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(私がネグラとしているのは…) “永遠の旅行者…”とゆうスタンス。 今年明けてからの立ち回りは…奈良県全域・大阪府南部・三重県西部の等価店もしくはほぼ等価店の、MAX機 思い付いて本日、天理市…100日祭の123から競歩♪ 来る店間違えたか? “愛”…ヘソタリナイ・高さ十分・ヨロイスリム・スルー〇・上〇・下〇。推定22P・薄く有り有りくらい。 沖縄2…21P辺り 他・割愛♪ ただし、アレ!キングFPZ…ロック・オン!! 一発も打たず向かいの…マルハン天理店。 一年ぶりですね? ファフナーではお世話になりました。ペコリ! 店内競歩で一周。 “愛”一目まったくタリナイ・17P辺り?ただし、ヨロイに大きくメリハリ有り。 “視写”しました♪ ピンはアグネス&地中海ハネ、ヘソ13.75mm!!ただし、ヨロイスレンダー、、、、1パチでした…♪ が、しかしかかし、 CR沖~なー泡盛GREEN…凝視×5!!気になるぅ~♪ なんとか出来そうな全体ゲージ(ハート♪) ロック・オン!! で、表題機種。マルハンにしては出玉取れそう、ヘソ一枚下げも幅はタリテル、ヨロイなんとかなりそう、スルーヌケル、電チューは十分・まぁ、贔屓目に見てだけど… キャハ。 推定23P・上乗せ15%・上は、どうにかなるでしょう♪ 前日時短込み700回転回して(愛ね!)~ 83回転・4000円 横にスライド… これだな!! ったく… 321回転(当該318回転)・15500円… 赤襖+好機+赤襖~松風キタッ! イヤ~ンな予感は当たるものだ! の、次回転(雲の彼方にのストーリーハズしの次回転は激アツでしょ?) 金襖キターーッ!+CBボタン…銀家康+金扇子+サクラフェード+金タイトル直江 ターン! まぁ、直江で城門突破しないんだもの… 無意識に追う… 71回転・いきなり傾奇ゾーン、が、潜伏 込みのゾーン抜けの93回転・4000円・赤扇子+銀家康+SU3+7テンパイ+コンコン!+奥村大 ターーン!! 取り敢えず追う… 119回転・3000円 今日のこの台は死んだ! ギャハハハ… 稼働・2.5H 投資・26500 理想的でしょ?デジハネでハマってMAXで当たる、とゆう負け惜しみ♪ う~ん、気になるなぁ…沖~なー泡盛GREEN♪♪ そう言えば今年始めにこの店のこのハネ慶次触った記憶が蘇った…ステージ玉スジみてね! 明日は、奈良市西ノ京KーPowers西ノ京店で“愛”フル稼働予定です。 こんな感じでよろしいですか?(謎) 後は流しながら店周り~!! マジメかっ! じゃあまたね! 追伸・写メ撮るとゆう“概念”すら忘れてた!ごめんね! キャハ。
2010.03.25
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ー硝子の少年時代ー 研鑽を重ね、イボ付きサッカーシューズを履き、待ちに待った日がやって来た… マツモトジョウセイ先生は、、、こう言った… “試合しようか?” わーーーいっ!!!! “ユニホーム”が支給された!! グリーンの無地にVネック、襟は白で縁取られている、同色のストッキング、トップは当然、白色だ。 夢見心地とは、こうゆう事を言うのだ!!! 背番号は当然“5” ゴールキーパーから始まり順を追うとセンターハーフは“5”となる。 来週の日曜日、“竜野”まで電車で行くから“弁当”と“電車・バス代”を用意してもらうように…、と言って“承諾許可依頼書”を渡された。 はーーーいっ!!! その夜、ママに背番号を縫い付けてもらった。 当然だが、ユニホームを着て、寝た! 当然だが、ストッキングも履いて、寝た! その日は、やっと、やっと、やって来た! 駅前に集合したイレブンに笑顔のマツモトジョウセイ先生が言う… 切符買ったことある人? シーーーン!? ボク達は、ひとり、ひとり、自分で窓口に行って自分で切符を買った! “竜野まで、こどもひとり下さい!” ボクは生まれて初めて自分で切符を買った! ドキドキした… 刺激的だっ! マツモトジョウセイ先生は言う… “席は譲り合って座るように! あまり騒がない! お年寄りの人がいたら席を譲るように!” “国鉄竜野駅” ボクの町からは三つ目の駅だ! マツモトジョウセイ先生は笑顔で言う… “よーしっ!ここからは“バス”に乗るぞっ! わーーーいっ!! バスは、揖保川沿いに北上した… ひとり、ひとり、“整理券”と“お金”を“運賃箱”に入れて精算した。 なんて、楽しいのだろう… なんて、刺激的なんだろう… 生まれて初めての試合。 生まれて初めての“対戦相手”は… “本田小学校” “本田FC”だ。 緊張が全身を支配した… サッカーは有機的で自由でイマジネーション豊かなスポーツだ! ボク達は、ボールの行く方、行く方、行く方へ、みんなで追いかけた! 行く方へ、行く方へ、全員一丸となり追いかけた… 相手の“本田FC”は6年生だった。 ハーフタイム!! マツモトジョウセイ先生はニコニコ微笑みながら言う… どうだ?疲れたか? よしっ、“5番”“9番”“10番”いいぞぉーーっ! もっと、もっと走り回ってボールを取れよ! ゴールキーパーいいぞっ!もっと、もっと、飛び込んでボールをつかめっ! よーしっ、みんな、走り回ってボールをつかめっ! はーーーいっ!!! マツモトジョウセイ先生は試合の時はいつもボク達を背番号で呼ぶようになった。 褒められたのは、天才少年三人とゴールキーパー・ヨコタニ君だった。そう、ヨコタニ君が大活躍しなければいけない試合だったのだ。 スコア“0ー9” 6年生の本田FCのみんなは、こう言ってくれた… “頑張って練習して、また試合しような…” この言葉と初めての試合相手のかっこいい顔は一生忘れない。 マツモトジョウセイ先生は言う… よーしっ!みんな頑張ったぞ!かっこよかったぞっ! 帰りの道程は、益々楽しかった。筋肉痛で膝がガクガク震えたが、楽しくて楽しくて叫びたいくらいだった。 マツモトジョウセイ先生はボクに“チームプレー”の楽しさと負ける事の“悔しさ”と、そして、“旅する事”の楽しさと“切符の買い方”を教えてくれた。 駅にはパパが迎えに来てくれていた。 マツモトジョウセイ先生は言う… “みんな、よく頑張ったぞっ! お父さんお母さんに頑張った事を話してあげなさい。そして、お風呂に入って、マッサージして寝ろよ。みんな、また頑張って練習して試合に行こうな!” はーーーーいっ!!! パパもママもボクの話をずっと、ずっと、聞いてくれた… ボクの四年生はこうして修了した。
2010.03.24
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ー硝子の少年時代ー ボクは一歩外へ出ると益々活動的になり、益々目立つ存在になった。 ボクは一歩家に帰り着くと、テレビの前に寝転んで、無言でテレビの世界の中で旅した… 赤胴鈴ノ助、デビルマン、ムーミン…テレビ番組で曜日を確認し、時間を把握するくらいテレビに見入るようになった。 特に日曜日は顕著だ。 朝早くからソフトボールの練習に出かけ、昼食を食べに帰り、昼から夕方まではサッカーの練習をし、六時迄には必ず、必ず帰り着く… ふらふらと寝転がり、8chにセット。 誰だっ!誰だっ!誰だっ~空の彼方に踊る影白い翼の… 科学忍者隊ガッチャマン さざえさん、さざえさん、さざえさんはゆかいだなぁ~ 空にそびえる鉄の城 スーパーロボット~ マジンガーZ 慌ててお風呂に入り、正座をしてご飯を食べ、テレビの前に寝転がる… 8時からは10chだ。 君は何を今見詰めているの? 若い魂に濡れた瞳で 逃げてゆく 白い鳩 それとも愛~ 飛び出せっ!青春 青春学園ドラマの始まり… Lets bigin! とにかく何かを始めよう! サッカーが題材のドラマに見入った…毎回感動して涙した。挿入歌に、涙した。 昨日の夢に住んでいられずに 明日の愛をもう待ち切れずに 君は飛び出す まだ見ぬくにへと そうさ そいつが若さのしるしだ~ 見ろよあんなに太陽は近い~♪ “事件”はおきた… いつも無言でテレビの前でじっとしているボクを心配したのだろう ママが、話しかけてきた… アキくん? ボクは、、聞こえないふりをした。 少し大きな声で… アキくん? ボクは振り返り、 なに? あー良かった!!と言ってママはおやつと玄米茶を入れてくれた。 そう、ボクは温かい玄米茶が大好きだったのだ。 また、ある日… アキくん? ボクは聞こえないふりをした… アキくん? ボクはめんどくさくて聞こえないふりをした… アキくん? ボクは面白くなって聞こえないふりをした… ママはパパを呼んできた… パパが、 アキ? ボクは引っ込みがつかなくなって、聞こえないふりをした… アキ? ……。 ボクはこの時まで無遅刻・無欠席の皆勤賞を続けていた。熱がでようが咳が出ようが、掛かり付けの市町の“医院”のおばあちゃん先生のところに行けば、なんでもかんでも“ペニシリン”をお尻に一本打てば、元気になって学校へ行った。 なのに… よほどボクは大切に思われていたのだろう、かわいくてかわいくて仕方なかったのだろう… あろうことか、余りに心配したパパとママはボクを岡山の“大学病院”へ仕事を休んで連れて行った。大学病院なんてパッと行って診てくれる訳など無い。パパの会社の社長を通して、いろんなルートを介して“紹介状”を書いてもらい、大学病院へと辿り着いた… ボクの“皆勤賞”も吹っ飛んだ。 恐ろしい器械にかけられ、大袈裟に色々な検査をされた。 丸一日かかった。 二週間後… また、ボクは学校を休み、パパは仕事を休んで“岡山大学附属病院”へ、運ばれた。 病名…“至って健康、むしろ、ずば抜けて健康” 先生は言った… “かってつんぼ”ってやつでしょう。 そう言って笑った。 パパもママも、仕方なく笑った。 先生は励ますように、こう言った。 “なにか病気が見つからなくて良かったんですよ、子供さんを叱ったりしないであげて下さいね…” ボクはこの時の先生とパパとママの顔を忘れない。 ボクは自分のしでかしたことにより“皆勤賞”を失い、そして、パパとママの絶大なる“信用”も、少し、無くした。 ボクはまたひとつ学んだ。 夜明けの停車場に 降る雨は冷たい 涙を噛み締めて さよなら告げる 嫌いでもないのに なぜか 別れたくないのに なぜか ひとりで旅に出る 俺は悪い奴 だから拗ねていないで 早くお帰り 君には罪はない 罪はないんだよ~♪
2010.03.22
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ー硝子の少年時代ー ヒトミちゃんに言われた一言はボクに孤独を自覚させた… 雨の日の放課後、ボクは急いで家に帰り、おやつを食べながら寝転がり、、旅行に出かける。 茶色の背表紙には… “国土地理院” ボクの宝物は社会の教材でもらった“地図”だ。 世界中を旅した。 カタカナで書かれた長い国名を読んでいるとしあわせな気持ちになった。 ボクが行って見たいと思った一番の国は… “グリーンランド” 塗られた色も“緑色”で果てしない草原が続く美しい国なんだと想像出来た。定規を持って来て日本からの距離を測ろうとしたが長過ぎて、何ページも捲らなくてはいけないので“断念”した。 どんな言葉を話すんだろう、どんな目の色をしているんだろう、どんな風景の国なんだろう… ボクは時々訪れる雨の日の放課後が大好きだった。 日曜日夜九時から始まる“日曜洋画劇場”今夜は何かと新聞のテレビ欄を見ると… “小さな恋のメロディ” オープニングからボクは夢中になった… 夕暮れの外国の風景。流れる美しい音楽“in the morning”画面右から現れる“鼓笛隊” ぜんた~い、とまれっ! 隊が崩れてぶつかりあう少年達… ボクの学校でもよくあることだ。 主人公は、11歳の小学生“ダニエルとメロディ” 全編に流れるビージーズの素晴らしい楽曲と、クルクルまき毛のダニエルと、少女体系のメロディ、なにもかもが“好き”になった。 メロディの吹き替えは“杉田かおる”だったとは当時、当たり前だが知らない。 翌日… ボクとヒトミちゃんは“お砂場”で語りあった… 昨日の映画見た? うん、おもしろかったね! 学校休んで海水浴に行ってトンネルつくってたね! そう言いながらボクはダニエルになりきって“お砂場遊び”に夢中になった。 女の子はいつの時代も、いくつでも、現実的だ。 ねぇ、アキくん、今日は英語教室の日だよ、もう、行かなくちゃ… うん、行こう、行って先生にイギリスの話聞こうね… 当時の著作権とか版権とか放映権とかの事情はまったくわからなかったがこの“小さな恋のメロディ”は日曜洋画劇場で幾度となく放送された。 ボクは日曜日の朝起きると慌てて朝刊を取りに行き“テレビ欄夜九時6チャンネル”をチェックするようになった。 ボクはダニエルとメロディの“孤独”に強い共感を覚えたのかも知れない… ボクは教師や周りの大人達の都合の悪い事を頭ごなしに否定しようとする姿に反発と強い疑問を投げ掛けるダニエルに強い共感を覚えたのかも知れない… ボクはクライマックスに二人で“トロッコ”漕いで逃避しようとする姿に強いあこがれを覚えたのかも知れない… 四年生のボクに自分の気持ちを表現できる訳がない。 ボクは10歳になった。
2010.03.21
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ー硝子の少年時代ー 秋の日の 図書室の ノートとインクの匂い、そして… ミヤモトヒトミちゃんは名前をひらがなで“ひとみ”と書く。名前の通りの瞳の大きな色白のスレンダーでサラサラロングヘアのボクよりひとつ年上の女の子だ。 ど真ん中ストライク、だ。 ボク達は、昼休み時々図書室で待ち合わせをした。別々に訪れ、一番奥の席に向かい合って座る。 ボクも、ひとみちゃんも図書室が好きだった“静寂を求められる”図書室が大好きだった。 ささやきあう… アキ君、だれにも見られなかった? うん、ひとみちゃんは? だいじょうぶ。 アキ君、たのしいね? うん、たのしいね。 ボクは、ひとみちゃんにある本を紹介した。 ボクはその本が読みたくなったら図書室にやって来る。 ひとみも“ホタルブクロの森”探しに行きたーい! “大きい一年生と小さな二年生” この本が発刊された年にはひとみちゃんは三年生だったので存在を知らなかった。 アキくん、昼休みあそぼうよ… 今日は図書室に行くんだ! 図書室? うん、読みたい本あるから… じゃあ、ひとみも行っていい? うん、いいよ。でも話しちゃいけないんだよ図書室では… うん、ひとみ静かにしてるから… ひとみちゃんは二冊ある“大きい一年生と小さな二年生”の一冊を貸し出してもらい家に帰って一日で読み終えた。 雨の日の図書室はにぎやかになるので行かない。 そんな日は体育館のステージ下の“地下室”へ行って話した。 薄暗い、埃っぽい、カビ臭いそこは二人の秘密の場所だった。 ひとみちゃんの家は仮設小学校のグランド周回道路沿いにあった。日曜日、ボクがサッカーやソフトボールの練習に来ると家の前に座って、頬杖つきながらずっと練習を見ていた。 ソロバン塾と習字教室と英語教室に共に通い“お砂場遊び”をしたり… ある日… ソロバン教室の前でひとみちゃんを待っていた… “アキ君?” その、美しきソプラノに聞き覚えが、ある。 振り向くと… “ナカヤマケイコ先生” あっ!! やっぱりアキ君だった。と、変わらぬあの笑顔だ。 ソロバン習ってるの? はいっ! へぇ、頑張ってるのね! はいっ! ナカヤマケイコ先生は、ソロバン教室の向かいの“ピンク色のアパート”に住んでいたのだ。 そこに、ひとみちゃんがやって来た。 あっ、ナカヤマ先生! ひとみちゃん? はい。 ふしぎな縁だ。ボクが一年生の時、ヒトミちゃんは当然二年生で、担任の先生が、ナカヤマ先生だったのだ。 先生は不思議そうな顔をしてやさしく微笑んで、こう言った。 二人は、おともだち? はいっ、おともだちですっ! ニコニコ笑うヒトミちゃん。 そう、ソロバン教室は何時までなの? プリントを一枚やって100点になれば終わりですっ! そう、じゃあ終わったら二人で先生のお家に遊びに来ない? もちろん、行きますっ! あはは。ヒトミちゃんは? はい、行きます。 じゃあ、先生待ってますからね、103号室だからね。 ナカヤマ先生は“大きなお腹”になっていた。肥ったんじゃなくて“赤ちゃん”がいるんだと教えてくれた。そして、ナカヤマ先生はもう“先生”じゃない、と言った。 先生が“担任”したのは、ヒトミちゃんとボクとひとつ下の学年だったらしい… ボクは“大きい一年生と小さな二年生”の思い出と、ヒトミちゃんと図書室の出来事を話した。 まぁ、アキ君、そんなに覚えててくれたの? はいっ、絶対忘れません! まぁ… ナカヤマ先生は少し泣いているように見えた。 こう言った。 先生やって良かったわ! ジュースとお菓子をご馳走になり帰る時、 ふたりなかよく頑張ってね! はいっ! はい。 ナカヤマ先生はずっと手を振って見送ってくれた… アキくん? なぁに? アキくん、なんだかちがうひとみたいだった… えっ!? ヒトミといっしょに話してる時のアキくんはあんなにしゃべらないよ… えっ!? ショックだった、すごくショックだった。薄々は気がついていたが、ボクは明らかに相手によって接し方を“選別”していた。 それを、ヒトミちゃんに指摘されたことが、たまらなくショックだった… “ホントのボク”はどこのボクなんだろう…と、本気で考え出したボクは、まだ四年生だった。 ボクのこころは ひび割れたビー玉さ のぞき込めば君が逆さまに、、、う、つ、る、♪
2010.03.20
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ー硝子の少年時代ー 漂うのコーヒーの香り あなたと会う日は なぜか雨模様ね~♪ どうして、 どうして、遠足の日は雨なのだろう… 春と秋には遠足がある。今回は特別の特別だ。 バス遠足に加えて、なんと船に乗って瀬戸内の“家島”へと渡るのだ。 うれしくて、うれしくて、前夜は当然眠れる訳など無い。そわそわそわそわ… 外は… シトシトシトシトシトシトシトシト… やがて、 ザァザァザァザァザァザァザァ… 目覚めれば、土砂降りの大雨だ。 当たり前だ、台風の季節だもの、なぜこんな季節に遠足を計画するのだろう。 かわいそうに…と、言ってママは“遠足用使い捨て簡易弁当箱”を渡してくれた。 ボクは四年生だ。雨が降っても“長靴”は履かない。 教室の中を覗くと、みんな興奮状態の極みだった。それもそのはずだ。今回のバス遠足は日程の複雑さもあり“雨天中止”なのだ。家島は永遠に訪れることはないのだ! みんな、精一杯の“悪足掻き”“悪態”をついた。 少しでも小止みになると… “今、行けるのにぃ~!!”とか、 “責任者出て来いっ!!!”とか、 かわいそうに… ボクは、こう言った… 小さな声で… “か・ね・か・え・せ…” すると、となりのカガミ君も、 “か・ね・か・え・せっ!” その、となりも… “金返せっ!” “金返せっ!“ 火が付いた怒りは、やがて大合唱となった。 “金返せっ!金返せっ!金返せっ!金返せっ!金返せっ!” 少し、まずい、と思った。 やがて、それは並びの三年生の教室にも広がった。 大変、ヤバい、と、思った。 大目に見ていた先生達も職員室から慌ててやって来た。 ヤマダ先生は顔色変えて怒鳴った! “金返せっ!”とはナンダッ!!!! 一同静まり返る。 誰が最初に言い出したんだ? 心臓が… となりのカガミ君は小心者のやさしい奴だ。二年生の時の“ツレション事件”のこともある。 ……。 ………。 カガミ君はボクを見て… “ニコッ”っと笑い、ピースサインをした。 長い沈黙の後、 まぁ、いい。みんなの気持ちは先生だってよくわかるんだよ、先生だってつらいんだよ、 みんなの怒りは、少しおさまった。 全校生徒が体育館に集まって“遠足用弁当”を食べて“ドッチボール大会”をやって、大遠足中止残念会は終わった。 カガミ君はボクのところに来て、こう言った。 アキくん、面白かったね! えっ!? “金返せっ!”って、面白かったね! そうか? うん、ドキドキしたけど、みんなが一緒になって“金返せっ!”って、すっきりした。 そうか? うん、ボク、アキくんが言い出したって言いそうになったけど我慢したよ。 えっ!? だってアキくんのおかげでみんな盛り上がったし、アキくんしか思い浮かばないやんっ! “金返せっ!”なんて… カガミ君も成長するんだな、、、 今回は“疑いの目”で見られることは無かった… アキくん? なぁに? アキくんって、すごいよ。 はぁ? ボク、尊敬するよ。 はぁ? この日を境に、なにかあるごとにカガミ君はボクを見るようになった… “どうしたらいい? なんて言ったらいい?” そう、言っているようにみえた。 何気ない事だって、大人達にはさり気ない事だって、こどもにとっては一生忘れないことだってあるんだぞっ!大人達だって当たり前だが“こども”だった。傷付くことも嬉しかった事もあるだろう、覚えているだろう… またひとつ学んだ。 ボクは四年生だった。
2010.03.18
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ー硝子の少年時代ー 1972年は、ボクの“分水嶺”だったのかもしれない。 記憶の画像にあるのは… 札幌オリンピック・日の丸飛行隊メダル独占… 浅間山荘事件・鉄球が家を打ち砕く… 大相撲・高見山外国人力士初優勝… この頃からボクはパパとママに“ちょっと、変わった子”と思われだした。 一歩外へ出るとボクは積極的に動き、ドッヂボール、サッカー、ソフトボールに明け暮れて、聞き分けのよい、成績優秀な、周りの大人達から褒められ続ける子供だった。しかし家に帰り着くと、言葉数少なく黙ってテレビの前に寝転んで、見入る… その、番組が“変わって”いた。 大相撲、NHKのドキュメンタリー番組の再放送、 そして、そして、 一番のお気に入りが… “国会中継” ボクはひとりの政治家の登場を、発言を、待ち続けた… “田中角栄” ついたあだ名が、 “コンピューター付きブルドーザー” それを聞いたパパは、興味深そうにボクに語ってくれた。 田中角栄は“小学校”しか卒業してなくて、もうすぐ“総理大臣”になりそうだぞっ! 元々はパパと同じ“土建屋”だったんだぞっ! で、アキは、どんなところが好きなんだい? この人見てると、楽しい、元気が出るっ! えーーっ!? パパとママは大爆笑した。 それで? この人は、他の人と違って大きな声で、ハッキリと喋るもん! ??? こうゆう事だったんだと思う。 他の政治家達は…と、思います。とか、善処します。とか、だろうと言うのが大方の見方であろう… とか。 要するに“プライドが無い”のだ。 大人のくせに、自分の意見をハッキリ言わない。ボクは先生や周りの大人達から“自分の意見を持ちましょう”って習ってるのに…って事だ。 何事も、即答で考えを語り、出来る、出来ない、をハッキリ言う“田中角栄”が信用出来たし、大好きだった。 パパはやさしい。 そうか、田中角栄が好きか? うんっ! 学校で友達と田中角栄の話するのかい? しない。 どうして? みんな、知らないから、話さない。 そうか…。 友達とはマンガの話とか野球とかサッカーの話をする。 へぇ、アキは賢いなぁ… えっ!? わかる人に、わかる事を話すんだな、アキは…。 えっ!? じゃあ、田中角栄の事は誰と話すんだい? パパと初めて、今、話した。 パパは、うれしそうに言う… じゃあ、これからはパパも国会中継見てニュース見て勉強するからパパと話してくれるかい? うん、いいよ。 あはは。ありがとうな… 田中角栄は“料亭政治”をやってても、総理大臣に上り詰めても、母親が作る、 “しょっぱい、焼きめし”が好きで、 “オールドパー”をロックで飲み、 “下駄”を履き、 “まぁ、そのぉ~”と誰にでもわかる“言葉”で語り続けた。 “日本列島改造論”をぶちあげ、日本の経済成長をピークに押し上げていった… そして、そして、 東京上野動物園に“ランラン・カンカン”を連れて来た… パンダちゃんだ! 今度、東京のおじいちゃんおばあちゃんのところに行ったら観に行こうな… うん、 それから、ナガシマ、オー、も観ような、 うんっ!! 田中角栄の座右の銘を今も覚えている… “シセイノヒト、シンノユウシャナリ” “至誠の人 真の勇者なり” こんなボクは四年生だった。
2010.03.15
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ー硝子の少年時代ー 自由でセクシーなサッカーは有機的なスポーツだ。 よしっ!キミはあそこっ!キミはそこっ!キミは… マツモトジョウセイ先生が一番楽しそうだ、どんなおもいでここに辿り着いたのだろう、なんてあの頃のボクに想像できるはずもない… 第一列を“フォアード”と呼んだ。 第二列を“ハーフ”と言った。 第三列は“バック”だ。 そして、ゴールキーパー 先生の指示がとぶ… 第一列“左ウィング・ナカヤマ君” その隣り“左フォアード・タブチ君” その隣り“センターフォアード・クロダ君” その隣り“右フォアード・ウエダ君” “右ウィング・シマダ君” 第二列“左ハーフ・フナビキ君” “センターハーフ・アキ君” “右ハーフ・何某君” 第三列“左バック・ヨシダ君” “右バック・イノウエ君” ゴールキーパー・ヨコタニ君 ボクはモダンサッカーでいうところの“トップ下”センターハーフを与えられた。 超攻撃型布陣、 5・3・2 フォーメーションの誕生だ。 だが、誰も自分のポジションの役目とか意味をしらない。先生だけがニコニコ得意顔だった。 練習はこうだっ! ゴールキーパー+バック+ハーフの両サイド対フォアード+センターハーフで攻め守る。 アキ君は、フォアードにパスを出すように… 両ウィングはボールを中へ中へと蹴るように… フォアード三人はただゴールを狙えっ! ハーフとバックは来た玉を外へ外へと蹴り出すように… キーパーはゴールを守れっ! ボールがゴールされるか、ライン外に蹴り出されプレーが止まるとマツモト先生の指示がある。 よしっ、いいぞっ! ナイスブロック! ナイスシュート! ナイスセーブ! ナイスパス! すべてが、褒め言葉だ。すべてが肯定的だ。 褒められて嬉しくないハズが無い。 そして、先生は言う。 次はもう少し強く蹴ろう! 次はもう少し早くパスしよう! 次は… みんな、目を輝かせて指示を待っていた。 だって、必ず褒めてくれるのだから… 先生は練習の最後にこう言った。 みんな、足痛いだろ?疲れただろ?帰ったら自分でマッサージしろよ、ただしお風呂の中では揉んじゃダメだぞ、その前か後にしなさい。 ボクのクールダウンの基礎となった。 そして、 いいかい、サッカーはボールひとつあれば一人でも練習出来るスポーツなんだ。どこでも出来るスポーツなんだ。赤き血のイレブンを見てブンデスリーグサッカー見てどんな選手になりたいか想像してください。 かっこいいぞーっ! 楽しいぞーっ! 当時マイナー競技だったサッカーは、マンガと言えば、赤き血のイレブンの“サブマリンシュート”であり、世界のサッカーの頂点は“ドイツ・ブンデスリーグ”だった。 ボクは“ベッケンバウアー”を知った。 残念ながら“ショパン”になることはあきらめ、ボクは“YAMAHA音楽教室”を退会した。 ボクの見るテレビは偏りをみせ始めた。 エースをねらえっ!に始まり、アタックNO1の“風船アタック”、あしたのジョーの“クロスカウンター”、タイガーマスクの“必殺技の数々”、そして、なんと言っても巨人の星の“大リーグボール”だった。 ボクは“スポ根漫画”に感動して泣いた。 なにもかもが楽しい、ただ楽しい日々だった。 サッカーに出会い、 マツモトジョウセイ先生に出会い、 ボクの世界は一気に広がる。地域も人間関係も、そして、感性も… 僕は、四年生だった。
2010.03.15
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ー硝子の少年時代ー 俺は… 俺は、人生のピークに向かい坂道を、頂き目指して昇り始めた… 行き着く先が見えないから“夢中”になれる。 マツモトジョウセイ先生は“教師”では無い。社会教育センター兼仮設小学校となっているグラウンドで出会ったから教育に携わる人だったのだろう、それも地域新興とかスポーツ関連とか、青少年教育関連とか… 天才少年三人が呼ばれたってことは“子供会”を通じてのことだろう。 サッカーは11人でやるから集めてくれないかい? それぞれが推薦しあった… 足の速い奴、背の高い奴、すばしっこい奴… ボクは言った、 “ヤマシタ”もいいんじゃない? ヤマシタは“ガクエン”だからあかんやろ? と、ウエダが言った。 ………。 よしっ、みんなに声かけて今度の日曜日、ここに集まってくれるかい? はーーいっ! マツモトジョウセイ先生は学校の広報を通しても“募集”した。 ママ、“ガクエン”ってなあに? ママの顔色が変わるのがわかった、が、気付かぬふりをした。 そんな子なんだ…。 どうして? ウエダがガクエンの子はサッカー出来ないって… ♪あたたかい人の情けも 胸を打つ熱い涙も 知らないで育った僕は ミナシゴさ 強ければそれでいいんだ 力さえあればいいんだ ひねくれて星をにらんだ僕なのさ あぁ だけどそんな僕でも あの子らは慕ってくれる それだからみんなのしあわせ祈るのさ…” “チビッコハウス”にいる子供なんだとママは教えてくれた。 なんで、サッカー出来ないの? 足も速いし、おもしろいし、なによりボクの友達なのに… とは、聞けなかった。 翌日、パパが教えてくれた。 ママから聞いたぞ…。ヤマシタ君もサッカーできたらいいもんなぁ、パパが先生に聞いてみるからな… 日曜日、みんなグラウンドに集まった。ヤマシタ君はいなかった。 ひとつのサッカーボールをみんなで回した。ずっと回しあった、それだけで楽しかった。 これが、トーキック これが、サイドキック これが、アウトサイドキック これが、ヘディング どうだい? おもしろいかい? おもしろーーいっ! じゃあ、サッカーやりたいと思ったひとは、この用紙にお父さんお母さんに記入してもらって持ってきてください。 正式な組織だ。 “サッカースポーツ少年団” 現在の“F.C…”だ。 ボクは、“ヅック靴”から“紐靴”へと成長した。 青に白色の線が入った軽くて滑らない運動靴だ。 かっこいいーーっ!♪ サッカーボールも買ってもらった。その夜はサッカーボールを抱いて紐靴を履いて、寝た。 パパは、やさしい、 こんなふうにしてはもらえないんだ、ヤマシタ君は… と、言った。 学校での教材ならなんとか出来るが、任意ですることは難しいんだ。 と、四年生のボクに言ってくれた。 ハッキリとわからなかったが、パパも辛いんだ、ママも辛いんだ、とゆうことはわかった。 うん、わかった!ヤマシタ君とは小学校で一緒にサッカーやるっ! ボクはそんなふうに言える子だった。 パパは最後に、 アキ、いいか、よく覚えておけよ、、ヤマシタ君が悪い訳でも、ガクエンだからダメな訳でも無い。ヤマシタ君はアキの友達だ。なかよくしろよ…。 うん、わかった。 ホントは“イヤな気分”だった。 ママの困った顔も、ウエダのガクエンだから…って言葉も、 ボクはずっと忘れない。 子供は、無力だ。当たり前だ、未熟なのだから… 色々学んだ。 よしっ、ポジションを決めたから、言われた場所に行くように… 笑顔いっぱいのマツモトジョウセイ先生の声が、楽しそうだ… わーいっ!!! ボクは、カマモトと、ペレを知った…
2010.03.11
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ー硝子の少年時代ー ガラガラポンッ! 四年生になった。 “教育”とは… 果てなく難しい、と思う。 ボクは学習の海で泳ぎ、無意識下の中で、学んだ。ボクは四年生を忘れない。 本格的な子供会の参加により“ソフトボール”に出会い、週2で、ソロバン教室と習字を習い、YAMAHA音楽教室に通っていた。 ある日… アキくん、一緒に英語教室に入らない? うん、どこにあるの? 段町。 ボクは段町の“ミヤモトヒトミ”ちゃんに誘われ入塾した。 アップル、ラビット、ハウス、バス… ピーターラビットの挿絵が印象的な教科書。 ボクは純粋に思った。 英語って、万博で見たような青い目をした知らない言葉で喋る人が教えてくれるんじゃ無いの? よりによって、ボクと同じ日本人の、英語とは最遠隔地にいそうな“おばあちゃん先生”だった。でも、何となく品格を感じた。 バナ~ナ、ストロベリー、そして、笑っちゃイケないが、ディスイズア・ペーン! ボクは英語が気に入った… なぜなら、ヒトミちゃんと一緒だからだ。ヒトミちゃんとは砂場で出会った、あの子だ。 アキくん、今日あそぼうよ… 今日は、ソロバン教室なんだ、 じゃあ、ヒトミもソロバン教室入る~ アキくん、今日あそぼうよ… 今日、習字教室なんだ、 じゃあ、ヒトミも習字習う… ヒトミちゃん、今日あそぼうよ… ヒトミ、今日、英語教室なの… じゃあ、ボク英語教室入る、 そんな、ことだな。 習い事教室はすべて段町にあった。 学校では、月に一度は全校生徒が体育館に集まって“えいしゃかい”があった。 “映写会”だ。 ディズニーの“ファンタジア”とか 森田健作の“砂の器”とか、 世界の三船の“黒部の太陽”とかだ。 記録映画の上映もあった。当時日本は高度経済成長のピークを迎えつつあり、豊かさを謳歌し始めていた時代。 表裏一体、裏の部分も社会問題化していた…大人達は、次次世代のボク達になにを伝えたかったのだろう… スクリーンに写し出されるモノクロの映像、モクモクと上がる黒煙、 対照的に流れる子供達のコーラスライン、 ボクはこの歌を忘れない、ずっと、忘れない、 ♪知らなかったよ~ 空がこんなに青いとは 手をつないで 歩いて行って みんなで仰いだ空~ こんなに青い空 空は教えてくれた~ 大きい心を持つように 友達と 手を放さぬように…♪ おそらく“四日市公害訴訟”問題を扱った作品だったと思う。 水俣病とか、カドミウム汚染とか、水銀問題とか、森永ミルク中毒とか、記憶にある。 複数回観たのだろう、忘れ得ない歌であり、映像だった。 この年、いよいよつっぱり校舎は支え切れなくなったのだろう、“鉄筋校舎”建て替えの為ボク達は近くの“元女学校”“現社会教育センター、通称・社教センター”へと引っ越した。 そこは、ヒトミちゃんの住む段町にあった。 蔦の絡まるチャペル、ならぬ図書室のあるやっぱり古い校舎達だった。 マツモトジョウセイ先生と、出会った。 おい、サッカーやらないかい? サッカー? これを蹴って遊ぶんだよ… 五角形の白黒模様の大きな皮のボール。 “赤き血のイレブン”知ってるかい? “アカキチノイレブン???” この小さな町は、ボクの為に色々な新しい試みを用意してくれた… そう、妄想だ! そして、ボクの住む東町に天才少年三人が住んでいた。 激しく、妄想だ! だが、同じ地区に住んでたことが小さなキセキを次々と起こしたのも事実なのだ。 これからの三年間しか存在しなかったのだから… 上、中、下、じょう、ちゅう、げ、じゃ無いぞ、カミ、ナカ、シモ、だ。 ナカの、ウエダ シモの、クロダ そして、カミの、アキ そして、そして、その親達の熱心さが、動かしたのだ。 ホント、妄想だ! ボク達は四年生になった。
2010.03.08
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ー永遠とゆう枕詞にー 幼少期、物事の選択肢のない日々…、なにを見るのか、誰に出会うのか、で、決まる。 三年生の秋、ママはパパの勤める会社の寮で独身の社員の為に“ごはん炊き”をすることになった。毎朝いる、みどりのおばちゃんが営む“オカモト時計店兼駄菓子屋”と“オオツカ布団店”の路地の先に寮はあった。 パパの勤める会社は“運輸会社”だ。パパは生産管理の仕事をしていた。寮にはお兄ちゃんがいっぱいいた。“社会人野球部”のお兄ちゃんも仕事をしている。 よぉ、君がアキ君かい? うん、 ユニホームは着れるようになったかい? うん、 キャッチボールするか? うん、 お兄ちゃんは寮にあるグローブとボールを持って来た。 よしっ、投げてこいっ! ??? ??? どうした? グローブがちがう… おっ? アキくんは“ギッチョか?” ギッチョ、とは左利き、サウスポーの事である。 …ギッチョ? お兄ちゃんはうれしそうに言ってくれた。そして、この一言がボクを野球の虜にした… ギッチョはいいぞぉ、野球選手には持ってこいだ。王選手になれるぞっ! ボクの幸運は… このお兄ちゃんが“競技”としての野球人だったことだ。 よしっ、これはボール。わかるな? うん、 もようがあるだろ? うん、 これはちゃんとりゆうがあってついてるんだよ、 うん、 ボールは、ひとさしゆびとなかゆびのにほんでなげるんだよ、 うん、 ずっと、ずっと、教えてくれた… ボクは“理論”から野球を学んだ。 大袈裟だが、これがボクの生涯の“野球観”となる。 素晴らしいお兄ちゃんとの出会いと引き換えにボクとヒロシは、 “カギっ子”となった。 カギっ子、とは両親又はひとりだけの親が働いているため学校から家に帰ると誰もいない、自分自身で家のカギを持ち、自分で開けて帰宅する子供達の総称だ。 ママとパパに言われた。 ヒロシの面倒ちゃんとみてあげてね… まだ三年生のボクは、知恵の限りを尽くし、努力した… “ボクが怒られない為にどうヒロシをいいくるめるか…” 歪んだ思考になってゆくボクを、頭の回転が異常に速くなり、大人達の気持ちを読み取り喜ばせるにはどうすれば、どう言えばいいかとひたすら考えてるボクを、誰が責められよう… 今日も、ヒロシは困るボクをあざ笑うかのように、言う… おにいちゃん、ガム食べる? ガム? ガムなんてママにもらってないやろ? ヒロシはガムを両手いっぱい持っていた… あーーっ! はいっ、はんぶんあげる! あーーーっ! また、市場の駄菓子屋さんから“拝借”して来た… そんな時、ボクは最初にこう聞く… だれかにみつからんかったか? うん、 なんこある? よんこ、 よしっ、おにいちゃんがいまからおかねはらいにいってくるわ、 ??? おかねはらうのわすれてたんやなぁ、ヒロシは、 ??? ボクはお店に行って事情を説明し、お金を支払い、そして、こう言う… パパとママには言わないでください。 また、おとうとがお菓子を持って帰ってきたらボクがあとからお金持ってきますから、パパとママには言わないでください。 駄菓子屋のおばちゃんは、いつの時代も、世界中どこでも子供達が大好きだ。 わかったから、そんなに心配しなくてもいいから、おばちゃんとアキくんの秘密にしておくからね、お金はいいから… ボクは、持って行った金額分の駄菓子を買った。 アキくん、そんなに気を使って…。 おばちゃんはボクを弟思いのいい子だと思ってる。 そうなんだろうか? 三年生のボクには、 わからない… 答えは、ずっと、わからない。 こうしてボクの三年生は過ぎ去った。
2010.03.07
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ー永遠とゆう枕詞にー 新しい友達が出来た。 タブチマサルくん。 正門を出て右の路地に入りしばらく行くと、大きな大きな木があった。そこにプレハブ小屋のような“YAMAHA音楽教室”があった。タブチくんとは音楽仲間として親しくなった。 帰り道、仲町のコオノスポーツ店を左に曲がると突き当たりに“銭湯”がある。ボクはまだ銭湯を知らない。その向かいにタブチくんの家がある。 ランドセルのまま行くと、 “おやつあるから食べてから遊びなさいね” と、タブチくんのおかあさんが言ってくれる。いつも、いつも、言ってくれる。 ボクはタブチくんのおかあさんが大好きだった。 銭湯の裏に周ると“薪”が高く高く積み上げられて木の皮のいい匂いがした。なぜかわからなかったがそこにいると気分が良くなる、ボク達はそこに座り色々なことを話し合った。タブチくんの話を聞いているとボクは“子供らしい子供”になれた。 ねぇ、アキくん、 なに? おかあさんがアキくんはしっかりしてるねっ、って言ってたけど、しっかりしてるってどういうこと? えぇーっ!? ボクもわからないよ、、でも、タブチくんもしっかりしてるよ… ボクもしっかりしてるの? うん、してるしてる。 しっかりしてるって、いいことなのかなぁ。 タブチくんのおかあさんがいうんだからいいことなんじゃない? そうかぁ… うん、きっとそうだよ… 家に帰りママにお願いした。 ボク、銭湯に行きたい、 銭湯? うん、タブチくんの家の前にあるんだ、銭湯って気持ちいいんだって… ママはうれしそうに笑いながら、 じゃあ、パパに連れてってもらえるようにお願いしてみたら? パパ、銭湯好きかなぁ… きっと、好きよ。アキくんといっしょにお風呂入れるんだから… うん、 さっそくその日の夜、パパとヒロシと、そして、タブチくんと、そして、そして、タブチくんのおとうさんと、銭湯に行った。 セッケンを買って、タオルを買って、みんなで銭湯に入った。 銭湯は、富士山がある大きな大きなお風呂だった。 パパとタブチくんのおとうさんは仲良くなって友達になった。 ヒロシはタブチくんのおとうさんのおちんちんをじっとみていた。 パパはボクに“はだかのつきあい”したんだからタブチくんとは“しんゆう”だな、と、笑いながら言った。 “しんゆう?” そう、タブチくんのおちんちんをみてアキのおちんちんをみせて、はずかしかったかい? はずかしくなかった… そういうのを“しんゆう”っていうんだよ。 うん、しんゆうかぁ… ヒロシは、タブチくんのおとうさんのおちんちんは、パパのおちんちんよりちいさかった、と言ってママに“ヒロシッ!”ってしかられてた。 当時、まだまだ白黒テレビが幅をきかせ、洗濯機は一槽式で脱水は“手こねローラー式”で、ママは大きな洗濯物は“タライ”で手洗いして洗濯糊で仕上げていた。銭湯に通う家庭もいっぱいだった。 ある日、パパはニコニコしながら帰って来て、こう言った。 アキ、これなにかわかるか? ??? アキにくれるっていうからもらって来たよ、 なに? ユニホーム! ゆ・に・ほー・む? それは、ボクが初めて見るものだった。 パパの会社で“野球部”を作った。アキはそこの“マスコットボーイ”と“玉拾い”に選ばれたよ、 やるか? 野球… やるか?、と問われれば、うん、ボクやるっ! ボクはそんな子だ。 初めて本物のユニホームを着た。パパはユニホームの着方を知らない、ボクだって知るはずが無い。 ユニホーム一式を全部広げて眺めた。 かっこいいーーっ!と、思った。 ボクとパパはナガシマや、オウや、ホリウチをみながらユニホームの着こなしを勉強した。 ヒロシは、ママ、ボクのユニホームは? と言ってママを困らせた。 ボクは翌日、ユニホームを着て、“写真”を撮った。 朝早く、逆光の中、両足を大きく開いて左グローブをはめ、軟球を自慢げにかざし気取っている。 ボクはこの景色を決して忘れなかった、冷たいユニホームの肌触りを決して忘れなかった、この時の喜びを決して忘れなかった…。 背番号は“00”だった。 アキ、バット買いに行くか? 断わる理由など存在しない… ボクは“野球少年”となった。 ボクは三年生だった。
2010.03.06
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ー永遠とゆう枕詞にー 三年生のボクはいそがしい… ママは、もっといそがしい… 一週間に一度は“ひとり参観日” ヒロシは、落ち着きが無く、先生の言う事をまったく聞かず、同級生にちょっかいを出し、一時間目が終わると弁当を食べ、ボクの教室に遊びにくる。 そして、同じ行動をする仲間がいた… ウエダヨシノブ君。 …… ……… “厳格な家庭”“家族愛”を標榜し、当時は当たり前の“家長第一主義” ボクの家もそうだった。家族のルールはパパが決め、宣言する。すべては一言で決まる。パパはどんな事があっても家族を“守るっ!” テレビは一家に一台、の時代。チャンネル権はパパの専権事項だ。 ボクは自然に野球のルールを覚え、巨人ファンとなり、ONファンとなった。そして、洋画ファンとなった。一週間に五日も放映され、パパの解説付きで見入ったからである。 ジョン・ウエィンは良い人、インディアンは悪い人。クリントイーストウッドの賞金稼ぎは良い人、賞金首は悪い人。エッチなシーンは見てはいけない気がした。 なかでも“大脱走”のステーブ・マックイーンと“荒野の7人”のユル・ブリンナーと“マカロニ・ウエスタンのジュリアーノ・ジェンマに魅了された。 我が家のルール… ご飯はパパがお仕事から帰って来て、パパが一番風呂に入り、ボクたち兄弟が入ってパパがちゃぶ台に座る。食事中はテレビのスイッチを切る。 全員正座だ。 パパが宣誓する。 いただきます。 いただきまーすっ! 食事中は正座で無言で食べる。 パパが宣誓する。 ごちそうさまでした。 ごちそうさまでしたーーっ! よしっ、テレビつけて良いぞっ! わーいっ! 夜7時からはプロ野球中継だ。 ママはみんなが寝てから残り湯に入る。 そんな、しあわせな一日の終わり… よしっ、アキとヒロシはパパの前に座りなさい。 一瞬で緊張が全身を突き抜ける、 パパの意志決定が宣言される。 パパはいつも言っているように、お前達は“たったふたりの兄弟だ”ヒロシも小学生になったし、ふたりで助け合っていかなくちゃいけない。わかるな?、、、アキ。 はいっ。 お兄ちゃんは弟の面倒をみる。ヒロシはお兄ちゃんの言う事をよく聞いて従う。 わかるか? ヒロシ。 うん、 ボコッ、、パパのげんこつがヒロシに…。 そして、そして、そして、そして、そして、そして、ボクに… ボコッ、 ヒロシ、返事が違うだろ? と、パパ。 はいっ! そう、それでいい。 続けて… アキ、なんでお前もげんこつされたかわかるな? わかるな?、と、問われれば、“わかります”と答えるのが妥当だ、と、推察できるボクが、、か・な・し・い。 はいっ、わかります。 どう、わかった? たったふたりの兄弟なのでボクはヒロシの面倒をみて、教えてあげると言うことです。 よしっ、それでいい。 これからは、ヒロシが悪い事をしたら一緒にアキも怒られる、いいな。 はいっ。 ヒロシのことみてやれよ… はいっ。 ヒロシ、お兄ちゃんに迷惑かけないように、“ちゃんとしろよ” うん、 ボコッ、、 そして、ボクに、ボコッ。 はいっ。 よしっ、テレビ見ていいぞっ、 ボクは、明日からどうやってヒロシをおとなしくさせるか考えなければいけなくなった。 イヤ、どうやって怒られないようにするか、考えなければいけなくなった、 と、思った。 ボクは、そんな子だった。 なんでも、どんなことでも、ボクといっしょがいいヒロシは、YAMAHA音楽教室に入り、ソロバン塾に入り、習字を始めた… もう、わかると思うが… 三日で、すべてヤメタ… いや、三日で入門お断わりとなった。 意味も無く、カスタネットをたたきつづける… 墨汁を筆にたっぷりつけて、ふりまわす… ソロバンを意味無く、ふりつづける… ボクは、たんこぶが三つ、出来た。 ヒロシは学校が大好きだった。 ボク達は、たったふたりの兄弟だった。
2010.03.02
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ー永遠とゆう枕詞にー 格子戸を くぐり抜け 見上げる夕焼けの空に 誰が歌うのか 子守歌…♪ “わたしの城下町” 小柳ルミ子のデビュー曲、、ボクが初めて買った“シングル・レコード” 碧き目覚め。 いつものように、大袈裟だ。 透き通るような白い肌、大きな瞳、そして、隠された“dynamite・body” ボクは小学三年生ですでに理想の女性像を確立していたことになる。 おませさんだった。 向かい合う低学年棟と中学年棟、その裏手に体育館があり、幼稚園へと繋がっていて、そこが“裏門”となっていた。 “緑ヶ丘”“桜ヶ丘”“尾長谷”“段町”からやってくる生徒はここから帰ってゆく。ボクは“正門ルート”地域だが、授業が終わると“裏門ルート”付近で遊んだ。 毎日、遊んでた。 “砂場”とか“ドッチボール”とか、クギで地面に“お絵かき”とかだ。 アキく~ん、なにしてあそんでるの? トンネルつくってるんだ、 その日は砂場で町を工作して“待って”いた。 モリシタフミヨちゃん 透き通るような白い肌の同じクラスの気の強い子だ。 いっしょにつくっていい? べつにいいよ… ふたりなかよくいろいろなことをはなしながらあそんだ。 でっかいゆうやけのじかんがやってきた。 アキくん、もう、かえらなくちゃ… うん、かえろっ… どっちからかえるの? こっちのほうがちかいから… ボクは裏門ルートを迷わず選択する。別にお砂場遊びがしたいわけじゃなかった… ふたりなかよく手を洗い、、、 かえろっ! うんっ! おおきな、まっかな、ゆうやけにむかい、ならんでかえる… せ・つ・な ふたりは、てをつないだ… モリシタフミヨちゃんからてをだしてきた、 どきどき、した。 ゆめにナカヤマせんせいがでてきたときとおなじかんじで、 どきどき、した。 せ・つ・な みぎかたに、モリシタフミヨちゃんのあたまが、ちょこんと、のっかって、きた。 どきどき、どきどき、した。 おおきなおおきなゆうやけは、やがて、うすむらさきいろになり、しずんでゆく… こ、これかもしれない… ある日、お砂場遊びをしていると… いっしょにあそぼっ! って声がした。 しらない、女の子が、ふたり立っていた。 うん、いいよ、 なんねんせい? 三年生。 わたしたち、四年生。 どきどき、した。 おうち、どこ? ひがしまち。 わたしたち、だんまち。 せ・つ・な クツ箱のほうから走ってモリシタフミヨちゃんがやってくる、 せ・つ・な ボクたちをみてモリシタフミヨちゃんはなにもいわず、そのままかえっていっちゃった… なまえは? アキ、 いっしょにかえろうよ… うん、いいよ。 ボクは裏門ルートを段町経由で帰った。 すごく、どきどきした。 モリシタフミヨちゃんは、 お砂場遊びをしてくれなくなった。 江夏豊がオールスター戦で9連続三振奪取した1971年。 ボクは仮面ライダーに夢中になり、女の子を意識するようになった。 三年生は刺激的な毎日の連続だ。
2010.03.01
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