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新常用漢字表に乗せられる漢字が2128字種に確定したようですが、情報化時代にはそぐわない漢字数です。情報化時代ですから、目にする活字はさらに多く、子供たちが漢字を知らなければ社会生活で不利益を蒙るからです。 当用漢字は旧漢字を簡素にし、覚え易くし、使いやすくしました。旧漢字ならば小学生を小學生と書くわけですから子供には難しすぎたかもしれませんが、図形として覚えさせれば大差はありませんから、読むことはできるはずです。 教育実践幼稚園や漢字特区での実践結果からすれば子供たちには漢字学習はそれほど負担にはならないようです。むしろ子供たちは漢字を図形として認識しますから、高学年よりも図形認識力が高い低学年ほど覚えやすいようです。 当用漢字は使用できる漢字数を限定したのではなく、使いやすい漢字を提案したのですが、漢字の使用を限定するように捉えられました。さらには学習文字の使用制限が起こり、教科書が不自然な日本文で書かれるようになりました。 日本文は漢字仮名交じり文ですから、漢字を多く知らなければ多用な表現ができなくなりますし、理解できなくなります。携帯電話にもワープロ機能が付いていますから、手で書けなくても読めさえすれば良い時代になりました。 子供の間からきちんとした日本文を読ませないととんでもない読み方をするようになります。ある文系の修士号取得者が「神々しい」を「かみがみしい」と読んだそうです。「かみがみ」と入力すれば神々に変換されるからでしょう。 団塊の世代は当用漢字で育ちましたから、小説などに興味を持たなければ新聞では漢字や語彙の数が増えません。いきなりワープロで書かれた文章に出会うと知らない漢字や語彙が出てきますから電子辞書が必要不可欠になりました。 文語に親しむようになってからは文語に日本語の美しさを感じるようになりました。漢文を日本語化した漢字仮名交じり文が日本文化の底流ですから、子供の時代に漢文の素読をさせれば無理なく漢字仮名交じり文に適応します。 子供から多様な漢字に接する機会を奪うような漢字表教育は子供の世界を狭めます。漢字を図形として認識できる時代に漢字をゲーム感覚で覚えなければ、高学年になり書き取りに悩ませられます。鉄は熱いうちに打てだからです。 古文の素読や和歌や俳句に親しませる機会を子供の内から持たせればゲーム感覚で身につけてしまうでしょう。赤ちゃんは言葉を特定の時期に集中的に覚えますから、古文を素読させれば漢字を集中的に覚える時があるのでしょう。 西洋人が日本文学を専攻する時に困るのは漢字だそうです。漢字を図形として認識できる時が過ぎているからでしょう。印象派の画家は浮世絵から影響を強く受けたようですが、彼らのスケッチに見られる漢字も意味不明だからです。 これからの時代は漢字を書けなくてもそれほど不自由はしませんが、漢字を知らなければ不自由します。日本人の思考は漢字仮名交じり文でなされるからです。日本文化のアイデンティティーは漢字仮名交じり文だといえるからです。
2008/07/23
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防衛省改革案が提出されましたが、日本独自の文民統制が根本的に変えられそうです。政治家が軍隊をコントロールするのがシビリアンコントロールのはずですが、日本では行政官僚が自衛隊員を統制する意味で使われています。 防衛庁が発足した当時は旧軍人により自衛隊が編成されましたから、行政官僚が自衛隊を統制する必要がありました。旧軍の一部の幕僚が自衛隊に帝国陸海軍を再現させようとしたからです。自衛隊を実行部隊に特化させたのです。 戦後60年を経た現在では防衛大学出身者が幕僚になり、旧軍の影響は消え失せたといっても良いでしょう。むしろ行政官僚による不祥事が頻発するようになりました。制服組が内局から排除されている弊害が目立つようになりました。 防衛省統治のシステムを根本から変えるのが時代の流れでしょうが、内閣改造毎に防衛大臣を変える慣習を先ず改めるべきです。防衛省の統治システムがいくら変わってもトップが指導力を発揮できなければ意味がないからです。 60年の安保闘争時代に岸元首相が自衛隊の出動を防衛大臣に要請したそうですが断られたそうです。もし防衛大臣が首相の要請を受け入れていたならば日本の歴史は大きく変わりましたから、本当の意味での文民統制がなされました。 防衛オタクとも揶揄される石破防衛相でなければ防衛改革ができないといわれているそうですから、派閥順送り人事でなった大臣に防衛省のトップが務められるかという問題があります。権力の集中は権力の乱用にも繋がるからです。 しかし、行政官僚のみが権限を握る防衛省の行政システムが機能しない実例が続出しましたから、背広組と制服組とが協力するシステムの方が良いのかも知れません。現場を知らない背広組だけが支配するシステムは異常だからです。 背広組と制服組とが緊張関係にあれば、元次官の汚職のような例も防げるかも知れません。日本の行政システムは行政職優先であり、専門職が軽視されています。行政職のキャリア官僚に権限が集中するシステムは時代遅れです。 世界有数の軍事力を持つ自衛隊の統制が乱れれば国際問題にもなりかねませんから、政治主導が明確にされるべきです。自衛隊から防衛省へ情報が伝えられ、政治家が決断し、防衛省から現場の自衛隊へ命令が伝えられるべきです。 神戸大震災の時に情報の伝達が非常に遅いのが問題になりましたが、イージス艦の事故でも情報伝達が円滑にいきませんでした。情報が複数のルートに分散してしまいますから、防衛相、首相に届くまでに時間がかかり過ぎました。 情報が背広組、制服組の二つのルートに分散するのは国防上も問題があります。アメリカのような完全分離型も極端ですし、混在型が良いのかも知れません。防衛省の利権は膨大ですから、相互監視型のシステムが良いのでしょう。 関東大地震、東海南海大地震がいつ起きるかも知れませんから、緊急事態に対応するシステムを改良する必要があります。最終的に頼れるのは自衛隊しかないからです。国民は本土防衛よりも災害出動の方に期待しているからです。
2008/07/16
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竹島の帰属が学習指導要領の解説書に初めて記載されましたが、日韓両国の間で帰属が争われていると記載されているだけです。竹島が日本固有の領土であることが明確にされていませんから、日本の将来に禍根を残しかねません。 団塊の世代は日本の漁船が李承晩ラインで拿捕されたニュースをしばしば聞かされてきました。韓国が対馬海峡に一方的に設定した漁船立ち入り禁止線でした。韓国の国際法に明確に違反した海賊行為を傍観しているだけでした。 韓国の竹島の実効支配を許したのも李承晩ラインを黙認した政府の責任です。韓国は独島(竹島)が韓国領土であるのを自明の理としていますが、国際司法裁判所への提訴には同意しませんから、安易な妥協は将来に禍根を残します。 国民の多くは最近まで領土問題は北方領土に限られると思っていました。竹島が日本に帰属し、韓国が実効支配している現実は知らされていませんでした。教育の場では竹島、尖閣諸島の領有問題に触れられることはなかったからです。 韓国の国民の独島に対する関心の深さは学校教育にもよるのでしょう。教科書の何ページにも記載されている韓国と教科書に記載できない日本との差が際だちます。当たり障りのある問題を避けて通るのが日本の外交だからです。 主張しない外交も高度成長時代に貢献したのかも知れませんが、中国、韓国の反日政策を甘受しているだけでは国民の欲求不満が高じてきます。小泉首相の靖国参拝が中国の対日政策を変えたように毅然とした対応も時には必要です。 韓国ではBSE問題で反政府デモが盛り上がっていますから、竹島問題は反日デモに繋がりかねませんが、妥協できる問題とできない問題があります。その点からすれば主権問題を棚上げにした表現は時宜に適うのかも知れません。 領土問題を義務教育の場で的確に教育しなければ国民の合意が成立しません。竹島の帰属が日韓の重要な外交問題であることを国民は知りませんでしたから、韓国の独島(竹島)への異常なナショナリズムの高揚を理解できませんでした。 韓国、中国のナショナリズムの高揚には戦前の日本の姿が重なりますから、領土問題に固執し過ぎるのも危険だと思えます。外交は当事国の世論の高まりに左右されますから、最低線を押さえさえすれば後は緩急自在に行うべきです。 戦後60年が経っても領土問題を解決できないのは悲劇ですが、国境での武力衝突を回避できたのは日本外交の勝利なのかも知れません。しかし領土問題を棚上げにしてきた付けが21世紀の日本外交を迷走させている面が目立ちます。 安部前首相の主張する外交が日本外交に新しい面を開かせたような気がしましたが、福田首相になり元の木阿弥になりました。海洋国家として多面外交が必要ですが、他国への過剰な配慮が日本の国益を損ないかねないからです。 外交はパワーゲームですから対話と圧力との兼ね合いが難しいのでしょうが、日本人の「話せば分かる」という思い込みや圧力をかけるのを躊躇う面は日本的美徳かもしれませんが、国際的には単なるお人好しとしか評価されません。
2008/07/15
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大分県の県教委の汚職は教員採用だけではなく人事にまで及んでいることが明らかになりました。収賄側の県教委だけではなく贈賄側の校長などにも罪の意識があまりなかったのではないでしょうか。旧来の慣例であったからです。 贈賄側の校長などもおそらく採用される時には親がコネを使い、お礼をしてきたから同じことを子供にもしたのでしょう。少なくとも団塊の世代までは教員試験、公務員試験の成績が良くてもコネがなければ採用されませんでした。 教員の世界では親が教員ならば子供も教員に採用されやすいのは常識でした。親の職業を子供が次ぐのにはメリットもありますが、試験結果を改竄した行為を正当化できません。試験が公正でなければ試験をする意味がないからです。 教員として採用された時や校長に昇進した時には関係者にお礼を持参するのも日本の文化ですが、金額が社会常識を越えています。政治家や職員組合からの働きかけに応えたのが事実であるとすれば、金銭の授受がなくても汚職です。 大分県が特殊だとは思えません。よその県でも大なり小なり同じことが行われていると思われますが、試験結果の改竄まで行ったのは例外かも知れません。問題用紙を試験会場で回収したのは証拠の隠滅を図ったものと考えられます。 情報公開の時代にはデーターの改竄は重罪ですが、日本ではそれほどの罪には問われません。欧米ではノーコメントは許されますが、嘘をつくことは許されません。法廷、議会での偽証は重罪ですし、社会からは抹殺されるからです。 試験結果の改竄は常軌を逸しており、100点以上もかさ上げされた者もいるようですし、合格点を引き下げるために減点された者もいます。採用試験は教員採用が公平に行われているかのように装うためのポーズとしかいえません。 教員の世界はギルド、中世ヨーロッパの同業者組合のように見えます。親から子供に職が引き継がれるのを当然だと思っているからです。教職員が特殊権益集団と化しているのです。身内のもたれ合いが常軌を逸しているからです。 競争社会は誰でも平等にスタートラインに立てることが前提にされています。個人の能力が正当に評価される機会が保障されなければ社会は停滞します。氏素性で職が決まる社会は封建時代に逆行していますから、制度改革が必要です。 教育改革が叫ばれている時代に教員の世界が前時代的なのには驚きました。子供たちを試験し、評価する教員自身が公正な試験、公正な評価を歪めているのですから、学校で教えられることは建前だと証明しているようなものです。 子供を公立学校ではなく私立学校に入学させようとする親が多いのも当然です。格差社会が教育格差を招き、教育格差が格差社会を作り出すのは公教育のレベル低下にあります。日本の教育神話が足下から崩壊し始めているからです。 教育委員会の制度改革が必要です。教職員だけの社会が特殊権益集団を構成したのですから、教員委員会の管理部門には教員以外の人材を配置すべきです。管理部門と教育部門とを分離し、管理のプロが教育委員会を統括すべきです。
2008/07/13
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イランが新型中距離弾道ミサイル「シャハブ3」1発を含む9発のミサイル発射実験を強行しました。敵対国であるイスラエルの全土、欧州の一部、インドも射程距離内に収めるそうですから中東、東南アジアに緊張が走りました。 イランのアフマディネジャド大統領は、「イスラエルは地図から抹消されるべきだ」と過激な演説をしましたから、イスラエルが猛反発をする可能性が大です。イスラエルはイランの核関連施設への空爆を強行する可能性があります。 クリントン元大統領は金正日に核開発のための時間と資金を提供しましたし、ブッシュ大統領は核実験の見返りを与えました。アフマディネジャド大統領に核こそオールマイティだと確信させましたから、核開発を放棄しないでしょう。 ブッシュ政権の北朝鮮に対する宥和政策はイランにつけいる隙を与えました。ホルムズ海峡封鎖という奥の手がありますから、アメリカが強硬手段に訴えられないという自負があります。北の二の舞を演じさせようとしているのです。 ならず者国家にはウラン濃縮だけでも切り札には十分でしたが、金正日は核実験さえ成功させれば国際社会から想像以上の見返りを得られることを証明しました。核開発は無制限の譲歩を引き出せる打ち出の小槌になるからです。 東西冷戦は終了しましたが、核拡散が新たな危機として浮上しました。ブッシュの金正日に対する譲歩が核拡散の包囲網を崩す蟻の穴になりかねません。核開発が少ないリスクにより桁外れのゲインを得られる外交ゲームだからです。 誘拐犯に身の代金を与えないのが国際的な常識になりましたから、ならず者国家の恐喝にも譲歩してはいけません。このままではイスラエルのイラン空爆、イランのホルムズ海峡封鎖、アメリカの軍事介入も現実化してくるからです。 原油の急騰で国際経済は深く傷つきましたが、ホルムズ海峡で戦火が起きれば世界経済は破綻します。ブッシュ大統領は金正日に対する大幅な譲歩を撤回し、リビアのカダフィ大佐を屈服させたシナリオを北朝鮮でも再現すべきです。 イランでもインフレが激しいようですから、経済封鎖を続け、兵糧攻めにするのが考えられます。イランにしろ北にしろ国際社会から隔絶されれば生存してはいけません。孤立主義、自給自足が可能な時代は通り過ぎたからです。 イランに時間と資金を与えればヨーロッパは核弾道ミサイルの標的になります。日本が北の標的にされているのと同じです。イランと北とは友好国ですから、テポドンの共同開発を進めればやがてアメリカも標的にされるでしょう。 イランにしろ北にしろ西欧の価値観、自由主義、民主主義、基本的人権が通じない国ですから、対話は不可能です。圧力をかけて譲歩させるしかありません。軍事的なオプションは最悪のシナリオですから、経済封鎖しかありません。 中国にしろロシアにしろ核拡散を歓迎しているわけではありませんから、どこかに落としどころがあるはずです。核拡散はグローバルな世界のガン細胞のようなものですから、転移を防ぎつつ化学療法を続けるしかないのでしょう。
2008/07/11
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サミットは世界を襲っている3F(油、食料、金融)の危機に対して明確なメッセージを発信することはできませんでしたが、問題を共有することはできたようです。議長国としては可もなく不可もない程度には貢献できたようです。 アメリカと北朝鮮との和解はブッシュ大統領の政権末期の実績作りのためのようですから、拉致を忘れないというのも単なるリップサービスに過ぎないのでしょう。福田首相には拉致の一言を共同声明に盛り込むのが精一杯でした。 ヨーロッパ諸国の首脳の関心は地球温暖化対策でしたが、緊急課題として3F対策が浮上しました。石油、穀物の急騰が世界経済を脅かしていますが、日欧は元凶と思える投機資金の規制を主張しましたが英米が強硬に反対しました。 現物市場の高騰は常軌を逸しています。英米の主張する需要と供給とのギャップでは説明ができません。投機資金の思惑買いが実態のない需要を生み出しているからです。アングロサクソン流市場原理主義の限界が露呈しました。 石油、穀物の急騰は発展途上国にはとても受け入れられません。先進国がアジア、アフリカなどの発展途上国の経済発展の果実を奪い取ろうとしています。アングロサクソンの新たな収奪の仕組み、新帝国主義が完成したようです。 国際政治の不安定要因として3Fが定着すれば政治不安が増大します。途上国では餓死者が出るくらいですからテロも増加するでしょう。空腹は人間の尊厳を内側から破壊しますから、ヘッジファンドもテロリストと同類といえます。 21世紀はグローバルな世界になりましたが、限られた人たちしか恩恵に浴することができません。富める国と貧しき国、富める者と貧しき者との格差は増大するばかりです。生存権すら侵されている人たちが少なくないからです。 ロシアを除くG8の共通の理念、自由主義、民主主義、基本的人権は制度としては機能していますが、実態としては金権国家ともいえます。金持ちの元に天文学的な数字の富が集中していますから、経済的には奴隷制かも知れません。 発展途上国では独裁政権による富の偏在が国内政治を不安定化させています。貧困問題の原因は統治機構にあると思えますが、独裁政権を利用してきた先進国にも責任があります。先進国の独善主義が世界を荒廃させようとしています。 アングロサクソン的な世界の富を収奪する仕組みが市場原理主義ですから、G8も規制緩和だけではなく、情報公開の原則も徹底し、負の側面を是正する必要があります。健全な市場がなければ市場原理主義も画餅に過ぎないからです。 先物市場は現物の移動が伴いませんから、思惑で動きます。原油の価値が1年で倍になるのは不自然ですが、資金流入が続けば天井知らずになります。適正水準に戻ってもファンドだけが得をし、世界は墓場だらけになっています。 アングロサクソン的市場原理主義は略奪民族の論理です。農耕民族が農作物で倉を一杯にした頃に収穫、略奪するために村を襲うのが彼らの流儀だからです。アメリカはドルを印刷し続けるだけで世界の富を収奪できるからです。
2008/07/09
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G8とアフリカ7カ国首脳らにより「開発・アフリカ」問題をテーマにしたサミット拡大会合が開かれました。経済成長も拡大傾向にあるアフリカを原油、穀物の高騰が襲いました。先進国が緊急支援をしないと餓死者が急増します。 アフリカは資源高を成長材料として生産規模の拡大が見られていました。Bricsの次にはアフリカの時代が来ると感じさせていましたが、サブプライムローン破綻による国際信用不安により食料品すら手に入らなくなりました。 アメリカ発の信用不安はドルの信用不安を招き、投機資金が現物市場に流れ込みました。アメリカ流の金融資本主義が機能不全に陥りました。国際市場における異常な投機熱はサブプライムローン破綻の再来を強く予感させます。 物の価値が需要と供給でき決めるのが市場の機能ですが、現物がないのにお金だけが動く市場の存在意義が問われています。グローバル化を促進した市場経済が投機を促進しましたが、オーバーヒートし、自滅しかかっています。 福田首相の父福田赳夫元総理時代のオイルショックの時にも同じような状況が現出しています。街からネオンサインが消えましたが、今回はコンビニの灯を消そうとしています。トイレットペーパーの買いだめ競争も起きました。 前回と違うのは原油の産出量は必要を満たしていますが、投機資金が需要をはるかに超えた空買いをしているからです。資本主義の原則から逸脱した空買いが原材料の高騰を招いていますから、発展途上国は一方的な被害者です。 投機資金はサブプライムローンから現物市場に回っていまから、原材料高は国際経済の息の根を止めかねません。投機資金を規制し、原材料高を是正しない限りアフリカを始めとした発展途上国の政情不安は解消されません。 原油を始めとした鉱物資源の採掘コストが急上昇したわけではありませんから、天文学的数字の不労所得を発生させています。穀物の常識外な価格も労働生産性を反映していませんから、労働の意義が根本的に問われています。 一次産業、二次産業が物を生産し、三次産業が物を配分する世界から、何も生産しない金融資本が実態のないマネーを動かすことにより世界の富を独占している姿は異常です。額に汗して働く者が報われない世界は退廃した世界です。 倫理的、道徳的に乱れた世界は富を偏在させます。富める国と貧しき国との格差、富める人と貧しき人との格差は許容範囲を超えています。アフリカの人たちが実直に生産性を高めても市場のくしゃみ一つで崩壊してしまうからです。 社会の生産基盤が悪化しすぎると回復させる力が枯渇してしまいますから、先進国は先ず生産基盤を整え、自らの力で生産を回復させるためのプログラムを提供すべきです。無償援助は施しに過ぎず、難民を再生産するだけです。 アフリカに必要なのは人間としての誇りを取り戻させる援助プログラムです。単なる援助は特権階級を助長させるだけにすぎないからです。一般市民を変えられるのは自力更生だけですから、単なる施しは貧困の再生産に過ぎません。
2008/07/08
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