迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2025.09.04
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カテゴリ: 浮世見聞記
ラジオ放送で、関西在の能樂師によるシテ方の謠ひと囃子方の打奏の突き合わせを聴く。



ひとつの曲において、互ひに持てる技量をぶつけ合ふ緊迫感から調和を醸し出す演奏形態は、おそらく日本の能樂しかないものではないか。

しかしそれは、聴く側にも謠ひと樂器の素養を求められるもので、それらを知らない世間大勢の一般人に、その妙を知らせるのは難しい。


私もわからん。

だが、それはさういふものでよい。


創成期はともかく、“わかる”階層だけを相手に長くやってきて、いま觀る形に固まったのが猿樂である。

しょせんタダの物見遊山でしかない衆庶に奥の院を公開して、結果ムダに踏み荒らされただけで終はるくらゐなら、わけがわからないままを守って神秘性を維持したはうが、高潔な印象も保てると云ふもの。

わからない人とは、それなりの人と云ふことであり、わざわざ擦り寄るやうマネは、時間と、カネと、勞力の、ムダ遣ひでしかない。





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最終更新日  2025.09.04 20:10:04
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