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風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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梦回 dreaming back to the qing dynasty最終話「時を超えた想い」時空の歪みから300年前の清朝にタイムスリップした徐薔薇(ジョショウビ)。そこで現代につながる因縁を解き明かし、雅拉爾塔(ヤラルタ)茗薇(メイビ)としての生を終えてついに現代に戻った。現代では薔薇のプロジェクトを引き継いだ蒋茗蕙(ショウメイケイ)が窮地に追い込まれていた。茗蕙が任されてからと言うもの問題が山積、貝(バイ)先生はいよいよ行き詰まったプロジェクトの中止を決める。「君が解決できないならあきらめるしかないな」プロジェクトのテーマは″古代建築様式の再現と現代建築技術の融合″、鉄筋コンクリートでは古風な雰囲気を損なってしまうという。そこへ突然、欠勤していた薔薇が現れた。発案者だった薔薇は現代の建築資材は使うつもりはなかったと説明し、木組みの木造建築を提案する。茗蕙は木組みでは耐荷重に限界があると呆れたが、薔薇には奇策があった。木組みの弱点は継ぎ目の強度、そこでつなぎ目だけに金属を使って補強すれば、外見だけは伝統的な木造の木組みになるという。「伝統だけにこだわっていては挑戦できません、伝統的な建築は新たな資材でも可能です」「なるほど、小薇の発想は柔軟だ」貝先生は薔薇の案を承認し、茗蕙にプロジェクトを進めるよう命じた。薔薇と茗蕙は社長室を出た。すると茗蕙はなぜ立場を追われた薔薇が自分に助け船を出したのか訝しむ。しかし薔薇はあくまで自分のためだと笑って去って行った。カフェのテラス、小秋(ショウシュウ)は新しい恋人を紹介しようと薔薇をデートの待ち合わせ場所に呼んでいた。「ええーっ?!あの意地悪な女を助けたの?!」「でも助言したら何だか心が軽くなったわ」「お人好しの小薇っ!」すると突然、カフェの店員や客たちによるフラッシュモブが始まった。困惑する薔薇と小秋を横目に次々に人が集まりダンス、そこへ第二皇子・胤礽(インジョウ)によく似た恋人が登場する。実は恋人が小秋へのサプライズプロポーズを計画していたのだ。薔薇は婚約指輪を受け取った小秋の幸せそうな笑顔を眺めながら、清朝で結ばれなかった皇太子と小春(ショウシュン)の悲恋が現代で叶った奇跡に感激する。…胤祥(インショウ)、私たちもまた会える?…薔薇は胤祥が恋しくなり、その足で紫禁城にやって来た。…全てここから始まった、答えが見つかるかもしれない…そこで老婦人と出会った寝殿を訪ねてみたが、部屋はすっかり寂れ、暗闇の中にほこりを被った灯籠が放置されている。…何もかも終わったのね、もう戻れない、あなたも現れない…薔薇は心機一転、翌朝からオフィスに出勤した。「ただいま!」休暇から元気に戻った小薇を暖かく迎える同僚たち、その中には小魚と瓜二つの同僚・小冰(ショウヒョウ)もいる。そこへ茗蕙が現れた。茗蕙は皆に仕事に戻るよう命じたが、これまでと違って険がない。「小薇、あなたも仕事に戻って、しっかりね」「はいっ!」薔薇が過去の怨讐を解決したお陰なのか、茗蕙とのわだかまりは不思議と消えていた。するとちょうど茗蕙のスマホに来客の連絡が入り、嬉しそうに出かけて行ってしまう。薔薇は初めて見る茗蕙の表情に驚いていると、小冰がその理由を教えてくれた。「また″あの人″が来たのよ」「あの人って?」そこで小冰は薔薇を連れて受付を見に行った。「(ほらあの人…)少し前、ある会社とトラブルがあったの 問題は解決したんだけど、あの2人はいまだにもめてる…」薔薇は男性の背中しか見えず、目を凝らした。確かに2人は口喧嘩していながら、なぜか楽しそうに見える。すると茗蕙と男性が下のカフェに移動することになり、ふいに男性が席を立った。薔薇はようやく男性の顔を確認したが、驚いたことに十四皇子とそっくりだと知る。…縁は偶然が生む最大の恵みなのかも…薔薇は前世から続く不思議な縁を目の当たりにし、再び紫禁城に足を運んだ。…果てしない空の下で行き交う人の波間は、さまざまな謎と神秘に満ちている…あの出来事で私は真心の大切さを知ったしかし城楼から美しい夕日を眺めていると、ふいに感傷的になってしまう。…だけど胤祥、元気でいるかしら?…あなたに会いたい薔薇は世界建築設計賞の建築設計部門で金賞を受賞した。授賞式には茗蕙が代理で登場、するとスピーチで急に薔薇が嫌いだったと発言する。会場は騒然となったが、茗蕙は素直に薔薇の才能に嫉妬していたと続けた。「そのせいで過ちを犯しました 小薇が言うには誰もが己の人生の設計士、どう生きるかは自分次第なのだと… 数々の経験からやっと私も悟りました、ここで今まで傷つけた人たちにお詫びしたいと思います そして小薇には感謝を…」薔薇の受賞作は故宮の伝統と平行する時空に着目、薔薇いわく、いつの時代も人が生きる道は無数にあり、勇気を出して扉を開けば必ず前に進める、そして途中でさまざまな出会いを経て、人は幸福に辿り着くのだという。その頃、薔薇は胤祥の面影を求め、故宮の杏の木をながめていた。あの時、胤祥の協力で完成した設計図が実際に建築となり賞までもらえるとは感慨深い。…この受賞作はあなたへの贈り物よ…薔薇はふと十三皇子が″自分の望みは愛する人と生涯を共にすることだ″と言っていたことを思い出した。『いつか私がいなくなったらどうする?』『君を離さない』『どうにもならないこともあるのよ?だから…』『ならどこまでも探しに行って君を見つけ出すよ』その時、急に冷たい風が吹き抜け、激しい雨になった。観光客たちは慌てて走って行ったが、薔薇は運良く携帯していた折り畳み傘を広げる。すると雨で木の根元の土が流れ、その下に埋まっていた小瓶が現れた。薔薇は思わず勝手に掘り出してみると、瓶の中から手紙を発見する。…小薇、元の世界に戻ったかい?離れ離れになっても私との約束を忘れるな…2人で旅をして美しい景色を見る、この約束が君への贈り物だ、必ずまた会おう茗薇が去った清朝…胤祥は茗薇との再会を信じ、杏の木の下に手紙を埋めた…小薇、ここが2人の出発点だ、次の場所で待ってる一方、死罪を免れた茗蕙は人里離れた山の中でひっそりと暮らしていたするとまだ幼い息子が小鳥を捕まえて戻って来る『春児(シュンジ)、小鳥にも娘亲がいて、私と同じようにこの子の帰りを待っているのよ?』『でも…つつかれて痛かったんだ、許せないよ』茗蕙は自分が恨みにとらわれ、多くの過ちを犯してきたことを思い出した『春児、万物には魂があるの、思いやりを忘れないで、何があろうと相手を憎んではダメよ 許すことを覚えてね…』そこで茗蕙は息子と一緒に小鳥を放してやった『額娘、これで小鳥も娘亲のところへ帰れるね…あ!阿瑪(アーマー)!お帰り!』十四皇子は駆けて来た我が子を抱き上げ、道すがら摘んだ花を妻に贈った十三皇子は皇兄に朝廷から身を引いて旅に出たいと申し出た雍正(ヨウセイ)帝は腹心である十三弟と離れがたかったが、引き止めることができない『お前の気持ちもわかる…熟慮の末なら止めはしない』『謝謝…四哥』すると皇帝は去って行く十三弟に思わず声をかけた『四哥はここで待っているぞ』薔薇は思いがけず胤祥からの手紙を受け取り、思い出の場所を巡る旅に出た。今日は馬を引いて湖へ、するとあの時と同じように鷹が青空を旋回している。薔薇は思わず指笛を鳴らして合図すると、すぐそばで指笛を吹く胤祥の姿が目に浮かんだ。「胤祥、美しい景色をありがとう」こうして懐かしい場所を訪れては記念に写真を残す。すると次の手紙にはいよいよ最終目的地が書いてあった。…川西(センセイ)高原の夕陽の下で君を待っているよ…薔薇は高原へ向かう途中、ふもとの観光地を訪ねた。するとある店で偶然、思い出の灯籠を見かける。驚いた薔薇は店に入ってみると、ちょうど店主が灯籠を作っていた。聞いてみれば店主の家に伝わる工芸品で300年もの歴史があるという。店主の祖父の話では清朝の皇族が旅の途中に初代に作り方を教え、それが代々伝わっていた。「清朝の皇族?…誰ですか?!」「名は告げずに立ち去ったそうです、幸せな日々を灯籠に描き、いつまでも消えぬ思い出にと…」それは間違いなく胤祥だった。茗薇は高原に到着し、眼下に広がる美しい景色に息をのんだ。そして大きな岩に腰を下ろし、最後の手紙を取り出してみる。…小薇、ついに来たんだね?夕映が美しいだろう?…君と一緒に美しい山河や朝陽、夕陽を眺める…時空に隔てられていても、運命の出会いに感謝するよ…だが君との旅もここまでだ…草原の星空や川西の灯籠、すべて私からの贈り物だ…これが最後の文になるかもしれないが、私たちの遊びはまだ終わらない…胤祥しかし薔薇は日付を見て愕然となり、涙があふれ出した。「雍正…8年…5月4日…胤祥が亡くなった日だわ…あまりにも早すぎる…」…馬鹿だな、泣くな…時空の歪みのおかげで君と出会えた、これこそ最高の贈り物だ…私はずっと君のそばにいる…だから私と約束してくれ、しっかり生きると…きっといつかまた会える…待っていてくれ薔薇はふとすぐそばに胤祥の存在を感じた。「胤祥?…胤祥?!」しかしどんなに探しても胤祥の姿はない…。薔薇はひとしきり泣いた後、高原をあとにした。ふもとまで続く曲がりくねった坂道には人影もなく、行き交う車もない。するとしばらくして薔薇はヒッチハイカーに気づき、車を止めた。「寒かった!雨が降りそうだ!」ヒッチハイカーの男はやけに馴れ馴れしく車に乗り込んだ。「君も1人?」「うん」「1人でこの道は危険だろ?…俺が付き合うよ!」男はサングラスを外してそう言った。それまでうつむき加減だった薔薇はふと顔を上げて男を見ると、急に笑顔になる。実はヒッチハイカーは胤祥とうり二つだった。「さあ!行こう!」すると彼がはめていた腕輪の紅玉がキラリと光った。完・:*+.\(( °ω° ))/.:+ 反省会場はこちらで〜すwww敗因は九皇奪嫡という有名な史実を盛大な姉妹喧嘩にすり替えたせいか?はたまた衣装や所作をこなせないキャストを選んだせいなのか?結局「宮廷の茗薇」と言うより「黒幕の茗蕙」でしたねそれでも終わり良ければすべて良し有り得ないと分かっていても、300年前の手紙を見つけながら思い出の旅なんてロマンチック♡でもじぇじぇが心を入れ替えられたのって、茗薇が急死したからだよね?(←水差すなw
2021.04.14
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第39話「さよなら、胤祥」寝所で茗薇(メイビ)が急に飛び起きた。隣で寝ていた十三皇子はふと目を覚まし、悪夢でも見たのかとなだめる。「夢の中で茗蕙(メイケイ)が私に死ねと言うの…」「すべては終わった、茗蕙は罰される、もう案ずるな」十三皇子は皇兄の政務の補佐で忙しく、茗薇を放っておいたことを反省した。茗薇に無理がたたっているのも宮中の生活が原因だろう。十三皇子は新帝の朝政が落ち着いたら都を離れるつもりだと言ったが、茗薇は茗蕙との恩讐がまだ終わっていない気がしていた。翌日、茗薇は茗蕙に面会し、自分への憎悪の理由を聞いた。すると茗蕙は長女でも庶出である自分と正室の子である茗薇とでは扱いに雲泥の差があったという。嫡子というだけでお姫様のように誰からも愛され、大切にされて育った茗薇、一方で茗蕙はまるで存在しないように差別されていた。「あなたがこの世にいる限り、私は何者でもない…」しかし茗薇は何の落ち度もなく殺された人がいると追求する。茗蕙は元青(ゲンセイ)のことだと気づき、駆け落ちを土壇場で断った薄情な男など死ぬべきだと言い放った。「あなたの阿娘は我が子ばかり大事にして、私は雑草以下の卑しい存在だった! あの人が憎くて仕方がなかったの!」「私と親しい人たちも陥れたわ!」「私が陥れた?笑わせないで…皆あなたのせいでとばっちりを受けたのよ 十三爺、趙鳳初(チョウホウショ)、七香(シチキョウ)、四福晋(フジン)もそうよ あなたを助ける者は死ねば良い!元凶はあなたよっ!」茗薇は勝手な言い分にカッとなり、思わず茗蕙の首に手をかけてかんざしを抜いてしまう。すると茗蕙は自分を殺せと迫り、茗薇の腕をつかんでかんざしを自分に刺そうとした。急に恐ろしくなった茗薇は慌てて手を離すと、茗蕙が急にえずき始める。茗薇は茗蕙が身ごもっていると気づき、このまま十四皇子にも知らせず、子供まで道連れにするつもりかと驚愕した。しかし茗蕙は自分を裏切った十四皇子とは無関係だと開き直り、子供に自分と同じ悲劇的な人生を歩ませたくないという。「だから私とこの子を一緒に殺して!…憐れみはいらない!」親となっても憎しみを手放せない茗蕙、茗薇はさすがに愛想を尽かし、そこで帰ることにした。その時、茗蕙が悔し紛れに暴言を浴びせる。「あなたは命を狙われている、どうせ私が死んでも命の危険は続くわ!」茗薇がしょんぼり御花園を歩いていると、偶然、納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)と出くわした。そこで蓉月は茗薇をお茶に誘う。実は先帝の崩御で子のない妃嬪たちは本来、尼寺に送られるが、皇太后の厚情により叔母と一緒に残れることになったという。「良かったわね」「私、前はあなたに意地悪したのに…」「でも私を助けてくれた、あなたが幸せなら嬉しいわ」すると茗薇は茗蕙と面会したと話した。「悪人だけど可哀想な人なの、復讐にとらわれ、情に目もくれず、恨みで自分を縛っていた」蓉月はお人好し過ぎると痛い目に遭うと警告したが、茗薇は後宮では誰もが茗蕙と同じように自分を見失ってしまうと指摘する。耳が痛い蓉月だったが、ふと思い出して叔母からもらった茶を勧めた。「安神(アンシン)茶よ、飲むと落ち着くの…」茗薇は蓉月と別れ、皇太后へ挨拶にやって来た。すると皇太后は全て茗蕙の仕業だとも知らず、茗薇を非難して来たと過ちを認める。しかし茗薇は皇太后も先帝と同じように兄弟の反目を恐れていたと察し、君主と国母が親である前に天下や民を思うのは当然だと理解を示した。皇太后は道理をわきまえた茗薇に安堵し、自ら香炉に小さな袋を入れる。「白檀よ、皇上がお嫌いゆえ、哀家(アイジィァ)もずっと使っていなかったの…」茗薇はふと宮女だった頃、四皇子が白檀の香りで咳き込んだことを思い出した。「魚寧(ユーニン)…哀家を恨まないでね」慈寧(ジネイ)宮をあとにした徐薔薇(ジョショウビ)は、道すがら自分がなぜ紫禁城を好きなのか気づいた。現代にいた頃は建築が理由だと思っていたが、今なら分かる。それはここで生きた人たちだ。四皇子は茗薇を殺そうとしたこともあったが、十三弟のために茗薇を諦めて礼節を守った。無情に見えても本当は天下と兄弟を思う情け深い皇帝…。そして十三皇子は帝王の資質と風格を持ち合わせながら、四兄を支える道を選んだ。きっとその方が自由に生きられるからだろう。十四皇子は尊大で四兄や十三兄と張り合う実力があったが、他人の物は欲しくないという理由で御膳立てされた皇位をつかまなかった。薔薇は自分のこの目で見て来た彼らこそ、数百年語り継がれて来た紫禁城の伝説であり、魂なのだと実感する。…私はその中に身を置き、歴史を変えず、1人の観客として見て来た…彼らの生き様を感じ、歴史の匂いを嗅いだわ…ここにも生があり死があり、涙と笑いがあった、そして悲劇と夢も…それこそが時代や王朝が変わっても、変わらぬ人の情なのね茗蕙の処刑の日となった。すると刑場に皇帝ではなく十四皇子が現れる。茗蕙は皇位を譲っただけでなく、妻殺しの汚名まで着るのかと驚き、皇帝が十四皇子を破滅させるつもりだと憤った。そこで十四皇子は皇帝が執行を任せた意図は別にあると教えたが、茗蕙は皇帝の見事な計略だと冷笑する。十四皇子は茗蕙の頭の中にあるのは結局、蔑まれた日々への恨みつらみしかないと確信し、執行の札を握りしめた。実は雍正(ヨウセイ)帝は十四皇子を呼び、茗蕙を救う機会を与えていた。同腹の兄弟ながら馬が合わなかった十四弟、しかし謀反の日に争っていたら、今ここに座っているのは十四弟だったろう。『十四弟、茗蕙を愛し始めていたのだろう?茗蕙もお前に尽くしていた、死罪だが酌量の余地はある あの者を殺すべきかどうか、お前に決定を委ねよう』十四皇子は皇帝の情けを無下にした茗蕙を見限り、ついに執行の札を投げた。無常にも転がり落ちる札に茗蕙は覚悟を決める。しかし処刑人が刀を振り上げたまさにその時、突然、皇帝が十三皇子と茗薇を連れて現れた。茗薇は茗蕙が身ごもっていると教え、助命を嘆願した。しかし茗蕙は否定し、茗薇からの同情に耐えられず死を望む。寝耳に水だった十四皇子は本当かと聞いたが、茗蕙は黙ったままだった。「少しは私に情があると思ったが、どうやら…」「あるわ、あるけど… 私が先帝を殺したと思っているんでしょう?だったら私の子など要らないのよね?!」「聞きもしないで、なぜ要らぬと分かるんだ?!」すると皇帝は茗蕙に陥れられた茗薇が命乞いするのも何とも不思議な話だと漏らした。茗薇は憎しみにとらわれた人間は目が曇って苦痛と怒りから抜け出せなくなると話し、茗蕙を許すことで自分も解放されるという。そこで皇帝は十四皇子に再度、茗蕙を生かすか殺すか決めるよう命じたが、十四皇子は判断に迷った。茗薇は子供のために過去を捨て真っ当に生きてほしいと願ったが、その言葉はかえって茗蕙を惨めにし、頑なにしてしまう。「なぜ来たのっ?!そう、私をあざ笑うためよね?!茗薇…全部あなたのせいよ! 全てがあなたのせいなのよーっ!私の一生がお笑い種だと言いたいのーっ?!」茗薇に八つ当たりして泣きじゃくる茗蕙、その時、茗薇が突然、倒れてしまう。徳妃は太貴妃の尼寺行きを見逃す代わりにある条件を出していた。そこで太貴妃は茗薇との関係が良好な蓉月に安神茶を渡し、悩みの絶えない十三福晋に差し入れるよう勧める。蓉月は何も知らず茗薇と一緒に安神茶を飲んだが、なぜか無事だった。茗薇はすぐ帥府園(スイフエン)に運ばれ、太医の診察を受けた。太医によると十三福晋は猛毒に犯されており、すでに手の施しようがないという。実は安神茶だけなら毒性はなかったが、徳妃が焚いた白檀の香と合わせることで猛毒になるよう仕組まれていた。皇帝は茗蕙の仕業だと思い込み激怒、即刻、死罪だと息巻いたが、茗薇が止める。「皇上…どうか茗蕙を殺さないでください…因縁が残ってしまう… 茗蕙を許してこそ…この恩讐が終わるのです…それが正しい決断です」すると茗薇は疲れたと言って十三皇子の胸の中で眠り始めた。その夜、胤祥(インショウ)は茗薇を腕に抱き、最後の時間を思い出の杏の木の下で過ごした。「今生だけじゃない、君と私は来世でも来来世でも永遠に一緒なんだ」「…私に会いに来てね」すると茗薇の死期を悟ったように、書斎に飾った灯籠が自然と灯って回り始めた。「小薇…行かないでくれ」茗薇は胤祥の涙をぬぐい、泣いてはだめだという。「泣き顔は見たくない… 全力で頑張るあなたの姿が一番、好きよ…だから約束して…しっかり生きていくと…」「分かったよ、約束する、必ず君の望み通りにする…」そこで茗薇は胤祥の口元を抑え、笑顔を作った。「クスッ、その笑顔でいて…安心して…だって私は…私は家に帰るだけだもの… でも信じてる…あなたは必ず私を見つけてくれるって…待ってる、会えるまでずっと…」「会いに行くよ、必ず君を見つける」「胤祥…あなたが植えた杏の花…いい香りがする…」それが茗薇の最後の言葉となった。薔薇はふと目を覚ました。…ここはどこ?(はっ)私の部屋だわ…驚いた薔薇はベッドを飛び出し、ロフトから駆け降りたが、あの灯籠は消えていた。「胤祥!胤祥?!」愛する胤祥と過ごした日々は夢だったのか。胤祥の顔も声もすぐそばに感じていたのに、気がつけば愛する人の姿はどこにもなかった。薔薇は久しぶりに紫禁城へ出かけた。史実は何も変わっておらず、愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥は十三皇子で和碩怡(ワセキイ)王、正福晋は兆佳(ジョーギャ)氏で尚書・馬爾漢(マルハン)の娘となっている。しかし茗薇はまるで存在していなかったかのように痕跡が残っていなかった。…でもこれが一番いい結果のはずね…一方、茗薇を失った十三皇子は宮中を去ることに決めた。順児(ジュンジ)は新帝の即位後すぐに旅に出るのはどうかと心配したが、十三皇子は自分がいなくても皇帝は大丈夫だという。「小薇が待ってる…」薔薇は紫禁城の広場を懐かしそうに歩いた。…胤祥、そっちで元気にしている?…2人は時空を越え、ちょうど同じ石畳ですれ違う…。つづく( ;∀;)うわっ、片尾曲ってこの場面を歌っていたのねまさかここにきてホロリと来ちゃうなんて…でも茗薇がじぇじぇを許しても、じぇじぇの怨讐は解けてないよね?wいや〜ここに来てこんな深い話?( ̄▽ ̄;)
2021.04.12
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第38話「雍正帝」茗薇(メイビ)を拉致したのは十四皇子だった。困惑する茗薇だったが、これも茗蕙(メイケイ)の刺客から茗薇を守るためだという。十四皇子は茗薇を騙したことを後悔し、信頼を取り戻したいと訴えた。「ここを動くな、何が起きても決して出てはならぬ」すると十四皇子は全て終わらせると言い残し、出て行った。驚いた茗薇は慌てて追いかけたが、目の前で戸は固く閉ざされてしまう。その頃、四皇子は十三皇子と乾清(ケンセイ)宮の前で反乱軍を待ち構えていた。戦が始まれば十四弟との兄弟の絆も、母との縁も切れることになるだろう。それでも父との約束や人としての道理は守らねばならない。四皇子の決意は固かったが、自分に勝ち目がないことも分かっていた。「十三弟、お前がいてくれるだけで十分だ」ガシッ!(๑•̀ㅂ•́)و✧<譲れない戦いがある!紫禁城に八皇子たち率いる反乱軍が雪崩れ込んだ。反乱軍は禁衛軍をなぎ倒しながら、ついに四皇子と十三皇子を乾清宮へ追い詰める。「四哥、抵抗はあきらめて降参せよ!」八皇子たちは十三皇子を巻き込むべきではないと説得したが、十三皇子は四兄と生死と進退を共にすると退かなかった。「はお、ならば手加減せぬが恨むでないぞ」しかし四皇子が急に剣を納め、どうやら八皇子の仕組んだ策も潰えるようだという。そこに現れたのは遅れて到着した十四皇子だった。十四皇子は兵に剣を下ろすよう号令した。「八哥、皇位争いよりも大事なことがあるのです…どうかお許しを」すると十四皇子は四兄の前に出た。「私、胤禵(インテイ)は皇阿瑪の遺詔にのっとり、四哥を新帝に奉じます」十四皇子は八皇子たちが呆然とする中、兵符を返還してしまう。「十三哥…私との約束を忘れるなよ」実は前夜、十四皇子は軍営に十三皇子を呼び出していた…『小薇が訪ねて来た』『知っている、兄弟で争わせたくないそうだ』十四皇子はなぜ2人がそこまで四兄を信じ切れるのか理解できなかったしかし十三皇子は雪の日に四兄が助けてくれた時から、人の良心を信じているという『良心か…』十四皇子は実は全て茗蕙の策だと気づいていながら認めたくなかったと明かした確かに皇位は欲しいが父が自分を選ばなかったのは事実、嘘で手に入れても自己満足に過ぎない十四皇子は他人の物を横取りしたところで無意味なだけだと気づいた『ふっ、どうしたんだ?私の知っている十四弟とは思えぬ台詞だな』『十三哥…お前は本当の私など知らぬのでは?』『そうだな、知ろうともしなかった、では明日の戦は…』『戦うべきだ、戦ってこそ四哥は正当に即位できる』そこで十四皇子は皇位をあきらめる条件として、八皇子たちを見逃して欲しいと頼んだ…こうして戦いは終わった。李(リ)太監は先帝の遺詔を公表、四皇子雍正(ヨウセイ)王胤禛(インシン)が世継ぎであると宣言する。一方、監禁された茗薇は外の状況が分からず悶々としていた。しかし突然、戸が開いて眩しい光と共に十三皇子が現れる。「帰ろう、終わったよ、全て終わったんだ、行こう!」茗薇は十三皇子の無事な姿に安堵し、思わず抱きついた。その夜、茗蕙は着飾って十四皇子の帰りを待っていた。すると家職が主を出迎える声が聞こえる。茗蕙は喜び勇んで飛び出したが、寝殿に入って来た十四皇子はなぜか申し訳なさそうに茗蕙を抱きしめた。「…勝敗の結果は?」「小薇に放った刺客からまだ報告がないんだろう?気がかりではないのか?」「私はただ勝敗が知りたいだけよ、教えて」「…君の心には勝ち負けしかないのか?」十四皇子は愛想を尽かし、他人の物など欲しくないと言い放った。その言葉で茗蕙は十四皇子が負けを喫し、自らあきらめたのだと気づく。なんと滑稽なのか。これまで十四皇子を即位させるべく尽力してきたが、2人で一緒に描いた夢がただの笑い話に終わるとは…。「君はまだ分からないのか?」「いいえ、あなたこそ分かっていない!」茗薇と十三皇子が十四皇子府に到着した。十四皇子は茗蕙を逃がすことにしたが、茗蕙は十四皇子の手を振り払う。「私は全てを失った…十四爺、私にどこへ行けというの?」すると茗蕙は覚悟を決めて跪拝した。「爺…保重」外は冷たい雪になった。寝殿を出た茗蕙は回廊の途中でちょうど茗薇たちと出くわす。「まさか最後に会うのがあなただったなんて…」十四皇子は茗蕙の背中を呆然と眺めながら、込み上げる涙を必死にこらえていた。先帝の27日間の服喪が終わり、新帝の即位が布告された。雍正帝はまず先帝崩御の真相を究明するため、茗蕙を自ら審問すると決める。こうして収監されていた茗蕙は乾清宮へ連行され、茗薇と十三皇子、十四皇子が立ち会った。しかし茗蕙は遺詔の改ざんだけは認めたものの、先帝を殺めてはいないと否定する。もはや皇帝も十四皇子も信じてはくれなかったが、その時、茗薇が重い口を開いた。「じゃあ話して、あの日、寝殿で何が起きたの?」「ふっ、まさかあなただけが耳を傾けてくれるなんてね…」茗蕙は先帝が自分を呼び出したのは毒薬を賜るためだったと語った。…あの夜、茗蕙は康熙(コウキ)帝の命で密かに寝殿に入ったすると皇帝は初めから茗蕙の悪事を全て知っていたという皇太子と妃嬪の密通を知り、これを利用して皇太子を陥れたこと十四皇子を惑わせ、皇太子を呪った罪を十三皇子に着せたことさらに巧言を弄して自分を娶るよう十四皇子を追い込んだこと貝勒(ベイレ)が自害するよう仕向け、百官の怒りをあおったことそして十三皇子の怪我も四皇子と茗薇の醜聞も、全て茗蕙が仕組んだことだと知っていた『朕が気づいておらぬと思ったか?そちより優れた者は誰もおらぬと?』実は十三皇子から進言があり、皇帝は茗薇を巡る皇子たちの争いが起きる前から茗蕙に着目していた当初は貴妃たちの争いをあおるだけだったため、後宮のことゆえ口出ししなかったというしかし八皇子をそそのかし、十四皇子を利用し、兄弟を対立させて争わせたことが皇帝の逆鱗に触れた『もはや許しておくことはできぬ』すると茗蕙は反省するどころか、審理もせずに罰したと知れば十四皇子がどう思うかと脅した皇帝はこの期に及んで取引きを仕掛けて来た茗蕙に呆れ、さすが八皇子の軍師だけあると冷笑する確かに兵権は十四皇子の手中にあり、福晋の身に何かが起きれば自分に刃を向ける可能性もある『だがどうだ?今日、そちをここへ呼んだことを知る者はおらぬ 己の妻の死に様を胤禵(インテイ)が知ることは永遠になかろうな』驚いた茗蕙は十四皇子が茗薇に執着するため排除したかったと訴え、何もかも十四皇子の心を得るためだったと泣きついた『どうかお命だけはお助けを…』『ゴホゴホッ…嫉妬深いだけなら許してやってもよい、だがそちの犯した罪は万死に値する』皇帝は毒薬を用意してあるため、直ちに受け取れと命じた茗蕙は皇帝から死を賜り、不満だったそこで以前、皇帝が茗薇を排除しようとしたことを思い出し、自分も皇帝の手伝いをしたに過ぎないと屁理屈を言うそもそも後継者争いに呪詛や簒奪など無関係、帝位は有能な者が継ぐべきだ『胤禵の邪魔者を取り除けるのは私しかいないのです!その私を殺すとおっしゃるの?! そんなの老ぼれのたわ言よっ!』茗蕙の不遜な態度に皇帝は憤怒し、そのせいで激しく喀血した驚いた茗蕙は慌てて薬を飲ませようとしたが、皇帝は咳き込んで吐き出してしまうそこでひとまず皇帝を寝かせて侍医を呼びに行こうとしたが、その時、皇帝の息がないことに気づいた茗蕙は皇帝の崩御を確認し、呆然となったしかし思わぬ事態に動揺しながらも、遺詔を確認しようと思い立つ実はそこで立ち上がる時、茗蕙は先帝の血が着いた手で寝台を触っていた遺詔には四皇子が世継ぎとあったその時、寝殿に近づいて来る足音が聞こえる茗蕙は咄嗟に遺詔にある″四皇子″の上の文字に血を垂らし、慌てて逃げた…「私は先帝を殺めてなどいない!人心を操っただけよ!」しかしもはや誰も言い分を信じてくれず、皇帝は茗蕙に死罪を言い渡した。さらに十四福晋の位を廃され、皇族系譜より除名されてしまう。茗蕙は納得できなかったが、何より十四皇子に憤った。「あなたが私を裏切った時から死は覚悟していた 徳妃は皇上と十三皇子の絆を見誤ったけど、私はあなたの茗薇への情を見誤ったのね…」「…私が欲しいのは自分で手に入れた物だけだ」「だから…私に死ねというの?!」すると茗蕙はふと納得したように小さく頷いた。結局、この婚姻もただの同盟関係に過ぎなかったのだろう。十四皇子は牢獄の茗蕙を訪ねた。「まだ私を疑っているの?」「どうやって君を信じろと?」するとやけになった茗蕙は先帝を殺めたのは自分だと認めた。十四皇子は反省するどころか開き直った茗蕙に落胆し、紫禁城の恐ろしさが分かっていないと叱る。茗蕙は人を操っているつもりで深みにはまり、実は政権争いの生贄に過ぎず、ただ利用されただけなのだ。「私は欲望に呑み込まれそうな君を守ろうとして来た しかし君は気にも留めず、悔い改めることもせぬ…」「あなたを買いかぶっていた、私と一緒に死力を尽くして皇位を奪ってくれると思っていたのに… それが小薇の一言であなたは裏切った」十四皇子は首を横に振ると、茗蕙の隣に座って手を握った。「なぜ君を娶り、許し続けたと思う?なぜ救い続けたと?…私の想いがまだ分からぬのか?」「まさか…あなたは本気で…本気で私を?!」すると十四皇子はいきなり手を振り払った。「もう遅い、全て手遅れだ…父を殺めた者を許すことはできない」十四皇子は茗蕙を見限って帰って行った。復讐にとらわれた茗蕙はようやく目が覚めたが、大切な物を失ったと気づく。一方、雍正帝は長春(チョウシュン)宮に母を訪ねていた。そこで父の崩御と遺詔について調べが終わり、全て十四福晋の仕業だったと報告する。皇太后に異論はなかったが、今後は自ら足を運ばずに使いを寄越してくれと冷たかった。「太后に伺いたいことが…先帝は崩御される前に何か言い残したことが? 十三福晋に殺意を抱くような出来事でもありましたか?」皇帝は真相が解明された今、茗薇を見逃してやって欲しいと頼んだ。すると皇太后は天下を得た帝王が愛する女を諦められるだろうかと訝しむ。「諦められます」「皇帝の口から出た言葉は2度と覆せないいのよ? お前は四阿哥ではない、天下に君臨する皇帝なのだから…」「太后、ご安心ください、口に出した言葉を覆しはしません」つづく∩(´・ω・`)つ―*’``*:.。. .。.:*・゜゚・* もうどうにでもな~れ ♪
2021.04.09
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第37話「証拠探し」徳(トク)妃は四皇子を呼び出し、皇位を十四皇子に譲るよう命じた。すると四皇子は最後にもう一度だけ自分を信じてくれないのか聞いてみる。徳妃が即答できず黙っていると、四皇子はやはり母も父を殺したのが自分だと思っていると確信した。「皇位は譲りません」「譲らぬのなら兄弟の間で戦になるのよ?額娘に骨肉の争いを見せるつもり?!」「母を同じくする弟、私を産んだ母、血を分けた親兄弟から皇位簒奪を謀ったと疑われたのです 今さら肉親の情に訴えても無駄です!」四皇子は父の遺詔により大清の国土も皇位も自分のもだと主張し、茗薇(メイビ)も殺さないと拒否して帰って行った。徳妃は息子同士の対立に苦しみ、寝宮で仏壇に手を合わせていた。すると茗蕙(メイケイ)がやって来る。茗蕙の工作もあと一押し、そこで四皇子の簒奪も茗薇のためだったと吹き込み、兄弟の争いを避けるためには茗薇を排除するしかないと進言した。しかしここに来て徳妃から思わぬ逆襲に遭う。「どうしても茗薇を災いの元凶にしたいようね…知っているのよ? あなたが企んだ陰謀について問いただす気はないわ、でも貴妃との結託を私が知らないとでも?」驚いた茗蕙はその場にひざまずき、これも胤禵(インテイ)のためだと訴えた。遺詔が偽物だと公表すれば胤禵が正当な後継者になれるが、徳妃が発表すれば四皇子との関係に亀裂が入ると心配になって貴妃に頼んだという。徳妃は胤禵を想うがゆえの行動だったと納得したが、今後は勝手な真似をするなと釘を刺した。「でもあなたの言葉ももっともね、古来より女は災いの種とか…小薇が災いならやはり排除せねば」すると茗蕙は自分が手伝うと申し出た。その夜、十三皇子が書斎へ向かうと茗薇がいた。「小薇、なぜ誓いの品を眺めている?」「偶然、手に入れた灯籠が時空を越えるきっかけになったの でも四哥の即位は史実なのに、私のせいで紆余曲折が生じてしまった 私がいなければ話は簡単に進んだのかも…」茗薇は責任を感じ、十四皇子と話したいと頼んだ。十三皇子は当然、反対したが、茗薇は十四皇子が茗蕙の策略に惑わされているという。「胤祥(インショウ)、これは皇位争いだけでなく、私と茗蕙の争いでもあるのっ(๑•̀ㅂ•́)و✧ガシッ!」翌朝、茗薇は十四皇子の軍営を訪ねた。十四皇子は茗薇まで敵視することはなかったが、やはり四兄が父を殺して皇位を奪ったと信じ込んでいる。そこで茗薇は、不自然なほどお膳立てが揃い過ぎていると指摘した。「四哥が乾清(ケンセイ)宮を封鎖、直後に皇阿瑪が崩御して遺詔には血痕が… そこへあなたが兵と帰還なんて、何もかも出来すぎていると思わない? 忘れないで、ここは紫禁城よ? 皇位を狙う者は大勢いるのに、なぜかあなたに有利な状況が揃っている」「つまり茗蕙の陰謀だと言いたいのか?」茗薇は先帝と最後に面会したのは自分ではない可能性を示唆し、何より四皇子の逝去を悲しむ様子は演技に見えなかったという。しかし十四皇子は茗薇の主観に過ぎないと否定し、証拠がなければただの憶測だとはね付けた。茗薇はもはや証拠を探し出すしか方法がないと悟り、説得をあきらめて幕舎をあとにする。十四皇子も黙って茗薇の背中を見送っていたが、ふと茗薇が立ち止まって言った。「十四弟…知り合ってから私があなたに嘘をついたことがあった?」茗蕙は茗薇が十四皇子の軍営を訪ねたと知って動揺した。これまでも十四皇子は肝心なところで茗薇の味方をしている。しかし十四皇子は案ずるなと言った。「四哥には皇位を渡さぬ」茗薇は自ら先帝の寝殿に忍び込み、十三皇子が見つけた証拠を手に入れた。すると帰りの道すがら、順児は自分か七香(シチキョウ)に用命してくれれば、福晋(フジン)の手を煩わせずに済むという。「指紋の採取には現代科学の知識が必要なのよ?大事な証拠なのに失敗したら大変でしょう?」「でも福晋、現代とか科学とかって…何です?」その時、偶然、納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)が前から歩いて来た。蓉月は気まずそうに通り過ぎようとしたが、茗薇から声をかける。「解毒薬をありがとう、助かったわ」「いいのよ、力になりたくて…叔母も本気ではなかったはずよ」「分かってる、宮中で私に悪意を持つ人は多い、でも味方がいることも分かったわ」こうして茗薇と蓉月の長い諍いは雪解けを迎えた。その夜、四皇子は十四皇子との対戦を前に十三皇子を呼んだ。兵権を持っているのは十四皇子、しかも大軍には辺境で戦い抜いた精鋭が揃っている。四皇子は禁衛軍では太刀打ちできないと考え、自分が負けた時は茗薇と逃げるよう命じた。驚いた十三皇子は四兄と生死を共にする覚悟だと訴えたが、できれば戦わずに済ませたいと願う。そこで真相を知らせて誤解を説けば、十四皇子も矛を治めると考えた。十三皇子は配下を従え、十四皇子の幕営に忍び込んだ。そこで天幕でちょうど3人だけになった将軍を急襲、拘束することに成功する。十三皇子は噂を信じて挙兵すれば謀反だと戒めたが、将軍たちは四皇子を信用できなかった。「十三爺、あなたは信頼できる、懐が広く心も清らかで皇位を奪う下心もない、だが四爺は違う」将軍たちの決意を聞いた十三皇子はもはや戦いは避けられないと知る。すると運悪く十四皇子が現れた。十三皇子はどうしても戦うのかと聞いたが、十四皇子は自分ではなく四兄を説得すべきだという。「噂はどうであれ、皇阿瑪は四哥を継承者にした、皇位簒奪はお前だぞ?」「…腹をくくれ、今度こそ決着だ」幼い頃から好敵手だった十三皇子と十四皇子、この皇位争いで2人の決着もつくことになる。「手加減しないぞ?」「十三哥…あとで私を恨むなよ」一方、先帝の死に茗蕙が関わっていると疑う茗薇は、茗蕙の指紋を血の指紋と照合しようと考えた。そこで十四皇府へ行くことにしたが、十三皇子がなかなか帰ってこない。このままでは間に合わないと判断した茗薇は順児が止めるのも聞かず、正門を開けた。するとなぜか四福晋が側福晋年(ネン)氏と妾室の夙敏(シュクビン)を従えて現れる。どうやらおしゃべりな順児が四皇子の太監・全児(ゼンジ)に茗薇の計画を話し、筒抜けになっていたらしい。「妹妹、1人で行くのは危険よ、証拠を探し出すにも時間がかかるわ、皆で協力しましょう」福晋たちは自分たちも四皇子の無実を証明する手伝いがしたいと申し出た。四福晋と夙敏が急に茗蕙を訪ねて来た。当然、茗蕙は対立する四皇子の福晋たちの訪問を訝しんだが、四福晋は騒動の原因が十三福晋にあると切り出す。茗薇の名前が出たことで警戒が解ける茗蕙、実はその頃、茗薇と年氏は茗蕙の居所に忍びこみ、指紋が残っていそうな物を探していた。茗薇と年氏は無事に脱出した。しかし回廊で年氏が盗んだ荷物を落とし、その音で侍衛に見つかってしまう。客間にいた茗蕙も中庭の騒ぎに気づき、やはり四福晋たちが何か企んでいると分かった。茗薇と年氏は侍衛たちに囲まれた。そこへ茗蕙と四福晋たちが駆けつける。「我が屋敷で盗みを働くとは…お前たち、捕まえて!」すると茗薇がいざという時のために持っていた目潰しをばら撒き、その間に福晋たちと逃げ出そうとした。茗蕙は思わず短刀を抜いて茗薇に襲いかかったが、過って四福晋の背中を刺してしまう。その場は騒然となり、茗蕙も驚いて短刀を落とした。年氏はどさくさに紛れて短刀を拾うと、早く四福晋を手当てしようと金切り声で騒ぎ立てる。さすがに動揺した茗蕙は追求できず、茗薇を見逃すしかなかった。↓(´◔_◔)これって…@年氏四福晋は幸いにも命に別状はなかった。茗薇は恩人である四福晋に感謝したが、あの混乱の中で結局、指紋の採取は絶望的になる。すると年氏が手巾に包んだ短刀を出した。「これは?落ちた時に拾ったの、指紋が必要なんでしょう?」血の指紋と茗蕙の指紋が一致した。しかし証拠を手に入れても茗薇の気分は晴れず、むしろ不安が募る。「胤祥、私はずっと正義を信じて来た 今でも300年後の未来でも同じ、恐れることなく危険なところへ飛び込んだりもしたわ でも今はとても怖い… 四福晋まで傷を負うなんて、協力を断れば良かった、私は間違っていたのかも」「君はとても勇敢だ、この紫禁城で欲望や権威に負けることなく、自分の本心に従っている 君は間違っていない」「でもそのせいで周りの人に危害が…それでも正しいと?」「天は生き方にふさわしい報酬を与える、君は善良で人に対しても誠実だ ♪信じることさ~必ず最後に正義が勝つ~って言うだろう?」その頃、四皇子は福晋に付き添い、献身的に介抱していた。福晋は自分で薬を飲むと遠慮したが、四皇子は怪我人の福晋を世話したいという。思いがけず四皇子の優しさに触れた福晋はこれまでの苦労が報われ、ふと頬を涙が伝った。一方、決戦を前に十四皇子は屋敷の涼亭でひとり天子剣(テンシケン)を手入れしていた。先帝は出征前の十四皇子にこの宝剣を授け、兄弟で力を合わせて大清の国土を守って欲しいと頼む。十四皇子は当時の父の言葉をかみしめていた。「…皇阿瑪、儿臣はご期待を裏切るやもしれません」そんな十四皇子の様子を茗蕙が遠目から見ていた。…明日になれば全て私の望み通り、残るはあの女だけね…翌朝、茗蕙は武運を祈って十四皇子を送り出すと、密偵を呼んだ。「決して誰にも見つからないようにね…」「はい」しかし2人の話を宦官が立ち聞きしていた。茗薇は戦いを目前にした十三皇子に自ら煎じた薬湯を届けようとしていた。すると突然、黒装束の賊が現れ、連れ去られてしまう。やがて意識が戻った茗薇、そこに現れたのは十四皇子だった。つづく|ω・`)♪もしかしてだけど~もしかしてだけど~茗薇と十三皇子は記憶が戻ったんじゃないの?絶対そうだろ?!(知らんけど…w
2021.04.08
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第36話「遺詔の血痕」四皇子は御書房で十四皇子と話し合うことにした。しかし十四皇子は父の崩御を知らせてもくれず、城門を封鎖して入れてくれなかった四兄を端から疑っている。四皇子は無断で大軍を率いて帰還し、しかも都を包囲させたとなれば謀反と取られても仕方がないと説いたが、立場が違えば見方が変わるもの、2人の話し合いは平行線を辿った。「城外の大軍は敵を殺し、国を平定するためにいます 宙に浮いた皇位を奪おうと企む悪者がおらぬとも限りませんから そんなことが起きれば私は兵と入城して皇権を守り、逆賊を殺す!」「そんな言い分は通らぬ!兵と入城すれば謀反だ!」「遺詔は疑わしい、私を批判する資格があると?!」「…礼節を無視し、兄弟の情も顧みぬというのか」一触即発の四皇子と十四皇子、そこへ徳(トク)妃の使いが現れた。徳妃は兄弟の争いを危惧し、四皇子を長春(チョウシュン)宮に呼びつけた。もしこうして呼びに行かなかったら、四皇子は十四皇子を軟禁するつもりだったのだろう。「先帝を殺めるという大罪を犯したのはお前よ!」「額娘!八弟たちならまだしも、あなた様まで私をお疑いに?!」徳妃は感情的になって口を滑らせたが、疑いではなく証拠があると言った。実は遺詔にある″四皇子″の文字の上に血痕がついていたという。四皇子は愕然となった。まさか母まで宮中の噂を信じ、自分が遺詔の″十四皇子″の″十″の文字を消して改ざんしたと決めつけるとは…。しかし徳妃は先帝と遺詔に近づけたのは皇宮を仕切っていた四皇子だけだという。四皇子は居たたまれなくなって帰ることにしたが、徳妃は思わずその背中に言った。「胤禛(インシン)!もう何も言わないわ、でも遺詔を本物にしたいなら先帝のご遺志を叶えなさい ならば額娘も隠し通しましょう」徳妃は改めて十三福晋の殺害を迫った。その夜、四皇子は帥府園(スイフエン)に十三皇子を訪ねた。十三皇子は四兄と杯を傾けながら、幼い頃は父が勉強を見てくれたり、狩りにも連れて行ってくれたと懐かしむ。「兄弟で狩りをしたことを今でも夢に見ます」「…皇阿瑪が崩御され、兄弟の皆とはもう、あの頃には戻れぬ 十四弟のため老八は皇位を奪おうと躍起になり、十四弟の兵は虎視眈々と機をうかがっている 私は朝廷を仕切っているが大義名分がない そればかりか皇阿瑪殺しと皇位簒奪の疑いまでかけられている…どうすればいいのか…」四皇子は追い詰められていた。即位まで十四弟を拘束しようと考えていたが、そうすれば完全に兄弟の情を断ち切ることになってしまう。かと言ってこのままでは簒奪という汚名を一生そそぐことができなくなるだろう。その時、四皇子の脳裏に徳妃の言葉がよぎった。…十三福晋を殺しなさい…やがて四皇子は泥酔し、父を失望させないためには他の者を失望させて傷つけるしかないと吐露した。結局は取捨選択し、犠牲が必要となる。「十三弟、すまない…四哥が過ちを犯しても許してくれるか?」「酔ったのですね?」「質問に答えてくれ、許してくれるか?」「はいはい、絶対に許します」「だが私は己を許せぬ…」十三皇子はてっきり四兄が十四弟の話をしていると思っていた。翌朝、七香(シチキョウ)が茗薇(メイビ)へ2通の招待状を届けた。「四哥と徳妃娘娘から?」十三皇子は公務で出かけていたが、茗薇は自分宛の招待状のため、まず長春宮を訪ねることにした。すると徳妃はそれとなく四皇子の即位には茗薇が障害だと伝える。茗薇は災いの種なら自分ではなく他の者だと訴えたが、ちょうどそこへ納蘭(ノーラン)貴妃が現れた。2人の顔色を見た貴妃は何やら問題があると察しながら、2人にお茶を差し入れる。茗薇はありがたく頂戴したが、なぜか貴妃は緊張しているように見えた。その頃、父の死因を調べていた十三皇子は郊外で密偵と接触していた。密偵は例の宦官を見つけていたが、実はすでに死んでいたという。「やはり何かの策略か…」十三皇子はその足で暢春(チョウシュン)閣を訪ね、改めて父の寝所を捜索した。すると父の寝台に血の指紋を発見する。そこへ突然、茗蕙(メイケイ)が入って来た。「なぜ十四福晋がここへ?」「通りかかっただけですわ~何かお探しで?」「崩御に怪しい点があり、四哥が疑われている、だから真相と本件の黒幕を突き止めたくてね」十三皇子は必ず痕跡が残っているはず、ごまかそうとしても悪事は必ず露見すると牽制した。しかし茗蕙は言葉だけでは効力がないと意味ありげに笑う。「証拠を見つけることですわ、でも忠告しておきます、この件より福晋を気にかけては? あら?四哥と十三哥は何でも話す仲だとばかり…」十三皇子はふと四皇子の様子がおかしかったことを思い出し、慌てて飛び出して行った。長春宮を出た茗薇は四皇子府を訪ねた。すると四皇子は中庭に酒席を用意し、なぜか昔の話を蒸し返す。「…そなたは私を選ぶと思っていた」「誤解だったのです、私がずっと探していたのは胤祥(インショウ)でした 私と胤祥は時と空間を超えて会っていたのです」「そうだったな、だがそなたとの思い出は永遠に消えぬ…」茗薇は四皇子が切々と語る自分への想いに困惑し、過ぎたことだと遮った。しかし四皇子は自分のしたことで後めたいことはないが、唯一、気が咎めるなら茗薇のことだという。「いくら気が進まずとも、国を背負う責任は何より重いのだ…優先せねばならぬ ゆえに決断した、そなたと十三弟には申し訳ない」茗薇にはその意味が分からなかったが、四皇子が注いでくれた杯を取った。「これを飲んでもう過去の話はおやめください 胤祥が最も敬愛する四哥を私たち夫婦は全力でお支えします」そこで茗薇は四皇子と乾杯したが、急に四皇子が飲むなと止めた。「小薇!」その時、駆けつけた十三皇子が咄嗟に酒を捨てたが、茗薇はなぜか意識を失ってしまう。十三皇子はようやく父の密旨が茗薇の死だと知った。確かに四兄のためなら何を捨てても構わない十三皇子だったが、茗薇だけはだめだと警告しておく。しかし茗薇が盛られた毒はわずかだったため、命に別状はなかった。茗薇は恐らく誰かが四皇子に罪を着せようと画策したのだと気づく。すると十三皇子は四兄の酒にも毒が入っていたのは事実だと教えた。驚いた茗薇だったが、何にせよ四兄と分裂しては敵の思う壺だとなだめる。そこで十三皇子は父の寝台を調べたところ、血の指紋を見つけたと報告した。茗薇に毒を持ったのは納蘭貴妃だった。「誇り高く生きて来た本宮がこんな手を使うとは…」しかし茗蕙はこの世は弱肉強食だという。そんな2人の悪巧みを偶然、叔母を訪ねて来た蓉月(ヨウゲツ)が聞いていた。茗蕙は機が熟せば四皇子が遺詔を改ざんしたと公表し、嘘が誠になって四皇子が人心を失うという。「その時、胤禵(インテイ)と連携して皇位を奪います、そして娘娘には後宮の最高位を…」驚いた蓉月はそっと引き返すと、茗薇のために帥府園へ解毒薬を送った。茗蕙の工作は順調に進んでいた。そして次に徳妃を訪ね、このまま四兄が即位すれば冷酷なやり口で十四皇子に何をするか分からないと脅かす。「四兄が非道なやり方で皇位に就くなら、胤禵はどうすればいいのです?」一方、十四皇子は八皇子たちから詳しい話を聞いていた。何でも崩御の前は四兄が暢春園を警備し、他の皇子たちは誰も近づけなかったという。しかも八皇子の密偵の報告で遺詔は徳妃が持っていると分かった。未だ公表しないところを見ると、何か問題があるのだろう。八皇子は父の崩御後から四兄が権力を握っており、自分たちには介入させないつもりだと訴えた。十四皇子は長春宮を訪ね、母に遺詔をこの目で見たいと頼んだ。徳妃は兄弟の争いを見たくなかったが、国のためだと説得されて渡してしまう。すると十四皇子は改ざんがないとしても四兄が父を殺したと確信し、血痕がその証拠だと言った。驚いた徳妃は否定したが、本心では兄を疑っているはずだと十四皇子に見透かされてしまう。「皇阿瑪の仇を打ち、国を守る!」「あなたの四哥なのよ!」「もはや私の四哥ではない!」そこで徳妃は自分が皇位を放棄するよう説得すると提案したが、十四皇子は納得しなかった。「命で償わせます」「先帝が亡くなってすぐ兄弟で殺し合いをするつもり?!額娘に皇阿瑪のあとを追えというの?!」母の悲痛な叫びを聞いた十四皇子は譲歩するしかなかった。「…ただし拒んだ時は10万の大軍で攻めるまでです」つづく( ̄▽ ̄;)茗薇、早く先帝の遺言、教えればいいのに…それにしてもいつの間にか皆が茗薇を未来から来た人だって受け入れてますけど…
2021.04.07
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第35話「運命の日」死期が近いことを悟った康熙(コウキ)帝は四皇子に乾清(ケンセイ)宮を封鎖させ、例え皇子でも中に入れないよう命じた。そして運命の日…。四皇子は李(リ)太監から知らせを受け、その夜、皇帝の寝殿である暢春(チョウシュン)閣を訪ねた。その頃、十三皇子と茗薇(メイビ)も皇帝を見舞うため参内していた。しかし衛兵から寝殿は立ち入り禁止だと止められてしまう。その時、暢春閣から四皇子が現れ、呆然としながら歩いて来た。「皇阿瑪が…崩御された」訃報を聞いた皇子や家族たちが宮中へ駆けつけた。すると八皇子は物陰から自分を見つめる茗蕙(メイケイ)の姿に気づく。「こんな所で何をしている?」黒い外套をまとった茗蕙は暗闇に紛れるように隠れていた。「兵を率いてすぐ戻るよう爺に伝えてください、宮中で変事が起きます」康熙61年11月13日、突然の皇帝崩御の知らせに紫禁城は悲しみに包まれた。徐薔薇(ジョショウビ)は十三皇子の福晋としてひざまずきながら、史実でしか知らなかった歴史的瞬間に立ち会っていると実感する。…教科書や小説で何度もこの日の記述を読んだわ…崩御前後の逸話も知っているけど、渦中に身を置いてようやく分かった…もう冷静な傍観者ではいられない葬儀の準備で皇子や妃嬪たちはひとまず解散した。すると李太監が寝宮へ戻る徳(トク)妃に接触、皇帝の遺詔があると伝える。「徳妃娘娘にお渡しするよう私がお預りしています…貴妃娘娘はご存知ありません」徳妃は李太監が見守る中、聖旨を確認したが、そこには皇位を四皇子に継がせるとあった。十三皇子は悲しみに暮れた。四皇子の話では李太監から父の密旨で亥の刻に来るようにと指示があったが、訪ねた時にはすでに亡くなっていたという。十三皇子は父が皇位継承のことで呼んだと気づいたが、その時、徳妃の使いが四皇子を迎えにやって来た。四皇子は皇帝の遺詔を託されたのが母だと知った。人払いした徳妃は皇帝の遺詔を箱から取り出し、聖旨に記されていた世継ぎは四皇子だったと教える。四皇子はその場にひざまずいて拝命しようとしたが、徳妃はなぜか聖旨を渡さなかった。「まずは先帝が残された願いを叶えましょう、お前の即位を阻む最大の障害を取り除くの お前が事を果たしたのち、私から天下に告げるわ」すると徳妃は四皇子の手で十三福晋を殺せと命じた。翌朝、八皇子たちは父の供養に来た四皇子の入殿を阻んだ。「皇阿瑪の死はあまりに突然すぎる、立ち会ったのは四哥だけです 昨夜、何があったのか皆の前で話してもらいたい」しかし四皇子が寝殿に着いた時に父はすでに亡くなっていたと話しても弟たちが納得するはずもない。「皇阿瑪の死に四哥は無関係だと?!皇阿瑪の命に従い封鎖したの言うのも本当か分からぬ! 聖旨を受けたと偽り、皇阿瑪を軟禁したのでは?!」十皇子は怒りに任せて拳を振り上げると、駆けつけた十三皇子が止めた。「皇阿瑪の棺の前で出まかせを並べ、手まで出すとは!皇阿瑪を安らかに眠らせぬ気ですか!」九皇子は皆が心に抱く疑いを口にしたに過ぎないと十弟をかばった。すると呆れた茗薇が証拠はあるのかと反発する。「ただの憶測を口に出せば災いを招くだけです 何より李太監が先帝が四哥に乾清宮を警備させたと証言しています それとも十哥は四哥があらゆる人々を欺いたとおっしゃるの?」茗薇の指摘にぐうの音も出ない九皇子、すると四皇子がそこで遮った。「もうよい、皇阿瑪の崩御について疑わしい点は調べ上げ、天下に対し明らかにしよう」そんな皇子たちの争いを見ながら、茗蕙はどこか落ち着かない様子だった。慌ただしい後宮では誰もが徳妃に指示を仰いでいた。茗蕙は納蘭(ノーラン)貴妃の嫉妬心を煽ろうと、実は徳妃が遺詔を預かっておきながら明らかにしていないと報告する。「何か困り事があるように思いますが…」しかし貴妃はどちらにせよ徳妃の息子だと興味を示さなかった。するとふと四皇子が簒奪(サンダツ)したという噂を思い出す。「あれは誠か?」「何もかも流言です、真偽などどうでもいい、肝心なのは皆が信じるかどうかです」「…つまり皆に信じ込ませろと?」「四爺は冷酷ゆえ敵が多いですが十四は違います…娘娘の恩を私は忘れません」十三皇子と茗薇は八皇子たちが四皇子の即位を阻止するため、悪質なデマを流すつもりだと分かった。そこで流言が世間に広まる前に止めるべきだと四皇子を説得、このままでは遺詔があっても反故にされてしまうと心配する。十三皇子は早く遺詔を公表すべきだと訴えたが、四皇子は密旨の内容を話すことができなかった。仕方なく十三弟と茗薇を宮中から遠ざけようとしたが、2人は四皇子の力になりたいという。屋敷へ戻ったものの十三皇子は一睡もできなかった。父が茗薇を呼んだのが日没前だったので酉の刻の頃、だとすれば四皇子を呼んだ亥の刻までかなりの時間がある。その間、父がずっとひとりだったというのも妙だ。話を聞いた茗薇はその間に密かに先帝に会った人物がいると仮定してみたのの、やはりあの厳重な警備の中ではあり得ないと気づく。しかし十三皇子はどんな可能性も排除せず、調べることにした。それにしても徳妃や四皇子の様子がおかしい。遺詔はすぐさま天下に公表するべきだが、何を隠しているのだろうか。すると茗薇は冷静に絡み合った糸をほどいて行けば、いずれ真実を手繰り寄せることができると励ました。十三皇子は郊外で密偵と接触した。密偵の報告ではあの日、十三福晋が去った後は宮中で特に何も起きていないという。ただ侍衛の1人から、ある宦官が外套をかぶった人物を案内していたという証言を得た。しかしその宦官がどこへ案内したのか、誰なのかはまだ調査中だという。徳妃は後宮の切り盛りで忙しい中、偶然、宮女たちの噂話を耳にした。今や噂に尾ひれが付き、四皇子が遺詔を改ざんして十四皇子と対立していると広まっている。徳妃は口を慎むよう宮女を叱ったが、間違いなく誰かの策略だと分かった。納蘭貴妃の寝宮に珍しく徳妃がやって来た。貴妃は後宮を取り仕切る徳妃を労いながら、貴妃の自分さえ口を挟む隙もないと嫌みを言う。徳妃は滅相もないとあしらい、人の噂とは恐ろしいものだと切り出した。すると貴妃は確かにその通りだと認め、宮中の者なら口止めできても外の者は難しいという。「噂によると遺詔には″十四皇子″とあったのに″四皇子″と書き換えられたとか… 実にもっともらしい話ではないか」「おほほ~誰が上手いこと言えとw」「そなたも難儀だな~2人とも己が産んだ子なのだから」「姐姐、確固たる証拠もないただの憶測を口にするのはいかがなものかと…」「妹妹、新帝が即位するまで後宮の最高位にあるのは本宮、そなたの指図は受けぬ」そこで徳妃は先帝の意に背いて国を乱すようなことがあれば我が子と言えど許さないと断言した。貴妃は先帝が遺詔を徳妃に託した以上、見るつもりはないと安心させたが、戻った十四皇子がどう思うかは分からないと牽制する。「人の噂は恐ろしいと申しておったが、実子同士の争いも見たくなかろう? 十四皇子が戻るのを待ってから遺詔を公表した方がよいぞ?」茗蕙は八皇子たちと協力して誰もが遺詔の信憑性を疑うよう画策、簒奪の噂を広めた。突然の崩御には謎が残るもの、四皇子が死に関わったかどうかはともかく、最も疑わしいのは警護していた四皇子に違いない。茗蕙は流言を利用して皇位争いの余地を残し、十四皇子が戻るまでの時間稼ぎに奔走した。八皇子と九皇子の軍営に何やら動きがあった。さらに十四皇子も兵を率いてまもなく都へ到着するという。報告を聞いた四皇子は十四皇子が勅命もなければ報告もせず、密かに回京したことに憤慨し、直ちに城門を封鎖するよう命じた。…やはり反撃に出るのだな…十四皇子はやっとの思いで帰還したが、城門は封鎖されていた。門衛は四皇子の命だと訴えたものの、まさか力づくで十四皇子を阻止することもできない。結局、十四皇子は衛兵たちを無視して父の元へ駆けつけ、位牌の前で涙ながらに四皇子の仕打ちを嘆いた。「夜を徹し戻った私を…四哥は締め出そうとしました…まさか本当に皇阿瑪は害されたのですか?」四皇子は報告を受けて乾清宮へ駆けつけた。すると前庭には十四皇子を援護する八皇子たちが兵を従え待ち構えている。「八弟、十四弟と共に兵を率いて来るとは何の魂胆だ」「十四弟は訃報を受けて帰還した、四哥、城門を封鎖してそれを阻むとは何の魂胆が?」一方、十四皇子は無念を晴らすため、父の位牌に誓っていた。「皇阿瑪、ご安心を、決して大清の天下を逆賊には渡しませぬ…」固い決意を胸に外へ出た十四皇子、すると四皇子と八皇子たちが一触即発の様相となっていた。そこで十四皇子は八皇子たちに四兄と2人だけで決着をつけたいと頼む。「あとは私にお任せを…」すると四皇子も自分の兵を下げた。つづく(  ̄꒳ ̄)即位の条件が茗薇の殺害って…黒幕がバレバレ?w
2021.04.06
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第34話「憎悪の生まれた場所」徳(トク)妃は辺境での戦に国力を集中させるため、後宮が手本になろうと炭の支給を減らした。後宮で権勢を振るう徳妃、有名無実の納蘭(ノーラン)貴妃はこのまま大人しく凋落を待つしかない。そんなある夜、茗蕙(メイケイ)がやって来た。茗蕙は後宮で最高位である貴妃に後ろ盾になって欲しいと懇願した。今や世継ぎの座は四皇子か十四皇子と噂されていたが、徳妃は四皇子の母でもある。茗蕙は後宮で信頼できるのは貴妃だけだと訴えた。「私も娘娘(ニャンニャン)のお力に…私をお助けくださるなら、十四爺が皇位を継いだ時、娘娘に特権を… 徳妃が太后となっても、それに劣らぬ待遇をお約束します」茗蕙の申し出は息子のいない貴妃にとって渡りに船だった。茗薇(メイビ)は十三皇子たちと一緒に実家へ戻った。しかし中庭に入ってみると実家はすっかり寂れ、ここへ来た時の面影はない。実はちょうどその時、茗蕙が病の床にある嫡母に薬を飲ませようとしていた。文(ブン)氏は茗蕙の薬など怖くて飲めず、憤慨して器をひっくり返してしまう。(  ̄꒳ ̄)<…ふっ、こうなると思って予備を用意しています(はい次♪)茗蕙は平然と小薇の死を見届けさせるため、まだ死なれては困ると言い放った。すると茗蕙が来ていると知った茗薇たちが急いで駆けつける。茗蕙は嫡母の見舞いに来ただけだと親孝行な娘を装ったが、十三皇子は身内の前で芝居は無用だと追い払った。文氏は茗蕙が茗薇の腹違いの姉とは言え、生まれは卑しいと蔑んだ。一度は妾と茗蕙を郊外の村へ追い払ったが、母親が亡くなって不本意ながら茗蕙を引き取ることになったという。すると文氏は姉妹がまだ幼かった頃、茗蕙が自分で花瓶を割りながら茗薇のせいにしたことがあったと話した。その時、茗蕙は打たれても罪を認めず、激怒した文氏が薪部屋に監禁したという。嫡母から理不尽に虐げられても我慢して来た茗蕙、実はこの薪部屋での恐怖の体験が復讐への引き金となっていた。結局、茗蕙は無実の罪を認め、深く反省したという。父の英禄(エイロク)は改心したと喜んでいたが、文氏はどこか不自然に見えたと語った。茗薇と十三皇子は茗蕙が閉じ込められたという薪部屋を見に行った。あれ以来、文氏は薪部屋が不吉ゆえ誰も近づけさせなかったという。すると部屋の中はまだ当時のまま残っていた。「とても薄気味悪いところだわ…ここに閉じ込められたらさぞ怖かっでしょうね」壁には茗蕙が残したと思われる小さな手形があり、裏側から見た扉の窓紗には血の跡が残っている。十三皇子は茗蕙の凄まじい怨念を感じ、茗薇を連れて早々に引き揚げることにした。七香(シチキョウ)と順児(ジュンジ)は茗蕙が差し入れた薬を調べたが、滋養の薬湯で毒ではなかった。十三皇子もさすがに親を殺すほど茗蕙も愚かではないと安心したが、茗薇が標的なのは明らかだと警戒する。しかし嫡母に不当に扱われて妹を恨んだのだとしたら、茗薇は一方的に茗蕙を責められない気がした。その時、ふとこの屋敷へ来た時、茗蕙が自分を見るなり必死に謝罪して来たことを思い出す。「確か自分が駆け落ちを勧め、危険な目に遭わせたと言って許しを求めてた 茗薇が崖下で倒れていたなら相手の元青(ゲンセイ)はどこ?…彼の失踪には何か裏があるのかも」すると七香は兄の仇討ちの代わりに自分が調べたいと申し出た。七香は失踪した元青を探すため、まず質店で情報を集めることにした。「この家の品に見覚えがない?」裕祥(ユウショウ)質店の店主はかんざしに″英″と刻まれていることに気づき、以前にある木こりが同じ字を刻んだ品を持って来たと思い出した。「これは英禄府の品だ、きっと訳ありのお宝を手に入れたんだよ」そこで七香は木こりの家に押し入り、短剣を突きつけた。木こりは七香に脅され、山で拾ったお宝を見せた。袋の中には衣や銀子、装飾品が入っていたが、七香はその中から″蕙″と掘られた玉牌を発見する。木こりは谷を歩いている時、崖の突端の真下で偶然、この包みを見つけていた。しかも玉牌はすぐ近くで死んでいた男が握っていたという。七香は動かぬ証拠を持って帥府園(スイフエン)へ戻った。崖の下にはすでに白骨化した遺体も残っていたという。しかし茗薇は玉牌だけでは茗蕙ならいくらでも言い逃れできると言った。「死人に口なしよ…茗蕙は自分とつながる証拠を残さない」「哥哥を死に追いやり、福晋の表哥(従兄)まで…一体、何人の犠牲者がいるんでしょうか」すると薔薇(ショウビ)はふと茗薇の最期の言葉を思い出した。『誰がこんなことを!?』『私の一番…身近な人が…信じていたのに… でも責めないで…あの人を恨んでいない…血を分けた人だもの… あなたは私に似ている…どうかあなたの身に同じ悲劇が起こりませんように…』恐らく茗薇は茗蕙に殺されたのだ。「茗蕙の本性を暴いて罰を受けさせなきゃ!これ以上の悪事は許さないわ!」その夜、茗蕙が庭園を歩いていると、突然、茗薇が現れた。「姐姐、ずっと待っていたのよ?」すると茗薇が茗蕙が失くした玉牌を見せる。「姐姐、これを覚えている?」「なぜあなたがこれを?!」驚いた茗蕙は玉牌を取り戻そうとしたが、茗薇は渡さなかった。「これが欲しい?確かに特別な品だものね?」「それをどこで?」「忘れた?郊外の崖の下よ?」「それで脅しているつもり?」茗蕙は平静を装って居所に戻ったが、その夜、悪夢を見てうなされることになった。あの時、茗蕙は入宮を嫌がる茗薇をそそのかし、従兄の元青と駆け落ちさせた。しかしいざ茗薇が待ち合わせ場所へ行ってみると、元青は茗薇の荷物だけ奪って逃げようとする。実は元青の夢は科挙に合格して官僚になることだった。茗薇と駆け落ちして父親の怒りを買えば一生を棒に振ってしまうという。「この銀子は借りておく、将来、出世したら返すよ、君は家に帰った方がいい」衝撃のあまり呆然と立ちすくむ茗薇、すると物陰から2人の様子を見ていた茗蕙が現れた。「待って!」茗蕙は元青を引き止め、何が何でも妹を連れて行けと食い下がった。苦労して2人の仲を取り持ち、やっとこの日が来たと言うのに、妹を置き去りにされては困る。『…私が入宮できない』『じぇじぇ?』『お前が邪魔なの!』元青は茗蕙が妹を追い出すために自分を利用したと気づき、呆れて断った。すると激情に駆られた茗蕙は怒りに任せて元青を崖から突き落としてしまう。実はこの時、元青は咄嗟に茗蕙の腰牌をつかみ、落下していた。茗薇は恐怖に怯えながら、元青が自分で飛び降りたことにして帰ろうと言った。しかし茗蕙はここで引き返すわけにいかない。『まだ分からないの?私が消したかったのはお前よ…子供の頃から私の邪魔ばかりして… 私はいつだってお前の影なのよ!…今すぐ消えてちょうだい、邪魔よっ!』茗蕙はじりじり茗薇に迫り、ついに崖から突き落としてしまう。…じぇじぇ、なぜ私を殺したの?どうして?どうして私を殺したの?…「うわあーっ!」茗蕙はあまりの恐怖で飛び起きた。どうやら悪夢だったと気づいたが、急に後悔の念が湧いて涙があふれ出す。「ごめんなさい、殺すなんて考えてなかったのに…」しかしこれも全て自分を追い詰めた茗薇のせいだと責任転嫁した。…私じゃない、あなたたちのせい、あなたたちの自業自得よ…薔薇(ショウビ)は全ての始まりが茗蕙だと分かった。茗蕙が2人を殺害していなければ自分が皇宮に来ることもなかっただろう。薔薇は十三皇子に茗蕙との恩讐が最近のことではなかったと伝え、茗薇の死の真相を徹底的に調べるべきだと訴えた。「君が来たのが誰のためであろうと、君に出会えて幸せだ」「胤祥(インショウ)、何が起こってもずっと一緒にいましょう、2人で乗り越えるの」すると順児が宮中からの使いが来たと知らせた。何でも2人で参内して欲しいという。「(はっ)もしや今日は11日?胤祥、心の準備を…皇阿瑪が…」康熙(コウキ)帝は城楼で十三皇子を待っていた。実は大清を任せることができるのは、やはり私欲のない十三皇子だという考えに至ったという。「帝王たるには度胸も度量も必要不可欠だ、だがそちは清らかな心を持っている 帝王として最も得難い資質だ、そちが即位すれば民にとって幸いであろう」皇帝は最後にもう一度だけ、十三皇子の気持ちを確認したいという。「そちに大清の民を託すことはできぬだろうか?」すると十三皇子はひざまずき、改めて辞退した。「皇阿瑪、大清の安泰のため全力を尽くす所存ですが、ご期待には沿えません 私は無才ゆえ、せめて明君の補佐をしたいと…」「…ばーら、ちーらいば」皇帝は十三皇子の望みを尊重し、その代わり十三皇子が信頼する者に天下を託すと決めた。康熙帝はそのまま病床にふせた。四皇子は皇帝の指示通り乾清(ケンセイ)宮を封鎖、例え皇子でも中に入れないよう命じる。すると皇帝は人払し、十三福晋を呼ぶよう頼んだ。皇帝は茗薇の勇気には目を見張るものがあると称賛した。しかしそれゆえ排除しようと考えたこともあったと笑う。すると胤祥だけでなく胤禛(インシン)のことも茗薇に任せたいと言った。2人が茗薇を巡り衝突したことは知っているが、一方で2人をつなぐ絆であることも事実だという。「そちを殺さなかったのは2人を見守らせるためだ」「お言葉を胸に刻み、2人の信頼が深まるよう尽力いたします」康熙帝は8歳で即位し、14歳から親政を行った。大清の天下を強固にするため心を砕いて来たが、いよいよこの座を手放す時が来たと悟る。すると皇帝は急に激しく咳き込んだ。そこで水を所望し、手元にあった薬を飲んで横になることにする。「…朕の願いはひとつ、目の黒いうちに世を太平にし、繁栄した国を子孫に残してやることだ まだやり残したことがたくさんある…やり残したことが…」「もう十分です、皇上は希代の明君で、慈愛に満ちた父亲(フーチン)です」「それがまことなら努力の甲斐はあった…」康熙帝は静かに目を閉じた。史実を知る茗薇は皇帝の治世が間もなく終わりを迎えるのだと実感する。康熙帝は幼くして即位、数十年の在位中に鰲拝(オボイ)を排除し三藩を平定した。清のために働かぬ日はなかったのだろう。しかし死期を目前とした今、皇帝が本当に心配なのは皇子たちのことに違いない、茗薇はそう思った。つづく( ๑≧ꇴ≦)気がつけばもう佳境に…ってえーっ?!てっきり茗薇が幽霊のコスプレで茗蕙を怖がらせるのかと思ったら違ったw
2021.04.05
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第33話「未練との決別」宮中でまことしやかに囁かれる四皇子と十三福晋(フジン)の醜聞。徳(トク)妃は福晋たちの間に亀裂が入ることを危惧し、長春(チョウシュン)宮に集めて結束を訴えた。後ろ暗いことがない茗薇(メイビ)は茶会が終わると四福晋たちと花見に出かけたが、未だ怒りが治まらない年(ネン)氏はひとり回廊で悶々としている。そんな年氏を茗蕙(メイケイ)が見逃すはずがなかった。茗蕙は年氏に声をかけ、実は十四皇子も茗薇に誘惑されたと吹き込んだ。しかし和を重んじる徳妃が茗薇を追求しないため、このままでは増長させるだけだと警告する。「姐姐、どうやって止めればいいのでしょうか?…教訓を与えるべきです」「はお、私がやるわ」年氏は同じ境遇の茗蕙にたき付けられ、ある策を思いついた。急に雨が降り出し、茗薇は花見を切り上げて帰ることにした。すると回廊で納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)に引き止められる。「今、見たの、十四福晋と年氏が何やら親密に話していたわ」蓉月は茗蕙が自分の手を汚さず人を操ると身をもって知っていた。そこで罪滅ぼしのつもりで警鐘を鳴らしたものの、茗薇は心配無用だとあしらって帰ってしまう。四皇子の妾室・夙敏(シュクビン)が刺繍をしていると、年氏が何やら嬉しそうにやって来た。どうやらわだかまりを捨てて機嫌が直ったと安堵したが、意外な理由に驚く。実は年氏は茗薇を懲らしめようと毒入りの菓子を届けていた。(  ̄ノ꒳ ̄)<クスッ、文句を言って来るかどうか見ものね~一方、茗薇は今日も何やら難しい顔をしていた。七香(シチキョウ)と順児(ジュンジ)はいい加減に四皇子府と和解するよう勧め、福晋たちの差し入れを渡す。しかし茗薇は考えていたのは別のことだと言った。「2人はなぜここへ?…つまりなぜこの時代のこの場所に来たのかなって…」へっ?§´・д・)(・д・`*)ハイッ?意味が分からない七香と順児はとにかく菓子とお茶を勧めてみたが、茗薇は食指が動かない。そこで2人に菓子を与えると、突然、四皇子の妾室が現れた。「だめっ!毒入りよ!」七香はすぐ菓子を吐き出して無事だったが、順児はすでに一口飲み込んでいた。しかし太医の話では命に関わる毒ではなく、吐き気がしてぐったりする程度だという。茗薇は安堵したが悪質な年氏を許せず、妾室が止めるのも聞かず四皇子府へ乗り込んだ。茗薇が突然、怒鳴り込んできた。年氏は元気そうな茗薇の姿に落胆し、代わりに宦官が毒にあたったと知る。「猛毒じゃなかったことに感謝して欲しいわね~警告を与えただけよ」開き直った年氏は″魚寧″が誰なのか暗黙の了解だと指摘、十三福晋になっても四皇子を惑わせていると非難した。「一体、どんな手を使っているの?…冷淡な爺があなただけを特別扱いするなんて…ワナワナ あなたがいる限り問題が起こり続けるのよ!」するとそこへ騒ぎを聞いた四福晋が駆けつけた。福晋は徳妃の訓示を忘れたのかと年氏を叱り、処遇は徳妃に委ねると決める。しかし結局、徳妃は年氏に謹慎処分を下しただけだった。朝議から戻った十三皇子は毒菓子騒ぎを知り、直接、四兄と話をつけると決めた。茗薇は四皇子には関係ないと止めたが、十三皇子はあるという。「全て君への未練のせいだ、水に流すつもりだったが、毒を盛られたとなれば話は別だ」一方、四皇子も茗薇に毒を盛った年氏を叱責していた。激情のあまり離縁まで持ち出す四皇子、しかし年氏は許しを請うどころか、これまでの鬱憤をぶちまけてしまう。「どの福晋より魚寧が大事なのですね?!福晋は私たちではなく魚寧ですか?」その話をちょうど十三皇子が聞いていた。四皇子は十三皇子を連れて書斎に移動した。そこで私事は自分で片付けると冷静に話したが、十三皇子は四兄の気持ちが全ての根源だと指摘する。「小薇が牢に入れられ、私は救うのに必死で何も言わなかった、まさか今も諦めていなかったとは…」思えば四兄は茗薇が蘇生したことを隠していた。小薇が逃げ出さねば一生、何も言わずに隠し通す気だったのだろう。十三皇子は思わず食ってかかると、四皇子はついに本心を明かした。「そうだ!お前より私情を優先した!そのまま小薇をそばに置きたかった!」激怒した十三皇子は四兄を投げ飛ばし、倒れた四兄の胸ぐらをつかんで殴りつけてしまう。しかし四皇子は茗薇が十三弟のもとへ戻って見守るだけになっても、礼節に反することはしていないと開き直った。「それでも責めるなら好きなだけ殴れ!やれよ!」すると十三皇子は四兄を解放し、黙って帰ってしまう。年氏が騒ぎを起こしてくれたところで、茗蕙は次に徳妃を利用することにした。そこで事の発端は四皇子がまだ魚寧を好きなことだと吹き込み、不安を煽る。「誰かを思う気持ちは簡単に捨てられません、2人が間違いを犯さなければ問題ないかと… 人は抑えつけられるとより抵抗するものです、四哥が反発して予想外の行動に出たら大変です 先帝が寵愛した皇貴妃娘娘の件をご存知かと?それでどれだけ朝廷が混乱したか…」徳妃は乾清宮に皇帝を訪ねたするとすでに皇帝の耳にも後宮の騒ぎが伝わっている。徳妃はこの機に乗じ、もし次期皇帝が情に流されて国に悪影響を与えたら、大清の不幸だとほのめかした。その意味を悟った皇帝はすぐ魚寧を参内させる。茗薇は後宮の騒ぎの件だと気づき、不本意ながらも自分のせいだと認めた。今回も全ての責任を1人で引き受ける茗薇、しかし皇帝は追求するわけでもなく、ただ正直に質問に答えるよう命じる。「そちと胤祥に婚姻を与えてやったが、選択の機会は与えなかったな もし今、選ばせてやると言ったら、胤禛(インシン)を選ぶか?」茗薇はなぜ決まり切った答えを尋ねられたのか困惑したが、もちろん心にいるのは十三皇子ひとりだと断言した。「刀を突きつけられてもか?」「私が死より後悔を恐れるとご存知のはずです、嘘をつけば一生、後悔し、生きる意味もない …胤祥と皇上が危機に陥れば胤祥を助けます、それが人の情です」「人の情か…」皇帝は茗薇の深い愛情を知って納得し、下がるよう命じた。皇帝は茗薇が出ていくと四皇子を呼んだ。茗薇の話を聞いていた四皇子は自分の過ちに気づき、今後は国のため一心に尽くすと誓う。一方、帥府園(スイフエン)に戻った茗薇は十三皇子に皇帝との話を報告していた。「まるで誰かに聞かせるために2度も確認されたわ」すると十三皇子は父も答えを知りたかったが、恐らく本当に″誰か″に聞かせていたのだという。それにしても愛する人を探すため清朝へ来たと思っていたが、こうして嫁いでもなぜ問題ばかり起こるのだろうか。茗薇はふと実は何かを完全にするため来たのかもしれないと気づいた。「″九王奪嫡″に巻き込まれて以来、私めがけて色々な事件が降りかかって来る 何かを解決しないと渦中から抜け出せないのよ」「何が目的でも構わないよ…何が起ころうと君のそばにいる、いつも一緒だ」茗蕙の計略通り、皇帝が魚寧を審問した。八皇子たちはようやく茗蕙が醜聞を広めた真の目的に気づき、これで皇帝の四兄と十三弟への信頼が揺らいだと喜ぶ。あとは吉報を待つだけ、すると茗蕙の期待通り待ちに待った戦報が届いた。十四皇子率いる平定軍は反乱軍の本営を撃破、反乱軍が敗走したと急報が届いた。しばらく朝議を休んでいた皇帝だったが直ぐさま朝廷を招集、十四皇子を大将軍王に封じて天子剣(テンシケン)を授けると命じる。これで十四皇子が有利になったとほくそ笑む八皇子たち、一方で四皇子は落胆を隠せなかった。皇帝は涼亭で内輪だけの祝宴を開いた。茗蕙や八皇子たちが舞い上がる中、四皇子は十三弟に目配せし、宴席を抜け出す。十三皇子はてっきり四兄が十四弟に嫉妬しているのかと思ったが、四皇子の話は茗薇のことだった。「…こたびは本当に手放した」実は四皇子は茗薇から直接、気持ちを聞いていた…『四爺、謝りに来ました、あなたの愛は受け入れられない』四皇子は気持ちに整理をつけるため、茗薇の肖像画を燃やした『夕日が好きなそなたに見せたい景色があった 氷が張る時期にここへ連れて来て改めて気持ちを聞き、それでも十三弟を選べば諦めるつもりだった だが、その日は結局、来なかったな』四皇子はひとり美しい夕日を眺めながら、ようやく茗薇への未練を断ち切った…「玉の指輪を返した時にあきらめるべきだったのに、今頃になってしまった すべて水に流してくれるか?」「私は心が広いんでしょう?クスッ」一方、茗薇は散開して誰もいなくなった宴席でひとり考えを巡らせていた。気がつくといつも自分が嵐の中心にいるのは何故なのか。すると茗薇はここに来て以来、自分に起こる事件が全て茗蕙につながることに気づいた。…まさか私は彼女のためにここへ来た?そうよ、それ以外にない…でもどうすれば彼女との因縁を解きほぐせるの?そこへ十三皇子が迎えにやって来た。「小薇、どうしたんだ?」「ここへ来た理由が分かったの」茗薇は未来にも茗蕙にそっくりな人がいたが、やはりそりが合わず対立していたと話した。ここでも茗蕙との間には問題や怨恨ばかり、自分が未来で彼女を嫌ったせいなのか、もしくは今の敵意が未来につながったのか。どちらにしても茗蕙との恩讐を解くためにここへ来たのは確実だった。しかし薔薇(ショウビ)には茗薇として生きた記憶が一切なく、なぜ茗蕙に恨まれているのか分からない。すると十三皇子は実家へ行ってみようと提案した。「2人で問題を解決しよう」つづく( ゚д゚)え?急に未来から来た話って…えーっ?!残りもわずかだというのに盛大に見落としていることが判明か?!( ๑≧ꇴ≦)それにしても四皇子が打ち上げられた魚のように倒れている映像がwww演出ちょっとwww
2021.04.03
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第32話「密通の醜聞」茗薇(メイビ)の献身的な介抱のおかげで、十三皇子は後遺症が残るものの、すっかり元気になった。そんなある日、皇帝が自分の見舞いに行きたくても皇宮を離れられないと聞いた十三皇子は、父を安心させるため参内すると決める。こうして2人だけの穏やかな生活が終わり、十三皇子と茗薇は再び陰謀渦巻く紫禁城へ舞い戻ることになった。十三皇子と茗薇が参内すると、早速、皇子たちが揃って出迎えた。杖をついているとは言え1人で歩いてくる十三皇子、八皇子たちは目を丸くし、その回復ぶりに言葉を失う。すると茗蕙(メイケイ)が無神経にも足は元通りになったのかと聞いた。茗薇は今は羽を伸ばしているが、悪巧みに巻き込まれないので気楽だとチクリ。「どうぞご心配なく」十三皇子と茗薇は微笑み合い、皆に2人の絆が強いところを見せつけた。康熙(コウキ)帝は十三皇子と城楼を歩いた。十三皇子の元気な様子に安堵した皇帝は、いずれ全快すれば再び活躍できると喜ぶ。皇帝は実は老いを実感していると吐露し、紫禁城を眺めながら永遠に大清の安泰が続くことを願った。「この天下を朕の子や孫に受け継いでもらいたい…」十三皇子は父の治世がまだまだ続くと励ましたが、皇帝はそれが叶わないと分かっていた。十四皇子の出征の日が近づいていた。徳(トク)妃は十四皇子に戦果を上げるよう励まし、皇子同士の争いに巻き込まれないよう釘を刺す。今回の遠征は皇帝からの下命、手柄を立てて凱旋しさえすれば、おのずと天子の位は十四皇子のものになるだろう。十四皇子はこの遠征が父から課された試練だと気づき、必ず期待に応えてみせると誓った。十四皇子は茗薇の留守を狙って十三皇子を見舞った。そこで間もなくジュンガルを討つため出征すると報告する。「早く治して共に戦場に赴き、敵を殲滅しよう」←よく言うわ( ̄▽ ̄;)十三皇子は恨み言も言わず、天下を担う重職に就いた十四弟を励まし、戦場に出たらひるむなと助言した。「安心して待っていろ、敵を一掃して戻ると約束する」2人はがっちり手を組み、権力争いを離れて共に大清の勝利を願った。一方、朝廷では戦の長期化で国庫がひっ迫していた。戸部尚書は各地から税を徴収しても官吏が多く、俸禄だけで使い果たしてしまうと上奏する。実は名ばかりの官職が増え過ぎたことで国庫を圧迫していたのだ。そこで皇帝は問題が表面化したこの機会に膿を出し切ると決める。しかし八皇子たちは何かと理由をつけて辞退、結局、四皇子が再び名乗りをあげた。早速、官吏の粛正に着手した四皇子、するとある官吏を連行しようとした時、まだ幼い娘が涙ながらに嘆願した。「王爺(ワンイェ)!爹(ディエ)は毎月、数両の俸禄で家族を養っています 汚職官吏は互いに罪を隠し合っているのに、爹のような清廉な官吏が免職されるなんて!」そこで潔白なら公正な処断を下すと英断、四皇子は群衆から称賛されたが、屋敷に戻ると頭を抱えた。官吏の削減が始まると、汚職役人たちは結託して私欲のない官吏を陥れ始めた。とは言え古(イニシエ)より忠臣と奸臣を見分けるのは難しいもの、すると行き詰まった四皇子のもとに十三皇子が訪ねてくる。十三皇子は四兄がひとりで汚職官吏を見つけ出して免職し、わずか数日で官界を改革するなど無理だと言った。「官吏の善悪は当地の民が知っています、そこで民に役人を推挙させるのです」汚職が横行する地域で民に支持された官吏には俸禄を減らさず褒賞を与え、逆に汚職官吏には厳罰を与えて戒めとすればいいという。「なるほど、民意を使うのか」←え?なるほどなのか?( ̄▽ ̄;)乾納蘭(ノーラン)貴妃が乾清(ケンセイ)宮を訪ねると、皇帝が上機嫌だった。恐らく官界の改革が成功し、国庫が潤ったからだろう。すると皇帝は四皇子が悩みを解決してくれたと喜んだ。「軍師を得て幸運だったとも言えるな〜」「軍師?」「朕が遣わしてやった、皇位に就かずとも大局を左右する男だ あやつが背後で策を巡らしさえすれば、どんな困難も乗り越えられよう」四皇子は改革成功を祝って十三弟夫婦を食事に招いた。十三皇子と茗薇は四福晋の手料理に舌鼓を打ち、相変わらず痴話げんかしながらも仲睦まじい。四福晋はそんな弟夫婦に目を細めたが、四皇子のやるせない気持ちを思うと胸が痛んだ。茗蕙は出征する十四皇子を見送りに出た。すると十四皇子は茗蕙の額に口づけし、馬にまたがる。「戻りを待て」茗蕙は無事を祈りながら、愛しい十四皇子の背中をいつまでも見ていた。茗蕙は納蘭貴妃のご機嫌伺いに立ち寄った。すると貴妃は四皇子と十三皇子が官界の改革で見事な成果を上げた今、出征した十四皇子はむしろ不利になると警告する。茗蕙は所詮一時の栄光だと問題にしなかったが、貴妃は長く仕えて来たからこそ皇帝の心が分かると言った。「2人が力を合わせれば十四阿哥に勝る、どうやら皇上のお気持ちが固まる日も近そうよ?」しかし茗蕙は皇位に着くのは十四皇子だと断言した。「邪魔をする者はどんな手を使ってでも排除します」四皇子の書斎に側福晋の年(ネン)氏が差し入れを持って来た。「置いておけ」「…顔も見てくださらないなんて、毎日、何をそんなに…」年氏は手持ち無沙汰で軸物を手に取って広げたが、驚いたことにそれは茗薇の肖像画だった。「触るな!」激怒した四皇子は年氏に2度と書斎に入るなと命じ、追い出してしまう。年氏は気晴らしに宮中へ出かけた。すると偶然、庭園で十四福晋と出くわす。年氏は茗蕙が茗薇の姉だと思い出し、恥知らずな妹を持つと大変だろうと嫌みを言った。そこで茗蕙は四皇子と茗薇の間に何かあったのかと揺さぶりをかける。年氏は2人の関係を知っていたのかと驚き、四皇子はまるで茗薇に取り憑かれたようだと嘆いた。「姐姐、そんなことでずっとお悩みに?…ふっ、なぜお分かりにならないのですか? 邪魔者がいたら除けばいいのです(ニヤリ」十三皇子の診察を終えた陳(チン)太医は、実は右足を完治させる方法がひとつあると言った。″接骨草(セッコツソウ)″というとても珍しい薬草があり、今のような冷え込む時期にだけ山林の奥深くで採れるという。茗薇は絶対に見つけて十三皇子の足を治すと奮起、順児(ジュンジ)と山へ入った。茗薇と順児は薬草を探しているうちにはぐれた。無我夢中で探していた茗薇は林の奥へ迷い込んだが、ふと誰かにつけられていると気づく。恐る恐る後退りする茗薇、その時、曲者が仕掛けた罠にかかり、木から吊り下げられてしまう。順児は急いで屋敷に戻り、福晋が山で行方不明になったと知らせた。ちょうど見舞いに来ていた四皇子は十三皇子の代わりに捜索に向かったが、なかなか見つからない。その時、林の中を走って行く茗薇に似た娘を見つけ、後を追いかけた。するとその娘が川に身を投げてしまう。四皇子は慌てて飛び込み茗薇を探したが、結局、見つからなかった。実はその頃、茗薇に成りすました娘は川を泳いで岸に上がっていた。するとそこで茗蕙が待ち構えている。「行って、このことは秘密よ?もし漏れたら…」「分かっています」日が暮れた頃、曲者は縄を切って茗薇を解放した。茗薇は足をひきずりながら歩いていると、やがて山小屋で暖をとっている四皇子を見つける。「四哥…」「小薇…」( ゚д゚)<どうしてここに?>(・Д・)川に潜った四皇子はびしょ濡れになった外衣を脱いで乾かしていた。茗薇の話では突然、誰かに吊り上げられ、夜になったら縄が切れたという。すると四皇子は大きなため息を漏らした。「私は林の中でそなたに似た女子を見かけた…どうやら誰かが我々をここに誘き寄せたようだ…」そこへちょうど茗薇を探していた順児と七香たちがやって来る。「四爺、どうして…」順児は思わず口を滑らせたが、確かに誰が見ても誤解を受けるような姿だった。四皇子と茗薇の醜聞が宮中を賑わせた。報告を聞いた徳妃はかんこう令を敷いていたが、人の口には戸が立てられない。茗薇はなぜ自分と十三皇子の仲を引き裂こうとするのか、何が狙いなのか分からず悶々とした。「気にするな、2人の絆で乗り越えれば良い」十三皇子ははなから噂など信じていなかったが、茗薇はふと不安になった。「…これはまだ始まりに過ぎないのかも」年氏は四皇子と茗薇の噂に怒り心頭だった。しかし福晋も妾室も冷静に振る舞い、本分を守っている。これが余計に年氏を苛立たせた。「情の薄い方だとは思っていたけど、まさか他の女子に思いを寄せていたなんて…」年氏は四皇子の魚寧への態度が自分たちとは大違いだと不満を募らせ、思わず茶碗を投げつけた。ガッシャーン!その時、ちょうど運悪く四皇子がやって来る。「何事だっ!」年氏は噂を耳にして腹に据えかねたと訴え、真相を知りたいと頼んだ。すると四皇子は福晋を睨みつけ、そのまま書斎へ行ってしまう。茗薇への切ない思いを封印したはずの四皇子、しかしどうしても未練を捨てられずにいた。茗薇は徳妃に呼ばれて長春(チョウシュン)宮を訪ねた。すると先に来ていた茗蕙と顔を合わせる。茗蕙はなぜ関わりのない自分まで呼ばれたのかと嫌みを言ったが、茗薇はいずれ誰が噂を広めたのか表沙汰になると牽制した。「私は姐姐だから妹妹の潔白を信じているわ~でも誰もが分かってくれるとは限らないのよ~ 人の評判は瑠璃のようなもの、一度、壊れたら戻らないの」「潔白な者は語らなくても潔白よ?」「何が潔白よ!」その声は年氏だった。四福晋は長春宮で騒がないよう間に入ると、茗薇は必ず黒幕を見つけて潔白を証明すると訴える。そこへ徳妃が現れた。徳妃は噂の張本人である茗薇だけでなく、息子の福晋たちを呼んでいた。すでに噂を広めた者に厳罰を与えたが、福晋たちにも言葉や行いには気をつけて欲しいという。「私の言いたいことが分かるわね」つづく( ๑≧ꇴ≦)とばっちりを受ける四福晋が切ない
2021.04.02
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第31話「胤祥の負傷」十三皇子は足に矢を受けたが、命に別状はなかった。しかしこの怪我で出征できなくなり、皇帝は代わりに十四皇子を指名する。こうして見事に十三皇子から兵権をかすめ取った十四皇子。八皇子たちはすっかり舞い上がっていたが、十四皇子だけはどこか冷めていた。十四皇子は十三皇子の怪我が茗蕙(メイケイ)の仕業だと気づいていた。しかし茗蕙は天下を手に入れるためには、それ相応の犠牲が必要だと言い退ける。「目的のためならそこまで残酷になれるのか?」「まだ足りない!誰よりも残酷にならないと…まだそんな道理も分からないの?」十四皇子は茗蕙がどうすれば心の安寧を取り戻せるのか分からず、途方に暮れた。十三皇子の意識が戻った。付き添っていた茗薇(メイビ)と四皇子は安堵したが、陳(チン)太医は四皇子と福晋(フジン)だけに事実を告知する。「矢じりには毒が塗ってありました…狩りの時、動物に使う毒です、故意なのか否かは分かりません 処方した薬が少しずつ毒に効いていくでしょう、命に危険はありません ただ…毒が膝の皿に侵入しており、恐らく十三爺の足は元に戻らぬかと…」茗薇はふと思い出した。確かに史実には″十三皇子は足が悪かった″とある。…これが原因なの?一体、誰がこんなことを!(はっ!)彼女だわ…茗薇は四皇子に茗蕙が犯人だと訴えた。「私の馬を刺激したのは茗蕙の策略です!彼女が胤祥(インショウ)を陥れたのよ!」激情に駆られた茗薇は屋敷を飛び出そうとしたが、四皇子が止めた。「落ち着け!そなたの身が危ない!」「泣き寝入りしろと?!」「十三弟を陥れた者は許さぬ」四皇子は全て自分に任せて欲しいと説得し、茗薇には十三皇子の看病を任せた。四皇子は茗蕙を探しにやって来たが、十四皇子に止められた。すると四皇子は怒りに任せ、弟を殴りつけてしまう。しかし十四皇子は決してやり返さず、まるで茗蕙の代わりに罰せられているようだった。そこへ騒ぎに気づいた徳(トク)妃がやって来る。「何しているの?!2人とも私が産んだ兄弟なのよ?!弟になぜそんな酷いことを?」十四皇子はただの誤解だと四兄をかばったが、徳妃は理由を話せと迫った。仕方なく四皇子は自分が悪かったと引き下がり、帰ってしまう。十四皇子は十三皇子の容体を心配して帥府園(スイフエン)を訪ねた。しかし茗薇から激しく非難され、もはや言い訳できる状況ではないと思い知る。「なぜここまでするの?!」「選んだ道が違えばこうなるのは必然だ」「そうなの、では帰って、敵同士なら十三皇子府には今後一切、近づかないで! 憎しみ以外、もう何もない!」「何もない?…そうだな、君を騙して以来、何もなくなった」十四皇子は結局、茗薇からの信頼を回復することはできないと悟った。屋敷に戻った十四皇子はいきいなり茗蕙の腕を強くつかんだ。「調教師が猛獣を手なづけられない時はどうすると?殺すんだ、害を防ぐためにな」「ふっ…あなたには何より小薇が大事なのね? 陰謀渦巻く紫禁城で権力を得るより、あの女子が大事なの? なのに私は人に罵られようと汚れ仕事を進んでやったわ、あなたのために悪事も卑劣なことも… でも結局、私は小薇の代用品なのね…」すると十四皇子が急に茗蕙に口づけした。「何も分かっていないんだな…」十四皇子は茗蕙の言葉に深く落胆し、ふらりと出て行ってしまう。十三皇子は茗薇の前では明るく振る舞っていた。しかし右足に感覚が戻らないことを不安に思い、無理に歩こうとして倒れてしまう。ちょうど寝所に戻って来た茗薇は慌てて十三皇子に肩を貸すと、養生すれば良くなると嘘をついた。互いに思い合うがゆえ本音を言えず、ぎこちない十三皇子と福晋。七香(シチキョウ)はそんな2人を黙って見守っていたが、食事の時間になっても福晋の姿がなかった。すると裏庭で取り憑かれたように黙々と何かを作っている福晋を見つける。「福晋、十三爺の怪我なら養生すれば必ず全快します、そう自分を責めずに…」しかし茗薇は史実を知っていた。十三皇子の傷は完治が難しく、生涯、十三皇子を苦しめることになる。「実はね、胤祥の怪我は完治しないの…止めないで、これを作らなくちゃ」その様子をちょうど見舞いに来た四皇子が見ていた。四皇子は毎日、十三皇子の見舞いに来てくれた。茗薇はひとまず工作を中断して顔を見せたが、四皇子はその憔悴した姿に茗薇の絶望感を悟る。そこで以前の茗薇は楽観的で何事にも立ち向かう勇気があったと思い出させ、十三皇子と2人ならどんな困難でも乗り越えられると励ました。「変えられぬなら向き合え、それでこそ小薇だ、己を取り戻せ」…そうだわ、歴史は変えられなくても胤祥には私がいる…胤祥の苦しみを減らせるなら何でもしよう…結果が変えられないなら、過程を変えればいい…胤祥を支えて元気にする、それが私の使命なのかもしれない茗薇は笑顔を取り戻し、四皇子の言葉を忘れないと感謝した。納蘭(ノウラン)蓉月(ヨウゲツ)は始めから茗蕙の策略だったと気づき、怒り心頭だった。あの時、茗蕙から打毬(ダキュウ)で魚寧に恥をかかせてはどうかとそそのかされ、蓉月は軽い気持ちで茗薇の馬に薬草を嗅がせてしまう。まさかあれほど馬が暴れるとは知らず、もちろん誰かを傷つけるつもりもなかった。蓉月は茗蕙を呼び出し、自分を利用して人を陥れたと激しく非難する。しかし茗蕙は涼しい顔で言った。「指示を出したのはあなた自身です、娘娘、それを今さら人のせいにするなんて~」蓉月は急に恐ろしくなり、逃げるようにその場を去った。蓉月は偶然、侍医院まで薬を取りに来た茗薇と出くわした。そこで十三皇子を傷つける気はなかったと釈明、あくまで利用されただけだと訴える。大事になってようやく自分の過ちに気づいた蓉月、しかし茗薇は取り返しがつかなくなる前に物事の善悪を見極めるべきだったと辛辣だった。十三皇子は何とか立ち上がれるまでに回復した。そこで茗薇は完成した手作りの車椅子を披露する。「うわっ!君が作ったのか?!」すると茗薇は使い方を説明し、レバーを引き上げるとしっかり止まると自慢した。十三皇子は初めて見る機能に大喜び、早速、座って自分で使ってみる。「おおお~!こんなの宮中の誰にも作れないぞ!すごいな~」「そうだ、久しぶりに外へ行きましょう!」そんな中、康熙(コウキ)帝は自らの老いを感じ、死期が近づいていることを悟った。そこで徳妃だけには自分の後継者候補として四皇子と十四皇子を考えていると明かす。一方、茗蕙は家職にある指示を出していた。「この件は秘密裏に動くように…知られぬようにね」すると突然、使用人の子供が誤って正殿に駆け込み、茗蕙にぶつかってしまう。激怒した家職は子供を捕まえると、罰としていきなり棒で叩き始めた。泣き叫ぶ子供の様子を目の当たりにした茗蕙は嫡母から折檻された自分の姿が重なり、あの時の恐怖がよみがえってくる。「やめて…打たないで!…ワナワナ…やめてと言っているのが分からないのぉぉぉ!」茗蕙は急に取り乱して棒を奪い取ると、家職を激しく叩き始めた。そこへちょうど十四皇子が現れ、茗蕙の姿に呆然となる。「どうした?!何があったんだ?」十四皇子は茗蕙の手を止め、大丈夫だと何度も言い聞かせた。十四皇子は茗蕙を寝所で休ませた。「私は君の夫だ、どんなことでも話してくれ」「誰にも私を傷つけさせない、絶対に許さないわ!」茗蕙は弱みを見せまいと意地を張ったが、十四皇子はそんな茗蕙を抱きしめ、優しくなだめた。十四皇子は遠征を前に八皇子と戦術を考えていたが、どこか上の空だった。八皇子は福晋のことを考えていると気づき、利害関係だけの見せかけの夫婦だと思っていたが、十四弟も本気だったのかと笑う。兄として弟たちが仲睦まじい夫婦なら安心だという八皇子、すると珍しく十四皇子が本音を漏らした。「…茗蕙の暴虐は過去に原因があるのです、かわいそうな女子だ」つづく|ω・`)うわあ~すごい黄砂でしたね@紫禁城(←そこかっw十四皇子の優しさでも消せない茗蕙の心の闇…これが現代まで続いてるってこと?やだ!何その都市伝説?!( ̄▽ ̄;)
2021.03.31
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第30話「騎馬打毬の罠」静かな桃林で眠りについた趙鳳初(チョウホウショ)。茗薇(メイビ)と十三皇子は兄を失った七香(シチキョウ)を励まし、屋敷へ戻ることにした。すると桃林の入り口で十四皇子と出くわす。十四皇子は傑物と認める趙鳳初を弔いたいと頼んだが、その時、馬車から茗蕙(メイケイ)が降りて来た。茗薇は茗蕙の姿が現代の蒋茗蕙(ショウメイケイ)と重なり、急にめまいに襲われた。心配した十三皇子は急いで帰ることにしたが、茗蕙がすれ違い様に嫌みを言う。「趙老板の死は残念だったわね~選ぶ道を間違えたのよ」「待って!」茗薇は蒋茗蕙への憎しみもあいまって激昂し、茗蕙を引っ叩いてしまう。「何の恨みがあるか知らないけど、私は愛する人を守るわ!あなたには振り回されない!」「私を叩いたわね…ワナワナ…」茗蕙はやり返そうと手を振り上げたが、その時、十三皇子がその手をつかんだ。「汚い手で触るな」「十三爺、女同士の話に口を出すと?」「手を出したら十倍にして返すぞ?」すると十四皇子が間に入って収め、茗蕙を連れて墓へ向かうことにした。しかし七香が兄を侮辱した茗蕙の墓参りを拒否する。「出てって!兄の桃林よ!」「ふっ、たかが役者のくせに皇子を追い返すと?」茗蕙の暴言に緊張が走る茗薇たち、その時、十四皇子の怒号が響き渡った。「やめないかっ!」十四皇子に一喝された茗蕙は呆然となり、結局、大人しく帰って行った。屋敷に戻った茗蕙は茗薇への恨みを募らせた。すると十四皇子が現れ、さすがに今回はやり過ぎだと叱る。茗蕙は狼や虎に勝ちたいなら手段は選べないと訴えたが、十四皇子は警告した。「自分が賢いと思っているのか?うぬぼれた者の末路が分かるか?策士は策に溺れるぞ?」茗薇は兄を亡くした七香の悲しみに寄り添った。「人は亡くなっても誰かが覚えている限り永遠に生き続けるわ、哥哥もあなたの心の中で生きてる」「だけど…いつか年をとって思い出せなくなったらどうしよう?」「七香、大丈夫、記憶は衰えても心は衰えないわ、思い出せなくても哥哥は心の中にいる」十四皇子は茗薇に趙鳳初の形見となった梅の造花を渡した。茗薇は趙鳳初が妹の約束を守ったと感激し、趙鳳初の願いを叶えてくれた十四皇子に感謝する。「…殺すつもりはなかったのね」茗薇は十四皇子が薄情な人ではないと感じ、かつて騙されたことはあったが、十四皇子を信じられると言った。「でも茗蕙は別よ、手段も陰湿で悪どいわ」「なら四哥は?卑劣だと思わぬと?貝勒(ベイレ)を死に追いやった、あまりに冷酷だ、なぜ味方を?」「私と胤祥(インショウ)には四哥の情が見えるからよ」「なるほど、情か…誰の心にも情はある、茗蕙にもな」そう言われると茗薇は何も言い返せなかった。借金回収により戦況に進展が見られたが、長い戦で兵士たちは疲弊していた。兵部侍郎たちは皇子が遠征すれば兵の士気も上がると上奏し、山東の盗賊討伐で活躍した十四皇子を推挙する。しかし皇帝には別の考えがあった。康熙(コウキ)帝は皇子の中で抜きん出ている十三皇子を自分の補佐にしようと決めた。話を聞いた徳(トク)妃は2人の息子がいながら決して口を出さず、皇帝の決定に全面的に従うという。皇帝はそんな徳妃の謙虚さを喜び、早速、胤祥(インショウ)を呼んだ。皇帝は人払してから十三皇子に思わぬ話を持ちかけた。「朕に代わってそちが大清の隆盛を保てと言ったらどうする?」皇帝は時間を与えるのでよく考えるよう言ったが、十三皇子の心は決まっていた。「私のような性格では重責を担えません…皇位に興味はなく、皇帝に付き従う立場を望みます」十三皇子は四兄が帝位を継ぐことが民の幸せであり、君主には仁徳より賢明さが必要だと訴える。この言葉に皇帝は感銘し、確かに懸命な君主は得難いものだと笑顔になった。「よく申した、その点は思い至らなかった そちのような兄弟が胤禛(インシン)に付き従うのなら、我が大清とその民は安泰だ」すると皇帝は十三皇子に軍を率いてジュンガルへ出征するよう命じ、四皇子には目付け役として後方支援の指揮を任せた。十四皇子派となった八皇子たちは父が四皇子と十三皇子に兵権を授けたと知って愕然となった。これで凱旋すれば兵権の奪回は難しくなるだろう。九皇子と十皇子は勝算がなくなったと肩を落としたが、十四皇子は兵権を奪うために狙うのは十三皇子1人だと言った。「老十三を失ったら、老四に何ができる?」一方、十三皇子と四皇子は早速、遠征の準備に取り掛かった。茗薇は書斎へお茶を差し入れたが、熱中する2人は茗薇が声をかけるまで気が付かない。仕方なく茗薇は早々に下がった。…胤祥がジュンガルへ?史実では十四皇子のはずだけど…遠征軍の指揮官となった十三皇子は四皇子と一緒に軍営を訪ねたが、3人の将軍はあからさまに冷遇した。そこへ十四皇子が涼しい顔で現れ、山東で共に戦った将軍たちを労い、勝手に休ませてしまう。順児(ジュンジ)は屋敷に戻ると真っ先に軍営での様子を福晋(フジン)に報告した。しかし十三皇子は将軍たちから馬鹿にされても怒らなかったという。その時、ちょうど十三皇子と四皇子が戻って来た。「君が甘やかすからおしゃべりになった」「心配しているのよ」四皇子は責任を感じていた。実は貝勒の死後から忌み嫌われ、借財回収は成功したが人心を失ったという。茗薇は思わず軍費調達のための回収だったと力説したが、かえって気まずくなった。「…で、これからどうするの?」「何が不満だろうと、私が指揮官である以上、従わせるさ!」翌日、再び軍営を訪れた十三皇子は、相撲の達人だという将軍たちに腕比べを持ちかけた。「3人まとめてどうだ?」「3対1で勝負を?本気ですか?十三爺?…勝負に主従は関係ありませんよ?」「どこからでもかかって来い」すると十三皇子は兵士たちが見守る中、見事に剛腕な将軍3人を退けた。これをきっかけに将軍たちは十三皇子の話に耳を傾け、共に戦おうという強い信念を知る。そして自分たちの無礼な態度を咎めることなく、再び杯を交わしてくれる十三皇子に敬服し、共にジュンガルと戦おうと誓った。「どこまでもお供します!十三爺!」↓(๑•̀ㅂ•́)و✧ガッ参内した茗蕙は偶然、侍女に八つ当たりしている納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)と出くわした。聞いてみれば叔母である貴妃に今年は打毬(ダキュウ)の行事を再開するよう勧めたが、全く取り合ってくれないという。以前は毎年、打毬の行事があり、この時だけは宮中でも女子の乗馬が許されていた。すると茗蕙は自分からも貴妃に口添えしてみるという。納蘭貴妃は打毬の再開に難色を示した。再開するには手間も時間もかかり、何より費用がかかるという。そこで茗蕙は徳妃を持ち出して貴妃の嫉妬をあおった。「打毬を中止して倹約したのは災害救済のためでした 復興も進んだ今、後宮が倹約を続けていては体面を損ないます それに…娘娘は現在、後宮で最高位ですが裁定役は徳妃娘娘です これではうかつな者なら後宮の主人が徳妃娘娘だと勘違いするやも…」茗蕙は打毬の行事を再開して成功を収めることが威信を取り戻す好機だと助言した。茗蕙は蓉月に貴妃を説得できたと報告した。そこでちょうど茗薇と敵対していた蓉月に今度は自分に協力して欲しいと頼む。こうして久しぶりに後宮で打毬の行事が開催された。茗薇も馬に乗って参加したが、会場に入ると早々に蓉月から玉の輿に乗った雀が来たと揶揄される。「雀は鳳凰になれないのよ?…魚寧(ユーニン)?」「雀が何だって〜?そろそろ試合が始まるわ〜負けないでね〜」「見てなさい!私が勝つから!」茗薇に鼻であしらわれた蓉月は悔しさをにじませながら、密かに茗薇の馬を引く宦官に目配せした。茗薇の馬は落ち着いていた。しかし宦官がこっそり馬の鼻に薬をあびせかけ、驚かせる。馬は興奮して急に暴れ出すと、宦官を蹴り飛ばして馬場へ飛び出した。「小薇!馬にしがみつけ!」十三皇子は慌てて馬を追いかけると、四皇子は母たちを避難させた。十三皇子は馬に飛び乗り、何とか制御しようとした。すると衛兵の1人が馬を押さえるのが無理なので殺せと叫ぶ。馬上に皇子と福晋がいるにも関わらず、一斉に矢を放つ衛兵たち、驚いた十三皇子は茗薇を抱えて飛び降りたが、その時、十三皇子の足に矢が刺さった。「うっ!」「胤祥!」四皇子と茗薇は急いで十三皇子を太医の元へ運んだ。呆然と見守っていた十四皇子だったが、ふと遠目から騒ぎを見ている茗蕙に気づく。茗蕙は思わず十四皇子から目をそらしたが…。つづく|ω・`)あれ?獄中の貝勒に衣装を届けたのはてっきり茗蕙だと思ってたけど…違うの?梅の花のくだりもイマイチ分からないわ〜
2021.03.30
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第29話「梅の花のように」七香(シチキョウ)はここ数日、胸騒ぎがして食欲がなく、夜も眠れなかった。そんなある日、掃除中にうっかり花瓶を落とし、破片を拾おうとして手を切ってしまう。ちょうど通りかかった茗薇(メイビ)は驚いて傷の手当てをしたが、手際の良い七香にしては変だと気づいた。すると七香は嫌な予感がすると訴え、兄の身に何かあったのではないかと気が気でない。「もうすぐ約束の日なのに便りがないなんて… 心配でなりません、十三爺から何か聞いていませんか?」「聞いていないわ」茗薇は七香に心配かけまいと嘘をつき、ずっとこの屋敷にいてはどうかと提案した。しかし七香は唯一の肉親である兄との絆は何ものにも代えられないという。「兄のいる所こそが私の家です」七香は幼い頃に両親を失くし、他に身寄りもなく兄と2人で生きて来た。趙鳳初(チョウホウショ)は兄として父として妹を育て、武術と生き方を教えてくれたという。…兄さんがお前を守る…七香は2人だけで暮らした日々を懐かしみ、しみじみ幸せだったと言った。「私が大人になったら2人で地方へ行き、馬を駆けて何にも縛られずに生きると約束したのです…」刺客として生きる兄には高い志があり、だからこそ危険な任務でも必ず果たすという。しかし七香はなぜか今回だけは不安で仕方がないと漏らした。貝勒(ベイレ)への厳しい拷問が続いた。しかし貝勒は一向に口を割らず、次第に朝廷では四皇子への非難の声が上がり始める。十四皇子はそろそろ潮時だと考えたが、茗蕙(メイケイ)は貝勒が釈放されても何の解決にもならないと意見した。すると十四皇子は口を出さない約束だと釘を刺し、出かけてしまう。十四皇子は皇帝に謁見した。すると康熙(コウキ)帝がなぜか胤禛(インシン)を弾劾する奏状ばかりだと訝しむ。十四皇子は四兄に義憤の声が集まっていると訴え、あの優しい貝勒に残虐な拷問を加えていると非難した。「ご決断ください、皇阿瑪、皇権の乱用で忠臣を死なせてはなりません」皇帝は朝廷に広まる不安を鎮めるため、今日中に取調べの結果が出なければ釈放を命じると言った。しかしその夜、収監されていた貝勒の元に新しい衣装が届く。「老四…罪のない命を奪うとは…世は何と不公平なのか…貴様の負けだ」貝勒は長い水袖を見てその意味を悟り、濡れ衣を着せられた恨みをひとしきり歌い上げて首を吊ってしまう。その頃、茗蕙はひとり涼亭で琴を奏でていた。翌朝、貝勒の突然の自害で朝廷は紛糾した。皇帝も四皇子を弾劾する声を無視できなくなり、すぐ胤禛を呼ぶよう命じる。一方、茗薇は南山へ向かったまま一晩中、戻らなかった十三皇子を心配していた。すると慌ただしく出かけようとしている順児(ジュンジ)を見つける。「待って!胤祥(インショウ)はどこ?」「あ、お伝えするのを忘れていました!」順児の話では昨夜、貝勒が獄中で自害し、十三皇子は宮中に駆けつけたという。福晋に事情を伝え、着替えを持って来るよう命じられたのだ。何でも皇子たちと百官は四皇子が貝勒に白綾を賜ったと怒り心頭で宮中は大騒ぎだという。驚いた茗薇は貝勒の死で均衡が崩れ、趙鳳初の身が危険だと焦った。七香は今朝から姿が見えなかった。茗薇は兄妹の約束の日だと思い出し、待ち合わせ場所の山荘へ向かう。すると雨の中、七香が花の器を持って立っていた。茗薇は大雨なので帰ろうと声をかけ、趙鳳初は用事があるので遅れているとごまかす。しかし七香は意地でも動かず、茗薇は仕方なく真実を明かした。「来ないの…待たないで」七香は兄が実は失踪したまま生死も分からないと聞き、愕然となった。七香は帥府園(スイフエン)に戻ったが、剣を片手にすぐ出かけた。すると茗薇が追いかけて来る。「私も行く、心当たりがあるの」2人は南山に入って趙鳳初を探したが見つからず、結局、夜が明けた。さすがに七香は本当にここにいるのか疑い始めたが、茗薇は思い当たる場所が南山だけだという。とにかく探し続けるしかない2人、その時、茗薇がうっかり前日の雨で緩んだ土に足を取られた。七香は咄嗟に福晋の腕をつかんだが、2人はそのまま抱き合うように山肌を転がり落ちてしまう。茗薇と七香は谷へ落ちたが、運良くかすり傷で済んだ。すると茗薇がなぜか梅の花が落ちていると気づく。「梅の木はないのに…なぜ花が?」七香はすぐ兄が作った造花だと分かった。どうやら趙鳳初はこの近くに監禁されているらしい。その時、茗薇が不自然な山神廟を見つけた。「山崩れが多い南山でしっかり立っているわ…」すると古い廟にも関わらず、なぜか新しい札が掛かっている。茗薇はその札を怪しんで触ってみると、札が動いて岩肌の隠し扉が開いた。七香は洞窟で兄を発見、見張り番を倒した。しかし拷問を受けた趙鳳初は深手を負い、切りつけられた目には布が巻かれている。七香は涙に暮れたが、茗薇は早く逃げようと急かした。趙鳳初の救出に成功した茗薇と七香、しかし逃げる途中で刺客が現れた。七香は兄の助太刀もあって刺客を片付けることに成功したが、どうやら新たな追っ手が近づいている。そこで茗薇は二手に別れて自分がおとりになると決め、刺客たちが残した馬で逃げることにした。茗薇は途中で七香たちと別れ、追っ手を引きつけて必死に馬を駆けた。しかし追っ手が放った矢が馬に命中、落馬した茗薇に魔の手が迫る。すると運良く茗薇たちを探していた十三皇子たちが間に合い、難を逃れた。「遅れてすまない、怪我は?」「大丈夫、それより早く七香たちを!」七香は追っ手をまいて川岸に出た。安心した七香はひとまず馬を降りて茗薇を待つことにしたが、兄の様子がおかしい。実は後ろに乗っていた趙鳳初は追っ手が放った矢を背中に受けていた。すると趙鳳初は激しく喀血し、そのまま倒れてしまう。驚いた七香は医者を探しに行こうとしたが、趙鳳初は手遅れだと止めた。そこで履物に隠していた密書を出し、七香に託す。「お前から十三爺に渡してくれ…いいな?」趙鳳初は妹との約束を破ったことはなかったが、今回だけは守れそうになかった。「お前と兄妹として生きられた…最高の人生だった…お前と過ごした日々は本当に楽しかったよ… だが…もう…面倒を見てやれぬ…身体を大切にせよ…約束だ…しっかり生きて行くと…」趙鳳初は最後に童謡が聴きたいと頼んだ。そこへようやく十三皇子と茗薇も駆けつける。しかし趙鳳初はかつて幼い頃、背中におぶった妹が歌ってくれた童謡を聴きながら静かに息を引き取っていた。一方、四皇子は朝議で槍玉に挙げられていた。皇帝は釈明の機会を与えたが、四皇子は自分が何を言おうと無駄だと開き直る。今や保身に走る大臣たちと私利を求める弟たちが自らの罪が暴かれるのを恐れ、自分を排除しようと躍起になっていた。「皇阿瑪、全ての責めは私にあります、どうぞ罰を…」皇帝は仕方なく四皇子を刑部に収監して厳罰を与えるよう命じたが、そこへ十三皇子が現れた。「皇阿瑪!お待ちください!」趙鳳初は密書に金庫の場所を残していた。十三皇子は貝勒の隠し財産と帳簿を運び入れ、貝勒の罪は揺るぎない事実だったと報告する。驚いた皇帝は戸部と大理寺で詳しく調べるよう命じたが、その衝撃はあまりに大きかった。「朕の治世のどこが太平だと言うのだ…」七香は趙鳳初の墓前に手作りの料理を供えた。「哥…私をからかっているだけでしょう?私を連れて行くのが面倒で死んだふりしているんだわ…」なかなか兄の死を受け入れられない七香、すると茗薇がそっと寄り添い、造花の容器を渡す。容器の中には造花が6つ、本来なら今頃、真ん中に7つ目の梅の花が入るはずだった。「七香、梅は″強さ″を表す、それが哥の願いだわ、必ずあなたを守ってくれる」すると七香は梅の花を容器に納め、茗薇の肩を借りて泣いた。十三皇子もこれから自分たちが七香の家族だとなぐさめ、自分が兄だという。「哥…約束するわ、私は梅の花のように強く生きて行く…哥の分までしっかり生きてみせるわ」つづく( ;∀;)哥哥~いつも大雑把なのに、なぜ哥哥の死だけ生々しいの?w
2021.03.29
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第28話「内通者」借金の取り立てを任された四皇子。弟の十皇子でさえ容赦なく取り立てられる中、ついに貝勒(ベイレ)の屋敷に四皇子がやって来た。するとちょうど趙鳳初(チョウオウショ)たちが劇場に戻るため、荷物を運び出そうとしてる。四皇子は劇団の大きな荷物を怪しみ、箱の中を改めるよう命じた。貝勒はこれで万事休すと頭を抱えたが、中身が全て劇団の道具だと判明する。仕方なく引き上げた四皇子、貝勒は胸を撫でおろしたが、なぜ自分の銀子がなかったのか困惑した。実は趙鳳初は万全を期すため、貝勒にも内緒で昨夜のうちに運び出しておいたという。貝勒は八皇子一派と合流し、趙鳳初のお手柄を聞かせた。貝勒と趙鳳初に財物を預けておいた八皇子と九皇子は喜んだが、十皇子は自分だけ取り立てられて面白くない。「ふん、財産を赤の他人に預けられるか!しかも卑しい役者など信じられぬ!」八皇子は減らず口を叩く十弟を叱ったが、当の本人は我関せずだった。趙鳳初は今回、運び出せたのはほんの一部で、財物をこのまま都に置いておけば四皇子に見つかるだろうと警告する。そこで屋敷にある財物を全て自分が都の外へ運び出すと持ちかけた。九皇子と十皇子は危険すぎると反対したが、八皇子はあの四兄に一杯食わせた趙鳳初なら信じられるという。「貝勒府のあとは私たちの屋敷だろう…もう時間がない、趙老板にお願いしよう」しかし十四皇子と茗蕙(メイケイ)はどこか趙鳳初を信じられなかった。十四皇子は趙鳳初がひとりになったところで声をかけた。「どうやって運ぶのか計画の全容を聞かせてくれ」「明かせません、容赦ない四爺に対抗するには危険でも意表を突く策を採らねば」「鋭い見解だ…趙老板が味方でよかった、非凡な観察眼を持つ趙先生が敵に回ればかなわない」「ふっ、お互い様です…では準備がありますので」帥府園(スイフエン)、茗薇(メイビ)は珍しく物思いにふけっている侍女・七香(シチキョウ)を見つけた。そこで不意をつき、七香が大事そうに持っている容器を取り上げてしまう。「これは何?」「はっ!返してください!哥哥からもらったのです!」容器の中には造花が入っていた。茗薇はふざけて容器を返さなかったが、十三皇子に叱られてしまう。「小薇、2度とするな」十三皇子は器を返してやると、七香は兄が迎えに来れば福晋(フジン)と一生、会わなくて済むと言い放った。その夜、十三皇子は十四皇子からの誘いで趙鳳初の舞台を見に行った。そして観劇の後、その足で四皇子を訪ねる。「四哥、我らの内通者がばれたようだ」「趙鳳初が?」十三皇子は十四弟から観劇に誘われて趙鳳初との関係を探られたと報告、目を付けられた趙鳳初が心配だと訴えた。しかし今さら後戻りもできず、四皇子は一度も失敗したことがない趙鳳初を信じると決める。「これまでの努力が水の泡になる、20万の兵が前線で命を削っているのだ この銭がなければ戦えぬ、だから一か八かやってみるしかない、危険でもやるのだ」十三皇子は郊外に趙鳳初を呼び出した。「今すぐ計画を中止しして引き揚げろ、十四弟に勘づかれた、君の身が危ない」実は趙鳳初も十四皇子のことは気づいていたという。しかし十三皇子にあえてほのめかしたのなら、まだ成功の機会があるはずだ。十三皇子は十四皇子が手強い相手だと言い聞かせたが、趙鳳初はこの資金回収がいかに大事か分かっていた。「私を信じてください」趙鳳初は長年、八皇子に仕えて信頼を得たことから、十四皇子の疑念を逆手に取るつもりだという。「…十分、尽くしてくれた、今の状況はかなり危うい、七香に哥哥を失わせてはならぬ」造花を見ては兄が迎えに来るのを待っている七香、十三皇子はそんな七香を悲しませることはできなかった。すると趙鳳初は決して失望させないと説得し、その代わり十三皇子にも協力を頼みたいという。十三皇子は茗薇に七香が大事そうに持っている造花の秘密を教えた。あの花は兄からの贈り物で、その兄は四兄と自分のために危険な務めに就いているという。兄は妹を安心させるため毎年、七香図(シチキョウズ)の花を1つずつ送っていた。そして七つの花が揃ったら、2人で新天地へ行く約束だという。「あと1つ、花が届けば旅立てるんだ」実はその兄とは趙鳳初だった。茗薇は趙鳳初が四皇子の間者で、しかもその秘密が八皇子派に露呈しそうだと知る。しかし十三皇子は必ず趙鳳初を守ってみせると約束し、茗薇にも協力を頼んだ。↓( ・ノェ・)ヒソヒソヒソ…茗蕙は徳妃への挨拶に長春(チョウシュン)宮を訪ねた。すると魚寧(ユーニン)こと茗薇が徳妃の好物の菓子を届けにやって来る。徳妃から十三皇子の近況を聞かれた茗薇は、四兄と一緒に国庫資金の回収に忙しく、その働きぶりが朝廷でも称賛されていると言った。「でも恨みを買う仕事だから心配だわ…」「娘娘(ニャンニャン)ご心配なく、″小エビを捕らえ次は大魚だ″と…」「今のはどういう意味?借金の回収がなぜ魚と関係あるの?」茗蕙は茗薇の言い回しが引っ掛かった。しかし茗薇は小耳に挟んだだけで、自分にも意味は分からないという。長春宮をあとにした茗蕙と茗薇、すると茗蕙は改めて思わせぶりな言葉の意味を確認した。「さっきの話の意味は何?小エビとか大魚とか… まあ戸部には何の力もないわ、四爺も十三爺も無駄骨ね」「そうかしら?最後に笑うのはどちらかしらね?」「やけに自信満々だけど、ただの虚勢でしょう?」「ふっ、どれだけ用心しても噂は必ず漏れるものよ?あなたたちの所業は分かってる」すると茗薇は不敵な笑みを浮かべ、帰ってしまう。その夜、茗蕙は十四皇子の身支度を手伝った。「爺、今夜は十分、注意してください、金子を運ぶ者たちは信頼できるの?」茗蕙は一抹の不安がよぎり、思わず口を出してしまう。すると十四皇子は福晋の本分を守るよう釘を刺し、出かけて行った。茗蕙は大人しくしていると約束したが、胸騒ぎがしてひとり金庫を確認に行ってしまう。見張り番は誰も入れないと制したが、茗蕙は半ば強引に入って行った。そこへ見張り番を倒した趙鳳初が現れる。「金庫の場所を教えてくれて礼を申します」「やはりお前が内通者だったのね」しかし警戒していた十四皇子が駆けつけ、趙鳳初を捕らえた。「ここで貴殿に会いたくなかったが、やはり来たか…」趙鳳初がこつ然と消えた。四皇子と十三皇子は趙鳳初が捕まったと気づき、対抗して八皇子一派である貝勒を連行する。これに八皇子たちは動揺した。八皇子は貝勒が口を割るのを見越し、すでに父にどう言い訳するか悩んでいる。しかし十四皇子は軟弱そうな貝勒が実は義理堅く気骨があると安心させた。一見、自分たちが不利に見えるが、時間を稼げれば風向きが変わって相手が負けるという。「ふっ、四哥がどれほど冷酷で強硬な手を使うのか見せてもらおう」十三皇子は貝勒府を捜索したが、金庫も趙鳳初も一向に発見できなかった。肩を落として貝勒府を出る十三皇子、その時、危うく屋敷に戻って来た馬車にひかれそうになってしまう。御者は慌てて謝罪すると、十三皇子は注意だけして見逃した。茗薇が心配して待っていると、十三皇子がようやく帥府園に帰って来た。しかし貝勒はどうしても口を割らず、趙鳳初の居場所も依然、分からないという。「鳳初に万一のことがあれば七香に何と言えばいいんだ…」「大丈夫、貝勒がこちらにいる限り、鳳初が殺されることはないわ、助けられる」茗薇は十三皇子を励ましていたが、ふと十三皇子の裾にくっついた蒼耳子(ソウジシ)に気づいた。「城外へ行ったの?」「いいや、貝勒府を捜索してそのまま戻った」「変ね…」茗薇は徳妃の側仕えだった頃、太医から蒼耳子は南山(ナンザン)にしかないと聞いたことがあるという。すると十三皇子は馬車と接触したことを思い出し、その時に付いたと気づいた。「あの馬車は南山へ行ったんだ!」一方、拘束された貝勒は厳しい拷問にも耐え、二日経っても口を割らなかった。すると四皇子は貝勒の鎖を外し、酒と料理を差し入れる。貝勒は早速、杯を手にしたが、四皇子は咄嗟に止めた。「待て…空腹で飲むな」四皇子は貝勒を気遣って小皿に料理を取ってやる。しかし貝勒は審問するのが四従兄だろうと皇帝だろうと何も話すつもりはないと断言した。「金庫の場所は飲み込みました、もう出てこない…何をしても無駄ですよ」貝勒は義理を貫いて死ぬなら悔いはないという。「四爺、私をここで殺すか、もしくは何もなかったように私を釈放するかです」四皇子は最後に機会を与えたが、貝勒は頑なだった。そこでやむを得ず杯を勧める。「…この酒は貝勒府の酒には劣るが、共に飲もう」貝勒は拷問で血だらけになった手で杯を空けたが、ふと気づくと四皇子は飲んでいなかった。貝勒は急に苦しみ出し、毒酒だと気づいた。「のどを痛めつけた、2度と舞台には立てぬぞ?吐かぬなら次は手を潰す お前の大事なものを1つずつ奪ってやる」四皇子は死ぬより辛いめに遭わせると脅して帰ることにする。「老四!恥知らずめ!…ウグッ!…ロクな死に方しないぞ!呪って…や…る…グッ…」つづく|ω・`)え?…急に金庫って何?話が全然、分からない…私、見過ごしてる?w
2021.03.27
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第27話「新たな戦い」十三皇子から天秤をもらった康熙(コウキ)帝は色々と考えさせられるところがあった。すると徳(トク)妃が薬湯を届けにやって来る。「皇上、近頃、胤祥(インショウ)からもらった天秤を良くご覧になっていますね」実子でなくても十三皇子を養育してきた徳妃、そこで胤祥は賢くて物分かりがよく、幼く見えても大人だと言った。「そちの子は皆、人の心をよく理解しておるな…」すると皇帝はめずらしく近頃、疲れて身体がついてこないようだと弱音を吐いた。「何をおっしゃいますか…ただあまりにもお疲れなら休まれるべきかと?」皇帝は徳妃の進言に一瞬、目を丸くした。徳妃は失言だったと詫びたが、皇帝は実はそうしようと思っていたという。しかしそのためには一刻も早く世継ぎを選ばねばならなかった。廃太子となった胤礽(インジョウ)は東宮を出ることになった。十三皇子は毓慶(イクケイ)宮に駆けつけ、茗薇の救出への協力に感謝しながらも、申し訳ない気持ちだと伝える。しかし二皇子は本当に心が広かった。人の心には天秤があるが、良心を失えば行く先を見失ってしまう。二皇子は最後の力で十三弟を守り、皇太子として恥じぬ振る舞いができたと笑顔を見せた。「今は晴れ晴れとした気分だよ」すると小春(ショウシュン)のために植えた白玉蘭(ハクギョクラン)を指さし、これだけは新居に移すつもりだと教えた。皇帝は十三皇子の茗薇(メイビ)への深い想いに心を打たれ、ある策を講じた。そして皇子たちを集め、そこで十三皇子に妻を娶らせると命じる。「福晋(フジン)となるのは戸部尚書・馬爾漢(マルハン)の娘で兆佳(ジョーギャ)氏魚寧(ユーニン)だ」皇帝は死罪を命じた雅拉爾塔(ヤラルタ)茗薇を生き返らせることはできないため、茗薇の出自と名前を変えて十三皇子に再び嫁がせた。↓″ぎょねい″じゃあんまりなので″ゆーにん″で…|ω・`)八皇子は弟たちから事の顛末を聞いた。九皇子と十皇子は茗薇が罰もなくシレッと福晋に返り咲いたことに納得できず、その苛立ちは十四弟に向かう。「朝議で八哥をかばいもしないで…それでも兄弟か?!十四″爺″、お前がこんな冷たい男だとはな!」しかし八皇子は十四皇子が情勢を見抜き、中立を装ったのだとかばった。「私にもようやく分かった、皇阿瑪は私を世継ぎにする気など微塵もない」八皇子は生母が宮女だったため、高貴な出でないことが原因だと悟ったという。つまり八皇子一派で世継ぎに選ばれる可能性があるのは十四皇子だけ、そこで八皇子は十四弟の後ろ盾になると決めた。無欲だった十四皇子だったが、言われてみれば四皇子と十三皇子のどちらかが世継ぎになるのを黙って見ていることはできない。結局、九皇子と十皇子も十四弟を支えて行くと約束、再び新たな戦いが幕を開けた。茗蕙(メイケイ)は十四皇子が十三皇子の策を知りながら見逃したと憤慨した。「いくら尽くしてもあの女は手に入らないのに…」茗蕙も気づいていながら黙っていたが、それは皇帝が八皇子を世継ぎにするつもりがないと分かっていたからだという。すると十四皇子は八兄の期待を担うと決めたと以上、今後は兄弟のことに口を出すなと命じた。「政争から離れよ、私を失望させるな」そんなある日、皇子たちは従兄弟である貝勒(ベイレ)から招待され、屋敷で芝居を鑑賞した。芝居好きの貝勒は自ら女形で歌を披露したが、お世辞にも上手いとは言えない。十三皇子と茗薇は思わず失笑したが、そこへ遅れて四皇子が現れた。四皇子を拒絶して逃げ出した茗薇は気まずかったが、十三皇子は全て終わったことだと安心させる。すると舞台に都で有名な役者・趙鳳初(チョウホウショ)が登場した。演目が終わると、皇子たちは慣習通り褒美を出した。しかし十皇子は自分の招きを断りながら貝勒の芝居に出てきた趙鳳初に腹を立て、金子を足元に放り投げる。趙鳳初は角が立たないよう自ら金子を拾おうとしたが、十皇子がその前にひざまずけと命じた。これに憤慨した茗薇は褒美を与えたならすでに趙鳳初のもの、どう拾おうが自由だと意見する。十皇子は十三福晋には関係ないとあしらったが、茗薇はこの件が広まれば十兄が権力を笠に着ていると噂になり、皇室の体面を損なうと指摘した。するとその隙に趙鳳初が長い袖を使って金子を拾い上げてしまう。八皇子はそこで十皇子を制止、さすがに血の気の多い性格を直せと叱った。舞台が終わり、貝勒も着替えを済ませて宴席に加わった。四皇子は十三皇子と2人で杯を傾けながら、茗薇を救ったのは確かに十三弟のためだったと釈明する。「だがその後…」「四哥、もう過ぎたことです」十三皇子はこうして再び茗薇と暮らせるのは四兄のおかげだと感謝した。すると貝勒が2人の卓に現れ、十三皇子を強引に八皇子たちの席に連れて行ってしまう。十三皇子は貝勒の顔を立てて八皇子たちと乾杯すると、すぐ戻ることにした。しかし十四皇子に引き止められ、2人は自然と飲み比べの様相となる。茗薇は遠目からそんな十三皇子の姿を目を細めて見ていたが、そこへ茗蕙が現れた。「確か兆佳氏魚寧だったわね、雅拉爾塔茗薇でないならもう妹ではないわ 姐妹の情がないと責めないでね」「情なんてもともとなかったでしょう?ふっ」すると茗蕙は十三皇子と十四皇子の飲み比べはどちらが勝つと思うか聞いた。茗薇はたかがお酒の遊びに勝ち負けなどないとあしらったが、茗蕙は愛新覚羅(アイシンギョロ)の男たちは勝負が好きだという。「妹妹、最後に勝つのは誰か私と賭けをしてみない?」歴史を知っている茗薇にとって無意味な賭けだが、かと言って結果を教えても茗蕙が信じるとは思えなかった。「阿哥たちの争いを煽るようなことを言って…皇上が知ったらどう思うかしら?」茗薇は呆れて席を立った。裏庭に出た茗薇は偶然、涼亭でひとり茶を飲んでいる趙鳳初を見つけた。すると趙鳳初は十皇子に絡まれた際に助けてもらったと感謝する。「正義感の強い方ですね、敬服します」「ただ無謀なだけなんです…テヘ」そこへ茗薇を探していた十三皇子が現れ、趙鳳初は拝礼して先に下がった。「親しみやすいけど気品があるわ~ただ者じゃないわね」「…ああ、そうだ」その様子を偶然、茗蕙が見ていた。茗蕙は十三皇子と趙鳳初の関係をいぶかしんだ。そこでべろんべろんに酔っ払った貝勒に探りを入れてみたが、要領を得ない。「貝勒、飲み過ぎですよ?」趙鳳初は茗蕙を警戒して声をかけた。すると十四皇子が茗蕙を迎えにやって来る。「趙老板?芝居の続きが楽しみね…」茗蕙は意味ありげにそう言って引き上げた。清軍は多数の犠牲を出しながらジュンガルの反乱を鎮圧できず、青海まで攻め込まれていた。朝議で皇帝から叱責された兵部尚書は軍費不足でなす術ないと上奏し、兵糧も武器もない状況で勝利するのは困難だと訴える。皇帝は十分な銀子を割り当てていると言ったが、たまり兼ねた戸部尚書が自分の責任だと名乗り出た。実は貸し出した銀子の取り立てができず、予算が不足しているという。すると四皇子が長年の問題だったと明かし、皇族や大臣たちが無条件で銀子を借りたまま、権力を笠に着て借金を返していないと告発した。これに皇帝は激怒、焦った九皇子と十皇子は十四皇子に目配せする。「皇阿瑪、私が皇子として借金の取り立てをしたいと存じます」十四皇子は兄たちを助けるため立候補したが、四皇子が十四皇子では問題だと反対した。そこで十三皇子はすかさず十四皇子が重責を担うなら自分も手伝うと希望し、わざと取り立てが面白そうだと茶化す。そのせいで皇帝は何かと張り合う十三皇子と十四皇子では心許ないと判断、公平公正で冷静沈着な四皇子を指名した。四皇子は情け容赦なく借金を取り立てた。大臣たちは文句も言えずに従ったが、十皇子は自ら前庭に居座って取り立てを邪魔する。「すぐに返せば済む話だ、兄弟の仲も傷つかぬ」「屋敷の物に手を出したいなら私の屍を越えよ!」しかし四皇子は配下に命じて十弟を椅子ごと門まで移動させ、拘束してしまう。やがて野次馬が集まり出し、戸部への借金返済で貝勒や親王さえ差し押さえられていると噂した。さすがは四阿哥だな~>(*´・д・)(・д・`*)<ねー面目丸潰れの十皇子は激昂し、父に訴えてやるとわめく。すると四皇子はひるむことなく、配下に十皇子を皇帝のもとへ運べと命じた。徳妃は皇帝に茶を献上し、今回の取り立てで四皇子が恨みを買っていると心配した。四皇子は真面目だが融通の利かないところがあり、十皇子に強引な手段を取ったと噂になっているという。「このまま続けさせては阿哥たちの仲に傷がつくかと…」しかし皇帝は長年の問題をあえて明るみに出した胤禛(インシン)だからこそ解決できると安心させた。実は誰もが隠していたが、皇帝は国庫が空であることを知っていたという。「朕は国の主として各勢力の均衡を保たねばならぬのだ 決断力のある胤禛こそが本件を片付けるのにふさわしい 阿哥らの仲を損ねるかどうかについても考えがある」貝勒は趙鳳初に頼んで金品を持ち出してもらうことにした。しかしちょうど荷物を運び出している時、四皇子がやって来る。貝勒は確かに借金はあるが返せる銭がないと訴えたが、四皇子が大きな荷物に目をつけた。「これは何だ?」「四爺、これは劇団の衣装と道具です」すると四皇子は趙鳳初の荷物を開けるよう命じた。つづく|ω・`)まさか…14が手に入れたいのは小薇!なんてことはないよねえ…4もまだ未練がありそうだし…なぜそこまでこだわるのかイマイチ分からないわ〜
2021.03.25
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第26話「廃位の申し出」茗蕙(メイケイ)が納蘭(ノーラン)貴妃に茗薇(メイビ)の生存を告発、これが皇帝の耳に入って茗薇は収監された。喜んだ十皇子は茗薇を利用すれば四皇子と十三皇子を一網打尽にできると勢いづく。九皇子は早速、四皇子が皇帝を欺いたと告発しようと言ったが、八皇子はかえって兄弟の争いを嫌う皇帝の怒りを買うと反対した。十四皇子も今は余計なことをせず、静観すべきだと訴える。すると茗蕙も自分たちの関与を疑われぬよう、何も知らなかったふりをすべきだと同意した。しかし朝議で突然、刑部尚書が死罪となった十三福晋(フジン)が生存していると告発し、しかも皇帝を欺いて罪人を助けたのは四皇子だと名指しする。驚いた八皇子は咄嗟に四皇子の所業とは思えないと兄をかばい、懇意の大臣に目くばせした。すると大臣が濡れ衣の可能性もあると訴え、再度、刑部に調査させるよう進言する。結局、刑部尚書は調べ直して報告すると引き下がったが、十四皇子はどこか違和感を感じていた。十皇子は九兄が臣下を使って四兄を告発させたと思っていた。しかし九皇子は自分ではないと否定、てっきり十弟が手を回したと思っていたという。八皇子はどうやら自分たちと関係ないと分かったが、ならば大臣はどうやって茗薇の偽装死を知ったのだろうか。すると十四皇子は誰かが裏で糸を引いていると警戒し、油断は禁物だと言った。茗蕙は自分たちの邪魔をするのは四皇子と十三皇子だと指摘、死地から生き返る策だという。「座して死を待つより、策を講じて捨て身の戦法に…でも一体、何を企んでいるのでしょう?」しかし十四皇子は黙ったまま何も答えなかった。十三皇子は十四皇子を訪ねた。すると十四皇子は率直に八兄と戦うつもりかと聞く。十三皇子は茗薇を救うためには仕方がないと訴え、十四弟には手を引いて欲しいと頼んだ。「八哥が陥れられるのを黙って見ていろと?」「お前が手出ししないと賭けた…勝つ自信はないが、最後まで結果は分からない お前なら小薇を救いたいだろうと思ってな…」十三皇子はそう言って帰って行った。十三皇子は茗薇と面会できない代わりに、何か合図を送ろうと考えた。そこでガラスに太陽の光を反射させて虹を作る。すると茗薇は獄窓から差し込んだ虹色の光に気づき、十三皇子が自分を励ましているのだと分かった。「ありがとう、絶対に耐え抜いてみせる、いつか再会する日まで…」↓小薇の存在をうっかり忘れそうw十三皇子は東宮を訪ねた。紫禁城広しと言えど毓慶(イクケイ)宮以上の庭はないだろう。十三皇子はちょうど庭園の花を眺めている皇太子に挨拶した。そこで茗薇を救うため、皇太子に協力して欲しいと申し出る。皇太子は今や名ばかりで何の力もないと困惑したが、十三皇子の頼みは命乞いではなかった。「遠慮は要らぬ、言ってくれ、小春(ショウシュン)を救ってくれた恩も返したい 私にできることなら全力を尽くそう」「…しかし私の願いを承諾すれば父子や兄弟の情も忘れねばなりません 先祖への孝や君臣の礼にも反し、すべてを失う可能性も…それでも協力してくださいますか?」「十三弟、私が地位や富貴に未練があると思うのか?そんな浮雲のごときものに価値はない すでに大切なものを失った…これ以上、何を失うことを恐れるのだ?」皇太子は権力争いで誰もが良心を失って行く中、己の心に恥じぬことをしたいと覚悟を決めた。そんなある夜、紫禁城は激しい雷雨に見舞われ、修繕していた太廟が倒壊した。翌朝、皇太子は朝議の場でひざまずき、全責任を負って修繕に全力を注ぐ所存だと訴えたが、梁が崩れた太廟はもはや立て直しが必要だった。八皇子派の大臣はすかさず紫薇星(シビセイ)が不吉な気で覆われており、皇太子を外さねば凶になると進言する。そこで八皇子がこれは天災だと皇太子をかばい、寛大な処置をと良き弟を演じた。「恐れながら儿臣(アーチェン)には建築の知識があります 梁が落ちたとは言え大工事の必要はないでしょう、別の資材で補強すれば100年は持ちます」八皇子は皇帝の憂いを解く手伝いがしたいと工事を買って出た。すると大臣が次々と八皇子を推挙し、皇帝は仕方なく責任者を皇太子から八皇子に変更してしまう。八皇子たちは王府に集まり、意気揚々としていた。これで皇太子の信用も失墜、東宮から出て行く日も近いだろう。しかし十四皇子だけは機嫌が悪そうに黙っていた。八皇子は太廟を壊す策に反対していた十四皇子をなだめ、再建が済んだら先祖に詫びると安心させる。「十四弟、大事を成すには何かを捨てねばならぬ…忠と義は両立しないのだ」十四皇子は八皇子と2人だけになる機会を待ってから忠告した。「太廟の件ですが、上手く行き過ぎなのでは?何か裏があるような気がします」「どう転んでも我らに有利ではないか、ならば機に乗じて戦わねば…」十四皇子は大臣の支持もやけに多く、出る杭は打たれると警告したが、八皇子はもはや引き返すことはできないと言った。「弓を引いたからには的に狙いを定めて矢を放つのみ… 弓折れ、矢尽きようとも全力を尽くすだけだ、結果がどうあれ戦わねばならぬ」十四皇子は屋敷に戻っても涼亭で深夜まで酒を飲んでいた。そこへ茗蕙がやって来る。実は茗蕙も波に乗る八皇子が、その波で転覆させられると案じていた。「やはり裏があると思うか?」「八哥が勢いを増し、太子爺がないがしろにされている…あの四爺が何も感じないと?」茗蕙は八兄に控えめにするよう忠告してはどうかと勧めたが、十四皇子はすでに進言したとは言わなかった。「老四と老十三は沈黙している、何を考えているか分からぬ」「まさか知っていて…」「手出しはしない、八哥も最高位に就くには代償が必要だと覚悟している 何かを捨てなくては欲しいものは手に入らない」「なら爺、あなたは?何が欲しいの?何のためなら全てを捨てるのかしら?」すると十四皇子は急に寝ると言って席を立ち、帰ってしまう。「…いいのよ、どうなるか見届ける」一方、茗薇は獄窓から月を眺めていた。「胤祥(インショウ)、必ず助けに来てくれると信じているわ…」そんな茗薇の後ろ姿を十四皇子がこっそり見守っている。…小薇、私はどうすべきか教えてくれ… ←え?なんで?( ̄▽ ̄;)翌朝、康熙(コウキ)帝は皇太子を心配して東宮を訪ねた。倒壊の件は資材の問題のため皇太子を責める気はなく、世継ぎとしてあらゆる波風も乗り越えて今後の教訓にすればいいという。皇太子はふと幼い頃を思い出し、自分を手元で育ててくれた父の深い愛情に涙した。しかしそんな父の期待に応えられず、何度も裏切り続けてしまったと嘆く。「申し訳ありません、皇阿瑪」「…朕が支えてやれず、苦しませたな」思わぬ父の言葉に皇太子はついにひざまずいた。「皇阿瑪、私を太子の座から降ろしてください…私を廃位して頂きたいのです!」「愚か者め!何を言い出す!そちの額娘に申し訳が立たぬ!」臨終の際に皇帝の手を握りしめて息子を託した皇后、皇帝は廃位などしたら顔向けできないと憤慨したが、皇太子は廃位こそ自分の活路だと訴えた。「このまま屈辱の中で生きよと?…それなら死んだほうがマシです、皇阿瑪!」皇帝は皇太子の座が胤礽(インジョウ)をここまで苦しめていたと知り、断腸の思いで決断する。「良かろう、望みを叶える…退位させよう」「感謝いたします」皇太子は涙ながらに叩頭すると、皇帝は胤礽を立ち上がらせた。「待っていろ、そちが受けた屈辱は朕が晴らしてやる」十三皇子と四皇子は城楼に登った。明日には皇帝が廃太子の聖旨を出すだろう。十三皇子は皇太子に申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、四皇子は今回の件でさらに皇太子を尊敬したと言った。「人がうらやむ地位を捨ててまで己の大義を追求したのだ、その境地に至ることは私にはできない」「その純粋な心を持ち続けて皇帝になったなら、名君になったでしょうね」←13がそれ言うか?!「そうだな、だが太子は政に興味を失っている…世のしがらみから逃れ、日々を送りたいと」すると十三皇子もそんな暮らしに憧れていると言った。茗薇を救い出したら2人で遠くへ行きたいという。「四哥、太子の犠牲を無駄にはしません…」しかしこの戦が引き分けでも、次の戦に勝つのは一体、誰なのか…。翌日の朝議、皇帝は病弱を理由に第二皇子・胤礽を廃すと命じた。突然の廃位に騒然となった朝臣たちは、政局の安定に支障が出ないよう新たな皇太子を立てるよう上奏する。するとある大臣が長幼の序を尊ぶべきと進言し、大皇子こそ重責の座にふさわしいと推挙した。しかしこれに八皇子派の大臣が反発、年齢より能力で選ぶべきだと八皇子を推薦する。中には四皇子を推す声も上がったが、八皇子派の大臣たちが茗薇の件を持ち出して反対した。こうして八皇子を皇太子に推挙する声が次第に大きくなると、皇帝は思わずにやりとする。「胤禩(インシ)、聞いたか?かくも大勢がそちを推挙している、自分の意見を申せ」「恐れ多いことと存じます」「何を申すか?太子の座を狙って退位を迫ったであろう?!」皇帝の怒号が響き渡り、驚いた八皇子は慌ててひざまずいた。「滅相もない!退位など迫っておりません!」八皇子を推した大臣たちもひざまずいて他意はないと訴えたが、手遅れだった。皇帝は八皇子が天子の朝堂で大臣たちを扇動したと非難し、兄である皇太子を追いつめて退位させたと激怒する。「その力があるのに朕に退位を迫らぬのは情けをかけてくれたのか?」朝廷に激震が走った。九皇子と十皇子もひざまずいて八兄を援護したが、十四皇子だけは立っている。すると皇帝は八皇子に蟄居(チッキョ)謹慎を命じ、立太子の件は後日、改めて討議すると言った。つづく(  ̄꒳ ̄)じぇじぇが策士っていうのがどうもねえ・・・それにしてもおじーちゃん、利用されっぱなしで哀れ過ぎる
2021.03.24
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第25話「皇帝の逆鱗」茗薇(メイビ)と十三皇子は縁日を楽しんでいた。すると茗薇が輪投げの商品に灯籠があることに気づき、どうしても欲しいとせがむ。十三皇子は早速、輪投げに挑戦、しかし仮面を付けているせいでなかなか上手くいかなかった。そこでお面を外して再び挑戦すると、ちょうど乳母と縁日に来ていた四皇子の息子・弘暦(コウレキ)に見つかってしまう。弘暦は嬉しそうに十三叔父に駆け寄り、母が寺で参拝している間、乳母と一緒に来たと教えた。驚いた十三皇子は咄嗟に用事があると誤魔化して弘暦を見送ったが、その時、大きな灯籠台が倒れて来る。茗薇は咄嗟に弘暦をかばい灯籠台が頭を直撃、そのまま意識を失って倒れた。思わぬ事故に縁日は騒然となった。十三皇子は慌てて茗薇を抱き上げ、仮面が外れたことも忘れて急いで屋敷へ戻る。しかし運悪くその様子を十四皇子と茗蕙(メイケイ)が遠目から見ていた。「あれは…茗薇では?」「…火葬を見たのであろう?」その夜、四皇子は帥府園(スイフエン)へ太医を遣わせた。しかし十三皇子は気持ちだけ受け取り、自分が面倒を見ると追い返してしまう。四福晋(フジン)は陳(チン)太医が戻って来たと報告し困惑したが、四皇子は息子を助けた侍女が茗薇だと察した。翌朝、四皇子は朝議の前に十三皇子を引き留め、息子を助けてくれた侍女へ礼を述べた。「今までの恩返しだと思ってください」すると十三皇子は足早に行ってしまう。その日の朝議、八皇子は皇帝に太廟(タイビョウ)の修繕を上奏した。確かに近年の大雨や落雷でかなり破損しており、皇帝はもっと早く修繕すべきだったと後悔する。すると十三皇子が太廟の修繕なら皇太子が担当すべきだと訴えた。先祖の廟を世継ぎが直すのは当然のこと、父に代わって先祖に感謝を表し、世間にも皇太子としての決意を示せるという。この進言のせいで皇帝は修繕を皇太子に任せると決定し、八皇子一派はまさに鳶に油揚げをさらわれた気分だった。八皇子は太廟の修繕に乗じて戸部(コブ)を味方につけようと思っていただけに落胆が大きかった。しかし九皇子は何をしようと皇太子の劣勢は同じ、むしろ四兄が担当しないだけでも幸いだという。八皇子はその通りだと納得したが、ふと最近の十三弟の様子がおかしいと気づいた。自暴自棄になったかと思えば、急に生き生きしている。それに今までなら四兄を推挙したはずなのに、なぜ今日は皇太子を推したのだろうか。すると黙って聞いていた茗蕙が口を挟んだ。「十三爺は立ち直ったのではなく、生き返った妻に再会したのです この目で見ました、私だけでなく十四爺も見ましたわ」「私も確かに見ました…そう思ったのですが、よく見たら小薇に似た別人でした 福晋は妹を思うあまり見間違えたのでしょう」茗蕙はため息をつき、確かに自分の見間違えだろうと訂正した。…ふっ、そこまで否定するなんて、逆に確信を持ったわ、あれはやはり小薇なのね…そこで茗蕙は納蘭(ノーラン)貴妃を利用することにした。納蘭貴妃は茗蕙から茗薇が生きていると聞いて驚愕した。皇子たちを対立させた茗薇が今度は皇帝と世間を欺いたとあっては見逃せない。それ以上に息子たちの活躍で得意満面の徳(トク)妃に嫉妬を隠せなかった。貴妃はこの件に恐らく四皇子が絡んでいると踏み、自分から皇帝に伝えると決める。「途方に暮れていたので助かりました~ 姐妹と言っても小薇とは昔から馬が合わず、娘娘のほうが家族のように思えます~」茗蕙が感謝すると、貴妃は今後も何かあれば遠慮なく自分に相談に来いと言った。茗薇は傷こそ完治していなかったが、すっかり元気になった。そんなある日、七秋(シチキョウ)が十四皇子からの届け物だと言って外套を持って来る。茗薇はかつて冬の狩りで十四皇子に貸してもらった外套だと気づき、自分への警告だと分かった。「…もう隠し切れないかも」十三皇子はひとまず荷物をまとめ、茗薇を連れて郊外へ逃げることにした。十四皇子が涼亭で将棋を解いていると、茗蕙が現れた。そこで2人は一局、手合わせしながら、互いの腹の中を探る。「私は負けないから…今からの追撃も遅くないわ…」十三皇子は茗薇を連れて四皇子の別宅へ避難した。そこで中庭で茗薇が食べたいというバーベューの準備を始めたが、突然、八皇子たちがやって来る。八皇子たちは十三皇子がやけに元気だと揶揄し、愛人でも囲っているのかと匂わせた。すると十皇子が勝手に屋敷に入ろうとしたため、十三皇子は思わず手を出してしまう。十皇子など十三皇子の敵ではなかったが、八皇子が兄弟喧嘩を咎め、冷静に十三弟を諭した。「一時は隠せても一生は無理だぞ?」十三皇子は女子などいないとあしらったが、十皇子は納得しない。「もし本当にいなければどうします?」「私の首をお前にやる」「はお、約束ですよ?」九皇子と十皇子は屋敷に乗り込んだ。しかし茗薇どころかネズミ一匹も見つからない。憤慨した十皇子はすぐ追いかけようとしたが、十三皇子が止めた。「さっき首をくれると言いましたね?もうお忘れに?」九皇子と十皇子は思わず十三皇子に襲いかかったが敵わず、八皇子が制止した。「そこまでだ!十三弟、私が代わりに謝罪する、邪魔したな」八皇子は茗薇がすでに逃げたと気づいた。さすが利口な十三皇子、しかし実はこれも想定内だという。「十三弟はあの者をどこへ逃したと思う?ふっ」その頃、茗薇は順児(ジュンジ)と一緒に馬車に揺られていた。実は十三皇子は八皇子一派の裏をかき、順児に茗薇を屋敷へ帰すよう指示したという。しかし茗薇は不安だった。「問題は茗蕙だわ…このまま私を見逃したりしない」一方、十四皇子と茗蕙の対局はなかなか決着がつかなかった。「奇抜な手で攻め、″車″は危険を冒して勝つ」「でもよく見て、私にどんでん返しの機会があるやも…あなたはこの局勢をどう評価する?」「″人に先んじれば勝ちとなり、人に出遅れれば負ける″」十四皇子は茗蕙の顔色をうかがいながら、茗薇の無事を祈った。茗薇たちの馬車が崇文門(スウブンモン)に到着した。すると急に厳しい検問が敷かれている。今さら引き返しても捕まるだけ、茗薇はなす術なかった。十四皇子は上の空だった。茗蕙は思わず次の一手が決まらないのかと尋ねる。「早くしないと手遅れになるわよ?」「妻になっても君のことが理解できない」「ふふ、先は長いわ、私はいつもそばにいますから…」「君に私の手の内を見せたりはしない…だが手を教えてやろう ″焦りは禁物、冷静に攻めて勝て″…小薇はもう入城した頃かな?」茗蕙は十四皇子が茗薇を助けたと知り、顔色が一変した。茗薇たちの馬車は無事に検問を突破していた。実は十四皇子の配下が自分たちの馬車だと言ってくれたため、すんなり入城できたのだ。順児は勘違いしてくれたおかげだと安堵したが、茗薇は十四皇子が助けてくれたのだと気づく。一方、茗蕙は十四皇子に裏切られたと恨みを募らせた。「…分かったわ、妹の顔に似た私は代用品ってわけね!」「まだそんなことを?」「爺、今までの芝居、なかなか上手だったわ…でも私にも心があるのよ?あの女を許さない」「何をする?!」十四皇子は茗薇たちを放っておけと言ったが、茗蕙は最後の駒を置いた。「私の勝ちよ」その頃、茗薇は帥府園の裏口に到着、馬車を降りた。しかしそこへ李(リ)太監が現れ、結局、皇帝の前に突き出されてしまう。皇帝は納蘭貴妃の密告で茗薇の生存を知った。「なぜ戻って来た!」茗薇の姿を見た皇帝は思わず本音を漏らし、これでまた皇子たちの争いが起きると懸念する。「紫禁城から私がいなくなれば皇子たちの争いがなくなるとでも? …私は胤祥(インショウ)のために戻りました」皇帝はもはや普通に死ぬだけでは済まされないと脅したが、茗薇は愛する人が自分のせいで絶望の淵に落ちる方が恐ろしいという。「皇上と同じように私にも守りたい人がいるのです」「そなたは朕を一度だました、2度目はない」すると皇帝は茗薇を収監した。十三皇子は急ぎ屋敷に戻ったが、茗薇が李太監に捕まったと聞いた。茗薇の生存を皇帝に知られたのなら四兄を訪ねるしかない。十三皇子は急いで王府に駆けつけると、四皇子もすでに茗薇の収監を知っていた。「八哥たちは私と皇阿瑪を対立させたいのでしょう 小薇は私たち父子の間に刺さった棘なのです、抜けば必ず血が出る…」「安心しろ、小薇を助けたのは私ひとり、お前は知らなかったのだ」四皇子は事実を明かす覚悟だったが、十三皇子は八兄が見過ごすはずがないと止めた。そこであえて茗薇を助けず、皇帝にこれが八皇子の策略だと気づかせるという。四皇子は十三皇子の計画に賛成し、冷静な判断のおかげで早まらずに済んだと感謝した。「茗薇を陥れた者には代償を払わせる!」「やられたらやり返さねばな、我らが反撃すべき時が来た」十三皇子は皇帝に謁見した。康熙(コウキ)帝は茗薇の命乞いだと思ったが、十三皇子は否定する。すると十三皇子は皇帝に天秤を見せた。「天秤の支点が天子の最高権力で、両天秤に乗った分銅は各勢力です 両方が同じ重さなら均衡を保てますが、重さが偏れば均衡が崩れ、公正さと権威も失われます」十三皇子はこの均衡を崩そうとしている者がいると訴え、私利のため皇権を利用していると告発した。「これは小薇のためではなく大清のためです、皇阿瑪が小薇を殺すなら止められません でもなぜ小薇ばかり何度も槍玉に挙げられるのか?誰かが小薇を利用しているのです!」小薇の件で咎めを受けるのは自分と四兄、得をするのは敵対する八兄一派だ。十三皇子は自分たちが失脚すれば八皇子を抑える者がいなくなり、均衡も崩れるという。「八哥の台頭は災いとなりましょう」兄の告発は十三皇子にとっても危険な賭けだった。皇帝は何より兄弟の争いを嫌う。そこで十三皇子は誰が己の利のために騒ぎを起こしているのか、自分が調べたいと嘆願した。「…はお、半月ほど猶予をやる、だが何も出ぬ時は兄への不敬罪と朕を欺いた罪にも問う!」つづく(  ̄꒳ ̄)じぇじぇのジョーカーっぷりから目が離せません
2021.03.23
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第24話「似た者同士」力を合わせて盗賊を撃退した茗蕙(メイケイ)と十四皇子。しかし満身創痍だった十四皇子はばったり倒れ、動けなくなってしまう。「早く逃げろ…」「いいえ、2人で戻るのよ!」朦朧とする十四皇子を必死に引きずって行く茗蕙、やがて夜が明ける頃には川沿いに出た。「十四…死なないで…まだまだあなたに話したいことがあるの…」茗蕙は思わず十四皇子を抱きしめると、そこへ援軍を連れて2人を探していた八皇子が現れた。徳(トク)妃は息子の恩人である茗蕙を長春(チョウシュン)宮で静養させた。すると茗蕙は見舞いに来た徳妃に十四皇子への想いを告白し、殊勝にも何も望んでいないと訴える。徳妃は分かったと言ったが、今はゆっくり休むよう勧めて何も約束しなかった。十四皇子は怪我が癒えて元気になった。茗蕙はなぜか一向に回復しなかったが、宮中では茗蕙の献身ぶりを知らぬ者はおらず、納蘭(ノーラン)貴妃も2人の縁談に前向きだ。十四皇子はこれも茗蕙の策略だと気づいて避けていたが、母から急かされ仕方なく様子を見に行ってみる。その時、茗蕙はせっかくふさがった傷口をかんざしで深く傷つけたところだった。「(はっ)十四爺、やっと私の見舞いに?」「見舞い?自分で悪化させたのだろう?」十四皇子は自分の命を差し出してまで結婚を迫るという茗蕙の大胆な作戦に感心した。しかし茗蕙は自分たちを″似た者同士″だという。「私たちは虎や盗賊を殺し、生き延びた仲間なのよ?協力してこそ成し得ることもある 私には能力があるし、命すら惜しまない… 十四爺?私のような女子と共に事を起こせば面白いと思わない?」茗蕙は命の恩人として貸しを返してもらう権利があると言ってお茶を差し出した。「たとえ私に嫁いでも幸せになれると思うな」「構わないわ、欲しいのは福晋(フジン)の地位だもの」すると十四皇子は急に立ち上がったと思うと、植木鉢に茶をまいてしまう。実は茗蕙は太医から届く薬湯をいつも植木に捨てていた。「ならば私が与えるように仕向けるんだな」茗蕙は十四皇子が全てお見通しだったと焦り、ちょうど部屋を出ようとしていた十四皇子の背中に叫んだ。「福晋などどうでもいいのね、それなら与えても良いはずよ!待っているわ」一方、十三皇子は権力争いから離れ、茗薇(メイビ)と幸せな時間を過ごしていた。しかし茗薇は皇子である胤祥(インショウ)が争いから身を引けるはずがないと分かっている。「十四弟は本当に彼女を娶るかしら?」「いずれにせよ八哥には有利だ、だが君にとって脅威となる」十三皇子が心配していたのは茗薇への影響だった。すると茗薇は茗蕙など怖くないと安心させ、十三皇子がしたいようにして欲しいという。「あなたを全力で支えるわ」「私は大清の皇子である前に君の夫君だ、だから君の安全を一番に考えるよ…」( ತ _ತ) .oO(え__夫である前に皇子だと思ってたわ___十皇子は茗蕙の策略に憤慨した。誰を娶るかは皇子が決めるもの、女子から縁談を強要されるとは皇子の面目が丸潰れだという。冷静な九皇子は娶れば利があると言ったが、十四弟が茗蕙の言いなりになるとは到底、思えなかった。しかし十四皇子は自ら皇帝に縁談を申し出る。これに驚いたのは徳妃だった。実は徳妃は知恵が回りすぎる茗蕙を警戒し、確かに命を懸けるほどの愛情は一見、美しく見えるが、時に人を傷つける凶器にもなると警告する。すると十四皇子は茗蕙のことなら知り抜いていると安心させ、うまく扱う自信があると言って笑った。「はお、あの子がお前を暖める暖炉になってくれることを祈るわ、でも火傷させられないようにね」( ˙꒳˙ ).oO(小薇も命を懸けてましたけど…十四皇子と雅拉爾塔(ヤラルタ)茗蕙の婚礼が盛大に行われた。茗蕙は寝所で十四皇子が来るのを待っていたが、所詮は形式だけの夫婦、共寝することなどないと諦めている。しかし祝宴を終えた十四皇子が寝所に現れた。すると十四皇子は茗蕙の蓋頭(ガイトウ)を外し、杯を渡す。「…爺、これは私との婚礼の儀式?」「我々の間に虚礼など必要か?」「ふっ、そうね…私たちはただの同盟関係だもの」「そうかな?」十四皇子は茗蕙と夫婦の杯を交わすと、その夜、2人は夫婦として結ばれた。↓じぇじぇのニヤリがオカルト( ̄▽ ̄;)翌朝、十四皇子と茗蕙は長春宮を訪ね、徳妃へ茶を献上した。徳妃は何かと福晋を気遣う胤禵(インテイ)に感心し、こんなに人を案じる息子を見たのは初めてだと目を丸くする。すると2人の仲睦まじい姿に安堵し、正月15日の縁日に参拝に行くよう勧め、早く子が授かることを願った。雪景色の紫禁城、長春宮を出た十四皇子と茗蕙は相合い傘で宮道を歩いた。茗蕙は徳妃の心遣いに感謝したが、十四皇子は2人きりになったら芝居は必要ないと冷たい。「優しくされて嬉しいのは本心よ」「ふっ、そうか~君にも人の心があるんだな~」「あなたのために尽くすと言ったのも本心よ」「早くも私に夢中か?…どうやら地位だけでなく私の心も欲しくなったようだ」「私の気持ちがまだ分からないの?」茗蕙は徳妃の前で見せた十四皇子の優しさが本物なのか芝居なのか分からないという。「本物であって欲しいわ…」「本物だと言ったら信じるか?」「もちろんよ」「君が本物だと思うなら本物だ」すると十四皇子は茗蕙に傘を持たせ、ひとりで先に行ってしまう。…本物だと思えば本物になるの?…だったらこのお芝居をずっと続けていたい帥府園(スイフエン)、十三皇子は茗薇を侍女と偽って屋敷にかくまうため、使用人を全て入れ替えていた。それでも七香(シチキョウ)から他の者たちに怪しまれぬよう、戯れはほどほどにと釘を刺されてしまう。十三皇子と茗薇は七香の小言などどこ吹く風、しかし十三皇子はずっと屋敷に閉じ込められている茗薇に同情した。茗薇は十三皇子といられるだけで満足だと言ったが、十三皇子はもうすぐ縁日なので灯籠を見に行こうという。「出かける?出かけるなんて!見つかったら面倒なことになるわ」「私に良い策がある…」正月15日、縁日で賑やかな市中に無料の仮面を配る順児(ジュンジ)の姿があった。やがて大街に仮面を付けた人々があふれ、これで十三皇子と茗薇も仮面を付ければ気兼ねなく縁日を楽しめる。2人は久しぶりの外出を満喫、しかしちょうど同じ頃、参拝を終えた十四皇子と茗蕙も灯籠を見ようと縁日に立ち寄っていた。十四皇子と茗蕙が馬車を降りると、人々が綺麗な福晋だと歓声を上げた。羨望の的となった茗蕙は自尊心が満たされ、高底鞋で歩くのも苦にならない。やがて茗蕙は結び紐の露店を見つけた。「爺、1月15日の縁日で買った結び紐を枝に掛けると白髪になるまで添い遂げられるのです」十四皇子は早速、赤い結び紐を買うと、どうせなら寺に戻って木のてっぺんに掛けようと言った。尼寺の御神木の前にはたくさんの夫婦や恋人たちが集まり、結び糸を掛けていた。「結ぶ場所が高いほど願いはよく叶うそうだ」「好きな所へ掛ければいいわ、どうせ私のことをからかっているんでしょう?」すると十四皇子は結び糸を持ち、突然、走り出したかと思うと、見事な軽功で木の枝に飛び乗り、高い場所に紐をかけて降りて来た。「ありがとう」「早く願い事をせよ」…私の願い事はただ1つ、白髪になるまであなたと添い遂げること…茗蕙は両手を合わせて目を閉じた。十四皇子と茗蕙は再び縁日に戻った。しかしさすがに高底鞋で歩いた茗蕙は足の痛みが我慢できなくなり、顔を歪める。「つらいのに我慢していたのか?」「ここまで来たら、最後まで我慢してみせるわ」すると十四皇子は背負ってやると言った。「今日、歩き回ったのは福晋らしく振る舞うためだろう?協力してやる」「ふっ、十四福晋として当然の扱いを受けるわ」十四皇子は人目もはばからず茗蕙を背負って歩いた。「私に地位だけを与えるつもりなら、なぜ婚礼の夜に部屋へ来たの?」「娶った以上、君は私の妻だからだ、そうだろう?」つづく(  ̄꒳ ̄)14は懐柔したいのか?責任を感じて埋め合わせなのか?
2021.03.22
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第23話「尼寺での暗示」十三皇子に大打撃を与え、盗賊討伐という大任をつかんだ八皇子。十皇子はまるで自分の事のように意気揚々としていたが、八皇子は息を潜めている四皇子を警戒していた。すると四兄を見張っていた九皇子が駆けつけ、怪しい行動があったと報告する。最近は毎日、郊外の別邸へ行く以外に動きはなかったが、今日になって四兄がなぜか配下に鏢局(ヒョウキョク)の警護を命じたという。「密偵によれば素性が分からぬ女子がいると…」八皇子はまさかと思いながら茗薇(メイビ)の生存を疑い、何としてでもその女子を捕まえるよう命じた。四皇子は屋敷で茗薇の無事な回京を祈っていた。すると密偵が駆けつけ、八皇子派が城門で検閲を始めたと報告する。しかし下手に動けばかえってひと目を引くため、無理に阻止することもできなかった。もし八皇子に見つかれば四皇子が父を欺くという大罪を犯したことが露見してしまう。その話をちょうど差し入れに来た四福晋(フジン)が聞いていた。無事に城内へ入った茗薇、しかしすでに八皇子たちが市中で捜索を始めていた。茗薇は八皇子たちの姿に驚いて慌てて逃げ出したが、突然、馬車が現れ、四福晋が助けてくれる。一方で別の馬車に乗った側福晋たちが偶然を装い、八皇子たちの行く手を阻んでいた。四福晋は機転を利かせ、茗薇を屋敷ではなく尼寺に預けて戻った。何も知らずに協力した側福晋・年(ネン)氏は事情を知って激怒、四皇子に茗薇のどこが良いのかと不満をぶつける。しかし物分かりの良い妾室・夙敏(シュクビン)が四皇子の不快そうな表情に気づき、慌てて年氏を連れて出て行った。報告を聞いた四皇子は危険も顧みず協力してくれた福晋に心から感謝した。すると四皇子が福晋の手を優しく握りしめ、久しぶりに笑顔を見せてくれる。どんな時でも四皇子にふさわしい正室であろうとふるまう福晋、しかし心の中では茗薇に嫉妬し、弟の福晋のために家族を蔑ろにする夫に憤りを禁じ得なかった。しかし冷たく無情な仕打ちをされるより、愛する人の眉をひそめる表情を見るのは何より辛い。ならば正室としてどんな困難も分かち合い、四皇子が茗薇を守りたいなら自分も全力で協力しようと腹をくくった。皇帝は皇子たちに尼寺で祈祷するよう命じた。珍しく四皇子は欠席、代わりに四福晋がやって来る。九皇子と十皇子は早速、八兄の重用が不満で来ないのかと揶揄したが、十三皇子はすかさず父が決めたことに四兄が不満なはずはないと言い返した。「四哥は体調を崩しただけ、病人に失礼では?言葉を慎んだらどうです?」すると皇太子が言い争いにならぬよう話を遮った。険悪な雰囲気に包まれる控室、そこへ僧侶たちが茶と菓子を運んで来る。十三皇子は自分の好きな茉莉花(マツリカ)茶だと気づき、しかもお茶請けが栗餅だと驚いた。十三皇子は8話で茗薇に自分の好きな物を伝えたことを思い出した。…私は茉莉花茶が好きで、お茶請けには栗餅が絶品だ…まさかと思いながらひとり中庭で物思いにふける十三皇子、その時、どこからともなく指笛が鳴る。「小薇?…小薇か?!いるんだろう?」必死に茗薇を探す十三皇子、その姿を物陰から見ていた茗薇はそっと涙を流した。「小薇…毎日、祈っているんだ、夢の中で君に会いたいと…でも君は現れない 怒っているのかい?嫌われたなら仕方がない… 君に従うよ、でも私を残して″しっかり生きろ″とは残酷すぎるぞ?」するとふいに風が吹き、コツンと音がした。十三皇子は驚いて振り返ってみると、御神木に見覚えのある指輪がぶら下がっている。それは茗薇に贈った亡き母の指輪だった。指輪には小さな木片が括り付けられている。…杏の花咲く粗末な家で日の光もと暮らしたい…十三皇子は茗薇が生きていると確信し、指輪を握りしめながら嬉し涙があふれた。思わず駆け出しそうになる茗薇、しかしその時、順児(ジュンジ)が十三皇子を迎えにやって来る。茗薇は会いたい気持ちを必死に抑え、そっと姿を隠した。…焦ってはだめ、全てが水の泡になる、今は待たなくては…帥府園(スイフエン)に戻った十三皇子は居ても立ってもいられなかった。そこで七香(シチキョウ)に救い出したい者がいると相談する。「あれは福晋だ、小薇は生きていて尼寺に隠れているんだ!」ポカーン( ゚д゚)え?尼寺ではありませんが…って (Ŏ艸Ŏ)あっ!七香はうっかり口を滑らせ、もはやごまかせなくなった。「福晋なら四爺のところに…」実はあの日、七香は火に強い黒絹を縫い込んだ旗袍(チーパオ)を福晋に届けていた。そして毒酒を渡す時、密かに薬を混ぜて福晋を仮死状態にしたという。火葬の時はさらに黒絹で作った覆いを被せ、福晋を守っていた。「なぜ私にまで隠したんだ?」「ご心配のあまり取り乱すかと…失敗が許されない状況だったのです」七香は救出した後も四皇子から口止めされていたと話した。毒酒のせいで福晋は危険な状態が続き、万が一の場合に備え、ぬか喜びになることを恐れたという。しかし福晋は四皇子の別宅で療養していたはず、尼寺にいるはずがなかった。十三皇子はともかく茗薇がひとり苦しんでいると察し、すぐ連れ戻すという。一方、山東では十四皇子の活躍と茗蕙(メイケイ)の献策により盗賊討伐は順調だった。茗蕙は意中の相手が十四皇子だとそれとなく示し、八皇子は2人の中を取り持とうとする。しかし十四皇子は茗蕙に冷たかった。「私も普通の女子と同じよ?好きな人のそばにいたい、その人が困難と戦うなら力になりたいわ」「我々は互いに腹の底を見通している、絶対、一緒にはなれない」「″真心は道を開く″…絶対なんて信じないわ」茗蕙は時間ならまだたっぷりあると自信を見せたが、十四皇子は茗蕙に全く興味がないとあしらった。十三皇子は茗薇を呼び戻すため、帥府園で福晋の法要を行うと決めた。茗薇は僧侶たちに紛れて懐かしい我が家に戻り、久しぶりに自分の寝殿に落ち着く。七香の話では十三皇子はこの部屋を誰にも触らせず、自分で掃除していた。確かに部屋の中は出て行った時と同じ、何もかもそのままになっている。…胤祥(インショウ)、やっと帰って来たわ…日が暮れた頃、仕事を終えた七香が茗薇を呼びに来た。「死を装ったことは皇上を欺く大罪ですから、しばらくは侍女としてお仕えください 十三爺は書斎です、では私はここで…」「はお」茗薇は中庭に出ると、書斎までの道しるべに灯籠が並んでいた。灯籠にはそれぞれ十三皇子と茗薇の挿絵が入っている。茗薇は灯籠をひとつひとつ眺めながら2人の思い出と共に進んで行くと、やがて暢和亭(チョウワテイ)で待つ十三皇子の姿が見えた。「ただいま」茗薇と十三皇子は抱き合い、互いの無事を喜びながら幸せを噛みしめた。茗薇は十三皇子が恋しくて四皇子の所から逃げ出したと話した。十三皇子は四皇子との間に何かあったと察したが、こうして茗薇が戻ったのならどうでも良い。しかし茗薇は都へ入れたのは四皇子のおかげだと話し、七香も尽力してくれたと感謝した。十三皇子は皆への恩を忘れないと約束し、茗薇に玉扳指(ギョクハンシ)を返す。「もう2度と無茶するなよ?…何かあったら私にまず相談するんだ」「うん…怒ってる?」「自分に腹が立つ…君がこんな辛い目に遭ったのは私が娶ったせいだと…」「私が望んだのよ?夫婦でしょう?水くさいわ」「そうだな、夫婦は一心同体、もう決して離れない」すると2人の再会を待っていたかのように雪が舞い落ちてきた。一方、山東では清の軍営に思わぬ急報が届いた。十四皇子が盗賊の待ち伏せに遭い、兵の多くが犠牲になったという。そこで十四皇子は兵士たちを守るため、自らおとりになっていた。付近一帯は起伏が激しく、盗賊には土地勘があるため、援護もできなかったという。八皇子は日が昇るのを待って援軍を送ると決めたが、茗蕙は待ちきれず軍営を飛び出して行った。茗蕙はひとり馬を駆けて十四皇子を探した。しかしやがて木の枝にぶつかって落馬してしまう。そこには兵士たちの亡骸がごろごろ転がっていた。驚いた茗蕙は捻った手をかばいながらその場を離れたが、運悪く盗賊たちに見つかってしまう。盗賊たちに包囲され絶体絶命の茗蕙、するとまさに茗蕙に襲い掛かろうとしていた盗賊の背中に矢が突き刺さった。十四皇子は危ないところで茗蕙を助けた。しかし多勢に無勢、十四皇子はやがて盗賊から剣を突きつけられてしまう。その時、茗蕙があの短剣を握りしめ、盗賊の首を切りつけた。こうして2人は再び手を組んで盗賊を撃退したが、満身創痍だった十四皇子はその場でばったり倒れてしまう。つづく( ;∀;)シーサン、思わずホロリとしたわ〜からのオカルトじぇじぇ( ̄▽ ̄;)
2021.03.20
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第22話「都への脱出」福晋(フジン)を失い再起不能かと思われた十三皇子、しかし予想外にも狩り場に元気な姿で現れた。宴席では十皇子に挑発されてカッとなったが、ふと冷静になり騒ぎは起こさずに済む。「…ふっ、酒を飲みたいんですか?お相伴しましょう」すると十三皇子は十兄が残した酒まで飲み干し、ひとり天幕を出て行った。十三皇子は雪原で暖をとりながら、ひとり酒を飲んでいた。そこへ十四皇子がやって来る。十四皇子は十三兄の酒を取り上げて捨てると、こんな芝居をいつまで続けるのかと迫った。「十三、お前はこんな人間じゃないはずだ…それとも彼女が死んでお前も死んだと?」すると十四皇子は呆れて帰ってしまう。一方、茗薇(メイビ)は降りしきる雪を眺めながら、十三皇子との約束を思い出していた。…一緒に初雪を見る約束を覚えている?いつになったらあなたの所へ戻れるかしら?…その時、いつも袖口に入れていた大事な指輪がないことに気づく。驚いた茗薇は侍女に赤い紐を通した玉の指輪を知らないか聞いたが、侍女は見ていないと言った。茗薇は十三皇子から贈られた玉扳指(ギョクハンシ)を肌身離さず持っていた。…これは額娘が未来の嫁に残した物なんだ…今となっては十三皇子と茗薇の唯一の思い出の品、茗薇は血相を変えて中庭に飛び出すと、無我夢中で指輪を探し始めた。侍女は凍えてしまうと必死に止めたが、そこへちょうど四皇子がやって来る。事情を聞いた四皇子は人に探させるので戻るようなだめたが、茗薇は聞く耳を持たなかった。「大勢が命懸けでそなたを救ったのだぞ?!皆のためにも命を大事にしないかっ!」四皇子に叱られた茗薇はふと我に返り、おとなしく部屋へ戻った。そんな中、皇帝は山東(サントウ)で勢力を拡大させる盗賊を危惧し、早急に征伐すると決めた。十三皇子は朝議で真っ先に名乗りを上げたが、八皇子が自分も行きたいと嘆願する。しかし政(マツリゴト)に長けている胤禩(インシ)には兵を率いた経験がないと皇帝は難色を示した。その時、十四皇子が補佐を努めたいと上奏する。皇帝は軍営に慣れた胤禵(インテイ)が同行するならと納得し、結局、八皇子が重要な務めを任された。八皇子一派が集まり、山東の盗賊討伐を任された八皇子を祝った。「茗蕙(メイケイ)姑娘の予想通り、皇阿瑪は十三弟を選ばなかったな」茗蕙は皇帝が十三福晋に死を賜った負い目があり、しかも未だ情緒不安定な十三皇子を危険で重要な任務に就かせるはずがないと踏んでいた。これで八皇子が凱旋すれば皇太子派など敵ではなくなるだろう。しかし茗蕙はまだ先は長いと諌めた。絶望の淵から這い上がった十三皇子は討伐に名乗りを上げるまでに気力が戻っており、侮ってはならないという。すると十四皇子が立ち上がった。「君は計略が得意だが、人の情というものを分かっていない… 十三哥の小薇への想い、その深さを君には永遠に理解できぬだろう 元気そうなうわべだけを見て、引き裂かれた心は見えていない、だから十三哥は脅威になり得ぬ」「十四爺、そこまで十三爺を…」「理解しているさ、君とは違うからな」「はっははは~こんな優秀な補佐がいるうえに、茗蕙姑娘という軍師までいるなら安心だ」八皇子は2人の険悪な雰囲気を破り、茗蕙に是非、山東へ同行して欲しいと頼んだ。喜んだ茗蕙は快諾したが、十四皇子は茗蕙が行くなら降りるという。「どちらか選んでくれ」その夜、十四皇子が沐浴している所へ茗蕙が忍び込んだ。茗蕙は背後から十四皇子に近づき、そっと左肩に残った大きな傷跡に触れる。「…何しに来た?」すると茗蕙は自分がこんな風になったのは十四皇子のせいだと訴え、あの時の短剣を見せた。「覚えているわよね?」幼なじみだった2人は幼い頃、山中で虎に襲われたことがあった…十四皇子は茗蕙を連れて必死に虎から逃げたしかし茗蕙が転んでしまい、追いつかれてしまう十四皇子は茗蕙をかばい、履物から護身用の短剣を取り出して虎に立ち向かったそこで何度か虎の背を刺すことに成功したが致命傷は与えられず、十四皇子は虎の鋭い爪で肩を引っかかれてしまうその様子を茗蕙は木の影に隠れて見ていたたまらず十四皇子は近くの岩陰に身を潜め、虎を引きつけているうちに茗蕙に落とした短剣を拾えと叫ぶ「虎を殺せ!殺さないと私たちが殺されるんだ!」茗蕙は恐ろしくて動けなかったが、十四皇子の言葉で何かが壊れた…十四皇子は思い出した。茗蕙は虎が絶命しても、自分が止めるまで狂ったように虎を刺し続けていたことを…。そしてその後、血まみれのまま平然とその虎の肉を焼いて食べていた。「…君に殺させたことを後悔している」「私は感謝しているわ」茗蕙はこの時、弱肉強食の中で強者に勝つ快感を知った。このまま鞭で打たれる妾の子のままで終われない、欲しい物は必ず手に入れてみせると…。「ありがとう、十四爺、私を変えてくれて」「…すべての原因は私だったのか」「あの時から私たちは最高の相棒よ、あなたには野心があり、私には策略がある、打って出るべきよ あなたも私も天下が欲しい、2人で協力しましょう?」茗蕙はかつて2人で虎を殺したが、今はもっとできると言った。↓(ヾノ・∀・`)イヤイヤナイナイ~こんな設定w十三皇子は政務に没頭し、書斎の炭が消えても気づかなかった。食事を届けても口をつけず、夜は奥の間にこもり、黙々と灯籠を作り続けている。七香(シチキョウ)はこのままでは十三皇子の命に関わると心配し、思い切って四皇子を訪ねた。七香は十三皇子が生ける屍のようだと報告し、救えるのは福晋だけだと訴えた。「どんどん悪化し、あと何日持つかのか分かりません… 四爺、福晋はいつ戻って来られるのでしょうか?」「…まだ回復しておらぬ、もう少し待て」四皇子はいざとなると茗薇を手放すことが惜しくなり、十三皇子と茗薇の再会を引き伸ばしてしまう。その日は四皇子の誕生日だった。茗薇は毎年、十三皇子が祝っていたことを思い出し、今年はどうすのかと案ずる。すると四皇子が薬を届けにやって来た。「誰かに届けさせてくれればいいのに…今日はお誕生日でしょう?家族でお祝いでは?」「ぁ…多忙で帰れぬ、ここにもついでに寄ったのだ、それに私は子供ではない、誕生祝いなど…」「宜しければ食事でもいかがですか?誕生祝いです」茗薇は十三皇子に代わってささやかながら一席設けることにした。まさか福晋たちが1ヶ月も前から準備してきた誕生祝いを四皇子が振り切って自分に会いに来たとも知らず…。茗薇は病み上がりのため、酒ではなく茶を3杯、四皇子に献じた。まず1杯目は誕生日を祝って、次の2杯目は胤祥(インショウ)の代わりに、そして3杯目を注ぐ。「3杯目は四哥が威信と権力を得て、欲しいものが全て手に入りますように」「…欲しいもの全て?手に入ると思うか?」歴史を知っている茗薇は四皇子が皇位に就くと分かっているため、その治世の才と大志があれば得られるだろうと言った。しかし四皇子の顔色が一変する。「私の欲しいものが何か分からぬのか?それとも分からぬふりか?」四皇子は思わず茗薇の手を強くつかむと、酔った勢いで思いの丈をぶちまけた。「小薇…そばにいてくれ」「四哥…やめてくだs…」「四哥はよせ、そなたの兄など嫌だ、小薇、ここまでする私の想いが分からぬか? 生まれ変わった者としてやり直し、改めて自分の道を選ぶのだ、私も失ったものを取り返せる そなたを簡単には放さぬぞ?!」焦った茗薇は手を振り払って席を立ち、四皇子の頬を引っ叩いた。そのおかげで四皇子はすっかり酔いが覚めたが、茗薇への気持ちは本物だと訴える。茗薇はきっぱり四皇子の気持ちを拒絶、自分には胤祥しかいないと言い放った。「出て行って」視聴者は四皇子がまだ茗薇をこれほど強く想っていたことに驚きを隠せなかった。茗薇は四皇子の気持ちを知った以上、ここに留まるわけにいかないと覚悟する。一方、追い出された四皇子は中庭に立ちすくみ、茗薇の部屋を眺めていた。…小薇、すまない、数日、待ってくれ…すると翌朝、屋敷に見かけぬ馬車がやって来た。侍女の話では四皇子が風邪気味で、念のため医者が呼ばれたという。茗薇は診察後に下男が薬をもらうため一緒に町へ行くと知り、妙策を思いついた。茗薇は侍女の衣に着替え、何食わぬ顔で医者の馬車の前で待った。やがて診察を終えた医者が戻って来ると、茗薇が薬を取りに行く侍女だと勘違い、馬車に乗せて帰ってしまう。侍女は姿が見えない茗薇を探していた。すると下男から医者の馬車も消えたと聞いてはっとなる。「しまった!早く四爺に!」茗薇は無事に町へ出た。すると鏢局(ヒョウキョク)の前でちょうど大きな荷物を積んでいる。茗薇はそれが城内へ送る荷物だと知り、皇帝からもらった腕輪を対価に一緒に連れて行って欲しいと頼んだ。「料理もするし、邪魔はしないわ」「いいだろう」しかし運悪くそこへ官兵たちが現れる。茗薇は自分を探しに来たと気づき、慌てて屋敷の中に身を隠した。茗薇は窓紗から捜索の様子をうかがった。すると中庭に四皇子が現れ、茗薇の部屋を怪しんで近づいて来る。茗薇は急いでかんぬきを通して戸を閉め、開かないよう手で押さえた。四皇子は何度か戸を押して開けようと試みたが、ふいに諦めて帰ってしまう。四皇子はあの部屋に茗薇がいると気づいていた。…小薇よ、そうも私が怖いのか…四皇子は仕方なく官兵を引き上げ、茗薇の捜索を中止した。「ただこの者らが入城するまで警護してくれ」茗薇は静かになった中庭に出た。すると扉の取っ手に失くしたはずの玉の指輪がぶら下がっている。茗薇はようやく四皇子が指輪を探して風邪を引いたのだと気づいた。「四哥、謝謝…」つづく(  ̄꒳ ̄)死して屍、拾う者なし!…え?違うwそれにしても茗蕙、怖すぎるわっ( ๑≧ꇴ≦)大明皇妃に続くオカルト案件なのか?!
2021.03.18
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第21話「帥府園の初雪」八皇子たちは茗薇(メイビ)の死を確認し、火葬場をあとにした。しかし茗蕙(メイケイ)は七香(シチキョウ)の不安げな様子が引っかかり、八皇子を引き止める。「八爺(バーイェ)、念のため燃え尽きるまで見守りましょう」八皇子たちは茗蕙の助言を聞いて踵を返したが、その時、ちょうど十四皇子がやって来た。「八哥?まだ足りぬのですか?!小薇を死に追いやり、焼き尽くすまで満足できないと?!」茗蕙は慌てて釈明しようとしたが、十四皇子から死者を冒涜するなと一喝されてしまう。十四皇子は八皇子たちを追い返し、燃え盛る棺に胸を痛めた。やがて四皇子は弟たちが引き上げたのを確認すると、急いで配下に消火させて茗薇を救出する。こうして茗薇を助けた四皇子と七香、すると七香は本来の旗袍を四皇子に託して帰って行った。四皇子は茗薇をかくまった。しかし茗薇の意識が戻らず、都から集めた医者もお手上げだという。するとある医者が針を胸に刺して毒血を抜けば助かる可能性があると言った。ただし失敗すれば息を吹き返すことがなくなり、とても手を下すことはできないという。「他に方法がないなら、私がこの手で試そう」四皇子はやむを得ず自ら銀針を持ち、思い切って茗薇の胸に突き刺した。その時、昏迷していた茗薇は現代に戻っていた。突然、意識が戻った茗薇は自分がなぜか通勤に使っていたバスの中にいると気づく…バスにはちょうど親友の小秋(ショウシュウ)が乗っていた茗薇はバスを降りた小秋を慌てて追いかけたが、何度、呼びかけても小秋は気づいてくれないやがてスマホで話していた小秋は″別れる″と怒鳴ったかと思うとスマホを捨て、泣き出してしまう『何があったの?彼氏と喧嘩したのかな?』茗薇は小秋に寄り添って励まそうとしたが、驚いたことに手が小秋の身体をすり抜けてしまう『どういうこと?夢を見ているのかしら?魂が身体から抜けちゃったの?』その時、どこからともなく自分を呼ぶ声が聞こえて来た…「小薇!小薇っ!」四皇子は何度も茗薇に呼びかけた。しかし茗薇は目覚めず、身体がすっかり冷え切っていると気づく。驚いた四皇子はすぐ火鉢を持ってくるよう命じ、茗薇を抱きしめて温めてやった…恋人とけんか別れした小秋は道端で泣いていたするとふいに誰かが落とした電話を拾い、ハンカチを貸してくれる『これで涙を拭いて…』顔を上げた小秋は親切な男性の顔を見ると、不思議と懐かしさを覚えたそれもそのはず、その男性は皇太子と良く似ている。『スマホにヒビが入ってるね、近くに修理店があるけど、もしよければ…』『ありがとう、見知らぬ私を助けてくれて…私は小秋よ』『僕は嘉偉(カイ)』2人は握手を交わし、なぜか見つめ合って笑顔になった現代で叶った小春と皇太子の再会、茗薇は小秋と嘉偉の運命的な出会いに何とも幸せな気分になった…小春、ようやく自分の幸せを見つけたのね、今回は手放さないで…すると茗薇の身体が急にワープし、会社に移動してしまう茗薇は懐かしいオフィスを見て回ったそこで偶然にも上司だった蒋茗蕙(ショウメイケイ)が自分を嫌っていたことを知るどうやら茗薇の案が採用されたプロジェクトは問題が山積しているようだった『最初は小薇が責任者でしたが、あなたが引き継ぐことになりその結果…』『そのことは絶対に他言無用よ』『分かりました、でもなぜそんなに小薇を嫌うのですか?』『見習いの分際で担当を持つなんて生意気よ~ 不思議なほどあの子が嫌い、前世の恨みでもあるのかしら…』するとまたどこからともなく茗薇を呼ぶ声が聞こえて来る…小薇!目を覚ませ!小薇!小薇!…茗薇は急に激しい頭痛に襲われたかと思うと目が覚めた。「四哥…?」「小薇?!ついに目が覚めたのか!私ならここだ」「お願いです…胤祥(インショウ)に伝えてください…私は生きていると…」四皇子の懸命な看病により九死に一生を得た茗薇、医者はこれで命の危機を脱したと診断し、しばらく静養するよう勧めた。四皇子は馬を駆けて都へ戻り、帥府園(スイフエン)にやって来た。しかし茗薇を失った十三皇子は意気消沈し、ぼんやりと中庭を見つめている。七香の話では丸一日、食事もせず、こうして庭を眺めながら冷たい風に吹かれているという。そこで四皇子は七香から外套を受け取り、そっと十三弟にかけてやった。「四哥、信じられますか?もう小薇がいないなんて…」屋敷の至る所に残る茗薇の痕跡、十三皇子はまだ茗薇がすぐ近くにいるような気がするという。「でもご存知ですか?小薇はもういないんです…」「十三、ここは冷える、部屋で休みなさい」その時、雪がちらほら降ってきた。十三皇子はこの庭で茗薇と一緒に初雪を見るはずだったと思い出し、それがもはや叶わないと分かると倒れてしまう。康熙(コウキ)帝は胤礽(インジョウ)の罪が謀略によるものだったと断定し、皇太子の復位を決めた。これに憤った八皇子は四兄もまだまだ侮れないと焦りを隠せない。しかし九皇子や十皇子は肝心の十三皇子が抜け殻となり、孤立無縁の四兄なら巻き返すことは無理だと安心させた。すると十四皇子が高を括っていると十三皇子が立ち直った時に太刀打ちできなくなると警告する。「今のうちに次の手を打ちましょう」八皇子は十四弟の言う通りだと納得した。茗蕙はたびたび参内しては納蘭(ノーラン)貴妃への挨拶を欠かさずにいた。すっかり貴妃からの信頼を得た茗蕙、するとふらりと立ち寄った御花園で十四皇子と出くわす。「嬉しそうだな?小薇が死んで願いが叶ったからか、満足か?」「誤解です、私は何もしていない、妹を失って悲しんでいる私になぜそんな言葉を…ゥッ…」茗蕙は涙を拭って見せると、激昂した十四皇子がいきなり首をつかんだ。「どうやって小薇を死なせた?!なぜこんなことをしたんだ!」激情に駆られた十四皇子は容赦なく首をつかむ手に力を込めてしまう。しかし苦しみもがく茗蕙の姿にふと我に返って手を離した。茗蕙は咳き込みながら呼吸を整えると、珍しく感情的になった十四皇子を冷笑する。「ふっ、なぜって恨んでいるからよ…それが何だと言うのっ?! 小薇が生きている限り、私はただの庶子、何も得られない! 子供の頃から思っていたわ、雅拉爾塔茗薇は…茗薇は私にとって一番の敵だってね…」茗蕙は嫡母から事あるごとに折檻されたと話し、自分で自分を守るしかなかったと言った。「私はそうやって育てられた…十四爺、私たちは同類だと認めたら? あなたも十三が邪魔なはずよ?同じ阿哥なのに負けてばかりだものね」「違う…同類ではない」十四皇子は否定し、行ってしまう。一方、十三皇子は寝所で横になったまま、飲まず食わずで動こうとしなかった。七香は仕方なく福晋がいまわの際に″私がいなくなってもしっかり生きて欲しい″と言い残したことを伝える。すると十三皇子の前に茗薇の幻覚が現れた。『胤祥、約束したでしょう?一緒に幸せになるって…』「はお、約束するよ…」十三皇子の返事を聞いた茗薇は安心したのか、すっと姿を消した。茗薇は四皇子から十三皇子が生きる気力を失っていると聞いた。今はまだ会うことができず、自分の生存も知らずにいるという。茗薇は十三皇子を何とか助けたいと訴えたが、四皇子は十三弟を思うなら、まず身体を治すよう励ました。今年も恒例の冬の狩りが開催された。しかし皇帝や四皇子、十三皇子は不参加、皇太子も相手にならないため八皇子一派は今一つ盛り上がらない。そんな中、茗薇の死以来へそを曲げている十四皇子は、兄たちを置き去りにして雪原を走っていた。するとそこへ屋敷に閉じこもっているはずの十三皇子が現れる。十三皇子は見事に獲物を仕留めると、そこへ八皇子たちがやって来た。「なぜここに?…狩りをするほど回復したのか?」しかも十三皇子は以前よりも命知らずになったように見えた。今日の狩りは大猟だった。中でも十三皇子が最も多く仕留め、八皇子は父からの褒美がもらえると告げる。十三皇子は兄弟で分けると宣言し、皇太子に酒を献じることにした。しかし皇太子は十三皇子が瓶のまま一気にあおる姿に驚き、飲み過ぎだと心配する。すると面白くない十皇子は福晋の死後だというのに狩りに来たと難癖を付け、十三皇子は血も涙もないと呆れた。「十三弟よ、今日の酒はそんなにうまいか?次に飲むのは後妻との婚礼になるな?」八皇子はさすがに言い過ぎだと止めたが、十皇子は十三弟ならもう吹っ切れているという。「あの福晋は口ばかり達者で生意気だったから死んでよかったな」十三皇子は思わず十兄の胸ぐらをつかむと、八皇子は慌てて立ち上がった。「十三、兄弟だろう?落ち着け」つづく(´⊙ω⊙`)スーガー、なぜ教えてあげないのかと…そう言えば意地悪社員、やっぱり九皇子じゃない?違う?
2021.03.17
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第20話「茗薇の決断」茗薇(メイビ)は皇太子を呪ったのは十三皇子ではなく自分だと名乗り出た。その証拠として皇帝や皇子たちの前で呪詛の札を再現してみせる。札を見比べた康熙(コウキ)帝は間違いないと断定したが、人払いして茗薇と2人きりになった。「その目で見比べてみよ?札が同じだと?」「…いかに真似ても同じではありません」しかし愛する胤祥(インショウ)を救うためにはこの方法しかないという。茗薇は皇帝が胤祥の無実を知っていながら、他の皇子まで巻き添えにすることを恐れて犠牲にするつもりだと分かっていた。「そんなの酷すぎます!」茗薇ももちろん死ぬのが怖い。それでも自分に尽くしてくれた十三皇子のためなら当然のことだと訴えた。「…胤祥がこのことを知ったらどう思うか考えたのか?」「皇上が胤祥を愛してください、福晋(フジン)を失くしても父亲(フーチン)の愛を得られます」「そちのような福晋を得て胤祥は幸せ者だな」茗薇は最後に実家に連座が及ばないよう嘆願すると、皇帝は了承した。宗人府に李(リ)太監がやって来た。皇帝が十三皇子を無罪だと判断し、解放するという。しかしなぜか帥府園(スイフエン)には戻れず、皇子(コウシ)殿に幽閉されてしまう。十三皇子は茗薇に何かあったのではと不安を募らせたが、李太監は命を受けただけで事情は知らないと言及を避けた。茗薇は乾清(ケンセイ)宮から禁宮に連行された。「藴秀宮(ウンシュウキュウ)?…ここだったのね、ずっと探していた場所に来たんだわ」すると茗薇は愛する人のために死ぬことが未来から来た理由だと自分を納得させた。茗薇が藴秀宮に幽閉されて4日、突然、十四皇子が訪ねて来た。十四皇子は茗薇に合わせる顔がなかったが、素直に謝罪する。しかし茗薇は冷たかった。「今さら後悔などしないで、出て行って、2度と会わない…もう会う機会もないわ」茗薇に追い返された十四皇子は寝所に戻ると、虚しさを酒で紛らわせた。四皇子は茗薇を救うため、ある計画を立てた。これに気づいた四福晋は家族のためにも考え直すよう泣いてすがったが、四皇子は振り払って出かけてしまう。「すまぬ…悪い夫だ」一方、帥府園では侍女・七香(シチキョウ)が茗薇の旗袍(チーパオ)を準備していた。茗薇の処刑の日の朝、十四皇子は皇子殿にいる十三皇子を訪ねた。「お前の女が身代わりで死ぬのに何をしている?!愛していると言いながら小薇を守っていない 自分には力があると思い上がり、権力争いに加わるから小薇が犠牲になった! 見せかけだけの役立たずめ!」十三皇子はようやく経緯を知り、呆然となった。その頃、七香が藴秀宮で茗薇の身支度を整えていた。「ありがとう、七香」「私にとって十三福晋はあなただけです」すると茗薇は十三皇子への伝言を託した。「こう伝えて、″私がいなくてもしっかり生きて欲しい″と…」十四皇子は十三皇子の脱出に手を貸した。…私にできるのはこれだけだ…しかしその頃、すでに藴秀宮には李太監が毒酒を届けていた。「皇上がこうお尋ねです、後悔はないかと…」「…ありません」「皇上の勅命です、″雅拉爾塔(ヤラルタ)茗薇は嫉妬に駆られ、先祖に背く許せぬ罪を犯した 平素のよき行いに免じて自害を賜る、また皇族系譜より除名する″、ちんつー」すると李太監は、表向き十三福晋は正気を失って病死したと発表すると教えた。「つまり私にまつわる全てがきれいに消えるのね…」そしていよいよ時間が来た。七香は十三皇子の代わりに見送りたいと頼み、茗薇に杯を渡す。「よく言い争ったけれど、あなたに見送られることになるなんて…」「根に持ってはいません、人生とはこういうものなのでしょう、浮き沈みがあり″芝居″のよう…」その時、十三皇子は藴秀門に到着していた。しかし侍衛に阻まれ、なかなか寝殿まで進むことができない。「放せっ!小薇!小薇っ!」侍衛たちに取り押さえられた十三皇子は必死に茗薇の名を叫んだが、茗薇の耳には届かなかった。やがて寝殿から茗薇の亡骸が運び出され、無情にも十三皇子の目の前を通り過ぎて行く。その場で崩れ落ちるように膝をついた十三皇子、まるで世界が全て色褪せ、何もかも終わったかのように思えた。十三皇子は御前侍衛が止めるのも聞かず、乾清宮に怒鳴り込んだ。「なぜだ!なぜ小薇を殺した!…無実なのになぜ死罪にしたのです?!」十三皇子は自分を息子だと思うなら茗薇を殺せないはずだと父を非難した。「皇家がこうも非情なら、阿哥にも皇阿瑪(フォンアーマー)の子にもなりたくないっ!」すると皇帝は思わず胤祥の横面を引っ叩いてしまう。「つらいだろうが、あの者は死んだ、そうだ、朕が死を与えた、やむを得なかったのだ そちが死ぬのを朕に黙って見ていろと?そちを救うためなら冷血非情と言われてもいい ただの女子の方が、そちより朕の苦悩をよっぽど理解していたぞ?!」皇帝は茗薇が自分の命と引き換えに十三皇子を救ったのだと言い聞かせた。悲しみに打ちひしがれる十三皇子、その時、確かに自分に父を責める権利はないと気づく。「私のせいで死んだ…私が悪い、悪いのは私だ」十三皇子は絶望し、ふらふらと宮殿を出て行った。十三皇子は馬にまたがり宮中を出た。思い出すのは無邪気な茗薇との幸せな思い出ばかり、やがて帥府園へ到着したが、十三皇子は気を失って落馬してしまう。その頃、七香は十三皇子の代理として立会うことになった四皇子と合流、茗薇の亡骸に被せる覆いを見せていた。「裏地に火と熱に強い黒絹を使っています」「はお」すると四皇子は茗薇の亡骸を棺に納め、火葬場へ運ぶよう指示した。茗蕙(メイケイ)は八皇子たちと一緒に朗報を待っていたが、十四皇子の姿はなかった。その時、密偵から消息が届き、茗薇が毒を賜り自害、亡骸はすでに火葬場へ運ばれたと知る。予定外に十三皇子は罪を免れたものの、最愛の女を亡くせば再起不能だろう。九皇子と十皇子は大喜びしたが、疑り深い茗蕙は亡骸を確認しない限り油断できないと釘を刺した。すると八皇子は確かに四皇子が見送ると思い出し、何か計略があるかもしれないと訝しむ。そこで茗蕙は茗薇の姉である自分が一緒に行こうと持ちかけた。家族が″最後にひと目だけでも会いたい″と頼めば、さすがに四皇子も拒めないだろう。茗薇の棺は火葬場に運ばれた。七香は棺の中の福晋に息があるかどうか確認し、四皇子に目くばせする。しかしその時、門前で何やら騒ぎが起こった。四皇子が様子を見に行くと、八皇子たちが門衛たちに制止され怒っている。すると茗蕙が四皇子に妹に会わせて欲しいと涙ながらに懇願した。四皇子はすでに納棺したと説明し、茗薇の安息を邪魔するなとはね付ける。「目的は達成しただろう?この上、まだ何をするつもりだ?!」「なぜそこまでムキになるのです?姐姐の私でさえ妹妹に会えないと? …見られては不味いことでもおありですか?」←( ๑≧ꇴ≦)じぇじぇw十皇子は確かに棺の中が怪しいと声を荒げ、強引に中へ入ろうとした。慌てた四皇子は思わず手を出して止めたが、その時、七香がやって来る。「お見送りの場で乱暴はお控えください、福晋の棺は中にあります、どうぞこちらへ」茗蕙は八皇子たちと棺の中を確認した。どうやら茗薇は本当に死んでいる。すると七香が美しい深紅の布をかけた。「その布は?」「亡くなっても正式な福晋です、哀惜の念を込めて立派な覆い布を縫いました お好きだった鳳凰を刺繍し、あの世でも鳳凰のように輝いて頂きたいと…」しかし慎重な茗蕙はさらに姉として妹をあの世へ送らせて欲しいと頼んだ。茗蕙は自ら火をくべた。四皇子は苛立ちを隠せず、八皇子たちを追い払う。「目的を果たしたなら帰ってくれ、お前たちを見たくない!」すると焚き木が燃え盛る様子を目の当たりにして溜飲が下がったのか、八皇子たちは大人しく引き上げて行った。つづく(´⊙ω⊙`)え?もう現代に帰るの?まさかね〜w〓おまけ〓エンディング曲のサビだけ歌詞カード↓(カラオケ大会までに覚えてね♪)
2021.03.16
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第19話「呪詛の札の謎」親友・小春(ショウシュン)の命を救った茗薇(メイビ)。目論見が外れた茗蕙(メイケイ)は素直に負けを認めた。「心から感服したわ…でも皇上を欺く罪よ?永遠には続かないわ、妹妹、用心するのね?」「用心するのはそっちじゃないの?私の靴に細工したり、小春に薬を飲ませて懐妊だと思わせたり… 誰の仕業か私が気がついていないとでも?」「実の妹妹を陥れたりすると思う?ふっ」平然と言い退ける茗蕙にさすがに茗薇もこれ以上は見逃せなくなった。「私にも限界がある、何が目的なのか知らないけれど、私がいる限り阻止するから! あ…そうだわ、私が嫁いでしまって姐姐も寂しいでしょう? 徳(トク)妃娘娘に話しておいたから、近々、実家に帰してもらえるわ~それじゃ~」茗蕙は自分への反撃だけでなく、茗薇が逃げ道まで塞ぐつもりだと知り、憎しみを募らせた。皇太子が妃嬪との密通という大罪を犯した。八皇子一派はこれを機に次期皇太子の座を狙うべく動き始める。そんな中、康熙(コウキ)帝は皇太子の処遇を決められず、悶々としていた。胤礽(インジョウ)は最も寵愛した亡き仁孝(ジンコウ)皇后の忘れ形見、臨終の際には立派な世継ぎにすると誓い、手塩にかけて育てて来ただけに現実を認められないのだろう。十四皇子は苦悩する父の姿を見ながら、実は皇太子を許したいのだと察した。茗蕙は自分を″思い上がっている″と断じた十四皇子を訪ねた。書に没頭する十四皇子、まるで権力争いなど興味がないように見える。「出遅れれば太子の座を他の者に奪われてしまうのよ? 先に民心を掌握されたら遅れを取り戻せなくなるわ」八皇子はいち早く黄河の水害救済金を手配し、皇帝に上奏していた。しかし十四皇子には考えがあるという。茗蕙は以前なら十三皇子にすぐやり返した十四皇子の変わりように困惑したが、ふと茗薇のせいだと気づいた。「…茗薇のために大局さえ顧みないつもり?目を覚まして…別の道を歩んでいる人間よ?!」すると十四皇子はようやく筆を置いた。「君は口を挟むな、言ったはずだ、考えがあるとな…」茗薇は徳妃への挨拶を終え、長春(チョウシュン)宮を出た。すると十四皇子が待ち伏せしている。「どうしても話しておきたい、宮中を甘く見るな 十三哥の協力で小春を救えたのは単なる幸運だ、2度と危険な橋は渡るな、さもなくば命を落とす」「この前、茗蕙にも用心しろと言われたわ、あなたまで同じことを?さらに命の心配まで… ふっ、息がぴったりね」十四皇子はこれから権力争いが激しさを増すと警告し、保身の術を学べと助言した。しかし茗薇は愛する人に危険が迫れば守ると断言する。「死んでもか?」「もちろんよ」「なぜいつも私と対立するんだ?」「選んだ道が違うからよ、がおつー」十四皇子は結局、茗薇を説得できなかった。🥺君を守りたいだけなのに…その夜、茗薇は激しい雷鳴で目を覚ました。すると隣に十三皇子の姿がない。茗薇は天蓋から顔を出すと、十三皇子がひとり外を眺めていた。…権力争いが激化している、太子が失脚し肩の荷は重いはず…それなのに私を心配して、疲れているのにずっと相手をしてくれる茗薇はそっと十三皇子に寄り添った。「寝付けないから雨を見に来たの…」2人は小春の未来を案じながら、必ず幸せになると信じようと話した。皇太子の寝殿を掃除していた侍女が呪詛の札を見つけた。李(リ)太監は慌てて皇帝に報告、皇帝は札の筆跡を見てすぐ犯人に気づく。すると早朝の帥府園(スイフエン)に李太監が侍衛を連れて現れた。「勅命で十三爺を連行します」十三皇子は参内したが、拝謁の機会も与えられず宗人府へ案内された。罪名も分からず困惑する十三皇子、しかし李太監は皇帝の命令だとしか教えてくれない。一方、一向に戻らない十三皇子を心配した茗薇は十四皇子のもとへ乗り込んだ。「胤祥(インショウ)はどこ?知っているはずよ!教えて!」「君にはどうにもできない」「あなたと八爺たちの陰謀ね?胤祥はどこへ連れて行かれたの?!」茗薇は十三皇子のためなら命も惜しくないと脅した。驚いた十四皇子は十三皇子が皇太子を呪った罪で宗人府に収監されたと話し、たとえ命を懸けても救えないと釘を刺す。もはや十三皇子が戻って来られるかどうかは皇帝次第、茗薇は愕然となり、その足で四皇子を訪ねた。知らせを受けた四皇子はちょうど宗人府へ向かうところだった。茗薇は夫婦なら一心同体、自分も同行したいと懇願する。その頃、十三皇子の牢に見知らぬ侍女が差し入れを持って来た。四皇子からだと聞いた十三皇子は鎌をかけて嘘だと見抜き、侍女の腕をつかんで誰の差し金かと迫る。そこへ四皇子と茗薇が現れた。刺客は隠していた短剣をつかんで茗薇を人質にすると、騒ぎに気づいた獄吏が駆けつける。十三皇子は慌てた刺客の一瞬の隙をつき、茶碗を蹴飛ばして刺客の頭に命中させると、茗薇を無事に救出した。すると逃げ場を失った刺客は自害してしまう。十三皇子は茗薇の手の怪我を介抱しながら2人きりの時間を過ごした。心配をかけまいと互いに明るく振る舞いながら再会を誓う2人、そこへ四皇子が現れる。「そろそろ戻るぞ」すると茗薇はこらえきれず、涙があふれ出す前に逃げるように出て行ってしまう。「四哥、小薇をよろしく」「心配するな」今の茗薇には四皇子だけが頼りだった。しかし解決策を探っている四皇子も今は何も約束できないという。「そんな…胤祥を失ったら生きていけません」「諦めてはならぬ、そなたが絶望したら誰が十三弟を支えるんだ」四皇子はすっかり弱気になった茗薇を叱咤激励した。四皇子は翌朝から乾清(ケンセイ)宮で嘆願を始めた。一方、帥府園では茗薇に何かと対抗していた侍女・七香(シチキョウ)が、思い詰めた様子の福晋(フジン)を心配して粥を差し入れにやって来る。茗薇は無駄だと分かっていながら皇帝への嘆願書を書いていた。(´⊙ω⊙)<へえ〜十三爺の字とそっくりですね~@7すると突然、茗蕙が訪ねて来た。茗蕙は十三皇子を陥れたのは十四皇子だと暴露した。皇太子が失脚し、十三皇子を罠にはめて四皇子を孤立させるためだという。十三皇子と十四皇子は幼い頃、共に字を学んでおり、十四皇子が筆跡を真似ることなど朝飯前だった。「妹妹、今のあなたにできるのは皇上に真相を直訴して証明することよ」茗蕙は想い人の十四皇子が茗薇を好きなため、茗薇が夫を失えば十四皇子の思うつぼだという。「私に機会がなくなる、そうはさせない」「でも真相を明かせば今度は十四爺が罪人よ?」「私のことは気にせず、夫を助けることを考えたら?」すると茗蕙は帰って行った。八皇子は茗蕙から茗薇に真相を明かしたと聞いて憤慨した。しかし実はこれが茗蕙の策だと知る。皇帝は呪詛の札の件が十三皇子の仕業だと信じていないはずだ。それでも投獄したのは皇子たちの権力争いを牽制するためだろう。牢獄で十三皇子を襲った刺客の一件を黙殺したのが何よりの証拠だった。真相を調べれば関わる皇子が1人では済まなくなる。話を聞いた八皇子は皇帝が十三弟を犠牲にしても内紛を防ぎたいのだと分かった。「人前での直訴は皇上の策を邪魔することになります 兄弟の争いを防ぐため、皇上は十三爺に罪を負わせて事を収めるでしょう もし四爺と十三爺が小薇をかばえば、共に罪に問われます」八皇子は先見の明がある茗蕙に感心したが、ただ実の妹への非情さにいささか驚く。すると茗蕙は国の大事に犠牲は付きものだと言い放った。皇帝は皇子たちを呼び、十三皇子が大罪を犯したのは兄弟全員の責任だと叱った。予想外の展開に動揺を隠せない九皇子や十皇子、しかし十四皇子だけは皇帝の心理を読み、この件の公表を控えて内々の処分を嘆願する。「それだけでも兄弟同士が争わぬよう警告するには十分です」その頃、四皇子はひとり嘆願を続けていた。足の痛みもいよいよ限界、すると茗薇がやって来る。「四哥、もう十分です、あとは私にお任せください」「小薇!戻って来なさい!小薇!」四皇子は茗薇を止めようとしたが、足の痛みで倒れてしまう。皇帝はまさに幕引きを図ろうとしていた。やきもきしていた八皇子だったが、その時、ついに茗薇が現れる。「申し上げます、呪詛の札は胤祥の筆跡を真似たもの、黒幕は私が誰よりも知っております」八皇子は思わずほくそ笑んだが、茗薇は予想もしない行動に出た。「黒幕とは私、雅拉爾塔(ヤラルタ)茗薇です、その証拠にここで札の文字を再現してご覧に入れます」茗薇は皇帝や皇子が見守る中、呪詛の札を書いてみせた。皇帝は茗薇が黒幕だと断定したが、皇太子を呪う理由が分からなかった。そこで茗薇は皇太子が十三皇子に妾を勧め、次第に十三皇子もその気になって来たと話し、2人を恨んでいたと嘘をつく。しかし事が大きくなり過ぎて恐ろしくなり、慌てて罪を認めたというのだ。すると皇帝は人払いし、茗薇と2人で話すことにした。つづく(  ̄꒳ ̄)んーお姉ちゃんが陰謀の中心って…どうなの?w
2021.03.15
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第18話「悲恋の結末」茗蕙(メイケイ)は鄭(テイ)嬪を探るため、側仕えの玉児(ギョクジ)と翠児(スイジ)を抱き込んだ。「このことは人に言わないでね」しかし2人に賄賂を渡しているところをちょうど参内していた茗薇(メイビ)に見られてしまう。「姐姐(ジェジェ)?徳(トク)妃娘娘(ニャンニャン)の所へ来たから鄭嬪娘娘に会いに来たの 娘娘の侍女と知り合い?」「ぁ…鄭嬪娘娘と顔見知りになったから、しっかりお仕えするよう小遣いを渡しただけよ? 娘娘は妹の親友だもの~あなたが宮中にいないなら気を使うのは姉の務めよ」茗蕙はうまく取り繕ったが、茗薇は姉の行動をいぶかしんだ。小春を訪ねた茗薇は側仕えが買収されているかもしれないと報告した。確証はないが、十三皇子と四皇子の話によると可能性は高い。茗薇は妃嬪の密通が大罪になるため、皇太子と会わないよう忠告した。しかし小春は皇太子と会えないなら生きていても仕方がないと嘆く。茗薇は少なくともしばらく会わないよう説得し、太監・秦柱(シンチュウ)をそばに置くことにした。「柱児は味方よ、何かあった時は私と十三爺(シーサンイェ)へ伝言を…」小春は茗薇の気遣いに感謝したが、すでに覚悟はできていた。「最初から結末は分かっているの、会うたびに″これが最後だ″って思う だから死んでも悔いはないわ、苦しまずに死なせて欲しいと天に祈るだけ…」「小春(シァォチュン)、私があなたを守る」茗蕙の計略に乗った八皇子だったが、1ヶ月経っても皇太子が動く気配はなかった。そこで茗蕙を呼び出し、鄭嬪の情報も途絶えたと不満を漏らす。「小薇の仕業でしょう」「姐妹の争いなど知らぬ、私の力を借りたいなら、満足の行く働きを見せよ」「ご安心ください、八(バー)爺、必ずやご期待に応えてみせますわ」八皇子は十三皇子たちを甘く見ないよう釘を刺したが、茗蕙は不敵な笑みを浮かべた。「ふふ、どちらが上手かお見せしましょう」そんなある日、鬱々と過ごしていた小春が急に嘔吐した。秦柱は慌てて太医に脈診を頼むと、懐妊の可能性があるが断言できないという。動揺した小春はひとまず太医を下げ、秦柱に泣きついた。「公公(ゴンゴン)、どうしたらいい?…皇上は数ヶ月お渡りになっていない」すると秦柱は子供をあきらめるよう説得した。懐妊を隠し通すことなど不可能、当然、小春の命も危うくなる。いよいよ追い詰められた小春はどうしても皇太子に会いたいと懇願した。秦柱は同情し、これが最後だと約束して自分のつてを使って何とかするという。しかしなぜか景仁宮に太医が訪ねたことを茗蕙が知っていた。茗蕙は納蘭(ノーラン)貴妃に鄭嬪が太医を呼んだと報告した。「皇上の御子を身ごもったとか…でもお気になさらず、見立て違いでしょう 側仕えの者から聞いたところ、この数ヶ月、皇上のお渡りはなかったとか…」その頃、皇太子と小春は禁足地とされる北苑の一室で密会していた。久しぶりの再会を喜ぶ2人、すると小春は皇太子の手をそっと自分のお腹に当てる。「私たちの子よ…子を授かったの、でも明日になればこの命は消えてしまう 最後に触れてもらいたくて会いに来たの」驚いた皇太子は産んで欲しいと頼んだが、小春は不義の子を産むことは許されないと嘆いた。「どうか悔やまないで、地獄に落ちて生まれ変われなくても、私は構わない…」皇太子は小春の深い愛に心を打たれ、その愛に報いるべきだと気づいた。そこで自ら皇帝に過ちを告白し、罪を認める代わりに小春と子供を守るという。しかし小春は2人で犯した罪なら2人で償おうと言った。「どんな結果でもあなたがそばにいれば受け入れられる、一緒に行くわ、死ぬなら一緒に死にます」「はお、そなたの愛さえあれば今日、死ぬとしても悔いはない」一方、景仁宮では秦柱が侍女たちの運んできたお茶に何か混入していると気づいた。そこで取り急ぎ茗薇に鄭嬪の危険を知らせる。…娘娘が御懐妊、北苑で太子と密会中、何か策略があるやも…秦柱からの急報を読んだ茗薇はすぐ宮中へ向かった。…これは罠よ、小春、だまされては駄目…茗薇は小春の無事を祈りながら北苑に駆けつける。「小春っ!」しかし部屋の中にいたのは納蘭貴妃と茗蕙だった。「禁足地である北苑に十三福晋(フジン)が慌てて人探しに来るとは何事か?」「娘娘、″小春″とは鄭嬪娘娘の幼名です」茗蕙はすかさず納蘭貴妃に告げ口すると、茗薇は自分から鄭嬪に会いに来たと言った。「鄭嬪の密通を助けた者がいると聞いた、信じられなかったが、やはりお前なのだな?」「妹妹~これ以上、隠し切れないわね?」「何のお話かしら?…私と小春は小魚(シァォユー)の慰霊に来たのです まさか姐姐にそんな濡れ衣を着せられるなんて…」納蘭貴妃は御花園の池で亡くなった秀女がいたことを思い出し、十三福晋の話は筋が通ると納得した。「分かったわ、十三爺に免じてこの件は追求しない しかし宮中には立ち入れぬ場所や手を出せぬことがある、よいな?」「分かりました」茗蕙は入宮前の事件までは知らず、茗薇に上手く切り抜けられてしまう。皇太子と小春は拝謁し、不義を犯したことを認めた。そこで皇帝は鄭嬪を太医に診せたが、3人とも懐妊していないと診断する。実は小春の懐妊の兆候は薬を盛られたせいだった。皇太子と小春はようやく陥れられたと知り、呆然となる。しかし皇太子はむしろこれで公にできたと肩の荷が下りた。すると小春が皇太子を守るため、自分が誘惑したと罪をかぶってしまう。驚いた皇太子は自分が無理強いしたと否定したが、皇帝が激昂して机を叩いた。「朕の罪だ!これほどまでに心優しき子を育てた…愛する女のためなら死んでも良いのだな? よかろう、望みを叶える」皇帝は2人を牢に送って厳罰に処せと命じた。八皇子一派は皇太子の失脚に大いに盛り上がった。酒席には今回の功労者である茗蕙も同席し、八皇子も功績を称えて一献ささげる。そんな中、十四皇子だけは不満そうに黙々と食事をしていた。すると九皇子が残す敵は四皇子と十三皇子だけになったと指摘する。十皇子は十三弟など恐るに足らないと鼻であしらったが、八皇子は十三弟がいる限り四兄を倒せないと警告した。「その通りです、真に除くべき敵は十三爺なのです」茗蕙はすでに計画なら練っていると打ち明けた。しかし和やかな小宴に急報が舞い込む。「八爺、大変です、鄭嬪が牢で焼身自殺したと…」茗蕙はぴんと来て十三皇子の動向を確認すると、やはり宮中へ来ていると分かった。これはただの火事ではなく、恐らく小春を脱獄させるための芝居だろう。茗蕙はここで十三皇子たちが囚人を脱獄させた証をつかめば、敵を根絶やしにできると期待した。九皇子と十皇子は早速、十三皇子の馬車を捕まえに向かった。すると八皇子がずっと黙っている十四弟をいぶかしむ。「別に…思い上がった者に口出しする気などない」「十四(シースー)爺、それはどういう意味かしら?」茗蕙は自分への嫌味だと気づいた。「何でもない、ただ言っておく、太子を倒せても十三哥はびくともせぬ 君の小手先の謀略など決して通用せぬ相手だ」九皇子と十皇子はちょうど宮中から出ようとしていた十三皇子の馬車を停めた。そこで順児(ジュンジ)の制止を振り切り強引に帳(トバリ)を開けてみたが、十三皇子と茗薇が乗っている。「十三?!」「なぜ2人が…」( ̄∀ ̄)<うちの馬車だもの、当たり前でしょう?何言っちゃってるんだか~茗薇は八皇子一派を自分たちの馬車に引きつけ、その間に小春を脱出させていた。翌朝、茗薇は郊外で小春と合流した。「衣と路銀を用意したわ、これでしばらく暮らせる 御者が静かなところまであなたを送ってくれる、名前を変えて新たな生活を…」小春はこの恩をどう返せばいいのか分からないと言ったが、茗薇はしっかり生きてくれることが恩返しになると励ました。すると小春は前世での借りを返すために皇太子と出会ったのかもしれないと話し、2人で過ごす時間は″薄氷を履む(如履薄氷)″思いだったが幸せだったという。「これも運命だったの、後悔なんかしないわ」小春は最後に皇太子への文を託すと、茗薇も皇太子から預かった小春への文を渡した。「シァォウェイ、今まで本当にありがとう、私のために捨て身で動いてくれた あなたと友だちになれて私は幸せだった…これからも元気でね いつかあなたとまた会えることを祈ってる」「…大丈夫、きっと会えるから」茗薇は親友と再会できることを知っていた。茗薇は目を潤ませながら小春の馬車を見送った。すると小春を宮中から運び出してくれた七香(シチキョウ)が思わず愚痴をこぼす。「福晋、人助けするのになぜ私がこんな格好を?深い意味でも?」「意味はないわ~ただ面白いだけ」↓それがこちら皇太子と小春の今世での縁は切れた。…小春、最後までそなたを守れなかった、すまない…私たちの愛は悲運だったが、間違いではなかった…そなたとの日々は私の人生で最高の時間だった、生涯、大切な思い出にする小春は馬車に揺られながら皇太子の手紙を読み終わると、腕輪を外した。…この結末は私たちが交わした愛の代償よ、受け入れるしかない…私はもう臆病な小春じゃない、人生に立ち向かうわ、あなたもそうであって欲しい…今は来世で結ばれることを祈りましょう…お互い自由に愛し合える家に生まれますように皇太子は小春の文を握りしめ、手首のお守りを見つめながら涙に暮れた。つづくからのエンディング~って最終回かと思ったわ!小春、現代まで待っててね~(^ꇴ^)で、十三に叱られた七ちゃん、割とすんなり軟化してるw
2021.03.12
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第17話「想い人はあなた」十三皇子と茗薇(メイビ)の婚礼の日。徳(トク)妃は祝いの品として嫁荷の中から首飾りを授け、茗薇を長春(チョウシュン)宮から送り出した。その頃、帥府園(スイフエン)の門前では十三皇子が花嫁の到着を今か今かと待っている。やがて賑やかな楽隊を先頭に花籠が到着した。十三皇子はしきたりに従って籠の枠に矢を3本、命中させると、蓋頭(ガイトウ)で顔を隠した花嫁が現れる。いよいよ前庭での拝礼の儀、しかしそこに四皇子の姿はなかった。四皇子はまだ屋敷にこもっていた。ひとり茗薇の肖像画を眺めながらため息をつく四皇子、そこへ四福晋(フジン)が現れる。四皇子は慌てて肖像画を丸めて隠すと、福晋はそろそろ行かねば吉時を過ぎてしまうと知らせた。十三皇子と茗薇は拝礼の儀を終え、床入りの儀となった。吉時を過ぎる前に新郎が花嫁の蓋頭を外し、ようやく2人だけの時間となる。自然と顔を近づける2人、しかし皇子たちが慣習通り新婚を冷やかしにやって来た。しかし九皇子や十皇子に接吻しろと囃し立てられても茗薇は動じない。「なら十爺がひとりで見本を見せてください」そこで九皇子は失恋した十四皇子に黙っていないで何か言えと煽った。「…十三嫂(サオ/兄の嫁)に一献さしあげたい、どうですか?」「お相手します」すると十四皇子は杯ではなく大きな椀に酒を注ぎ、飲み干して見せた。茗薇は臆することなく椀を手にしたが、十三皇子が代わりに飲むと言って止める。「駄目だ!福晋は福晋、お前はお前だ!」十皇子が憤慨して止めたが、十三皇子は夫婦なら2人で1つだとはね付けた。十三皇子が酒を飲み干した頃、皇太子が鄭(テイ)嬪を連れてやって来た。ちょうど一緒に到着した八皇子はまた騒ぎを起こしたのかと弟たちに睨みをきかせ、黙らせてくれる。すると皇太子は皇帝の代わりに祝福に来たと教えた。小春(ショウシュン)は皇太子が連れて来てくれたと説明したが、茗薇はすぐ2人の関係に気づく。そこで小春と2人だけで話すことにした。十三皇子は兄たちを祝宴の席に案内することにした。すると皇太子が四弟の姿が見えないといぶかしむ。十皇子はここぞとばかりに″愛する女が嫁ぐが新郎が我にあらず″だと揶揄したが、ちょうど到着した四皇子が聞いていた。「ゲフンゲフン!」§;꒪ω꒪)あ…@10「出かけ際に来客があり遅れてしまった、十三弟、すまなかったな」「いえ、来てくれて本当に嬉しいです、申し訳ないのはこちらの方です…」八皇子は軽率な十弟を叱ったが、四兄と十三弟の絆は自分たちが考えているより強いと感心した。小春は皇太子との関係を否定した。しかし茗薇は皇太子が小春を見る目に明らかに情がこもっていると指摘する。人目はもちろんだが、何より皇位を狙う八皇子一派が嗅ぎつけたら大事だ。茗薇は2人の関係が漏れればどちらも立場を失うと警告したが、小春は頭では分かっていても気持ちを抑えられないと打ち明ける。確かに茗薇も想い人ではなく十三皇子に嫁いだ手前、何も言う権利はなかった。ただ小春を責めているわけではなく、本当に心配なのだと訴える。「ありがとう、小薇、分かってくれるのはあなただけよ」「小春、あなたはすごい、私よりずっと愛に一途で勇気があるわ」すると小春はきっと十三皇子こそ茗薇の運命の人だと安心させた。( ̄▽ ̄;)何の励まし合いなんだか…w晴れて十三皇子に嫁いだ茗薇、すると翌朝、順児(ジュンジ)たちが中庭で杏の木を植えていた。聞いてみれば十三皇子が半年前に植えたことがあったが、手入れができなかったため、また植えることになったという。「半年前に杏の木を植えたの?」「はい、十三爺は以前、言動が奇妙で、眠ってばかりでした ある日、目を覚ますと絵を描き、詩を作り、杏を植えたんです、″女子に贈る″と言って…」「(はっ!)その絵はどこ?!詩を書いた絵よ?!」「書斎に…」茗薇は急いで暢和亭(チョウワテイ)へ駆けつけ、巻物を次々と広げ始めた。やがて″杏花結子春深后″と題字が入った杏の木の書画を見つける。「彼だった…彼だったのね!」茗薇は十三皇子こそ想い人だったと確信、すぐにでも会いたくなって門へ向かった。するとちょうど朝議を終えた十三皇子が帰って来る。「しーさん!しーさーん!」茗薇は人目もはばからず十三皇子に抱きつき、愛していると告白した。「ずっと会いたかった、一生、私を守って愛してちょうだい」十三皇子はなぜ茗薇が興奮して泣いているのか分からなかったが、優しくなだめた。「はお、君を一生、守り抜くよ」幸せな新婚生活が始まったはずだったが、茗薇に思わぬ天敵が現れた。十三皇子に思いを寄せる侍女・七香(シチキョウ)は茗薇に嫉妬、嫌がらせを始める。早速、食べ合わせの悪い料理のせいで腹を下した茗薇、十三皇子は七香の企みだと気づいて叱った。「チーシャン、よく聞け、小薇は私の福晋だ、小薇の痛みは私の痛みだ、もうよせ、いいな?」「分かりました」しかしこれで女の嫉妬がおさまるはずもなく、七香は茗薇が食いしん坊なのを利用し、わざと生煮えの豌豆(エンドウ)を出した。茗薇は毒に当たって興奮状態となり、庭で踊り出して女主人としての面目が潰れてしまう。七香は十三皇子の盟友の妹だった。盟友が留守の間、十三皇子が預かって面倒を見ているという。その夜、怒りが治まらない茗薇は十三皇子と七香の間に何かあると疑った。しかし十三皇子は嫉妬する茗薇も可愛いと笑う。「私の一番、好きな君はいつの時だと思う?…私に嫁ぐと皇阿瑪に言った時の君だよ いつか子供に話そう、″額娘が大声で嫁ぐと言ったんだよ″と…」↓やっぱり面倒臭いの来た( ̄▽ ̄;)茗蕙(メイケイ)は茗薇の婚儀に一緒に来た皇太子と鄭嬪の関係を疑った。そこである夜、御花園を散策している小春に近づき、それとなく皇太子の悪い噂を吹き込む。小春は流言飛語など真に受けぬよう諭したが、明らかに様子がおかしかった。小春は茗蕙が親友の茗薇の姉のため警戒せず、まんまと騙された。皇太子がどこかの令嬢を見初めて側室にすると聞いた小春は居ても立ってもいられず、皇太子を呼び出してしまう。すると皇太子は誤解だと訴え、誓いを立てると言い出した。「小春を騙したらこの命…」「分かりました、信じます、太子が縁起でもないことを…」2人はすぐ仲直りして抱き合ったが、そんな2人の影を茗蕙が見ていた。茗蕙は皇太子が皇帝の妃嬪と密通していると確信し、八皇子に報告した。しかし知らせたのは八皇子のためではなく、自分の恨みを晴らすためだという。八皇子は誰が敵なのか知りたかったが、茗蕙はそれはどうでもいいことだと答えなかった。「それより十四爺に相談しませんか?次の太子を誰にするか決めておくべきかと…」十四皇子は八兄に呼び出されて待っていたが、現れたのは茗蕙だった。「私を計画に引き込もうと?」「やることは汚くても、公正にやりたいの、十四爺、太子の座に興味はある?」「ないと言ったら?」「あなたの協力がなくても八爺はうまくやるでしょうね」「では君たちが何をするか見せてもらうよ」「成功したら?見直してもらえるかしら?」「私を誘惑するつもりか?」しかし十四皇子は言い寄ってくる女に興味はないという。茗蕙はそれで妹が好きなのかと挑発すると、十四皇子は茗蕙にもいつか機会を与えるかもしれないと匂わせて帰って行った。茗薇は十三皇子のために昼食を作ることにした。そこへ七香が現れ、まともに包丁も使えない茗薇を馬鹿にして追い出そうとする。しかし茗薇は自分こそ十三皇子の福晋だと引かず、何をしても無駄だと強気に出た。憤慨した七香は料理で勝負しろと迫り、茗薇は無謀にも受けて立つ。当然、見た目も香りも七香の料理が勝っていたが、茗薇はさっさと自分の炒飯を持って出て行った。( ˘ω˘ )<私が作った料理なら何でも喜ぶも〜んってどこから来る自信なのかw茗薇は料理を机に置くと、物陰に隠れて十三皇子を待った。そこへ十三皇子が入ってくる。≡≡≡ギュッ(((/ ̄ー(・・。)/ <胤夫君!お帰りなさい!しかし十三皇子の後ろに皇太子と四皇子がいた。( ̄▽ ̄;)<ぁ…たいずいえ、すーいえ、おいでだとは知らず…皇太子は思った以上に仲睦まじい様子だと失笑したが、四皇子は何とも複雑だった。(  ̄꒳ ̄)<心の臓の形をした炒飯とは斬新だな〜@太子気まずい茗薇は慌てて自分の料理を下げ、七香の料理を出すと伝えて下がることにする。すると十三皇子たちの話が漏れ聞こえて来た。実は八皇子が皇太子を監視させており、また何か企みがありそうだという。四皇子は弱みを握られないよう警戒を強めた方がいいと助言したが、茗薇は小春のことだと心配した。つづく(* ̄꒳ ̄)<やることは汚くても公正にやりたいの〜ってwwwところでおじーちゃんはいつ許されたの?
2021.03.11
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第16話「抵抗する心」十三皇子は茗薇(メイビ)の想い人の記憶を再現し、茗薇の心をつかもうと考えた。そこで早速、杏の花吹雪を演出したが、花びらにうっかり綿ぼこりが混ざっていたせいで失敗する。次に十三皇子は茗薇の想い人と同じように霧の中から登場して見せた。しかし物陰で順児(ジュンジ)が煙を起こしていたことが発覚、茗薇をかんかんに怒らせてしまう。十四皇子が御花園を歩いていると、仏頂面の茗薇がやって来た。「どうした?不機嫌そうだが何があった?」「あなたたちは高貴な生まれだからって、人の大切なものを馬鹿にしていいと思ってる! …あ、ごめんなさい、八つ当たりして」しかし十四皇子は茗薇の怒った顔が実に可愛いと喜ぶ。冷静になった茗薇は宮中にいると孤独を感じると吐露した。ここには友だちも家族も理解してくれる人もいない、独りぼっちだという。十四皇子は宮中では誰もが同じだと告げ、大勢の仲間や取り巻きがいても、本心で付き合える相手は1人もいないと言った。「宮中では孤独に慣れねばならぬ」「…自分がここへ来た目的も分からなくなったわ、本当に想い人に会うためなのかしら? 記憶にある場所さえ分かれば謎が解けるかもしれない、どうしても答えが知りたいの」十四皇子は茗薇を怒らせたのが十三皇子だと察し、この機会を利用しようと考えた。そこで紫禁城が広いため1人では探しきれないと協力を申し出る。茗薇は記憶にあるのは荒れた宮殿に寂れた庭、その庭には井戸と枯れ木があったと説明した。翌日、十四皇子は早くも例の庭を見つけ、茗薇に知らせた。茗薇は半信半疑で訪ねてみると、見覚えのある庭に想い人によく似た後ろ姿を見つける。期待が膨らむ茗薇、しかし振り返ったのは十三皇子だった。「十三爺…あなただったの?また私をからかっているの?!」「なぜ君が?十四弟は?」「私がバカだったわ…あなたを信じて秘密を明かしてしまうなんて 人の気持ちをもてあそんで楽しいの?!」茗薇は想い人が一瞬でも十三皇子であって欲しいと願ったことを後悔し、所詮、十三皇子も他の皇子と同じように他人の思いを平気で踏みにじると非難した。「小薇、私は誤解を解きたかっただけだ だから恥をしのんであの手この手で私の真心を伝えようとした、わずかな望みにもすがりたかった でも全部、徒労だったんだな」「信じていたのに…全部、理解してもらおうと思った私が間違ってた 愚かにも芝居を真に受けるなんて…」「今までの事がすべて芝居だったと?私の本気は伝わらなかったのか?!」「もし本気なら、私を人に譲ったり、思いを踏みつけたりしない!」「君こそ私のことを何も分かっていない」それでも十三皇子は不本意ながら謝罪したが、茗薇はその必要はないと言い放った。「十三爺、私たちはこれで終わりよ、もう私につきまとわないで」茗薇は十三皇子の策略だと誤解し、釈明も聞かずに一方的に責めて帰ってしまう。( ̄▽ ̄;)え?ってかまだ何も始まってないんじゃ…w十三皇子は罠だったと気づき、すぐ十四皇子の部屋に怒鳴り込んだ。すると十四皇子は茗薇の本心を知る機会を与えてやったと恩着せがましい。2人は殴り合いになったが、十四皇子から茗薇の心にいる幻には勝てないと言われ、十三皇子は戦意を喪失して帰って行った。徳(トク)妃は十三皇子を呼び、婚儀の日取りを決めることにした。そこで茗薇に茶を運ぶよう命じたが、なぜか冬蓮(トウレン)がやって来る。「娘娘、小薇は体調が悪いと言うので代わりに来ました」十三皇子には理由が分かっていたが、徳妃はこんな時ほど想い人に会いたいものだと諭し、茗薇の様子を見に行くよう急かした。茗薇は厨房にいた。想い人のことが頭から離れない茗薇、するとうっかり沸騰していた土瓶を倒し、足に熱湯を浴びてしまう。そこへちょうど通りかかった十三皇子が駆けつけた。十三皇子はすぐ太医を呼ぶよう命じ、人目もはばからず茗薇を抱き上げて部屋へ運ぶことにする。しかし茗薇が降ろせと激しく抵抗したため、十三皇子は仕方なく回廊で解放した。「火傷したのになぜ強がるんだ?」「余計なお世話よ!」「…君にはもう私は必要ないと?」「必要ないわ」十三皇子は茗薇の心をつかむことに失敗し、きっぱりあきらめることにした。そこで思い出の灯籠を順児に捨てるよう命じる。順児は深く傷ついた十三皇子を心配し、全児(ゼンジ)と秦柱(シンチュウ)に協力を頼んだ。「この灯籠にはいわくがあってだな~十三爺と小薇姑娘の思い出の品で、爺が自ら絵を描いたんだ …捨てたら2人の中も終わってしまう、何か良い方法はないか?」順児たちが長春門で待ち伏せしていると、茗薇が帰って来るのが見えた。「十三爺は血も涙もないお方だ~私には到底、捨てられない」「我々の勤めは主を支えることだ、落ち着くのを待とう」「つべこべ言わずに捨てればいいだろう?」すると茗薇は何をもめているのかと声をかけた。しかし明らかに挙動不審な3人を疑い、やはり興味はないと言って帰ることにする。慌てた順児は茗薇に灯籠を押し付けると、捨てるに捨てられないと言って逃げて行った。灯籠にはいつの間にか挿絵があった。…ここに描かれているのは私と十三爺?…茗薇は灯籠を部屋に持ち帰り、揺れる灯火を眺めているうちに頑な心が自然と解けて行った。「ただの悪戯ならこんな手間はかけないわね…この灯籠を捨てて思い出も捨てるつもりなの? …私ったら本当に傷つけてしまったみたい」すると翌朝、順児が茗薇に十三爺が婚約を破棄すると知らせた。順児は早くしないと手遅れになると訴えたが、茗薇は考え込んだまま動かない。仕方なく順児はあきらめ、急いで戻って行った。十三皇子が養心殿に向かっていると、突然、茗薇が追いかけて来た。ε=┏(๑≧ꇴ≦)┛<しーさんいぇ~!ちょっと待った!「小薇、君を自由にする、望んでいたことだろう?」「ほんっとバカな何だから!私の望みを全部、叶えてくれるのね?」「君の願いなら全て叶えるよ」「だったら死ぬまで勝手に私のそばから離れないで、どんなことも2人で立ち向かいたいの 私を娶って欲しい…あなたに嫁ぐわ!」茗薇は十三皇子が好きだからこそ悩み苦しみ、拒んで自分を責めていたと明かした。しかし自分の正直な気持ちにやっと気づいたという。「眠れない夜に思う相手はあなたよ」「君が望むなら来世でも娶るよ!」2人は記憶を失いながらも再び愛を確かめ合い、結ばれる運命だった。・:*+:.\(( °ω° ))/.:+*:・ yeah〜!…ってもうこっちもヤケw十四皇子の目論見は外れ、茗薇を奪うどころかかえって2人の仲を取り持つ結果となった。そんな十四皇子の切ない胸の内を茗蕙(メイケイ)があっさり見抜いてしまう。「策士策に溺れるね…」←( ̄꒳ ̄)誰が上手いこと言えとwそれにしても十四皇子の落ち込みようは想像以上だった。茗蕙は自分に相談してくれれば力になったが、残念ながら手遅れだと駄目押しする。すると酔っていた十四皇子はまだ茗蕙にできることがあると言って唇を重ねた。茗蕙は心をときめかせ口づけを返したが、十四皇子から急に突き飛ばされてしまう。「失せろ!」「…私を何だと?!茗薇の身代わりだったの?!」茗蕙が憤慨すると、十四皇子は確かに茗蕙が茗薇に似ていると言って強引に唇を重ねた。驚いた茗蕙は唇をかんで拒絶すると、十四皇子は自分と戯れる度胸があるかと挑発する。「ふん、度胸があるか決めるのは私自身よ」茗蕙は傷つきながらも精一杯、強がって帰って行った。十三皇子は茗薇を連れて帥府園(スイフエン)を訪ねた。ここは皇帝から下賜され2人の新居、婚礼もここで行われるという。茗薇は素敵な住まい大喜び、実は水洗トイレが欲しいと頼んだ。( ゚д゚)<水…何だって?茗薇は早速、トイレの図面を描いた。絵を見た十三皇子は井戸みたいだと驚いたが、その言葉を聞いた茗薇はふと記憶が蘇る。確か想い人が現代のトイレを初めて見た時、小さな井戸みたいだと言った。「同じ話をしたような…」しかし茗薇はもう想い人のことにこだわらないと決める。すると十三皇子が屋敷の設計図を渡し、茗薇に好きなように修正してもいいと認めた。茗薇は早速、机に向かって筆を構えると、十三皇子が図面を指差しながら自分の考えを説明する。「これをこちらに移したらどうだろうか?…こんな風にして」十三皇子は思わず茗薇が筆を持つ手を握って描き始めたが、茗薇は既視感に襲われて急に気分が悪くなってしまう。心配した十三皇子は気分転換に茗薇を連れて中庭に出た。茗薇は初雪を見るのが待ち遠しいと言うが、十三皇子にはその理由が分からない。「私の故郷では告白をする日なの、つまり愛を告げるってことよ?」「そういうことなら毎年、一緒に初雪を見よう」婚礼当日の朝、想い人の夢を見ていた茗薇はうなされながら目を覚ました。…ねえ、待って!行かないで!一体あなたは誰?!…「シーサン、助けて!(はっ!)」茗薇は想い人を探しながらなぜ″十三″と叫んだのか不思議だった。…小薇、十三爺に嫁ぐと決めたなら心から尽くすのよ…あの人のことを考えるのはやめるの、そうよ、考えない茗薇は婚礼衣装に着替えようとしたが、急に十四皇子が訪ねて来た。十四皇子は茗薇の手を引き、宮道まで連れ出した。「後悔している、君を騙さなければ結果は違っていたはずだ」「いいえ」「想い人のことは諦めたのか?」「幻の人が誰かは分からない、でも愛する人が誰なのかは分かるわ」「その決意に後悔はないのか?」「私は胤祥(インショウ)を愛している、何があっても後悔しない」「だが私は君とのことを悔やんでいる」「…胤祥に嫁がなくても、あなたには嫁がないわ」「そこまで言う必要あるか?」←(^ꇴ^)確かに言い過ぎw十四皇子はどうしても茗薇をあきらめられず、急に腕をつかんだ。「離したくない」「離して!」茗薇は激怒して十四皇子の手に噛みつくと、驚いた十四皇子が手を離した隙に逃げてしまう。「っ…でも嫌われる方が忘れられるよりマシだ」←( ´ ▽ ` )イヤイヤイヤ~そこまで?wつづく( ̄∀ ̄)何だか全員メンドクセーwでもエンディング曲は好き(←またしても関係ないw
2021.03.10
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第15話「突然の結婚話」康熙(コウキ)帝に呼ばれて画房(ガボウ)へ参上した十三皇子と茗薇(メイビ)。宴席にはすでに妃と皇子たちが勢揃いしていた。四皇子と十四皇子はなぜ茗薇がいるのか戸惑っていたが、実は十三皇子と茗薇の縁談話だと分かる。徳(トク)妃は皇帝に自分の一存で縁談を進めていたと上奏し、小薇も承諾していると嘘をついた。寝耳に水の十三皇子は誤解を解こうとしたが、その時、八皇子が水を差す。「十三弟、めでたいではないか…ただ皇阿瑪、気がかりなのは十三弟が幼い頃の高僧の言葉です」かつて十三皇子は高僧から″凶を招く相″だと言われたことがあった。すると八皇子に呼応するように早速、九皇子が十三弟の生母の早世にも関係があるのではと揶揄する。十皇子もすかさず凶を招くので再考すべきだと皇帝に進言した。そこで皇帝は茗薇に決めさせることにする。茗薇は嫁ぐ気などなかったが、しつこく十三皇子を貶める八皇子一派に我慢ならなかった。「皇上、凶を招くと言う意味が分かりません、私か十三爺が死ぬということですか?」「お前が死ぬに決まっている!」十皇子がわざと脅かすと、カッとなった茗薇はいきなり拝礼した。「皇上と徳妃娘娘に感謝いたします、十三爺ではなく私が死ぬのなら喜んでお受けします」皇帝は思わず失笑し、茗薇のような肝が据わった女子を娶れるとは果報者だという。こうしてとんとん拍子で縁談がまとまり、皇帝は茗薇に腕輪を下賜した。これは皇太子時代、成婚の時に皇太子妃に贈った腕輪と対になっている貴重な品だという。十三皇子は許嫁の証として腕輪を茗薇にはめたが、茗薇は見覚えのある腕輪に困惑してた。(* ゚ェ゚).oO(ぇ…小春の腕輪とそっくりだけど、まさかおじーちゃ(ゲフンゲフン)太子爺…十四皇子が長春宮で母と談笑していると、四皇子が血相を変えてやって来た。四皇子は茗薇の縁談が母の企みだと気づき、茗薇のことを諦めるつもりはないという。「明日、私から皇阿瑪に撤回を申し入れます」しかし徳妃は冷静になれと諭した。「私の出した結婚話になぜ皇阿瑪はすぐ同意したと思う?これは皇阿瑪のご意向でもあるからよ」皇帝も四皇子と十四皇子の事情を知っており、茗薇を嫁がせることで穏便に解決したのだという。四皇子はひとまず引き下がったが、十四皇子が呆気ない幕切れに不満を漏らした。「実に退屈だ~これから面白いところだったのに…」十四皇子は父と母のせいで楽しみがなくなったと減らず口を叩き、一足先に帰って行った。十三皇子は四兄を訪ね、抜け駆けではないと釈明した。すると四皇子は父と母の企みなので十三弟は関係ないと安心させる。十三皇子も実は茗薇が縁談を承諾したのは、兄たちの嫌がらせから自分を守ってくれただけだと分かっていた。「小薇は心を決められずにいます、ですが四哥を選んだわけでもない…」「小薇の心に迷いがあろうとも、私がそばにいれば自分の想いに気づくはずだ」四皇子は茗薇がずっと自分を気にかけていたと訴え、自分が茗薇の心を手に入れると自信を見せた。翌朝、茗蕙(メイケイ)は納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)のお供で御花園を散策していた。入宮が叶った蓉月だったが、高齢の皇帝に嫁いでみれば虚しい日々が続く。その時、茗薇が通りかかった。茗薇は咄嗟にきびすを返したが、茗蕙に呼び止められてしまう。すると蓉月は鬱憤ばらしに茗薇に激しく毒突いた。「阿哥たちを次々に誘惑して、もっと上り詰めるかと思ったら、結局、凶を招くものに嫁ぐとはね~」「ご用がなければ失礼します」「お待ち!誰が帰れと?」そこで茗蕙は優しい姉を演じながら蓉月をあおった。「妹妹~何をしたの?四爺と親しくしていたのに、なぜ急に十三爺と?」「誰が実の息子に浮気女を娶らせるもんですか? 四阿哥だけでなく十四阿哥まで嫉妬させていると聞いたわ?徳妃娘娘も早く追い出したいのよ」「…気が済みましたか?では失礼します」茗薇は相手にせず帰ろうとしたが、蓉月が茗薇の腕をつかんで引っ張った。苛立った茗薇は思わず蓉月の手を払って無視すると、蓉月はうっかり足を捻って転んでしまう。茗薇は納蘭貴妃と徳妃の前に突き出された。顎にかすり傷を負った蓉月は茗薇に突き飛ばされたと嘘をつき、罰として茗薇も顔に傷をつけるよう強要する。しかし徳妃は茗薇が皇帝から縁談を下賜されたばかりで、この騒ぎが皇帝の耳に入れば蓉月の印象も悪くなると警告した。貴妃も徳妃の側仕えなら徳妃が決めるべきだという。そこで徳妃は仕方なく今後の戒めとして杖刑(ジョウケイ)20回と命じた。茗薇は早速、中庭で罰を受けることになった。優しい姉らしく手加減して欲しいと心にもないことを言う茗蕙、するとかえって蓉月が手心など加えるなと釘を刺す。そこへ知らせを聞いた四皇子が駆けつけた。四皇子は茗薇を見逃して欲しいと懇願したが、徳妃は四皇子に口を挟む権利はないと叱る。確かに茗薇は十三弟の許嫁、四皇子は茗薇の顔を見ると、茗薇はゆっくり首を横に降って関わらぬよう合図した。こうして再び蓉月は罰を続けろと命じ、茗薇は激しく打たれてしまう。その時、十三皇子が現れた。十三皇子は茗薇を打っていた宦官を蹴り飛ばすと、貴妃が憤慨する。「宮中の掟を守らぬ気ですか?!」「自分で転んだくせに八つ当たりしているだけでしょう? 掟など怖くない、皇阿瑪に言って私を罰すればいい 徳妃娘娘、小薇は連れて帰ります、のちほど謝罪に参ります」↓笑うとところではありません( ̄▽ ̄;)茗薇は幸い重症ではなかった。十三皇子は許嫁なら遠慮なく、何かの時は自分に知らせればいいという。しかし茗薇はどうしても想い人の面影を忘れられず、正直に実は想い人を探していると伝えた。「つまり嫁ぐならその想い人に?」茗薇が申し訳なさそうに小さくうなずくと、十三皇子はそれでも構わないという。「無理強いするつもりはないよ」縁談や後宮での嫌がらせ、茗薇は宮中疲れで急に両親が恋しくなった。…こんな遠くに離れて、私って親不孝だな、しかもここで嫁ぐなんて…十三爺は好きだけど、探している人じゃない、どうすればいいの?気がつくと卓の上は折り鶴でいっぱいになっていた。そこへちょうど蓉月と茗蕙が入ってくる。「十三阿哥が来なければ、お前なんか打ち殺してやったのに!」「私が何をしたって言うの?!」「妹妹、やめて、また娘娘を怒らせる気?」「そっちがしつこいからよ!」←(^ꇴ^)あははは~よくぞ言った!茗薇の毅然な態度に蓉月はたじたじになった。そこで卓に並んだ折り鶴に目をつけ、禁忌である葬式の供物を作っていたと追及する。しかし茗薇は供物ではないと言い返した。「家族の無事を祈って何を作ろう自由でしょう?!」すると憤慨した蓉月が折り鶴を床に払い落としてしまう。「何するの?!」茗薇は我慢ならず蓉月を突き飛ばし、有無を言わせず部屋から追い出した。((o(`ω´ )o))<出て行けっ!痛い目見るわよっ! ←茗薇いい感じ(笑茗薇は人目につかない築山で折り鶴を燃やした。「パパ、ママ…どうか元気でいてね」その時、偶然、御花園を散策していた四皇子が茗薇を見つける。「小薇、どうした?今日は宿下りの日だろう?親元へ帰らず、なぜ1人でこんな所に?」「…家族は遠くにいて、鶴を折って無事を祈るしかないんです みんなは親元に帰ったけど、私は独りぼっち…鶴を折る気力さえもうありません」茗薇はこらえきれずに泣き出した。「こんな所、もう耐えられない!うわ~ん!」四皇子は意味が良く分からなかったが、茗薇の肩を抱いてしばし慰めてやった。「辛いことも多かろうが身体は大事にしなさい、そなたが元気ならご両親も安心する それが一番の親孝行だ」茗薇は四皇子が貸してくれた手巾で涙を拭いた。「落ち込んでいましたが楽になりました、もう大丈夫です」「おいで、見せたいものがある」四皇子は茗薇を連れて城楼に登った。ここからは紫禁城が一望できる。「この美しい眺めをそなたと分かち合いたかった、この景色のように美しい人をついに見つけた…」四皇子は茗薇に告白したが、茗薇は居たたまれなくなって逃げるように帰ってしまう。居所に戻った茗薇は自分が探している想い人のことを何とか思い出そうとした。「私が探していたのは四爺?…違う、もっと明るい人よ、じゃあ別の人? でも焼きみかんをくれたわ、やっぱり四爺?でもあんなに堅そうな人だった? いまいちピンとこない、どこか違うのよね~」断片的な記憶が蘇るものの、どうしても顔だけが思い出せない茗薇、しかしどうやら四皇子とは違うような気がしていた。←四爺がディスられている感…( ̄▽ ̄;)四皇子は茗薇に振られたと十三皇子に伝えた。茗薇の心にいるのが自分だと思っていたが、どうやら他の者がいるらしい。そこで十三皇子は茗薇を訪ね、想い人が誰なのか聞いてみた。しかし茗薇は実は自分でも良く分からないという。十三皇子はどんな出来事があったか思い出すよう勧め、2人でその想い人を探し出そうと言った。十三皇子は四兄に茗薇の想い人について報告した。茗薇の話では想い人は霧の中から現れ、茗薇のために杏の花を降らせてくれたという。「私は簡単に引き下がりませんよ?想い人が見つかっても小薇を奪い返します」「だが、心をつかめなければ意味がなかろう?」「…心をつかめない時はあきらめます」すると控えていた順児(ジュンジ)が妙策を思いついた。「爺、簡単なことです、小薇姑娘の話を再現すれば良いのでは?」( ̄▽ ̄;)<何を言い出すかと思えば…大清の十三爺がそんな馬鹿な真似できるか〜ねえ?四哥〜四兄の手前、鼻であしらう十三皇子だったが…。茗薇が御花園を通り掛かると、急に杏の花びらが舞った。まるで故宮で見た時と同じような杏の花吹雪に茗薇は思わず笑顔になったが、ふと袖口に綿ぼこりを発見する。「(はっ!)何なの?!誰のいたずらよ!」物陰に隠れていた十三皇子は慌てて順児たちに止めろと合図を送ったが、茗薇は怒って行ってしまう。「失敗した…これがダメなら次の手だ…」つづく( ˙꒳˙ )もう縁談なんて…話数が短いせいか展開早いっ!
2021.03.10
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第14話「縁日の偶然」謀反に乗じて四皇子たち皇太子一派を一掃しようとした八皇子。しかし十四皇子が茗薇(メイビ)を助けたせいで勝機を逃してしまう。八皇子は十四弟を追及しなかったが、御花園でひとり悶々としていた。そこへ茗蕙(メイケイ)が現れる。茗蕙は八皇子の悩みの種が妹の存在だと察したが、むしろ茗薇は四皇子と十三皇子にとって災いになると助言した。「妹妹(メイメイ)を取り合い、あの2人は対立するでしょう 八爺(バーイェ)は何もせず、成り行きをご覧ください」「だが解せぬ、茗薇姑娘(グーニャン)は君の妹妹だろう?なのに私に協力するとは…」「…ふっ、八爺?四(スー)爺と十三(シーサン)爺も貴方様の兄弟では?」茗蕙の鋭い指摘に八皇子は思わず苦笑いした。索額図(ソンゴトゥ)は謀反の罪をひとりでかぶり、獄中にいた。康熙(コウキ)帝は皇太子をそそのかしたと激怒、死罪は免れまい。そこで四皇子は最後の情けで密かに索額図と皇太子を会わせてやりたいと十三弟に相談した。十三皇子は常に冷静で情にほだされない四兄の意外な考えに驚いたが、実は茗薇の影響だという。「彼女が私の失った感情を思い出させてくれたのだ…」「賢いとは言えないが、そんな四哥が好きです」すると四皇子は思わず茗薇を譲ってくれた十三皇子に感謝した。十三皇子は譲ったのではなく手を引いただけだと否定したが、四皇子は笑って茗薇が十三皇子の元に戻らないよう頑張るという。「小薇自身に選ばせましょう」「そうだな」一方、東宮で禁足となった皇太子は父に奏状を書き続けていた。しかし李(リ)太監が現れ、これまでに届けた奏状を全て返されてしまう。「皇上からの伝言です、″無益なことはするな、何度、願っても無駄だ、2度と会わぬ″ ″己の行動を反省し、心を改めよ″とのことです」皇帝の非情な仕打ちに打ちひしがれる皇太子、すると李太監と入れ違いで秦全児(シンゼンジ)が訪ねてきた。実は四皇子が最後にひと目、索額図と会えるよう手はずを整えてくれたという。獄中の索額図はすでに風前の灯だった。皇太子は叔父に水を飲ませようとしたが、獄吏がわざと器を落として割ってしまう。「無礼者っ!」「太子、お鎮まりください、皇上の命令なのです、″何人たりとも水や食物を与えるな″と…」仕方なく皇太子はわずかに水が残っている破片を拾い、柵越しに叔父へ水を与えた。すると索額図は今後の大業のためにも自分に関わってはならないと訴える。「まだ私を案じてくださるのか…ゥッ…私は舅舅(ジゥジゥ/母方の叔父)に何もしてあげられぬのに…」「早く…お帰りください…2度と来てはなりませぬ!」索額図は最後の力を振り絞り、皇太子を追い返した。後ろ髪を引かれる思いで牢獄を後にする皇太子、しかしその時、索額図は激しく血を吐いて絶命してしまう。その夜、皇太子は自暴自棄になって泥酔し、いつのまにか景仁(ケイジン)宮で倒れていた。貴人に昇格した鄭小春(テイショウシュン)は騒ぎにならぬよう皇太子を寝所に運び、宮女に口止めする。「少し休ませて酔いが覚めたらお帰りいただくわ」そこで宮女は酔い覚ましの準備に向かった。皇太子が目を覚ますと小春が付き添っていた。景仁宮に迷惑をかけたと気づいた皇太子は自分の情けなさを痛感し、すぐ帰ることにする。「君は皇阿瑪(ファンアーマー/皇父)の妃嬪、私は朝廷の罪人なのだ…2度とここへ来て迷惑はかけない 私とはきっぱり縁を切った方がいい」小春は閲兵(エッペイ)の日の気概に満ちた姿を思い出させ、たった1回の失敗で立ち直れないのかと叱咤した。しかし皇太子は皇帝との謁見も叶わず、叔父に一杯の水さえあげられなかったと泣き崩れてしまう。「この無能な太子にどう立ち直れと言うのか…飲み潰れて死んでしまった方がいい!」小春は捨て鉢になった皇太子に怒って寝所を出ると、皇太子はついに小春にまで見限られたと嘆いた。「もはや1人で生き、1人で死ぬしかないのだな…」その時、小春が後ろから皇太子に抱きついて来る。「宮中の全員があなたから離れても、太子を廃されても、私の気持ちは変わりません」「私にはそなただけだ…」2人は固く抱き合い、互いの想いを再確認した。( ತ _ತ)おじーちゃん、面倒臭っ長春(チョウシュン)宮に十四皇子が母への贈り物を持ってやって来た。すると十四皇子は控えている茗薇を呼び、織物を差し出して母に見せろという。茗薇は早速、十四皇子から織物を受け取ったが、その時、十四皇子がわざと茗薇の手を握って放さなかった。放してっ!やめてったら…(* ÒㅅÓ)o◆o( ̄꒳ ̄ )ふふふそこへ四皇子が挨拶にやって来た。十四皇子は咄嗟に手を放すと、茗薇は反動で後ろへ下がり、うっかり四皇子とぶつかってしまう。怪訝そうな表情の母に気づいた四皇子は十四弟がふざけただけだと茗薇の失態をかばった。しかし十四皇子が突然、茗薇をからかったのは好きだからだと告白する。徳(トク)妃は兄弟が茗薇をめぐって対立する様子に眉をひそめ、ひとまず茗薇に厨房へ行くよう命じた。その夜、茗薇を探していた四皇子は、御花園で物思いにふけっている茗薇を見つけた。「あんな騒ぎになって額娘(エ″ニャン/生母)に叱られただろう?」「いいえ、今後は十四爺を避けます」しかし奴婢が主である皇子を避けられるはずもない。そこで四皇子は皇帝に茗薇を娶る許しをもらうと切り出した。( ゚ロ゚)<駄目ですっ!ぁ…茗薇は誤解がないよう、実はまだ自分の気持ちが分からないと正直に伝えた。「そう言うことか、だがあまり長く待たせないでくれ…」(* ॑꒳ ॑*人<はいっ!(←お前ではないw翌日、徳妃は考えた末、茗薇に今後は十三皇子に良く仕えるよう命じた。恐らく自分の息子である四皇子と十四皇子を対立させたくないのだろう。茗薇は景仁宮に小春を訪ね、確かに自分のせいで兄弟が衝突すれば死罪でも済まされないと嘆いた。「じゃあ、十三阿哥(アーグァ/皇子)と親しくすれば丸く収まるわね~」「あの人は私を手放したのよ?それに探している人かどうかも分からないし…あ~もうやめやめ!」「はいはい、分かったわ、でもなぜ姐姐(ジェジェ)には相談しないの?」「茗蕙のこと?ああ__だって親しくないから」「変ね?とても仲がいいと茗蕙から聞いたわ」小春は謀反の前に茗蕙に茗薇への密書を託したと教え、受け取っていないのかと困惑する。何も知らなかった茗薇は内心、驚いたが、ひとまず話を合わせておいた。「ううん、忘れていただけ…」その頃、茗蕙は四皇子と十三皇子を離間させようと画策していた。そこで宮道で十三皇子に声をかけ、今度の寺の縁日に連れて行って欲しいと頼む。十三皇子は興味がないと断ったが、茗蕙は妹も四皇子と出かけると挑発した。「四爺は優しい方だと妹が…妹が喜ぶ場所ならどこへでも連れて行くでしょうねえ~ これで興味が湧きましたか?クスッ」結局、十三皇子は茗蕙と縁日に出かけた。すると茗薇がちょうど四皇子と一緒に露店でかんざしを見ている。(✪ω✪)<とてもきれいだわ~( ̄꒳ ̄)<気に入ったか?四皇子は早速、かんざしを買おうとしたが、そこへ十三皇子と茗蕙が現れた。思わぬ組み合わせに目を丸くする茗薇、その時、茗蕙が茗薇の欲しがっていたかんざしを手に取ってしまう。(ΦωΦ)<きれいだわ~( ˘ω˘ )<きれいなかんざしだな~茗蕙姑娘に似合いそうだ、買おう!( ̄꒳ ̄)<十三弟(ディ)、それは…( ತ _ತ)<いいんです、喉が渇きました、お茶でも飲みに行きましょう面白くない茗薇は十三皇子と姉に別れを告げ、さっさと行ってしまう。茗薇と四皇子は気を取り直し、縁日を楽しんだ。すると茗薇はどこか見覚えのある灯籠を見つけて足を止める。四皇子は店主にその灯籠が欲しいと頼んだが、店主は射的の景品なので売れないと断った。そこで2人に十七番の牌を一枚ずつ渡し、時間まで待つよう頼む。仕方なく茗薇と四皇子は露店でお茶を飲みながら待つことにした。しかし突然、宮中から使いが現れ、皇帝が四皇子を探しているという。四皇子は仕方なく先に帰って行った。茗薇は灯籠をあきらめ、しばらく1人で散策して帰ることにする。やがて日が落ちると、縁日はいっそう賑やかになった。茗蕙は岳名軒(ガクメイケン)の2階なら花火が良く見えるらしいと教え、入れるか見て来るという。すると十三皇子は奇しくも茗薇と四皇子が座っていた席の近くで牌を拾った。どうやら露店の前にある射的で遊ぶ人が持っていると分かったが…。四皇子が急いで宮中へ戻ると、皇帝や弟たちが集まっていた。何事かと思えば盧州(ロシュウ)の知府が拝礼し、水害の際に四皇子のおかげで大勢が助かったと感謝する。「民の願いを受けてご挨拶に参ったしだいです…」四皇子の功績を喜ぶ皇帝、しかし八皇子一派は四皇子の手柄に内心、苛立っていた。その時、皇帝は十三皇子がいないことに気づく。「なぜおらぬ?探して来い」十三皇子は射的の店主に落ちていた牌を返した。その時、ちょうど茗薇が現れ、必要なくなった牌を返す。店主は2人の牌が同じ十七番だったことから、どうせなら射的に参加するよう勧めた。他の恋人たちにも煽られた茗薇は思わずやると明言、十三皇子も同意する。遊びの決まりは簡単、3本の矢のうち1本でも真ん中を射ることができれば灯籠がもらえるという。射術が得意な十三皇子は余裕だと言ったが、弓がおもちゃのように軽く、矢が上手く飛ばなかった。(*´゚艸゚)∴ブッ<8歳から弓を引いている~だっけ?( ー̀ωー́ )<弓が軽すぎるんだ!だったら君がやれよ!しかし弓など持ったことがない茗薇は当然、失敗してしまう。(,,Ծ‸Ծ,,)<教え方が悪いのよ!左だの右だの言って…( ತ _ತ)<言うことを聞かないからだ!(,,Ծ‸Ծ,,)<ハイハイ、茗蕙姑娘なら聞くでしょうね( ತ _ತ)<ちっ、そっちだって四哥が好きだろう?(,,Ծ‸Ծ,,)<そっちが身を引いたくせに(ボソ( ತ _ತ)<…本心じゃない(´⊙ω⊙`)?2人が言い争っていると、店主が最後の一本になったと急かした。十三皇子は気持ちを合わせて頑張ろうと声をかけ、茗薇と一緒に弓を構える。その時、茗薇はふと現代で同じように弓の指導を受けた記憶が蘇った。あの時の胸の高鳴り、もしや弓を一緒に構えた相手は…。「集中しろ」十三皇子の声にハッとした茗薇が的を見つめると、3、2、1で2人は矢を放った。「やったーっ!」的のど真ん中に矢が命中、十三皇子と茗薇は思わず抱き合って喜んでしまう。その様子を茗蕙が岳名軒から目撃していた。茗薇は念願が叶って灯籠を手に入れた。するとちょうど夜空に花火が上がる。思いがけず一緒に花火を見ることになった十三皇子と茗薇、そこへ皇帝の使いが現れた。「皇上が画房(ガボウ)でお待ちです、茗薇姑娘も一緒にお連れになり拝謁を…」꒰⌯͒•·̫•⌯͒꒱.oO(え?私も?つづく(  ̄꒳ ̄)おじーちゃんネタはそろそろよくない?
2021.03.08
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第13話「恋敵の宣言」皇太子・胤礽(インジョウ)は皇帝が留守の間に簒奪(サンダツ)を企てた。そこで兵権を持つ四弟に協力を迫ったが、四皇子はたとえ自分が助けても不可能だという。「皇阿瑪はどこにおられようと天下を掌握しておられる、私の忠告に従ってください」四皇子は今ならまだ間に合うと説得したが、皇太子は索額図(ソンゴトゥ)がすでに動いていると教えた。「弓は引かれた…後戻りはできぬ」皇太子のまま30年、父の慈悲を待ちわびたがもう限界だった。「協力するか?せぬのか?」「大哥…いずれ今日の決断を悔やむことになりますよ?」四皇子は出て行こうとしたが、侍衛に止められてしまう。「ここで休んでおれ、大局が定まったら元通り私のそばに…」四皇子が東宮に軟禁された。貼身太監の全児(ゼンジ)は茗薇(メイビ)に報告し、側仕えでも会えないと訴える。しかし徳(トク)妃は寺院で参拝中、頼りになる十三皇子も南巡に帯同していた。困惑する茗薇、その時、宮中を旋回している十三皇子の鷹を見つける。そこで茗薇は指笛で鷹を呼び、鳥文を送った。九皇子は急ぎ八皇子に密偵からの情報を伝えた。宮中に皇太子の兵が配され、重臣たちは軟禁されたという。( ̄꒳ ̄)<ついに来たか@14( ・ㅂ・)و ̑̑<待ってました!太子を捕まえて皇阿瑪に罰してもらおう!@10しかし八皇子の計画は容赦なかった。「太子の企てが失敗に終わる場合もある、そうなれば皇阿瑪も許してしまうだろう …四哥ら太子派を一掃して後顧の憂いを断つ」八皇子はこの機に乗じて皇太子を始末しようと決めた。その夜、十三皇子からの返事を待つ茗薇のもとに鷹が戻ってきた。返信には四皇子を皇宮から連れ出し、皇太子と引き離せば守れると書いてある。…くれぐれも気をつけよ、私も急いで戻る…茗薇は十三皇子が帰ってくるまで自分が四皇子を守らねばならないと使命感に駆られた。翌朝、十四皇子は無謀な茗薇を心配して待ち伏せしていた。すると案の定、茗薇が思い詰めた様子でやって来る。茗薇は四皇子を助けるため十四皇子にも協力を求めたが、十四皇子はあっさり断った。「これは戦だ、兄弟の情などとうにない、他人が口を出すな」「人間らしさすら捨てるの?!」「人間らしさだと?我ら兄弟は生まれながらの敵だ、皇位を争って策を弄し、しくじれば命すら失う 命を惜しむのは人間の本質だろう?」「私には策も責任も関係ない、誰かの危機を見過ごせないだけ!」茗薇は十四皇子が止めるのも聞かず、東宮へ行ってしまう。茗薇は太監たちと協力し、四皇子の救出作戦を決行した。まず秦柱(シンチュウ)が毓慶(イクケイ)門の見張り番に茶を差し入れる。門衛たちは公務の邪魔だと見向きもしなかったが、全児がボヤを出して門衛たちを引きつけた。残った門衛は2人、そこで秦柱が隠し持っていた目潰しをお見舞いし、隠れていた茗薇と順児(ジュンジ)が飛び出すと、侍衛たちを棒で殴って気を失わせる。こうして茗薇たちは侍衛から鍵を奪い、見事に監禁された四皇子を救出した。四皇子は自分を助けに来たのが茗薇だったことに驚いた。すると茗薇は十三皇子からすぐ皇宮を離れるよう指示があったと教える。その頃、胤礽は皇帝だけが許される龍袍(ロンパオ)をまとい、ついに玉座に腰を下ろした。万感胸に迫る胤礽、しかしそこへ八皇子が兵を率いて現れる。「玉座に座り、龍袍をまとったら皇帝になれるとお思いか?!」こうして皇太子の兵士と八皇子の兵士が乾清宮で衝突した。四皇子は茗薇の手を握りしめ、兵士たちの目をかい潜りながら城門を目指したその頃、四皇子を捜索する九皇子と十皇子は広場で索額図と出くわし激突、やがて索額図たちは包囲され、降参した。四皇子たちは何とか宮門まで到着した。そこで四皇子が門衛たちを引きつけ、その間に茗薇たちが門を開けることにする。茗薇は門の間に挟まって閉門を阻止したが、ちょうど城楼に九皇子と十四皇子が射撃隊を連れて駆けつけた。九皇子は四皇子のために命をかける茗薇を身のほど知らずだと冷笑したが、その時、茗薇が兵士に蹴り飛ばされてしまう。剣を振り上げ茗薇に迫る兵士、すると咄嗟に十四皇子が城楼から矢を放って兵士を阻止した。「十四弟!何をする?!」「か弱き女子を虐げるなど、皇子のすることか?!」しかしそうしているうちに四皇子と茗薇に逃げられてしまう。「追えっ!」宮門を突破した四皇子と茗薇だったが、先回りした兵士たちに包囲された。すると十皇子が現れ、皇太子の簒奪を助けた四皇子を捕らえろと命じる。四皇子は茗薇を守りながら1人で応戦していたが、やがて茗薇が四皇子をかばって打たれ、倒れてしまう。もはや絶体絶命の四皇子と茗薇、その時、十三皇子が禁衛軍を率いて現れる。「小薇!」十三皇子は馬から飛び出し、真っ先に茗薇の元へ駆けつけた。「十三爺…約束は守ったわ…」「すまない、遅くなった…」乾清宮では八皇子が皇太子を捕らえ、まさに処刑しようとしていた。しかし十三皇子が現れ、皇帝の勅命を伝える。「私は皇阿瑪に命じられて戻りました、沙汰は帰京を待てとのこと、太子の処分もです」八皇子も父の命令では太刀打ちできず、十三弟に任せて大人しく退散した。皇太子の謀反は失敗に終わった。十三皇子は回宮した皇帝に刑部が叛徒(ハント)を禁獄刑や流刑に処したと報告し、皇太子が外でひざまずいていると伝える。しかし皇帝はもはや皇太子は息子ではないと憤慨し、会わないと言った。生母を早くに亡くし、皇帝自ら育てた胤礽、皇帝は期待を込めて皇太子に立て、成長を信じて何度も機会を与えてきたという。「だがこたびの反逆は許し難い!恩を仇で返しおって!」十三皇子は皇帝が衝動的に処分を下さぬよう、せめて時間を置いて落ち着いてから決めて欲しいと嘆願した。その夜、十三皇子は茗薇に付き添っていた。うなされながら四皇子を心配する茗薇、そこへ四皇子が見舞いにやって来る。十三皇子は茗薇の気持ちを察して四兄に介抱を任せたが、四皇子は話があると言った。四皇子は十三皇子を連れて人気のない回廊に出た。「隠し事はしたくない…私は小薇が好きだ」十三皇子は四兄の気持ちに気づいていたが、あえて口に出すとは四兄らしくないと驚いた。実は四皇子は今日の茗薇の行動に心を打たれ、もはや自分の想いを隠していられなくなったという。十三皇子は茗薇なら他の誰であっても救ったはずだと訴えたが、四皇子は茗薇の想い人は自分だと断言した。「皆は私を冷血だと思っている、心の中には権謀と術数しかない男だとな 私も簡単に心は動かぬと考えていたが、まさかあんな女子に出会うとは… 小薇の前では自分らしくいられる、冷静さを装う必要もない、心から自由でいられるのだ」「たとえそうでも、私とシァォウェイが積み重ねた日々は? 誤解に始まり、笑ったり怒ったりしながら想いを育んできた、他の者とでは得られぬ幸せでした」「争いが続けば兄弟の情だけでなく、小薇も傷つく」「…では選ばせましょう!」「私は本心を内に秘めて生きて来た、お前のような大らかさがない 時々、本当にお前が羨ましくなるよ…」「すーぐぁ…」「今までお前に何かを頼んだことはなかった、これが最初で最後の願いだ…叶えてくれ」十三皇子は動揺を隠せず、黙って帰って行った。翌朝、茗薇は十三皇子から御花園に呼び出された。( * ॑꒳ ॑* ).oO(化粧までするなんて、やり過ぎちゃったかな?ふふふ~十三皇子からの答えが何なのか心を躍らせる茗薇、すると十三皇子が現れたが、なぜかそこへ四皇子もやって来た。「南巡のあとに答えをやると約束した…これが答えだ」十三皇子は宮門で茗薇を救ったのも、一晩中つき添っていたのも四兄だと教え、恩返ししろという。「2人で気晴らしを…」すると十三皇子は公務に戻ると言って帰って行った。…君の手を放したのは握り返してもらいたいからだ…シァォウェイ、私を選んでくれ十三皇子は茗薇に決断を委ねた。茗薇は意地を張って四皇子と出かけることにしたが、期待外れの結果に気落ちしていた。すると四皇子が道すがら、自分も十三皇子に騙されて呼び出されたと教える。恐らく茗薇も十三弟への当てつけで了承しただけだろう。すると茗薇は気晴らししたいのは本当だと言った。「では良いところへ連れて行こう」四皇子は裏山の川沿いにある石積みを見せた。「悩みや苦しみを石に託して置くのが習わしだ、この石積みはそうしてできた…さあ」四皇子は茗薇に石を渡した。「これは全部、四爺がお一人で?」「まさか、だが誰かを連れて来たのは初めてだ…」「こんなにたくさんの悩みが?」「紫禁城での暮らしは思うようにいかぬことや、苦しいことばかりだ」「十三爺に話しては?」「人生は分かち合えることばかりではない、だが…苦しめると分かっていながら話したこともある」「どんなことですか?」四皇子は黙って茗薇を見つめると、茗薇はその意味を悟った。「あ・・・」「私は冷たく人の情を解さぬと言われる、女心も分からぬ、だがそなたのために変わりたい」茗薇はこそばゆくなり、石を積んでみた。(* ˙꒳˙ )<元気が出た気がします( ̄꒳ ̄)ニコッ<…私とて笑う、ただ笑い方を忘れただけだ一方、目論見が外れた八皇子たちは茗薇を助けた十四皇子を問いただしていた。すると鋭い九皇子が十四皇子も茗薇が好きだと気づく。「やはり美女は災いの元だな…」これには常に冷静沈着な十四皇子も表情が変わった。女のために計画を台無しにしたと知るや十皇子は激昂、しかし八皇子が済んだことだとなだめる。「この件はここまでだ、もう深追いするな、十四弟を信じよう 十四弟は自分勝手だが頭が切れる、さらに我らよりも四哥のことを憎んでいる 考えがあるのだ、十四弟の次の手を楽しみに待とう…」八皇子は十四弟に圧力をかけ、挽回の機会を与えた。「十四弟、それでいいな?」「…なすべきことは分かっています」十三皇子が修練場で矢を射っていると、十四皇子が現れた。「十三哥は義に厚い、はるばる戻って四哥を救い、愛する女子をみすみす譲るとは…」憤慨した十三皇子は十四皇子の胸ぐらをつかみ、嫉妬かと迫る。「私と小薇のことだけじゃない、四哥とのことも何も知らないくせに… 私のものは誰にも渡さん!」十三皇子は先に修練場を後にしたが、十四皇子は聞こえよがしに言った。「誰が奪うか楽しみだな」その言葉に十三皇子はふと不安に駆られる。…しくじったか…いや、シァォウェイが私を裏切るはずはないつづく( ˘ω˘ )<やはり美女は災いの元だな…やはり美女は災いの元だな(大事なことなので2回ry)これには常に冷静沈着な十四皇子も表情が変わった( ゚ロ゚)<美女って?!衣装が上品で素敵です(^ꇴ^)袖の鮮やかな刺繍も見事ですが、身頃にもしっかり同色の糸で刺繍があるんですよね〜衣装が素晴らしいだけに…ゲフンゲフン
2021.03.05
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第12話「陛下の南巡と謀反」茗薇(メイビ)の姉・茗蕙(メイケイ)は納蘭(ノウラン)貴妃に取り立てられ、入宮が叶った。九皇子と十皇子は早速、雅拉爾塔(ヤラルタ)家の娘に言い寄るが、茗蕙に軽くあしらわれてしまう。康熙(コウキ)帝は内憂外患に頭を悩ませていた。ジュンガルの反乱で辺境もまだ平定できないうちに、直隷(チョクレイ)省でも反乱が起こったという。両方を同時に平定することもできず、皇帝は皇子たちにどちらを先に平定すべきか尋ねた。すると四皇子が″内乱平定せずして外敵に挑めず″と史実に倣い、まず直隷省を平定すべきだと進言する。しかし十三皇子は外敵が先だと主張した。「皇阿瑪、国境の守備を強化し、兵器庫を設け、漠北(バクホク)と密に連絡を取るべきかと…」「駄目です、皇阿瑪、ジュンガルは以前の失敗で懲り、動かぬはずです 都に近い直隷省の平定が先決かと…」2人の意見が対立、そこで皇帝は皇太子に意見を聞いてみる。困惑した皇太子はどちらの言い分ももっともだと答え、自分も決めかねていると口ごもった。皇帝は優柔不断な皇太子に呆れ、結局、天下の民を思う四皇子の意見を採用すると決める。そして十三皇子に四皇子の補佐を任せたが、皇太子には関わらないよう命じた。皇太子は父の冷たい対応に動揺を隠せなかった。もはや名ばかりの皇太子となり、廃位されるのも時間の問題だろう。皇太子は焦るあまり四弟に協力を頼み、謀反を匂わせた。驚いた四皇子は聞かなかったことにすると話を切り上げ、父の補佐に専心するよう釘を刺して帰ってしまう。皇太子はいよいよ四弟にまで見放されたと失望し、途方に暮れた。そんな中、南方が深刻な水害に見舞われた。皇帝は南巡を決定、視察には十三皇子を連れて行くと決める。何とか父に認められたい皇太子は一緒に行きたいと嘆願したが、皇帝は皇太子に監国を任せ、四皇子に補佐を命じた。四皇子は十三皇子と城楼に出た。皇太子が動揺しているが、皇帝が自分たちに役目を命じたのは、皇太子の暴走を牽制するためだろう。「皆、私たちを太子派だと思っているが、こたびのことで状況も変わって来る …風向きは1日で変わる、我々の優勢もいつまで続くことやら、四哥、宮中での動きに用心を…」「利害を見極め、常に大局を重んじるよ、お前こそ南巡の道のりは遠い、身体を大事にな」「もう子供じゃないよ~」「そうだな、だが思い出すのだ、私の手を握って離さなかった幼いお前のことをな…」「ハイハイハイ…(汗」十三皇子は照れ臭そうに頭を触ると、留守中は茗薇(メイビ)のことを頼むと言った。「もちろんだ」「(はっ!)私の女子ですよ!」皇太子は景仁(ケイジン)宮を訪ねた。しかし小春(ショウシュン)から会えないと拒絶されてしまう。困惑する皇太子だったが、理由はすぐに分かった。実は小春がついに今夜の夜伽に選ばれたという。皇太子は東宮に戻ると、酒をあおった。そして小春の絵を描きながらひとしきり涙に暮れ、そのまま酔い潰れてしまう。しかし目が覚めてもどうしてもあきらめきれず、皇太子は再び景仁宮を訪ねた。皇太子は人払すると、小春へ思いの丈をぶちまけた。「小春、私は太子でいることに疲れた…皇阿瑪には見放され、兄弟たちにも馬鹿にされている 私に向き合ってくれるのはそなただけだ 毎夜、目を閉じるだけで、そなたの笑顔ばかりが脳裏に浮かぶ、心もそなたであふれ…」「もう言わないで…」小春は自分のことを忘れて欲しいと言ったが、皇太子は忘れることなどできないという。「我愛你!そなたの心に私がいるか教えてくれ、いなければきっぱり諦める! この胤礽(インジョウ)、天に誓う、今日を限りに景仁宮へ近づかぬと!」胸が一杯になった小春は言葉がでなかったが、皇太子には十分、伝わっていた。(  ̄꒳ ̄)おじーちゃん、手が震えてる…w皇太子が東宮へ戻ると、大叔父・索額図(ソンゴトゥ)が待っていた。索額図は皇太子がまた景仁宮を訪ねたと知り、この非常時に女子のせいで身を誤ってはならないと苦言を呈す。しかし皇太子は自分がどう努力しても無駄だと開き直り、父の歓心を買うのもやめると言った。「この国も女子も手に入れる…」十三皇子は南巡へ出立する前に凝香閣(ギョウキョウカク)を訪ねた。気まずい茗薇は無視して仕事を続けていたが、十三皇子は話があるという。「四哥の君を見る目が前と違う、なぜだ?」「誤解よ」「誤解ならいいが忘れるな、君は私のものだ、皆が知っている …君と四哥が親しげな様子を見ると妬けるよ」「私もまだ自分の心が分からないの…」「待つよ…長くは待たすな、南巡から戻ったら君に話すことがある…答えをやる」すると十三皇子は茗薇の頭をポンポンと叩いて待っていてくれと言った。皇帝一行が南巡に出発した。東宮へ駆けつけた索額図は紫禁城を掌握したと報告、しかし大業をなし得るかは四皇子にかかっているという。その夜、皇太子は景仁宮を訪ねた。小春は決して門を開けなかったが、皇太子の別れの言葉を聞いて思わず飛び出してしまう。皇太子は小春に賭けに出ると教えた。賭けに勝てば人目を忍んで会う必要もなくなり、小春に身分を与えて堂々と一緒にいられるようにするという。しかし負ければ逆賊となり、これが最後の逢瀬になるだろう。小春は驚いて何をするつもりか聞いたが、皇太子ははっきり言わなかった。「小春、今日は一波乱ある、どこへも行くな、ここの護衛を増やす」皇太子は知らない方が小春のためだとなだめたが、小春は簒奪(サンダツ)だと気づいた。「太子、目を覚まして!馬鹿なことはなさらないで!ね?」「決めたことだ、もう言うな…」皇太子は小春が止めるのも聞かず、寝宮を出て行ってしまう。「ここでいい知らせを待っていてくれ」(Ŏ艸Ŏ)まっまさか!これが″じーちゃんの姿を見た最後でした~″ってオチじゃないよねw小春はこの危機を茗薇に伝えようと考えた。そこで太監・秦柱(シンチュウ)を賂(マイナイ)で懐柔し、長春宮までの案内を頼む。秦柱は見張りがいない庭園の小道を進んだが、運悪く茗蕙と出くわした。「急ぐので失礼するわ」「娘娘、よければお手伝いしますが?」「茗蕙姑娘、長春宮から来たの?小薇はいた?」「…妹妹を訪ねましたが留守でした」茗蕙は咄嗟に嘘をつき、小春がなぜ慌てているのか探ろうとした。「娘娘、妹妹とは何でも話す仲です、宮中で娘娘に良くしていただいたとか 茗蕙、娘娘にとても感謝しております、何かお役に立てればご恩返しになるかと…」すると話し声が聞こえたのか、見回りの侍衛たちがやって来た。侍衛は皇太子の命令で外出できないと警告し、すぐ寝宮に戻るよう頼む。仕方なく小春は一か八か茗蕙に紙片を託し、茗薇に届くことを願って帰って行った。茗蕙は小春から受け取った密書を盗み見した。…太子が謀反を起こすやも…思わぬ内容に驚愕する茗蕙だったが、これを手土産に八皇子に近づいた。しかし八皇子はなぜ妹ではなく自分に渡したのか分からない。密書が露見すれば老四や老十三にまで累が及ぶはず、茗薇は2人と親しいはずだ。すると茗蕙は″身内より賢人を助けよ(助賢不助親)″、渡すなら八皇子だと答えた。「女子は朝政の争いに疎い、長けているのは保身です そのために目を凝らして真の勝者を見極めなくては… 八爺、宜しければ望みを叶えるお手伝いをいたします」八皇子は弟たちを集めた。九皇子は茗蕙の密書が信じられるか半信半疑だったが、八皇子は賢い茗蕙を疑う必要ないという。「恐らく我々の側につきたいのではないか?」単純な十皇子はならば父に知らせて手柄を立てようと言ったが、八皇子から時期尚早だと止められた。まずは四兄がどう出るか知りたいという。皇太子を倒せるか否か、それは全て四兄にかかっていた。すると八皇子はずっと黙っている十四弟に意見を聞いてみる。「…南巡の間に謀反とは野心は大きい、だが衝動的だ、こんな軽率な計画に四哥は関わらぬ」しかし四兄も無傷ではいられまい。十四皇子はあえて皇太子を泳がせ、四兄が巻き込まれるのを待つのが最善だと言った。茗薇は宮中に鳴り響く鐘の音に気づいた。城楼に出てみると、皇帝が出発して早々に兵の入れ替えが行われている。「康熙帝の南巡…太子の監国…索額図…?はっ!政変だわ!」茗薇は史実で皇太子の謀反が失敗すると知っていた。四皇子は皇太子の補佐、当然、累が及ぶだろう。茗薇は自分が動いて歴史が変わることを心配したが、それでも四皇子に知らせようと決めた。茗薇が急いで四皇子を探していると、偶然、侍衛に囲まれて歩いて来る四皇子の姿を見つけた。すると茗薇に気づいた四皇子が首を横に振り、合図する。仕方なくそのまま四皇子を見送る茗薇、一方、侍衛たちは四皇子を皇太子の元へ案内した。皇太子は四皇子に簒奪の協力を迫った。今や宮中を掌握しているのは自分たち2人、四皇子が持っている兵権で皇位に就くという。「ふっ…やはりその決意を」四皇子は皇太子の企みに気づいていた。つづく(^ꇴ^)姐姐、速攻で密書を見ちゃうとか…
2021.03.04
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第11話「小春のお守り」怪我を負った十三皇子に付き添い、そのまま眠り込んでしまった茗薇(メイビ)。翌朝、目が覚めた茗薇は大慌てで天幕を飛び出すと、寝たふりをしていた十三皇子は密かにほくそ笑んだ。茗薇は急いで四皇子の天幕に戻ったが、ちょうど徳(トク)妃が四皇子に薬湯を飲ませていた。すると徳妃は一晩中どこにいたのかと茗薇を追及する。しかし咄嗟に四皇子がかばってくれた。「儿子が十三弟の世話をするよう命じたのです、傷が深く心配だったので…」徳妃は誤解していたと安堵し、茗薇に今夜は四皇子を見るよう命じた。こうして再び四皇子の介抱に戻った茗薇、しかしふと気がつくと熊から守ってくれた十三皇子のことばかり考えてしまう。…何を考えているの?私が探していたのは四爺よ?…彼に尽くせばいいの、他の人のことなんて考えちゃだめ康熙(コウキ)帝は回京を前に宴席を開いた。「今回の狩りで活躍したのは胤禛(インシン)@4、胤祥(インショウ)@13、胤禵(インテイ)@14だ 朕を守り、大熊も捕らえた」和やかに始まった宴席、しかしそんな中、皇太子だけは自分が捕らえた子熊が災いを招いたことで身の置き場がない。すると十三皇子が熊の生け捕りにもう1人の功労者がいると上奏した。皇帝は熊を誘き寄せたという茗薇を呼び、褒美は何が良いかと聞いた。そこで茗薇はあの母熊を放して子熊と一緒に森へ帰して欲しいと嘆願する。茗薇らしい要求に顔をほころばせる四皇子、十三皇子、十四皇子、しかし八皇子が異論を唱えた。「あの熊は皇阿瑪を脅かし、大怪我をさせるところでした、熊を森に帰せば禍根を残すとことに…」そこで皇帝は茗薇になぜ熊を放したいのか聞いてみる。「万物には皆、情があると思います 人間と同様に動物にも家族がいる、特に親子の情は最も絆が強いものです 母熊は子熊のため必死で戦いました、それゆえ母熊は皇上の怒りに触れることに… でも母親が子を守るために戦うのは当然のことではないでしょうか? 皇上には何とぞ寛大にお取り計らいくださいますよう…」「…なかなか見識のある女子だ、確かに血は水よりも濃い、よかろう、熊の親子を森へ帰してやる」四皇子と十三皇子が静養に戻り、茗薇は十四皇子と子熊を見に行った。「母熊はどうしているの?」「太医に治療させている、傷が治ったら森へ帰す」「熊を太医に見せたの?(´゚艸゚)∴ブッ」「傷を治せぬ時は太医の腕を切り落とす、皇宮から追放だ」( ゚д゚)ぽかーん ( ̄꒳ ̄)くすっ茗薇は十四皇子の冗談に気づいて失笑した。「あなたって以前とは変わったみたいね~」十四皇子と茗薇は熊の母子が森へ帰って行く様子を見守った。「来年の春にまた会えるかしら?」「熊にとっては我々と会えぬ方がいい」十四皇子はしみじみ宮廷もこの深い森のように、至る所に危険が潜み、弱肉強食と適者生存の世界だと言った。「相手を倒して強くならねば生き残れない、それが遊びの規則だ この規則に慈悲や情けは無用、自分では選べない、やむを得ぬ」「私をだましたのもやむを得なかったからだと?」「…そうだ、だが後悔している、気がついたのだ だませば2度と信頼を得られず、笑顔さえ見せてもらえないのだと…」「一度、失った信頼を取り戻すのは大変なのよ?」「だから今は後悔している…」↓( ;∀;)イイハナシダナー ってそこ?w雪景色の紫禁城、狩りの一件ですっかり意気消沈した皇太子は庭園の梅の花に目を留めた。「…梅は気骨があるな、寒さの中でも独りで咲く だが人はこの凍てつく寒さの中では生きる気力さえ失う」皇太子は梅の枝を折って眺めていたが、そこに偶然、納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)が通りかかった。「誰?!ここの掟を知らないの?梅は貴妃娘娘がお好きな花、この花は納蘭貴妃の寝宮に飾るのよ 許しもなく枝を折るとは無礼にもほどがある!」「姑娘(グゥニャン)、それは失礼を、東宮には梅がないのでつい…」東宮と聞いた蓉月は皇太子だと気づいて渋々、拝礼したが、そこに小春(ショウシュン)が現れた。「この梅園は本来、陛下のもの、梅園どころか天下さえ後継者である太子爺のものだと言えましょう 姐姐(ジェジェ)、先ほどの言葉は太子爺に失礼では?もし皇上のお耳に入れば姐姐のお立場が…」すると蓉月は驚き、皇太子に不敬だったと謝罪して帰って行った。皇太子は小春と再会し、孤独な胸の内を明かした。狩りでの失態で今やすっかり宮中の笑い者となり、自分を支持していた大臣たちまで離れてしまったという。明日は父の名代として軍を閲兵(エッペイ)するが、恐らく八皇子一派はこの機会を見逃さないだろう。皇太子は八皇子一派が何か企んで自分の顔に泥を塗るつもりだと分かっていた。「自信がないのだ…手に負えぬ事態になれば皇阿瑪を失望させてしまう、今度は許されまい」すると小春は肌身離さず持っていた玉の首輪を外した。「太子爺、私の故郷では勇敢な兵士が出征する時、女子は心を込めて編んだお守りを贈るのです」小春は首輪を皇太子の腕に結びながら、胸を張って顔を上げれば勇気が湧くと助言、必ず成功すると励ました。閲兵式に皇太子が現れた。九皇子と十皇子は皇太子がまた醜態をさらすと嘲笑っていたが、皇太子はお守りをくれた小春の言葉を胸に顔を上げる。「皇上の名代として私が号令を発する!…命令だ!気をつけ!」しかし将軍がろくに剣も扱えない者の命令など聞けないと反発、兵士たちから失笑が漏れた。すると皇太子は威厳を示すため、反抗した者を即刻、処刑するよう命じる。弱気な皇太子とは思えない決断に驚きを隠せない九皇子と十皇子、将軍は慌てて命乞いしたが無駄だった。「皇上いわく″軍紀は軍の基本″である、今回の閲兵で向上を見せた者は皇上に報告しておくぞ」こうして皇太子は飴と鞭を使い、見事に軍を掌握した。小春は庭園で皇太子が戻るのを待っていた。すると皇太子が駆けつけ、思わず小春を抱きしめてしまう。「おかげで太子の威厳を兵に示すことができたよ!」「それは何よりでした…でも太子…その~」皇太子は慌てて小春を離して謝罪したが、そんな皇太子の慌てぶりを見た小春は思わず失笑した。こうして自信を取り戻した皇太子、しかし皇帝が以前のように自分を認めてくれるかは分からないという。父の期待があまりに大きく、皇太子は応えたいと思う一方で失望させるのではと怖かった。しかし小春は皇太子が心を解き放って大胆になれば必ず成功するはずだと鼓舞する。「すでに第一歩を踏み出された、いつの日かその努力が皇上の目に留まります」皇太子は自分を信じてくれる小春だけが心の支えとなった。( ;∀;) おじーちゃん、しっかり!って違うっw一方、狩りで皇帝を救った茗薇は一目置かれるようになった。何でも茗薇の功績のお陰で、父・英禄(エイロク)まで昇進したという。朝廷では今や各勢力が雅拉爾塔(ヤラルタ)家を味方にしたがっていた。宮中の遊園会、茗薇は参内する母との面会を楽しみにしていた。しかしなぜか長春宮に姉の茗蕙(メイケイ)が現れ、茗薇は思わず身構える。(* ̄꒳ ̄)<妹妹(メイメイ)~私と会えて嬉しくないみたいね?(; ̄▽ ̄)<いいえ~実は文氏が風邪を引いてしまったため、代わりに茗蕙が来たという。茗蕙は優しい姉を演じ、茗薇の手を握り締めながら父まで出世させた妹を優秀だと褒めた。(; ̄▽ ̄)<姐姐も優秀よ、じゃ、仕事だから〜ε=┏( ・_・)┛ピュー茗薇は観劇席に菓子を運んでいた。しかし角を曲がったところで誰かとぶつかり、落としてしまう。「どこに目をつけているの?!四爺の側福晋(フジン)ですよ!」側仕えに叱られた茗薇は、四皇子の側室なら年羹堯(ネンコウギョウ)の妹だと分かった。( ´△`).oO(面倒くさそうなのにぶつかっちゃったな~すると年氏から割れた器を手で拾えと命じられてしまう。茗薇は素直に破片を拾い始めたが、そこに四福晋がやって来た。「ここは徳妃の寝宮です、ほどほどになさい」感じが良さそうな四皇子の福晋が助けてくれたが、年氏が金切り声で言い返した。「この女官の不手際ですよ?!まさか見逃せと?!」「仰せの通りです、すぐ片付けます」茗薇は再び破片を拾おうとしたが、うっかり指を切ってしまう。(๑ ŏ_ŏ)<あっ… 手を止めてはならぬ!拾うのよ!>( ̄^ ̄#)そこへ四皇子がやって来た。「何事だ?!」四皇子は年氏に叱られているのが茗薇だと気づき、すぐに立たせた。四福晋が事情を説明すると、四皇子は不機嫌そうに茗薇を連れて行ってしまう。「なぜ爺(イェ)はあの小娘に手当てするなどと…」「あの女官が皇上を救った茗薇姑娘ね…」聡明な四福晋はすぐに気づいた。↓いかにもな年氏w四皇子は茗薇を涼亭に連れて来た。「いじめられたら私に言え」「でも先ほどの件は私が悪いのです」すると全児(ゼンジ)が薬を持って来る。茗薇は必要ないと言ったが、四皇子は自ら介抱した。「側福晋は四爺には誠実な方です」「かばう必要はない、私にとって誰が大切かは分かっている…」茗薇は八皇子一派にとっても重要な駒となった。すると十皇子は宴席で給仕していた茗薇に酒を飲めと強要する。憤慨した十三皇子が立ち上がったが、十三皇子より先に四皇子が口を開いた。「私が代わりに受ける」思いがけない四皇子の行動に静まり返る宴席、焦った茗薇はその場を収めるため、十皇子の杯を飲み干した。茗薇はひとり城楼に立って酔いを覚ましていた。(๑ ŏ_ŏ).oO(スーイエとシーサンイエ…一体、私はどうすればいいの?思いがけず四皇子と十三皇子の板挟みとなった茗薇、すると十四皇子が現れ、酒を飲もうと茗薇を郊外まで連れ出した。「十三哥もあきらめず四哥まで…まさに両手に花だな?」「そんなつもりじゃないの、十三爺は友だちよ?四爺は…私が探していた人なの」「とにかく君が2人の間で揺れているのが問題だ」十四皇子は迷えば迷うほど選べなくなり、誰かを傷つければあとが厄介だと警告した。耳の痛い話だが、茗薇は確かに役に立つ助言だと感謝する。「…でも2人とは仲が悪いのに、なぜ私にそんなことを?」「こじれると君が損をする、そうなったら誰も君を守れないぞ?」「分かったわ、謝謝」徳妃は連日の観劇で菓子を食べ過ぎ、胃がもたれたと笑った。すると参内していた茗蕙がちょうど持って来た″山査子(サンザシ)羊羹″をどうかと勧める。実は茗薇が子供の頃から胃が弱いために作って持って来たのだ。徳妃は甘酸っぱくて爽やかだと喜び、妹思いの姉だと褒める。そこへ暇を持て余した納蘭貴妃が現れた。貴妃は気が利く側仕えがいて羨ましいと漏らし、言葉を交わしたことがある茗蕙に目をつける。茗蕙には願ってもない機会だったが、すかさず茗薇が母の病で姉は家を離れられないと口を挟んだ。「なら太医に診せればいいわ、その方が治りも早いでしょう?」「娘娘の仰せの通りに…」十四皇子は激しい琴の音を耳にし、様子を見に行った。すると涼亭でひとり茗蕙が広陵散(コウリョウサン)を奏でている。「″玉が砕けるがごとく清らかな音色″…強引な例えかな?」「十四爺、私の知音になってくださる?」「姑娘の知音になるには山中の獰猛な虎か毒蠍でなければ到底、無理だな〜」「ふっ、ご謙遜を、幼なじみだけど、あなたの方が数段うわ手よ」茗蕙は十四皇子ならこの危険に満ちた宮中で生き延びる方法を身につけていると言った。「傍観者の振りをして巧みに策を弄す、ふふ、未熟な私をお導き頂きたいわ」「私の導きなど必要か?…まあいい、怒りに満ちた琴の音色には興味がある 一体、誰が君を怒らせたのかな?どうやって仕返しするつもりだ?」つづく( ゚д゚)何?急に幼なじみ設定…それにしても姐姐の琴演奏wwwここは笑うところなのか?どうぞお見逃しなく!
2021.03.03
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第10話「狩り場での危機」長春(チョウシュン)宮、徳(トク)妃は今日もひどく咳き込んでいた。側仕えの茗薇(メイビ)は早速、咳に効果があるどくだみを献上してみたが、徳妃の逆鱗に触れてしまう。どくだみは徳妃が四皇子を取り上げられた悲しみを思い出すため、長春宮では禁制だった。しかし茗薇は四皇子自ら煎じた薬湯だと説明する。驚いた徳妃は久しぶりにどくだみを口にすると、そこへちょうど四皇子が現れた。すると徳妃はこれまでのわだかまりが解け、四皇子に優しく声をかける。「胤禛(インシン)…ここへ」茗薇は十三皇子に徳妃と四皇子の和解に成功したと報告した。そこでなぜ十三皇子が四皇子と仲が良いのか聞いてみる。「十四爺とも一緒に育って来たのに、なぜ四皇子だけに尽くすの?」「…四哥がいなければ、今の私はいないからさ」長春宮に引き取られた当時、十三皇子は妖怪と例えられるほど手を焼く暴れん坊だった。十三皇子は生母・敏(ビン)嬪章佳(ジャンギャ)氏が重い病にかかり、長春宮に預けられた。しかし母を恋しがっては抜け出し、その度に四皇子が迎えに来てくれたという。そんな四皇子に敏嬪は余命わずかだと明かし、十三皇子のことだけが気がかりだと涙ながらに訴えた。四皇子は敏嬪を安心させるため、今後は十三を一番の弟にすると約束したという。そして敏嬪が他界した。十三皇子は雪の舞う中、墓石の前でひとり泣いていたが、そこへ四皇子が迎えに来る。すると四皇子は帰りの道すがら、生前の敏嬪から十三皇子を託されたと教えた。「今日から私たちは家族だ… これからは何があろうと、お前が強くなれるよう一緒にいる 私にはお前が一番の弟だ、四哥が必ずお前を守ってやるからな」四皇子は約束を守ってくれた。十三皇子にとって四兄は唯一無二の兄だという。冬の訪れが近づき、康熙(コウキ)帝は恒例の狩りを行うと決めた。狩りと言えば十三皇子と十四皇子の独断場だが、八皇子は皇帝から騎射を習った皇太子の戦果が楽しみだと重圧をかける。すると皇帝も皇太子の弓術の腕は他の皇子に引けを取らないと励まし、期待をかけた。狩りには徳妃が同行し、側仕えの茗薇も帯同した。やがて皇帝一行は狩り場に到着、皇帝が合図の矢を放つと、皇子たちが一斉に獲物を探して馬を駆けて行く。好敵手の十三皇子と十四皇子がしのぎを削る中、皇太子も期待に応えようと必死だった。そんな皇太子の様子を冷ややかに見守る八皇子一派、すると皇太子は思わぬ獲物を発見する。皇太子はこれを皇帝に贈り、八皇子一派に目に物見せると意気込んだ。四皇子は皇子たちが仕留めた獲物を先導し、一足先に幕営へ到着した。すると茗薇は帳(トバリ)で覆われた檻の中で何かが動いていると気づく。四皇子は皇太子から皇帝への贈り物が入っていると教えたが、まだ中身は誰も見ていなかった。そこへ侍衛が慌てて駆けつける。実は皇帝一行が熊に襲われているというのだ。四皇子は慌てて引き返すと、茗薇はこっそり檻の中をのぞいてしまう。すると檻にはまだ小さな子熊が入っていた。天幕に戻ろうとしていた皇帝の馬車が大熊に追いかけられていた。皇子たちは馬車を警固すると、八皇子が弓矢を構える。しかし十三皇子は矢を放てば熊がかえって興奮すると考えた。「射るなっ!皇阿瑪を熊から遠ざけ、安全な場所へ!」八皇子は熊を仕留めて戦果を独り占めしたいところだったが、涙をのんで諦めた。十三皇子と十四皇子は兄たちに馬車を任せ、皇帝を先に逃した。無謀にも大熊に挑んだ十三皇子と十四皇子、すると十三皇子がその鋭い爪で引っかかれてしまう。その時、四皇子が衛兵を連れて駆けつけ、十三皇子を救った。しかし助太刀するも焼け石に水、侍衛たちは次々、大熊に倒され、四皇子まで足を踏みつけられてしまう。その様子を見た十四皇子は身がすくんで動けなかったが、十三皇子が大熊に斬りかかって四皇子を助け出し、身代わりとなって大熊に跳ね飛ばされた。もはやなす術ない皇子たち、そこへ突然、茗薇が馬を駆けてくる。実は茗薇は皇太子が捕らえた子熊を抱えていた。子熊を捕まえたせいで母熊が暴れていると気づいたのだ。そこで子熊を叩いて鳴かせると、子熊の声に気づいた母熊が標的を茗薇に変えた。茗薇はおとりとなって馬を駆けたが、あっという間に大熊に追いかれて落馬、足をひねってしまう。↓クマー!คʕ•ᴥ•ʔค十三皇子と十四皇子が駆けつけ、危機一髪のところで茗薇を救った。十三皇子は痛手を負いながらも十四皇子と力を合わせて大熊を倒そうと決め、再び戦いに挑む。やがて体力を消耗した大熊が倒れると、その隙を突いて十三皇子が止めを刺そうとした。しかしその時、茗薇が母を探して鳴いている子熊に気づく。「殺さないで!」茗薇は思わず叫んだ。熊の親子は生捕りになった。茗薇は重症の十三皇子が運ばれるのを見送ると、緊張が解けて思わず座り込んでしまう。すると十四皇子が現れ、茗薇の足の具合を見てくれた。(; ̄ェ ̄)<痛っ…( ̄꒳ ̄)<大丈夫、捻っただけだ十四皇子は携帯していた外套を茗薇に着せると、抱き上げて幕営まで帰った。茗薇は十四皇子に感謝し、外套を返そうとした。しかし十四皇子は取っておけと言い残し、自分の天幕に戻ってしまう。すると徳妃から四皇子の世話をするよう命じられ、茗薇は十三皇子の容体が分からないまま看病しなくてはならなかった。四皇子が目を覚ますと茗薇が付き添っていた。茗薇の無事を知り安堵した四皇子、その献身的な姿に心を打たれながら再び眠りにつく。するとしばらくして太監・順児(ジュンジ)が茗薇を呼びに来た。実は十三皇子がどうしても茗薇に会いたいと言っているという。茗薇は四皇子に十三皇子の所へ行ってもいいか尋ねると、四皇子は許してくれた。十三皇子も茗薇の元気な姿に安堵した。「小微、約束してくれ、もう2度と危険なことはしないと…心配なのだ」「分かったわ、約束する」「決して約束に背いてはならぬ、いいか?」「うん」すると十三皇子はようやくホッとしたのか、眠ることにした。茗薇を送り出したものの、四皇子はどこか複雑だった。全児(ゼンジ)は茗薇を呼び戻すか聞いたが、四皇子は黙って首を横に振る。一方、茗薇は十三皇子が眠ったところで、炭を取りに行くことした。しかし急に十三皇子が腕をつかんで引き止める。「ここにいろ」「分かったわ、いればいいんでしょう?」茗薇は仕方なくまた椅子に座ると、十三皇子は茗薇の顔をまじまじと見つめた。「君のような女子は珍しい…褒めているんだ、こんな愚か者は都中を探してもおらぬ だから連れ去られないよう見張らねば」「ふん、熊に食わせるんだった!やっぱり戻る!」茗薇が怒って立ち上がると、十三皇子は引き止めようと慌てて起き上がり、苦しそうに傷を押さえて倒れた。驚いた茗薇は傷が開いたのではと心配して包帯を確認したが、どうやら無事だと分かる。すると十三皇子は茗薇の手を握りしめたまま寝ると言い出した。茗薇は諦めたように椅子に座ると、十三皇子はそっと枕を茗薇の方に引っ張り出す。そんな十三皇子に呆れる茗薇だったが、やがて船を漕ぎ出し、枕に頭を乗せて眠った。つづく(  ̄꒳ ̄)ふむふむ…これなら4と13と14の微妙な関係が分かりやすい(←ついに褒めるところがwでも4とママが和解する展開は初めてかも?それにしても茗薇、馬に乗れたんだ…( ̄▽ ̄;)
2021.03.02
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第9話「園林への遠出」秀女選び本選の朝、茗薇(メイビ)は具合が悪いと訴え、辞退した。しかし納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)は茗薇が皇帝に嫁ぐのが嫌で仮病を使ったと気づき、納蘭貴妃に告げ口する。納蘭貴妃は半信半疑だったが、蓉月に懇願されて太医を向かわせることにした。「仮病なら皇上を欺いた罪で罰せねば…」太医が茗薇の居所へやって来た。早速、脈診した太医はやはり仮病だと判断し、侍衛に罪人を連行するよう指示する。驚いた茗薇は本当に病だと訴え、袖をまくって腕を出した。すると確かに肌に発疹が出ている。「これは枯草熱(コソウネツ)だな…」茗薇は現代でいうアレルギー症状が出ていた。太医の診断で難を逃れた茗薇、それにしても一体、何に当たったのだろうか。本選を終えた秀女たちが儲秀(チョシュウ)宮に戻って来た。貴人(キジン)に選ばれた蓉月は自慢げに帰ってきたが、親友の小春(ショウシュン)の様子がおかしい。茗薇は小春を連れて部屋に入ると、実は仮病だったが本当に発疹が出たと暴露した。「入宮したのは人探しのためだもの、一生、皇宮で暮らすなんて考えただけゾッとする」「あなたって変わってるわね…私は選ばれて幸運だと思ったわ」聞けば小春は常在(ジョウザイ)に選ばれていた。その割になぜか浮かない顔の小春、これから茗薇がいないと思うと不安だという。すると茗薇はここまで来たら腹をくくり、未来は天に任せようと励ました。翌朝、四皇子は長春(チョウシュン)宮に母を訪ねた。ちょうどそこへ十四皇子が現れる。「額娘の誕生日でもないのに、お前たち兄弟が揃うのは珍しいわね」実は四皇子は十三弟のために来ていた。十三皇子が見染めた秀女を母の女官にしてもらえないかという。すると十四皇子は四兄がわざわざ頼みに来たのなら引き受けてはどうかと後押しした。徳(トク)妃は兄弟が同じ頼み事したことに感激し、自分も茗薇と話してみたいと快諾する。果たして茗薇という娘の何がここまで人を引きつけるのか。しかし四皇子は普段と態度が違う十四弟を訝しんでいた。十四皇子が寝宮をあとにすると、四皇子が引き止めた。「小魚(ショウギョ)の件で茗薇姑娘を裏切ったため、良心が咎め、その借りを返したいのだな?」「そういう四哥こそ、柄にもなく老十三のために口添えとは… 永禄(エイロク)と言えば最近、昇進し、飛ぶ鳥を落とす勢い、皆が味方にしたがっている 四哥はまず娘を丸め込むおつもりですか?」四皇子は八皇子たちとは違うと牽制し、目的が何であれ不届きな考えは捨てるよう釘を刺した。すると十四皇子は自分が老十三の女子(オナゴ)を奪うとでも言いたげだと挑発する。「もしそのつもりだと言ったら?」「許さんぞ」「…私と十三、どちらがあなたの同腹の弟なんだか」四皇子は何も言い返せなかった。「企みなどありませんよ、でも十三のためにそこまでするとは逆に興味が湧きました」徳妃は納蘭貴妃を訪ねた。そこで宮中で1つしかない貴重な紅珊瑚の腕輪を手土産に、秀女をひとり側仕えとして欲しいと頼む。するとその秀女が雅拉爾塔(ヤラルタ)茗薇だと聞いて納蘭貴妃は驚いた。実は八皇子の母・良(リョウ)妃も茗薇を欲しいと頼んできたという。徳妃は馬が合わない四皇子と十四皇子が同じ頼み事をしてきたため応えてやりたかったが、貴妃と良妃の関係を考えて遠慮した。しかし納蘭貴妃は皇帝の寵愛がない良妃より徳妃に恩を売った方が特だと計算する。「妹妹、ここまで頼むあなたを断るほど姐姐は冷たくないわ~」↓今回は徳妃が絶世の美女設定w茗薇は正式に徳妃の女官となり、長春宮に移った。すると居所に早速、十三皇子が現れる。実は前夜、″仮病″と書いた紙切れを置いて行ったのは十三皇子だった。しかも茗薇が仮病だとバレないよう、その紙切れに漆を塗っておいたという。( ・ㅂ・)و ̑̑<あなたの策だったのね?あなたがこれほどデキる(挺靠谱)人とはねえ〜(^ꇴ^)<デキるだろう?…(´ ◔_◔)ん?デキる(靠谱)って何だ?十三皇子はお礼が欲しいと言ったが、茗薇は丁重に拝礼して追い返すことにした。「あ!でもありがとう!」「君を私のものにするからな!」茗薇は相変わらずどこまで本気なのか分からない十三皇子に呆れながら見送った。茗薇は凝香閣(ギョウキョウカク)で宝物の手入れと管理を任された。ふと現代で清代の宝物を見せてもらった記憶が蘇るが、それを持って来てくれたのが十三皇子だとは思い出せない。ともかく早速、仕事に精を出す茗薇、そこに突然、十四皇子がやって来た。茗薇は無視して壺を磨いていたが、十四皇子がいきなり腕をつかんで邪魔する。「怒りは消えたのか?」「いいえ!離してよ!」「消えるまで離さぬ!」「離してって言ってるの!離してよ!」その時、ちょうど十三皇子が現れ、十四皇子は仕方なくそこで退散した。十三皇子は不機嫌な茗薇に十四弟があれでも謝っていると話し、それより自分への礼は何かという。しかし茗薇はつれない。「皇子ってろくなのがいないわね~」「…じゃあ四哥は?」「彼は例外よ!」徳妃の誕生日、四皇子と十四皇子が揃って母の祝いに駆けつけた。茗薇も宴席の間に控えていたが、徳妃があからさまに十四皇子だけ可愛がる様子に困惑する。すると食後、徳妃は十三皇子の好きな白檀の香を焚き始めた。しかし白檀が苦手な四皇子は咳き込み始め、苦しくなって外へ出て行ってしまう。茗薇はそんな四皇子に同情し、差し入れを届けた。「みかんを焼く暇はありませんので梨湯です…のどに効きます」そんなある日、茗薇は嬷嬷(モーモー)の手のたこを手当てしながら、それとなく探りを入れた。「娘娘(ニャンニャン)がさっき咳をなさっていましたけど…できれば治して差し上げたくて」「そう言えば四爺も生後間もない頃は咳がひどくてね~心配した娘娘は自らどくだみを煎じたの でも治る前に小四爺は連れて行かれたわ、宮中の決まりで生母が皇子を育てられないから だから娘娘はどくだみを飲むと胸が痛み、苦しい気持ちになるの」「どくだみか~」茗薇は咳に効くどくだみを利用し、徳妃と四皇子の仲を修復しようと考えた。医学書によるとどくだみは湿った場所や谷間など日陰に生息するという。そこで十三皇子に協力を頼むことにした。十三皇子は茗薇から急に呼び出され、喜び勇んで御花園にやって来た。しかし四兄のことだと言われ、不機嫌になってしまう。「四爺と皇家の園林へ行きたいの」「ダメ!ダメだったダメ!2人で遠出するなんて!」「嫉妬?!(´゚艸゚)∴ブッ」茗薇はこれも徳妃と四皇子のためだと説明し、自分を信じて欲しいと訴えた。四皇子は十三弟に頼まれ、薬草摘みを命じられたという茗薇を園林まで連れて来た。しかしどくだみは見つからず、四皇子は日が暮れて来たので帰ろうという。すると茗薇はどうしても探したいと拒んだ。四皇子はなぜ茗薇がそこまで必死なのか訝しみ、理由を話せと迫る。「正直に言わぬのなら私は帰るぞ」「いっ言います!…徳妃娘娘の咳がひどくて、どくだみで治ると聞いたんです」「無駄骨だ、額娘はどくだみが大嫌いだ」「四爺が自ら摘んで煎じれば飲んでくれます!きっと心も通じ合いますよ!」「…それで十三弟ではなく、私を呼んだわけか」四皇子は母と自分の関係はどうにもならないと憤慨したが、茗薇は1人でも探すと言い張った。茗薇は森の奥まで突き進んで行った。仕方なく四皇子は黙って後ろから見守っていたが、やがて茗薇は湿地でどくだみを発見する。すると喜んだ茗薇はどくだみを見せようと四皇子に駆け寄り、うっかりつまずいた。四皇子は茗薇を受け止めたが、そのまま茗薇に押し倒されてしまう。「怪我してないか?!小薇!」「いいえ!」茗薇は衣が濡れたことも気にせず、嬉しそうに笑った。四皇子と茗薇は結局、山で野宿することになった。そこで茗薇は十三皇子から聞いた四皇子の情報を確認したが、実は全て十三皇子の好みだったと知る。(๑ ŏ_ŏ)<四爺のことを聞いたのに…騙された(ボソッ( ̄꒳ ̄)<どうして私のことを?(〃ω〃)テレ<いえ、別に〜茗薇はいつの間にか疲れて眠った。そこで四皇子は乾いた自分の外衣を掛けてやると、距離を置いて眠ることにする。やがて茗薇は狼の遠吠えでふと目を覚ました。四皇子は焚き火の反対側で木にもたれて眠っている。すると茗薇は狼の声が怖くて四皇子のそばへ移動し、再び目を閉じた。つづく(^ꇴ^)あ〜ついに四爺も″小微″って呼んじゃった〜(笑ところで十三の四兄の好物の話、ワケワカメなんですけど…(←こんなのばっかりw
2021.03.01
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第8話「宮廷の秘薬」茗薇(メイビ)は十三皇子のおかげで小魚(ショウギョ)の無念を晴らし、笑顔が戻った。そんなある日、儲秀(チョシュウ)宮に納蘭(ノーラン)貴妃と徳(トク)妃が視察にやって来る。蓉月(ヨウゲツ)は真っ先に叔母に挨拶すると、徳妃がすかさず納蘭家の令嬢とあって資質も美しさも格別だと絶賛した。すると納蘭貴妃が茗薇に目を留める。「どこの家の娘?」「貴妃娘娘(ニャンニャン)にお答えします、父は鑲黄旗(ジョウコウキ)の英禄(エイロク)です」「雅拉爾塔(ヤラルタ)家ね」徳妃は英禄の妻が書香世家の家柄だと思い出し、育ちが良さそうだと褒めた。納蘭貴妃も確かに容姿も悪くないと言ったが、ただ度胸も人一倍だと聞いているという。|ω・`).oO(まさか私の噂が広まってるの?これは警告?それとも…茗薇が困惑していると、徳妃が助け舟を出した。「阿哥(アーグァ)たちが話していました、率直な性格で、勇敢で情義に厚い秀女がいると… 度胸と見識を備えた姑娘(グゥニャン)とはなかなか珍しい」「…阿哥たちが注目するのだからよほどのことね~」「姐姐(ジェジェ)、ごらんください、この目元、私の若い頃に似ています」徳妃はうまく話をそらすと、そこで貴妃は帰ることにした。茗薇が褒められる様子を不満気に見ていた蓉月、すると足元に徳妃のかんざしが落ちていることに気づく。蓉月は人知れずかんざしを拾うと、生意気な茗薇を懲らしめることにした。その夜、秀女たちは突然、叩き起こされ、中庭に集められた。何でも視察に来た徳妃がその後、髪飾りを紛失、宮殿中を捜しても見つからず、秀女の誰かが拾って盗んだと疑われているという。宦官たちは一斉に房間の捜索を始めると、驚いたことに茗薇の部屋からかんざしが見つかった。身に覚えのない茗薇は誰かに陥れられたと訴えたが、嬷嬷(モーモー)から認めないならひざまずけと命じられてしまう。小春(ショウシュン)は茗薇とずっと一緒にいたと証言し、濡れ衣だとかばったが、勝気な茗薇はひるまなかった。「大丈夫、今夜は暑いし涼むのにちょうどいいわ」やがて宮中は雷雨になった。小春は心配してひざまずいている茗薇の元へ駆けつける。「小薇!罪を認めれば戻っていいそうよ?」「嫌よ、私は盗んでいないのに…」茗薇は意地でも動こうとしなかった。翌朝、四皇子は長春(チョウシュン)宮で母と朝食を取っていた。そこへ侍女が駆けつけ、徳妃に昨日、紛失したかんざしを届ける。かんざしは儲秀宮のある秀女の部屋で見つかったが、秀女は罪を認めず一晩中ひざまずいていた。徳妃はその秀女があの茗薇という娘だと知り、すぐ濡れ衣だと気づく。自分が褒めたその日に罰を受けるとは…。徳妃は長年の宮中暮らしでこんな小細工をよく見て来たという。しかし弱者は淘汰されるのが後宮、徳妃は同情しながらも手を差し伸べるつもりはなかった。すると四皇子は茗薇が嫉妬で陥れられたのは十三弟のせいもあると説明する。「十三弟が彼女を見初めたからだと…」「…救済金の一件ね?噂は聞いているわ、恨みを買うと危険も多くなる」四皇子は十三弟が言うには機転の利く娘だと褒め、茗薇に情けをかけてもらえないかと頼んだ。そこで徳妃は茗薇にこのかんざしを褒美として与えたことにして事を収めることにする。四皇子はこの機に2度と厄介ごとが起きないよう、自ら儲秀宮に行くことにした。その頃、儲秀宮では嬷嬷が改めて茗薇に罪を認めるよう迫っていた。しかし茗薇は頑なに否定し、掟通り杖刑を命じられてしまう。その時、突然、四皇子が現れた。四皇子は髪飾りを差し出すと、これは徳妃が茗薇に下賜した品だと説明する。すると蓉月は思わず不満を漏らした。「そんなはずは…」「納蘭蓉月よ、私の調べに何か不満でも?」「いいえ」「一件落着だな、今後、汚い小細工で他人を陥れる者がいれば、私が厳しく処罰する、良いな?」茗薇は朦朧としながら四皇子に拝礼したが、そのまま意識を失って四皇子の胸の中に倒れてしまう。一晩、雨に打たれていた茗薇は風邪を引いた。激しく咳き込み苦しむ中、茗薇はおぼろげな記憶の中で、誰かに焼きみかんの作り方を教えてもらった事を思い出す。すると外から焼きみかんの匂いが漂って来た。茗薇が房間から出てみると、中庭で四皇子が自らみかんを焼いている。…彼だわ!あの雰囲気こそ私が探していた人よ!彼に会うために私はここに来たのね!…その時、茗薇に気づいた四皇子がみかんをくれた。四皇子はこれを食べると咳が止まって風邪も治るという。「四爺?これは誰もがご存知の方法ですか?」「私の乳母が教えてくれた、他の者は知らぬだろう」「…他の方に作って差し上げたことは?」「ある、1人だけだが」「どなたに?!私も忘れていたんですが、このみかんを見て思い出して… 四爺、以前、お会いしませんでしたか?」「ぁ…何の話か分からないが…あとで侍医を呼んでおく」四皇子は茗薇の話に困惑し、帰って行った。茗薇は四皇子こそタイムスリップしてまで探し求めていた相手だと勘違いした。そこで風邪が治ると早速、四皇子を探しに向かう。「ドラマだと阿哥や王爺は毎日、挨拶に来るのよね…長春宮をずっと見張ってるのに来ないな~」しかし運悪く十三皇子に見つかった。「私に会いに来たのか?」「お花畑かっつーの」「…長春宮を見てるってことは…(はっ)十四弟へ仕返しに?」茗薇は全く耳を貸さず、長春宮を見つめている。「まさか…四哥か?!」「ちっ違うわ、道に迷って通りかかっただけよ!」十三皇子は焦った茗薇を見て図星だと分かった。驚いた十三皇子は冷静沈着な四兄に近づきたいなら、まず自分に近づけと気を引く。「マジでムカつく(欠)!」「″欠″?」しかし茗薇は十三皇子から四皇子の情報を聞き出せばいいと思いついた。すると十三皇子は明日、卯の刻に西南の門へ来いと言って帰ってしまう。四皇子のことが知りたい茗薇、かと言ってそのために十三皇子に会うのは憂鬱だった。そこで小春を誘って待ち合わせ場所に行ってみると、十三皇子と一緒に皇太子がいる。「太子爺…先日は疑ってすみませんでした…」「過ぎたことだ」皇太子は笑って許すと、美しくしとやかな小春を一目で気に入ったようだった。実は茗薇が小春も連れてくると踏み、十三皇子も皇太子を誘って来たという。「どこへ行くの?」「四哥について知りたければついて来い」こうして皇太子は小春を、十三皇子は茗薇を馬に乗せ、遠乗りに出かけた。皇太子は小春が馬酔いしたと気づき、十三弟を先に行かせて休むことにした。そこで小春を馬から下ろし、倒木に手巾を引いて座らせる。「宮中へ戻ったら甘草を届けよう、めまいを治すツボがある」皇太子は思わず小春の手を取ると、驚いた小春が慌てて手を引っ込めた。「太子爺、いけません、自分で押します」小春は気分が楽になったが、何不自由ない身分の皇太子がなぜ薬草やツボに詳しいのか不思議だった。すると皇太子は実際は違うと吐露する。大清の祖先は馬を駆り天下を取ったため、皇帝は満洲人の伝統を重んじて皇子たちに騎射を学ばせた。特に皇太子には厳しく、甘えなど許されなかったという。十三弟や十四弟のような天賦の才もなく、地道に努力していた皇太子は怪我も日常茶飯事、しかし誰にも迷惑をかけないよう自分で手当てを覚えたのだった。「太子爺はあの湖中の木のようですね…流れの中でも根を張り、自分らしさを失わない」小春は皇太子の人柄をそう例えた。一方、十三皇子と茗薇は一足先に湖に到着していた。茗薇は絶景に感激すると、十三皇子はそんなに珍しいのかと笑う。「この世にはもう1つ世界があるの、そこで人々はただ黙々と働き、ひたすらお金を稼ぐ ある日、ふと思い出して夜空を見上げても星が1つも見えない」「そんな世界が?…気の毒だな」十三皇子は夢で現代にワープしたことなどすっかり忘れていた。「古文で読んだわ、″大人物はさっぱりと思慮を捨て 天を幌に 地を車に(※)″ つまりあなたの志は皇宮六院ではなく、この山水の中にある 朝堂の生活より自由な生活の方が好きなのね?」「おお?なぜ分かった?」「当たったならご褒美をちょうだい!」茗薇は早速、四皇子について質問責めにした。四皇子の散歩の場所は練武場、くつろげる場所は十三皇子の寝宮、好物は梅の花餅・冬瓜の餃子・七巧点心…。すると十三皇子は自分の好物まで教え始めた。「私は茉莉花(マツリカ)茶が好きで、お茶請けには栗餅が絶品だ!」「…聞いてないでしょう?」茗薇はあきれて質問をやめたが、その時、大空を舞う鷹を見つけた。十三皇子は指笛で自分の鷹を呼ぶと、茗薇も真似をしたが上手く音が鳴らない。そこで十三皇子が吹き方を伝授し、茗薇はすぐコツをつかんで指笛を会得した。儲秀宮での秀女教育が終わった。明日はいよいよ本選だが、茗薇は皇帝にも皇子にも嫁ぎたくない。(´ ・ω・)<300年の時を超えて来たのに、私は忘れられてるなんて…(* ˙꒳˙)?<何を言っているのか全然、分からない〜@春その夜、茗薇は床に入っても眠れなかった。…どうしよう、康煕(コウキ)帝はもちろん、阿哥に選ばれるのも嫌よ、どうしたらいいの?…その時、房間の窓紗に辮髪の人影が映る。茗薇はこんな夜更けに曲者かと気になり、そっと戸を開けて回廊を見た。すると敷居に小さな紙切れがある。中には″仮病″と書かれていた。つづく※淮南子の道応訓から「是故大丈夫恬然無思 澹然無慮 以天為蓋 以地為輿~」( °ㅅ° )・・・・・・( °◊° )え?これでいいのかってほど雑だけどw四皇子の質問責めは若㬢へのオマージュでしょうか(^ꇴ^)
2021.02.26
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第7話「皇太子の危機」殺された小魚(ショウギョ)の無念を何とか晴らしたい茗薇(メイビ)。しかし皇太子派の十三皇子と八皇子派の十四皇子、どちらが信用できるか決めかねる。茗薇は居所に戻ってひとり悶々としていたが、そこへ小春(ショウシュン)が差し入れを持ってやって来た。「ねえ?小春だったら十三爺と十四爺、どちらを信用する?」「話したこともないのに分からないわ、ただ噂によれば十三爺は若き英雄、十四爺は知恵者 どちらも立派な方だとか?」「褒めなくていいの~」すると小春は茗薇が書いていた図を見て驚いた。「誰が太子派で誰が八皇子派なんて、どうして知っているの?」「もちろん本で読んだのよ」「本?朝廷内部の噂が何の本に載ってるの?」「歴史書よ~(はっ)つまり姓が″歴″で名が″史書″っていう作家の本(汗) とにかく二派が皇位を争っているって話」驚いた小春は声をひそめるよう警告し、誰かに聞かれたら首が飛ぶと焦った。しかし茗薇は皇位争いなど興味がなく、問題は十三皇子と十四皇子のどちらを信じるかだという。翌朝、茗薇は十三皇子を訪ねた。そこで実は小魚から災害救済金着服事件の証拠を託されていると告白したが、十三皇子はすでに見抜いていたらしい。ともかく茗薇は小魚の家族の潔白を証明するため、皇帝に証拠を渡したいと訴えた。例え皇子だろうと自分の行いの責任を取るべきだという。しかし十三皇子は世の中で必ずしも正論が通るとは限らないと冷たかった。「君の力で何ができる?」「無力は承知だけど、このままでは小魚が浮かばれない、私も責任を感じているの 小魚を励ますべきではなかったのかも…でも今さら知らないふりはできないわ」茗薇は皇帝に証拠を渡し、皇太子と九皇子を罰して欲しいと願ったが、十三皇子に断られてしまう。「これは皇室の名誉の問題だ、皇子の醜聞は皇室に対する非難を招く、皇阿瑪には言えない だが約束する、小魚の家族の命は助けよう」十三皇子はそのために裏取引すると教えた。茗薇の正義感と勇気には心から敬服するが、証拠を皇帝に渡しても結果は同じことだという。「信じてくれ」「そうね…分かったわ」茗薇は十三皇子に失望し、帰ってしまう。茗薇は道すがら誰かに狙われている気がした。早足で御花園を通り抜けようとする茗薇、すると突然、十四皇子が現れる。十四皇子は九兄もしくは皇太子の配下に狙われていると教え、こんな時に宮中を歩き回れる肝の太さに感心した。「君が″持つもの″は命綱にもなるが、命取りにもなるんだぞ?」「…私はお二人に助けられたけれど、小魚は何もできずに死んでしまった…」すると十四皇子は証拠を皇帝に直接、渡すか、あるいは誰かを信じて託すしかないと助言した。九皇子とは同じ八皇子派だが、無実の者を陥れて娘を殺した九皇子はあまりに卑劣、十四皇子は懲らしめてやりたいという。「信じられないか?…それが正しい、宮中で信じられるのは自分だけだ、小薇、よく考えるんだな」十四皇子は帰ろうとしたが、茗薇はもはや頼れるのは十四皇子だけしかいないと焦った。「十四爺、失礼を承知でお願いします」「見返りは?」十四皇子は茗薇にじりじり迫り、急に顔を近づける。驚いた茗薇は思わず顔を背けると、十四皇子は失笑して後ろへ下がった。「明日、御花園の菊花鑑賞会へ来い、私が手引きしよう」そんな2人の取引を築山の上から十三皇子が見ていた。十三皇子は八皇子派の行動を四兄に報告した。しかし四皇子は動いているのが十四弟ならむしろ茗薇は安全だという。何より小魚の事件は今や宮中の噂、また死人が出れば皇帝が黙っていないだろう。すると十三皇子はしみじみ面白い秀女だと言った。「彼女は宮中の怖さを知りせん ですがたとえ皇阿瑪に証拠が渡っても、九哥が命まで取られることはないと分かっている ただ小魚姑娘のために訴えたいのです」「厚い情と責任感でか弱い娘が皇子の罪を暴こうとするとは… 小薇姑娘は確かに他とは違うな、見所がある」四皇子は″命知らずの十三爺″が一目置く茗薇という娘に興味が湧いた。ただ宮中では人を見極める目が必要だと考え、後々のために挫折を経験させるのも一計だという。十三皇子は儲秀宮に茗薇を訪ねた。そこで十四皇子が証拠欲しさに茗薇を騙していると教えたが、茗薇は聞く耳を持たない。「皇室の体面を気にするあなたとは大違いよ!」するとその時、茗薇の脳裏に急に灯籠の記憶が蘇った。灯籠のそばには背の高い男の影が…。「…灯籠?」「灯籠が何だ?」十三皇子は茗薇の説得をあきらめ、ともかくお手並み拝見と決め込んだ。その夜、四皇子と十三皇子は皇太子のために策を練った。十三皇子は茗薇が自分ではなく十四弟を信じたことに傷ついていたが、ある妙案を思いつく。「太子はすでに罪を悔いている、敵の裏をかくんだ、これなら小薇が何をしても大丈夫です」翌日、茗薇は太監に変装し、こっそり房間を出た。するとちょうど茗薇に会いに来た小春と回廊で出くわす。「さっき内務府で小耳に挟んだの、小魚の家族に沙汰が…明日、全員斬首よ」小春は助けられるのは茗薇しかいないと励まし、見送った。十四皇子は茗薇を連れて御花園にやって来た。しかし警備が厳重な上、八皇子まで現れ警戒している。十四皇子は慌てて茗薇を物陰に隠し、早く逃げるよう助言した。仕方なく茗薇は証拠を十四皇子に託し、皇帝に渡してほしいと懇願する。「今はあなたしか信じられない…」「…私など信じるな」「でも小魚の家族の無実を証明しないと、小魚は無駄死にになる」すると十四皇子は了承し、証拠を受け取って庭園に入った。待ち伏せしていた十三皇子が引き返して来た茗薇の前に現れた。「そう簡単に事が運ぶとでも?」「何よ、負け惜しみ?幼稚ね!」「どっちが幼稚だ、小娘め」十三皇子はいきなり茗薇の手をつかみ、御花園の入り口へ戻った。するとさっきまで大勢いた侍衛が1人もいない。「欲しい物が手に入れば警備は必要ないからな」「十四爺が嘘を?」十三皇子は自分の目で真実を確かめるよう、茗薇を鑑賞会の会場が見える涼亭へ連れて行った。茗薇は八皇子が皇帝に証拠を献上する様子を目の当たりにした。八皇子一派は皇太子ひとりに罪をなすりつけるため、十四皇子が茗薇から証拠を手に入れ、九皇子の名前を消した偽物の証拠を渡したのだろう。すると十四皇子も窓から涼亭に立つ茗薇の姿に気づいた。十四皇子は茗薇の冷たい視線に耐えられず、思わずうつむいてしまう。しかしこの証拠が仇になった。皇帝は九皇子が救済金を着服した上、証拠を奪うために人を殺めたことまで知っていたが、さらにそれを隠して皇太子に罪を押し付けようとしたと激怒する。こうして九皇子は俸禄2年分の没収と蟄居(チッキョ)謹慎となり、また関わった役人たちも厳罰に処されることになった。茗薇は十四皇子を信じた自分の馬鹿さ加減に腹を立てていた。十三皇子はこれも宮中で生き延びるための勉強だと励ましたが、茗薇の失望は大きい。皇子ともあろう者が民の命を虫けら以下に扱い、人を騙すのも平気とは…。「…阿哥は誰も信じられない!」「騙していないのに私まで悪人扱いか?君には誠実に接している、そうだろう?」茗薇は確かにその通りだと納得し、急に照れ臭くなって帰って行った。皇太子は四弟と十三弟の助言で事前に罪を申し出ていた。自ら過ちを認めた皇太子は着服した全額の返還と俸禄1年分を救済金に回すことで廃位を逃れる。すると皇帝は老四に皇太子を補佐するよう命じた。十四皇子が茗薇を待ち伏せしていた。確かに十四皇子は自分を含め誰も信じるなと警告していたが、茗薇は怒りがおさまらない。「あなたに良心はあるの?!小魚は九爺の指図で殺されたのよ? 家族を救おうとした小魚の無念を想像できない?どうして人殺しをかばおうとするの?」「宮中で生きるためには手段など選べない」「聞きたくない、宮中に善人はいないのね…十四爺、恥ずかしいと思わないの?! …もういいわ」茗薇は話しても無駄だと諦めたが、十四皇子に急に腕をつかまれ、連れて行かれてしまう。十四皇子は庭園の木に九兄を縛り付けていた。そこで短刀を茗薇に渡し、小魚の敵を討てという。茗薇は短刀を構えて九皇子に迫ったが、結局、刺さずに十四皇子に返した。「もう騙されない、こんなの茶番だわ、どうせ殺させる気などないくせに… 良い人ぶって罪滅ぼしのつもり?」「他意はない、君のためにと…」「私のため?十四爺の思い違いよ、私の要求は暴力で暴力を制すことじゃない(以暴制暴) あなたたち皇子の良心よ!」茗薇が帰ると十四皇子は九兄を解放した。九皇子は兄を侮辱したとつかみかかり、たかが秀女など何人、死のうが構わないと暴言を吐く。激怒した十四皇子は思わず九兄を蹴り飛ばすと、九皇子は池に落下した。「過ちさえ認めない恥さらしめっ!」そこへわざとらしく十三皇子が通りかかったが、九兄を助けずに行ってしまう。茗薇はひとり小魚を弔った。結局、小魚の家族を助けられず、自分の無力さを痛感する。「この宮中では正義は通らないの?良心のかけらもなく、あるのは策略だけ?」茗薇は何ともむなしくなり、最後に小魚がくれた香袋も燃やしてしまう。意気消沈した茗薇はぼんやり池を眺めていた。そこへ十三皇子が現れ、林檎を差し出す。茗薇は林檎を食べる気分ではなかったが、十三皇子は小魚の家族からだと教えた。実は小魚の遺体を引き取りに来た家族から″恩人に渡してくれ″と頼まれたという。潔白が証明された小魚の父と兄はすでに釈放され、皇帝の命で復職も許されていた。茗薇は小魚の願いが叶ったと知って喜び、ようやく笑顔が戻る。「君が十四に証拠を渡すずっと前から 四哥はこの案件の再調査を命じていたのさ …確かに宮中には不公平なことも多い、だが信頼できる者もいる 善人と悪人の見極め方を今後じっくり学ぶといい」「…宮中に善人はいないわ」「そうか?そうだ、誰かが言ってたな~私の要求は皇子の良心だって… 宮中にいるのは冷酷な者だけとは限らないぞ?」「見てたのね?」「いいや、そんなことを言う者がいただけだ」十三皇子は自分が守ってやると言い寄ったが、茗薇から自分たちの相性は最悪だと軽くあしらわれてしまう。つづく(^ꇴ^)小薇の旗袍の刺繍が素敵~相変わらず雑な感じですが、細かいことは気にせず突き進みます(๑•̀ㅂ•́)و✧
2021.02.25
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第6話「失われた記憶」雅拉爾塔(ヤラルタ)茗薇(メイビ)として紫禁城にやって来た徐薔薇(ジョショウビ)。広大な紫禁城で十三皇子探しは難航すると思われたが、偶然にも2人は御花園で再会を果たした。「十三!会いたくて星に願い事をしたの」愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥(インショウ)は愛しい薔薇を抱きしめ、必ず妻にすると誓った。すると薔薇が2人を引き寄せてくれた灯籠の紅玉飾りを握りしめている。胤祥はこれを誓いの品にしようと決め、1つずつ身に着けることにした。しかし運悪くそこへ兄たちが現れる。驚いた胤祥は咄嗟に薔薇を逃したが、九皇子・胤禟(イントウ)はその風貌から娘が秀女だと気づいた。「十三弟、やることが大胆だな~新しい秀女に手を出すとは…」ここぞとばかりに十三弟を囃し立てる八皇子・胤禩(インシ)たち、やがて四皇子・胤禛(インシン)に咎められて引き上げて行った。胤祥は四兄と2人きりになると、急に浮かれ始めた。実は夢の娘が本物だと伝えようとしたが、胤禛から今はやるべき事が山積みだと発破をかけられてしまう。結局、話をするきっかけを失った胤祥、しかしそれはもはやどうでも良いことだった。薔薇は儲秀(チョシュウ)宮へ戻る途中、こちらに歩いてくる皇子に気づいた。見つかっては困ると慌てて茂みに隠れたが、そこで偶然、小魚(ショウギョ)と鉢合わせする。2人はそのまましゃがみ込んで息をひそめると、ちょうど皇子の話が聞こえて来た。<…太子爺(イェ)、今回の宴は?<皇阿瑪が重視しているのだ、盛大な宴にしなくてはな…薇|ω・`)<あの人が太子なのね~魚|ω⊙`)<太子?!…あの人が?小魚は急に怯えて泣き出した。居所に戻った薔薇は小魚から事情を聞いた。すると小魚が実は他人の名前で秀女選びに参加したと白状する。「私の爹(ディエ)は江南の布政使(フセイシ)だった 今年の夏、大水害が起きた時、朝廷の救済金がたびたび不足したの 爹が調べたら着服した者がいて、上奏を決めたわ でも裏で関わる者が多く、上奏は妨害され、兄と一緒に濡れ衣を着せられて牢獄へ…」小魚は着服の証拠から皇太子や他の皇子が関わっていると知り、家族の無実を訴えるため入宮したという。「教えて、私はどうすればいいの?」薔薇は家族のため1人で皇宮にやって来た小魚の勇気に感心し、力になると約束した。その夜、薔薇の部屋に小魚が訪ねて来た。すると小魚は感謝の印に手作りの香袋を贈る。「絶対、なくさないでね」「うん!そうだ、私に良い考えがあるの、身分の高い知り合いがいるから皇上に会えるかも」小魚は喜び、小薇の優しさと恩を決して忘れないと言った。しかし夜も更けた頃、薔薇の部屋に突然、見知らぬ女たちが現れる。女たちは寝ていた薔薇を起こして拘束、人気のない北苑へ連行すると、そこで小魚を捕らえた納蘭(ノウラン)蓉月(ヨウゲツ)が待っていた。「2人は仲良しね?よく見てなさい、私に逆らうとどうなるか…」蓉月は小薇を薪小屋に閉じ込め、朝になったら北苑に入った者がいると報告するという。その時、突如、黒装束の曲者が屋根から飛び降りて来た。驚いた蓉月たちが逃げ惑う中、曲者は小魚を連れ去ってしまう。薔薇は騒ぎに気づき、薪で窓紗を切り裂いて戸の鍵を開けたが、外には誰もいなかった。翌朝になっても小魚は居所に戻って来なかった。小春(ショウシュン)の話では北苑は陰の気が満ちて亡霊がよく現れるため、禁足になっているとか。しかし薔薇は亡霊など信じないと訴え、明らかに蓉月の仕業だと憤慨した。「そうだ!あの人に頼むわ!」(๑ŏ_ŏ)でもどうやって連絡しよう?スマホがないと本当に不便だわ~ブツブツすると小春は今夜の宴で花火が上がるため、宮中の人なら宴席に来るだろうと教えた。その頃、宴を任された胤禛は準備に余念がなかった。すると十三弟が現れ、星がよく見えるように遠眼鏡(トオメガネ)をくれる。「下心が丸見えだな…言ってみろ、望みは何だ?」そこで胤祥は四兄と十四弟の生母である徳(トク)妃に口添えを頼みたいと切り出した。実は御花園で会っていた秀女を娶りたいという。胤禛は夢の中の娘よりは喜べると茶化し、時間になったので皇帝を迎えに行った。その夜、宮中では盛大に観星の宴が開かれた。薔薇と会うため宴を抜け出した胤祥と十三皇子を探して観星台を目指す薔薇、2人は奇しくも同時に御花園の池にかかる橋を渡り始める。しかしその時、ちょうど流星群が現れ、胤祥と薔薇は思わず足を止めて空を見上げた。…安定性や持続性はまだ証明されていない…戻らない可能性や転送されることで、人は記憶を失う可能性もあるその瞬間、胤祥と薔薇は天象の影響により、時空を超えて出会った記憶を失った。胤祥はふと秀女に会いに来たと思い出した。視線の先には確かに秀女が立っていたが、それが誰なのか分からない。…なぜ私が秀女など相手に?どうかしているぞ…胤祥はきびすを返し、宴に戻ってしまう。一方、胤祥の後ろ姿を見ていた茗薇は、自分がなぜここに来たのか思い出せずにいた。…地球の磁場と流星群が私の記憶に何か影響を?…その時、花火が上がり、御花園を明るく照らす。すると茗薇は池に浮いている死体に気づいた。衛兵が引き上げた水死体は小魚だった。そこへ知らせを受けた十三皇子が駆けつける。「身元は誰だ?」「秀女です、十三爺(イェ)」茗薇は橋で見かけた男が″鉄帽子の胤祥″だと驚く。すると小魚の手には香袋が握りしめられていた。茗薇は慌ててもらった香袋を隠して立ち去ることにしたが、胤祥はそんな娘を怪しんで引き止める。「姑娘(グゥニャン)、待て、訪ねたいことが…」胤祥はあの時、橋に立っていた娘だと気づいた。娘の名前は雅拉爾塔茗薇、亡くなった小魚の友人だった。胤祥はすぐ英禄(エイロク)の娘だと分かり、儲秀宮まで送って行くことにする。そもそも秀女が勝手に儲秀宮を抜け出し、偶然にも御花園で友人の死に出くわしたとは不自然だ。「第一発見者が遺体と顔見知りだった、どう思う?」「疑っているの?!私は殺していません」「他殺だと?事故でも自害でもなく?」「ぁ…私は何も…」茗薇は慌てて緒秀宮に入ろうとしたが、十三皇子に引き止められてしまう。「質問に答えろ、何を知っている?」「その~(はっ)あの日、どうして私を娶ると言ったの?」「(え?)記憶にない」「確かに私を娶ると言ったわ!知り合いでもないのに…」胤祥は自分でも理由が分からず、思わず妻というより妾の顔だとからかったが、茗薇に足を蹴られてしまう。「うっ…」「器が大きいから怒ったりしませんよね~?ふふ」十三皇子は茗薇が気になり、緒秀宮の中までついて行った。すると中庭で待っていた小春が駆けつけ、茗薇に小魚の訃報を伝える。そこへ蓉月が怯えながらやって来た。茗薇は怒り心頭で蓉月に詰め寄ったが、蓉月は小魚の死とは無関係だと訴える。そこで茗薇は十三皇子がこの件を調べていると教え、一番怪しいのは蓉月だと名指しした。「違うわ、私じゃない、黒い人影が小魚を連れ去ったのよ!北苑にいる亡霊だそうよ?」「下手な言い逃れね!…小魚を北苑に連れて行ったのは誰よ!」しかし十三皇子は興奮する茗薇をなだめ、騒ぎが大きくならないよう秀女たちを解散させてしまう。茗薇は不満そうに下がることにしたが、十三皇子が引き止めた。「尋問がうまいな、私の調べを手伝え」茗薇は部屋に戻り、小魚の死を悼みながら香袋をながめていた。その時、ふと小魚も香袋を握りしめて死んでいたことを思い出し、気になって香袋を開けてみる。すると中から小さな紙切れが出て来た。…証拠は寝台の梁(ハリ)に…茗薇は小魚が部屋に残した着服金の証拠を見つけた。関わっていたのは皇太子と九皇子、これを皇帝に見せれば小魚を殺した犯人も見つかるだろう。そこで翌朝、茗薇は皇太子の寝宮に向かった。十三皇子は毓慶(イクケイ)門の前にいる茗薇を見つけた。茗薇は皇太子が小魚の死に関係あると訴え、小魚が皇太子を恐れていたのには理由があるという。すると十三皇子はいきなり茗薇の手を取り、本人に直接、聞こうと言って引っ張って行った。皇太子は風邪を引いていた。すると十三弟がひとりで見舞いに現れ、今は出歩かない方が良いと助言する。「宮中もいささか不穏なので…実は小魚という秀女が御花園の池で溺死したのです その娘は殺されました…それが下手人を捕らえたところ、太子の指示だと言い張って…」「何だと!デタラメに決まっている!」皇太子が憤慨すると、そこへ黒い外套を頭からすっぽり被った茗薇が入って来た。「なぜお前が…隠れていろと命じたはずだ!」皇太子が動揺する様子を見ると、茗薇が外套から顔を出した。「今度は私を口封じしますか?」皇太子は小魚を連れ去ったことは認めたが、殺していないと訴えた。あくまで着服の証拠を取り返したかっただけだという。あの日、小魚を捕らえた皇太子は証拠を渡すよう迫ったが、小魚は家族を守るために拒んだ。そこで証拠を渡せば家族の命を守ると条件を出すと、小魚がようやく承知したという。しかし次に会いに行った時、小魚が溺死したと知ったのだった。十三皇子は皇太子を信じ、茗薇を連れて毓慶宮をあとにした。納得できない茗薇は潔白の証拠がないと反発、権力者ほど嘘が得意だと批難する。「では私は?私を信じるか?…太子を信じる私を君が信じれば潔白だろ?」「何そのロジック?」「ロジ…何だって?」「ロジ…つまりあなたは兄弟だから信じているだけよ、裏付けがないわ」茗薇は苛立ちを隠せず、怒って行ってしまう。しかし十三皇子が腕をつかんで引き止め、皇太子の話を聞けば殺していないと分るはずだと迫った。「他に何か隠しているだろう?言えよ」「めいよー」「私の目を見て言えるか?」↓ジーすると偶然、十四皇子・胤禵(インテイ)が通りかかった。十四皇子は十三兄が白昼堂々、秀女と戯れているとからかった。驚いた茗薇は掟に従って拝礼し、名乗ったが、十四皇子はなかなか免じてくれない。そこで十三皇子が茗薇を立たせ、間に入った。14「娶りたいと言っていた娘か?」13「そうだ、だから?」(ヾノ・∀・`)<イヤイヤ…冗談ですから、真に受けたりしませんて~14「面白い、相手にはその気がないようだな」13「女心を知らないな~口と心は裏腹なのだ」すると十三皇子は十四弟に近づいて耳元で囁いた。「手を出すな…私がもらう」十三皇子は十四弟を牽制し、茗薇を連れて去って行った。一方、八皇子一派も小魚が持っていた着服金の証拠が見つからず焦っていた。ただ小魚が布政使の娘だと知っている者はいないはず、八皇子は心配ないと楽観している。しかし十皇子は十三皇子と秀女が嗅ぎ回っていると教えた。九皇子はたかが秀女に何もできないと鼻であしらったが、八皇子は確かに勘が鋭い十三弟を侮れないと釘を刺す。そこへ突然、十四皇子が現れ、いきなり九皇子の手を捻りあげた。「誰に尻拭いさせる気だ?」十四皇子は四皇子と同腹の兄弟でありながら、八皇子一派だった。しかし救済金の着服や口封じの殺人はあまりに卑劣だと嫌悪し、愛新覚羅の名が汚れると呆れる。「同じ穴の狢になれと言うのなら、私はお断りだ」十四皇子が出て行くと、激しく非難された九皇子は呆然と立ちすくんだ。十皇子は切れ者の十四弟が抜けるのは痛いと訴えたが、八皇子はあれが十四皇子の性格だという。「許せないと思う相手には決して服従しない…」その夜、茗薇は諦めきれず、密かに緒秀宮を出た。すると突然、黒装束の刺客が現れ、取り囲まれてしまう。しかし危ないところで十三皇子と十四皇子が駆けつけ、驚いた曲者は逃げて行った。13「なぜここに?」14「そっちこそ?」十四皇子は茗薇が心配だったと告げ、小魚を殺した犯人も知っているという。「九哥派の人間だ、小魚は九哥の罪の証拠を握っていた 私は自分で判断して行動している、太子をかばうよりマシだ 太子をかばうお前か、己に正直な私か、どちらを信じるかは彼女しだいだ」急に振られた茗薇は驚き、どちらも信じられないと答えて寝宮に戻ってしまう。十四皇子は刺客に襲われた茗薇が例の証拠を持っていると気づいていた。果たして茗薇はどちらを信じ、その証拠をどうするのか。十四皇子は十三皇子を挑発した。つづく|ω・`)あぁぁぁ…話が全く分からない…2人の記憶がなくなっただけで、タイムスリップしたことは分かってるのね?確か紅玉の飾り、1つしか外さなかったよね?で13はもう茗薇が好きになったの?そしてなぜか14も茗薇が気になるのね?そもそも勝手に出られないのに出かけっぱなしだけど…( ̄▽ ̄;)ひとまず記憶がなくなったところで薔薇は茗薇=小薇に移行します皇子たちも名前だと分からないので基本、数字で統一します
2021.02.24
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第5話「清の時代へ」雅拉爾塔(ヤラルタ)家の使用人たちは山中で倒れている小姐(シァォジェ)・茗薇(メイビ)を発見、屋敷へ運んだ。そして翌朝、徐薔薇(ジョショウビ)は雅拉爾塔家の茗薇の部屋で目を覚ます。薔薇は鏡を見て頰をつねってみるが、どうやら夢ではなく現実のようだ。そこへ茗薇の母・文(ブン)氏が入って来た。「無事でよかったわ~よく顔を見せて、怪我はない?頭は痛くない?」「…平気、私は大丈夫よ」薔薇は山中で亡くなった娘の言葉を思い出した。…私が死んだら額娘(エ″ニャン)を悲しませてしまう、私の代わりに生きて…薔薇はこの夫人が亡くなった娘のママ、つまりこの世界で自分の母になる人だと分かった。文氏が安心して出て行くと、薔薇は侍女に自分の下げ飾りを知らないか聞いた。すると紅玉の飾りを返してもらえたが、薔薇が着ていた奇妙な服は燃やされてしまったという。「燃やした?!ひと月分の給料がパーじゃないの!…いいわ、仕方ない」なぜなら今は康熙(コウキ)45年、薔薇は念願叶って十三皇子の時代にやって来たのだ。茗薇の父・英禄(エイロク)は鑲黄旗(ジョウコウキ)で戸部侍郎の官職についていた。先祖は武人の出身で太祖太宗と共に戦場へ、戦で手柄を立てて今の栄華を得たらしい。母・文氏は書香世家の娘で、茗薇は文氏が産んだひとり娘だ。また茗薇には他にも2人の姨娘(父の妾)がいて、腹違いの姉と弟がいる。何でも茗薇は秀女(シュウジョ)として皇宮に上がるのが嫌で従兄・元青(ゲンセイ)と駆け落ちし、その途中で崖から転落したのだった。従兄はまだ見つかっていなかったが、実は元青は不誠実な男だったとか。薔薇は崖から落ちる前の記憶が定かでないと嘘をつき、侍女から情報を聞き出していた。するとそこへ腹違いの姉が現れる。大小姐・茗蕙(メイケイ)は驚いたことに会社の上司と顔も名前も同じだった。従兄との駆け落ちを勧めたのは茗蕙だった。茗蕙は元青が財産目当てだったと知らず、秀女選びから逃れるために手を貸したと言い訳する。「申し訳ないわ、でも父上には言わないで…」薔薇は必死に懇願する姉の顔を見ながら、蒋茗蕙(ショウメイケイ)から罵倒されたことを思い出していた。「分かったわ、言わない」茗蕙は茗薇が崖から転落する前の記憶がないと知り、ほっと胸をなでおろした。薔薇は侍女に拝礼のやり方を確認すると、両親へ挨拶に向かった。するとちょうど母が入内を嫌がる茗薇を秀女候補から外してはどうかと提案している。父はすでに名簿係に″病の身ゆえ辞退する″と申し出ていたが、まだ結論は出ていなかった。そこで今回は茗蕙を1人で行かせることにする。驚いた薔薇は咄嗟に部屋に入ると、両親にぎこちない挨拶をした。「もう元気なので皇宮へ行きます!」確かに茗薇は入内を嫌がっていたが、薔薇は十三皇子に会うため皇宮に行かなくてはならない。「今回のことで覚悟ができたの、ヤラルタ家を代表して秀女になります」しかし入内を夢見て来た茗蕙は父が辞退を申し出たばかりで撤回するのはどうかと口を挟み、今回は自分が行くと訴えた。文氏は身のほど知らずだと茗蕙を非難したが、父はならば姉妹2人で皇宮へ上がればいいと穏便にすます。面白くない夫人は娘の邪魔さえしなければ御の字だと言い放ち、茗薇を連れて出て行くことにした。|ω・`).oO(父の正妻と妾の子、何やら確執があるようね〜でも父は娘を2人とも愛している…どうやら複雑な家庭みたい、気をつけなくちゃ茗蕙は妹をそそのかして追い出したつもりが、予想外に茗薇が無事に戻り、皇宮へ行くと言い出した。そこで今度は細工した靴を贈り、怪我をさせようと企む。「妹妹(メイメイ)~一緒に宮中に上がるからあなたにもお揃いの靴を作ったの 偶数は縁起がいいでしょう?履いてみて」茗蕙は強引に茗薇に靴を持たせ、執拗に履かせようとした。それがかえって薔薇を警戒させてしまう。薔薇は咄嗟に茗蕙の背中に虫がいると嘘をつき、茗蕙が後ろを振り向いた瞬間に靴を取り替えた。そうとは知らず、茗蕙は茗薇に履かせるはずだった靴を自分で履いてしまう。「ほら、素敵でしょう?」すると歩きだした途端、靴底が外れ、茗蕙は足首をひねった。茗蕙は自分が怪我をして歩けなくなり、結局、薔薇はひとりで宮殿へ向かった。茗薇が出発したと聞いた茗蕙は悔しさを滲ませ、ふと幼い頃の屈辱を思い出し、涙する。かつて茗薇はうっかり高価な花瓶を落として割ったことがあった。正妻は茗蕙の仕業だと決めつけたが、茗薇は母の憤怒に怯えて自分が落としたと言い出せない。罰を与えられた茗蕙は何度も助けを乞うて泣き叫んだが、妹は助けてくれなかった。茗蕙は袖をまくると、当時、割れた花瓶で切ってしまった手首の傷を眺める。今でも手首に傷は残っていたが、花の模様を描いて隠していた。「妹妹、宮中で待っていなさい…必ず会いに行くから」薔薇は茗薇として憧れの紫禁城へやって来た。すると秀女の中に親友・小秋(ショウシュウ)と瓜二つの娘を発見する。薔薇は親しみを感じ、早速、自己紹介した。「雅拉爾塔茗薇よ、小薇って呼んでね、あなたは私の親友によく似ているの」「私は春華(シュンカ)、漢軍旗、鄭(テイ)家の娘よ、小春と呼んで」2人は意気投合し、秀女たちの居所となる儲秀(チョシュウ)宮でも隣同士の部屋になった。「あなたが隣でよかった~とても不安だったの」「小薇、側室に選ばれるか心配なの?」( ・ノェ・)コソッ<実は私の目的は別なの…薔薇は本当の目的は人探しだと教えたが、早々に大きな壁に打ち当たった。宮中では掟が何よりも重視され、禁足地も多かった。秀女たちは無断で儲秀宮を出られず、また儲秀宮に近い北苑も入ってはならないという。禁足地に入った者は軽くて杖刑(ジョウケイ)、重ければ打ち首の刑だった。薔薇はこの広い紫禁城でどうやって十三皇子を探せばいいのか分からず、途方に暮れる。「まあ~いいや、いずれ道は開けるはずよ~」すると中庭で何やら揉め事が起こった。秀女の1人、納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)は貴妃の叔母を持ち、一目置かれていた。すると蓉月が急に正房に住みたいと言い出し、すでに入っていた小魚(ショウギョ)を強引に追い出してしまう。小魚は仕方なく出て行くと了承し、放り出された荷物を集め始めた。その時、蓉月がわざと小魚の衣を踏みつけ、自分の靴より汚くて気づかなかったとのたまう。誰もが呆れながらも納蘭家に口を出せない中、突如、薔薇が蓉月の前に立ちはだかった。「やり過ぎよ」「あなた誰?」「私が誰かはどうでも良いの、重要なのは私なら身内の威光を笠に人をいじめたりしないってこと」「私の姑母は貴妃よ!」「人を指差すのは失礼だと習わなかったの?」薔薇は蓉月の腕を下に降ろすと、椅子に腰掛けた蓉月のおでこに人差し指を突き立てた。「貴妃が何よ、皇帝じゃないでしょ?それとも貴妃なら民を苦しめてもいいの?」憤慨した蓉月は立とうとしたが、なぜか立ち上がれず、侍女に茗薇をどかせと怒鳴った。しかし茗薇が急に指を外したため、立とうと躍起になっていた蓉月は勢い余って前に倒れてしまう。「次は手加減しませんからね~」「覚えてなさいっ!」小魚は会社の同僚・小冰(ショウヒョウ)と瓜二つだった。薔薇は小冰にも以前、″椅子に座っている人は指一本で立てなくなる″と教えてあげたことを思い出す。すると小魚と小春はあの納蘭家を怒らせてしまった茗薇を心配した。「知っているけど威張り過ぎよ!性格も悪そう…」当の薔薇は尋ね人に会えればそれでいいとどこ吹く風だったが…。一方、十三皇子・愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥(インショウ)は兄弟たちと一緒に皇帝の茶会に参加していた。すると康煕帝が欽天監(キンテンカン)からの上奏で、近いうち100年に一度の流星群が現れると伝える。「宮中の皆で流れる星を眺めようではないか」そこで観星台に宴席を作り、盛大な宴を開くことになった。納蘭貴妃は宴を皇子に仕切らせてはどうかと提案、その時、すかさず八皇子・胤禩(インシ)が名乗りを上げようとしたが、胤祥に先を越されてしまう。「皇阿瑪(アーマ)、内務府を管轄する四哥(グァ)が適任です!四哥は秩序だった管理が得意です」こうして十三皇子の推挙により、皇帝は宴を四皇子・胤禛(インシン)に任せると決めた。皇子たちは皇太子の寝宮に集まった。観星の宴の大役を四兄に奪われた八皇子一派は面白くないが、早々に胤禛が牽制する。「十三、江蘇(コウソ)布政使(フセイシ)による災害救済金着服の一件だが… 人望も厚い清廉な役人だったと聞いた、どうも違和感がある、もしや…」「江南は水害が多く、布政使は堤防工事で農民を救済していたとか… 救済金の横領などするような人物とは思えませんね~何か裏があるのでは?」実は胤祥は皇帝からこの件の真相解明を任されていた。すると後ろ暗い九皇子・胤禟(イントウ)が口を挟む。「なぜ皇阿瑪はこんな厄介事を十三弟に託したんだ?たかが地方役人の汚職だろう? 利害もたかが知れている、あらぬ誤解で身内を攻撃したりするなよ?」皇太子は話を遮って派閥のにらみ合いを終わらせようとしたが、胤祥は退かなかった。「九哥は役人らを抱き込むため、金銭や屋敷を贈っているとか?その手腕に心から感服いたします ただ八哥や九哥はこの救済金の担当だったはず…今や避けたい話題ですか?」「何だと?!」十皇子・胤䄉(インガ)は思わず席を立ったが、八兄に座って菓子を食べるようたしなめられてしまう。その時、兄たちのいがみ合いをひとり冷ややかに見ていた十四皇子・胤禵(インテイ)が口を開いた。「十三哥は心得ていますよ、九哥もお気になさらず…」そこで皇太子は弟たちの仲を取り持とうと、宴を成功させるために兄弟揃って四弟に協力しようと訴える。四皇子と八皇子は笑顔で了承したが、互いに静かな闘志を燃やしていた。↓おじいちゃんが太子、斉藤さんが9爺、ラッパーが10爺薔薇は儲秀宮を抜け出し、皇子の居所である東院を探し始めた。しかしこの広い紫禁城では方角さえ分からず、スマホのありがたみが身に沁みる。やがて疲れて花を見ながら腰掛けると、故宮で見た杏の木を思い出した。「13…私、来たのよ?なぜあなたに会えないのかしら?」薔薇は落胆してうなだれると、その時、水面に映る人影に気づく。驚いた薔薇が顔を上げると、池の反対側に胤祥が立っていた。「シーサン!」「…シァォウェイ!」つづく(  ̄꒳ ̄)茗薇って性格が…これじゃ大小姐が屈折するのも仕方ないかも?それにしてもてっきり茗薇と服を着替えて入れ替わってるのかと思ったら、そのままとか…w
2021.02.23
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第4話「杏の花の想い」徐薔薇(ジョショウビ)は十三皇子・愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥(インショウ)に惹かれながらも、2人の関係に限界を感じて十三皇子を突き放した。しかし仕事に身が入らなくなり、ミスが目立つようになってしまう。一方、追い返された胤祥は四兄・胤禛(インシン)と酒を飲み、憂さ晴らししていた。胤禛は十三弟の夜更かしが珍しいと気づいたが、聞いてみれば夢の中の娘から″もう来るな″と言われたという。夢にうつつを抜かす十三弟を心配していた胤禛は安堵し、夢は夢でしかないと言い聞かせた。胤祥は本当に時を超えたと訴えるが、四兄から実在する娘なら連れて来いと言われてしまう。「そろそろお前も目を覚ませ…妙な噂を立てられずに済む」「分かっています…こんな悩み、理解されるはずない」薔薇は今さらながら十三皇子に暴言を吐いたことを後悔した。「もう来るわけないよね…これでいいのよ、自分が望んだ結果じゃない」とは言っても自然とあの灯籠に目が行ってしまう。しかし胤祥はまだ諦めたわけではなかった。酒を飲みながら何やら思いついた胤祥は、四兄に自分のすべきことをすると断って帰ってしまう。「証明するんだ、愛新覚羅胤祥は決して幻ではないことを…」すると胤祥は貼身太監・順児(ジュンジ)と庭に穴を掘り、杏の苗木を植えた。薔薇は寂しさを紛らすため、親友の小秋(ショウシュウ)を映画に誘った。しかしこんな時に限って小秋は留学中の恋人が会いに来るので付き合えないという。薔薇はひとりの部屋に帰るのが嫌で、仕方なく街を歩いて時間を潰した。すると偶然、また量子物理学の公開講義が行われている会場を通りかかる。薔薇はあの時、教授が″異なる時空をつなぐワームホールが存在しないとは言い切れない″と話していたことを思い出した。薔薇は家に到着すると、そっとドアを開けた。しかしやはり十三皇子の姿はいない。…本当にもう来ないの?13(シーサン)爺(イェ)…そして休日の朝、薔薇がテレビをつけると、ニュースで思いがけず十三皇子の名を耳にした。『…故宮で杏の古木が花をつけ、満開を迎えました この木は康熙(コウキ)時代、十三王爺・胤祥が植えたとされる樹齢300年以上の古木です 歴史ある古木が満開というロマンチックな光景が訪れる人々の目を楽しませています…』薔薇は居ても立ってもいられず、故宮へ駆けつけた。「まさか私のために植えてくれたの?」その時、杏の木に集まった群衆の向こうに、あの神秘な灯籠をくれた老婦人を見つける。驚いた薔薇は老婦人に駆け寄ったが、老婦人はなぜか薔薇が来ると分かっていたようだった。「婆婆(ポポ)、何か知っているの?」「私はあらゆることを知っているよ、何もかもね…」「じゃあ、この木は?」「あなたのためだよ」「でもあれは夢でしょう?」「ただの夢なら、あなたはなぜ来たんだい?…星が流れたらあなたにも分かる」「でも私たちの間には300年もの時の隔たりが…」「歳月は絶えず流れゆく…時は一番の目撃者だよ」「婆婆、あなたは一体、誰?!」しかし老婦人の姿はいつの間にか消えていた。その夜は雷雨になった。薔薇は初めて十三皇子が現れたあの日も激しい雨だったと思い出し、窓から外を眺める。本当にこのまま会えなくなってしまうのだろうか。その時、灯籠が自然と灯ったかと思うと胤祥が現れた。「…ごめんなさい、あの日は言い過ぎたわ」「不愉快だったが私もよく考えてみた、認めるよ…」「紫禁城の杏の木、あなたが私のために?」「(コクリ)…小薇、君が好きだ」「13爺、でも300年もの時を超えて愛し合える?無理でしょう?」「だが私は時を超えてここに…私と君の縁はこれで終わりではないはずだ」「…認めるわ、私もあなたが好き、でも勇気がないの」「私が勇気をやる」胤祥は思わず薔薇に唇を重ねた。すると灯籠の紅玉が輝き始め、時空が歪んで交差する。2人は驚いたことに口づけを交わすことに成功し、抱き合って喜んだ。これでこれからは一緒にいられる、そう思ったが、急に胤祥の身体が消散してしまう。「13!13!どこへ行ったの?」「小薇(シァォウェイ)!…聞こえない!…でもまた会えるよ!…小薇!」胤祥がこつ然と消え去り、灯籠の灯りも消えた。2人を引き寄せた神秘の灯籠、薔薇はふと紅玉飾りをひとつ取り外し、お守りにする。するとちょうど机の上にある公開講義のパンフレットに目を留めた。薔薇は翌日、再び量子物理学の公開講義に参加した。そこで講義が終わってから王(オウ)教授に個人的に質問してみる。「量子テレポーテーションは実生活でも起きるのでしょうか?」「もちろん、量子物理学は生活の中に存在する、我々の意識も一種の量子現象だよ 思考も突き詰めれば量子の運動だ」「たとえば人が過去から未来へ来て、最初は単なる幻影で時々、触ることができたのに 突然、消えたりするのも量子の転送ですか?」「うむ、その可能性はある」「消えても戻ってきますか?」「安定性や持続性はまだ証明されていない 戻らない可能性や転送されることで、人は記憶を失う可能性もある」薔薇は呼び戻す方法があるのか食い下がったが、まだ研究段階であり、王教授の話ではワームホールの場所も予測できないという。薔薇は十三皇子のことにかまけて仕事のつまらないミスが続いた。それが原因で突然、プロジェクトの責任者から下ろされてしまう。蒋茗蕙(ショウメイケイ)から決定を聞いた薔薇は納得できず、理事会に掛け合うと反発した。しかし蒋茗蕙から交渉の余地などないと一喝されてしまう。「私が後任者になったわ、不満があるなら辞めたら?代わりはいくらでもいるから!」深く傷ついた薔薇は職場を飛び出し、小秋の家に転がり込んだ。小秋は傷心の親友を慰めたが、仕事はもちろん、例の彼氏にまで逃げられたと早合点する。「鏡を見なよ、唇はガサガサ、顔色も悪い、全て失った顔だよ!」「別に逃げたわけじゃ…」薔薇はなぜか再会できる予感がすると言った。その時、TVから珍しい天象のニュースが流れてくる。「…明晩が観測のチャンス、珍しい天体ショーが幸運をもたらすと言う人もいます ぜひ明晩、近くの高い場所で観測を…」小秋は気分転換に明日の晩、2人で一緒に観ようと誘った。薔薇と小秋は天体観測のため高層ビルの屋上にやって来た。小秋の話では今夜は天体の特殊な現象でワームホールが出現する可能性があるという。「願い事をすればその彼氏に会えるかもよ? 占星術師が″土星と月が近づいた時、心から願い事をすると奇跡が起きる″って言ってた」そこで薔薇は半信半疑ながら手を合わせ、彼に合わせて欲しいと願う。すると無性に杏の木が見たくなり、小秋に先に帰ると伝えて走り出した。薔薇は真夜中の故宮にやって来た。しかし杏の木をながめていると余計に寂しさが募る。…星に情けがあり、奇跡を起こせるなら、どうかあの人のいる所へ私を連れて行ってするとまるで薔薇の願いが十三皇子に聞こえたかのように杏の花が舞い散った。…もう待つのは嫌よ、教えて、どうすればあなたに会いに行けるの?…13、あなたに会いたい!薔薇は家に帰ることにした。しかしあの日と同じように宮道から出られなくなり、導かれるように藴秀宮(ウンシュウキュウ)へ迷い込んでしまう。すると上着のポケットに入れていた紅玉がなぜか輝き出した。『小薇?』『小薇!』『小薇…』誰もいないはずの宮殿からなぜが自分を呼ぶ声が聞こえて来る。薔薇は背筋が寒くなり逃げ出そうとしたが、なぜか足が動かなくなった。辺りには白いもやが現れ、あまりの恐ろしさに薔薇は悲鳴をあげて座り込んでしまう。「キャアァァァーッ!」気を失った薔薇が目を覚ますと、見知らぬ山の中に倒れていた。視線の先には清朝の衣を着た娘が口から血を流して倒れている。「あなた…大丈夫?」「あなたは?」「こっちが聞きたいわ、ここはどこ?…ともかく誰か呼んで来る!」しかし娘は薔薇の腕をつかんで止めた。「行かないで…私はもうダメ…私が死んだら額娘(エ″ニャン)娘を悲しませてしまう… お願い…私の代わりに生きて…」すると娘は絶命した。つづく(  ̄꒳ ̄)あれ?確か書画もスマホに写っていなかったはずなのに…ともかくようやくタイムスリップ!
2021.02.22
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第3話「愛しい幻」徐薔薇(ジョショウビ)は十三皇子・愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥(インショウ)の助力のおかげで設計図の修正を無事に終えた。この設計案は貝(バイ)先生から高評価を得て正式にプロジェクトの責任者に任命される。( ๑≧ꇴ≦)و✧yes!彼に感謝しなくちゃ!しかしこれが上司である蒋茗蕙(ショウメイケイ)の嫉妬心をあおり、薔薇への激しい憎悪に変わった。一方、清代では胤祥が貼身太監・順児(ジュンジ)と市に出かけていた。すると胤祥は花屋の鮮やかな薔薇に目を留め、宮中へ持って帰ることにする。順児は十三皇子が宝物を集めたかと思えば、建築模型を探し、今度は花かと驚いた。「毎日が楽しくなるだろう?」「そうですね」順児が早速、花を買ってくると、胤祥はしみじみこの光景を薔薇に見せてやりたいと願った。薔薇との楽しい時間を思い出して笑みがこぼれる胤祥、その時、人ごみの中に薔薇の姿を見つける。「小薇(シァォウェイ)?」驚いた胤祥は後を追いかけたが見失い、人違いだと思い直して引き返した。薔薇に瓜二つの娘・茗薇(メイビ)は誰かに付けられていると気づき、裏道に隠れて息をひそめた。そこへ従兄・元青(ゲンセイ)が現れる。名家の娘である茗薇は父が自分を秀女選びに出すと知り、追い詰められていた。姉から駆け落ちするしかないとそそのかされた茗薇は皇宮に入るなら死んだほうがマシだと訴え、一緒に逃げて欲しいと懇願する。元青も覚悟を決め、愛しい茗薇を連れて都を出ると同意したが…。プロジェクトの責任者となった薔薇は残業が続いていた。そんなある夜、タクシーを捕まえられずに歩いて帰った薔薇は、すっかり身体が冷えてしまう。胤祥は七夕を前に花を贈ろうと待っていたが、薔薇は部屋に入るなりソファで横になった。「ハクション!ぁぁぁ…風邪を引いたみたい…」「風邪を甘く見るな、そんなところで寝てはダメだ!ほら起きろ!起きろ!」十三皇子にしつこく起こされた薔薇は仕方なくロフトへ上がった。ちょうどその時、小秋(ショウシュウ)から電話が鳴ったが、薔薇は通話にしたまま意識を失ってベッドに倒れてしまう。薔薇が目を覚ますと小秋がいた。異変に気づいた小秋が飛んできたところ、薔薇が高熱を出して倒れていたという。「それに妙な男の人の声が…こもった声で″小薇を助けて″って聞こえたの」あの時、胤祥は薔薇を助けたくても何もできず、スマホに向かって懸命に訴えかけていた。しかし小秋にはすぐ後ろに立っている十三皇子の姿を認識できない。「もしや部屋に男の人を隠している?」「まさか!そんなわけないでしょう?くすっ」小秋は薔薇の様子をいぶかしみながら、とにかく粥を作ってくると言った。( ・ノェ・)コショッ<謝謝! ъ( ̄꒳ ̄ )胤祥が書画を完成させた頃、熱が下がった小薇が降りて来た。昨夜は気がつかなかったが、十三皇子の机の上に綺麗な薔薇がある。「これあなたが?」「もちろんだ」すると胤祥は薔薇のために描いた絵を贈る。「13爺(イェ)は文武両道なのね!」薔薇はせっかくなので一緒に写真を撮った。「その絵、素敵ね!」「″杏花も実を結びし深き春 誰ぞ解す 独り来る我が心″…いつまで私を独りで来させる気だ?」「13爺…あなたの親切は嬉しかった、でも私たちには300年っていう時の隔たりがあるのよ?」「私が来られるなら君も来られるはずだ」「どうやって?ゴホッゴホッ!」薔薇は時空を越えるなど現代の科学でもまだ解明されていないと呆れ、寝るのも飽きたと言ってテレビを見ることにした。そこで胤祥は清代の椅子をソファに置いて薔薇の隣に座る。2人は清朝の古装ドラマを見ていたが、なぜかこうして2人で並んで杏花を見上げたことがあるような気がした。翌朝、薔薇が起きてくると十三皇子が心配そうに待っていた。薔薇はまだ咳が治らず薬を飲んだが、胤祥は宮中に伝わる秘薬ならすぐ治るという。それはみかんを串刺しにして火であぶり、焼けたら皮ごと食べるという方法だった。「これが門外不出の方法?!医薬というより民間療法じゃないの…」薔薇は文句を言いながらもガスコンロでみかんを焼いて食べてみる。「うん、美味しい!今度は御膳房の料理を教えて!」2人は触れ合うことができない中でも友好を深め、薔薇もいつしか十三皇子に惹かれていった。元気になった薔薇はお礼に小秋を食事に誘った。しかし薔薇の様子が明らかにおかしい。小秋は直感で薔薇に好きな人ができたと気づいたが、薔薇は決して認めなかった。そこで小秋は薔薇の写真を取ると、すぐにスマホに送信する。「自分でよく見てみなさい、映画でよくあるでしょう?恋人を想うヒロインの顔よ!」薔薇は仕方なく写真を見ることにしたが、その時、偶然、十三皇子と一緒に撮った写真を見つけた。その時、薔薇は急に現実に引き戻され、愕然となる。写真に写っていたのは自分だけ、十三皇子も書画も消えていた。「実は叶わぬ恋なの…」「小薇っ…不倫は駄目よっ」「何を考えているの?!とにかく私たちは結ばれない運命なの」薔薇は自分が落胆していることに気づき、十三皇子に恋していると確信した。…彼は幻で現実じゃないのよ?300年前の人に恋するなんてどうかしてる!…焦った薔薇は小秋に恋人を紹介して欲しいと頼んだ。小秋は早速、友だちを3人集めて一緒に飲むことにしたが、薔薇は十三皇子の幻覚に悩まされる。十三皇子を忘れようと酒をあおる薔薇、その頃、胤祥はなかなか帰ってこない薔薇を心配していた。すると泥酔した薔薇がようやく帰宅し、そのままソファに倒れこむ。「小薇、起きろ」「まだいたの?もう顔も見たくない…」胤祥は酔いつぶれた薔薇をロフトまで運んでやりたいが、それも叶わず、仕方なく一晩中、見守った。翌朝、薔薇が目を覚ますとまだ十三皇子がいた。胤祥は心配してなぜ酒を飲んだのか問い詰めると、薔薇は夢の中の自分を心配する必要はないと突き放す。「一体、どうしたんだ?」「…私が好き?」「そうとも、好きだ、一目会った時から好きだった」「でも何もできないでしょう?街を歩いたり、食事をしたり、私を助け起こすこともできないくせに」「急に何を言う…」はやみゆー( ̄。 ̄ノ)ノ「あなたは幻だと気づいただけ…」「確かに私は夢の中でしか来られない、でも話をしたり、君を喜ばせることはできる 決して幻なんかじゃ…」「やめて!あなたには楽しい夢でも、私には?…幻を好きでいるなんてできない!(はっ…)」「…つまり君も私のことを?」薔薇はうっかり自分の気持ちを告白し動揺した。そこでちょうどキッチンにあったみかんを手に取る。「これが私の気持ちよ、つかんでみて、つかめなければ2度と私の前に現れないで」薔薇はみかんを十三皇子に投げた。しかしみかんは胤祥の手をするりと抜けて床に落ちてしまう。「ね、無理でしょう?…帰って、2度と来ないで」胤祥が目を覚ました。すると薔薇の部屋から胤祥の椅子や調度品も消え、灯籠の灯りも消えてしまう。つづく※「杏花結子春深后 誰解多情又独来」=白居易「重尋杏園」(^ꇴ^)あはは~2人で″歩歩驚心″見てる~で、タイムスリップはまだなのかと…( ̄▽ ̄;)
2021.02.19
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第2話「夢での出会い」時は清朝、康煕(コウキ)45年…。十三皇子・胤祥(インショウ)と十四皇子・胤禵(インテイ)の勝負はまたしても決着がつかず、同時にくす玉を割って引き分けとなった。その夜、胤祥は四皇子・胤禛(インシン)と杯を傾けながら、自分が見た不思議な夢の話を聞かせる。しかし胤禛は興味を示さず、夢にうつつを抜かしている場合ではないと戒めた。「でもな〜あの娘を連れ帰りたい…」胤祥は夢の中であの娘と出会えたのも天意ではないかと感じていた。一方、徐薔薇(ジョショウビ)は社内コンペで見事に仕事を勝ち取り、自宅へ帰った。するとまだ辮髪の青年が居座っている。机に座って寝たふりをしている胤祥。薔薇はまじまじと青年を見てみたが、急に青年が動いたので逃げるようにロフトへ上がった。今は企画案の修正に集中する時、薔薇は着替えて早々に机に座り、仕事を始める。その間も辮髪の青年は書物を読みながら部屋を行ったり来たりしていた。「はあ~5秒だけ休憩…」薔薇は目を閉じて数え出したが、その時、胤祥は娘の頭上にある天井の大きな照明が揺れていることに気づく。すると照明のネジが外れ、ちょうど胤祥の足元に落ちた。「危ないっ!」天井の照明が落ちてきた。いち早く気づいた胤祥が咄嗟に飛び出すと、老婦人がくれた灯籠の玉が光を放つ。すると時空が歪み、胤祥は薔薇の腕を引っ張って助け出すことに成功した。しかし青年がただの幻覚だと思っていた薔薇は度胆を抜かれ、恐怖におののく。「幽霊じゃなかったの?来ないで…何する気っ?!」「無礼な娘だ、助けてやったのに礼も言わぬとは…」驚いたことに薔薇と胤祥は言葉を交わすこともできた。「よく聞け、私は大清王朝の十三皇子だ」「大清?十三皇子?…って、助けてーっ!」薔薇はいよいよ異常者が家に入り込んだのだと誤解して大騒ぎ、助けを求めて逃げ回る。困った胤祥は興奮した娘を押さえつけ、思わず口づけして黙らせた。「やむを得なかったのだ」「…本当は何者なの?」「まだ確かめてみたいか?」「うっ!来ないで」薔薇はひとまずありったけのろうそくに火をつけた。青年の話では夢を見るとなぜかここに来てしまうという。しかし薔薇は300年前から愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥が来たと言われても到底、信じられなかった。胤祥もようやく自分が300年後の未来にいると知ったが、今や朝廷も皇帝もないと聞いて驚きを隠せない。「それより…元の世界に帰ってくれない?」「何?!…来た以上は楽しむぞ、300年後の世界のことを教えてくれ」すると胤祥は娘が説明してくれる文明の利器にすっかり魅了された。薔薇は十三皇子の出現が夢なのか現実なのか分からず困惑した。そこで量子物理学の公開講義に参加、実は未知のワームホールも存在しないとは言い切れないと知る。薔薇は青年の話に半信半疑だったが、過去の人間が時空を越えて現代に現れることもあながち否定できない気がしていた。そんなある日、十三皇子が薔薇の机に広げてある平面図を興味深げに見ていた。「分かるの?」「当たり前だ、これは我が大清の屋敷を模した建物の図面だな?」胤祥は薔薇の夢が建築士になることだと知る。どうやら薔薇は″社長″という主人に仕えている″奉公人″らしい。現代の女子とは苦労なことだ。「待て…これをこちらにしては?」すると胤祥は鉛筆を持っている薔薇の手に自分の手を乗せ、修正点を示した。「そなたが気に入った、私に嫁げば苦労はさせぬぞ」しかし薔薇は手を離して無視する。「…だがその図面はとても分かりづらい」「どういう意味?」「知りたくば伏して頼め、あるいは私に嫁ぐが良い」「何様よ?!ここでは私が主よ!」薔薇が反発すると、そこで十三皇子はふっと消えてしまう。胤祥は目を覚まし、清代に戻った。すると手の甲に小さな傷があることに気づく。「(はっ!)夢じゃない!現実なんだ!」そこへ四兄が現れた。興奮冷めやらぬ胤祥は300年後の現代で見たものを絵に描きながら説明したが、胤禛は荒唐無稽な話に呆れ果てる。「本当に現実なんです!ほら!これはその娘を助けた時についた傷で…」しかし四兄の苛立ちに気づき、胤祥は口ごもった。胤禛は十三弟には暇があり過ぎると考え、王府に戻ったら早速、縁談の相手探しをすると言って帰ってしまう。現代では薔薇が貝(バイ)先生に修正案を提出していた。すると貝先生はむしろ複雑になったと眉をひそめる。しかし十三皇子が直してくれたところだけは気に入り、皇室の気品があると褒めた。「この概念を設計全体に取り入れてほしい」そこで貝先生は蒋茗蕙(ショウメイケイ)に力になるよう頼んだ。薔薇は行き詰まっていた。皇室の気品と言われても庶民の自分に分かるはずもない。その時、薔薇は本物の皇子がいることを思い出した。薔薇は急いで自宅に戻ると、今夜も十三皇子が来ている。「あなたにお願いがあるの!私には貴族の生活なんて分からないでしょう? だから教えてほしいの」薔薇は清代の拝礼の仕方が分からず、ひとまず頭を下げて頼んだ。「礼儀はよいな、だが…私は貴族ではない、皇族だ」「そうでした~13爺(イェ)~」すると胤祥はまた自分に嫁ぐよう勧め、十三福晋(フジン)となれば自然と皇族の気品が身につくという。薔薇は仕方なく協力してくれる代わりに嫁ぐ以外のことなら何でもすると約束した。「では…再び″現代″を感じさせてくれ」胤祥の要求の意味を考えた薔薇は少しためらったが、十三皇子の頰に口づけする。「私が好きなのか?!」「違うわ、これは外国風の挨拶よ」「顔が赤いぞ?ふっ、やはり女は嘘つきだな」薔薇は急に恥ずかしくなり、ロフトへ逃げてしまう。清代に戻った胤祥は薔薇のために調度品を準備した。ついでに四兄が大切にしている香炉まで貸してもらい、机の上に並べて眠ることにする。そしてその夜、薔薇は十三皇子のおかげで清代の本物の宝物を目の当たりにし、感銘を受けた。しかし薔薇が直接、触ることはできない。そこで胤祥は1つずつ手に取り、薔薇に細部まで見せてくれた。「金銀宝石で飾れば高貴になるわけではない 表面的な装飾よりも、滲み出る気品こそが尊重と継承に値する」「ありがとう!13爺!」すると薔薇は自分の灯籠を見せることにした。「これよ、もらい物なんだけど、この灯籠が輝いた晩にあなたが突然、現れたの」「どうやらただの灯籠ではなさそうだ…この紅玉の飾りは宮中の灯籠とは違う 我々を引き寄せた神秘の灯籠だな」確かにこの灯籠が自然と灯ると十三皇子が部屋に現れる。薔薇はどことなく不気味な気がして話題を変えた。「他の宝物も見せてくれる?」薔薇は十三皇子が康煕帝から下賜されたという弓に興味を持った。しかし試してみたくても触ることができない。そこで胤祥は弓を持って自分の前に薔薇を立たせ、目を閉じて自分の指示通りに心で感じ取ってみるよう助言した。すると不思議と薔薇の手に弓や弦を引いている感触が伝わってくる。感激した薔薇は実はもう1つ頼みがあると古い図面を出した。「この建物は現存していないから構造が分からないの、教えてくれない?」「…そなたはいささか図々しいぞ?主客転倒だ」「待って!ここは私の家よ?」薔薇は思わず言い返したが、すぐに下手に出た。「ねえ~お願い~どうすればいいの?」「謙虚になったな…その線は中心を貫いていない、もう片方を見れば何が足りないかが分かる」胤祥は的確な助言を与え、薔薇が真剣な面持ちで図面を引く様子を目を細めて見ていた。つづく(  ̄꒳ ̄)う〜ん、触れたり触れられなかったりが良く分からない※第1話は昨年の初放送時にアップしたため、カテゴリー内に入っています(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾ペコ
2021.02.18
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第1話「灯籠と豪雨」徐薔薇(ジョショウビ)は北京で働く見習い設計士。その朝も通勤バスがいつものように大好きな故宮の前を通りかかった。すると薔薇は故宮の前にたたずむ辮髪の青年と目が合う。薔薇は驚いて振り返ったが、その時にはすでに青年の姿はこつ然と消えていた。↓ヒロイン・徐薔薇会社に到着した薔薇は次のコンペのテーマが「故宮と時間」だと知った。締め切りは明日、すると上司・蒋茗蕙(ショウメイケイ)から見習いでも設計案を出すよう命じられる。やる気満々の薔薇、実は故宮に惹かれるには理由があった。故宮へ行くと不思議と昔の人を身近に感じ、あの赤い大きな扉を見ると、なぜか前世はあの扉の向こうで働いていた気がするからだ。↓綺麗な上司は好きですか?薔薇は蒋茗蕙から故宮へ行って資料を借りて来るよう頼まれた。すでにもう午後4時、会社を飛び出した薔薇は何とか閉館時間ぎりぎりに資料室へ滑り込んだが、担当者からあと7分で資料を集めるのは無理だと追い返されてしまう。そこで薔薇は自分で探すと申し出た。「ふん、いいわ…」担当者はお手並み拝見とばかりに高みの見物を決め込む。すると驚いたことに若微は閉館時間の5時ぴったりに資料を集めて戻って来た。「すごいわね!」「昔、よく来ていたんです…あ、ところで他にも係りの方がいますか?」「え?いないわ、私だけよ」しかし資料を探している時、薔薇は一瞬だが人影を見た気がした。薔薇は無事に資料を借りて帰ることにした。するとどういう訳かなかなか出口へたどり着けない。しかし目を閉じても歩けるほど通い詰めている故宮、自分が道に迷うとは思えなかった。「北は万歳山(バンセイザン)、南は金水河(キンスイガ)…間違いないのに(ブツブツ」やがて日も暮れると、薔薇は携帯のライトを照らして歩き始めた。閑散とした故宮に取り残された薔薇、やがて携帯の電源も切れ、暗闇をさまよっていた。すると偶然、灯りのともった部屋を発見する。「ニーハオ、誰かいますか?」「やっと来たね…お入り」部屋には銀髪の老婦人がいた。老夫人はなぜか薔薇をずっと待っていたという。困惑する薔薇だったが、ともかく出口の方向を教えて欲しいと頼んだ。「…この場所は1度入ったら簡単には出られない 大勢が道に迷い、閉じ込められ、永遠に出口にはたどり着けぬのだ」「出口をご存知では?」しかし老婦人は首を横に振る。「自分で探してみます、お邪魔しました」「…お待ち」すると謎の老婦人は薔薇に古い灯籠を渡した。「この灯籠で照らせば進む道が見つかるはずだ…あげるから持ってお行き」薔薇は灯籠の明かりを頼りに歩き出した。人の気配もなく、白い靄がかかる宮道、すると屋根に留まっていたカラスが急に鳴き始める。灯籠の玉飾りがなぜか光を放っていることなど知る由もなく、薔薇は怖くなって小走りになった。その時、目の前にわずかに開いた扉から光が差し込んでいるのが見える。薔薇はついに敷居をまたいで門から出ると、背中で扉が勝手にバタンと閉じる音を聞いた。「幻覚よ…幻覚を見たんだわ…」薔薇は無事、自宅に到着した。とりあえずテレビを点けて、老婦人から借りた灯籠を壊さないようハンガーに掛けておく。その頃、テレビのニュースではまもなく土星と月が大接近し、土星と月の磁場の相互作用で地球に影響が出ると伝えていた。『月と土星の大接近は古文書にも観測の記録があり、七月流火(シチガツリュウカ)と呼ばれ、 古代では希望の象徴とされていました 輪を持つ土星がオレンジ色に輝き、月の傍らで舞うように見えます 2つの天体が寄り添う様子は、まるで恋人同士の逢瀬であるかのようです …土星は太陽系で最も美しい惑星で月よりも遠くにあります 月も土星も空間を移動しており、月は他の惑星や恒星よりも移動速度が速いため、 一定の時間ごとに…』ニュースに耳を傾けていた薔薇だったが、早速、資料に目を通すことにした。するとある本から古い設計図のような物を発見、しかしあまり深く考えず、元に戻しておく。『今回の土星と月の大接近は非常に特殊で、前回、観測されたのは康熙(コウキ)45年とのこと 約300年ぶりに見られる美しい天体ショーです その夜、天気が良ければ東南の夜空を見ると、丸い鏡のような月が見えます 土星と月は一見、近づいて見えますが、三次元的には15億キロも離れています…』その夜は警報通り大雨となり、激しい風が吹いた。薔薇は徹夜で作業していたが、やがて雷鳴が轟いたかと思うと停電してしまう。するとなぜかあの灯籠がともり、くるくると回り出した。その時、暴風に煽られて窓が開いてしまう。薔薇は慌てて窓を閉めたが、その時、窓ガラスに誰かが映っていることに気づいた。驚いて振り返ると、バスで見かけたあの辮髪の青年が立っている…。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<助けてーっ!薔薇は驚いて部屋を飛び出し、親友・小秋(ショウシュウ)の家に逃げ込んだ。しかし企画案の締め切りは明日、そこで小秋に一緒に家に来て欲しいと頼んだが、話を聞いた小秋は怖くてとても行けないという。薔薇は仕方なく徹夜続きで幻覚を見たのだと自分に言い聞かせ、なかば自棄になって帰ることにした。薔薇は恐る恐る家のドアを開けた。すると辮髪の青年が腕組みをしてテレビの前に立っている。青年は帰って来た薔薇を一瞥だけすると、興味深そうに土星と月のニュースを見ていた。「来ないで!あなたなんかちっとも怖くないんだからね!」薔薇は青年の動向に注視しながら机にたどり着くと、青年も自分の机に座って書物を読み始める。それにしてもなぜ自分の部屋に清朝時代の机や茶碗、灯籠があるのだろうか。しかし今は企画案を完成させねばならない。薔薇は幻覚が気になりながらも、いつしか仕事に集中し、ついに設計案を完成させた。設計案を見た貝(バイ)先生が目を留めたのは薔薇の企画だった。「この案を採用したのは奥行きがあり、王者の気風を感じるからだ 時空の変化を主軸に据え、現代と古代の美を結びつける発想がいい」とは言えまだ完璧とは言えず、貝先生は蒋茗蕙にサポートするよう頼む。しかし薔薇がまず自力で修正したいと訴え、貝先生も認めてくれた。誰もが驚いた薔薇の大抜擢、しかし上役たちにとって見習いの台頭は面白くない。薔薇への風当たりが強くなる中、それでも薔薇は仕事にまい進した。…古代と現代の融合ね〜…時の循環が無限の可能性を生む…幻覚なんて怖がることないよね〜時をさかのぼること300年、ここは康熙45年の紫禁城、十三皇子・愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥(インショウ)は昼間からのうのうと居眠りしていた。見かねた四皇子・胤禛(インシン)は気付け薬を嗅がせて起こし、近頃、様子がおかしいと訝しむ。すると胤祥は最近、夢の中で何度も妙な場所へ行くと話した。「妙な場所?どんな場所だ」「…それはその~(´゚艸゚)∴ブッ」実は胤祥は夢の中で現代を訪ねた時、ちょうど薔薇は入浴中だった。思わず思い出し笑いしてしまう胤祥、すると四皇子は今日が何の日か忘れたのかと聞く。( ゚д゚)<あ!勝負の日!十四弟との約束が…芝生に矢倉が建てられ、一番上には大きなくす玉があった。十四皇子・胤禵(インテイ)と胤祥、先に矢倉を登ってくす玉を割った方が勝利となる。その勝負を四皇子と八皇子・胤禩(インシ)、九皇子・胤禟(イントウ)、十皇子・胤䄉(インガ)が見守った。くす玉を真剣に争うなど子供のようだという四皇子、しかし八皇子は何かを争うのが人の常だという。胤祥は十四弟と激しく競合いながら、矢倉に先に手をかけた。しかし四皇子は最後まで勝負は分からないという。予想通り後から駆け上った胤禵は十三兄を捕まえ、引きずり下ろした。すると八皇子が知勇に優れる十三弟と冷静な四兄が皇太子の右腕なら清は安泰だという。四皇子は思わず八弟も十四弟がいて心強いだろうと返した。「だが我ら兄弟は皆で清を支えねばならぬ、そう思わぬか?」「四哥、もちろんです」八皇子は同意したが、とは言え十三弟と十四弟の勝負はどちらが勝つだろうかと牽制する。「くす玉はひとつ、誰の手に落ちるやら…」つづく(^ꇴ^)始まったよ~!さて念のためここでおさらいで~す皇太子派→四皇子と十三皇子八皇子派→九皇子・十皇子・十四皇子四皇子と十四皇子は同腹の兄弟
2020.08.09
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