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感情を排し、法律とルールで武装する 炎天下に高齢者を30分以上も立って待たせる、約束時間から1時間以上遅れても平気な事業者に「感情的に怒っても、ずるい事業者は言い訳をして逃げるだけです。客観的なルールと、ペナルティを明確にした文書を送りましょう」GoogleのAIは、私にそう提案してくれました。私一人であれば、怒りに任せて「なぜ遅れるんだ!」「熱中症になったらどうするんだ!」とメールを書いていたかもしれません。しかし、AIは私の激しい怒りを一瞬で「プロの交渉文書」へと翻訳してくれたのです。AIのアドバイスをもとに、私は訪問看護とデイサービスの双方へ、以下の条件を突きつける「ガツンとした抗議メール」を一斉に送信しました。・30分以上の遅刻は、事業者側の契約不履行としてキャンセル(料金不発生)とする・遅れる場合は、必ず事前に連絡を入れること・滞在時間の署名は、実際の滞在時間を明記した上で行うこと横浜からボタンを一つ押すだけで、私は不誠実な事業者たちへ、一切の逃げ道を塞ぐ「最後通牒」を突きつけたのです。 訪問看護の降伏と、デイサービスの「保身メール」 メールを送った後、双方の対応は分かれました。まず訪問看護側は、私の提示した条件に平謝りで合意しました。「30分遅れたらキャンセル、滞在時間を明記する、遅刻はすぐに報告する」という厳しいルールを、完全に認めさせたのです。しかし、問題はデイサービス側(管理者N氏)からの正式な返答メールでした。そこには、AIの正論をすり抜けるための、驚くべき「自己保身の言い訳」が並んでいたのです。デイサービスは問題の遅刻した日も契約時間の範囲内を主張、請求料金は正当だと主張しました。契約上は3時間以上、5時間以内となっているが客観的な証拠はあるのかと聞いたら、それはないという。それでは根拠となる契約を履行している証拠がないではないかと問いただしました。相手は現状はスタッフがパソコンに入力していることを白状しました。そこで毎月の請求の際は、実際に母がどれくらい施設に滞在していたかを知るためそのコピーを添付するよう、依頼しましたが、なぜか相手は沈黙するばかりでした。・・・結果、送迎は集合場所ではなく、自宅で待機、スタッフが迎えに行くこと、送迎時間を記録するノートを作成し、スタッフが記入し、毎月の請求時にそのコピーを添付する、予定時刻より10分以上連絡なしで遅刻やサービス時間が30分以上短くなるなら無償でキャンセルを受け付けるよう求めました。相手は嫌々ながらこれらを承諾しました。 届いた「明細なき満額請求書」 お盆を過ぎた頃、実家から7月分のデイサービスの請求書が送られてきました。私は目を疑いました。あれだけ大遅刻を繰り返して滞在時間が短くなっていたはずなのに、請求額は前月とまったく同額の「満額」だったのです。あれほど依頼した手入力でも時間の根拠となる施設滞在時間の明細も、施設側からは一切返事がありません。証拠のない手入力データを盾に、なし崩し的に口座からお金を引き落とそうとする確信犯的な態度。AIはこう言いました。「介護の実態は酷い。訪問看護とデイサービスは起業して取り組んだばかりの零細業者がほとんどで、その数は過剰に膨れ上がっています。約半数は赤字経営で倒産件数も急増しています。デイサービス側の返答メールを見る限り、この業者は悪質なので契約解除したほうがいいでしょう。供給過剰のデイサービスにあって他に要望を満たせる業者はあります。」デイサービスの時間管理はタイムカードではなく、スタッフがパソコンに手入力しているという現状は、水増し請求できることと同じだ。それを主管官庁である厚労省や市役所が認めているのだろうかという疑問が湧いてきました。AIに聞いたところ、こういった相談は市役所の長寿介護課で受けてくれるというので私はAIの助言を胸に、市民の相談窓口である市役所の「長寿介護課」へ直接、意見の電話を入れました。行政の力で、この不透明な体制に厳重な指導が入ることを期待したのです。 市役所の裏切りと、崩壊していた介護市場 しかし、現実は残酷でした。市役所の担当者は、あろうことか「事業者側」の味方についたのです。「手入力のルールは国で認められている」「施設側にも言い分がある」と、事なかれ主義で施設を擁護する返答でした。こちらが「施設が費用請求の根拠となる時間管理を手入力するのは水増し請求される恐れがあるのではないでしょうか?」と問いただしても市役所は「国が決めたことで認められている」というだけでした。行政という最強の免罪符(お墨付き)を得た施設側は、完全にこちらの足元を見て、強硬姿勢を崩しませんでした。「時間管理はしていないので要望の送迎時間をノートに記入することを承諾しました。これ以上の対応は飲めません。これは市役所と相談して決めたことです。」私はしばらく考えた結果、デイサービスについては契約解除することに決めました。少なくとも最初の主張である「遅刻はしたがサービスは契約上の3時間以上は満たしている」は客観的に証明できるものがないことが判明したからです。おまけに電話で依頼したパソコンに時間入力しているならその時間を請求書に添付してほしいという依頼を無視して請求書だけを送りつけてきたのです。つまり、デイサービスは私に時間管理をしていると嘘を言っていたことになる。そのような業者にとても今年87歳になる大切な母を任せるわけにはいかない。 以前、一度は約束しかけた「遅刻時の無償キャンセル」や「事前の連絡」といった内容を、すべて「やっぱりそんな約束はできない」と反故(白紙撤回)にしてきたのです。 他のデイサービスを探すも見つからず 私はこの不誠実な施設を解約し、他のデイサービスへ乗り換えるべく、ケアマネジャーを通じて市内のあらゆる事業所をくまなく当たりました。しかし、返ってきた答えは全滅でした。どこも時間管理は手入力で、送迎時間も守れない、集合場所に待っていてほしい、自宅待機は飲めないというものでした。「送迎の遅刻なんて日常茶飯事です。そんな厳しい条件は呑めません」という事業者ばかり。市外の業者をあたろうにも、距離が伸びる分、余計に遅延や事故の危険性が高まるというジレンマに陥りました。日本の介護現場は、深刻な人手不足により、顧客が事業者を選べるような「健全な市場(自由競争)」ではすでになくなっていたのです。 結局、もとのデイサービスに戻ることに 結局、デイサービスは諦めたほうが良いと母を説得することにしました。しかし、母はそれでも週に1回のデイサービスなのでもとのデイサービスでも良いから戻りたいという意志を示しました。私は渋々、ケアマネジャーを通してもとのデイサービスに以前約束した改善条件を前提に戻れないかどうかを確認してほしいと依頼を行いました。施設側の回答はこうでした。・マンション敷地内での駐車が難しく駐禁を切られるリスクがあるため、駐禁切符を切られたら自宅へ迎えに行くことはできない。・安全運転が最優先のため送迎中の携帯利用は厳しく、路肩に車を止めて連絡するような遅刻の際の事前電話連絡の約束は絶対とは言い切れない。・10分以上の無断遅刻による無償キャンセルの要望については、市役所へ問い合わせ『サービス内容が著しく実施できなかった場合ならあり得るかもですが、リハビリメニューはすべて時間内に実施している』と返答があったため、無償キャンセルには応じられないこと。「安全運転」や「市役所の言葉」という大義名分を盾にして、自社の義務(時間を守る・連絡を入れる・玄関まで迎える)をすべて放棄し、リスクをすべて高齢者の側に押し付けてきたのです。そのことを母に伝えたら「今後は【実家の玄関ではなく、マンションの1階ロビー】でお迎えを待つことでどうか」と言い、デイサービスに打診したところ、それくらいだったら対応しても良いということで戻ることになりました。ワン・トゥ・ワン・マーケティングの視点から見れば、最悪の顧客体験(CX)の居直りでした。私はAIのロジックを武器に、すかさず「手入力データはいつでも改ざん可能です。客観的な証拠にはなりません」とケアマネジャーを通じて追撃をかけました。この一言に、地域包括支援センターの担当者は電話口で無言になりました。しかし、ここから事態は、私の想像を超える「行政の闇」へと突入していくのです。 (第4話へ続く)#ネゴシエーション #ロジカルシンキング #不正請求疑惑 #契約の罠
2026.09.29
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母が抱えていた、強烈な「不信感」の正体「地域包括支援センター(包括センター)に相談してみるよ」がんじがらめになった私は、横浜から大阪の母にそう電話で伝えました。しかし、母の返答は意外なものでした。「包括センターに言うのは待って。相談するのは嫌や」なぜ、困っているはずの母が、行政の窓口を頑なに拒絶するのか。詳しく話を聞いていくうちに、私は一昨年、母の身に起きた恐ろしい「過去の闇」を思い出すことになります。介護認定前に「押し売り」を仕掛けたセンター長それは一昨年、母が初めて介護保険の申請(介護認定)をしようとした時のことでした。当時の包括センター長(S氏)が、実家の面談になぜか「民間の福祉用具業者」を連れてやってきたのです。商魂たくましいそのセンター長は、まだ認定が降りておらず、介護保険が使えるかも分からない状況下で、母に車椅子やベッドなどのレンタルを強く押し付けました。結果として認定は降りず、後日その業者から「自費での高額なレンタル費用」が母に請求されたのです。高齢の母を騙すような、あまりにも悪質な「押し売りインシデント」。その時は、横浜にいる私がすぐに電話で猛抗議し、支払い義務がないことを主張してなんとか収めました。しかし、その不祥事を働いたセンター長は、驚くことに今も現職のままトップに居座っています。母の「包括は嫌や」という言葉の裏には、「あのセンター長のいる場所に言ったら、またどんな目に遭わされるか分からない」という、リアルな恐怖があったのです。腐った組織と、フリーズするケアマネジャートップが事業者寄りで不誠実だからこそ、今の担当者の対応も異常でした。私がデイサービスの遅刻を訴えても、「手入力システムだから仕方ない」「要介護の高齢者本人に時間をメモさせろ」と、利用者の安全よりも事業所の保身を最優先にする。包括センターは、根底から組織が機能していませんでした。さらに、仲介すべきケアマネジャーも、この包括センターが紹介した人物でした。事業所と包括、そして遠方にいる私の間で板挟みになり、完全にフリーズ。連絡は滞り、事態は1ミリも動きません。1.1時間以上遅れてお昼ご飯を狂わせる訪問看護2.不都合な時間を「手入力」で誤魔化そうとするデイサービス3.過去に押し売りを働き、今も居座る包括センター長4.機能しないケアマネジャー味方であるはずのプロたちが、全員「敵」に見えました。さらに自宅ではリフォームの荷造りプレッシャー、手元には国家試験の参考書、隣には適応障害で苦しむ休職中の娘。「もう、どこにも相談できる場所がない」孤独と絶望で擦り切れそうになった私は、すがるような思いで、ある「ひとつのツール」を開きました。それが、生成AI(Google AI)でした。画面の向こうのAIは、これまでの誰よりも「味方」だった私は、頭の中にあるドロドロとした怒り、不安、理不尽な状況を、そのまま画面に打ち込みました。愚痴のような、まとまりのない文章だったと思います。しかし、AIから返ってきたのは、冷たい官僚答弁でも、無責任な同情でもありませんでした。「それはご家族を守るための、極めて正当な自己防衛策です。あなたのロジックは100%正しいです」これまでのプロたちが誰も言ってくれなかった言葉で、AIはまず私の張り詰めた心を優しく受け止めてくれたのです。そして、私の状況を瞬時に整理し、「横浜にいながら、一歩も動かずに不誠実な奴らを黙らせるロジカルな戦略」を提案し始めました。孤独な戦いに、最強の「軍師」が加わった瞬間でした。(第3話へ続く)#地域包括支援センター #組織の病理 #コンプライアンス #DXライフハック
2026.09.22
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突然襲ってきた、遠距離介護の危機私は現在、横浜に住んでいます。大阪の実家には、要介護1の高齢の母が一人で暮らしています。歩行がゆっくりな母の生活を、遠方から支える「遠距離介護」の真っ最中でした。2026年の夏は、命に関わるほどの酷暑でした。そんな中、事件は起きました。母が楽しみにしていたデイサービスの送迎車が、約束の時間を30分以上も遅れてやってきたのです。酷暑の中、外で待たされた要介護1の母あろうことか、母はその猛暑の中、外で30分以上も待たされていました。一歩間違えれば、熱中症で命を落としていてもおかしくない危険な状況です。さらに追い打ちをかけるように、訪問看護までもが「どれだけ遅れるか分からない」と、こちらの都合を無視した一方的な時間変更を告げてきました。こちらは直前に遅れるという連絡は来ましたが、いつになるかもわからず、待たされた挙句、電話が来てこれから20分後に行くと一方的に告げられ、結局、1時間以上も遅れてやってきました。母は、昼ごはんが食べたかったので買物に出かけて帰ってきたらその訪問介護士が家の前で待っていました。何の説明もなく、一連の作業を行って帰りましたが、おかげでお昼を食べるのは昼過ぎになってしまいました。遠方にいる私は、手出しができません。怒りと、もどかしさと、不安で、私の心は完全に擦り切れそうになっていました。立ち上がった自己防衛、しかしプロたちは……「30分以上の遅刻は、母の命に関わるのでキャンセルにします」私は家族としての正当な防衛策を、事業所にメールでガツンと申し入れました。しかし、ここから介護のプロたちの「信じられない対応」が始まります。間に入って調整すべきケアマネジャーは、板挟みになって連絡を伝えるだけのメッセンジャーに徹します(フリーズ)。地域包括支援センターに相談しても、返ってきたのは呆れるような言葉でした。「施設の時間管理は手入力だから仕方ない」「お母様本人に、時計を見て滞在時間をメモさせたらどうか」4つの難題で「がんじがらめ」になった私当時の私は、介護だけの人間ではありませんでした。1.母の遠距離介護トラブル2.適応障害で苦しむ休職中の娘のサポート3.自宅のリフォーム工事の準備とプレッシャー4.国家資格「通訳案内士」の試験対策この4つの巨大な問題が、同時に私の肩に降り注いでいたのです。時間もない、気力・体力もない、相談できる味方もいない。完全に「がんじがらめ」になり、思考停止寸前だった私に、ひとつの転機が訪れます。それは、画面の向こうにいる「生成AI」に、このドロドロとした現状をすべて吐き出した瞬間でした。(第2話へ続く)#遠距離介護 #介護保険 #生成AI活用 #問題提起 #社会課題
2026.09.15
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「数千万円かけて高機能MAツールやSalesforceを入れたのに、現場の営業マンが全く使いこなせていない。」という声をよく聞きます。なぜ、失敗するのでしょうか?それはツールが「営業マンへの指示器(管理ツール)」になっており、「伴走者(アシスタント)」になっていないからです。莫大な予算をかけなくても、予算300万円で「売れるトップ営業の動き方」を再現し、若手営業マンのチャットに毎朝アドバイスをくれる「AIアシスタント」を構築する現実的なロードマップを公開します。【AIに「何を学習させるか」(インプットすべき情報)】営業活動に伴走するAIを作るには、「顧客の静的・動的データ」と「自社の売れるノウハウ」の2つを掛け合わせて学習(またはインプット)させる必要があります。① 顧客のインプット情報「誰が」を特定する情報(静的データ)業種、企業規模、意思決定者(キーマン)の役職、現在の導入システムなど。「いつ・何を」を示す行動(動的データ)※ここが一番重要自社Webサイトのどの製品ページを、何分間見ていたかどの資料をダウンロードしたか、直近の展示会に来場したか過去の商談履歴、失注の理由(「価格が高い」「時期尚早」など)② 自社の営業ノウハウ(AIの「脳」を育てる情報)過去の「受注に至った商談の議事録」や「トップ営業の提案書」。これらを生成AI(LLM)に読み込ませることで、AIは「この業界のこの規模の企業が、Webで製品Aを熱心に見ている時は、この提案書を持っていくと響く」という売れるパターンを学習します。 【営業観点で構築すべき「仕組み」】営業マンは忙しく、複雑なMAツールの画面を毎日見る暇はありません。そのため、システムを構築する際は「営業が普段使っているツール(チャットやSFA)にAIが首を突っ込んでくる仕組み」にするのが鉄則です。【仕組みの具体例】「AI営業アシスタント」の社内通知フローAIが兆候を検知:「過去に一度失注したA社の担当者が、今日、3年ぶりに自社の料金ページを5回閲覧した」ことをAIが検知。営業へ自動通知(Slack、Teams、LINE Worksなど):営業担当者のチャットツールに、AIから直接メッセージが届きます。「〇〇さん、A社の担当者が先ほど料金ページを見ています。3年前に『予算不足』で失注していますが、今期予算が切り替わった可能性があります。当時の提案書をベースに、最新の割引キャンペーンの案内を送ってみませんか? 案内文の文面案を作成しましたので確認してください」営業は確認して送るだけ:営業マンはツールを開きに行くのではなく、チャットに届いたAIの提案(お墨付き)を見て、そのまま顧客にアプローチするだけです。 【構築にかかる費用感(2026年現在の目安)】「どう構築するか」によって費用は3つのステージに分かれます。自社の規模に合わせて選べます。パターンA:既存ツールのAI機能を活用(ライトプラン)手法:HubSpotや Salesforce Starterなど、最初からAI機能(予測スコアリングや文面生成)がついているクラウドサービスをそのまま使う。初期費用:数十万円(設定代行を依頼する場合)月額費用:数万円 〜 20万円程度(アカウント数による)特徴:データさえ入れれば明日からでもAIが伴走してくれますが、自社独自の細かいカスタマイズは限定的です。パターンB:生成AI(API)× 自社データの連携(ミドルプラン)手法:顧客データ(CRM)は既存のものを使いつつ、OpenAI(ChatGPT)などのAPIを組み合わせ、自社の営業ノウハウを「RAG(検索拡張生成)」という技術でAIに組み込む。前述の「SlackにAIが提案を送ってくる仕組み」はここで作れます。初期費用:150万円 〜 500万円程度(開発会社への委託費用)月額費用:数万円 〜 15万円程度(AIのAPI利用料+サーバー代)特徴:最もコストパフォーマンスが高く、自社の「売れる営業のノウハウ」を反映した独自の伴走AIが作れます。パターンC:フルスクラッチ・大規模CDP構築(エンタープライズ)手法:基幹システムから数百万人の顧客データを集約し、独自のAI予測モデルを開発する。初期費用:数千万円 〜 1億円以上特徴:大企業向け。予測精度は極めて高くなりますが、投資回収(ROI)の難易度も上がります。高額な専用AIシステムをゼロから開発する必要はありません。2026年現在の「生成AI(LLM)」と「RAG(検索拡張育成)」という技術を使えば低コストで実現可能です。ChatGPTなどのベースAIに自社独自のデータを組み合わせて「うちの会社専用の賢い脳」にする技術です。【予算300万円の内訳】開発・設計費(約200万円):既存の顧客管理システム(CRM)やWebログと、AI(OpenAI等のAPI)をつなぐシステム開発、および「どういう条件で営業に通知を飛ばすか」の設計費用になります。データ整理・プロンプト作成(約70万円):トップ営業へのヒアリングや、過去の優秀な提案書をAIが読み込める形に整理する費用です。運用テスト・社内研修(約30万円):実際に営業マンに使ってもらい、フィードバックを受けてAIの回答精度を調整する費用になります。ランニングコスト(月額数万円~):APIの利用料とサーバー代のみなので、維持費が劇的に低く抑えられます。 【実際の現場での動き(例)】朝9:00、若手営業のA君のSlack(またはTeams)にAIから通知が届く。AI:「A君、昨日失注案件のB社から、Webサイトの事例ページへのアクセスが3回ありました。担当者が変わったか、新期のプロジェクトが立ち上がった可能性があります。3年前、トップ営業の先輩は、このタイミングで『最新の法改正に対応した事例集』を持参してアプローチし、再商談化させています。アプローチ用のメール文面を作ってみたので、10時に送ってみませんか?」A君:「おお、なるほど!文面も完璧だし、今から電話とメールしてみよう!」このように営業マンは新しいツールを覚える必要はありません。普段使っているチャットツールに「有能な先輩」が常駐してくれる状態を作ることが、この300万プロジェクトのゴールです。 【お客様がサイトを見たとAIが察知する仕組み】Webサイトを見ただけで、なぜ「A社の佐藤さんだ!」と分かるのか。仕組みは主に「IPアドレス」と「Cookie(クッキー)」の2つを組み合わせています。① 企業名までしか分からない段階(IPアドレスの判定)仕組み:企業のオフィスからインターネットに接続する場合、その企業固有の「IPアドレス(ネット上の住所)」を使っていることがほとんどです。判定:サイトに「企業判別タグ」を1行埋め込んでおくと、AI(システム)がその住所を読み取り、「あ、今、トヨタ自動車の回線からアクセスが来たな」と分かります。限界:ただし、これだけでは「トヨタ自動車の中の誰か」までは分かりません(匿名顧客)。② 「個人(佐藤さん)」まで特定できる仕組み(Cookieの実名化)ここからがMAツールの真骨頂です。過去に一度でも「接点」を持った瞬間に、匿名から実名へと切り替わります。ステップ1:自社サイトに「お役立ち資料ダウンロード」や「メルマガ登録」のフォームを置いておきます。ステップ2:佐藤さんがそのフォームに「sato@toyota...」とメールアドレスを入力した瞬間、システムは佐藤さんのブラウザに「Cookie(固有のスタンプ)」を付与し、メールアドレスとスタンプを裏側で合体(名寄せ)させます。ステップ3(察知):以降、佐藤さんが3ヶ月後にスマホやPCで自社サイトの「料金ページ」や「事例ページ」を覗きに来ると、そのスタンプが反応し、「あ!3ヶ月前に資料を落としたトヨタの佐藤さんが、今まさに料金ページを見ています!」とAIが察知し、営業のチャットに通知を飛ばせるようになります。 【成功のための「3つのステップ」(はじめの一歩)】大規模なプロジェクトを組むのではなく、明日から動けるようなアクションプランから始めてみませんか。1. 「トップ営業の勝ちパターン」を1つだけ選ぶ(例えば、失注の掘り起こし、特定の製品ページの閲覧など欲張らないでまずは1つだけ選んでみましょう)2. チャットツール(Slack/Teams等)と顧客データがつながっているか確認する。3. AIを活用したスモール開発が得意なパートナー(ベンダー)に相談する(大規模な総合コンサルではなく打てば響く開発会社を選ぶのが300万に収めるコツです) 【失敗しない「IT業者(ベンダー)の選定ポイント」】「予算300万でAIアシスタントを作る」というプロジェクトにおいて、業者の選定を間違うと、お金をドブに捨てることになります。「ここだけは絶対に見て!」という選定基準は以下の3つです。① 「総合コンサル・大手SIer」は絶対に避ける大手の高名なIT会社やコンサルに頼むと、要件定義や会議を重ねるだけで最初の300万円が消し飛びます。彼らはシステムをゼロから構築しようとするため、最終的に「総額3,000万円です」と言われます。狙うべきは、「生成AI(ChatGPT等のAPI)を活用したスモール開発・モックアップ(試作品)開発が得意な、少数精鋭のベンチャー企業(打てば響く開発会社)」です。② 「営業現場(泥臭い業務)を理解しているか」をテストするIT業者の多くは「技術」の話ばかりします。「このLLMのモデルが〜」「APIの仕様が〜」という業者は危険です。見極め方:業者にこう質問してください。「うちの若手営業は普段、日報をサボりがちで、SFAの画面もほとんど見ない。そんな彼らが『これなら動く』と思えるようなチャットへの通知文面や仕組みを提案してくれますか?」この質問に対して、「それなら、通知をただ送るだけでなく、営業マンがボタンを1つ押すだけでメールが自動送信されるようなUI(導線)にしましょう」といった、営業目線の提案が返ってくる業者を選んでください。③ 「データクレンジング(整理)」に並走してくれるか「AIを繋ぐのは得意です」という業者は多いですが、自社の顧客データ(過去の Excel や古いCRM)が汚いとAIは動きません。「データは御社で綺麗に用意してください。私たちは繋ぐだけです」という業者は不親切です。「トップ営業へのヒアリングに同席し、過去の提案書をAIが読み込める形に一緒に整理(構造化)します」と言ってくれる泥臭いサポート力のある業者を選ぶのが成功の鍵です。 【スモール・モックアップ開発に強いAIベンチャー企業】大手SIerではなく、「生成AIのAPI活用」「RAG(自社データの組み込み)」「社内チャットツール連携(Slack/Teams)」を、数百万規模のスモール開発(PoC・モックアップ開発)から柔軟に受託している少数精鋭〜急成長中のベンチャー企業を厳選しました。1. 株式会社LangCore(ラングコア)特徴:まさに「生成AIを活用した業務効率化やシステム開発」に特化した精鋭ベンチャーです。ChatGPT等のLLMを企業の既存データと繋ぐ「RAG」の構築や、Slack/Teamsなどのチャットツールと連携したAIアシスタント開発の実績が豊富です。強み:大がかりなシステムを作る前段階の「まずは動くものを作って検証する」というプロトタイプ(モックアップ)開発を、迅速かつ低コストで柔軟に引き受けてくれるフットワークの軽さがあります。2. 株式会社ガラパゴス (AIRS事業)特徴:AIを活用したプロダクト開発や、企業のAI内製化・PoC(概念実証)支援を強く打ち出している企業です。強み:顧客の「こういう営業アシスタントが欲しい」というざっくりとした要望から、要件定義を素早く行い、数週間〜数ヶ月で動く形にするスピード感に定評があります。「予算に合わせてどこまでミニマムに作れるか」の相談に乗ってくれる会社です。3. 株式会社Nuco(ヌコ)特徴:AI・機械学習を用いたシステム開発のプロフェッショナル集団です。ChatGPT(OpenAI)などのAPI連携だけでなく、企業の独自データを活用したAIチャットボットや、業務自動化ツールの開発に強みを持っています。強み:技術力の高さはもちろんですが、ビジネスサイドの課題(どうすれば営業現場が使ってくれるか)に寄り添った設計をしてくれるため、「ITに詳しくないけれど、売上を上げる仕組みを作りたい」という企業に伴走してくれます。4. 株式会社Spiral.AI(スパイラルエーアイ)特徴:元・大手のAI開発者などが集まった、生成AI特化型の最先端ベンチャーです。独自のLLM活用プラットフォームを持っており、企業の「売れるノウハウ(キャラクター性や対話の型)」をAIに高精度で学習させる技術に長けています。強み:大規模なフルスクラッチ開発だけでなく、特定の営業業務に特化した「ミニマムなAIアシスタント」の構築にも柔軟に対応してくれます。 これらのような『生成AI特化型』のベンチャー企業は、日々技術のアップデートが早いため、まずは『3ヶ月以内に、予算〇〇万で、Slackに通知が飛ぶプロトタイプを作りたい』と要件をミニマムに絞って問い合わせるのが、彼らのスピード感を最大限に引き出すコツです。「One to One Marketing」や「営業DX」の本質は高価なシステムを買うことではなく、「顧客の今」に「自社の最高のアプローチ」をぶつけることです。予算300万のAIアシスタントはそれを最も泥臭くかつ確実に実現する手段です。#営業DX #生成AI #MAツール #Salesforce #OneToOneマーケティング #営業戦略
2026.09.08
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営業業務はAI導入が最も進みやすい分野でMcKinseyやSalesforceの調査でも営業・マーケティングはAI活用率でトップクラスです。2026年現在、81%の営業チームがAIを試験導入または本格活用しており、AI活用チームは1.3倍の売上成長するというデータが出ています。営業業務におけるAI利用の観点でメリット・デメリットを整理しました。営業は失敗コストが比較的に低く、他社の成功事例を素早く模倣する戦略が有効です。初期のAIツール、特に生成AIメールやスコアリングは精度が不安定なため、先行企業の失敗事例から学べます。AIツールの価格も低下し、CRM Copilotや会話インテリジェンスツールを安価に導入可能となります。自動議事録+CRM自動更新ツールなど精度向上・セキュリティ強化後のツールを選ぶことができます。他社のユースケースを参考に、自社商談パターンに合わせたカスタマイズが可能となります。営業は「即効性」が重要なため、証明されたツールに集中できます。無駄な実験を避けることができます。以上のメリットからFast Followerの戦略が向いているのは中小企業や伝統的B2B企業です。商談数が少なく、1件あたりの単価が高い企業や失敗がブランドイメージに直結する業界に向いています。一方で営業は成果が数字で明確に出るため、出遅れの影響が非常に大きい分野とも言えます。競争力低下のリスクが大きいデメリットは、売上機会の大幅損失と競争劣位です。AI活用チームは生産性で最大40%程度の向上や売上成長率で1.3倍増を達成しています。後追いではリード獲得やクロージングで負けます。また、営業効率の格差が拡大します。AI活用による議事録・提案書作成の自動化は1週間当たり6時間程度の時間節約が可能となります。出遅れ組は残業増・成果低下します。若手の優秀人材は「AI先進企業」を志向するため、出遅れ組は人材面で採用難と離職リスクに常時晒され、競争力が低下します。先行企業はクリーンなデータ蓄積が進み、予測精度の優位を築きます。後追い企業は学習曲線が急峻でキャッチアップが困難になります。パーソナライズ提案・シグナルベース営業で先行企業は優位を築いているので後追い企業は「古い営業」と顧客からも他社からも見なされます。これらの影響が特に深刻なのは、新規開拓中心のアウトバウンド営業、競争の激しいSaaS・IT・コンサル営業、受注確度予測の重要な長周期商談などです。現在、営業における主なAI活用領域は、リード獲得・スコアリングにおける高確度リード優先の予測リードスコアリング、商談準備における提案書・メール自動生成とパーソナライズ、商談中におけるリアルタイム会話支援・トークスクリプト提案、商談後における自動議事録+CRM更新+ネクストアクション提案、パイプラインにおける予測精度向上・ディールリスク検知などです。既にAI活用営業チームの86%が1年以内にROIがプラスに転じたようです。営業担当者の時間節約も週1~5時間、受注率向上や商談サイクルの短縮が顕著となっています。営業はAIで最も成果が出やすい部門のひとつです。出遅れると「数字」で明確に差がつきます。完全にBehindのままでいるのは極めて危険です。現実的な勝ち筋は、「戦略的Fast Follower」です。今年中に議事録ツールやCRM Copilotなど最低限のパイロットを開始しましょう。そして、他社の成功事例を徹底的にベンチマーキングするのです。並行してデータクリーンアップと営業プロセスを見直しましょう。小さな成功を積み上げて組織受容性を高めることが今年、企業がやらなければならないAI導入の一歩です。#AI #生成AI #営業DX #SalesEnablement #営業改革 #CRM #Salesforce #営業マネジメント #AIエージェント #B2B営業 #LinkedIn
2026.09.01
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2025-2026年現在、AI採用は急速に進んでいます(McKinsey調査では88%の企業が少なくとも1つの業務でAIを使用)が、本格的なスケーリングと企業全体への影響を実現できている企業はわずか6%程度とされています。多くの企業がまだ「パイロット段階」で停滞しており、Ahead(先駆者)とBehind(後追い・遅れ組)の格差が拡大しています。ビジネスにおけるAI利用の観点でメリット・デメリットを整理しました。意図的にFast Followerとして他社の成功事例を素早く模倣する戦略としてのメリットは、失敗リスクの低減です。初期のAIプロジェクトは失敗率が高く、多くはまだROIを出せません。他社の失敗事例から学べることは多く、失敗における一次的な生産性低下を避けられます。また、ツールのコストも初期の高額投資(GPUやクラウドなどのインフラコスト)を避け、AIツールコストが低下してから安価で成熟したソリューションを選択することが可能となります。ツールもバグ修正やセキュリティ強化後のより信頼性の高い、データプライバシー規制対応の進んだ、安定したものが導入できます。限られた予算・人材で証明されたユースケース(例:顧客サポート自動化、予測メンテナンス)に集中でき、リソースをより効率化できます。AIブームの過熱感に巻き込まれるのを避け、自社業務に本当にフィットするのか検証可能で冷静な戦略立案ができます。以上のメリットからFast Followerの戦略が向いているのは中小企業や伝統産業(製造業、金融の一部)です。特に失敗が許されない規制産業や保守的な文化の組織に向いています。一方で競争力低下のリスクが大きいデメリットは、機会損失と競争劣位です。早期採用企業は40%程度の性能向上や5-10%の収益増を達成します。後追いでは市場シェアの奪取が極めて困難になります。また、AIスキルを持つ優秀な人材は「先進企業」を好むため、後追い企業は「時代遅れ」と見なされやすく、人材流出や採用難の原因となります。後追い企業はデータ蓄積・組織変革の遅れでキャッチアップコストが高騰します。競合他社が優位を築いた後なので大幅な投資と時間が必要となります。スケーリングの壁が立ちはだかり、パイロットで止めるケースが多く、後追い企業は本格導入時の抵抗が強い。早期導入企業は学習曲線を既に克服しています。組織的なAIを活用した意思決定速度・効率で他社に負けると持続的成長が危うくなります。結果、投資家・市場からの評価が低下し、長期的な企業価値が低下します。これらの影響が特に深刻な業界は、競争の激しいテック、E-commerce、マーケティング、顧客体験が重要なサービス業界、急速なAI化が進む製造・物流(予測維持管理など)でしょう。今年、AIを戦略的に活用する高パフォーマンス企業は効率・イノベーションで明確にリードしています。残りの大多数はまだ実験段階で止まっています。格差は拡大しています。Fast Followerの勝ち筋は完全にBehindではなく、「意図的なFast Follower」を目指すことが現実的です。先行企業の成功事例を観察し、自社に最適化した形で素早く採り入れる(例:MicrosoftやGoogleの過去戦略に似る)ことが鍵を握ります。今年やるべき推奨のアクションは、どの業務で必要となるか、自社のAI成熟度を診断することです。小規模から始めて、成功事例を積み上げることです。並行してデータ基盤の整備と人材育成を行います。そして、今年中にスケーリングを検討することです。待機しすぎは複利の18か月と同じで喪失リスクが大きくなってしまいます。完全にBehindのままでいるのは極めてリスクが高い時代ですが、戦略的に少し後ろに取るのは賢明な選択肢のひとつです。#AI #生成AI #AIエージェント #DX #デジタルトランスフォーメーション #経営戦略 #組織変革 #イノベーション #生産性向上 #LinkedIn
2026.08.25
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前回、ネット通販でのエアコン購入トラブルをAIとの共作メールで解決したお話をしました。今回はその「後日談」です。キャンセル後、私は改めてエアコンを買い直すべく、AIに相談しました。「安く、かつ既存品の処分も含めて安心して買える方法は?」と聞いたらAIの答えは明確でした。「最初から総額表示をしている家電量販店系が、実務的に最も安心です」と返ってきました。ネット最安値は「本体価格」で目を引き、後からリサイクル料や配管工事費を積み上げるケースが多い。そのアドバイスに従い、私は丸一日使って近所の家電量販店4店(Y, B, N, Ym)を巡ることにしました。6畳タイプで総額7万円から8万円なら購入しようと思い、最初にY量販店に行きましたが、目当ての型落ちのモデルは売り切れて在庫はないとのこと。店員も目を合わそうともせず、呼び止めてもあまり売る気が感じられず、「価格は値札を見てください」というだけだったので話をする気がなくなり早々に退出しました。次に行ったのはB量販店。ここの店員は私の話を聞いて希望価格に近い東芝と中国製品の工事費込みの総額について尋ねたところ、総額は12万円と8万円を提示、しかし、工事日程が2か月先になるとのことでした。3番目はN量販店。ここの店員はどういうものを探しているかを聞いて、安価なものはクリーニングを業者に依頼したり、故障しやすいので結果的にコストがかかるということでした。従ってその店員がお勧めで購入するものは総額で15-20万円くらいはみておくのが妥当ということでした。最後はYm量販店。オリジナルの中国製品を持っており、工事費込みの標準価格は9万円だが追加費用は現地で見ないと分からない、総額の見積もりは出せないとのことでした。これらの情報をAIに入力、総合して、最初にAIが勧めたのは長期保有、修理網、部品供給が有利との観点からB量販店の東芝製でした。が、中国製より4万円も高い。寝室での利用で頻度も高くない、家族は中国製が良いと言っているということを伝えると今の中国製は悪くない、サービス体制は東芝に比べて劣るが、5年の延長保証(有料)をつけることで「絶対的な高性能」より「総額の納得感」「追加費用の透明性」「コストバランス」を優先順位に置く私には合理的な判断との回答でした。結果、B量販店で中国製を購入することにしました。B店で決済をした後で工事日は最初は6月末と聞いていたのが、意外にも6月9日になりました。AIは今回、私が気にしているのは本体最安値ではなく、「総額の透明性」「相談しやすさ」「後だし追加費用回避」ということを理解してくれていました。比較するのは本体価格ではなく、「今日ここで払う最終総額」を見ることで、保証期間や設置品質の重要性まで教えてくれました。ちゃんと工事されること、総額の納得感、延長保証がある方が満足度に効くことが分かりました。最初のネット購入時より、総額、保証、工事、不確実性まで見えたので購入判断ができました。7年前に8畳対応の三菱エアコンを同じくらいの価格で買ったので6畳タイプでこの価格は随分価格が上がっているという私の感想にもAIから工事費上昇などの背景があることを知り、納得感がありました。最近の量販店は利益率低下、ネットとの価格競争、工事トラブル増加でどうしても利益の出る高価格帯に販売が寄りやすいことも知りました。だからB以外の3店舗の対応は売る気のない感じだったのが分かりました。特にエアコンは本体利益が薄く、工事費で利益調整、長期保証で利益という構造があるから「総額不透明」になりやすいことも初めて知りました。今回、B量販店だけ印象が違ったのは最大追加費用まで説明、中国製という現実的選択肢の提示、工事時期も明確だったから「ちゃんと会話が成立した」感覚がありました。しかし、総額8万円の中国製エアコンの実際、支払った費用は10万円を超えました(これは業界特有の問題だと思います)。これはかなり大事です。家電量販店の淘汰は始まっていますが、おそらく、このような状況では家電量販店の顧客離れは止まらないでしょう。 【顧客データがあるのに「理解」がない現場】私は4店すべてのポイントカードを持っており、購買履歴も蓄積されているはずです。しかし、店頭で感じたのは猛烈な「違和感」でした。・こちらの要望(撤去込みの総額)より、高価なモデルへの誘導~膨大な顧客データがあるはずなのに、目の前の私を理解しようとしない接客。店員は聞かれたら答えるくらい。売る気も感じられない。・システム(CRM)はあっても、それが「体験」に還元されていない~4店を回って唯一感じたのは、「私はただの『数字』として扱われている」という感覚でした。B量販店は「私の条件中心」でしたが、他の3店は「売りたい商品中心」でした。従来型販売は平均的顧客向け、高単価誘導、一律営業です。3店の店員の売る気のない姿勢もAIから近年の店員は売っても後から「キャンセル・返品・トラブル」になるより「売らない安全」を選ぶ傾向が強く、そのため「条件が曖昧」「売ってこない」「説明が不十分」と見えてしまうことがあるとのことでした。それだけエアコンの商売は不健全なスパイラルに入っており、個客へは不信感を売る結果になっていることを理解しました。しかし、AI時代のパーミッション型(One to One Marketing)は文脈理解、不安理解、条件最適化、意思決定支援になり、従来型販売とは対極をなすものです。 【履歴を知らないAIが、なぜ「理解者」になれるのか】一方で、AIは私の購買履歴も会員ランクも知りません。しかし、私が4店で感じた違和感や収集した情報を伝えると、それらを整理し、私の意思決定を全力でサポートしてくれました。そこに生まれたのは、売り込みではなく「理解されている」という信頼です。以前から考えていた「Permission(許可)→ Engagement(関係性)→ Monetization(収益化)」の流れがきれいにつながりました。今回、私の心を動かしたのは、データの量ではなく、対話を通じて生まれた深いエンゲージメントでした。これからは「商品知識」だけでは差別化できません。重要になるのは個客文脈理解、不安解消、総額透明性、意思決定支援です。店舗体験の格差は今後、もっと広がるでしょう。今回、店員さん個人というより、先ほど挙げた「業界構造」の問題も大きいと感じました。特にエアコンは工事外注、追加費用多発、繁忙期のひっ迫で現場もかなり疲弊しているようです。実際、顧客が支払う費用が不透明なエアコン販売の実態だからこそ逆に「ちゃんと寄り添う対応」の価値が上がってきていると思いました。 【AIが取り戻す「理解する力」】今回の体験で確信しました。AIは人間を置き換える存在ではありません。むしろ、効率化の過程で人間が失ってしまった「相手を深く理解する力」を補完し、増幅してくれる相棒なのです。AIが変えるのは検索やFAQだけではなく、「顧客との関係性」です。量販店側はまだ「商品を売る」発想が中心です。でも私が求めていたのは「失敗しない意思決定」でした。ここに大きなズレがあります。実は最初、工事日は「2か月先の6月末です」と言われていたのが、実際は「1か月先の6月9日で行けます」となったっていうことは「B店での最初の説明が顧客最適ではなかった」可能性があります。これから強い企業は商品知識ではなく、「個客文脈理解」を持つ企業です。AIは無機質、人間は人に寄り添うことと思われがちですが、今回は逆でした。私が感じた違和感は「データを持っている」と「理解している」は違うということでした。私がエアコン購入で顧客に寄り添う接客をする家電量販店は実際、皆無でした。これはAI時代のマーケティングの核心テーマになっていき、実行する勝組と旧態依然の負け組の二極化は続くと確信しました。 #カスタマーエクスペリエンス #CX #CRM #生成AI #顧客理解 #DX #マーケティング
2026.08.18
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今年の夏も酷暑。来年は省エネ規制でエアコン価格が上がると聞き、「買い替えるなら今が最後かも」と重い腰を上げました。寝室のエアコンは10年以上前に壊れたまま。これまで冷風機で凌いできましたが、ネットで格安の東芝製エアコン(標準工事費込み約6.9万円)を見つけ、即決。しかし、注文後に届いたメールを見て凍りつきました。「追加費用が不透明。でもキャンセル料は2万円以上」詳細を調べると、旧機種の処分や配線工事などで1.7万円以上の追加費用が確実に発生し、総額が当初の30%近く跳ね上がることが判明。「いくらかかるか分からない」という不安と、「しくじった」という後悔でいたたまれない気持ちになりました。そこで、ダメ元でAIに相談してみたのです。【AIが提示した「3つの勝ち筋」】AIは状況を冷静に分析し、法律(消費者契約法)を武器にした具体的な戦略を提示してくれました。不利益事実の不告知:「撤去・リサイクル費」のような、ほぼ確実に発生する重要費用が、発注段階で明確に提示されていないのはNG。証拠重視のメール交渉:言った・言わないを防ぐため、電話ではなく必ずメールで。法的ワードの活用:感情的にならず、「消費者生活センター」や「クレジットカード会社への相談」という言葉を添えることで、販売側に「面倒な案件」と認識させる。AIが作成してくれた交渉文を送り、連休明けを待つこと数日。あんなに不安だった状況が嘘のように、あっさりと「キャンセル受付」の連絡が届きました。 【AIは「盾」にも「矛」にもなる】論点の整理、法律の照らし合わせ、そして相手の対応を予測した交渉術。AIは単なるチャットボットではなく、生活を守るための強力なパートナーだと実感した出来事でした。従来なら「規約をご確認ください」「キャンセル不可です」「追加費用は場合によります」で終わっていた可能性が高いです。つまり企業側は「平均化された対応」です。一方で今回の流れは、私の状況を整理、法律論点を抽出、感情を整理、相手企業の立場も考慮、最適な交渉順序を設計、個別メール文を生成、次の分岐まで予測、つまり、AIは「私専用の交渉戦略」をリアルタイムで作っていました。従来のCRMやMAは「属性」でセグメントしていました。「年齢」「業種」「地域」「購買履歴」です。しかし、AI時代は違います。AIは、「今この瞬間の文脈」を理解します。今回で言えば、未発送、工事前、カード締め日決済の不安、感情状態、交渉フェーズ、相手企業の論理、カード決済状況、これら全部を統合していました。これまでの企業は、一斉配信、ナーチャリング、スコアリングでしたが、AI時代は「個客ごとの意思決定支援」になります。ここで企業が売るものは商品ではなく、安心、解像度、判断支援、不安解消、文脈理解、になっていく。今回、私が感じた「感動」の正体は「自分専用の伴走者がいた」ことだと思います。しかも、24時間、感情的にならず、情報整理して、実行レベルまで落としてくれる。これは従来のマーケティングでは不可能でした。重要なのは「AIが答えを出した」ではなく、「人が冷静に意思決定できる状態を作った」ことです。これはAI時代における今後のCX(顧客体験)の核心テーマになります。#AI活用 #生成AI #消費者契約法 #交渉術 #ライフハック #DX
2026.08.11
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ここまで来たら、後は絵にかいた理想を「動く仕組み」に変えるだけです。ツールごとにバラバラに説明するより、同じ設計思想をどう実装に落とすかで整理します。まず共通の全体像です。どのツールでも、この4層で考えると崩れません。① データ層(顧客情報・行動ログ)② 判断層(スコアリング・状態判定)③ 会話層(AIエージェント)④ 実行層(メール・通知・営業連携) ChatGPT(柔軟性MAX・中核エンジン)は「脳」として使います(会話・判断・生成)。現実的な実装方法は、「コアプロンプト」をそのまま入れます。System:あなたは顧客関係を構築するAIエージェント...次にUser />User:顧客情報:- スコア:Bランク- 過去行動:資料DL、ウェビナー参加- 課題:コスト削減に関心 この顧客に最適な次のアクションを提案してください 重要なのはAPI連携です。CRM(Salesforce/HubSpot)からデータ取得、ChatGPT APIに送信、結果を戻して実行します。ChatGPT単体ではなく「中核エンジン」として使います。よくあるミスは単発で終わる、状態管理がないといった「賢いFAQ」止まりになってしまうことです。 Salesforce(B2B・大企業向け)の役割は、顧客データの「ハブ」、営業プロセスとの統合になります。実装方法はカスタム項目、例えばEngagement Score、ステータス(C/B/A/S)、最終接触などで状態を管理します。自動分岐はフロー、スコア更新→ステータス変更、ステータスごとにアクション分岐で行います。AI連携は肝になりますが、Einsterin/外部API(ChatGPT)連携、商談・メール作成、次のアクション提案です。営業との接続は、Aランク以上→営業タスク自動生成、会話履歴を要約して引き渡しするなどAI→人間の切替をシステム化します。よくあるミスは、データ入力だけして終わったり、AIを使わないCRMで終わるなどただの「顧客台帳」で終わってしまうことです。 HubSpot(中小~成長企業向け)の役割は、マーケ~営業の一体運用、パーミッション型に最適なところにあります。実装方法は、リードスコアリングは、ページ閲覧、メール開封、クリックといったHubSpot標準機能でOKです。自動でスコア加算します。リスト分岐(状態管理)はC/B/A/Sでリスト作成、動的セグメント化します。ワークフロー設計は、例えば、C→教育コンテンツ配信、B→事例・比較、A→デモ誘導、S→アップセル・紹介といった形にします。AI連携は、メール生成、チャットボット、コンテンツ最適化といった連携します。高度化するならChatGPT APIと連携します。よくあるミスはパーミッションなのに「マス化」し一斉配信で終わってしまうことです。 ツール別にまとめると以下の通りになります。ツール強み役割ChatGPT柔軟な思考・会話頭脳Salesforceデータ統合・営業背骨HubSpotマーケ自動化血流最も現実的で強い構成となる実装の「黄金パターン」HubSpot(集客・育成) ↓Salesforce(顧客管理・営業) ↓ChatGPT(意思決定・会話)これでデータ→判断→実行がつながります。ツール導入で差はつきません。差がつくのは「どんな関係を作るか」を設計しているかで決まります。#DX実装 #Salesforce #HubSpot #ChatGPT #設計思想 #2030年への共通言語
2026.08.04
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AIエージェントのプロンプト設計は「思想をAIに宿す」コア部分です。曖昧なプロンプトだと、どれだけ良い戦略でも「ただの便利ツール」止まりになってしまいます。そのまま使える実装テンプレ+設計思想をセットで提示します。最前提にあるのは、「AIは『何をするか』ではなく、『どう振る舞うか』」で価値が決まります。つまりプロンプトは指示書ではなく、人格設計書(Operating System)です。全体構造はこの順番で設計します。① 役割(Role)② 目的(Objective)③ 価値観(Philosophy)④ 行動原則(Principles)⑤ コンテキスト(Context)⑥ 行動フロー(Actions)⑦ NG行動(Constraints)テンプレは、全エージェント共通のコアプロンプトは以下になります。あなたは当社の顧客体験を担うAIエージェントです。 【役割】単なる問い合わせ対応ではなく、顧客との信頼関係を構築・深化させる「パートナー」として振る舞ってください。 【目的】短期的な売上ではなく、長期的な関係性(信頼・満足・継続)を最大化すること。 【価値観】- 顧客の成功が最優先- 売る前に理解する- 正確さよりも共感を重視する場面がある- 押し売りは信頼を毀損する 【行動原則】- 必ず顧客の意図・感情を推定してから回答する- 一方的に説明せず、必要に応じて質問を返す- 専門用語は相手の理解度に合わせて調整する- 不明点は曖昧にせず確認する 【NG行動】- 即座に商品を売り込む- テンプレ回答を繰り返す- 顧客の文脈を無視する- 過度に自信のある誤情報を出す 状態別プロンプトはここで差が生むことになりますが、顧客の「温度」ごとに分けます。Cランク(接点弱い)【状態】顧客はまだ関心が低く、情報収集中。 【行動】- 売り込まず、有益な情報提供に徹する- 相手の課題を引き出す質問を行う- 「この人は分かってくれる」と思わせる 【ゴール】次の接点(フォロー・登録・資料閲覧)につなげる Bランク(関係形成中)【状態】一定の関心があり、比較検討段階。 【行動】- 課題を具体化する- ケースや事例を提示- 選択肢を整理する 【ゴール】信頼を高め、「相談したい存在」になる Aランク(高関心)【状態】導入・意思決定に近い 【行動】- 不安・懸念を先回りして解消- 具体的な導入イメージを提示- 人間への接続タイミングを判断 【ゴール】自然な意思決定(押さない) Sランク(顧客)【状態】既存顧客 【行動】- 成功体験を最大化- 利用促進- 次の価値提案 【ゴール】LTV最大化・紹介創出 AI→人間の切替プロンプトは「信頼を壊さない鍵」です。以下の条件に該当した場合、人間担当者への接続を提案してください: - 感情的な不満・クレーム- 高額・重要な意思決定- 文脈が複雑で誤解リスクが高い場合 接続時は以下を行う:- これまでの会話要約- 顧客の意図・感情の推定- 推奨アクション 顧客には「より適切な対応のため」と説明する 出力スタイル制御は重要です。【トーン】- 丁寧だが堅すぎない- 人間らしい温度感- 共感 → 整理 → 提案の順番 【文章構造】1. 共感・理解2. 要点整理3. 提案 or 質問 業界別カスタマイズ例を示します。SaaS- プロダクト活用を中心に会話する- 機能説明ではなく「成果ベース」で話す- 利用データを前提に提案する製造業- 技術的正確性を重視- 信頼を損なう曖昧表現は禁止- 長期関係前提で対応人材業- 感情・人生背景を重視- 即決を促さない- 選択肢の整理を支援 よくある「失敗パターン」はかなり重要なので注意しましょう。×「何を答えるか」だけ書く→振る舞いが設計されていない×売上を目的にする→一気に押し売りAIになる×状態分岐がない→全員に同じ対応をするので信頼が崩壊しますこの設計の本質はひとつです。AIに「関係の作り方」を教えているのです。ここまで設計できると、顧客体験を設計する企業になります。ただの効率化で終わるAI導入企業になるかの分水嶺です。#AIエージェント #プロンプトエンジニアリング #設計思想 #2030年への共通言語 #伴走者
2026.07.28
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最前提にあるのは、「売上は『結果』であって、KPIではない」という全体思想です。追うべきはこの3階層です。①許可(Permission)②関係性(Engagement)③収益化(Monetization)この順番が崩れると失敗します。ダッシュボードの全体像ですが、レイヤー構造から見ていきましょう。PermissionLayer(許可の量と質)は、新規許可獲得数(週/月)、許可率(CVR)、チャネル別許可(SNS/Web/イベント)、許可単価(CPA)で「どれだけ『関係の入口』を作れたか」を見ます。Engagement Layer(関係の深さ)は、最重要KPIです。接点継続率(7日/30日)、コンテンツ消費量(閲覧・滞在)、返信率/リアクション率、コミュニティ参加率、面談化率(人材/B2B)で「どれだけ関係が育っているか」を見ます。Trsut Layer(信頼の強さ)は多くの企業が見ていませんが、最も重要です。NPS(推奨度)、指名検索数、再訪率、紹介発生率で「選ばれる理由があるか」を見ます。最後に見るのがMonetization Layer(収益化)です。LTV(顧客生涯価値)、CAC回収期間、成約率、平均単価、解約率(SaaS)で「関係性がマネタイズされているか」を見ます。実務フォーマットであるダッシュボード設計は経営者向けには1画面構成とします。例:「関係性が挙がっているか」を中心に見れるように下記のような画面になります。【今週の状態】 ① 許可- 新規許可:+1,240(+12%)- CPA:¥1,200(↓) ② 関係性- 30日接点率:42%(↑)- エンゲージメントスコア:68(↑) ③ 信頼- NPS:+32(→)- 紹介率:8%(↑) ④ 収益- LTV:¥48,000(↑)- チャーン率:3.2%(↓) エンゲージメントスコア設計は現場で使える形にします。スコア式(例)これで「温度感」を数値化します。Engagement Score =(閲覧 ×1)+(クリック ×3)+(返信 ×5)+(面談 ×10)+(購入 ×20) ランク分類は、S:80以上(超ホット)、A:50-79(育成対象)、B:20-49(関係形成中)、C:-19(接点弱い)、とAIはこのランクごとに対応を変えます。 AIエージェント連動KPIは差別化ポイントです。反応速度は初回返信時間、問い合わせ対応時間に置き、「速さ=信頼」とします。パーソナライズ率は個別最適コンテンツ配信率、レコメント精度に置き、「一人ひとり違う体験を作れているか」を見ます。自動→人間の切替精度はエスカレーション率、人対応後の満足度に置き、「AIに任せるべきでない瞬間を見極めているか」を見ます。業界別にKPIの違いがあります。SaaSはプロダクト利用率が中心でEngagement=利用頻度を見ます。製造業は接点頻度と案件化でEngagement=関係の深さを見ます。人材業では、面談・継続率でEngagement=信頼度を見ます。よくある「崩壊パターン」は重要なので注意しましょう。×リード数に戻る→Permissionしか見ていない×売上だけ見る→関係が壊れていることに気づかない×AIのKPIがない→ただの自動化で終わるこのダッシュボードの目的はひとつです。「どれだけ信頼が積みあがっているか」を可視化することにあります。ここまでやらないと意味がありません。
2026.07.21
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パーミッション型とAIエージェント設計を具体的な「業界別・成功のユースケース」に落とし込んで考えてみました。まずは、最も相性が良いと考えられるSaaSです。AIに置き換わってしまうと市場から不安視されていますが、勝ち筋の本質は継続課金=関係性がすべて、LTV(生涯顧客価値)がゴールにあるとフォーカスすれば十分に成功できると思います。理想の構造について、まずは顧客の取り方ですが、無料トライアル、ホワイトペーパーDL、ウェビナー参加で価値提供から許可取得の流れを作ります。そして重要なのは接点設計です。プロダクト内メッセージ、メール/アプリ通知、カスタマーコミュニティを通じて「プロダクトそのものがメディア」になるようにします。AIエージェントの役割は、オンボーディング自動最適化、利用状況に応じた提案、解約兆候の検知と介入を通じて顧客ごとに「伴走するCS」を再現することにあります。KPIはアクティブ率、機能利用深度、チャーン率、NPSに据えます。よくある失敗は、リード獲得で満足したり、導入後が放置されていたり、AIがただのFAQになってしまうことです。製造業(B2B・高単価)の勝ち筋は信頼x長期取引、「売る」より「選ばれ続ける」ことに本質があります。理想の構造について、まず、許可の取り方ですが、技術セミナー、展示会での関係構築、技術資料DLで「知識」で許可を取ります。接点設計は、技術ニュースレター、定期フォロー。導入事例の共有など「売り込み」ではなく「知の提供」を行います。AIエージェントの役割は、顧客ごとの仕様提案、問い合わせ即応(技術レベル)、過去案件からの最適解提示など「優秀な営業+技術者」のハイブリッド型にします。KPIはリピート率、案件化率、商談期間短縮、顧客内シェアに据えます。よくある失敗は、展示会で名刺集めて終わり、属人営業に依存、データが活用されないなどにあるので注意しましょう。人材業界はパーミッションに最も依存する業界ですが、勝ち筋は、信頼=個人に紐づく、情報の非対称性が価値にあることが本質です。理想の構造は、許可の取り方をキャリア相談、無料診断、コンテンツ登録など「人生に関わる価値」で許可を取ります。接点設計はキャリア情報配信、個別フォロー、イベント・コミュニティなど「売る」ではなく「伴走する」ことに据えます。AIエージェントの役割は、キャリア提案のパーソナライズ、求人マッチング最適化、面談内容の分析など「優秀なキャリアアドバイザーの分身」とします。KPIは面談継続率、内定率、定着率、リピート(転職2回目)に据えます。よくある失敗として、求人を押し付ける、短期成約重視、信頼を消費する営業があるので注意しましょう。どの業界でも共通する「本質構造」は同じです。許可の取得は「売る前に関係を作る」ことです。接点の継続は「単発を止めて継続すること」です。AIによる個別最適化は「全員に同じではなく、一人ひとり違う」ことにあります。KPIは「量ではなく、関係性」に置きます。ここまでやる企業は、プロダクト企業が関係性企業へ、営業組織は信頼設計組織に変わります。AIで削るべきは「作業」であって「関係性」ではありません。あなたのビジネスで考えてみてください。誰から許可を取りますか?どの接点を資産化しますか?AIに何を任せ、何を人がやりますか? #AI実装 #組織設計 #ビジネスモデル #伴走支援 #パーミッションマーケティング
2026.07.14
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AI時代の競争優位は、「どれだけ効率化したか」ではなく、「どれだけ許可を持っているか」になります。パーミッション・マーケティング(One to One Marketing)を思想で終わらせず、設計に落とし込むことが最重要課題です。すべての起点は「誰から許可を得るか」を定義することから始まります。あなたの会社の商いは、誰に価値を届けるのか、誰と長期関係を築くのか。ターゲットではなく「関係を築く相手」を決めるのです。次に、単発接点を止めます。顧客接点を「資産化」するのです。メルマガ、コミュニティ、SNSフォローは「一度きり」から「継続接点」に変えます。最重要なポイントは、AIに「思想」を埋め込みます。AIは賢いですが、「価値観」は持っていません。自社の哲学、顧客への向き合い方、言葉のトーンなどをAIに反映します。つまり、AIはツールではなく、「ブランドの分身」になるのです。次の段階はKPIを変えます。ここを変えないと100%失敗します。リード数や短期売上をKPIにするのはダメです。接点継続率、エンゲージメント、LTV(顧客生涯価値)をKPIに据えるのです。そして、最後は組織を再設計します。理想は、マーケ・営業・CSを統合、顧客単位で責任を持つ、AIが横断的に支援し、「部門」ではなく「顧客軸」で動くのです。この変化を一言でいうと、Doing:とにかく売るから、Being:選ばれる存在になることです。さらに言えば、Beingとは「許可される存在になること」です。AIによって時間は確実に生まれます。問題はその使い方です。コスト削減に使うのか、顧客との関係に投資するのか。この選択がすべてを分けます。あなたのカレンダーには何が入っていますか?空いた時間で、誰から「許可」を得に行きますか?#AI時代 #パーミッション型組織 #顧客関係性 #2030年への共通言語 #DX思想
2026.07.07
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【IT投資の失敗は、エンジニアとの『摩擦』から始まる】 経営者の熱い思いが、IT業者に伝わらない。エンジニアの冷めた言葉に、現場が萎縮する。この「摩擦」を放置したまま進むプロジェクトに、成功はありません。結論から申し上げれば、「ただのシステムエンジニア」の中に、これを実現できる人はほぼいません。経営者の「思想」を理解し、トップ営業の「暗黙知」を解剖し、それをAIの「アルゴリズム(プロンプトやデータ構造)」に翻訳できるのは、「商いの本質」と「テクノロジー」の両方に精通した「伴走型コンサルタント」だけです。 【IT業者には『商いの魂』は描けない】エンジニアは「Aという入力があればBという出力を出す」という論理的な正しさを追求します。しかし、営業現場の「顧客の表情が曇ったから、あえて話を止める」といった非論理的な、しかし本質的な判断(情)を理解できません。彼らはシステムのプロですが、商売のプロではありません。トップ営業の「解釈」をAIに移植する作業は、IT業者には荷が重すぎるのです。彼らにとっての成功は「システムが予定通り動くこと」です。しかし、経営者の成功は「利益率が上がり、社員が自信を持つこと」です。このゴールのズレが魂のないシステムを生みます。必要なのは、あなたの思想を理解し、それをAIの言語へと翻訳し、IT業者を正しく導く「伴走者」です。トップ営業の解釈をAIに注入するには、以下のような「多言語」を操る通訳者が必要です。・経営者の言葉:「三方よし」「おもてなし」「誇り」・営業現場の言葉:「間(ま)」「違和感」「クロージングの勘」・AIの言葉:「プロンプト」「ベクトル検索」「条件分岐(If-Then)」この3つの言語を繋ぎ合わせ、「トップ営業の『勘』を、AIが認識できる『ルール』に書き換える」。この作業ができる人間こそが、これからの時代に最も求められる設計者です。 【摩擦を『熱量』に変えるのは、一貫した思想である】設計者と製造者を明確に分ける。私が設計者(伴走者)として、IT業者との摩擦を引き受け、あなたの思想を1ミリも妥協させずに仕組みへと定着させます。その先にしか、社員が自信を持って戦える未来はありません。暗黙知を解剖し、AIに「何を、どう判断させるか」という指示の芯(プロンプトエンジニアリングの設計図)を作ります。エンジニアはその設計図をSalesforceなどのプラットフォーム上で「実装」するのです。IT業者とのやり取りに疲弊していませんか?彼らに「できない」と言われたことの中にこそ、あなたの会社の強みが眠っています。私は、その摩擦を解消し、あなたの「志」を形にするための通訳者であり、防波堤です。設計図は、IT業者には描けません。商いの心を知るあなたと、その心に寄り添う伴走者である私にしか描けないのです。 #IT投資 #DX #伴走者 #設計思想 #共通言語 #2030年
2026.06.30
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【あなたの会社を『常勝軍団』へ】スポーツもビジネスも同じです。真に強い組織は、一人のスタープレーヤーの「ひらめき」に依存しません。「あの人がいないと勝てない」という組織は、まだ本物ではありません。前人未踏の連覇を成し遂げた帝京大学ラグビー部は、なぜ、メンバーが入れ替わっても勝ち続けられるのか。それは、個人の才能を「組織の仕組み(文化・構造)」へと完全に昇華させたからです。今日は、そのエッセンスをAI時代のビジネスにどう移植するのか、その具体的な設計図をお話しします。 【帝京流・暗黙知の形式知化:『なんとなく』を許さない】帝京ラグビーの強さは、ゲームで勝つためのすべてが仕組み化されていることです。ラグビーの勝敗はシステム(FW・集散・規律)の影響が大きいので「闘い方の設計」が重要な鍵を握ります。帝京大ラグビーには「同じ強さを毎年出す仕組み」があるから強いのです。以下はラグビーの試合で勝つためのすべてのポイントです。①勝ち方が固定されている・FWで前進・ミスをしない・守備で崩れない→毎試合、同じ設計で闘える②FWの集散が自動化されている・タックル後、すぐ立つ・ポッド(※)が即形成・攻守の切り換えが速い→常に「整った状態」を維持(※)「ポッド」は、攻撃のときに一緒に動く小さなまとまりのグループのことです。簡単に言うと、「ボールをもらう候補として固まって動く、2〜3人くらいのミニ集団」というイメージです。15人制ラグビーにおいては8人のフォワードが多いですが、7人のバックスが絡むこともあります。このミニ集団ごとに・誰がボールを持つか・誰がサポートに入るか・どこに走り込むかをあらかじめ決めておくことで、テンポよく連続攻撃しやすくなります。この「小さなグループ単位で前進していく感じ」が、ラグビーにおけるポッドアタックの特徴です。③ポッドが崩れにくい構造・役割が明確・位置が規則的・サポートが遅れない→前進の再現性が高い④全員のフィジカルが一定以上・一部ではなく「全員が強い」・交代しても強度が落ちない→チーム全体で接点に勝てる⑤ミスとペナルティが少ない・判断がシンプル~無理をしない・規律が高い→自滅しない構造⑥80分間強度が落ちない・フィットネス・食事と回復管理・ローテーション→試合後半でも同じラグビーができる⑦層の厚さと競争環境・レギュラー争いが激しい・控えも同じレベル→誰が出ても同じ強さ⑧勝利が文化として定義・勝ち方が共有されている・後輩がそのまま継承→「再現され続ける強さ」 帝京ラグビーの強さは、一つ一つのプレーの「判断基準」が極めて明確な点にあります。これをビジネスに置き換えるのが、私のコンサルティングです。トップ営業が「なんとなく」選んでいる言葉、一瞬の「判断」を徹底的に解剖し、AIエージェントに組み込みます。トップ営業の勘を徹底的に解剖し、脱。属人化して新人でも活躍できる仕組みを作ります。人を見る段階を超えて、チームの構造・文化・再現性(なぜ強いか)を見ます。帝京流:1年生でも、窮地の場面で「チームの思想」に基づいた最適な選択ができる。AI流:トップ営業の「暗黙知」をAIエージェントに移植し、新卒社員でも「わが社の商いの魂」に基づいた高度な解釈(5/26のテーマ)ができる仕組みを作る。新人でも「この顧客のこのシグナルにはこう寄り添う」という思想がAIを通じて共有される。 【文化が仕組みを動かし、仕組みが利益を生む】帝京大学が変えたのは戦術だけではありません。上級生が下級生を支えるという「文化」そのものを変えました。仕組みだけでは組織は動きません。帝京が「掃除」や「下級生への配慮」といった文化を大切にしたように、ビジネスでもAI導入の根底に経営者の思想(6/16のテーマ)を据えます。ビジネスでも、AIエージェントを「監視」ではなく、現場の社員が自信を持って戦うための「究極のサポート役」として位置づけます。・AIという「理」の司令塔が現場を支え、社員が「情」に100%コミットできる文化を作る。・この一貫した文化が「再現性」を生み、顧客からのゆるぎない信頼=「言い値」へとつながります。 【AI投資は『勝利の方程式』を資産化する作業である】顧客が「高い」と感じるのは、その価値が「たまたま」に見えるからです。帝京ラグビーのように、毎回高いレベルの価値が提供される圧倒的な再現性があれば、顧客は安心して「言い値」を支払います。仕組みで優位を作っているからこそ、強い帝京ラグビー型ビジネスにシフトチェンジするのです。それは、「勝ち方を固定し、それを毎回再現する文化」と言っても良いものです。帝京ラグビーが「仕組みとしての強さ」を作れた理由は、単一要因ではなく、「長期で積み上げた文化+構造」です。設計が「理想状態で勝つ力」ではなく、「悪い状態でも負けない力」にあるからです。これが帝京ラグビーの根底にある構造的に崩れにくい作りの設計思想です。AI投資を単なるコストと考えるのはやめましょう。それは、自社のエースたちが必死で築き上げてきた「勝ちパターン」を、AIという器を使って永久不滅の「組織の資産」へと変える儀式です。個の強さを、組織の強さへ。このパラダイムシフトを受け入れた企業だけが、2030年の勝者として君臨します。あなたの会社の強みを「個人の勘」で終わらせるのか。それとも経営者の思想をAIのアルゴリズムに組み込み、組織全体に一貫した勝てる文化に定着させる「組織の構造(AI)」に変えるのか。その決断が、利益率を劇的に変える分水嶺となります。これから、企業間の競争はシステムの差がますます如実に表れます。「いつか、仕組み化したい」という願いを、今日、現実にしませんか?あなたの会社のトップ営業の知恵を解剖し、帝京ラグビーのような常勝組織へ作り変える伴走を、私が引き受けます。#帝京大学ラグビー部 #組織開発 #再現性 #AIエージェント #DX #リーダーシップ #仕組み化
2026.06.23
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【AIの前に、あなたの『志』を問う】最新のAIを導入すれば、組織は変わる――。もしIT業者がそう言ったなら、それは半分正解で、半分は間違いです。AI導入で利益率を伸ばし、組織が活気づく会社と、コストだけを垂れ流し、現場が疲弊する会社の決定的な差。それはITリテラシーの差ではなく、経営者の「思想」の有無にあります。 【1. プロジェクトの成否を決める『思想の合意』】私のコンサルティングでは、最初にシステムの話は一切しません。まず経営者の「思想」を徹底的に伺います。わが社は、顧客とどういう関係を築きたいのか?目先の利益よりも優先すべき「誠実さ」とは何か?「ただ儲かればいい」という心なき経営に、AIは牙を剥きます。短期的な効率だけを追えば、顧客は離れ、社員の心は折れ、組織は自壊します。逆に、思想という背骨が通ったプロジェクトでは、AIは「わが社の魂を届けるための聖剣」へと変わります。 【2. 実践:経営者の『志』をAIに移植する3つのステップ】思想を抽象的なスローガンで終わらせず、AIという仕組みに落とし込む。これが私のコンサルティングの核心です。暗黙知の言語化: 経営者が大切にしている「商いのこだわり」を徹底的にヒアリングし、言語化します。判断基準(プロンプト)の設計: AIが顧客対応や戦略立案を行う際の「最優先ルール」として、経営者の思想を組み込みます。現場へのエンパワーメント: AIを「監視」ではなく「盾」にします。AIが経営者の視点で現場をサポートすることで、社員は迷いなく、自信を持って顧客に向き合えるようになります。 【3. 現場の変化:作業員から、誇り高き『プロフェッショナル』へ】思想に基づいた設計がなされると、現場の景色は一変します。社員が単純作業から解放され、「自分にしかできない仕事(情)」にフルコミットできる。顧客から「あなたにお願いしてよかった」と言われる。この成功体験が社員に「自信」を与え、その自信が圧倒的な「高付加価値」を生み出すのです。 【あなたの思想を、AIという器に注ぎ込む】心のない経営に、持続可能性はありません。AIという新しい器に、あなたの「志」をどう注ぎ込むか。私は、あなたの思想を仕組みへと翻訳し、現場の社員が自信と誇りを持って戦える環境を創るための伴走者です。3年後、5年後の勝ち残りを決めるのは、ツールの性能ではなく、あなたの「志」そのものです。まずは、あなたの「商いの哲学」をお聞かせください。 【縦割りの壁を壊せるのは、トップの思想だけ】AI導入プロジェクトが失敗する最大の原因。それは技術の不足ではなく、部署間の「不協和音」です。「マーケが質の低いリードを渡してくる」「営業が勝手な約束をしてくる」.....。こうした縦割りの対立がある組織にAIを入れると不協和音はさらに増幅されます。これをまとめ上げ、ひとつのオーケストラにするのがトップの役割です。AIエージェントを「誰かの業務を楽にする道具」としてではなく、「全部署が共通して、一人の顧客の幸せ(成功)にコミットするための共通基盤」として定義しなおす。「わが社はこの思想で顧客に向き合う。だから、全部署がこのAI司令塔のもとに情報を集約し、ひとつの文脈で顧客を支えるのだ」とトップがそう宣言し、思想で組織を縛る。その時初めて、部署間の壁は消え、AIは組織をひとつに繋ぐ「接着剤」へと変わります。あなたの会社の強みを「個人の勘」で終わらせるのか。それとも「組織の構造と仕組み(AI)」に変えるのか。その決断が、利益率を劇的に変える分水嶺となります。安売りは、顧客と社員の未来を食いつぶします。AIという器にあなたの思想を宿し、現場の自信を仕組みに変えること。それこそが、核心である「高付加価値への回帰」です。価格ではなく、信頼で選ばれる会社へ変わるための設計図を、共に描きませんか。#AIエージェント #組織改革 #縦割り打破 #リーダーシップ #経営思想 #DX #顧客体験
2026.06.16
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【なぜパーミッション・マーケティング(One to One Marketing)は禁句になったのか】マーケティングの神様、セス・ゴーディンはかつてパーミッション・マーケティング(顧客に許可を得た個別対応)の重要性を説きました。しかし、日本では、この言葉は長らく「非効率の代名詞」として、マーケターの間で禁句にすらなっています。なぜか? それは、従来のマス・マーケティング(大量生産・大量販売)という成功体験の呪縛から抜け出せなかったからです。 【セス・ゴーディンが提唱した『パーミッション・マーケティング』】高度成長期に最適化された「一律のメッセージ」は、もはや顧客の心を動かしません。従来のマーケティングは、広告を打つ、認知を広げる、数で押す、といういわば「叫ぶマーケティング」でした。しかし、セス・ゴーディンはこれを強く否定します。人は広告を嫌っている、注意(Attention)は希少資源である、無理に奪うものではなく「もらうもの」というのが彼の基本スタンスで、ここから生まれたのがパーミッション・マーケティング(One to One Marketing)です。それは「顧客から『連絡していいよ』という許可をもらい、関係性を育てるマーケティング」です。従来手法がテレビCM、バナー広告、テレアポなどの割り込み型、いわゆる「邪魔して伝える」インタラプトに対してパーミッション型はメルマガ登録、LINE登録、コミュニティ参加など「許可をもらって関係を深める」ものです。なぜこれが重要かというと、理由はシンプルです。ひとつは信頼が資産になるからです。一度許可をもらうと、繰り返し、顧客との接点が持てます。それは短期売上ではなく「関係性」が積みあがることを意味します。ふたつめはコンバージョンが高いからです。興味がある人だけに届けることになるので無駄打ちが減ります。三つ目はブランドが育つからです。それはむやみやたらな「売り込み」ではなく、顧客との「対話」になります。AIエージェント時代は、AIが大量接触を代替します。しかし、「信頼」は代替できません。つまり、顧客からパーミッション(許可)を持っている企業が圧倒的に有利になるのです。これをセス・ゴーディン風にいうとDoingはとにかく届ける、Beingは選ばれる存在になること、つまり、「許可される存在になること」になります。実務レベルでいうと、無差別営業を見込み顧客のコミュニティ化に、メルマガとストーリー型の関係構築に、SNSをフォロワーではなく「ファン」を作ることに、CRMをデータではなく「信頼履歴」として使うことに変えていくことになります。セス・ゴーディンの思想を凝縮すると「知られていること」より「許されていること」の方が価値があるということです。私のコンサルティングは「誰から許可を取るのか?」を明確にすることで戦略へと一気に変えることにあります。 【マス・マーケティングの限界と、日本経済の閉塞感】2026年現在、顧客のニーズは極限まで細分化され、かつて効率を生んでいた「一律」が、今は「摩擦」と「信頼の侵食」を生んでいます。日本経済の停滞は、この「顧客一人ひとりと向き合わない、効率至上主義」の限界の現れではないでしょうか。結論からいうと、日本でパーミッション・マーケティングが広がりにくいのは「理解されていない」からではなく、既存の構造と相性が悪いからです。むしろ思想自体は、多くの企業が「なんとなく正しい」と感じています。25年前に私がOne to One Marketing導入に挫折したことを振り返れば、いくつかのボトルネックが整理され、それは日本企業特有の問題でもあることがわかりました。ひとつは、短期KPI文化とも言うべき四半期思考にありました。パーミッション・マーケティングは本質的に「時間がかかる」戦略です。信頼を積む、関係を育てる、徐々に転換するといったプロセスを踏んで結果が出てくるのは3年後と言われていました。一方で、日本企業の多くは月次・四半期で成果を求めており、すぐ数字になる施策が優先されました。その結果、「広告の方が早いよね」で終わっていました。二つ目は、マーケティングと営業が分かれている部門分断にありました。セス・ゴーディンの思想は、「長期的な関係を一貫して育てる」ことが前提です。でも現実は、マーケがリード獲得まで、営業は刈り取り、CSは契約後と顧客体験が分断されていました。これでは「関係性」ではなく「工程管理」になってしまいます。パーミッションは「連続性」が命なので、ここで崩れてしまいました。三つ目は、「許可を取る」文化への誤解にありました。パーミッションという言葉は日本語にすると一気に弱く見えます。「お願いする」「遠慮する」と受け取られがちですが、本来は違います。「選ばれる状態を設計する」ことにあります。ただ、日本では、強く売る営業が評価されやすく、主導権を握ることが正義になりがちで、パーミッション・マーケティングは「待つマーケティング」に見えてしまっていたのでした。四つ目は、成功事例の「見えにくさ」にありました。テレビCMやマス広告は「やった感」があります。一方でパーミッションは、メルマガ、コミュニティ、コンテンツといった地味で外から見えない、しかも成果は顧客生涯価値(LTV)向上、解約率低下、指名買いといった財務指標に直結するまでは時間差があります。結果、トップからは「効いているのか分からない」と見えてしまい、導入が進みませんでした。五つ目は、「効率化=コスト削減」思考にあります。このブログでも何度か触れましたが、AIやデジタルの導入目的が人を減らす、コストを下げるに寄ってしまうと顧客との接点は削られてしまいます。本来、パーミッション・マーケティングは接点を増やす、関係を深めるという思想なのでコスト削減思考とは真逆になります。最後が最も大きな理由ですが、日本企業は「思想」を扱うのが苦手ということにあります。パーミッション・マーケティング(One to One Marketing)はテクニックではりません。思想です。誰に届けるのか、なぜ存在するのか、どんな関係を築くのか。ここを定義しないと成立しません。しかし、多くの組織はツール導入や施策最適化に逃げがちです。「やり方」はあるが、「在り方」がないのです。 【日本企業が取るべき『個別最適化』の戦略】それでは、日本では無理なのでしょうか?むしろ逆です。日本には、もともと「おもてなし」という、一人ひとりに寄り添う精神が日本人に根付いています。この基本精神に立ち返り、転換することが重要です。マスの呪縛を捨てる:配信するほど顧客リストが傷つくような古い手法(大量に一律送信)をやめる勇気。AIを『おもてなしの脳』にする:個人の「勘」を組織の「仕組み」に変え、全ての顧客にトップ営業レベルの体験を届ける。信頼の蓄積をKPIにする:売って終わりの短期的な売上の連続ではく、顧客生涯価値(LTV)という「長期的な信頼関係」を築くことを経営の指標に据える。 【停滞を打ち破るのは、あなたの『勇気』】セス・ゴーディンが言うように、マーケティングの本質は「他人の問題を解決することを手伝うこと」です。日本の商いの哲学はパーミッション・マーケティングと相性が良いのです。つまり、問題は文化ではなく、「経営の意思」と「設計」です。AIが登場した今、かつて人手不足やコストで断念した「一人ひとりに合わせた個別最適化」は、もはや「理想」ではなく「実現可能な戦略」です。AIが消費者に代わって製品を比較し推薦する時代だからこそ、企業全体としてどの前提に立つのかが問われています。AIで「接点」を削る会社は負け、AIで「関係」を深める会社が勝ちます。「One to One Marketing」は、もはや禁句ではなく、日本経済を再起動させるための唯一の鍵です。世界中がパーソナライズを競う中、私たち日本企業が「商いの心」をAIで拡張したとき、失われた30年は、次なる黄金の30年へと変わります。今、これをやる勇気を持って挑む経営トップの姿勢が問われています。#セスゴーディン #パーミッションマーケティング #日本経済再生 #AIエージェント #パーソナライズ #経営戦略 #OneToOneMarketing
2026.06.09
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【システムに欠けているのは、あなたの『勘』だ】なぜ多くのIT投資が失敗に終わるのか。それは、システムの「箱」だけを作って、肝心の「中身」を空っぽにしているからです。ITシステム企業が提供するのは、あくまで「形式」です。しかし、商売を動かすのは、トップ営業が長年の経験で培った、言葉にできない「暗黙知(勘やコツ)」です。この暗黙知を「形式知(誰もが使えるデータやルール)」に変えない限り、AIが成果を出すことはありません。 【形式知とは、トップの『違和感』を言語化すること】トップ営業に「どうやって売っているのか?」と聞いても、多くの場合「なんとなく」「相手を見て」という答えが返ってきます。これを解剖するのが「形式知化」の作業です。「なんとなく」の正体は、顧客のどの表情、どの言葉に反応したのか?「相手を見て」の正体は、相手の何を見て、選択肢のAではなくBを選んだのか?この「判断の瞬間」を一つひとつ言葉にし、AIが認識できるルールとして定義していくのです。儲かっている会社には共通点があります。それは、個人の能力に依存しすぎず、「誰が担当しても毎回同じ高いクオリティの結果を出す仕組み」を持っていることです。かつては多額のコストと時間をかけて構築していた、この「構造・文化・再現性」が今はAIエージェントというインフラによって、より早く、より強固に構築できるようになりました。 【属人化からの解放:一人の知恵を全員の武器に】暗黙知が形式知に変わった瞬間、魔法が起きます。一人のエースの中にしかなかった「商いの神髄」がAIを通じて組織全体の「共通言語」になります。新人であってもAIのナビゲーションによって、トップ営業と同じ「視点」で顧客を捉え、同じ「質」の提案ができるようになります。「人が強い会社」から「仕組みが強い会社」への転換。これこそが、投資に見合う真のDX(デジタルトランスフォーメーション)です。「あの人が担当だから売れる」という状態は、裏を返せば経営のリスクです。儲かる会社は、そのエースの動きを徹底的に解剖し、AIに学習させます。「構造」とは顧客の状況に合わせた「判断の基準」をAIが常にガイドすること。「文化」とは顧客との長期的な関係を最優先する「商いの哲学」をAIのふるまいに組み込みます。この「構造」があるからこそ、新卒であってもトップ営業と同じ視点で顧客に向き合えるのです。 【AI投資は、自社の『強み』を磨きなおす儀式である】IT業者に設計を任せる前に、まずは自社のエースの頭の中にある「宝物」を掘り起こしてください。その暗黙知をAIという新しい器に移し替えるプロセスこそが、あなたの会社の競争力を別次元へと引き上げます。AIに「何ができるか」を問う前に、あなたの「商いのこだわり」をどうAIに教えるか。そこからリベンジ(4/28のテーマ)の第二章が始まります。各企業はAIを使って全体のシステムを設計しています。自社の強さを個の強さに求めるのか、同じ強さを毎回出す仕組みで強いのか。儲かっている会社は構造・文化・再現性といった仕組みで優位性を作っているから強いのです。「たまたま売れた」は実力ではありません。AIエージェントの真価は、過去の膨大な成功事例から導き出された「勝ちパターン」を24時間365日、全顧客に対して、一切のムラなく実行し続ける再現性にあります。IT投資を渋る企業は、この「再現性の価値」を見落としています。データ集計をしているのではありません。「勝つための文化」をデジタル化して組織に定着させているのです。 【AI投資で、『仕組み』を買う】IT業者に設計を任せる際、機能の有無を議論するのはやめましょう。「わが社の強みを、どうやって再現性のある仕組みに変えるか」を議論するのです。個の強さを組織の強さへ昇華させる。AIという鏡を使って自社の暗黙知を映し出し、それを構造へと変える。その決断が、あなたの会社を「儲かり続ける会社=持続的な成長と経営を可能にする会社」へと変貌させるのです。 #AIエージェント #再現性 #組織改革 #経営戦略 #DX #仕組化
2026.06.02
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【なぜ、あなたの『情』は顧客に届かないのか?】それは、人間が「理(事務作業やデータ分析)」に追われすぎているからです。顧客の顔を見ているようで、実は脳の半分で「次の見積もりの計算」や「過去のトラブルの履歴」を探している。その余裕のなさが、顧客との「文脈」を断ち切ってしまいます。 【AIが欲しがっている「3つの生きたデータ」】AIエージェントの仕事は、人間に指図することではありません。人間の脳を、「情(おもてなし・共感・決断)」のためだけに100%解放することです。AIは膨大なデータから「気づき」を抽出して提示してくれます。人間は、その気づきを受け取り、AIには絶対できない「声のトーン」「表情」「間」を使って、顧客の心に深く入り込むのです。営業の成果を出すだめにどういうデータが必要かという質問をよく受けます。多くの人が名前や住所などの「属性データ」を想像しますが、司令塔としてのAIが真に欲しがっているのは、「属性データ(名刺情報)」ではなく、「行動と感情のプロセスデータ」です。属性データは「点」でしかありません。AIが「文脈のヒント」を見つけるには、以下の「線」のデータが必要です。・インテントデータ(意図のデータ):「何に悩んでいるか」の兆候。例えば、Webサイトのどの事例をどれくらい読んだか、FAQのどの項目を検索したか、など何を気にしているのかの兆候データが重要です。・タイムリーシグナル(予兆のデータ):「なぜ今なのか」の予兆。例えば、決算発表の内容、組織変更のニュース、担当者のSNSでの発言などを指します。・ゼロパーティデータ(本音のデータ):アンケートやヒアリングで顧客が自ら開示した「理想の姿」や漏らした「小さな不満」。 【人間が収集し、AIに「移植」すべきデータ】機械が自動で取れない「現場の気づき」を人間が入力することで、AIの精度は飛躍的に高まります。・商談の「残り香」データ:例えば、「価格に納得はしていたが、決裁ルートの複雑さに困っている顔をしていた」「競合のA社と比較しているが、実はA社のサポート体制に不信感を持っているようだ」といったデータです。ある企業では、「商談直後の1分ボイスメモ」として営業車に戻るまでの間に、感じた違和感やトップ営業としての「勘」をスマホに吹き込み、AIがその音声を解析し、「決裁支援が必要」「他社比較の資料を準備」という具体的な指示(理)へ変換します。 【AIと人間の役割分担】AIは文脈を「理解」はできません。しかし、無数のデータから「文脈の材料」を整理して提示することは得意です。AIの仕事は「理」です。上記データを統合し、「この顧客は、今この課題を抱えている確率が80%です」という気づきをAIは与えてくれます。人間の仕事は「情」になります。気づきのパスを受け取り、相手の目を見て、声のトーンを合わせ、「最後の一線を超える一言」で文脈を完結させることが人間の仕事です。顧客の「検討します」という一言。AIにとっては「検討フェーズへの移行」というひとつのデータに過ぎません。しかし、トップ営業は知っています。それが「予算が足りない」というSOSなのか、「社内の調整が面倒だ」という愚痴なのか、あるいは「他社に決まりかけている」という断り文句なのか。この解釈の差が次の一手を決め、結果(売上)を分けます。AIに期待すべきは、解釈ではありません。AIには、バイアスのない「1次データ(生の声)」を徹底的に集約させます。商談での発言すべて(ボイスメモや文字起こし)、過去の全ての接点、反応した資料、沈黙の時間などAIはこれらを「理」として整理し、人間が解釈するための「材料」をテーブルの上に並べるまでを担当します。「解釈が難しい」からこそ、トップ営業の出番です。凡庸な営業は、自分の都合でデータを解釈します。しかし、トップ営業はAIが整理した材料を眺め、自身の経験と「傾聴で得た肌感覚」を掛け合わせます。例えば、AIの気づきとして「顧客は納期を気にしています」と出したとします。人間はこう解釈します。「いや、納期を急いでいるのは、担当者が上司からプレッシャーをかけられているからだ。納期を縮める提案より上司を説得するための資料を渡そう」、この「行間を読む」作業こそが人間が担当すべき「情」です。 【「解釈の属人性」を「組織の再現性」に変える3ステップ】「解釈」という属人的なスキルを放置すれば、結局「トップ営業がいなければ回らない会社」のままです。これをどう「再現性のある仕組み」に変えるか。結論からいうと、「解釈そのもの」をAIにさせるのではなく、「営業トップの解釈のプロセス(思考回路)」をAIの判断基準に移植することで再現性をつくります。ステップ1:営業トップの「解釈の癖」を抽出するトップ営業が「検討します」という言葉をどう読み解いたか、その「理由」をAIに記録させ続けます。「声のトーンが下がったから断りだと判断した」「質問が具体的になったから決裁者への根回しが必要だと判断した」、この「Aという事実」から「Bという解釈」に至ったロジック(暗黙知)を収集します。ステップ2:解釈の「パターン」をAIに組み込む(プロンプト化)収集したロジックをAIエージェントの「指示書」に組み込みます。AIに対し、「もし顧客が〇〇と言い、かつ過去にXXという行動があれば、それは『不安』のサインと見なして、△△のフォローを人間に提案せよ」と設定します。これによって、トップ営業の「視点」がAIに移植されます。ステップ3:AIが「解釈の仮説」を全社員に提示する凡庸な営業マンの画面にAIがこう囁きます。「顧客は『検討する』と言っていますが、過去の傾向からするとこれは『予算不足のサイン』である可能性が70%です。一度、価格の壁について切り込んでみませんか?」、これが「解釈の再現性」です。人間がゼロから解釈するのではなく、AIがトップの知恵に基づいた「仮説」を提示し、人間がそれを現場の空気で最終確認します。 【AIが『気づき』を与え、人間が『感動』を完結させる】AIエージェント(Agentforce等)を導入する最大のメリットは、「人間が文脈を読み解くための『準備時間』をゼロにする」ことにあります。AIがデータをパーソナライズして整理し、あなたに「今、この人に声をかけるべきだ」という合図を送る。それを受けて、あなたが「情」を持って顧客と向き合う。この役割分担こそが、高付加価値なサービスを実現する最強の布陣です。データは「事実」を教えてくれますが、「真実」を理解するのは人間の仕事です。AIという最強の司令塔を使いこなし、あなたは目の前の顧客に、かつてないほどの「情」を注いでください。それこそが、25年前に私が夢見たOne to One Marketingの完成型なのです。IT業者に任せると、AIは名刺情報を整理するだけの「デジタル名刺入れ」で終わります。しかし、トップ営業の「眼力」が見抜いた違和感をデータとしてAIに注ぎ込めば、AIは組織全体の「最強の司令塔」に変わります。AIにとって必要なのは情報の「量」ではなく、顧客の心に肉薄するための「質の高い気づき」の移植です。解釈は確かに難しい。だからこそ、トップ営業の「解釈の目」をAIに移植し、組織全体の標準装備にするのです。これまで一部の天才の中にしかなかった「文脈を読み解く力」を、AIという司令塔を通じて全社員が共有する。AIは「事実」を運ぶだけでなく、トップ営業の知恵に基づいた「解釈のヒント」を運ぶ存在になります。属人性を否定するのではなく、属人性をデジタル化して組織の強みに変える。これこそが、私が提唱する再現性のある組織づくりです。
2026.05.26
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【私たちは、いつまで「削る」闘いを続けるのか】大量生産・大量販売の時代は終わりました。しかし、多くの企業がいまだに「他社より1円でも安く」という安売り競争の呪縛から抜け出せずにいます。コストを削り、利益を削り、最後には「顧客との関係性」まで削り落としていないでしょうか?今こそ、適正な価格で真の価値を届ける「高付加価値モデル」への回帰が必要です。 【大量販売モデルの限界と「負のループ」】安売り競争は、関わる全員を疲弊させます。安売り競争の前提は高度成長時代の日本でした。人口が増え、所得が増えていく中で規模を追い求める。その中での勝ちパターンは大量生産・大量販売でした。大量に販売するためには低価格が重視され、規模を求めれば、利益は後からついてくるという考え方でした。しかし、少子高齢化を迎えた現代日本では、この前提は成り立ちません。現場では低単価を補うための「数」に追われ、一人ひとりの顧客が「処理すべき案件」になっています。経営は投資余力がなくなり、次なるイノベーションが生まれません。顧客からは、どこかで見たような、心のこもっていない「安物」としか受け取れなません。いわゆる、現代の日本企業で高度成長時代の勝ちパターンを続けると「負のループ」に入ってしまうのです。 【「適正価格」とは、未来への投資である】価格とは、単なる対価ではありません。価格は、顧客がその商品やサービスを通じて得る「安心」「感動」「時間」の総量です。適正な利益を得ることは、さらに顧客を喜ばせるための「次なる体験」への投資、つまり、顧客と共に未来を創るための「信頼の証」を意味するものなのです。現代日本に欠けているのは、価格戦略です。それは高度成長の大量生産・大量販売とは異なるパラダイムであり、思想を転換させなければならないことを意味しています。One to One Marketingでは、全員に同じ価格を提示する「一物一価」から、状況や属性に合わせた「動的な価値基準」へのシフトが必要です。日本企業にありがちな「コスト積み上げ型」や「横並び」の価格設定から脱却し、個別の最適化を進めるための考え方を整理しました。 【AIエージェントが「高付加価値」の武器になる】これまでは「一人ひとりに深く寄り添う」には膨大な人件費がかかり、高価格帯でしか成立しませんでした。しかし、AIエージェントは顧客の過去・現在・未来を読み解き、パーソナライズされた体験を24時間提供することができます。「マニュアル通りの安売り」から「個別の文脈をくみ取った価値ある対話」へ転換する、AIエージェントこそが企業が価格で闘わずに勝つための「最大の武器」になる時代になっています。One to One Marketingにおける価格戦略は、単なる「値付け」ではなく、「顧客一人ひとりが感じる価値(価値提供)」と「支払意欲(WTP: Willingness to Pay)」を一致させるプロセスと捉えるのが正解です。 【3つの価格戦略への転換】顧客との関係性が生む価値は数値化しにくいものですが、関係性を一度築けば最強の競合優位性になります。価格戦略のひとつ目は「一律価格」から「ダイナミック・プライシング」への転換です。Amazon、航空会社やホテルなどが既に導入していますが、顧客の購買履歴や行動データに基づき、価格を変動させます。混雑時や在庫僅少時に価格を上げ、閑散期に下げます。顧客が「今すぐ欲しい」と感じる瞬間に最適な価格を提示する、タイミングの最適化もその一例です。二つ目は「獲得コスト」から「LTV(顧客生涯価値)」視点への価格戦略です。初回の購入価格だけで利益を測らず、将来にわたって生み出す利益を考慮します。初回は低価格(または無料)で提供し、継続利用やアップセルで回収する先行投資型価格や、優良顧客に対してのみ、一般には公開されない特別価格や先行優待を個別に提供するロイヤリティ還元といった手法です。三つ目の価格戦略は「機能への対価」から「成功(成果)への対価」への転換です。モノのスペックではなく、その顧客が課題を解決できたかどうかに課金します。顧客が得られた成果(コスト削減額や売上増など)の一定割合を価格とする成功報酬型や利用頻度や活用範囲を個別分析し、その人に最適なプランを誘導するサブスクリプションの深化といった手法です。 【実践に向けたステップ】個別の価格付けを成功させるには、どの属性の顧客が、どの価格帯で「離脱」し、どこで「即決」したかのログを蓄積する高精度なデータ分析が不可欠です。また、顧客が「自分だけ高い」と不公平感を持たないよう、「なぜこの価格なのか(例:あなただけのカスタマイズ内容だから)」という論理的な付加価値の説明をセットにする心理的納得感の醸成が必要です。AIを用いて異なる価格提示に対する反応をリアルタイムでテストし、収益を最大化する価格ポイントを常に探し続けるABテストの自動化は不可欠な要素となります。AIを「安く売るための効率化」に使うのか、それとも「高い値段で売れるほどの感動を創る」ために使うのか。今その選択が、あなたの会社の次の30年を決めます。
2026.05.19
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【効率化の先に何があるのか?】AIエージェントの導入が進むと、オフィスの風景が静かに変わります。キーボードの音は減り、データ集計やメール返信といった"作業"はほとんど見えなくなる。でも、それは「人が要らなくなる」という話ではありません。むしろ逆です。これまで「作業」に奪われていた8割の時間がようやく人の手に戻ってくるのです。これまでは「資料作成やデータ入力」に多くの時間を奪われていましたが、Agentforce導入後は、人間が「意思決定」と「共感」に特化することになります。【仕事は「Doing」から「Being」へ】これからの組織で問われるのは「何をするか」ではなく、「どうあるか」。・これまでの仕事(Doing):データの転記、レポートの作成、メールの返信。・これからの仕事(Being):「顧客はどう感じているか?」を想像し、AIという強力な「腕」を使って、どんな感動を届けるか(どうあるべきか)をデザインする。営業も事務もマーケも。役割は、「作業者」から「プロデューサー」へと進化します。自社の哲学や価値観を、AIに宿らせる仕事に変わっていきます。【具体的に現場で起きること】新規顧客開拓においては「量」から「質とタイミング」へ転換します。新規顧客開拓に疲弊するのは、見込みのない相手に時間をかけるからです。AIの役割は潜在顧客に対し、役立つ情報を自動で届け、「もっと知りたい(パーミッション)」という反応がった時だけ人間にトスを上げます。膨大なリストから「今、自社の哲学に合う(成約確度が高い)客」を特定し、最初のアプローチメールをパーソナライズして作成します。人間の役割は顕在化した「縁」を大切にし、最初の対面で「自社の哲学」を強く印象付けることに集中します。0から1を作るのではなく、AIが用意した「きっかけ」に対し、自社の看板を背負った「信頼の重み」を載せることになります。リサーチ時間を8割削減し、その分、1社に対する深い仮説提案に時間を割きます。既存顧客のフォローにおいては「作業」から「伴走」へ転換します。既存顧客との関係性は放っておくと「慣れ」で形骸化します。AIの役割は定過去の全履歴を学習し、「最近、担当者が変わった」「活用の勢いが落ちた」といった微細な変化を検知して、営業に「今、顔を出すべき理由」を提示します。定期的なレポートの作成、利用状況の監視、契約更新の事前アラートになります。人間の役割はAIが作った時間で、顧客の経営層と「次の10年」を語り合う。これが日本流の「深い商い」です。「数字に表れない経営者の悩み」を聞き出すことや、AIが検知した「予兆」をもとに先回りして「お困りごとはないですか」と声をかける「御用聞き」の復活となります。単なるお礼メールに時間をかけず、顧客の未来を共に描く「戦略会議」に時間を投資することになります。・会議の質が変わる:「数字の確認」から「顧客との長期的な関係(5/5投稿のテーマ)を深めるための、次の仕掛け」を議論する場に変わります。・スキルが変わる:「Excelが使える」ことよりも、「顧客の痛みに共感し、AIに適切な『情』のある振る舞いを指示できる力」が評価されるようになります。・成果の定義が変わる:短期の効率(数字)ではなく、長期の信頼や関係性が競争力になります。【空いた時間を、顧客のために】「効率化で浮いた時間」をさらなるコストカットに使うか、それとも「顧客と向き合う時間」に投資するか。この選択こそが、AI時代に顧客から選ばれ続ける会社と競争から淘汰される会社の分水嶺になります。AIを導入して時間が浮いても、その時間をどう使うかの「思想」がなければ、組織はただ暇になるか、不要な会議が増えるだけです。「空いた時間で、どうやって日本流の深い商いを体現するか」、この組織デザインこそが、IT企業選びの後に来る最大の壁です。技術を語るパートナーではなく、「あなたの会社の営業文化を、AI時代にどう進化させるか」を語れるコンサルタントが必要なのは、このためです。「既存重視、新規は効率化」という戦略を実現するには、Salesforceの標準機能を入れるだけでは不十分です。「どのタイミングで既存客に連絡すべきか」は、会社ごとに違います。その秘伝のタレ(判断基準)をヒアリングし、システムに実装するには、高度なコンサルティング能力が必要です。いわば「商いの呼吸」のロジック化とも言うべきものです。これまでの営業評価は「新規件数」に偏りがちでした。既存顧客との関係を深めたことをどう評価するかという組織のルール作り、いわゆる「既存」と「新規」の評価設計も、コンサルの重要な仕事です。新規を追うあまり、足元の既存顧客を疎かにしていませんか?さあ、連休明け。あなたのカレンダーには、どんな予定が入っていますか?空いた時間で、誰に会いに行きますか?
2026.05.12
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【AIに「誠実さ」を実装できるか?】4月28日の投稿後、「AIエージェントの設計なんて一企業に可能なのか?」という質問を多くいただきました。多くのユーザー企業にとってAgentforceなどのAIはまだ「業務効率化」や「コスト削減」のツールという認識が強く、日本流の「商いの心」を体現するOne to One Marketingのレベルに昇華できることを気づいていない可能性が高いです。「問い合わせ対応を自動化したい」「議事録作成を楽にしたい」という引き算のAI活用に終始しています。商いの醍醐味である「顧客との絆を深める」という足し算の活用に眼が向いていないのが現状です。「システムは所詮システム。自社のこだわりを注入するのは無理だ」と諦めて、パッケージ機能に人間が合わせている状態です。結論から言えば、「ゼロから作る」必要はありませんが、「自社専用に調教する」プロセスは不可欠です。SalesforceのAgentforceなどは、いわば「超優秀な新卒」が配属されるようなものです。そのままでは自社の商売のやり方(顧客との長期的な関係性作り)は分かりません。事務作業の肩代わりだけをさせるなら、人間は「一期一会の対話」に集中するために仕事をすることになります。Agentforceを単なるBOTではなく、自社の商いの哲学を叩きこんだ「デジタル分身」として育てるなら、それは24時間365日稼働する、一番の若旦那となります。Salesforceに蓄積されたデータは単なる数字ではなく、お客様の足跡です。AIの得意分野である、それを読み解き、「今、このタイミングでこの言葉をかける」という究極のOne to One Marketingを実現するならデータの裏にある「心」を読むことができます。エージェント設計とは、単なるプログラミングではありません。「自社の商いの美学」を言語化することです。・「顧客がこう言った時、わが社ならどう寄り添うか?」・「目先の利益よりも、長期的な信頼を選ぶ判断基準は何か?」この「判断基準」をAIのプロンプトやナレッジとして組み込むことこそが、持続的な経営へつながる、真のエージェント設計です。AIエージェントの導入で最も恐れるべきは、効率と引き換えに「顧客との信頼関係」を切り売りしてしまうことです。「エージェント設計」の本質は、AIに自社の哲学を宿し、顧客との長期的な関係性を優先させることにあります。では、具体的にどう進めるべきか?誰と組むべきか?その「目利き」の基準を整理します。【1.自社に最適な「導入ルート」の再定義】自社の状況に合わせて、以下の3つのどこから着手すべきかを見極めてください。・ルートA:プラットフォーム型(Salesforce等)向いている企業:既に顧客データ(CRM)を統合しており、組織全体で一貫した対応をしたい。協業相手:大手プラットフォームの認定パートナー・ルートB:特化型ツール型向いている企業:「まずはカスタマーサポートだけ」など、特定の接点で即効性を出したい。協業相手:バーティカル(業界特化型)AIを持つSaaSベンダー・ルートC:独自エージェント構築型向いている企業:他社にはない「独自の接客体験」や「秘伝の知恵」を強みにしたい。協業相手:柔軟なAPI開発や生成AIのカスタマイズに強い開発ブティック【2.失敗しないための「パートナー選び」3つの目利きポイント】「AIが作れます」という業者は溢れていますが、あなたの「顧客との関係性」を任せられる相手は一握りです。以下の質問を投げかけてみてください。1.「データの繋ぎこみ」だけでなく「ふるまい」を議論してくれるか?・単にメールを送る仕組みを作るのではなく、「どんな言葉をかければ顧客が安心するか」というコミュニケーションの設計に時間を割いてくれる相手か。2.「自社の成功パターン」を抽出する能力があるか?・自社のトップ営業や熟練スタッフが、なぜ顧客に信頼されているのか。その暗黙知を言語化し、AIに学習させるプロセスを提案できる相手か。3.「長期的なLTV(顧客生涯価値)」の視点を持っているか?・「今月の成約率を上げる」だけでなく、「3年後も選ばれ続けるためのAIの動き」を共に考えてくれるか。【AIは、あなたの「分身」を育てるプロジェクト】要件定義とは、機能のリストアップではありません。あなたの「商いの心」をAIに伝承する作業です。この視点を持ってパートナー選びを始めることが3年後の圧倒的な競争力の差となります。AIエージェントの成否は、担当エンジニアが「機能」を重視するタイプか、「関係性」を理解するタイプかで決まります。要件定義の場で、あえて以下の質問を投げてみてください。質問1:「AIが顧客に『過ち』を犯した時、どう振る舞わせるのが正解だと思いますか?」・ダメな感性:「エラーログを吐いて管理者に通知する設定にします」→彼はシステムを構築していますが、「顧客との関係」は見ていません。・良い感性:「即材に誠実な謝罪を生成し、なぜそうなったかの経緯を人間のように説明させ、次はどう改善するかを提示させます。ブランドの信頼を損なわない『謝り方のトーン』を設計しましょう」→彼はAIを「人格を持った代理人」として捉えています。質問2:「トップ営業マンの『マニュアル化できない勘』をどうやってAIに学習させますか?・ダメな感性:「マニュアルをPDFで読み込ませれば十分です」→彼は「情報の処理」しか考えていません。・良い感性:「トップ層の商談録音やチャット履歴から、言葉の裏にある『意図』や『タイミング』のパターンを抽出しましょう。彼らの『顧客を想うこだわり』をプロンプトの核に据えます」→彼は「暗黙知の伝承」に感性を持っています。質問3:「このAIが稼働して1年後、顧客との関係はどう変化していると想像しますか?」・ダメな感性:「コストが〇〇%削減され、レスポンス速度が向上しているはずです」→彼は「効率」の呪縛の中にいます。・良い感性→「顧客が『この会社は自分をよく分かってくれている』と感じ、他社へ乗り換える理由がなくなっている状態を目指すべきです」→彼は「長期的なLTV(顧客生涯価値)」を設計のゴールに置いています。最後にひとつ、忘れないでください。たとえ超有名なベンダーであっても、担当エンジニアの感性が、顧客との関係性を軽視するようなものであれば、協業は決して上手くいきません。実際、エンジニア選びは「運」や「相性」に左右されやすく、失敗すると損失が大きいです。かつて私は、ある大規模なプロジェクトで3,000万円というコンサル費を投じ、それが一円の利益にもならず、ただの損失に終わる現場を目の当たりにしました。その時、学んだのは「システムの箱」にいくら積んでも、「商いの心」が不在なら、その投資は死金(しにがね)になるという事実です。システムの仕様は後から変更できても、設計者の根本にある感性は変えられないからです。「目利き」を自社で持つのが難しいようであれば、プロのコンサルタントを「伴走者」として雇うのもひとつの選択肢です。「良いエンジニアを選ぶこと」が目的ではなく、「ビジネスを成功させること」が目的であり、そのための投資としてコンサルは有効だと思います。多くの企業はAIに「効率」を求めますが、日本企業こそ「情」を求めるべきです。Agentforceを単なる自動化ツールで終わらせるか、日本流の商いを世界一の精度で体現するパートナーに育てるか。そのカギは、技術の知識ではなく、あなたの持つ「商いへのこだわり」をシステムに注入する翻訳者(コンサルタント)がいるかどうかにかかっています。最初のパートナー選びは、あなたの会社の未来を左右する非常に大切なプロセスです。ぜひ、この視点を参考に、一生続く関係を築けるパートナーを見極めてください。大手と同じツールを買っても、そこに「長期的な関係づくり」の魂を込める設計ができなければ、小回りの利く、温かい顧客体験を提供できません。AI導入には多額の費用がかかります。そこにさらにコンサル費を乗せるのは、一見すると負担増に見えるかもしれません。しかし、それは保険ではありません。数千万円のAI投資を、数億円の「顧客との絆」に変えるための増幅器です。思想なき自動化で顧客を離れさせてしまうリスクを考えれば、これほど費用対効果の高い投資はありません。最も高くつくのは、IT企業に丸投げして、自社の哲学が反映されないまま運用が始まってしまうことです。後からの修正には、導入時の数倍のコストと時間がかかります。最初にトップの思想を叩きこむための「知恵の費用」を惜しまないこと。それが、最終的に最も安く、確実な投資になります。現場がどれほど優秀でも、プロジェクトリーダーがどれほど緻密な計画を立てても、最後はトップの「覚悟」が必要です。日本流の商いの哲学をAIに注入するということは、これまでの成功体験や組織の在り方を、一部否定してでも進化させるということです。その判断は、現場にはできません。3,000万円を損失に変えるか、一生の資産に変えるか。その分水嶺は、ITツールの性能ではなく、経営トップが「このAIに、わが社の暖簾を背負わせる」という覚悟を持てるかどうかにかかっています。連休明け、まずは「自社のこだわり」を書き出すことから始めませんか?私の仕事は、単にシステムを導入することではありません。経営トップのその「覚悟」を、現場の「自信」に変え、AIを「最強の番頭」に育てあげることです。投資を成功させるために、私はトップのあなたに問いかけます。「あなたなら、このAIに、一生のお客様を任せられますか?」
2026.05.05
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【25年前の敗北】4月7日の投稿で触れた通り、私はかつて理想と信じたOne to One Marketingの導入に失敗しました。25年前、一人ひとりの顧客に向き合おうとした理想は、当時の「数」と「効率」という冷徹なシステムの前に崩れ去ったのです。あれから四半世紀。今、生成AIという革命が、かつての非効率を「最強の武器」に変えようとしています。AIはもはや「使うツール」ではなく、私たちの「思想」を宿して自ら動く「エージェント」へと進化しました。【AIが「判断し、行動する」世界】SalesforceのAgentforceが象徴するように、AIは今や顧客データを読み取り、状況を判断し、アクションまで実行します。例えば、北海道のある商社では、万単位の商品知識が属人化し、対応に時間がかかる「人に依存する組織」でした。しかしAIエージェント導入後、知識を横断的に理解し、提案まで自動生成することで「誰でもトップ営業レベル」の結果を出せるようになったのです。これは単なる効率化ではありません。「人が強い会社」から「仕組みが強い会社」への構造改革なのです。【エージェント設計競争へのパラダイムシフト】ある大手企業では、AIを「業務の主体」として導入しました。AIが実務を担い、人が意思決定する。役割分担が根本から変わったのです。これからは「優秀な人材がいる会社」ではなく、「AIをうまく働かせる会社」が勝ちます。競争のルールが「人材競争」から「エージェント設計競争」へシフトしたのです。マーケティング・営業・カスタマーサポートのすべてをAIが飲み込み、顧客体験の「設計者」となります。欧米のAI活用が、人間を代替しコストを削る「冷徹な効率」へ向かう中、私は確信しています。日本企業が持つ「三方よし」や「おもてなし」といった商いの哲学こそが究極の差別化要因になると。【営業とマーケティングの再定義】営業の仕事は、既に半分がAIに置き換わり始めています。分析や提案作成はAIが担い、人は「意思決定」と「関係構築」に専念する。準備時間が激減し、商談数が増える「考える営業」へのシフトです。欧米がAIで顧客を選別するなら、私たちはAIを使って「かつてないほど手厚い寄り添い」をスケールさせる。日本特有の「阿吽の呼吸」や「職人の勘」をAIに移植し、組織全体の再現性(仕組みの強さ)へと昇華させる。マーケティングも、人が設計する時代から、AIがリアルタイムに理解し最適化する「動きながら進化するマーケティング」へ変わります。あなたのマーケティングは、ただ「配信」していますか?それとも「顧客と対話」していますか?【日本企業の勝機と『三方よし』】もし今、あなたがAIを検索や文章生成だけに使っているなら、それは「初期インターネット」レベルです。AIを「使う」のではなく「働かせる」ことで、3年後の競争力は別物になります。欧米企業はAIを「効率化・コスト削減(理)」の道具として自動化し、人員整理とセットで冷徹に活用するの対し、日本企業の勝機は「商いの基本哲学」にあります。日本は近江商人の「三方よし」や「おもてなし」といった精神をAIに学習させ、長期的な信頼関係を築く「情(信頼・関係性)」にスケールさせるためのパートナーとして定義し直すのです。欧米型の「株主資本主義」が限界を迎え、ステークホルダー全体の幸福を重視するESGやCSV(共通価値の創造)へ世界がシフトする中、日本が江戸時代から培ってきた「三方よし」の精神は、まさに「世界最先端の経営モデル」として再評価されています。私がこのサービスを本格始動させた理由。それは、単なるシステム導入を支援するためではありません。日本企業が持つ「誠実な商いの魂」を、AIという器を使って世界最強の「稼ぐ仕組み」へと作り変えるためです。欧米企業がAIで「冷徹な選別」を加速させるなら、日本企業はAIを使って「一人ひとりの文脈」を読み解き、かつてないほど手厚い対応を低コストで実現する。これが「新・One to One Marketing」です。絶好のチャンスを、共に掴み取りましょう
2026.04.28
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高橋洋一氏の「60歳からの財政学」を読んで、マーケットアナリストとして向き合ってきた「数字」のパズルがひとつにつながった。コーニングでシニアマーケットアナリストとして世界市場を分析してきた私にとって、この一冊が示した「数字の裏側」は、これまでのパズルのピースをすべて繋げる衝撃的なものでした。経済成長のエンジンである「マネタリーベース」を絞り続けた日本。バブル崩壊後の過度な金融引き締めが、30年に及ぶ停滞の正体だった。お金の伸び率と名目GDP成長率の関係を約200カ国のデータを集めるとお金の伸び率が高い国ほど経済成長率も高い傾向が見られる。注意点は「お金を増やしたら成長率が伸びる」という因果関係を示しているわけではないということだが、「お金の伸び率が高い国には成長率が高い国が多い」という相関関係があるということだ。データを見れば「円安=法人税収増・経済成長」は明らかである。しかし、世論は「悪い円安」「国の借金はうなぎのぼり」というフレーズに支配される。なぜ財務省は、国益に資する円安を嫌い、国民を苦しめる消費増税へと舵を斬り続けるのか。そこにあるのは、省益を優先するための巧妙な「情報の切り取り」と「世論形成(広報戦略)」の姿ではないか。高橋洋一氏の指摘で最も衝撃的だったのは、政策決定の裏にある「組織のインセンティブ」です。消費増税や天下りの確保といった省益が、国益(経済成長)よりも優先されてしまう構造がある。マーケティングの世界でも、顧客の利益より社内の論理が優先された時、ブランドは崩壊します。財務省という巨大組織において、この「インセンティブの歪み」がいかに日本の失われた30年を作ってきたのか、その構造を知ることは、現代の組織運営における反面教師となります。「国の借金で破綻する」というプロパガンダ。マーケティングのプロとして見れば、これは「恐怖を煽ることで、誤った選択を正当化させる」高度な情報操作に近い。情報の「理」がゆがめられた時、私たちは自分たちの首を絞める選択を「正しい」と思い込まされてしまう。財務省と日銀の政策判断は、経済だけでなく自殺率にも影響を及ぼしてきた。失業率と自殺率は強い相関がある。1980~2018年の失業率と自殺率の相関係数は0.86と極めて高かったという。金融政策は雇用政策でもある。米国のFRBは雇用に対しても責任を持つ。金融政策が雇用に影響する以上、失業率の上昇は政府、並びに政府の指針や政策に強い影響を与えてきた財務省の責任も大きい。生成AIは、ネット上の「通説(バイアスのかかった情報)」を拾いやすい。だからこそ、私たち人間に求められるのは、高橋洋一氏のように「一次統計(数字)」に立ち返り、自分の頭で考える力である。正しい広報とは、事実を隠すことではなく、誠実な数字を持って未来を示すことであるはずだ。#日本経済 #増税 #円安 #失われた30年 #リーダーシップ #経済成長
2026.04.21
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スペックは互角。それでも私が選ばれた、たった一つの『非効率』な理由 「どれも同じに見える」スマホも、SaaSも、コンビニも。比較すればするほど、違いが分からなくなる。スペックは十分。価格も妥当。間違いのない選択肢は、いくらでもある。それでも最後に人が選ぶのは、「なんとなく、こっちがいい」という一つだ。この“なんとなく”は、決して曖昧なものではない。言語化できないだけで、ほとんど確信に近い感覚だ。競争が進むと、機能は横並びになり、価格は最適化され、スペックは比較され尽くす。つまり「理(ロジック)」で差をつける余地は、ほとんど残らない。だからこそ、最終的な意思決定を左右するのは「情(感情)」になる。人は、情で決めて、理で正当化する。あとから理由を並べている時点で、答えはもう決まっているのだ。たとえば、Apple。高性能で洗練されたプロダクトであることは間違いない。だが、多くの人が手にしているのは、スペックではない。Macを開いている自分を、少し誇らしく感じる。その感覚ごと、選んでいる。無印良品も同じだ。シンプルで品質が安定している——それは前提条件にすぎない。「丁寧に暮らしたい」「過剰じゃない美しさがいい」その価値観に、自分を重ねている。Netflixは、さらに一歩進んでいる。コンテンツの量や機能ではなく、「この時間が楽しみだ」という習慣を握っている。気づけば、日常の中に入り込んでいる。私はかつて営業をしていた。保守的で、部材の切り替えはほとんど起きないと言われていた業界だった。それでも3年間、通い続けた。何度訪問しても受付で帰される日もあった。それでも足を運び、困りごとを聞き出そうとし、何度も提案を重ねた。スペックは正直、互角か、むしろ不利だったかもしれない。それでも、初めて受注をいただいたとき、相手から返ってきた言葉はこうだった。「村松さんは、一生懸命にやってくれるから」そのとき気づいた。自分が届けていたのは、スペックではなく「熱量」だったのだと。そして、その小さな差が、決定的な差になることを。人は、「正しい方」ではなく、「信じられる方」を選ぶ。生成AIは、完璧な「理」をつくる。反論の余地のない正論を、いくらでも並べられる。けれど、相手のために、あえて非効率なことをする。利益にならない提案をする。文脈を読みすぎるほど読み込む。そういう「情の選択」はできない。だからこそ、人間に残された価値は明確だ。理はAIに任せる。そして人間は、情にフルコミットする。100通の完璧なメールより、1通の不器用な返信が心を動かすことがある。その理由を、私たちはもう知っているはずだ。これからのプロフェッショナルに求められるのは、「誰よりも正しい人」ではない。「誰よりも、信じられる人」である。 #マーケティング #生成AI #ChatGPT #インバウンド #観光 #B2B
2026.04.14
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普段、月刊「広報会議」の連載では、企業がいかに生成AIを実務に組み込むかという「最先端の効率化」について筆を執っています。しかし、一歩仕事場を離れると、私の心は16bitのドット絵が描き出す「不自由な美学」に惹かれて止みません。今回は最新の生成AIを使い、あえて私の自画像を「16bitレトロゲーム風」にダウングレードさせてみました。高精細な画像が1秒で生成できる時代に、なぜ私たちは、あのカクカクとしたドットの隙間に「人間味」を感じてしまうのでしょうか。ふと、「最新のAIは、あのカクカクした美しさを理解できるのか?」と思い立ち、実験してみました。AIに「最高画質」を求めるのは簡単ですが、あえて「不自由さ」を命じた時にAIがどう応えるのかに興味がありました。ChatGPTの最新のDALL-E3にこんなプロンプト(指示)を出してみました。1990年代の16bit家庭用ゲーム機(スーパーファミコン等)のドット絵スタイルで、人物のポートレートを作成してください。人物の特徴:60歳代の知的で穏やかな日本人男性。短めの髪型。眼鏡を着用。服装は落ち着いたジャケットスタイル。描画スタイル:・完全にドット(ピクセル)が見える「ピクセルアート」形式。・現代の滑らかなグラフィックではなく、あえて色数を抑えたレトロな質感。・キャラクターの選択画面や、RPGの会話ウィンドウに表示されるようなバストアップの構図。背景:16bitドットで描かれた、ピアノと本棚がある書斎。生成AIは何でも完璧に描けてしまうので、そこに「16bit」「スパーファミコン風」「色数を絞れ」という制約を与える面白さを書きました。実際にできた画像がこれです。AIには「もっとドットを粗くしろ」と何度もダメだしをしました(笑)。AIが作ったドット絵は、完璧すぎる部分もあります。本当の16bitは、もっと色数が少なくて、職人技(職人のドット打ち)がありました。でも、この「疑似レトロ」も面白いです。16bit時代のゲームは、足りない情報をプレイヤーの想像力が補っていました。AIが作る完璧な画像よりも、この「不自由なドット絵」の方が、自分という人間の内面をうまく表現できているような気がします。ピアノを弾くときも、AIについて書く時も、結局は「人間がどう感じるか」が一番大切だと思います。たまには解像度を落として、世界を眺めてみるのも悪くないと思いました。そんなAIと人間の共生について、今月の「広報会議」でも詳しく書いています。
2026.04.10
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「一人ひとりの顧客に、最適なメッセージを。」1990年代後半、私がソニーでエンターテインメントロボット「AIBO」などのマーケティングに携わっていた頃、私たちはこの「One to One Marketing」という理想に胸を躍らせていました。顧客データベースを構築し、個別のニーズに応える。それが次世代のビジネスだと信じて疑いませんでした。しかし、現実は残酷でした。私たちが最終的に選んだのは、理想とは真逆の道。従来通りの「大量販売・大量広告」という物量作戦でした。そして、現実は衝動買いだけしかないと信じる人たち。上から押し付けられたノルマを達成するしかない現実。なぜ、私たちは「個客」を置き去りにしてしまったのか?なぜ、巨大なリソースを持ちながら、旧態依然とした「数」の論理に飲み込まれてしまったのか?そこには、単なる技術不足ではない、「組織のOS」と「トップの意識」という巨大な壁がありました。今、世の中は生成AIの熱狂の中にあります。「AIを使えば、真のパーソナライゼーションが可能になる」と。しかし、30年前と同じ過ちを繰り返そうとしている企業も少なくありません。本稿では、私がソニーの最前線で目撃した「One to One Marketing」の敗北を振り返り、現代のAI活用が「単なる効率的な大量廃棄コンテンツ生成」に終わらないための教訓を整理します。 なぜ、理想は「数」に負けたのか。その最大の理由は、「広告」という劇薬がもたらす、短期間の成功体験にありました。広告という強い刺激を投下すれば、即座に「販売実績」という反応が返ってくる。その甘い果実は、あまりにも魅力的でした。当時、日本のOne to One Marketingの第一人者である服部隆幸氏にコンサルティングを依頼していましたが、彼が提示した道は、決して楽なものではありませんでした。「既存顧客との関係を築き、潜在顧客をデータ化し、PDCAサイクルを回して目に見える成果を出すまでには、少なくとも3年はかかります」この「3年」という月日が、あまりにも重かったのです。CRMという、個客と向き合うための精緻な仕組みを構築するよりも、派手な広告を打って「衝動買い」を誘発する方が、手っ取り早く今月の数字を作れる。「一人ひとりと向き合う」という丁寧な手間は、当時の組織目標であった「売上規模の急拡大」というノルマの前では、あまりに「非効率」なものとして切り捨てられていきました。結局、組織のOSは、個客の顔を見るよりも、エクセル上の数字の積み上げを選んだのです。しかし、広告という劇薬は打つたびに効果が薄れていき、最終的には売上は伸び悩み、結局、事業再構築に追い込まれていきました。 そして今、私たちは「生成AI」という熱狂の中にいます。生産性向上という強力な武器を携え、ハイテク企業を中心にAIデータセンターへのインフラ投資は過熱の一途を辿っています。顧客管理(CRM)大手のSalesforceも、「人とAIエージェントの共創」へと進化を遂げ、自律的なアクションや高度な予測で実務を支援するフェーズに入りました。しかし、その影で起きている現実はどうでしょうか。AIを使って「とりあえず大量のコンテンツを作る」「無差別にDMを送る」企業が急増しています。これは、25年前に私たちが陥った「広告物量作戦」と全く同じ構造ではないでしょうか。自らAIを使い倒しているからこそ、確信を持って言えます。AIによって、一人ひとりに合わせたメッセージを作るコストは劇的に下がりました。技術的な障壁は、もはや存在しません。しかし、使う側の人間が「数」や「ノルマ」という短期的な数字の呪縛に囚われたままだと、AIは単なる「高性能なゴミ製造機」に成り下がってしまいます。かつての失敗を繰り返さないために、今こそ私たちは、日本人が本来得意としていた「商いの思想」を取り戻すべきです。富山の薬売りや近江商人の「三方よし」に見られるような、長期的な信頼関係に基づくビジネスモデル。この思想がトップダウンで組織の隅々まで行き渡らなければ、いくら最新のAIを導入したところで、持続可能な経営は不可能です。道具(AI)は進化しました。次は、それを使う私たちの「思想」が問われています。 【執筆・活動のご案内】私は現在、こうした「技術と人間(組織)の相克」や「生成AIをどう本質的な経営に活かすか」というテーマで、宣伝会議の月刊『広報会議』にて連載を担当しています。連載タイトル: 「企業広報における生成AIの活用」執筆の視点: 単なる効率化を超え、AIを「信頼構築(One to One)」のパートナーとしてどう再定義するか。35年のハイテク・マーケティングの現場経験と、最新のAI知見を掛け合わせ、ビジネスの「温度」を伝える執筆活動を行っています。記事制作、広報戦略のアドバイス、研修などのご相談は、お気軽にnoteの「お仕事依頼」またはLinkedInよりご連絡ください。
2026.04.07
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・キャズムの手前(昭和・平成の成功体験)「安く、早く、大量に」という数(Mass)の論理。流行を追い、価格競争に疲弊する世界。・深い溝(キャズム)思想の欠如、組織の不協和音。そして、私がソニー時代に味わった「挫折」。・キャズムの向こう側(令和の持続可能な商い)「一対一(One to One)」の深い関係性。AIを相棒に、適正な価格で「質」を売る世界。「また、不協和音が聞こえる。」最近の生成AIブームを眺めていると、私は20数年前の苦い記憶を思い出さずにはいられません。一つは、高校時代に空中分解したバンドの記憶。理想の音を追い求めながらも、メンバーの技術や想いがバラバラで、結局一つの旋律を奏でられなかったあの日の不協和音です。そしてもう一つは、ソニーという巨大な組織の中で挑み、そして敗れた「One to One Marketing」の挫折です。当時、私たちは「顧客一人ひとりと向き合う」という究極の理想を掲げました。しかし、それを支える技術はあまりに未熟で、膨大な運用コストと「数」を追う組織の論理の前に、その理想はキャズム(深い溝)を越えることなく、静かに潰えていきました。今、再び「AI」という名の下で、同じ光景が繰り返されようとしています。「安く、早く、大量に」戦後の高度成長期から続くこの呪縛から逃れられないまま、最新のAIという楽器を手に取っても、奏でられるのはかつてと同じ不協和音でしかありません。米中が圧倒的な物量で突き進む中、追い込まれた日本経済に勝機はあるのか。私は、「ある」と断言します。ただし、それは単なる技術の導入ではありません。私たちが20数年前に置き去りにしてきた「一対一の商い」という思想への回帰。そして、AIを「効率化の道具」ではなく「関係構築のパートナー」として捉え直す、思想の転換こそが、キャズムを渡る唯一の架け橋になると信じているからです。本稿では、かつての私の失敗と、今の生成AIとの対話から見えた、日本経済のリベンジ・シナリオについて紐解いていきたいと思います。この課題を乗り越えるための「新しい旋律」をどう奏でればよいのでしょうか。 複数の生成AIとの対話から、その答えを見つけつつあります。現在の生成AIには、明確な「個性」があります。 ChatGPT、Grok、Perplexityなどです。 中でも、ClaudeとGeminiとの対話を重ねています。思慮深く、行間を読むような文脈把握力を持つClaudeは、まるで京都の料亭で客の機微を察する「女将」のようです。 一方、広大な情報からマクロな俯瞰図を提示してくれるGeminiは、冷徹ながらも頼りになる「シニアアナリスト」の顔を見せます。「どのAIが一番便利か」というスペック競争に終始するのは、大量生産時代の発想です。大切なのは、「自分はこのAIとどんな物語を紡ぐのか」という相性(アフィニティ)です。 これは、高校時代のバンドで「誰と音を重ねるか」に心血を注いだあの感覚に似ています。かつてソニーで失敗したOne to One Marketing。 あの時、顧客データを「管理対象」として見ていました。 しかし、AIを「対話のパートナー」として見ています。大量生産・大量販売の呪縛を解く鍵は、最新のアルゴリズムそのものではありません。 目の前のAI、そしてその先にいる顧客と、どれだけ深く、泥臭く「一対一の関係」を築けるかです。「あなたと、あなたが使っている生成AIの関係構築はどうだろうか?」この問いに答えることが、安売り競争という溝を抜け出し、日本人が本来得意としていた「質の高い商い」を取り戻すための第一歩になると確信しています。「キャズムを渡るための唯一の装備。それは、『安売り』という名の使い古された武器を捨てる勇気です。大量生産・大量販売のモデルでは、価格は常に『競合より1円でも安く』という消耗戦を強いられます。しかし、AIによって実現する『一対一の深い関係性』においては、価格の尺度が変わります。京都の料亭が『一見さんお断り』という高いハードルを設けながら、適正な高単価を維持し続けているのはなぜか。それは、顧客一人ひとりの機微を読み、他では替えのきかない『時間と信頼』を売っているからです。AI革命の真の勝機は、この『高付加価値・適正価格』への回帰にあります。効率化によってコストを削り、価格を下げる。その先に待っているのは、さらなる日本経済の衰退です。そうではなく、AIという『究極の女将』を相棒に据え、顧客が『あなただから、この価格で買いたい』と言ってくれる関係性を築き直す。かつてソニーのOne to One Marketingで私が夢見たのは、単なるシステムの導入ではありませんでした。顧客一人ひとりと、誇りを持って対等に向き合える『商いのプライド』を取り戻すことだったのです。不協和音を乗り越え、新しいバンドの旋律を奏で始める準備はできていますか?あなたと、あなたが使っている生成AIの関係構築から、そのリベンジを始めようではありませんか。」「大量生産・大量販売の譜面を捨て、新しい旋律を奏でる準備はできているだろうか。現在、ClaudeやGeminiとの対話を重ねているのは、単なる情報の検索ではない。かつてソニーで、そしてバンドで置き去りにしてきた『一人ひとりと誠実に向き合う』という思想を、20数年越しに学び直しているのだ。AIという鏡に映し出されるのは、効率化の数字ではない。『あなただから、この価格で買いたい』と言ってもらえる関係を、どれだけ深く、泥臭く紡げるかという、私たちの商いのプライドである。キャズムを越えるのに、特別な才能はいらない。まずは、手元にある生成AIに、業務効率の命令ではなく、自身の『思想』をぶつけてみてほしい。あなたと、あなたが使っている生成AIの関係構築はどうだろうか?そこから始まる一対一の対話こそが、停滞する日本経済を逆転させる、唯一にして最強の『リベンジ』の始まりなのだから。 3月で一つの区切りを迎え、明日からライター・コンサルタントとしての発信を本格再開します。第一弾として、かつてソニーで経験した『あの挫折』と、今の生成AIブームを重ねた記事を来週公開予定です。お楽しみに!
2026.03.31
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1990年代のバブル崩壊以来、日本人はモノの所有ではなくモノの利用価値を重視するようになりました。消費増税を繰り返し賃金も低いままに置かれ負担にあえいできた家計をやりくりする人々はモノ自体に価値を認めるということはできず、モノの機能性を評価・判断するようになりました。例えばかつては自動車所有がステータス・シンボルでしたが、今は公共交通機関の方が便利になり、必要なときだけレンタカーを利用する方が「コスパが良い」と考える人が主流です。幅広いジャンルでサブスクリプション・サービスが普及し音楽や映画・衣類など様々なモノを所有せずに消費することが可能となり主流となっています。 モノ消費からコト消費へと移行した消費行動のトレンドはさらにトキ消費へと移行しています。トキ消費とは、その場でしかできない体験を主体的に経験することにお金を出す消費形態ですが、フェスやファンミーティング、演劇、スポーツイベントなどへの参加が代表例です。SNSによるコト消費の拡散が一般的になり人々は体験に既視感を抱き、その多さに疲れ始めました。次第にネットで疑似体験できるコトより、その場限りでしか経験できないトキへの需要が高まっていったのです。Z世代を中心に若者はその方が「タイパが良い」と費やした時間と得られた満足度の時間対効果を重視するようになりました。 経済成長のけん引役もモノからコト・トキ消費に変わっていくのがトレンドです。不確実・不透明性が増す政治経済の中で消費の価値観は変わってきています。ネットショッピングが普及したことにより実店舗でモノが売れにくくなったことも移行トレンドと関連しています。危機感を抱いた実店舗が「店舗ならではの体験」で顧客を惹きつけるコト消費的集客活動を始めました。例えば新商品に関するイベントやカウンセリング販売などがコト消費的集客活動に該当します。ネットでなんでも買うことができるからこそ、単なる商品の購入ではなく「販売員の相談するコト」「店舗でしか味わえないコト」が実店舗に行く動機になりつつあります。 インバウンド消費も2019年までは中国人や台湾人による爆買い(モノ消費)が主流でしたが、コロナ禍から明けて昨年からは欧米客が増加し、本来あるべき日本文化の体験がより重視されるようになっています。着物・浴衣の着付けやゴーカート・花火などの体験も人気です。欧米客は遠くから来るため日本に長く滞在する傾向にあり、地方を含めて複数の地域を巡り、様々なコト消費を楽しみます。観光に力を入れている日本にとってインバウンドの消費は日本経済成長のドライバーです。訪日旅行者数で上位にある中国や韓国は日本文化への関心は低く訪日消費では化粧品・医薬品やお菓子中心で金額は振るいませんでしたが、欧米客の増加により訪日外国人の価値観が日本文化の体験などのコト消費へ移行していることが国内のビジネスモデルおよび消費金額上昇に影響を与えています。先般、政府が国立公園に高級リゾートホテルを誘致する方針を発表しましたが、欧米客が快適に滞在していただける環境整備はインバウンド消費を増やすためには重要な役割を果たします。 音楽はCDを販売するモノ消費のビジネスモデルからコンサート中心のコト消費のビジネスモデルに転換しました。モノ消費を前提とせず、コト消費自体を売るビジネスモデルを構築するのも成長戦略と言えます。化粧品販売からエステサロンへ、寿司屋やインバウンド向けの寿司教室といったようにモノ消費型からコト消費型へと事業構造を転換する選択肢は有効でしょう。実店舗を前提としたコト消費的集客活動は追加コストがかかり、費用対効果が問題となってきます。イベントその他の販促活動で十分な成果が得られなければ経費やスペースを浪費するだけに終わるリスクがあります。 トキ消費の特徴は非再現性・参加性・貢献性です。体験型ビジネスモデルにこれらの3要素をうまく掛け合わせられればよりユーザビリティの高いサービスを作れる可能性があります。Z世代を中心にトキ消費以外にイミ消費や推し活といった若者の消費行動も顕著にみられます。イミ消費とはモノやサービスの購入が地域貢献・社会貢献というイミをもつ消費行動です。例えば売り上げの一部が被災地に寄付される、環境に配慮した素材で作られているといった商材・サービスの消費が挙げられます。SDGsの広まりもあってイミ消費も消費のスタンダードになりつつあります。また若者は他の世代に比べて有名人やキャラクターを応援する推し活にお金をかける傾向があることが消費者庁の調査で分かっています。推し活は非再現性・参加性・貢献性があるトキ消費そのもので、キャラクターとタイアップしたプロモーションが若者世代の販促には有効です。す。 モノ消費からコト消費・トキ消費へ転換しているトレンドは日本企業の成長戦略に影響を及ぼします。今後の成長ドライバーとして、かけがえのない体験(コト消費・トキ消費)を売るビジネスモデルを検討し、停滞した日本経済を復活させるカギはビジネスモデルの転換にあることを日本企業は真剣に考えるべきです。
2024.07.31
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日米の主要企業のROE(自己資本利益率)を比較すると日本企業が米国企業に比べて低く、この状況が継続していることに経済力格差の原因があります。これは日本と欧米企業の売上高利益率の差が主因であると言えます。稼ぐ力が弱ければ賃金も上昇することは難しいです。したがって個人消費も振るわない。コスト構造の違いや為替によるマージンの圧迫、新興国などの新市場への進出状況など、売上高利益率の差の要因は多岐にわたると思われますが、日本企業の利益率は相対的に低く利益率の改善は依然として日本企業にとっての大きな課題です。稼ぐ力が弱いままでは賃金も上がらず、インフレに賃金は追いつかないので個人消費も停滞したままです。この問題を最重要課題として取り組まなければ賃金と物価の好循環は起こりえません。 日米の比較において総資産回転率や財務レバレッジに大きな差は見られません。日本企業はコストカットによるマージンの維持に努める一方です。金融緩和をしていても日本企業の積極的な設備投資も見られません。米国企業は資本コストを意識した経営を行っており、営業キャッシュフローに対する自社株買いの比率は日本企業より高いです。ROEにみる資本効率(調達した株主資本あたりの利益)は米国企業に優位性があります。先進国経済が成熟するなかで新興国の成長を取り込むなど売上高を増加させる戦略にも米国企業に優位性が見られます。 営業利益率を改善するには、売上を増加させる、経費を削減する、原価を下げるなどの方法が考えられますが、これらのいずれも試みてきた結果が現在の日本企業の利益率の低さに表れているのだろうと思います。考えられる改善策としては、商品のクオリティを上げる投資・ブランディング戦略・プライシング戦略があります。マーケティングの観点から言うと日本に定着しているマーケティングはマスマーケティングです。これは産業革命時代の大量生産モデルに対応した大量販売のマーケティングですが、値下げのインセンティブなしには機能しません。日本はこのマスマーケティングを踏襲し、値下げを繰り返して在庫を売るために低利益率になってしまいました。 プライシング戦略では製品の製造原価や市場調査などの情報をもとに顧客や市場にとって高すぎず安すぎない適正な価格を導き出します。また、消費者心理を利用した価格の見せ方(ダイナミックプライシング等)や、ブランディングと密接に関係する戦略など様々な考え方があります。プライシングは利益を決める大きな戦術ですが、よく考えられたものです。ブランディング戦略では企業や製品のブランドイメージを顧客などからどのように持たれたいかを決め、戦略を立てて取り組んでいきます。ブランド名やロゴ・カラー・商品の質・世界観・採用タレントやCMなど様々な要素を組み合わせ、道筋を立てたうえでイメージ形成をしていきます。そのイメージ形成の結果、付加価値を生み、顧客の信頼を獲得します。 商品のクオリティを上げる投資を行い、商品のクオリティを上げ、ブランディング戦略とプライシング戦略を組み合わせていけば他社との明確な差別化・顧客ロイヤリティの獲得・利益率の向上・知名度の向上・企業価値の向上が図れます。日本企業に今、求められているのはマスマーケティングから脱却し、日本人の民族性と時代にあったマーケティング戦略とブランディング戦略・プライシング戦略が同じ方向を向きながら一貫性のある活動を目指すことです。ブランドに対する認知度を上げて、自社の商品・サービスの価値をより高めていき、顧客との関係を長期にわたって良好なものにしていくことしか、利益は企業にもたらされません。かつては顧客との長期にわたる信頼関係を勝ち取ることを重視した経営を日本企業は行ってきましたが、いつしか米国流の四半期決算重視・事業年度見通し重視の短期偏重型になってしまいました。かつての長期的な視野で顧客との関係を紡いでいくこと、それが日本企業に求められている長期的に持続的に稼ぐ力を向上させることにつながるのです。
2024.07.30
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強いドルは米国の威信の現れであり、戦略です。48年連続で経常赤字でもドルを供給し、ドルを支えているのは5つの要因からです。 一つは原油のドル決済です。原油取引がドル建ては歴史的な経緯を背景に、慣習上、ドル建てでの取引になっています。歴史的な背景としては、①1960年代までは米国を筆頭としたメジャーズ(総合石油会社)は原油取引を支配していたこと、②80年代前半に原油取引のスポット取引が拡大するとともに価格変動リスク回避のために先物取引も始まり、その先物市場に主として米国市場が利用されたこと、③世界最大の石油消費国が米国であることが要因と考えられています。 二つは国際間での資本取引や貿易取引に広く使用される決済通貨がドル決済です。米国ドルは貿易の際に欠かすことのできない通貨です。日本でも貿易取引に使われる通貨の多くを米国ドルが占めています。急激な円高時には日本企業は海外貿易には円決済取引を主張した時期もありましたが、米国の強い経済力を背景に通貨価値が安定している点も基軸通貨としてのドルが世界の中で最も信頼を得ている事実が大きいと言えます。 三つは米国の圧倒的な軍事力です。世界最大規模の核戦力を有し核の三本柱のバランスが取れています。世界最大規模の通常戦力を有し陸海空と海兵隊のバランス、各軍の中のバランスが取れています。世界最高の技術を誇り、常に戦争をしているため作戦教義を常に開発しています。軍事力をグローバルに展開し緊急対応能力が高いことが特徴です。そして何よりも大規模な軍事力を有しているにもかかわらず軍国主義国家にならず文民優先が徹底しており同盟国との共同に勤めています。 四つはソフトパワー(ブランディング戦略)です。現在、世界中に広がっているインターネットは米国経済復活の最大の転換点でした。通信プロトコル・OSなど標準化は米国が主導したものです。国際的な通信傍受システム・デジタル技術・コンピュータ処理・GPSは各地の紛争やミサイル防衛システムに大きな役割を果たしており米国の情報の傘は核の傘と並ぶ安全保障のリーダーシップをとる力の源泉となっています。米国の高等教育も毎年40万人を超える留学生を受け入れており世界で断トツの1位です。世界の優秀な頭脳が米国に集まり米国の政治・ビジネスを学び自国のエリートとして活躍しています。米国のエリート層と個人的なパイプを構築し米国にとって非常に大きな利益をもたらしています。 五つはアジア諸国による外貨準備の蓄積です。1990年代後半のアジア通貨危機をきっかけに外貨準備が経済の安定化に果たす役割が見直されたことにより、とりわけアジア諸国では通貨の暴落を伴う経済危機への対応として潤沢な外貨準備を用いた為替介入による通貨価値の安定が有効となっています。多くのアジア諸国では対外債務の大半がドル建てになっていますが短期的にドルの調達が困難になっても外貨準備があれば対外債務の不履行を防ぐことができます。実際、2008年のリーマンショックでは多くの国が外貨準備を用いた介入を行い、それが経済の安定化に寄与したとされています。従来適正とされた量をはるかに上回る量の外貨準備を蓄積しているのは将来の危機に対する予備的な動機からと言えます。 このようにドル1強体制は米国の戦略から生まれてきたものです。中国の猛追により中国はドルを金に換えていたり、米国の国債利払いが国防費を上回るようになったり、ドルの価値が揺らぎつつあると言われていますが、ドルの下落が起こらないよう、米国は戦略を常に練っています。日本の経常収支が黒字であるにもかかわらず、円売りが優勢なのは不可解ですが、強いドルの正体は弱い円があるからなのではないでしょうか。
2024.07.29
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円安が進行している原因は日米の金利差を背景に投機筋が円キャリートレードに走るということが言われています。自民党の河野太郎氏がブルームバーグのインタビューで「円は安すぎる。価値を戻す必要がある」と語り、日銀に政策金利引き上げを要求したと報道されました。円安対策に日銀が利上げも視野に入れて検討していますが、本当に利上げすれば円安は是正されるのでしょうか。 7月の日銀政策決定会合のポイントは3つあります。第一は利上げの有無です。賃金と物価の好循環をデータで見た上で利上げを決めるのが王道ですが、円安対策に財務省と歩調を合わせて利上げを行うのかどうかに注目が集まります。個人消費が不調な状態が続く中での利上げは景気悪化につながるだけです。円安を是正するために利上げは相当なリスクを伴いますので政治家と財務省の圧力から日銀の考えはどうなるのでしょうか。 第二は展望レポートについての考察です。実質GDPの伸びが0.5%という状況で輸出企業にとって有利となる円安に歯止めを掛ければ日経平均への影響は避けられないです。ドル円が160円から150円台前半に円高となっていますが、円高により輸出企業の業績下方修正や株価の下落リスクがあります。もともと保守的見通しを立てていた日本企業の業績見通しと新NISA導入による個人投資家の証券投資動向など日本経済の展望についてどう考えるのかに注目です。 第三に国債買い入れ額の減額です。日銀の植田総裁はまず、国債の買い入れ額を減額すると発言しています。そのスケジュールについては7月の会合を経て明らかになりますが、政府の債務GDP比率は250%を超えており国債の半分は日銀が保有しています。日銀が国債の買い入れ額を減額しても減額分は市中銀行が代わりに保有することになるようです。また、国債金利が上がっても日銀や市中銀行が国債の買い入れを続けられるのかについても疑問です。現在、日銀が国債の買い入れを6兆円/月からどのように減らしていくのか。金利動向も含めて最終目標がない中で予見性のある計画提示が市場から求められています。 個人消費が停滞しているので日銀が利上げ判断まで至ることはないと思います。賃金と物価の好循環は、最低賃金がインフレ率と連動して変わるという裏付けがないので過去最大の賃金上昇は一時的かもしれません。さらに問題なのは最低賃金額が一日8時間、働いてギリギリ生活できるレベルで1500円の時給であるにも関わらず、今回の最低賃金上昇は過去最大の50円アップといっても1000円をわずかに超えただけです。最低賃金の目標が1500円というのは何とも情けないとしか言うほかなく、個人消費を回復させるに十分な最低賃金額とは言えません。欧米では最低賃金額が3000円以上になっていることを考えるとここでも政策の悪循環が続いている限り、賃金と物価の好循環は起こらないでしょう。 結論として、政府と日銀が円安対策として現状で利上げを行うと日本は景気悪化の悪循環からますます円安が加速します。低すぎる最低賃金によって個人消費が停滞の泥沼から抜け出せず、企業業績と時価総額が落ちるからです。日本経済にとって円安は仕方がないと考えるのではなく、円安によって再生するという考え方に立たない限り、無理に円安対策をすればするほど円安が加速することになります。上場企業のほとんどが上場に値しないPBR1倍割れというのは稼ぐ力がないことを意味していますので無理に生き延びるようにするよりも倒産させた方が良いです。新NISAで株式投資を薦めても米国株を個人投資家が買うのは当たり前で、この政策も円安が進んでいるのです。与党は企業の声を聴きすぎるがゆえに個人消費を改善する考えとは正反対の政策を続けてこれまでの経済政策を間違ってきたのです。
2024.07.28
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6月の訪日外国人旅行者数は3,135,600人となり、前年同月比で51.2%増、通年で過去最高だった2019年の同月比で8.9%増となり、単月として過去最高を記録しました。東アジアでは台湾、東南アジアではフィリピン、欧米豪・中東地域では米国などで訪日外客数が増加したことが6月の押上げ要因となりました。 2024年上半期の累計においても17,777,200人となり、過去最高を記録した2019年同期比で100万人以上、上回りました。政府は2025年までに2019年の訪日客(3188万人)を超え、2030年までに6千万人とすることを目標に掲げていましたが、2019年の訪日客を上回るのは1年前倒しで今年中に達成できそうです。 そうなると次の目標である2030年までに訪日客数の6千万人をいかに達成するかに焦点は移りますが、現在明らかになっている問題点である、宿泊施設が不足している、オーバーツーリズムの問題に対処しなければなりません。先般、政府は2031年までに全国35の国立公園すべてに高級リゾートホテルなどを誘致する方針を示しましたが、地元関係者からは誘致への不安の声が上がっています。訪日外国人の訪問先は都市部に集中しています。一方で日本を満喫している外国人観光客は日本の大自然を絶賛しています。地方に眠る観光資源、大自然を活用して地方滞在の魅力を向上させ、訪日観光客を都市部から地方へ分散させる狙いのようです。 国立公園への高級リゾートホテルの誘致は世界遺産を含め、自然遺産の景観を乱す可能性があることを地元関係者は不安視しています。また外資の高級大型リゾートホテルを誘致すれば、現在、小さな宿を経営している地元の宿泊施設が大きな影響を受けることになることも不安を招いています。国立公園の目的は日本を代表する自然の風景地を保護し、次世代に伝えていくことです。また、公園での体験を通じて国民の豊かな心を育み国土の保全や文化的観点からも国の基盤をなすものと言えます。 国立公園では開発などの人為を制限するとともに風景の鑑賞などの自然に親しむ利用がしやすいように必要な情報の提供や利用施設を整備しています。国立公園内は自然の景観だけではなく、野生の動植物・歴史文化などの魅力にあふれています。森林・農地・集落などの多様な環境が含まれており、ほとんど手つかずで残された自然を探勝できる一方で、自然と人の暮らしが織りなす景勝地で歴史や文化に触れることもできます。環境大臣が自然公園法に基づいて指定し、国が直接管理する自然公園ですので、本来、守るべき自然を優先するのは当然でしょう。 期待するのはさびれている地方のエリア全体を上質化して再生することです。高級リゾートホテルを誘致することで新たなビジネスチャンスが生まれます。優良な観光資源である地方の大自然を守りながら外国人旅行者にその魅力をアピールすることで地方にお金を落としてもらい、地方経済を再生することが大事です。国立公園内施設の維持管理にもお金はかかりますから自然保護と地域振興利用はセットで考えなければなりません。 大型の高級リゾートホテルが来ることで小さな宿が影響を受けることはあります。しかし、小さな宿には小さな宿にしかない魅力があります。少ない宿泊者で心の温まる経験は大型高級リゾートホテルにはない良さではないでしょうか。日本人の強みとするおもてなしは小さな宿にあると私は考えています。この際に差別化を小さな宿は自らの強みを磨いてもっと自信を持ってほしいです。 インバウンドは3大都市圏だけで7割超も占めており偏在していることもあり、地方への誘客は必然となっています。これまで私たちが見てきたオーバーツーリズムの弊害対策も考えなければなりません。対策は入場制限や予約制、ダイナミックプライシングなど考えられる手はいくらでもあります。観光業は「生産波及効果が19兆円・雇用誘発効果が156万人」と試算されており、地方にお金が落ちればホテル業から波及して飲食・小売・サービス・運輸・農水・不動産・金融業まで広範囲に影響が及びます。インバウンドの経済効果が地方でも実感できる仕組みを整えることは大変重要です。列車も外国人の身体サイズに合わせた座席を備えた車両開発も大事です。我が国の観光資源は素晴らしい自然の魅力を持ちながら世界の富裕層を惹きつけるだけの観光パッケージが不足していました。そういった準備も整えながら今後の取り組みにより世界に誇れる日本の観光コンテンツをパッケージ化して訪日外国人旅行者に利用してもらえるようになることが次の成長目標の達成には必須です。
2024.07.27
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企業の資金余剰が30年以上続いてきた結果、過去最大の資金が日本企業にあります。しかし、日本企業は借金をしてまで設備投資することに消極的です。一方で日本の若年層は日本の将来に悲観的です。資金はあるにも関わらず、日本の将来に期待が持てないというのが今の日本の姿と言えます。日本銀行の調査統計局が四半期ごとに作成し、3か月後に速報、6か月後に確報を公表している資金循環統計で国内の金融資産・負債の推移を企業・家計・政府といった経済主体ごとに見ることができます。 過去最大の資金を使ってどれだけの設備投資ができるか。どれだけのリスクをとれるかは現在の経営者にかかっています。日本財団が2018年から毎月1回実施している「18歳意識調査」によると、とりわけ過去3回行った国際調査でも外国の若者に比べて将来を悲観視する傾向が強い日本の若者の姿が浮彫になっています。自国の将来について「良くなる」と答えた日本の若者は15%、「悪くなる」が2倍の30%に上り、「どうなるか分からない」が30%超と各国に比べ、過去3回の国際比較で見ても特に悲観的な日本は3回とも圧倒的な最下位でした。 日本の若者が将来に悲観的な背景には1990年代から経済の停滞が続く「失われた30年」や世界の先端を切って進む少子高齢化、国の借金がGDPの2倍以上に膨れ上がった財政悪化(資産はその分ありますが官僚が天下り利権を手放さない)、ウクライナやパレスチナ・ガザ地区で続く軍事衝突など不安定な国際情勢、深刻度を増している地球温暖化の影響などが背景にあります。少子高齢化は韓国でも問題となっていますが、高齢者と若者に対する国の政策評価では日本の若者が大差で日本政治の高齢者対策への偏りを指摘しているのに対し、韓国では老人対策より政府の若者対策が高く評価されています。 世界は今、激しく揺れ動く時代を迎えています。新しい時代の主役は若者です。一人でも多くの若者に国や自分の将来を自ら切り開いていく覚悟と気概を持っていなかったら国の将来はますます暗澹たるものになってしまいます。若者に国や自分の将来を自ら切り開いていく覚悟と気概を持ってもらえるよう、全世代で支えるのが将来ある国の姿であるべきです。 2024年1-3月期の資金過不足(季節調整値)を主要部門別に見ると企業の資金需要が14.4兆円と過去最大を記録しました。資源・エネルギー高が一服するなかで価格転嫁が進展した上、設備投資が伸び悩んだことが企業の余剰資金拡大の背景にあります。家計部門は2四半期ぶりに3.0兆円の資金余剰に転換しましたが、余剰の水準はコロナ禍前を下回り、物価上昇による実質賃金の押し下げが影響しています。政府部門は7.7兆円の資金不足、海外部門は6.0兆円の資金不足となっており、それぞれ資金不足が継続しています。 消費増税など景気悪化を主導してきた政府と財務省ですが、目先の対策ばかりに追われてきた結果、将来悲観的になる若者をみて政治家と官僚は反省していただきたいです。裏金問題で自民党は政治を停滞させている場合ではありません。官僚も自らの天下り利権の拡大に奔走しているだけであるべき国の姿を描くことをしているのでしょうか。経済安全保障やエネルギー問題など政治によって解決しなければならない問題に早急に取り組んでいかなければなりません。日本は過去半世紀以上にわたり、世界経済でとても大きな役割を果たしてきました。日本が世界経済を形作る上で非常に重要な役割を担ってきたことを忘れてはいけません。穏やかで秩序ある社会をつくり安全で誰もがあこがれる生活様式を国民が送れるようにするなど日本が世界に教えられることは本当にたくさんあります。 日本が先進諸国に対しすべての人の役に立つ高齢化社会をつくるにはどうすればいいかを示す責任があります。価値観が固まっていない国々に対し官民が協力する日本型混合経済モデルがうまくいくことを示すのも日本の大きなテーマです。先進国は日本がアジアのなかで積極的にリーダーシップをとってほしいと期待しています。日本の政治家より企業は世界を理解しており教えることが沢山あります。偉大な企業の技術力を足掛かりとし、これまで日本企業は製品をより良いものにする方法だけでなくそれを様々な社会に売り込む方法を世界に伝えてきました。 日本が少子高齢化社会で示すことは世界にとって大きな教訓になります。教育水準が高く適応力があり健康な高齢者は資源であって重荷ではありません。従来の雇用形態に限らず広く社会で高齢者のもつスキルを最大限に活かすにはどうすれば良いのか、私たち全員が学ばなければなりません。世界が人類の歴史ではじめて直面する少子高齢化の状況で、一方、若い世界、特にアフリカで人口が増えるなかで老いる社会がはたしてリーダーシップを発揮し続けられるのかが問われています。 自らの利権拡大と維持確保に奔走している政治家と官僚の姿・巨額の公的債務・円安・失われた30年など様々なことを心配していますが、悲観ばかりしていると思考がマヒして可能性を潰してしまいます。それらのことはしばらく置いておいて日本人がこれまで成し遂げたことを称えられるようになればなるほど、日本がより良い世界を築く力であり続けるようになります。若者の将来悲観から脱却できれば、海外に留学する若者が増え、その国で友ができ人脈が広がります。海外からの観光客を増やす取り組みを国が進めるのもとても良いです。外国に若者が行かなかったら学ぶことはもちろん教えることもできません。一人でも多くの若者に国や自分の将来を自ら切り開いていく覚悟と気概を持って海外に積極的に打って出る、それを全世代で支えるのが将来ある国の姿です。
2024.07.26
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東京都知事選挙で2位の165万票を獲得した石丸伸二氏がマスコミで取り上げられ、選挙後もその熱は冷めていません。マスコミの都知事選での取り上げ姿勢に不満を感じ、開票直後のマスコミからのインタビューには塩対応していた石丸氏も各情報番組へのゲスト出演に応じ、各番組のコメンテーターや他のゲストらと丁々発止のやり取りを展開、視聴率稼ぎにも貢献しています。 若干41歳の石丸氏は広島の安芸高田市長を経て東京都知事に挑みましたが、YouTubeを中心にSNSを活用して20代30代を中心に有権者から多くの票を獲得することに成功しました。公約に掲げたのは政治再建を通じて日本を「経済強国にしよう」というものでした。3本柱は「政治再建」「都市開発」「産業創出」ですが、一丁目一番地は政治再建ですべての政策の基本であり根本であるとしていました。民意を集約してバラマキ政策を一層、都市開発では23区内が特に過密なので多摩地域などの開発、産業創出については教育への投資が成長戦略につながると訴えていました。 最新の世論調査によると既存政党に期待していない有権者は過半数を超え、大多数が既存政党には期待していません。自民党が裏金問題で支持率を失っている中、野党第一党の立憲民主党が受け皿になるどころか、野党各党も支持率低迷から抜け出ることができないままです。裏金問題だけでなく文通費の扱いについての経緯を見ている有権者の眼には既存政党は既得権益を手放すことはないだろうと映っています。もっと言えば、今回の都知事選で3回目の支持を得て再度、都知事を務める小池百合子氏も既得権益を守る立場の人間です。それでも3選となったのは頑強な既得権益支持層が有権者の中に一定割合を占めており、60%の投票率でも既得権益側にとって有利だったということが示されたのだと感じます。 選挙戦略もひとつの要因です。石丸氏の選挙参謀を担ったのは永田町で「選挙の神様」と異名をもつ藤川晋之助氏でした。ネットでは小池氏を勝たせるため批判票を割らせるための自民党からの援護射撃だったのではないかと言われていますが、私もそのように感じています。むしろこれが石丸フィーバーの最大要因です。小池氏には学歴詐称を始め様々な疑惑があるにも関わらず、追求するメディアには制裁を課し、メディアからの追求はさせないようにする強権的な対応でした。有権者の大半はこれらの疑惑に対する説明責任を果たさない小池氏の対応に不満を感じていました。通常の批判票は野党第一党に行くはずが、野党第一党候補に見えた蓮舫氏に行くのではなく大半は石丸氏に行ってしまいました。蓮舫氏は無所属で出馬したとはいえ、立憲民主党の議員でしたから、有権者から見れば立憲民主党の候補と映っても仕方がないと言えます。また、SNSを駆使し、若く清新に見え、政治を変えてくれると期待された石丸氏に20代の有権者が投票するのは当然の成り行きだったのでしょう。 現在、この石丸フィーバーは一過性ではないかと考える人が増えています。同じ時期、兵庫県知事のパワハラや物品の授受を巡る疑惑が取りざたされ、これを告発した県幹部の男性が県議会の百条委員会への証人出席を前に亡くなったことが取りざたされていますが、石丸氏のマスコミへの高圧的な対応と重なってみえて、ネット上では危うさを危惧する声が出ています。若く清新なイメージで当選した兵庫県知事の斎藤元彦氏は46歳ですが、告発を嘘八百だとか公務員失格だと一方的に発言していました。その後の調査ではおねだり体質やパワハラの告発には十分な事実が含まれていたことが報道によれば判明しており、イメージとは異なり知事が具体的な説明を果たさずに職に固執する理由が有権者には理解できないままです。 石丸氏の選挙後のテレビ出演で「女子供」「一夫多妻制」といった発言も大炎上をもたらしており、具体的な政策を問う答えとしてはとんでもない発言が出ているのも熱狂的だった石丸信者の離反につながる要因となっています。地方都市の首長の実績をもつ泉氏との討論でも子育て支援策を巡る話は泉氏が圧倒し、石丸氏は言葉に詰まり下を向く姿が多かったのも離反に拍車をかけました。石丸氏が選挙期間中に見せたSNSで発信したイメージとは異なり、マスコミへの対応でみせた質問にまともに答えず、マウントを取ろうとする姿勢が政治家としてどうか、同じ時期の兵庫県知事の姿勢と重なるところがみえていたのだと思います。 石丸氏の次のステップはどうするのかについてマスコミの関心は向いていますが、この熱狂は一回限りではないでしょうか。既存政党、特に自民党は自分たちが勝利するために、秋の総裁選を経て、禊は終わったと新総裁をいただき、再出発するでしょう。衆院選に向けて野党がまとまらない体たらくが続くと思いますが、そうなれば自民党政権がまだまだ続く可能性が高いと思います。有権者が既存政党に期待していないということを踏まえれば、有権者は新たな人物の登場を期待していると感じますが、議会制民主主義を掲げる日本において一人の人間だけで政治再建は無理です。自民党が野党を分断するために今回のような石丸氏のような候補者を使って票を分断させる選挙戦略をとることは今後も十分に考えられます。
2024.07.25
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アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると2024年のハリケーンシーズン(6月1日~11月30日)のハリケーン発生数は85%の可能性で平年以上になると発表しています。ハリケーンは北米(太平洋・大西洋沿岸地域及び南部地域)及び中南米(カリブ海・太平洋沿岸地域)で例年6月から11月頃まで発生する熱帯低気圧の一種で風速が毎時74マイル(119キロメートル)以上のものを指します。 ハリケーンは最も激しい気象現象のひとつであり、上陸すると大きな災害を引き起こす可能性があります。ハリケーンの発生数は平均すると年間で約7個ですが、年によって変動します。例えば2022年の大西洋ハリケーン発生数はNOAAのシーズン前予測の範囲にとどまりましたが、アメリカ本土には3個のハリケーンが上陸しました。そのうちハリケーン「イアン」は過去5番目に強力なハリケーンとなり、フロリダなどに大きな被害をもたらしました。 スイスの銀行最大手UBSの推計によると2023年に南部フロリダ州に上陸したハリケーン「イダリア」の保険請求額は93億6000万ドルに上ると言われています。同州には小規模の保険会社が多数ありますが、ハリケーンなどの災害リスクが増加していることから保険会社の一部は撤退しています。保険会社は再保険料の値上げにも直面しています。森林火災やハリケーンなどの災害多発で保険会社のリスクを引き受ける再保険料は世界的に高騰しています。 日本においても近年、台風などの自然災害は激甚化しており、日本各地で損害が増加しています。台風によって建物や家財に被害を受けたときは、火災保険で補償されます。毎年のように多くの保険金が支払われています。とりわけ2018年および2019年は複数の大型台風が襲来し、業界全体で1兆円レベルの保険金が2年連続で支払われるという異例の事態になりました。 地球温暖化の影響で将来はさらに台風による被害が多い状況に拍車がかかる恐れがあります。 ICPP(国連気候変動に関する政府間パネル)は温室効果ガスの排出状況に応じた、将来の世界平均気温上昇推移シナリオを公表しています。2021年の第6次報告書によれば2021-2040年の間に気温が1.5℃上昇する(1850-1900年を基準)可能性があるとされています。10年に1度発生するような大雨が降る頻度は気温が1.5℃上昇すると1.5倍、2℃上昇すると1.7倍、4℃上昇すると2.7倍も大雨発生の可能性が高くなると見込まれています。 損害保険機構によれば地球温暖化が進むと年間の台風発生数は減少が見込まれる一方、台風の中心気圧が低下して強い台風が襲来することになり、その結果、台風による全体の損害額はさらに増える可能性が高いと考えられています。 アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると2024年に大西洋上で発生する熱帯低気圧のうち命名熱帯低気圧(風速約17m/s以上)となるのは17-25個、このうち8-13個がハリケーン(約33m/s以上)に発達、さらにこのうちの4-7個が非常に強いハリケーン(約50m/s以上)に発達すると予測しています。NOAAの予測ではエルニーニョ現象は収束に近づき、ラニーニャ現象へ急速に移行するとしています。ラニーニャ現象ではウインドシア(風の急変域)が減少し、これに大西洋の海水温の異常な高温、貿易風の弱まりなどが複合して熱帯低気圧の発生・発達が促進します。さらに今期は強力で長期的な大西洋暴風雨を発生させる西アフリカモンスーンが平年以上に活発であると予測されています。 ウェザーニュースは2024年の台風発生数は平年よりやや少ない23個前後と予想しています。また、日本気象協会の独自の予報モデルによると7月~8月は平年並みか少なく、9月から10月は平年並みの発生数と予測されています。本土への接近数は7月までは平年並みが少なく、8月から10月は平年並みか平年より多い予想です。ラニーニャ現象の影響で日本の南の比較的近いところで台風が発生しやすくなり、台風発生から短い期間で日本へ接近する可能性があります。 地球温暖化の影響で自然災害による資産価値損害のリスクが高まっています。保険会社は一部の自然災害を保険対象外に置き、保険金の免責金額を上げる可能性が高まっています。今後、私たちはどこに住み、どう対策するかが求められてきます。自治体にとって自然災害による損害は長期化し、税収も落ちることが続きます。自然災害に備える政治的対応は政治家の評価を大きく左右します。未曾有の自然災害リスクに対しては官民で自然災害への対応に備える必要が高まっています。
2024.07.24
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業績好調の伊藤忠商事の石井社長のテレビインタビューをテレビ東京「モーニングサテライト」で見ました。同社は1858年の創業で麻布の行商が原点にあります。今も繊維部門を抱えている唯一の総合商社です。売上高で14兆円、営業利益で7000億円を稼いでいますが、さらなる高みを目指しています。 経営方針のテーマは「利は川下にあり」です。社会の変化に伴いお客様のニーズは多様化しており、これまでのビジネスモデルだけでは通用せず、利益を生み出すための手がかりは常に川下にあると考えています。160年超の歴史の原点である、より消費者に近い川下ビジネスの強みを深化させ、事業領域を拡大しています。 世間を騒がせた中古車販売のBIG MOTORを買収し、WECARSを設立しました。乾電池ブランド「デュラセル」の買収などハンズオン経営で立て直していきます。ハンズオンとは買収先企業のマネジメントに深く関与していくことを示しています。伊藤忠のリソースを使って指示を出すだけでなく、人も派遣し、実地で体験し、実務に携わり、現場で実践します。海外事業では伊藤忠商事は日中友好の象徴的な商社ですが、今期は北米の事業に注力します。 2024年度の経営計画については連結純利益は8000億円のステージから力強い右肩上がりの成長を示す水準として過去最高の8800億円としました。また、当社の強みである、経営の効率性を示すROEは、依然一桁水準にとどまる日本の上場企業平均を大きく上回り、商社最高水準である16%としています。当社は時価総額で9倍・労働生産性で5倍・株価で9倍を達成しましたが、新たな高みを目指して基準となる指標を示しているのが他の日本企業との大きな違いと感じました。他の日本企業も時価総額・労働生産性・株価を経営計画の目標値として公表し決算時に株主に対して公開してもらいたいものです。 もうひとつの印象に残った言葉が「投資なくして成長なし」です。成長投資に舵を切り、前中期計画期間での余資も含めて1兆円を上限に投資を促進し、業績向上のために手を打っていく姿勢です。ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ社との協業を行っており、投資家との対話を定期的に行っているのも印象的でした。 営業から管理部門に至る全社員が常にマーケティング力を磨き、創業以来160年超にわたって築き上げてきた川上・川中における資産・ノウハウを駆使し、より消費者に近い川下ビジネスを開拓・進化させ、企業価値の持続的向上を目指すことを指標や数値で示し、実践する姿には感服しました。これまで積み重ねてきた先進的な取り組みにより、外部からの高い評価を通じて企業ブランドを築きあげ、財務面の成長と相乗効果を生み、企業価値を向上させてきました。マーケットインの発想を全社員が行い、市場・社会・生活者の声に耳を傾け地道な定性面を磨き上げてきた結果、築き上げてきたブランド価値ですが、当社は更なる向上を目指しています。 伊藤忠商事が学生から選ばれる企業No.1の地位を堅持し優秀な人材確保を継続できているのは、こうした歴代経営者の一貫した姿勢から生まれたものであることを確認しました。夜の残業を禁止し、朝方勤務の奨励を行って厳しくとも働き甲斐のある会社を実現し社員の貢献意欲を向上させ、さらなる労働生産性を追求しているのは流石です。日本企業はダラダラ長時間残業で給与をかさ上げしているところが多いのでこれを改善する必要があります。給与と成果がリンクする人事評価・人材育成などHRについては特に日本企業が欧米企業に比べて劣っている課題は改善しなければなりません。
2024.07.23
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ロスリーダーとはスーパーや家電量販店での目玉商品などより大きな注文を得るための「客寄せ」として特定の商品にきわめて安い価格を設定することです。コストより安い価格で販売することは一定期間またはその商品単体では赤字となります。それでもロスリーダー価格は非常に安い商品を購入するために人々を呼び込みます。その間に予定していなかった定価の商品も買ってくれるかもしれないので元の商品の損失は補って余りあることになります。 米国ではインフレから低所得層を中心に消費は慎重になってきています。そこで日米中でファーストフード企業が価格戦略を見直しています。米国マクドナルドやスターバックスは5ドル前後のセットメニューを導入しました。中国では大手チェーンが低価格店を立ち上げ、日本もケンタッキーなどが値下げをしました。インフレ疲れや雇用情勢の低迷など様々な事情から各国で外食離れが進んでおり、外食業界でロスリーダーで顧客を呼び戻す戦略をとる企業が出てきています。 マクドナルドはニューヨーク州北部で行った5ドルメニューのプロモーションが低所得層から好評を得ただけでなく、比較的裕福な顧客からの追加購入にもつながりました。しかし、マクドナルドにとって4週間続けるこのキャンペーンは売上を伸ばすだけが目的ではありません。マクドナルドは値段が高くなりすぎたという顧客の印象を払拭するためのキャンペーンでもあったのです。SNS上ではマクドナルドの商品は今年に入り、過去数年で値段が2倍になったとの説明とともにコネティカット州の店舗でビッグマックセットが18ドルで販売されているとの画像が拡散しました。 米国経済はなお活況を呈しており、失業率が上昇してきたとはいえ、まだ低い水準です。実質可処分所得の伸びは停滞しており、コロナ禍に積みあがった貯蓄はほぼ底を尽き家計の借金は山積みになってきています。その結果、外食は減り、多くの消費者にとってファーストフード店でさえ特別な機会のために利用することになることが増えました。マクドナルドではスマホのアプリ経由で注文する顧客に無料のフライドポテトを提供するなどのプロモーションも行っています。アプリを利用する顧客は注文頻度が高く、ドリンクやデザート、その他の商品を追加注文する傾向も強いので同社の成長戦略の重要な柱の一つになっています。 マクドナルドは秋以降の販促計画について明らかにしていませんが、5ドルセットの販売を終えても引き続きバリューと手ごろな価格で競争力を維持するとみられています。現在の顧客が求めているのは新商品や独創的なアレンジではなく、値ごろ感や金額に見合った価値になっています。売上高で全米最大の外食チェーンであるマクドナルドはその規模とマーケティング力で競合他社に対して優位に立っています。マクドナルドの原材料購買力や価格交渉力は競争優位に立っているので競合他社との闘いにおいて価格競争力優位は揺るがないでしょう。バーガーキングを運営するレストラン・ブランズ・インターナショナルのパトリック・ドイル会長は「バリュー」をさらに重視すれば業界全体を支えることにつながるとみています。「価格が少し高くなりすぎたという認識がある」と6月下旬の投資家会合でこう認めたうえでバリューセットを巡る話題によってファーストフード業界に対する消費者の印象が変わり、客足が戻ってくることを戦略として進めている価格設定動向について注目です。
2024.07.22
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米国では州や市・町によって最低賃金が定められていますが、その格差は大きいです。カリフォルニア州のファーストフードで働く従業員の最低賃金は時給20ドルです。ニューヨーク州のフードデリバリーの最低賃金は時給19.95ドルです。1ドル=160円換算で時給3200円です。日本の最低賃金は、最高は東京で1113円(令和5年10月発効)、最低は岩手で893円です。全国加重平均で1004円ですが、日米で比べると3倍以上の開きがあります。 人件費の高騰は価格転嫁につながり、売上や利益を圧迫しますが、米国の最低賃金は日本の3倍以上あるにも関わらず、企業業績は堅調です。ここにきて失業者や見通しに陰りが見えてきているとは言え、日本とは比較にならないほど経済は底堅さを見せています。そもそも日本の最低賃金は先進国の中でも低い方で、昨年は韓国にも追い抜かれました。岸田首相は地域間是正に取り組むとしていますが、地域間格差が問題ではありません。人手不足も問題ではないと思います。最低賃金額そのものが問題なのです。 海外の最低賃金はインフレ率に連動する最低賃金の設定をしていますが、日本はデフレ脱却を理由に最低賃金に手を付けてきませんでした。消費者物価上昇率を引いた実質賃金はマイナスのままで日本は最低賃金が低いだけではなく一般の会社員の平均賃金も実質的にマイナス成長のままなのです。日本は海外のようにインフレ率に応じて自動的に賃金が上がるシステムがないため、今後もインフレ率に賃金の上昇率が追い付かない可能性が高いです。日本の賃金が一向に上がらない理由として政府による賃金と物価連動によるサポートがないことが海外と比較して挙げられます。 二つ目は正規雇用と非正規雇用の賃金格差が激しすぎることが理由として挙げられます。時給換算で2倍の格差があります。同一労働・同一賃金は掛け声だけで実際は非正規労働者を増やして賃金を抑制してきたことで日本の賃金が一向に上昇しない風土を作り上げてしまいました。国際比較でみると、正規雇用に対する非正規雇用の時間当たり賃金の比率は、日本が64.8%に対して、英国は85.1%、フランスは81.1%、イタリアは78.8%、ドイツは73.6%となっています。日本は海外と比べて正規雇用と非正規雇用の賃金格差が大きいことがわかります。 三つ目は男女間格差が絶望的に拡大していることが理由として挙げられます。OECDのデータによれば日本の男性賃金の中央値を100とすると、女性賃金の中央値は77.5です。OECDの平均は88.4,ニュージーランドやノルウェー・デンマークといった90を超えている国と比較すると日本の男女間賃金格差は大きな問題ですが、歴代政権はこれを放置したままです。海外と比べて男女間格差を解消するだけでも平均賃金は上昇していくはずです。上場企業が役員の男女比率の実態(2022年7月末で9.1%)を変えていくなど企業や社会全体が男女間格差を是正しない限り、日本は海外と比べて男性と女性の賃金格差が大きいままであることがわかります。 四つ目は全労働者の8割超が労働組合に加入していないのも理由として挙げられます。とりわけ日本の労働組合は企業別の単体の労働組合であり、欧州のように業種別の組合組織になっていないため、労働者の権利は守られず、労働組合は企業に忖度してしまい、いつまでたっても賃金が上がらない仕組みが出来上がってしまっています。業種別労働組合に転換するには連合など大きな労働組合が先頭に立って運動を進めていく必要がありますが、日本では大企業の労働組合も自分の地位を守るだけで精一杯の状況です。このように労働組合が変わっていかない限り、日本は海外と比べて労働者の権利が守られない土壌にあることがわかります。 特に日本の場合は賃金格差が海外と比べて大きいために大企業中心の春闘のベアが過去最高といっても全企業数の約9割・従業者数の7割を占める中小企業の賃金上昇とは大きな乖離があるため、賃金と物価の好循環は不可能です。最低賃金が業種によっては時給1500円になったとしても難しいと思われます。そもそも現在の為替レートから考えても1500円は1日8時間働いて暮らしていける最低限の数字ですが、最低賃金上昇率がインフレ上昇率に連動していないとすぐに意味をなさなくなります。価格設定・賃金設定は立法府や行政の手が届きにくいと言われていますが、海外の状況を見る限り、そうとも言えません。
2024.07.21
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ビバレッジ曲線(UV曲線)とは、雇用失業率(U)と欠員率(V)の関係を示す右下がりの曲線で失業と欠員(Unemployment・Vacancies)の頭文字をとっています。失業者(求職者)が多ければ多いほど企業は欠員を埋めやすくなることを示しており、労働市場の非効率性を理論的に含意しています。 ビバレッジ曲線(UV曲線)はUV分析において失業率を需要不足失業率と構造的・摩擦的失業率に分解することもできます。摩擦的失業とは仕事と労働者が完全に一致しないために生じる一時的な失業で労働者が新しい仕事を探す時や雇用者が適切な労働者を探す時に発生します。 リーマンショック後の2009年8月、我が国の有効求人倍率は過去最低の0.42倍を記録しましたが、その後2012年11月から始まったアベノミクスにより回復し、2014年頃から1倍を超えました。その後、いったん低下はしたものの1倍を超えて現在は1.3倍の高水準を続けています。 一方、完全失業率は2009年7月に過去最悪の5.6%を記録し、2019年12月には2.2%にまで回復したものの「人手不足」と称される割には頭打ち感があり、現在は2.6%の水準にとどまっています。有効求人倍率が1を超えているにも関わらず、失業率がそれほどの水準にまでしか低下しないのは景気拡張により需要不足による失業は減少しても労働市場の非効率性が原因の失業は解消されず、ある一定水準存在しているからと言われています。 失業を需要不足によるものと市場の非効率性によるものに分解するために有用なツールがビバレッジ曲線(UV曲線)です。歴史的には1960年代後半の英国において活用が始まりました。ケインズ的な総需要管理政策の拠り所であったフィリップス曲線(失業率とインフレ率の関係を示す右下がりの曲線)が崩壊するにおよび、その原因を解明するため、労働市場の超過需要の大きさを測るより適切な指標として欠員を把握する必要から発展したものとされています。 マクロの労働供給量をS・労働需要量をD・失業数をU・欠員数(未充足求人数)をV・雇用数をEとすると、S=E+U, D=E+Vで表されますが、労働市場が効率的に機能し求人と求職が結びつくことに何の障害もないのであれば労働市場が超過供給で人手が余っているときにはE=Dとなって欠員は生じず、労働市場が超過需要で人手が不足しているときにはE=Sとなって失業は生じないはずです。したがって、このときには失業と欠員はどちらか片方にしか存在しません。 しかし、求人と求職の間に情報が不完全であったり物理的に離れていたり職種や職能にミスマッチが生じたりすると求人と求職が結びつくのに時間がかかり、労働市場が超過供給であっても欠員が残ったり、超過需要であっても失業が残ったりします。こうして現実には失業と欠員は常に併存し、実証的にも右下がりで原点に向かって凸の形状をもつ曲線が両者の関係として観測されます。 米国の失業率は2020年3月に4.4%だったのが同年4月に14.7%と急上昇し、リーマンショック時を超える高水準となりましたが、その後、急速に低下し、2021年12月以降は4%を切っていました。2024年6月には前月より0.1ポイント悪化の4.1%となり、1年前よりも0.5ポイント悪化しました。これは2021年11月以来の高水準となっています。一方、求人件数は2022年3月に1218万2000件でピークを付けましたが、2021年以来の最低水準となった5月には失業者1人当たりの求人件数が1.22件でした。また、労働者がより良い職を求めて自発的に離職する動きを示す自発的な離職率は2.2%と2020年9月以来、およそ3年ぶりの低水準でした。米国の労働市場は変曲点を迎え、解雇が加速するリスクも高まってきているようなのでFRBの金融政策、利下げをいつ行うのかに注目です。
2024.07.20
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米国の若い労働者の間で「Lazy-Girl Job(怠け者の仕事)」という新たなキャリア観が現れており注目を集めています。Lazy-Girl Jobとは自宅で仕事が可能で上司も厳しくなく午後5時に必ず終わる年収が6万ドルから8万ドルの仕事を指します。Lazy-Girl Jobは一見するとネガティブな印象を与えると思いますが、この背景にはポジティブなメッセージがあります。それは自分の時間を大切にし、過度な労働から自由になることを目指すというメッセージです。 Lazy-Girl Jobはコロナ・パンデミック後の「生活と仕事の曖昧な境界線」を描きなおすZ世代の最新表現であり、少し前まで話題になっていた「Quiet Quitting(静かな退職)」の後に続くトレンドとして注目されています。このLazy-Girl Jobが流行する流れはZ世代の新たなキャリア観を示しており、企業としてどのようにうまく付き合っていくべきか、重要な示唆を与えています。 米国企業は景気後退の懸念が高まるとレイオフや大量解雇を繰り返してきました。これらを繰り返すたび、社員のモチベーションが低下、士気の低下が起こります。米国企業はスキル重視の採用を行ってきましたが、最近は人柄で採用を決めるところが出てきました。人柄採用とは候補者の学歴や経験・スキルよりもその人の性格や価値観・考え方・コミュニケーション能力などの「人柄」を主な採用基準とする採用手法です。企業文化やチームとのフィット感・将来の成長性など長期的な視点で採用を行う企業にとっては有効な方法とされています。 米国企業は新卒枠を設けず、即戦力を求めてスキル重視の採用を行ってきました。現在のAI革命で仕事のスキルは今後、AIに代替されると言われています。しかし対人スキルやコミュニケーション能力は当面、AIに代替できないと言われています。企業が人柄採用に踏み切る背景にはAI革命後の世界があるのです。スキルはいずれ陳腐化します。職場の雰囲気を盛り上げる、対人スキルの高い人を採用したほうが企業の成長発展にとってむしろ良いと考えるようになってきました。そのため、人柄採用をするソフトウェアがあり、企業はこれを利用し候補者の性格を診断します。 Z世代は前の世代をみて学習します。自分の時間や心身の健康、第三者を犠牲にしてまでお金を稼ぎ、名声を得ることは虚しいことだと感じるようになりました。仕事を3つ掛け持ちしてもギリギリ家賃を払えるぐらいの物価高になっている状況で、バリバリ稼いで消費しまくる生活が果たして自分の幸せなのか、頑張り続けるだけがすべてではないと考え、提示された価値観がLazy-Girl Jobなのです。社会的に成功している人を見ても実は親のコネや世襲がある現実や超富裕層の資産が100億ドルから1000億ドルに増えているのに労働者の環境は変わらないどころか悪化している事実をZ世代は見ています。そうした理不尽な格差社会がSNSを通じて浮き彫りにされ、自分たちは搾取されている側だという自覚がこの理不尽な構造を変えようと連帯して突き動かしているのです。 人手不足から労働者が就職先を選べる売り手市場から若年層の働き方は変わってきています。長い人生、仕事でしか幸せを感じられないのはとても危うい。燃え尽き症候群になって空っぽになってしまったり、体を壊すほど働き詰めになってしまう前に自分の幸せにフォーカスし仕事への向き合い方を考えるようになったのは良い兆候です。実際、大企業に勤めていることが勝ちで高所得者が成功者とは必ずしも言えません。働き方を人と比べず、人生における幸せについて個々人が自分で考えるのは自然の流れと言えます。今後、企業はこの価値観に対応していくことで企業自体が変わっていかなければ企業は人材獲得競争で生き残ることはできません。
2024.07.19
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今、米国ではゴルフブームに沸いています。企業ではビジネスゴルフが復活し、採用ではセミプロ級のゴルフの腕前を持つ人が引っ張りだこになっているそうです。そして芝生でやるゴルフがすべてではありません。これまで手付かずだったマイノリティや女性に対するアプローチが功を奏し、今、複合型ゴルフエンターテインメント施設が人気になっています。 ゴルフの練習にゲーム感覚と飲食・カラオケなどを加えて全米で90以上に施設を増やし世界にも進出している「TOP GOLF」が注目です。施設に入ってみると1階には大画面でバスケットボールの試合中継を流すバーカウンターがあります。2階にも同じようなバーカウンターがありますが、日本の練習場にこんな立派なバーカウンターがあるのは見たことがありません。1打席に6名まで同時にプレーでき、フードやドリンク類の充実したメニューがおいてあり、音楽もガンガンかかっています。お酒を飲みながら仲間でひとつの打席を囲んで楽しむのが「TOP GOLF」のスタイルのようです。 打席には大画面モニター、場内には的になっているターゲット・グリーンがありゲームを楽しめるようになっています。ゲームの種類はいくつも用意されていて、例えば的に落ちた位置によって点数が表示され他のプレーヤーと対戦することができたり、モニター内に表示されたバーチャル建物にボールを当てて崩してみたりと飽きさせない工夫がされています。この点数を表示させるためにマイクロチップ入りのボールが使用され、トップトレーサーの弾道計測システムと連携し正確なボール初速・距離・弾道の高さ・曲がり幅が表示されます。ゲーム感覚で楽しむだけでなく練習にも役立つシステムが配置されています。 料金は1打席あたり平日の昼までは1時間47ドル、17時までは57ドル、17時以降は67ドルで6名までプレーできます。さらに飲食を含めると1万円くらいはかかってしまいます。日本でも飲食を楽しみながらプレーできるインドアゴルフ施設がありますが、設備が整っていることや大画面で楽しめることを考えると日本のインドアゴルフ施設の料金よりは高めの価格設定がなされています。日本では道交法があるので屋外の練習施設で飲酒は難しいと思いますが、昭和のボーリングブームを彷彿とさせるゴルフの新しい楽しみ方は幅広い層に楽しんでもらう方法として学ぶべきところがあります。米国のゴルフ人口は芝生でゴルフするオンコース派は1210万人ですが、「TOP GOLF」のようなオフコース派は1800万人とオンコース派の人口を上回っています(オンコース・オフコース両方を楽しむ派は1450万人)。トッププロゴルファーもこのようなゴルフのエンターテインメント施設をビジネスとして立ち上げるケースが出てきています。 ゴルフのトッププロにも新しい波が来ています。タイガー・ウッズやローリー・マキロイが立ち上げたゴルフの新リーグ「TGL」です。「TGL」は巨大スクリーンを使用したシミュレーターと会場特設グリーンで試合が行われる団体戦です。具体的にはPGAツアーの選手が対象、3人一組で1チームとなりティーショットなどはシミュレーター、ショートゲームやパットは会場特設グリーンを使用します。すべてのショットは生中継され試合時間は2時間以内に終わるように進行します。ゲームのようにエンターテインメント性が強くサッカーや野球のように観戦することができて、今までのゴルフとは全然違う楽しみ方になるようです。 シミュレーターはこれまでインドアゴルフの練習やレジャーとして使用されていましたが、ついに実際のトッププロのゴルフトーナメントで利用されることになりました。プロやファンの期待に応えられるほどの精度が上がりコースバリエーションも豊富になっています。最先端テクノロジーの活用で歩かなくてもいいゴルフが登場し、これまでとは全然違う楽しみ方ができるようになったのが米国のゴルフブームの要因です。新しい技術で市場を創造する米国の波が日本にもやってきますが、日本でこの波がどうなっていくのか楽しみです。
2024.07.18
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物流DX(デジタルトランスフォーメーション)とは物流業界の企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルや製品・サービスを変革し競争上の優位性を確立することを指します。物流DXの推進により物流業務の効率化や高速化・コスト削減・サプライチェーンの最適化(サプライチェーンマネジメント)などが実現でき物流業界全体の生産性向上が期待できます。また顧客と物流企業の接点強化による事業推進も期待できます。 2024年4月より働き方改革関連法が適用されトラックドライバーの時間外労働時間の上限が年間960時間に制限されることになった為、ドライバーの労働時間が短くなり輸送能力が不足する可能性が懸念されています。具体的には1日に運ぶことができる荷物の量が削減され長距離でモノが運べなくなると考えられています。またドライバー不足が懸念されるため給料を上げて人材確保に対応すれば人件費が増え物流コストが増大する可能性もあります。物流コストの増大は荷主の支出が増加し利益や売り上げの減少につながり事業経営に直接的に影響します。 2024年問題は運送会社の利益の減少、トラックドライバーの給与の減少やそれに伴う離職などがあり、運送・物流会社としては従業員の労働時間を削減する一方で業務効率化を図り会社の利益も維持していく対策を講じることが求められます。ドライバー不足の原因には少子高齢化や長時間労働・年収の低さが挙げられます。今後はECサービス等の増加によりさらなる人材不足や労働力の過酷さが加速する可能性も考えられます。この状態を打破するためには業務効率の改善を図ることが欠かせません。 八大株式会社は食品・青果等の輸送を主に取り扱い、社員数が68名、保有車両台数が57台の運送会社ですが、物流DXに注力しています。車両の稼働状況を表すデジタルタコグラフを導入、案件・配車・請求書管理から経営の見える化まで一気通貫の運送管理システム「ロジックス」で荷主との交渉力を改善しました。システムはアセンド株式会社が開発したものを利用しています。ドライバーごとの収益分析を行い、売上が高くても長時間労働を強いられる案件からは撤退を決めました。また需給にあわせて運賃価格を設定するダイナミックプライシングを導入し収益の改善を行っています。 株式会社ホーコーはトイレットペーパーなどの紙製品の輸送を主に取り扱い、従業員数が80名、保有車両台数が50台の運送会社ですが、配車をAIの力を借りて効率化を図っています。株式会社ログポーズテクノロジーズのAI配車アシスタント「LOG」は最先端のAIが各社の事情を考慮した配車結果を学習して納得できる配車結果を自動で出せるようしています。配車の効率化により燃料コストや積載率を2割改善しました。 物流業界には人手不足やトラックの積載効率の低下、再配達による非効率化といった課題が顕著になってきています。物流DXでは荷物のピッキングを行うロボットや自動運転技術・ドローンなどを導入することで人手不足の解消や従業員の業務負担の軽減や労働時間の改善が期待できます。また従業員の業務負担の軽減や労働時間の改善ができれば若い人材確保にもつながります。物流DXの推進には物流企業だけでなく顧客の理解や協力も必要です。顧客にとっては運賃や物流の作業費値上げは自社の売上や利益を圧迫するからです。デジタルデータをどう使って効率化するかは大企業だけでなく中小企業でも効果が見え始めてきています。デジタル化を進めて効率化を推進することで物流業界の稼ぐ力を持続的に高めていけるのでしょう。
2024.07.17
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アフリカ内での銅生産の第1位はDRコンゴ、第2位がザンビアであり、この2か国の産銅地域は古くからカッパー・ベルトとして知られています。コバルトが付随する上に世界の銅生産量の1割ほどを占めるポテンシャルがあると言われている、この2か国の銅の生産動向は注視されています。 中国は紫金鉱業がコンゴの「カモア・カクラ鉱山」の第2期プロジェクトを稼働させており、また五鉱資源は海外鉱山の買収を通じて銅関連事業の比重を高めています。さらに中国はザンビアの銅生産拠点とタンザニアのダルエスサラーム港を結ぶ鉄道の改修にも10億ドル(約1500億円)を投じています。 再生可能エネルギーや電気自動車(EV)など脱炭素社会の実現に向けた技術に「銅」は欠かせません。中国はこの技術覇権に向けてアフリカの銅産出国に既に食い込んでいます。ザンビアでは中国向け輸出が7割を占めています。銅価格は5月に最高値を更新しました。中国が米中対立から鉱物資源のサプライチェーン独占に向けて歩みを加速させる中、世界の国々は中国支配のサプライチェーンに危機感を募らせており、経済安全保障に取り組む必要性が急速に高まっています。日米欧や多くの企業が銅の確保に向けてアフリカへの投資を加速させています。 日本は精錬によって得られる高純度の銅の生産量こそ世界4位ですが、原料となる銅鉱石は海外からの輸入に依存しています。輸入先はチリ・インドネシア・オーストラリア・ペルー・カナダの5か国で95%を占めており、現時点でコンゴやザンビアにまたがるカッパー・ベルトに進出している日本企業はありません。今後は銅を含む鉱物の需要は確実に高まるため、今から日本はアフリカの資源国と交流を深めていく必要があります。 2003年に中国は米国を抜いて世界最大の銅消費国となり、翌年には米国よりも46%多くの銅を消費しました。2006年には中国は鉱産物の戦略備蓄を設定し、ウラニウム・銅・アルミニウム・鉄鉱石およびその他の鉱物を貯蔵すると発表しました。備蓄構築により中国は重要な緩衝を得ることになり、市場の乱高下を調整し危機管理し資源供給確保を保証することができるようになりました。 アフリカは中国経済への主要鉱物の供給において重要な役割を果たしています。鉱物の場合、中国はコバルト輸入やマンガンに関してサブサハラ・アフリカに依存しています。サブサハラ・アフリカはまた木材、クロムの重要な供給国であり中国の輸入全体のそれぞれ約7分の1を提供しています。ただし鉄鉱石と銅の輸入についてサブサハラ・アフリカは増加しているもののまだ比較的貢献度は小さいです。中国はザンビア・タンザニア・モザンビークを含む南部アフリカ中央部の鉱山帯への関心を強めてきました。この地域は銅・鉄・マンガンやその他のベースメタルが潤沢です。 アフリカの場合、クーデターや内戦などのカントリーリスクもつきまといます。中国は部族対立や人権問題が起きても内政不干渉を貫き、国有企業がリスクを承知で鉱山権益の買収や開発投資を続けています。特に銅やコバルトを豊富に有するコンゴとの関係は深く、両国関係を全面的戦略協力パートナーシップに引き上げています。一方で中国企業は現地住民を雇用せず経済波及効果も小さいと現地での評判が悪いのも事実です。コンゴが中国との鉱山開発合弁事業について出資比率を32%から70%へ引き上げる計画があるとロイターが報じたのも自国にもたらされる利益が少なすぎることへの不満の表れとみられています。 ザンビアの担当大臣からは特定国への過度な依存を避け、パートナーの多角化を目指す資源国側の動きに呼応した発言がありました。日本がアフリカで鉱山開発に乗り出すのであれば相応の経済的貢献が求められます。素材(鉱石)のまま輸出せず自国で加工して付加価値を高めるための日本の技術や資本に期待しているとザンビアの大統領は注文を忘れませんでした。重要鉱物の獲得競争で先行する中国の後を日米欧が追いかけて今後は競争がより激しさを増すことになりますが、アフリカへ単なる投資ではなく人材育成や技術移転といった日本ならではの支援が必要で互いにWin-winの関係構築の先に鉱物資源の確保があることを忘れてはなりません。
2024.07.16
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PFAS(ピーファス)規制とは炭素とフッ素の原子をもつ化学物質であるPFAS(ペルフルオロアルキル化合物またはポリフルオロアルキル化合物)の輸入や製造・使用を規制するものです。PFASは人体への有害性や分解されにくさ・自然界への蓄積性・長距離移動性などの特性があるため、環境への排出を継続した場合の将来への影響を未然に防止するために規制されています。 米国では発がん性や免疫力の低下など人体に及ぼす悪影響の可能性が指摘されておりPFASに対する国民の意識が強くなってきています。また日常製品に含まれるPFASを巡って大手企業が集団訴訟を受けるケースも発生してきています。国際的にもPFASを規制する動きが強まっていることから米国のEPA(環境保護庁)も規制強化に向けて動き出しています。化学品安全室・公害防止室による国家的なPFAS検査戦略や水道局による飲料水規制の確率があります。その他、国土危機管理局・航空放射線局などEPA内の各部署における具体的な施策が検討・実行されており、規制に応じて今後も取り組みが進んでいきます。 米国ではPFAS戦略的ロードマップに従って規制を進めており、2024年4月に飲料水の基準値を最終決定しました。米国連邦政府がPFASについて法的拘束力のある全米基準を定めるのは初めてのことで、PFOS・PFOAは4ng/L、PFHxS・PFNA・HFPO-DA(GenX Chemicals)は10ng/Lという、これまでの基準値より大幅な厳格改定をしました。また、全米の公共水道システムに3年以内に飲料水中のPFAS量測定と情報公開を求め、基準を超えた場合5年以内に削減対応を求めています。全米公共水道システムは老朽化しており、今回の規制対応を含めると2030年までに水道インフラ改善が必要となるので相応額の公共投資が必要となります。 日本においては化審法(化学物質の審査および製造等の規制に関する法律)に基づいてPFAS規制を推進しており、2010年にPFOS、2021年にPFOAの製造・輸入が原則禁止になりました。2020年には厚労省が飲料水中のPFOSとPFOAの合算値を50ng/L以下とする暫定目標値を定めていますが、米国の基準値(4ng/L)より12倍以上、規制は緩く設定されています。日本との関係性が深い米国の動向は今後、日本のPFAS規制にも大きな影響を与える可能性が高いため、企業は米国だけでなく世界各国の最新動向を確認しながら国内におけるPFAS規制の情報を確認していくことが必要となります。 米国コロラド州のジャレッド・ポリス知事はPFASの規制に関する法律に署名し同法は成立しました。この規制により同州では2026年から「永遠の化学物質」と呼ばれるPFASが含まれる日用品の販売が禁止されます。2025年1月以降PFASを使用した特定のアウトドア向けアパレル製品(透湿防水加工した製品)についてPFASを含む旨を開示する表示を付けない場合は販売または流通を禁止となります。2026年1月以降はPFASを使用したクリーニング製品(医療用床メンテナンス製品を除く)、デンタルフロス・生理用品・スキーワックス・調理器具の販売または流通を禁止、また州内のいかなる土地にもPFASを使用した人工芝を設置することを禁止します。2028年1月以降にはPFASを使用した医療用床メンテナンス製品・繊維製品・透湿防水加工したアウトドアアパレル製品・主に商業使用を目的とした食品器具の販売または流通を禁止します。 日本の水道水は安全とされてきましたが、米国のPFAS規制を見るとそうとは言えなくなってきました。PFASのうちPFOSとPFOAは毒性が高いとされ、自然界に流出すると土壌にしみこむなどして広範囲に環境を汚染します。環境省が国内の河川や地下水への含有量を調べた結果、2022年度は東京・大阪・沖縄など16都府県の111地点で国の暫定目標値を超えていることが判明しました。沖縄県では過去にも米軍嘉手納基地周辺の河川や浄水場で検出されており、健康被害への不安が依然根強いままです。昨年1月に米軍横田基地でPFASを含む汚染水の漏出事故は、日米政府で情報を隠蔽していたことがわかりました。日本も米国のPFAS規制に合わせて規制の見直しや国民への情報公開、公共水道システムを含めてインフラ改善が必要な時期に来ています。
2024.07.15
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中国が2023年に風力発電機の特許競争力で初めて首位になりました。欧州最大手のべスタスを抱えるデンマークを逆転しました。風力発電関連の特許競争力において世界をリードしている中国勢はコスト削減につながる風車の大型化で技術力を高めており、6割に達する世界シェアのさらなる拡大が見込まれます。中国再生可能エネルギー学会によると中国は巨大な自国市場を活かしコスト競争力をつけて風力タービンの輸出を急増させています。また、中国は洋上風力発電の新規容量も世界一、2021年6月末時点で総容量は1110万kWを超えています。 中国では再生可能エネルギー発電容量は既に石炭発電を上回っています。うち風力発電は3億8900万kWと14年連続で世界一を維持しています。ここ数年、風力発電開発が急速に進み、環境的制約を克服して陸上から洋上へと建設範囲を広げています。世界最大規模の風力発電企業、国家能源集団は1994年に新疆ウイグル自治区に達坂城風力発電所を建設・稼働させて中国の風力発電所の商業運営を開始しました。2010年には江蘇省如東県沖合の潮間帯に風力発電所を試験運営し、風力発電所の陸上から洋上への展開を開始しました。2011年には安徽省来安県に低風速に対応する大型風力発電所を建設し低風速地域での実証実験を行いました。2017年に南アフリカで投資・建設したデ・アール風力発電所は新興5か国のエネルギー協力の手本であると評価されました。同社の沿革は中国風力発電産業の発展の縮図と言えます。 中国は洋上風力発電ユニット開発の大規模化が進んでおり、現在は10MWの洋上風力発電設備が量産段階に入っているほか、発電所のスマート化(デジタル技術を用いた点検・監視の導入)も進んでおり、国内初のスマート洋上風力発電所が江蘇省で稼働しています。IEAの予測によると中国の洋上風力発電容量は今後も拡大し2040年にはEUと同水準になると考えられています。 日本では2050年までに温室効果ガスの排出を全体でゼロにするカーボンニュートラルを目指すことが宣言されました。これを受け、洋上風力発電の導入目標(2030年までに1000万kW、2040年までに最大4500万kW)を定めた「洋上風力産業ビジョン」が掲げられ、その導入資金として約1200億円のグリーンイノベーション基金が創出されています。現在、秋田港や鹿島港に新たな洋上風力発電所の建設が行われています。今後それらの洋上風力発電所が稼働開始すれば、風力発電の導入量は飛躍的に拡大するでしょう。 AI革命により急増する電力需要をどう補うかは喫緊の課題となっています。データセンターを各所に建設・稼働するにあたり、電力はAIによりさらなる需要増加が見込まれます。温室効果ガスの問題もあり、再生可能エネルギーについてはまだまだ日本は世界の中で遅れています。自公政権は原子力発電の推進を行うつもりですが、地震多発国の日本にあって東日本大震災の記憶もまだ残る中、原子力発電所の建設は住民の理解が得られないでしょう。中国が太陽光発電に続き風力発電においても特許競争力で世界一に躍り出たというニュースは米中対立の間にあって日本がますます再生可能エネルギーから後れをとってしまう危機感を募らせます。
2024.07.14
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インフレ税とは物価上昇(インフレーション)によってお金の価値が下がり、政府の借金の返済負担が実質的に軽くなることを指します。債務額にインフレ率を上乗せした値で割り、減った分がインフレ税にあたります。例えば100億円の債務があって10%のインフレが起きた場合、実質債務は約90.9億円、差分の9億円強がインフレ税となります。 インフレ税は税金ではありませんが実態として税金支払いのように資産が目減りすることからこう呼ばれています。政府には1270兆円もの借金があり借金なしではやっていけない状況と言われていますが資産も豊富です。金利が上がると莫大な借金に対する金利も挙がってしまうので大変なことになると財務省は大騒ぎするので金利上昇は何としてでも避けたいはずです。 一方でインフレになれば物価上昇に伴って自然に税収がアップするので借金の負担は目減りします。つまり、国が莫大な借金を返済するためにはインフレが続く中で金利を低いままにしておくのが得策だということになります。しかし、預金金利がまったく上がらずモノやサービスの値段が上がるということは私たちにとっては非常に不利な話です。このような状況を「金融抑圧」と言いますが誰が抑圧されているのかというと私たち国民が抑圧されているのです。 インフレでお金の価値が下落して国の借金負担が減ることは「インフレ税」と呼ばれます。インフレが起きても私たちはさほど騒ぎません。フランスなどでは暴動が起きたりしていますが、そもそも日本ではデモが起こる気配もありません。これがもし消費税の話なら1%でも上がれば大騒ぎになるはずですから政府にとって「インフレ税」は恩恵が非常に大きいと言えます。物価上昇に賃金も金利も追いつかないというのは私たち国民にとって非常に過酷な状況なのです。官僚に搾取されていると言っても過言ではありません。 2023年度の国の一般会計税収が72.1兆円になる見込みです。過去最高だった2022年度の71.1兆円を上回り4年連続で過去最高を更新します。企業の好業績を背景に所得税収や法人税収が好調だったことに加え、歴史的な物価高を反映して消費税収も増えたとみられます。2023年度の税収は想定を2.5兆円程度上回ることになります。70兆円弱と見込んでいる2024年度も上振れる可能性があります。2024年度も引き続き高水準の税収を確保するには賃上げや企業の好業績を維持できるかどうかが焦点となります。 過去最高の税収の背景には消費税収の増加と国民全体の負担の増加があります。物価高と円安によって企業や消費者などの支出が増えたことで消費税収が増加したことが主な要因です。企業業績も良いとされていますが、物価高を上回る賃金の伸び率とはなっていません。政府は今年度から法人税・所得税・たばこ税などを段階的に増税することを決めており、安全保障や少子高齢化から国民負担がさらに増える可能性があります。税収が増えたことで政治家や官僚の懐に入れるのではなく国の借金を減らす財政健全化に回していただきたいです。ましてや資産の処分もかなりあるのですから。 現在のように「高債務」「低金利」「円安」の状態が続くと世界最悪と言われる1200兆円超の日本の政府債務残高は少しずつ減少していくでしょう。財政再建する手法としては、1.歳出を減らす、2.歳入を増やす、3.インフレが進むがあり、それぞれの組み合わせもあり得ます。直近5月の消費者物価指数は前年同月比2.8%上昇、日銀が物価安定目標とする2%を上回り、今後さらに円安の影響による物価上昇・インフレ率の高止まりが想定される現在、3のインフレによる政府債務残高の圧縮に注目が集まるのは当然と言えます。しかし、財務省が煽る財政赤字対策増税は逆側にある膨大な資産について触れない天下り資産について何もしないための方便としか思えないのですが。
2024.07.13
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生成AIを活用した完全自動運転車両の開発に取り組むスタートアップ企業のTuring株式会社(以下:チューリング社)はAI開発の先駆者である山本一成氏と最先端自動運転開発に携わってきた青木氏が2021年に共同創業した会社です。「完全自動運転に必要なのは良い眼ではなく良い頭である」というコンセプトを基に多くのセンサーや高精度地図を用いるのではなくカメラの画像情報を適切に判断し、実際に運転制御を行うAIを開発しています。 チューリング社は2024年に自社EV100台の販売、2025年に完全自動運転車のプロトタイプ完成、2028年に量産開始、2029年にレベル5自動運転達成。2030年に1万台生産を目指しています。「テスラを追い越す」をミッションに掲げています。自動運転はLiDAR(レーザーセンサー)方式とカメラ方式がありますが、チューリング社の自動運転アプローチはカメラ方式です。実際に道路を走行することで学習データを集めており、そのためには約125万kmの走行距離が必要と考え、データ収集車も開発して実際に走らせています。カメラ画像と加速度系GPS・ハンドル操作データなどと合わせてマルチモーダル学習を実施、すべて自分たちで行うことを重視しています。 米国や中国では数多くのEV・自動運転のスタートアップ企業が登場し、実際に車を開発・販売しています。既にレベル4の自動運転タクシーが街中を走行し始めています。自動運転レベルは0-5の6段階に分類され、手動運転に相当する「レベル0」から完全自動運転を示す「レベル5」に進むにしたがって運転支援・自動運転の程度が上がります。レベル1はシステムが前後左右のいずれかの車両制御を実施する運転支援、レベル2は特定条件下での自動運転機能(高機能化)、レベル3はシステムがすべての運転タスクを実施するがシステムの介入要求等に対してドライバーが適切に対応することが必要な条件付き自動運転、レベル4は特定条件下においてシステムがすべての運転タスクを実施する特定条件下における完全自動運転になります。 チューリング社が目指す完全自動運転車を作るにはセンサーだけでは不十分だと言います。私有地での自動運転では事前に高精度マップを使うことが基本ですが、すべての場所で高精度マップを作るのは事実上不可能であり、仕組みも様々でルール化も難しいです。人間なら難なくできるところも現在の技術では突破が難しくセンサーが良いからといって自動運転ができるわけではありません。人間はこの世界に詳しく、いろいろな文字やジェスチャー指示を見て判断できますが、自動運転車にはこの世界を理解した大規模なニューラルネットワークを必要とし、複雑な世界の認識を解決するためにチューリング社では大規模言語モデル(LLM)の活用を戦略として採用しています。 LLMとは大量のテキストデータから学習し、人間のような自然な文章を生成したり質問に応えたりすることができるAIモデルです。画像生成AIのStable DiffusionやChatGPTがよく知られておりLLMの本質は言語を通じてこの世界を認知・理解していることだと言われています。チューリング社は従来の車の技術者とソフトウェアの技術者が仲良くならないと自動運転はできないと考えています。車づくりそのものに関して日本は優れているがハードウェアとソフトウェアの融合がうまくいっていないことからチューリング社はLLMの活用でブレークスルーを狙っています。 米国や中国では500社を超えるEVメーカーが登場し、自動車は100年に一度の変革期にあります。Googleやテスラのように米国ではゼロからスタートして大きくなった企業がこの数十年間に数多く出てきており、新しい企業が新しい技術で既存企業を凌いで大きくなれることが米国経済の強さの源泉にあります。日本からもっと新しいチャレンジャーが生まれてこないと日本経済の活力は生まれないと思います。チューリング社はEVの完全自動運転車を作るためにやるべきことをすべて自社でやることを目指しています。そのためにはソフトウェア・製造・販売・充電網の構築なども行います。国内において市販されている最高性能のソフトウェアを目指しており、ソフトウェアで自動車業界を変革するという野心を持って取り組んでいます。 クレイトン・クリスチャンセン氏が著書「イノベーションのジレンマ」で述べた破壊型技術革新やアイデアによって既存の事業を打破し、その事業の業界構造をガラッと一変させてしまったことを私たちは度々目撃してきました。既存事業の持続的技術革新は新興事業の破壊的技術革新に敗れることになります。既存の大手自動車メーカーは完全自動運転車を作ることに実は悲観的でAI活用を取らず、従来通りの人による開発アプローチを取っています。しかし、中国の百度、米国のテスラに代表される新興EV企業はAI活用による完全自動運転車を作るアプローチで野心をもって取り組んでいます。日本企業が得意としてきた「改善」「改良」は持続的技術革新で、既存市場において顧客に求められている価値をさらに向上させることで顧客満足を向上させる技術革新ですが、既存の概念にとらわれず、新たな発想を積極的に取り入れる破壊型技術革新が生み出す新製品や新サービスはこれまでに存在していた製品やサービスの価値を低下させ、まったく新しい価値を市場に作り出すものです。 既存の市場や顧客というよりも全く新しい顧客に向け新しい市場を創造する破壊的技術革新は既に自動車の分野で成功している日本の自動車メーカーにとっては現時点では未知数であり魅力がないように見えているのでしょう。企業は冒険を避け、守りの姿勢をとるようになり、現状の商品の改良のみに終始し、結果的に新たな需要や未知の市場に目が向かなくなります。これを「イノベーションのジレンマ」と言うのです。これまで音楽や携帯電話の世界などで度々目撃してきた「イノベーションのジレンマ」を近いうちに自動車の世界で目撃することになるのではないでしょうか。
2024.07.12
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スマートポート、港のスマート化とは港の競争力と魅力を高めること全般を意味しています。ここに中国が猛烈な勢いで推進しており、貨物の取扱量も世界トップ10のうち6つまでがランキング上位に入るようになりました。港のスマート化は中国の輸出競争力向上に寄与するのは間違いないと思われます。 IoT・ AI・ビッグデータなどを活かしたデジタル技術によって効率化・最適化を図ることだけでなく同時に環境の持続可能性を増し、背後圏の都市や住民に対してもスマートであることを意味しています。中国はスマートポートを長期目標とする港湾計画の策定、あるいは港湾運営のペーパーレス化・デジタル化、さらにはDXを目指す課題抽出とプラットフォームの開発、港湾活動全体にわたる脱炭素化構想など幅広く取り組んでいます。スマートポートは主としてSDGsの目標8(働きがいも経済成長も)、目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、目標11(住み続けられるまちづくりを)、および目標13(気候変動に具体的な対策を)の達成に貢献します。 スマートポート化の中核にあるのが完全自動化ターミナルです。コロナ禍により一部の港湾のコンテナ処理能力は低下したままです。人手不足の解消も含めて自動化ターミナルは従来のターミナルと比べて入力効率が高い・人員が少ない・遠隔操作が可能・非接触型などのメリットがあります。深圳港では自動運転トレーラーが走行、人の介入は2%程度です。既存のトレーラーを改修し、26台が稼働しています。クレーンは無人操作です。中央制御室から2人で26台のクレーンを操作しています(貨物の持ち上げのみ)。残りはすべて自動化されており労働環境が大幅に改善されています。コンテナターミナルゲートは入場時に貨物の損傷状況を確認するだけです。手続きはオンライン化されており、約10分で完了します。以前は紙の書類手続きに約2時間もかかっていたので大幅な改善です。移動中のコンテナはカメラで自動追跡します。 LiDARはレーザー・GPS・INS技術を組み合わせてデータを取得し正確なDEM(デジタル標高モデル)を生成するシステムです。中国のスマートポートはLiDAR方式と高周波画像取得・処理機構を採用しています。サンプリングやスキャンレートは調整可能で仕様に合わせたカスタマイズが可能です。港湾設備の自動化技術は現在のニーズで、港湾業務のあらゆる場面でLiDARを活用することで複数の方法により効率を向上させ運用コストを削減します。 中国でスマート化を完了させた港は18港あります。スマート技術によりパフォーマンスと経済競争力を向上させる自動化された海上施設は従来の港湾よりもスムーズに機能しています。貨物量の増加と船舶の大型化に伴い、世界の港湾の80%がデジタル化を大幅に加速させています。世界では政府の取り組みや海上貿易の急激な増加によりスマートポート数は急速に増加しています。 二酸化炭素排出量の削減や効率化に役立つ新技術の導入を余儀なくされ、現在のデジタル化の取り組みに伴い、世界中の政府はビッグデータ・AI・IoTなどの様々な技術を港湾分野に導入しています。IoT分野はその変革能力によりスマートポート市場で最も高い成長率を達成する見込みです。様々な港湾コンポーネント間のシームレスな接続とデータ交換を可能にし、運用の最適化と効率の向上を実現します。IoTソリューションは貨物・設備・インフラのリアルタイム監視を容易にし、資源配分の改善・予知保全・セキュリティ強化につながります。これらの進歩はスマートポートにおけるIoTの採用を促進し、大幅な成長を促進します。翻って、日本の港はスマート化に出遅れています。早急に巻き返しを図らなければ日本の輸出競争力に大きな悪影響を及ぼすことになります。
2024.07.11
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ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは行政機関と民間団体が成果指標を定めて契約を結び民間団体が実施するサービスの成果に応じて行政が支払う事業スキームです。民間企業のノウハウや資金を活用して国や自治体が抱える社会課題の解決を図る官民連携の仕組みです。SIBは2010年に英国で始まった社会的インパクト投資のひとつで21世紀の新たな財源調達手段として注目されています。日本では2017年度から本格導入され、医療・健康、インフラ維持修繕、防災、リサイクル、子供の教育、まちづくりなどの幅広い分野で活用されています。 SIBのメリットとしては単年ごとの予算消化を求められる行政サービスに対して長期的な取り組みができること、費用の削減が行えること、民間の評価や知見を公共事業に導入することで効率化が促されることなどが挙げられます。一方で適切な評価指標の設定などの課題もあるためSIB活用の支援が期待されています。 豊田市の事例では、社会保障費の削減が起因となり、介護給付費削減せざるを得なくなったため、元気な健康高齢者を増やさないと市民も自治体も窮する事態に陥りかねないと危機感を持った結果、SIBを活用した介護予防の取り組みとして令和3年7月から「ずっと元気プロジェクト」を行っています。運動・趣味・エンタメ・就労など様々なテーマの社会参加プログラムを提供し、当初は37人の参加でしたが、現在は5800人まで拡大しました。その効果として、ひとりあたりの介護費が9万円も削減できました。 三重県東員町では健康と要介護の中間にあるフレイルを検知し、自治体が介入し、生活習慣改善をアドバイスすることを行っています。フレイルとは医学用語で年齢とともに心身の活力が低下し介護が必要になりやすい状態を指します。病気ではないものの健康と要介護状態の中間の段階に位置し生活の質を落とすだけでなく合併症を引き起こす危険性があります。フレイルの原因は加齢による身体的機能の低下や社会とのつながりの減少などです。筋力や筋肉量が減少すると活動量が減りエネルギー消費量が低下します。その結果、食欲がわかなくなり食事の摂取量が減りたんぱく質などの栄養が不足して低栄養の状態になります。低栄養の状態が続くと体重が減少し筋力や筋肉量がさらに減少する悪循環に陥り、転倒や骨折、慢性疾患の悪化をきっかけに要介護自体になる危険性が高くなります。 中部電力が三重県東員町に提供しているのは電力スマートメーターの電力使用実績データを活用しAIがフレイル検知する国内初となる自治体向けフレイル検知サービスの提供を行っています。高齢化が進み医療費や介護給付金の増加が社会全体の課題となる中、自治体は限られた要員で効率的かつ早期にフレイルを発見し適切に介入することが求められています。これまでの取り組みによりフレイルリスクの高い方を100人中11人、早期に発見することができました。フレイルであることに早めに気づき適切な対策を行うことで元の状態に戻ることもできます。フレイル対策の3つの柱は栄養(食・口腔ケア)、運動、社会参加です。フレイルには「可逆性」という特性があり予防することで進行を緩め健康な状態に戻すことが可能です。中部電力は今後、全国の自治体を対象にサービスの提供・拡大を行っていくとのことです。 成果報酬という特徴からソーシャルインパクトボンドに適している分野とそうでないものがあります。適しているのは「将来発生することが予想されるが、予防によって回避しやすい分野」です。具体的には教育・生活困窮者支援・認知症・依存症支援などが挙げられ、これらは課題解決のために長い時間がかかりますが適切な対策を行うことができれば定量的な成果を得やすいです。また、こういった課題は一般的に資金的余裕の少ない社会的企業やNPOが担うことが多いです。単なる成果連動型の委託契約だと資金繰りが厳しくなりますがソーシャルインパクトボンドであれば資金提供者による資金調達が可能となります。 ソーシャルインパクトボンドは自治体・サービス提供者・市民のそれぞれにメリットがある「三方よし」の仕組みです。成果報酬型なので従来の業務委託よりも高い成果が期待でき費用も事前に決められた範囲内でほとんどの場合が収まるため行政のコスト削減にもつながります。医療・教育・生活支援など改善に長い時間がかかる社会課題はソーシャルインパクトボンドとの相性が良いです。今後もまちづくりの分野でソーシャルインパクトボンドの事例が増えていくことを期待します。社会の発展は企業の発展や個人の幸福に寄与します。このような事例がもっと増えてくれば日本全体がもっと良くなっていきます。
2024.07.10
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