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伝説の英雄、アーサー王と円卓の騎士の物語。アーサー王というと、名剣エクスカリバーを抜いて円卓を囲む騎士達と共に悪を挫いた正義の王……ってなイメージしかなく、それだけで十分カッコイイお話のわりに、遠い英国でのお話のせいもあってか、中身やその存在すらそれほど興味を持つこともなかったのだが、辿ってみればブリテン島を統治していたローマ軍が去った後、アングロ・サクソン達の侵略と戦ったブリテン人の王ってとこらしい。ブリテン島の歴史は、ケルト、ローマ、アングロ、サクソン、海賊ディーン、ノルマン人……と、様々な民族の興廃によって成り、まさに貴奴らの本質らしい野蛮な面白味がある処。それを描いてヒットした「ブレイブハート」で、ブリテン島北部のウィリアム・ウォレスが(映画上では)ノルマン王朝のイングランド王エドワード一世と戦った舞台とされたのが西暦1300年頃になり、今回の舞台はその遥か昔の西暦500年頃、400年に渡りこの地を統治していたローマ軍がゲルマン民族のローマ侵攻に備えるためブリテン島から撤退した後。これ幸いと侵攻してくる蛮人ケルトの血をひくブリテン人より野蛮とされる異民族達との闘いである。まぁそれでもその後西暦900年前後にはアングロ・サクソン達が覇権を握り、その覇権も西暦1000年後期にはヴァイキング達へと移りってゆくので、どうしても歴史的にはブリテン人の影が薄くなってしまっているのかもしれないが、我らとは明らかに違う大陸人種の「自由」に対する意識の根源を、この地の彼等の生き様に見出すことは出来そうだ。主演は最近イイ味出してるソフトワイルド派クライヴ・オーウェンで、アーサ王としての威厳は見出せるのだが、他の円卓の騎士共がいささかイイ男達過ぎないか? して侵略者として描かれるサクソン人達の描き方もあまりに野蛮過ぎないか? してキーラ・ナイトレイ演じるヒロインも先住民、しかも武闘派の娘としちゃあまりに線が細すぎやしないか? とまぁキャストの出来は悪くないものの、かなり違和感あり。また演出も退屈はしないもののこの手の合戦映画ありがちなパターンは新鮮味に欠け、そのわりカッコつけの見せすぎが……と思ったら、プロデューサーはブラッカイマーだった。何よりそこが残念なとことろだ。彩度、光量抑え気味の撮影は、舞台となるブリテン島の気候に合わせてかな。おかげでこれまた「ミスティック・リバー」ほどではないが潰れ気味の黒である。それでも十分ハイビジョンらしい質感の高さはあり。活劇ものらしい音場感の盛り上げが効く。
2005.10.31
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主演……というより出演で語った方がよいだろう。ティム・ロビンス、ショーン・ペン、ケヴィン・ベーコン、マーシャ・ゲイハーデンにローラ・リニー……。それぞれがそれほど出過ぎず、それでいて準主役級にしっくりくる存在感ある役者達なだけに、この組み合わせは絶妙なところ。毎回鼻につくショーン・ペンの演技も、こういうキャストの中なら上手く埋もれていい具合だ。して監督のクリント・イーストウッドは、どの作も決して派手に見せ過ぎず、一つのテーマを作品全編通して訴える……というより纏わせるのが"らしい"作風の感じで、それ受け入れようとする器がなければ作品によっては物足りなさを感じてしまう場合もあるのだが、その技法によって引き出されるのが何よりも役者の質といったところになるので、その部分だけでも随分と見応えを感じるものだ。けどお話はかなり酷いモンがあるからねぇ。まぁこういう結末だからこそ観終わった後、いろいろと思い入れさせてもらえるのだが、一人で観ると誰に何語るわけにもいかず、なんか自分の中だけにその重いモンが残ってしまうのがチト胸苦しいかな。画質はフィルムで言う銀残しというのか、彩度落としめで黒が強く出、ウチのプロジェクターではシャドウが潰れ気味。それでもおかげでコントラスト強めの光陰の中、らしい寒々しさと言うか冷徹な空気感が全編に漂い、男達の質感がリアルに映し出される。音場感も派手な作りではないが、思っていた以上に物語を盛り上げていた。
2005.10.23
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監督ウォン・カーワイ。SFだとばかり思っていたらそうじゃなかった。舞台は 1960年代後半の香港。古びたホテルで女性との思い出を基に小説を書き綴る一人の男の物語。前作「花様年華」の舞台が60年前半になるので、その正当なる続編というわけだ。よって主演は当然トニー・レオン。役柄は前回より嫌な男になってる気がするが、訊くところによると、彼実際はアル中の相当なダメ男らしく、こちらの方が素に近いかも。そしてマギー・チャンもチラリと顔は出すけれど、今回は売れ線のチャン・ツィーが、マギー・チャンとは正反対の直情的な女性を演じメインを張り、その他フェイ・オン、コン・リーと、華系らしく一線の役者達を脇で使う。日本からはキムタクが参加。これで観る気失せる……という声もあったかと思うが、他に合う役者が日本に居たかと思えば配役的には悪くない。ま、元々演技は悪くない(上手過ぎる問題か)のだから、何が気に障ったかといったなら、彼をメインに出し過ぎた日本メディアの煽りぶりだといったところだろう。そしてこれだけの役者使うと、それぞれに気を遣うせいか物語が散漫になりがちだが、それを抑え引き出し凝縮させるこの出来は、役者使いの技と言うより、役者など添え役でこそより引き立つような表現力を持つ、ウォン・カーワイの成せる技。とは言え、未来舞台はちと過剰……という気もするけれど、前作が良かっただけに、これ抜いてただの続編別ドラマでもまた物足りないので、まぁこのまとまりでよしというところかな。画質はウォン・カーワイらしい光量抑えて色で見せる撮影が主のせいか今一歩。音場感もそれほどでもなしだが、楽曲は相変わらず彼らしい選曲センスが聴き所感じ所。サントラ買っちゃおーかなぁ。
2005.10.20
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久々の劇場視聴。しかしこういったCGI多用のアクション大作(?)を劇場で観るのは初めてのこと。きっとモノホンの大画面とマルチチャンネルによる迫力を感じるにはこういった作こそ映えるはず……との見込みもあったが、ちと違ってた。お話はこれまた近未来。アメリカの誇るステルス部隊に配属された人工頭脳を持つ最新鋭ステルス戦闘機が意思を持ち……と、まぁここまで書けば後の展開はご想像のとおり。実は観るまでジェシカ・ビールとジェイミー・フォックスが出てるなら……ぐらいの情報しか入れていなかったので、ステルス君が喋り出したのには劇場で初B級視聴かも……との気にさせられたが、それでも最新作らしいクライマックスが二個も三個もあるような満腹感ある展開や、意味なくジェシカ嬢のビキニ披露といったエンタメぶりはそれなりに楽しめた(エンディングロール中に帰っちゃダメよ)。しかしこれを劇場で見せられるといささか……。いや、展開やビキニ姿はよいのだが、メインになるCGIによる超高速なドッグファイトを、このスケールで目のあたりにすると、とてもついていけない。それはもはやアニメの域と言ってもよいのだが、リアルとアニメを凌駕しようという映像表現をこのサイズで見せつけられるのはかなりストレスだと思うのだが。とは言えこれをビデオでも観ても、違う面で満足度が下がるかもしれないけど。
2005.10.15
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近未来。自分の記憶を消去されることを前提に、数々の極秘プロジェクトに取り組み多額の報酬を得る主人公が、それを利用し企てられた陰謀に追い込まれるお話。主演がベン・アフレックとなると不思議と気楽に観る気になれる。気楽と言っても、安心して……と言うよりは、観ても観なくても……という感じかな。大体この人、その顔の大きさのせいか、情の表現に欠ける気がして、ドラマというより、こういったバタバタした追いつめられ系ならなんとか見れるというとこかな。ま、それでもその系の主演クラスとして認められる位置かとは思うけど。お話の方はフィリップ・K・ディックのSF短編小説が原作だそうで、それにハリウッドらしいビジュアルエフェクトやアクションをふんだんに盛り込み、誰でも楽しめるハリウッド系SFアクションサスペンスに仕上げてる。それにしても車、バイクに格闘、棒術……見覚えあるてんこ盛りアクションだなぁ……と思っていたら監督はジョン・ウーだった。さすがというより、そこを絞ればあと10分は詰められたじゃんという相変わらずの過剰気味演出は鼻につくが、たまにはこういう気軽にハラハラという時間も悪くない。新し作ながら今一抜け悪く感じる画質は、ユマ・サーマンの肌描写をごまかすためかな? 音場感もそれほどでもなし。それでも不満はないけどね。
2005.10.10
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雨模様の土曜日。3連休でもあり落ち着いて夕刻にスクリーンを降ろす。この時間ならボリュームも気にせず堪能できるので少々ダイナミックな作をとこれをセレクト。舞台は、灼熱広大荘厳な中東砂漠。アラビア馬の高貴な血筋を誇示するために開催される極限のサバイバルレースに、ネイティブアメリカンが育んだ雑種野生馬マスタングの系統、奇跡の野生馬と呼ばれたヒダルゴを駆るカーボーイが挑むというお話。実話基らしいのが凄いが、次々と襲ってくる苦難や謀略を乗り越えてゆく様は、ロマンシングストーン、レイダースばりのアクションアドベンチャーの様相で、この歳ともなるといささか過剰に感じさせられる系統ではあるが、思わず身を乗り出させられるクライマックスの作り込みにはいつもながら感心させられる。広大な砂漠を背景にしたダイナミックな撮影が見所でもあるが、画質はイマイチ甘めなのが非常に残念。音場感も抑え気味で、この映画の美味しさが半減している
2005.10.08
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イギリス、フランス、イタリアの合作映画。舞台となるのは、1968年、国際的な反グローバリゼーション運動の走りとなった「5月革命」前夜のパリ。よって最初はやけに哲学的な語りが多く、フランス語でこのままいかれたら耐えられんなぁ……というところだったが、監督はラテンの御大ベルナルド・ベルトルッチ。これぞ彼らしい濃密な愛の物語が、洗練……というより熟練の見事な映像美で描かれる。とは言えさすがに「シェルタリング・スカイ」や「ラスト・エンペラー」のようなダイナミックな撮影はないが、繰り広げられるのは、本番映画として物議を醸し出した「ラスト・タンゴ・イン・パリ」に通じるような一フロアでの双子の男女と一人の男の一見常軌を逸したような性愛模様で、途もすれば厭らしさや嫌悪感生じても不思議じゃないこの設定をそう感じさせることなく惹きつけられてしまうのは、一見平然と見えながら実は緻密に見られ崩され整えられた一室一室の舞台設定やファッション、そしてそれを誇張せずとも濃密な色合いを感じさてくれる独特の撮影美にあると思う。役者陣も、こういう作風に彩られれば、その中にまったりと組み込まれ、ちょっと崩れがまたいい味となるのだが、いかんせん未だボカシが著しく作品品位を下げているのが残念なところだ、画質はブリティシュ、フレンチ、イタリアン三様の光量と色彩をミックスしたようなあっさり綺麗に仕上がってるのが不思議。音場感で見せるより楽曲で見せる作かな。
2005.10.06
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久々のライブ視聴……って、だからどうってモンはないけど、HDD容量が無くってねぇ。なるべく即喰即便を心がけねば。今月のWOWOWの目玉はこれになるのかな。温暖化が招く急激な地球気候大異変を描く久々のディザスタームービー。が、監督ローランド・エメリッヒからしてどうも胡散臭いモンは感じていたんだ。きっとスケールでかく見せるわりに相変わらずでっかく欠落してるんだろうなぁって。結果正解。ま、お話からして気候変動で急激に凍結してゆくアメリカ大陸の中、閉じこめられた息子を歩いて救出にゆくという、どーしよーもないものなんだが、う~ん、これは脚本が悪いのか、それを許す監督が悪いのか、プロデューサーが悪いのか……。ま、つまんなくはないんだよ。さすがに見せ場あるし。事、目玉のビジュアルシーンなんて、あのカトリーナハリケーンやモルジブ津波の後だったら公開でなかったんじゃねーかというほどのリアルさだ。けど「インデペンデンス・デイ」でもそうだったんだが、この人見せるとこは他じゃできないほどの表現力で見せつけるわり、通ってる話がどうにもお粗末というか、幼稚というか……これが前作通っているというのは、やっぱ監督のセンスなのかね。ま、それだけ見せ場シーンに肩入れし過ぎちゃってるとも言えるのかも知れないけど、そう割り切って見ても、こうなると最後に付け加えようとするメッセージ性まで陳腐に感じてしまうのが残念だ。画質はやはりCG合成と合わすためか、解像感抑えた絵画チックなベタな色合い。後半いくらか肌質表現も冴えるが、全編通して抜けがイマイチかな。音はさすが楽曲より環境音が圧してくる。いさかさバランスは悪いけど。
2005.10.02
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ユダヤ人と偽って名声と地位を得た黒人大学教授と、過去を引きずり心に傷を持ち続ける掃除婦との恋物語……と書くのは簡単だが、結構奥深いものを持つ文学性ある人間ドラマ。そこにアンソニー・ホプキンス、ニコールキッドマンの主役級にエド・ハリスとゲーリー・シニーズといったA級脇役陣を配した万全の作りで、やはりこういった役者使いこそバランス性が高いが、配役的にはどうかというところ。 ホプキンスとキッドマンの組み合わせというのもちと違和感あるが、それよりもホプキンスの冷徹な表情(芸風?)というのは、時折見せる感情露わにする表現力に欠ける気がする。むしろこちらにエド・ハリス持ってきた方が、より感情移入できたんじゃないだろうか。ま、役設定は合わないけど。キッドマンも演技的にはまだ軽いものも感じるが、歳くって肉感的でもないのに、らしい色気が出せるのは素敵。それだけで次回作気にさせる希な女優さんだな。まぁこの辺は好みかもしれないけど。また、若き日の主人公を演じるウェイントワース・ミラーがなかなかイイ味だ。お話は、映画的にはあまり捻りもなく結末も物足りないが、原作は現代文学の大家フィリップ・ロスのベストセラー。やっぱ本で読んだ方が満足度は相当高そうだ。画質はイマイチ。音場感も地味。
2005.10.01
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