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最近は小さな病院では手術をしない傾向にあり、大きな病院の手術予定はいつも埋まっています。ガンの手術でも一月くらいは待ちますから、良性疾患ではかなり待たせることになります。また、患者や家族にとっても、手術するとなれば仕事や家庭のスケジュールを調整しなければなりません。術者側も患者側も少しくらいのことで手術を中止して予定を変更されたくはないでしょう。 その様な中、患者の体調が悪いときに手術を断るのは麻酔科医の仕事です。検査で肝機能が激しく悪化しているというような誰が見ても無理な状況なら良いのですが、少々風邪気味というような状況は悩みます。でも、今後はこのような判決が出ていることを見せればいいので断りやすくなるかも知れません。プリントアウトしておいた方が良いかなあ。「不適切検査で男児死亡」 沖縄県に賠償命令 共同通信社 4月26日(木) 配信 沖縄県立病院に入院した生後7カ月の男児が心臓カテーテル検査後に死亡したのは、体調が悪いのに検査を延期しなかったためだとして、両親が県に約5540万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁は25日、病院の対応は不適切だったと認め、約3700万円の支払いを命じた。 病院側は「検査前に男児が下痢などで体調が悪かったとの記録はなく、過失はない」と主張したが、酒井良介(さかい・りょうすけ)裁判長は「ほぼ24時間付き添った母親の証言から、男児は継続的に下痢をしており、医師も認識できた」と認定。 男児はウイルス性腸炎だったと推認できると指摘し「死因は解明されていないが、体調が回復するまで検査を延期するなどしていれば男児が生存していた可能性があった」として、病院側のミスを認めた。 判決によると、男児は2003年7月に生まれたが、先天性心疾患の「心房中隔欠損症」と診断され、県立那覇病院(現在の県立南部医療センター・こども医療センター)に入院中の04年2月25日に心臓カテーテル検査を受けたが、26日に死亡が確認された。 周術期(手術の前後を含めた一定の期間)には様々な理由で死亡する危険がわずかながらあります。悪性高熱症や肺塞栓症、アナフィラキシーなどです。またいつでも起きうる突然死もあります。心筋梗塞や脳卒中、小児なら乳幼児突然死症候群などです。 死因というのは分からないことも多く、引用した記事の例でも分かっていません。でも、死因が分からなくても、術前の体調との因果関係が分からなくても、ましてや、術前に本当に体調が悪かったのか分からなくても、親が「体調が悪かった」と言うだけで賠償命令が出るのであれば、堂々と手術を断ることが出来そうです。
2012.04.27
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「マスゴミ」なんてレッテル貼りは本来は慎むべきなのでしょうが、このような事例をみるとやはり言いたくなりますね。デリケートなグリーフケアが必要なときに心をヤスリで傷つけるような行為はとても許せません。 既にご承知と思いますが、京都の亀岡市で無免許の車が小学生の列に突っ込み、多くの死傷者が出ました。その時の「取材内容が鬼畜」の様子が病院関係者から報告されています。 TECCMC's BLOG(但馬救命救急センターのブログ)様の内容を以下に引用させていただきます。ある程度公的な立場のブログですので、何らかの圧力がかかって削除の恐れもあると思い、保存の意味も込めて全文の引用とさせていただきます。2012年4月23日月曜日4月23日 マスコミの人間に心はあるのか 本日,京都府亀岡市で悲しい事故が起こりました.当ドクターヘリも出動し対応しています.検証されるべき事項は沢山ありますが,1つの命をすくい上げようと誰しもが全力をしくしました.結果,望まない終末になることもあります.その後のご家族の心のケアには人として,医療者として十分な対応を心掛けております.当然,院内や病院敷地内に勝手に入り込み,勝手に取材,写真をとるマスコミには取材の許可を出しませんし,取材拒否の旨をきちんと伝えております.もちろん必要があれば病院から情報を伝えます.しかしながら,読売新聞,毎日新聞,朝日新聞など各社の記者(個人名を出しても良いと思いますが)は霊安室の前にカメラをかまえ,お帰りになるご家族の映像を勝手に撮影していました.再三にわたって取材はお断りの旨を伝えていたにもかかわらず,一番大切にしたい瞬間に,ズカズカと土足で割り込んできました.ご家族,医療者,関係者の心情を考えられないくらいマスコミの人間の心は腐っているのでしょうか.このブログが多くの方に読まれていることは十分に存じ上げております.だからこそ敢えてここで述べます.
2012.04.24
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正直なところ、卓球では中国は別格です。世界ランクの上位に中国人選手以外がちらほら入っているのは、世界ランクの決め方によるものです。中国人選手が好きなだけ国際試合に出られるのならば、100位以内の半分以上は中国人選手になるでしょうし、30位以内のほとんども中国人選手でしょう。他の国では、男子の場合、10位以内に残れるのはドイツのボルだけでしょうね。 それだけ強い中国選手の中で、堂々と世界ランク一位を勝ち取っているのは馬龍選手。その馬龍選手を破ってロンドン行きを決めたというのはかなりすごいことです。もちろん勝負事ですから、格下が勝つことはよくあることではあるのですが、中国のトップクラスに丹羽選手レベルが勝つことはそれ程よくあることではありません。やはり快挙と言って良いと思います。17歳丹羽、初の卓球五輪代表 世界1位破る 2012/4/21 17:41 日本経済新聞 卓球のロンドン五輪アジア予選第3日は21日、香港で行われ、シングルスのトーナメントで男子は17歳の丹羽孝希(青森山田高)が五輪出場枠を懸けた決定戦で世界ランキング1位の馬龍(中国)を4―2で破り、日本男子の五輪団体出場と丹羽の初の五輪代表入りを決めた。 攻撃的なレシーブで馬龍を崩した丹羽は第2ゲームからの3ゲームを連取し、第5ゲームを落としたが第6ゲームを競り勝った。 女子で敗者復活戦を勝ち抜いた平野早矢香(ミキハウス)は決定戦でリ・ミギョン(北朝鮮)と対戦。勝つと日本女子の五輪団体出場と平野の2度目の五輪代表入りが決まる。敗れても同日夜に再び決定戦がある。〔香港=共同〕 ちなみに、平野選手もリ・ミギョン(北朝鮮)に勝って順当にロンドン行きを決めました。
2012.04.22
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日本の救急医療の多くは宿直医によって行われている「なんちゃって救急医療」です。特に救急医療に詳しいわけでもない医師が、当日の勤務の引き続きとして宿直し、翌日も平常勤務する状況での救急医療です。あまり多くを求められても困るでしょう。もちろん国民からしたら「もっと救急医療を充実させろよ」と思うでしょうが、医療体制を整えるのは政治家の仕事であって、医療現場の仕事ではありません。そもそも宿直医に救急患者を診させること自体労働基準法違反なんですけどね。 そんななか、救急車で何も問題のなさそうな患者が搬送されてきて、本人に聞いても何が起きたのか分からず、救急隊員の報告でも「小銭を落としたらしいんです」くらいの情報だったら、どうするでしょう。切迫感を感じられないとき、重大なことだと考えられないことは往々にしてあります。以下の事例がそうだったとは限りませんが。損賠訴訟:70代女性の脳梗塞前兆見落とし、医療法人に440万円賠償命令--福岡地裁 ◇当直・主治医、専門外でも「発症防げた」 医師が前兆症状を適切に診断、治療しなかった結果、脳梗塞(こうそく)を発症して後遺症が残ったとして、福岡市の70代女性が同市西区で病院を開設する医療法人に8053万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁(増田隆久裁判長)が医療法人に440万円の支払いを命じたことが分かった。医師は脳梗塞の専門医ではなかったが、判決は「前兆症状の診断基準を認識し、適切な治療を開始しておけば、発症を防げた可能性がある」と過失を一部認めた。 原告側代理人の緒方枝里弁護士は「脳梗塞の前兆症状について、専門医でなくても、一般的な医学文献に記載された事項は認識して診断すべきだとした判断で、全国的にも珍しい」としている。 判決は3月27日付。原告、被告双方が控訴せず確定した。 判決によると、女性は09年3月、飲食店での支払時に左手で小銭をつかめず何度も落とすなどの異常が見られ、店員の通報でかかりつけの病院に救急搬送された。女性は脳梗塞の前兆とされる一過性脳虚血発作(TIA)が疑われる症状だったが、病院の当直医は脳卒中は専門外でTIAではないと判断。翌日、主治医も専門は循環器科で同様の判断をした。女性は2週間後に脳梗塞を発症し、手足のまひなどの後遺症が残った。判決は「医師の知識不足が原因で、詳細な問診などが行われず、診断を誤った」と判断し、慰謝料などの支払いを命じた。【遠藤孝康】毎日新聞 2012年4月17日 飲食店の店員は「ただごとではない」と感じたのでしょうし、救急車を呼んだのはGJと言えるでしょう。でも、おそらくは救急車には同乗していないですよね。そうすると、一過性脳虚血発作(TIA)の症状から回復して無症状の患者と、又聞きで切迫感に乏しい救急隊員の報告だけが残ることになります。後からならなんとでも言えるけど、切迫感を感じなかったらTIAとは考えなかったかも知れません。他の報道によれば、このときの当直医の専門は消化器だったようです。 ここで気になるのは主治医の存在です。主治医は循環器科ですから、脳梗塞に関してはかなりの知識があるはずです。もちろんTIAについてもよく知っているでしょう。なぜなら、心疾患を原因とする脳梗塞があるからです。 もし、救急外来受診の翌日の診察時に十分な情報を得ていながら座視したのであれば、これは問題かも知れません。病院側が控訴しなかったのは、賠償金額が請求額の5%ほどで実質勝訴とも言える内容だったこともあるでしょうが、ここら辺りを突っつき回されたくなかったこともあるのかも知れません。私自身は十分な情報が主治医に伝わっていなかったと思っていますが。 今回は毎日新聞を引用しましたが、共同通信の方だとTIAであることが書かれていません。そうすると、最初から脳梗塞が続いていたのを2週間後に他の病院で診断されたのだと誤解する人がいます。と言うより、誤解させようとしているとしか思えない書き方ですね。
2012.04.21
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前回に続き、動画ニュース“Eliminating measles ? personal stories”からもう一つの事例を紹介します。事例2“Max fell ill when he was six months old. He was still a baby. He probably contracted measles at his brother’s kindergarten. He got really sick. But after one week, the symptoms disappeared and after that, he developed normally. It was all forgotten, everything was back to normal. That’s what we thought,” explained his father R?diger Sch?nbohm. Measles had however triggered a subacute sclerosing panencephalitis, or SSPE, a rare chronic, progressive and fatal neurological pathology. One case in 25,000 throughout all age groups, rising to one in 8,000 in children infected under the age of two. The first symptoms appeared 10 years after the infection. His mother, Anke Sch?nbohm a trained nurse, explained: “He has been in a persistent vegetative state since April 2006.”「マックスは月齢6ヶ月の時に病気になりました。まだほんの赤ちゃんの時のことです。おそらくはお兄ちゃんの幼稚園で麻疹をうつされたのでしょう。非常に具合が悪かったのですが、一週間後には症状もなくなり、その後は何ともありませんでした。すべては忘れられ、何もかも元通りに戻ったのです。そのときはそう思いました」父親のR?diger Sch?nbohm はそう説明しました。しかしながら、麻疹は亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の原因となるのです。それはまれで、ゆっくりと進行する致命的な神経病変です。全年齢では25,000人に一人の発症率ですが、2歳以下で感染した場合には発症率は8.000人に一人にまで跳ね上がります。最初の症状は感染の10年後に現れました。彼の母親で有能な看護師でもある Anke Sch?nbohm は次のように説明しました。「彼は2006年の4月以来植物状態にあります」。 95%以上の人が免疫を持てば、ウィルスが循環するだけの数を維持できなくなり、麻疹は根絶します。ところが、最近のヨーロッパでは麻疹の患者はかえって増えています。2010年、2011年の麻疹の発生数はヨーロッパ全体で年間30,000人以上です。これは2009年の4倍に当たるそうです。 マックスは月齢6ヶ月の時に感染しました。みんながワクチン接種をすることになっていたとしてもまだ接種する年齢ではありませんでした。でも、感染者がほとんど居ない環境であったなら、マックスも感染することはなかったでしょう。 どんなことにもリスクはありますから、ワクチンにもリスクはあります。それでも、実際に麻疹にかかるよりは安全です。そして、今の世代全員がワクチンを接種することで麻疹を根絶することが出来れば、その後に生まれた子供はワクチンを接種する必要がなくなるのです。今の子供が天然痘の種痘を必要としないように。
2012.04.07
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麻酔というのは他科の医師から見たら簡単だと思われているかも知れません。実際、いくつかの症例を無事に麻酔するだけなら難しくないと思います。でも、無事に麻酔を終えることを一生涯続けることは難しいのではないかと思っています。 麻酔というのは基本的に無事に覚醒することが当然と考えられていて、術前から全身状態が非常に悪いとか、肺塞栓症やアナフィラキシーのようなまれな併発症などを除けば、死亡すれば事件となりかねません。事件となれば、当然警察が入ってきます。全身麻酔の4歳児死亡、担当医師を書類送検へ 福岡市博多区の整形外科医院で2010年4月、同区の男児(当時4歳)が骨折したひじの手術を受ける際、全身麻酔の直後に心肺が停止し、約2か月後に死亡した問題で、福岡県警は3日、男児の容体の急変に気付くのが遅れ、適切な処置を怠ったことが原因だったとし、麻酔を担当した同院の男性医師(40歳代)を業務上過失致死容疑で福岡地検に書類送検する。 捜査関係者などによると、男児は10年4月9日、通っていた幼稚園で、鉄棒から落ちて右ひじを骨折、同院を受診した。医師は、男児の骨折部位を固定する手術のため、全身麻酔を実施。その後、男児の容体は急変し、同年6月18日、転院先の病院で多臓器不全で死亡した。 県警は、医師が、男児の全身麻酔で、呼吸を確保するチューブを挿管する際、容体を管理する機器を注視しておらず、容体の悪化に気付くのが遅れたことを重視。その後、早急に救急病院に搬送するなど適切な措置をとる注意義務を怠ったため、男児が死亡するに至ったと判断したとみられる。(2012年4月3日 読売新聞) 記事では麻酔導入時の心電図や血圧といった生体情報(バイタルサイン)のモニターを怠ったことが問題とされているように読めます。でも、私が問題にするとしたら、容態が急に悪化した原因です。もちろんモニターしていれば容態の悪化には気が付いたでしょうが、それより容態を悪化させないやり方をしていたのかどうかが問題ではないでしょうか。 子供の麻酔には大人とは違った難しさがあり、いろいろと想像することは出来ますが、想像はあくまで想像です。きちんとやっていても容態が悪化することはありますので、ここではコメントしません。でも、実際のところ、何があったのだろう。そもそも麻酔を担当したのは麻酔科医だったのだろうか。
2012.04.03
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動画ニュース“Eliminating measles ? personal stories”では二つの深刻な事例を紹介しています。今回はその一つを紹介します。事例1Nastasia has made a spectacular recovery. Just a year ago she was in a coma after contracting measles. The 16-year-old who lives in Valence, in southeastern France, suddenly complained of a sore throat, red spots appeared and she had a high temperature. After one week at 41°C, she was hospitalised, diagnosed with encephalitis. Nastasia was in a coma for 12 days. It took her four months to recover.ナスターシャは劇的な回復を遂げました。ちょうど一年前、麻疹にかかった後に彼女は昏睡状態となりました。フランス南部のヴァレンスに住む16歳の少女は突然の咽頭痛を訴え、赤い発疹が出、発熱しました。一週間後、41℃の発熱が見られたときに入院し、脳炎と診断されました。ナスターシャは12日間のあいだ昏睡が続き、回復には4ヶ月かかりました。 ナスターシャもワクチン接種をしていなかったのですが、その理由は日本でも問題となっているホメオパシーがらみでした。Nastasia was not vaccinated. Her mother Corinne, a nurse and physiotherapist, explained the reasons for her choice. “I didn’t have Nastasia vaccinated because I think that one builds one’s own immunity. I treated her with homoeopathy, I helped her build her immunity. Before contracting measles, Nastasia was never ill. I have nothing against the principle of vaccination, because I think that prevention is important. However, in vaccines, there are many additives, aluminium among them. We know now that aluminium might be one of the causes of Alzheimer’s disease, it can trigger many other ailments. After all, I would have liked her to catch childhood illnesses when she was little. I didn’t think I was taking a risk. I thought it was not necessary to have her vaccinated.“ ナスターシャはワクチン接種をしていませんでした。看護師であり理学療法士でもあるナスターシャの母コリーンは、その理由を以下のように説明しました。「私がナスターシャにワクチン接種をさせなかったのは、人にはその人固有の免疫があると思ったからです。私はホメオパシーで彼女を治療し、彼女固有の免疫獲得の手助けをしたのです。麻疹にかかるまで、ナスターシャは一度も病気になりませんでした。私は予防が大切だと思っているので、ワクチンの原則に反対するつもりはありません。けれども、ワクチンの中にはアルミニウムを含む多くの添加剤が含まれています。私たちはアルミニウムがアルツハイマー病の原因かも知れないことを今では知っていますし、他の多くの病気を引き起こす可能性もあります。結局のところ、私は彼女がまだ小さかった頃に子供の病気にかかっていて欲しかったのです。私はリスクを冒しているつもりはありませんでした。彼女にワクチンを接種する必要があるとは考えていなかったのです。」 (現在ヨーロッパで使われている麻疹ワクチンにはアルミニウムは含まれていないことはニュースでも触れられています) 昔、私が子供だった頃、麻疹は誰でもかかる病気でした。それでもあまり重症者が居たという記憶はありません。そのころには赤痢やコレラなどのもっと怖い病気も実際にあって、私と従兄弟が同時に赤痢になり、従兄弟は死にました。それから10年ほどして、我が家の向かいの家の女の子も赤痢で亡くなりました。そんな環境ですから、麻疹ごときでは重症感を感じなかったのかも知れません。実際には重症の事例もあったようです。 子供の頃にほとんどが麻疹を経験していれば、みんな免疫を持っていますが、今のように小児期に罹患していない人が増えた場合にワクチン接種がなければ、大人になって発症するリスクが高まります。その場合、たいていは重症となります。ネットなどでワクチンを否定している人たちはリスクをふりまいているのだと言うことを理解して貰いたいと思うのですが、まあ、無理でしょうね。つづく
2012.04.02
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AfSA(アフリカ麻酔科学会)によりますと、マタタビの成分であるマタタビラクトンの誘導体、マタタビメチルラクトンに強い鎮痛作用と鎮静作用のあることが分かりました。また、呼吸・循環抑制作用はほとんど無くコストも極めて安価であるため、麻酔薬として有望との声が上がっています。 マタタビメチルラクトンは液体で、静脈注射が可能です。現在の静脈麻酔はプロポフォールとレミフェンタニルとの組み合わせが主流ですが、呼吸・循環抑制作用が強く、人工呼吸や循環動態のモニターが必須です。 現在までのところマタタビメチルラクトンは動物実験の段階で、安全性についての評価は出ていません。安全性が確保されれば、発展途上国や災害の現場での麻酔に極めて有用と思われます。なおAfSAは、この薬剤は日付に注意して評価を考えるべきだと勧告しています。追伸「麻疹ワクチンは必要なんだ論2」は後日とさせていただきます。
2012.04.01
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