迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2025.03.25
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カテゴリ: 浮世見聞記
國學院大學博物館の企画展「江戸の本屋さん 板元と庶民文学の隆盛」を觀る。



二百年以上も天下泰平が續いた江戸時代は町人(庶民)文化が花開いた時代であり、木版印刷の發達と普及は、刀が腰飾りとなった武士や貴人、隠棲者など知識教養に富んだ者たちによる雅俗を綯ひ交ぜた知的な遊び心に富んだ娯樂文學を普及させ、やがて町人階級も手がけるやうなってさらに大衆化し、それが“戯作”として持て囃されていく歴史を、貴重な一點物の和本などを通して見ていく。

さうした上方とは別な江戸独自の出版大衆化を後押ししたのが、企画から出版、販賣までを出がけた“板元”と呼ばれた本屋であり、戯作者に企画を持ち込んで相談や打ち合わせを重ね、“新作”を發賣するまで半年を要した云々、その流れは現代と同じだな、と思う。


かくして江戸庶民に愛讀されて現代にも傳はる江戸戯作のうち、



為永春水の「春色梅児誉美」と十返舎一九の「東海道中膝栗毛」は岩波の活字版で讀んだことがあり、



話し言葉を中心とした平易な文章に、江戸時代の日本語の實況を聴くやうな樂しさがあったものだ。

今回展示されたいま讀んでも面白さうな戯作のうち、天明三年(1783年)に大田南畝が“四方山人”の筆名で發表した「源平総勘定」は、平家の借金証文を手に入れた源氏がそれをネタに平家を取り潰すと云ふ、史實に江戸市井の金錢事情を織り込んだ作のやうで、活字版があるなら讀んでみたい興味をそそられる。



今回の企画展では、個人の資料とする場合のみ數點の冩真撮影を許可云々、



但し「過度な撮影は遠慮せよ」云々、たしかに撮影可だとここぞとばかりに全ての展示物を撮っていくのがゐる……、いや、この日もゐた。






文字を讀むことも理解することも出来ないのが、文字ネタの企画展を訪れるたァ片腹痛ェ。





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最終更新日  2025.05.16 14:22:00
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