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2025.06.12
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カテゴリ: 浮世見聞記
町田市立國際版画美術館で「日本の版画1200年 受けとめ、交わり、生まれ出る」展を觀る。



日本の版画と聞くとまず頭に浮かぶのは江戸時代の浮世繪と云ったところだが、その木版印刷技術はさらに一千年近く昔の「無垢浄光大陀羅尼經」まで遡り、いらい經文や佛画の制作技法として用ゐられる。

藝術作品としての版画は、江戸中期の司馬江漢や亞欧堂田善を先駆けと見て、



小林清親や月岡芳年、そして川瀬巴水たちへとつながる近代に真の完成をみたと考へる私は、目當てはもちろんさうした“新版画運動”系の作品へ逢ひに行くことにあり。

“浮世繪師”から“版画家”へと片肩きが推移するのも、この頃からではないだらうか。

實社會をそのまま作品に反映させたいと云ふ信念を持ってゐた小早川清の美人画がこちらに送っる“瞳”は、なるほどオトコには妖しく映る女性の一面を的確に捉へて、私の目を捕らえて離さぬ。



近代に浮世繪からの脱皮を果たした版画も、現代に至ると作者の自己主張と自己満足が前面に押し出され、押し付けてくる落書きみたいなのも増えて、それはもう私の理解の外である。

となりの常設展示室では、同一の版でも劣化や色合ひの調子などによって仕上がりに變化が生じ、それを作品化する例を展示した「ふぞろいの版画たち─西洋版画のシリーズとステート─」に、パブロ・ピカソの作例が紹介されてゐる。



自己満足が公民權を得てしまった原因は、この人の作品を誰かが認めたことにあると思った。





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最終更新日  2025.06.12 20:00:03
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