あかずきんのバスケット

2007/04/04
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300406028


月日の経るは 矢の如しと 誠にかくおぼゆ

昨年 雪降りしこの日 いまは 桜の花 ひとつふたつなど咲く

差し入るひかり 春のあたたかさなれど、風いと冷たし

ときおり雨など降るも ひとびとの涙 なほ 誘ふ

つらつらと 故人のありし日のことなど思ふ


ただただ、無我夢中で走ってきた思いがする
なにもわからずに始めた仕事も少しずつ流れもつかめてきたように思えるようになった
あのときから、すべて一瞬にして凍り付いてしまったような様々な思い出や出来事は
いまも解凍されずに、こころの奥に置かれている

時折、耳にする低い、振動するような音は、いまでも 地下にあった放射線治療室の
音や匂いを思い出させ、怖さで震えてしまう

昨年は雪が降ったが今年は、沈丁花の花が咲き、白木蓮も開き、ミモザは今が満開である
桜の花も咲きはじめ 草木は時を違わず 花をつける
変わらない風景の中に、ひとつ穴があいたような空間がある
変わらないように見えて、すべてのものが、変わっている
川の流れのように留まることもなく滔々と流れゆく

この先、片隅に追いやっている凍った思い出が融ける日がくるだろうか
いまはまだ、それを融かそうという気持ちになれずにいるが、時折断片的に
映像とともに脳裏に思い浮かぶ思い出のかけら
振り返ると、さまざまな思いが追い寄せてきて、つぶされそうなので 後ろは見ずにいたい


いまは、すこし、何も考えずただ眠りたい
眠りのなかで、凍った塊が昇華して泡のように消えていったらどんなにいいだろうか












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Last updated  2007/04/05 12:16:16 PM
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