顔はまだ描き込めずにいた。「梓元の話はお前にしかできない、10年が経ち、梓元の顔を忘れそうな己が怖い」「背が伸びて記憶とは違う容姿でも…目は変わりません」洛銘西が梓元の目だけ描き込むと、韓燁は確かにこの目だと納得した。春の狩りには皇太子と引き合わせるべく名家の令嬢が招待された。令嬢たちは皇太子に想い人がいると知っていたが、それでも女海賊に負けるのは癪に触る。そんな中、韓燁の侍従で弟分の温朔(ウェンショウ)が女海賊の登場を楽しみに待っていた。実は任安楽の美醜が今日の最大の賭けになっているという。その時、どこからともなく美しい琴の音が響き渡った。温朔は琴を奏でる安楽の侍女・苑琴(エンキン)に一瞬で心を奪われたが、どこの才女なのか分からない。すると真紅の衣をまとった安楽が颯爽と馬を駆けて現れた。安楽は同時に2本の矢を放って鷹を仕留めると、皇太子に献上する。「太子殿下、また会ったわね」温朔は豪快で美しい娘の登場に目を丸くした。「姑娘…君は…」「私はレンアンルー、未来の太子妃よ」つづく( ๑≧ꇴ≦)ランランルー始まった!管理人の適当なルビは無視して、好きな呼び名でどうぞw
2024.01.28
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