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2026.02.12
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カテゴリ: 浮世見聞記
埼玉縣立歴史と民俗の博物館で、収藏品展「太平記をよむ」を觀る。



後醍醐天皇の即位から鎌倉幕府の滅亡、天皇親政の失敗による天皇家の南北分裂、足利尊氏による幕府誕生と細川頼之の管領就任まで、約五十年にわたる激動の歴史を綴った軍記物語が一般に流布したのは木版印刷が普及した江戸時代からで、ふんだんに挿繪の入ったものから注釈書まで、實にさまざまな太平記本が發行されたのも、まさに太平の世となったからこそ。

つひには楠木正成がしたためたとするハッキリとした偽書まで登場したあたり、却ってその浸透ぶりが窺へて面白いものがある。


(※フラッシュ無しで撮影可)

もともとは“太平記よみ”と呼ばれる語り手が、集まった人々に語って聞かせるための種本でもあったことから文体は比較的平易で、


(※「新刻太平記」江戸時代初期)

かっちりとした書体で書かれた本ならば、私でも讀み取ることが出来て、なるほどこれは江戸庶民に普及したわけである。

浄瑠璃劇として書かれた「假名手本忠臣藏」は、元禄年間の赤穂浪士事件を時代も人物も太平記の世界に置き換へ、平賀源内が書いたと云ふことだけで有り難がられてゐる「神靈矢口渡」は、負け戰で落ち延びた新田義峯に渡し守の娘が一目惚れして命を懸ける、まさに太平記外傳の趣向である。



……しかし私は、「太平記」についてはずいぶん前に現代語訳版を讀んだことがあるきりで、まともに全ての原文に當ったことがない。






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最終更新日  2026.02.13 07:36:51
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