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2025.07.23
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カテゴリ: 浮世見聞記





「大森彦七」は初めて觀る芝居で、市川右團次の演し物。

湊川合戰で楠木正成を討ち取った大森彦七が、その後正成の怨靈に悩まされると云ふ「太平記」の挿話より福地櫻痴が脚色した史劇“風”狂言、般若面をつけて鬼のフリをした正成の娘が懐剣を抜いて大森彦七に仇討ちを挑むなど旧態依然な構想に、けっきょく“活歴物”が失敗した理由が仄見えて興味深かったが、


(※「大森彦七」 初代中村吉右衞門の大森彦七、五代目中村福助の千早姫 大正十年六月 新富座)

それ以上に右團次が師匠三代目市川猿之助ゆずりのしっかりと腰の据はった芝居を魅せてくれたことが嬉しく、やはり三代目猿之助(おもだかや)の本當の後繼者は、この優ただ一人と再認識する。

それだけに、副将格の序幕役者な扱ひになってゐることを、とても殘念に、勿体なく思はずにはゐられない。





「高時」は初めて客席から觀る狂言、「太平記」でこき下ろされた北條高時の暗愚ぶりを視覺化した史劇“風”の一幕、高時を翻弄する烏天狗に扮した大部屋連が跳躍を高々と連發する大熱演なれど、あまりやり過ぎると「そこはアンタたちのウサギ跳びを見せるところぢゃないヨ」と煩く映るので要注意。


(※「高時」 八代目松本幸四郎の北條高時 昭和二十七年四月 歌舞伎座)

この狂言でも三代目猿之助門下の女形が高時の愛妾役で、しっかり大歌舞伎の一員としての芝居を魅せる。






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最終更新日  2025.07.23 23:38:42
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