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2025.10.15
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カテゴリ: 浮世見聞記
静岡縣の濱松市美術館へ、「大ガラス絵展」を觀に行く。



ガラス板の裏側から繪付けするこの美術は十三世紀のイタリアに始まるとされ、三百年後にはヨーロッパ全土に廣がり、王候貴族の求めに應じて耶蘇教などから取材した宗教繪画が多く制作される。


(※フラッシュ無しで撮影可、 以下同)

やがて十七世紀に東インド會社との交易により明末清初の支那にもたらされ、清朝では故宮で独自にガラス繪の制作が行なはれるやうになり、逆にヨーロッパ向けに輸出されるやうになる。

その清朝製のガラス繪が、今回の展示でもっとも私の目を惹く。

東洋古来の技法と西洋繪画が出逢ひ、融合する前の戸惑ひによって醸し出される、どこの國ともつかぬ不思議の世界、



やがてガラス繪を自家藥籠中のものとした清の画工は、美人の眼差しにそこはかとない淫靡さすら漂はせ、見る者を妖界に誘ひこまんとする──



大陸續きの西洋藝術をたちまちおのれの技術に呑み込んで、しっかりおのれの作品に仕立て上げる支那數千年の底力を見せ付けられたやうで、



江戸時代に清から長崎經由で日本に傳はり、日本で制作されたガラス繪がたちまち霞んでしまったのは、間違ひなくあの美人のいけない眼差しのせいである……。





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最終更新日  2025.10.15 23:07:07
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