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2024.04.12
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第12話「富商の質素な宴」

寧鈺軒(ネイギョクケン)は王錦堯(オウキンギョウ)の誕辰祝いに招かれ、聶桑楡(ニェサンユー)を同行することにした。
聶桑楡は祝宴で化粧品の顧客を開拓しようと念入りに準備。
寧鈺軒は口に出さないものの、美しく着飾った聶桑楡の姿に思わず見とれてしまう。




王家は海坊(カイホウ)一の富商だったが、王錦堯と娘・王月梨(オウゲツリ)は簡素な身なりで、料理も至って質素だった。
確かに稼いではいるが、稼ぎはほとんど民の救済に使っているという。
これも新任の県令を牽制する策だったが、残念ながら今度の県令は一筋縄ではいかない相手だった。
「噂ですが前任は賂を受けたことが露見し、一家3人で崖から飛び降りたとか

 何せ3つの大河が海に流れ込む海坊の地は通商に最適、多くの高官が狙っています
 海坊の利益の大きさは相当なものでしょうから」
「フムフム…で、私が信じると思うか?」
そんな中、聶桑楡は偶然、王月梨の面紗の下からのぞく赤い吹き出物に気づいた。
早速、非晩霜(ヒバンソウ)を贈って顔に塗るよう勧めたが、かえって玉月梨を怒らせてしまう。
すると寧鈺軒は妻が海坊で店を開く予定だと挨拶し、早々に引き上げた。

県衙(ケンガ)に戻った聶桑楡と寧鈺軒は改めて夜食にした。
すると聶桑楡は王老板の倹約が嘘だと指摘、前に座っていた娘の指にはあきらかに指輪の跡が残っており、簡素な衣の袖口からのぞく玉の腕輪には金が施されていたという。
「あの茶番は初めてじゃないはずよ」
「私も同感だ」
寧鈺軒は海坊に表と裏の2つの勢力があると分かった。

「(´゚ω゚):;*.’:;. ブハッ!ちょっと!それなのに連中の前で私の店を宣伝したの?!
 邪魔されるに決まってるわ!」
「海坊には独自の掟ができているはずだ、君を放して混乱させ、相手の出方を見る」
「ほお@うさぎ風」

鬼白(キハク)の配下は王錦堯の使者を追跡したが、都でまかれた。

荒れ寺を襲った刺客もまだ見つからなかったが、鬼白は潜伏期間の長さを考えるとそろそろ姿を現す頃だと期待した。
すると開店準備で慌ただしい聶桑楡がようやく帰宅する。
何でも都の友人・袁朗(エンロウ)の力添えのおかげで数日中にも開店できそうだというのだ。
「(はっ!)まさかその友だちから銀子を借りたのか?」
「そうよ?一緒に商売するの」
何も知らなかった寧鈺軒は反対したが、嫉妬だと悟れないよう理由をこじつけた。
「袁朗とやらと県令夫人が一緒に店を開いて窓口ができる
 袁朗がそなたの名で賄賂を受け取ったらどうなる?
 店は差し押さえ、店長が捕まるんだぞ?!」
そこで自分が銀子を出す代わりに条件があると持ちかけた。
(  ̄꒳ ̄)<やっぱりね~そんなことだろうと思ったわ〜

王家の祝宴の後、名門の令嬢から聶桑楡宛に招待状が殺到していた。
寧鈺軒は全部の屋敷を訪ねて情報を集め、使える者かどうか見分けて欲しいという。
そこで聶桑楡は手始めに王月梨と不仲だという県尉(ケンイ)の娘・黄若雲(コウジャクウン)を訪ねた。
黄若雲と取り巻きたちは噂通り聶桑楡の肌が美しいと絶賛、早速、聶桑楡手作りの非晩霜に食いつく。
その時、突然、王月梨が乗り込んできた。
王月梨は自分が非晩霜を買い占めると宣言、聶桑楡を連れて行こうとする。
すると令嬢たちは王月梨が面紗を外していることに気づき、非晩霜のおかげできれいになったと知った。
令嬢たちは非晩霜の効果を目の当たりにしてさらに興奮し、王月利と黄若雲の間で聶桑楡の取り合いが始まってしまう。

その夜、鬼白は夫人が争いに巻き込まれて足をくじいたと報告した。
寧鈺軒は迎えに行くことにしたが、ちょうど苜蓿(ムーシュ)に支えられながら酔っ払った聶桑楡が帰ってくる。
「売れないからと酒を飲んで何になる?で頼んだ任務は?」
「誰が売れてないって?!ムニャムニャ…」
寧鈺軒は聶桑楡を背負って部屋に送りがてら情報を聞いたが、泥酔した聶桑楡は話にならなかった。

一方、聶桑楡の父・聶向遠(ニェキョウエン)は季銘(キメイ)が18年前に欒(ラン)県を離れて以来、戻っていないと知った。
「今どこで何をしていることか…」
実は季銘は娘の季曼(キマン)を探して都にいた。
しかし都の知人は誰一人、娘の行方を知らないという。
「広い都で探すのは難儀だな…」

聶桑楡は寧府の千怜雪(センレイセキ)に文を送り、海坊の店で帳場を手伝って欲しいと頼んだ。
そして開店前夜、聶桑楡は寧鈺軒と一緒に店の扁額の幕を下ろし、店内を披露する。
寧鈺軒は全て聶桑楡が手がけたと聞いて感心し、これも聶桑楡の努力の賜物だと誉めた。
「ついに開店できる!自分の店を持てたわ~!」
キィャァ〜!‹‹\(´ω` )/››‹‹\(  ´)/››‹‹\( ´ω`)/››

寧鈺軒は聶桑楡に豪華な食事をご馳走した。
すると偶然、袁朗が現れ、水入らずの前祝いを台無しにされてしまう。
袁朗の正体が阿狼(アロウ)とは知らない寧鈺軒、しかしその鋭い目つきにはどこか見覚えがあった。
「聶姑娘、美味い物が好きなら俺が案内するよ」
「夫人、店の料理はうまいが、家の料理は安然だぞ」
( ゚ェ゚)🥩<あぁ?…そうね
「寧大人、若い女子を冷たい屋敷の中に閉じ込めて考えを押し付けるな、そうだろう?」
( '༥' )ŧ‹″ŧ‹″…<あぁ?あ、でも私は何もしなくていいの、家職がいるから快適よ?
「聶姑娘、君のために注文した蝦(エビ)だ
 寧大人?好きな物を求める権利は誰にもある、違うか?」
(^ꇴ^)🦐<エビ美味しい!




聶桑楡は好物を頬張りながら袁朗と商売の話で盛り上がった。
しかしふと気がつくと寧鈺軒の姿がないことに気づく。
その頃、寧鈺軒は楽しそうな聶桑楡の様子に深く傷つき、県衙に帰っていた。
やはり県衙は退屈で自分のそばでは心が寒いのだろうか。
「だったらぬくもりのある場所にすればいい…」
すると聶桑楡が寧鈺軒への差し入れを持って帰ってきた。
すっかりへそを曲げた寧鈺軒は目の前に並んだ豪華な食事を見ても食べなかったが、聶桑楡から嫉妬かと揶揄され、慌てて食べ始める。
「妙なことがあったの、初対面の珍宝閣(チンポウカク)の老板娘に声をかけられてね
 非晩霜を囲い込みたいと言われて、仲良くしましょうだって
 どう考えても妙だと思わない?なぜ私のことを知っていたのかしら?」
「…鬼白、珍宝閣を探れ」
「ねえ、私の聡明さはあなたの役に立ってない?」
「ぅん」
「あ、そう言えば珍宝閣を出ると向かいは屋敷の裏庭で、高価な花ばかりが植えてあったの
 それはもうすごい良い香りだったわ!
 店を出ると花の香りが出迎える、そよ風が吹くと極楽気分よ!」

つづく


( ゚ェ゚)侯爺、もう完全に落ちてますやんw





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最終更新日  2024.04.14 00:21:25
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