森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.04.12
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ストレス学説を打ち出したカナダの故ハンス・セリエ氏は「適度のストレスがないと人類は滅びる」と言っています。

寒さというストレスをネズミに与えていくと、ネズミは徐々に寒さに慣れていくそうです。寒さに対する耐性ができているということです。寒さはきついですが、それに打ち勝つことで、結果として生き伸びる力がついてくるのです。

重力のない宇宙に滞在した宇宙飛行士の筋肉や骨は急速に衰えていきます。重力というストレスは、空を自由に飛ぶことはできませんが、そのおかげで筋肉や骨が丈夫になるのです。使わないと廃用性萎縮が起こります。

世界一の長寿村であるコーカサス地方を調査してみるととても興味深いことが分かります。
一つは案に反してかなり厳しい労働をしていること。もう一つは山あり谷ありの厳しい自然環境で、気候も寒さや暑さの寒暖の差があることです。そんな過酷な自然の中で、コーカサス地方の人たちは、ほとんどみんな毎日生きるための農作業に従事しています。亡くなるのは115歳ぐらいになって、畑でぽっくりというのが多いそうです。

特徴的なのは、何かあるとみんなが集まり酒盛りをして歌を歌うそうです。その時80代の人は若手扱いだと聞きました。過度のストレスを抱え込みすぎないで、発散する楽しみがあるのがよいのでしょう。日本の長野県も長寿県ですが、山は多いですが決して特別に恵まれた環境とは言えません。むしろ冬は雪が多く、夏は暑いところです。

考えてみれば、あまりにもストレスの多い一年中寒さの厳しいところや、反対に一年を通して気候が温暖なところ、花が一年中咲いているようなところではかえってあまり長生きができないようです。
それは食べ物や気候に恵まれていると、人間の生命力が発揮されないということだと思います。反対に生命力がどんどん失われてゆくからではないでしょうか。だから適度なストレスが人間の生命力を目覚めさせて、生きる力を与えているということではないでしょうか。

森田では不安や心の痛み、ストレスは人間が生きていく上に無くてはならない大切なものだと教えてくれています。今一度その効用を見直してみたいものです。






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Last updated  2013.04.12 06:21:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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