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KONさんの新作は友人が四国の剣山に登山に行った時に撮った写真を基に表現しています。剣山の頂上に向かう山の尾根を背景にしたのでしょうか?とても爽やかでスケールの大きな山の自然を感じます。 空から山の尾根に向けての景色を淡い色のグラデーションが自然の壮大さと空気感を見事に捉えています。遠くに見える山々を消え入るようなタッチでぼかしを入れて描いているのはとても良かったなと思います。 KONさんの友人は頂上に向かう途中で一息入れて記念写真を撮ったのでしょうか。なぜか少し疲れたような、あるいはこれからもう少し頑張るぞという雰囲気にも見えます。私がそのような雰囲気に見えると言ったのは、友人の姿に細かいディテール、(顔の目、鼻、口など、また服のシワとか影など)が描かれていず、鑑賞者がここに佇む主人公の姿を見て、ある程度の想像力を働かしてどのような感じなのか判断することが前提にある作品かなと思ったからです。人物を描くとき、目、鼻、口を含めてすべての部位をしっかり描くことも大事かと思いますが、逆に目、鼻、口を描かなくても、身体全体の流れ、仕草を見せることによって、その人物の雰囲気をより強く鑑賞者に感じさせることも可能です。こういった技法を20世紀の巨匠である画家、アンリ・マティスはたびたび使用していました。細かいディテールを省いて大きな流れを最大限に生かすという方法です。 画面右下の4人の登山者も描かれていますが、KONさんはその4人に対してもかなりあっさりと表現しています。でもそれだけでも4人は歩いていることもわかるし、何故か頑張っている雰囲気は伝わってきます。 KONさんの作品に対する意識は、人物を正確に表現することではなく、その人物の登山に対して情熱を傾けている雰囲気を表現したかったのでしょう。その主人公である友人と壮大な山の自然が細かいディテールを省くことによって、うまく絡み合って、画面に統一感をもたらしたようにも感じました。 またKONさんは遠くに見える風景と近くに見える風景に対して色の強さに変化を加えることで遠近感を感じさせようとしているのでしょう。とても難しい方法にアプローチしているのにはびっくりしました。よく頑張りました。
2023/11/19
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とても激しい感じの海岸沿いですね。小倉さんは高知の桂浜の海岸沿いをイメージしていると言ってました。そして小倉さんは私に坂本龍馬の存在も大きい桂浜だと言っていました。 日本が大きく変わろうとしていた時代のうねりを桂浜と坂本龍馬に重ね合わせて表現したのでしょうか?水平線には夕日が見えます。海には波のうねりと夕日から流れてくる赤い光が相まって激しさを強く感じます。そして波打ち際にある大きな岩に波しぶきが強く表現されています。 小倉さんの表現は表現主義的な自分の心にある見えないものを自分の外側に発散するような強さを感じます。決して写実的な表現ではありません。 自然の風景を基に描いているのですが、小倉さんの絵画はどちらかというと心の中に見えてくる心象風景に近いものでしょう。今回の絵は、とても激しくて厳しさを感じますが、そこから作者である小倉さんは激しい気性の持ち主とは限りません。 全ての人間に対して言えることは、人は心の中に他の人に見えない、見せないところが必ずあります。絵画はそういった見えない心の部分を解放して外にさらけ出すことができます。そうすることによって人は心のバランスを保つことも可能になってきます。美術だけでなく、スポーツの世界、普段の家庭の中においても、心の見えない部分を外に出す行為をしていることがあります。喜怒哀楽と言った喜び、哀しみ、怒りなども心があるからこそできることでしょう。美術ではそういった心を外に見せようとする表現は視覚表現ですからより強烈に感じるでしょう。 20世紀初頭に表現主義の表現が活発になりました。特にドイツでは表現主義の作品が大きく広まりました。時代背景もあると思いますが、もっと自由になりたいという芸術家たちが多かったせいかもしれません。小倉さんのこの作品を見て、表現主義絵画を再認識しました。小倉さんの日本に対する思い、そしてこの地域に対する思いと励ましを強く感じました。日本よ、もっと良くなるはずだ! 未来には希望があるはずだ!といった小倉さんの内なる言葉を聞いた感じがしました。
2023/11/18
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紅葉の季節の風景です。 木立から見せる遠近感が見事に感じられる視点ですね。 絵画というのは平面に形と色を見せる芸術です。その色と形から鑑賞者の感性に響くイメージを提供するわけですが、久保さんのこの作品からは何故かとても心地良い空気を感じます。それは私たちが経験として心の中に宿してる空気感を感じるからかもしれません。 昔こういったところを歩いたとか、散歩した場所だったり、そういった場所の空気を私たちは今もなお心の中に持っているような気がします。日本にいる私たちだけでなく、世界中の人たちが共通して持っているイメージなのかもしれません。紅葉のない国、地域の人々にとっても心に響く風景かもしれません。 また久保さんの作品には微妙な配色に大きな進歩が見られます。それは中間色(混色)をどうやって表現するかというアプローチです。今までだと絵の具のチューブから出した色をメインに使っていましたが、今回はチューブから出した色を混ぜ合わせて、中間的な色を主体に画面構成しています。そのせいもあって、画面全体が柔らかくて落ち着きのある風情になりました。原色が画面の中で多くなると、イメージが強くなります。中間色が主体になるとイメージが柔らかくなります。久保さんは制作を通して色の持ち味を少しずつ理解してきたのでしょう。 画面に見える木々、そして紅葉、緑葉を見てみると、久保さんはそれぞれのディテールにはそれ程こだわっていません。それより、その場の空気、雰囲気にこだわりを持って表現していることが分かります。具象、抽象絵画共々、画面から感じる雰囲気というのはとても大事で、画面全体を把握するための大きな鍵となります。 久保さんはそのことに対しても少しずつ理解してきていると感じました。よく頑張りました!
2023/11/18
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