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忌…キ

忌み言葉というのがあります。
例えば「すり鉢」の「擂る(する)」は「金を使い果たす」の「擦る(する)」
を連想させるので、縁起を担いで「あたり鉢」と言い換えるようなことです。
「すりこぎ」も「あたりぎ」と言い換えます。
「梨」は「無し」に通じるので「ありの実」に、「葦」は「悪し」を忌んで
「よし」にします。「死ぬ」を「国替え」ということも。
外国の例でも、アフリカ西端の「嵐岬」が縁起を担ぐ船乗りたちに嫌われ「喜望峰」と呼び換えられました。
漢字でいうと、「障害者」の「害」は、害を及ぼすような意味にとれるから
「障碍者」と「碍」に置き換えようという方向にあります。むしろ意味合いと
しては「さまたげになる」の意味の「碍」が本来だったようです。
「碍」が常用漢字に入っていないため、「そこなう」という意味のある「害」が
使われるという事情もあります。
「障碍」を使うなら、常用漢字表「碍」を加えて、広く公文書・新聞等のメディア
で使用できるようにする必要があります。
言葉も漢字も生き物です。時代や社会の中で変わっていきます。「ありの実」「当たり鉢」よりは「梨」「すりこぎ」が一般的ですが、結婚式の終わりを「終わる」「閉じる」と言わず「お開き」と言うことは常識になっています。時代・社会の変化に従って、また新しい忌み言葉も生まれるのでしょう。
参照元:外山滋比古『おしゃべりの思想』ちくま文庫
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