迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2025.06.30
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カテゴリ: 浮世見聞記
神田駿河臺の明治大學前を通ると、發掘された瓦を展示した企画展を學内の博物館で開催してゐるとのことで、ふと興味を覺えて立ち寄ってみる。



工務店代表取締役で瓦研究者の前場幸治氏が、約四十年にわたって収集した古今東西の瓦を平成二十二年に明治大學へ寄贈したもので、遺跡から陶器磁器と同じ欠片で發掘される遺物、くらゐの認識しかない古瓦も、特化して解説が加はると、なるほど貴重な歴史証言者となる。

支那の明・清朝時代の宮殿の瓦は釉藥をかけて黄色を放ってゐるのが印象的で、



かうして出土した實物を間近にすると、


(※フラッシュ無しで展示物の撮影可)

いつか故宮へ……、とまだ見ぬ國への旅情に誘はれる。

中世の西欧人が「黄金の國ジパング」と憧れ、欲に駆られて船出した先のジパングでは、確かに城の瓦に金箔が貼られてゐたことはジパング住民でもオドロキ、



奈良時代に東大寺を総本山として全國に建設された國分寺は、その需要から「古代瓦の黄金期」を 迎へるに至ったが、



その形状は各國でまちまちだったらしいところに、遠い地方への權力伝播の實際が窺へる。





金澤文庫はちょくちょく出かける馴染みある場所なだけに、



金澤北條氏ゆかりの誇りと威厳がよく表れた名作と圧倒されつつ見入る。

そして目線をふだんの庶民に戻し、それ自体がすでに藝術品であるそのほかの鬼瓦にふと同名の狂言を思ひ出し、



“夫婦愛”の真心(まこと)とやらはカオではないらしいと、自分には無縁なところへも思ひを馳せる。





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最終更新日  2025.07.02 10:41:02
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