話飲徒然草(S's Wine)

話飲徒然草(S's Wine)

2022年03月09日
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カテゴリ: ワインコラム
コーヒー豆(粉)の保存についての詳しい解説が書かれているサイトはネット上に数多ある。

https://coffeemecca.jp/column/trivia/1681
コーヒー粉の保存方法
https://igc.co.jp/shop/pg/143/
コーヒー粉はどう保存する? 注意点やおすすめの保存容器を知って劣化を防ごう

他にも数えきれないほどのサイトがヒットするが、書かれている内容に共通しているのは、
・開封したら早めに飲んだほうがよい。
・酸素、光、水分などを避ける。
・粉は豆よりも表面積が大きくなるので、日持ちしない。
といったことで、一方、冷蔵庫で冷凍・冷蔵保存することの是非については賛否両方の意見があり、否定的な理由としては、
・温度差で結露したり水分がついてしまいやすい

ということのようだ。

これらについて、もう少し突っ込んだ考察を見つけた。
https://www.thecoffeeshop.jp/store/how-to-save-coffee-beans-5/
保存期間別!最も風味を損なわないコーヒー豆の保存方法 2021年

期間によって、保存容器と温度管理(常温、冷蔵、冷凍)を使い分けるというもので、なるほどなぁと感心する一方で、粉による保存については、きわめてネガティブな論調に終始していることに苦笑せざるをえなかった。
たとえば、

>香り:5 酸味:5 苦味:8 甘さ:6 後味:4

と厳しい。

>ジップ付きのアルミ蒸着バッグとはいえ、1日1回開封する(1日1回飲む)ことを考えると、14
>日間の保存は難しいですね。 コーヒー粉で購入する場合は、長く保存することを考えず、2~3
日以内に飲み切るようにしましょう。

ここまで明白に断じられてしまうと身も蓋もないのだが、粉に挽いた200gの豆を2~3日で飲み切ってしまう家庭はあまり多くないように思うし、そもそも世の中には缶容器に入って最初から粉に挽かれた状態で売られいている製品もある。もっと言ってしまえば、「モンカフェ」などのように、コーヒーの粉を真空パックで密封したインスタントタイプのドリップコーヒーだってある。要は、目標水準をどこに置くかの問題だ。

ワインについても同じような議論がある。高い次元でコンディションをキープしたいのであれば、

・購入時は輸入元や購入店、流通経路にまで気を配り、
・抜染後はなるべく当日、もしくは翌日までに飲み切る。
ということになるだろうが、
「週末に近所のスーパーで1000~2000円くらいのワインを買ってきて夫婦で晩酌に飲む」家庭に、そこまで要求するのはお門違いというものだ。
とはいえ、このケースでも、一度抜栓したボトルを1か月以上楽しめるかといえば、それは困難なわけで、私の実家の母や弟のように「抜栓後のワインを、コルク栓をして一か月以上かけて飲んでいる」人に対しては、「それはもはや本来のワインの味ではなく、半分お酢になっていると思いますよ。」とアドバイスをしても余計なお世話にはあたらないだろう。(甘口ワインや酒精強化ワインはこの限りではない)。


さて、そんな「相場観」でコーヒーに話を戻したときに、粉に挽いたコーヒーの保存はどのぐらいまでが許容範囲となるのか、またどうしたら少しでも長く保存できるか?ということである。
(さすがに前述の解説の「2~3日」は厳しすぎるのではなかろうかという意味で…。)

我が家で飲むコーヒーについて、私は決して究極の香味を求めているわけではない。喫茶店の並もしくは中の下ぐらいのレベルであれば上等と思っている。それよりも、粉の状態で、購入後2~3週間にわたって、一定の水準をキープしていてほしいところだ。

#ちなみに上記のサイトは、下記のような検証結果が載っている。私が以前やった「脱酸素パック」と同じような検証をしているなぁと興味深く読ませていただいた。
オリジナルドリップバッグコーヒーの賞味期限は?ガス吸収材検証

では、現実に我が家で今どのように保存しているかというと、実はほとんど何もしていない。
IMG_6144_1
買ってきた袋のまま、輪ゴムで巻いて密封して、

IMG_6145_1
冷蔵庫の製氷室に入れている。これだけだ。
本当なら、袋のままでなく、さらにジップロックなどに入れて密封したほうがよいのだろう。
製氷室は本来の用途には使用していないので、もっぱら珈琲専用となっており、他の食物の臭いがうつる心配はない。冷凍なので、湿度も低めに保てる。 ただ、本当に冷凍がよいのかについては、確証がない。

他の容器に移さないのは、移すことによって、湿気を吸ってしまうことを恐れているため だ。それに「コーヒーキャニスター」のようなビン型容器は、中身を満杯に詰められばいいのだが、隙間ができると、そこに空気が入ってしまい、酸化を速めてしまう。ワインのデキャンタージュは、揮発成分などを飛ばして香りを開かせる効果があるが、コーヒーの粉を他の容器に移すのは、そんなわけでデメリットのほうが大きいように思える。

このシンプルな方法がどれぐらい効果的かはわからないし、決してベストとは思っていない。解説サイトで書かれている通り、1週間ともたず、当初の香りは立たなくなってしまうが、味わいについては数週間後もそれなりの水準をキープできていると思う(巷のインスタント・ドリップコーヒーよりは美味しく飲める)。
手間をかけずに、香味を維持できるもっとよい方法があれば、ぜひ教えて欲しい。

ところで、コーヒーの保存といえば、過去にこのような記事を書いていたのを思い出した。
脱酸素アイテムの応用~その1
https://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/201402010001/

「脱酸素パック」で使ったガスバリアコーティングの袋にコーヒーの粉と脱酸素剤エージレスを
入れて密封して保存するというものだ。
本文でも書いているように、これはまさに「自家製モンカフェ」のようなもので、原理的にはこれで新鮮な香味を維持できそうなものだが、この記事の続報がどこにも残されていないところを見ると、あまり芳しくなかったようである。

今思うと、
・この作業をする過程で、粉が水分を吸ってしまった。
・   〃       余分に空気に触れてしまった。
・   〃       雑菌が混入してしまった。
・エージレスが、香味成分まで吸着してしまった。
・シーリングが十分でなく、だんだんと空気が侵入してしまった。
といったことでなかろうかと思う。

この方法で完璧な香味を維持できるのであれば、そもそも 「超絶に美味しいモンカフェのような製品」 が存在してもおかしくないわけで、やはり 粉に挽いてそこそこの期間保存しようとする時点で限界がある ということなのだろう。
それと、ワインでもハーフボトルのコンディション維持が難しいのと同じく、コーヒーの豆や粉も、少量に分けて保存するのは、リスクが大きくなりそうな気がする(いくつかの解説サイトでは、小分けにして保存することを薦めているものもあるが…。)

#もう1回ぐらいつづく。





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Last updated  2022年03月12日 16時42分41秒
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Comments

shuz1127 @ Re[1]:Ch.リヴェルサン2018(10/16) Henryさんへ おお、オーメドックいろいろ…
Henry@ Re:Ch.リヴェルサン2018(10/16) 私も最近、オー・メドックを愛飲してます…
shuz1127 @ Re[1]:家族でトゥールダルジャン(09/25) Henryさんへ こんにちは。グランメゾンに…
Henry@ Re:家族でトゥールダルジャン(09/25) 大変貴重な現地レポートありがとうござい…
shuz@ Re[1]:今になって新型コロナ感染(8日目)1週間ぶり出社(04/25) うまいーちさんへ お久しぶりです。コメ…
うまいーち @ Re:今になって新型コロナ感染(8日目)1週間ぶり出社(04/25) コロナですか。お大事に。 私もなりました…

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